JPS6345829B2 - - Google Patents
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- JPS6345829B2 JPS6345829B2 JP60091580A JP9158085A JPS6345829B2 JP S6345829 B2 JPS6345829 B2 JP S6345829B2 JP 60091580 A JP60091580 A JP 60091580A JP 9158085 A JP9158085 A JP 9158085A JP S6345829 B2 JPS6345829 B2 JP S6345829B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、口腔内の湿潤粘膜に貼付され、口腔
内粘膜に投与された薬剤の流出防止や口腔内粘膜
の損傷部の被覆保護等を行う口腔内包帯およびそ
の製造法に関するものである。 〔従来の技術〕 従来より、歯槽膿漏や炎症などの口腔内の疾患
に対して、種々の薬剤が軟膏剤や液剤として投与
されている。またこれら局所性の治療薬のみなら
ず、粘膜面が外皮などに比べて薬剤を比較的よく
吸収することに着目して、経口投与では吸収され
がたいホルモン剤などの全身性の薬剤も口腔内粘
膜からの投与が試みられている。このような、口
腔内粘膜を通しての薬剤の投与に際して最大の障
害となるのは、唾液の分泌や飲食により、短時間
のうちに薬剤が流去されてしまい充分な薬効の発
現が困難なことである。 また、口腔内の損傷部を被覆保護することは有
効な口腔内包帯が存在していないことから殆ど行
われていないが、口腔内には上記のように常時唾
液が分泌されまた飲食物も入るため、その被覆保
護の実現には大きな障害がある。 最近、これらの障害を克服し口腔内の疾患に対
して薬剤を効果的に投与しようとして各種の提案
がなされている。それらのなかでも、本発明の口
腔内包帯に比較的近い思想のものは、水溶性高分
子物質を付着性成分として含んだ口腔内粘膜付着
性の製剤がある。水溶性高分子物質はその種類に
より程度の差はあるが、少量の水分を吸収すると
粘稠な水溶液あるいはゲルとなつて付着性を示す
ようになる。この性質を利用して、ペースト状
(特公昭56−27491号公報)、スポンジ状(特公昭
56−25211号公報)、タブレツト状(特公昭58−
7605号公報)、シート状(特公昭44−16676号公
報、特開昭59−186913号公報)など様々な口腔内
粘膜付着性の製剤が考案された。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記各製剤は、口腔内粘膜に付
着して内蔵薬剤を投与するだけのものであつて、
単に内蔵薬剤が投与できるだけの付着力があれば
足りるものであり、またその薬剤の投与に足るだ
けの時間粘膜に付着していれば充分であるため、
口腔内包帯に要求されるような強力な付着力と長
時間の付着持続力とを備えていない。すなわち、
口腔内包帯は、口腔内疾患部や損傷部上に貼付さ
れ、そこに投与される薬剤の流失防止やそれらの
部位に対する被覆保護を図るものであり、投与薬
剤や損傷部からの出血等で付着しにくい状態にな
つている口腔内粘膜に対しても強力に付着しうる
付着力と長時間に亘つて付着する付着持続力とが
要求される。上記口腔内粘膜付着性の製剤は、そ
の性質上、上記のように付着力および付着持続力
の双方が口腔内包帯に要求される程ではなく、し
たがつて、その製剤の基剤を口腔内包帯に転用し
ても口腔内包帯に要求される上記特性を到底発現
しえないのである。むろん、外皮に使用されるば
ん創膏などの粘着テープは口腔内粘膜の如き湿潤
面に対する付着性を備えていないため、口腔内包
帯に転用することはできない。 口腔内包帯は、口腔内疾患部等に貼付され、投
与薬剤の流失防止、被覆保護作用を発揮するもの
であるから、上記のように強力な付着力と長時間
に亘る付着持続とを要求されるものであり、その
うえ、形状の複雑な口腔内粘膜の任意の部位に貼
付可能な柔軟性と損傷部に刺激を与えて傷を悪化
させることのない安全性を備えていることが要求
される。しかしながら、このような特性を備えた
ものは存在していないのが実情である。 本発明は、このような事情に鑑みなされたもの
で、強力な付着力、長時間に亘る付着持続力およ
び口腔内粘膜の任意の部位に貼付可能な柔軟性な
らびに損傷部に刺激を与えて傷を悪化させること
のない安全性を備えた口腔内包帯およびその製造
法の提供を目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、本発明は、フイル
ム状付着体単独もしくはフイルム状付着体と柔軟
なフイルム状支持体との一体化物からなる口腔内
包帯であつて、上記フイルム状付着体が、ポリカ
ルボン酸およびポリ無水カルボン酸の少なくとも
一方と酢酸ビニル単独重合体とが相溶状態になつ
ており、かつ上記ポリカルボン酸ないしポリ無水
カルボン酸に対して中和作用を有する塩類が含有
されている柔軟な非スポンジ状フイルム状体によ
つて構成されている口腔内包帯を第1の要旨と
し、ポリカルボン酸およびポリ無水カルボン酸の
少なくとも一方と酢酸ビニル単独重合体とを両者
に共通の溶媒に溶解し、さらにポリカルボン酸な
いしポリ無水カルボン酸に対して中和作用を有す
る塩類を配合した溶液を準備する工程と、上記溶
液をフイルム状に形成する工程を備えた口腔内包
帯の製造法を第2の要旨とするものである。 ポリカルボン酸およびポリ無水カルボン酸のよ
うな水溶性高分子物質は、それ自体保形性を有し
ており、少量の水分を吸収した状態では強力な付
着性を発現するが、すぐ過剰吸水状態となり粘度
低下、崩壊を起し実質的に水に溶解した状態とな
つて付着性を失う。そのうえ、溶解ポリカルボン
酸は酸性を呈し、敏感な口腔内粘膜の損傷部に強
い刺激を与え損傷部の悪化の原因となる。 本発明者らは、ポリカルボン酸、ポリ無水カル
ボン酸等の水溶性高分子物質のこのような吸水時
における強力な付着力を生かし、これを口腔内包
帯に有効に利用するため、その欠陥である過剰吸
水時の付着性喪失の改善および口腔内損傷部に対
する刺激性の改善を目的として一連の研究を重ね
た。その結果、ポリカルボン酸、ポリ無水カルボ
ン酸と、酢酸ビニル単独重合体とは相溶性を有し
ており、両者を相溶状態にすると、ポリカルボン
酸、ポリ無水カルボン酸の実質的な水不溶化が、
吸水時の強力な付着性を損なうことなくむしろ増
強した状態で実現され、両者の相溶物を薄い柔軟
なフイルム状に形成しても湿潤状態で吸水崩壊せ
ず長時間強力な付着力を発現するようになり、さ
らに上記相溶物にポリカルボン酸ないしポリ無水
カルボン酸に対して中和作用を有する塩類(塩お
よび塩基の双方を含む)を含有させると、口腔内
粘膜損傷部に対する刺激をなくすことができるこ
とを見いだしこの発明に到達した。 上記のようなポリカルボン酸およびポリ無水カ
ルボン酸の少なくとも一方(以下これらを「ポリ
カルボン酸類」と総称する)と酢酸ビニル単独重
合体との相溶物からなる非スポンジ状柔軟なフイ
ルムは、乾燥時には付着性を有していないが、吸
水時に強力な付着力を発揮し、その状態は水中浸
漬時においても殆ど変化しないという画期的な特
性を備えている。このような特性はポリカルボン
酸類と酢酸ビニル単独重合体とが相溶状態になつ
ていて初めて発現するものであり、相溶状態にな
つていないときには発現しない。なお、ポリカル
ボン酸類に対して中和作用を有する塩類は、その
混合状態が上記付着性に殆ど影響を与えない。こ
の塩類は上記ポリカルボン酸類、酢酸ビニル単独
重合体と相溶状態になつていても、粉末が分散し
ている程度の粗い混合状態になつていてもよいの
である。 ここで相溶状態とは、ポリカルボン酸類と酢酸
ビニル単独重合体等とが相分離して独立した小領
域を形成することなく、均一に溶解しあつた状態
をいう。ポリカルボン酸類と酢酸ビニル単独重合
体は、相溶した状態になると、相分離状態での混
合物の特性からは予測されない特性を示すように
なる。これらの特性の差異は、ポリカルボン酸類
と酢酸ビニル単独重合体のみの混合物であれば、
明瞭に観察することが可能であるが、本発明の付
着体のように、中和作用を有する塩類をも含む混
合物においては、その差異は不明瞭となる。すな
わち、ポリカルボン酸類と酢酸単独ビニル重合体
のみの混合物であれば、相分離状態のフイルムは
白濁し、相溶状態のフイルムは透明度が高いもの
となるのであるが、中和作用を有する塩類を含む
混合物においては、塩類の混合状態についての規
制がないため、ポリカルボン酸類と酢酸ビニル単
独重合体とが相溶状態にあつても、塩類が粗い混
合状態にあるならば、やはりフイルムは白濁する
ものである。このように、目視あるいは光学顕微
鏡による観察によつては、必ずしもポリカルボン
酸類と酢酸ビニル単独重合体との混合状態を判別
することができない場合がある。 しかしながら、すでに述べたように、本発明者
らは、ポリカルボン酸類と酢酸ビニル単独重合体
とが相溶状態にある時には、水溶性であるはずの
ポリカルボン酸類の水溶性が著しく制限され、た
とえ水中にかなり長時間に亘つて浸漬しても均質
に膨潤し、崩壊を起こさないものであることを見
出した。この性質は中和作用を有する塩の有無に
かかわらず観察された。 この性質を利用して、ポリカルボン酸類と酢酸
ビニル単独重合体との相溶状態を調べることがで
きる。また、ポリカルボン酸類の水溶性が制限さ
れていることにより、本発明の口腔内包帯が長時
間に亘つて口腔内粘膜に付着できることから考え
ても、この判別法は適当であると云える。 この発明では、ポリカルボン酸類と酢酸ビニル
単独重合体の相溶状態をポリカルボン酸類の溶出
量から調べるものであり、この発明における相溶
状態とは、具体的には、下記の溶出率測定法によ
つて求められた溶出率が50重量%(以下「%」と
略す)以下である混合状態のことをいう。 <溶出率測定法> ポリカルボン酸類と酢酸ビニル単独重合体と中
和作用を有する塩類とからなるフイルム(フイル
ム状付着体)を0℃以下にて粉砕し、秤量する。
これをメツシユの袋に入れ、該付着体の重量の
300倍以上の20℃の精製水内に静置状態で1時間
浸漬したのち、袋ごと付着体を取り出す。この操
作により精製水中に溶出したポリカルボン酸類と
中和作用を有する塩類の擁を、浸漬による付着体
の重量減少などより求める。これをフイルム中の
ポリカルボン酸類と中和作用を有する塩類の配合
量の和で除算して溶出率を算出する。 本発明の口腔内包帯は、上記のような、乾燥時
には付着性を示さず吸水時にのみ付着力を発現す
る柔軟な非スポンジ状フイルムをフイルム状付着
体とするものであり、フイルム状付着体が乾燥し
ている状態では付着性を有しないため特別な保管
態様をとることなくそのまま保管でき、使用に際
しては口腔内粘膜に押し付けるだけで粘膜上の唾
液や粘膜の水分を吸収して速やかに付着性を発現
し粘膜に強力に付着する。したがつて投与薬物や
出血等により付着しにくくなつている口腔内疾患
部位や損傷部位の上に強力に付着して薬剤の流出
や傷の被覆保護作用を発現するのである。そし
て、この付着状態は著しく長時間持続するのであ
り、これが本発明の大きな特徴である。この場
合、上記フイルム状付着体は、ポリカルボン酸類
が実質的に不溶化されているとはいうものの完全
に不溶化されている訳ではないため、口腔内包帯
を粘膜に貼付した初期段階で、ポリカルボン酸類
が微量溶出し、これが損傷部等を刺激するという
ことが考えられるが、上記フイルム状付着体に
は、ポリカルボン酸類に対する中和作用を有する
塩類が含有されており、これが、溶出する可能性
のあるポリカルボン酸類を予め中和しているた
め、上記損傷部に対して刺激が加えられず、長時
間の付着によつても何ら支障が生じないのであ
る。このような口腔内包帯の長時間の付着持続性
は、すでに述べたようにフイルム状付着体におい
てポリカルボン酸類と酢酸ビニル単独重合体とが
相溶状態になつていることにより初めて実現する
ものである。 この付着持続力の発生機構は明らかではない
が、相溶状態下においては、ポリカルボン酸類が
湿潤粘膜に対する付着性を、酢酸ビニル単独重合
体が耐水性を付与し、両者がうまく調和して長時
間の付着持続力を発現するものと考えられる。な
お、ポリカルボン酸類に対して中和作用を有する
塩類はその混合状態が付着性に影響を与えること
はないが、その特性が上記付着性等に対して微妙
に影響する。例えば、酸化亜鉛や酸化カルシウム
のような多価の金属塩は、付着性を減じ耐水性を
高める働きをするが、酢酸ナトリウム等の1価の
金属塩や、水酸化ナトリウムやトリエタノールア
ミン等の1価の塩基は付着性を高め耐水性を減じ
る作用をする。 このように、本発明の口腔内包帯は、長時間に
亘る付着持続力を有しているため、口腔内疾患部
位に対する投与薬剤の流失を長時間防止し、その
吸収率を著しく高めて治癒を早め、また口腔内損
傷部位に対する被覆保護を長時間持続し、その回
復を早めうる。このとき、溶出ポリカルボン酸類
による損傷部位に対する刺激は、すでに述べたよ
うに上記塩類の中和作用によつて阻止されるた
め、口腔内包帯貼付により損傷部位等が反つて悪
化するというような事態を招かないのである。そ
のうえ、上記フイルム状付着体は、ポリカルボン
酸類と酢酸ビニル単独重合体とが相溶状態になつ
ている実質的に水不溶性の柔軟な非スポンジ状フ
イルムからなり、単に水溶性高分子物質をそのま
ま用いたものではないため非常に薄い状態で長時
間に亘る付着持続力を発現する。すなわち、水溶
性高分子物質をそのまま用いる場合には、それを
あまり薄くすると唾液によつて短時間の間に急速
に溶解して付着性が急速に失われるようになるか
ら薄くできないのであり、かなりの厚みをもたせ
ることとなる。しかし、このようにすると、今度
は使用時の異物感が大きくなると同時に口腔内包
帯の柔軟性が損なわれるようになる。本発明の口
腔内包帯のフイルム状付着体は、非常に薄い状態
で長時間に亘り強力な付着力を発現するため、厚
みを厚くする必要がなく、厚みの過大による異物
感等を感りさせないのである。本発明の口腔内包
帯は、このようにフイルム状付着体を薄い柔軟な
非スポンジ状フイルムによつて構成しているた
め、全体が柔軟であり、かつ薄い。したがつて使
用時に軽く押し付けるだけで口腔内粘膜に沿つて
円滑に変形し簡単に付着するものであり、また貼
付によつて異物感を与えないという利点を有して
いる。 本発明の口腔内包帯は、例えば、ポリカルボン
酸類と酢酸ビニル単独重合体とを、両者に共通の
溶媒に溶解し、さらにポリカルボン酸類に対して
中和作用を有する塩類を配合し、これを迅速に流
延し乾燥してフイルム状付着体化することにより
製造することができる。上記塩類の配合は、上記
溶液に塩類を溶解させることによつて行つてもよ
いし、また粉末状のものを分散させることによつ
て行つてもよい。この製造法によれば非常に薄い
フイルム状体を容易に形成しうるという利点があ
る。 上記ポリカルボン酸類の代表的なものを例示す
ると、アクリル酸重合体、メタクリル酸重合体、
無水マレイン酸重合体があげられ、単独でもしく
は併せて使用することができる。上記アクリル酸
重合体の具体例として、アクリル酸単独重合体の
他に、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル等のアクリル酸エステル類や、メタクリ
ル酸メチル等のメタクリル酸エステル類ならびに
酢酸ビニルなどのビニルモノマーとの共重合体
や、カルボキシビニルポリマーのような共重合体
があげられる。また、メタクリル酸重合体の具体
例としては、メタクリル酸単独重合体の他に、ア
クリル酸重合体の場合と同様な共重合体があげら
れ、無水マレイン酸重合体の具体例としては、メ
チルビニルエーテルなどとの共重合体があげられ
る。なお、上記各具体例に例示した化合物は単独
使用だけでなく混合使用できることはいうまでも
ない。これらのポリカルボン酸類において、ポリ
カルボン酸中には、−COOH基が20%以上、ポリ
無水カルボン酸中には、−CO−O−CO−基が16
%以上含まれていることが効果の上で好ましい。 上記酢酸ビニル単独重合体は酢酸ビニルモノマ
ーのみを重合させたものである。この重合体に
は、酢酸ビニル単独重合体を部分ケン化した部分
ケン化物も含まれる。これらは平均分子量(粘度
平均分子量)が60000以上であることが好ましい。
平均分子量が60000未満のものを用いると、上記
フイルム状付着体の耐水性が低下し所期の効果が
得られにくくなる。 ポリカルボン酸類に対して中和作用を有する塩
類とは、塩のみではなく、塩基も含むものであ
り、その代表例として、金属と弱酸との塩、金属
の酸化物、金属の水酸化物、アミン等およびそれ
らの混合物があげられる。金属と弱酸との塩の具
体例として、ナトリウム、カリウム、カルシウ
ム、マグネシウム等と、酢酸、乳酸、クエン酸等
のカルボン酸との塩があげられ、金属の酸化物の
具体例としては、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸
化マグネシウムがあげられる。また、金属の水酸
化物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシ
ウム等があげられ、アミンの具体例としては、ト
リエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン
等があげられる。上記に具体的に例示した化合物
は単独でもしくは併用しうるものである。このよ
うな塩類の好ましい配合量は、塩または塩基の種
類によつて大幅に異なる。多価の金属塩を使用す
る場合には、フイルム状付着体中のポリカルボン
酸類に対して、0.2〜0.8当量配合することが好ま
しく、その量が0.2当量を下回ると、損傷部位
(損傷粘膜)に対する刺激性低減効果が不充分と
なり、0.8当量を上回ると、充分な付着持続性が
得られにくくなる。また、1価の金属塩あるいは
1価の塩基を使用する場合には、フイルム状付着
体中のポリカルボン酸類に対して、0.03〜0.2当
量配合することが好ましく、その量が0.03当量を
下回ると損傷部位に対する刺激性低減効果が不充
分となり、0.2当量を上回るとフイルム状付着体
の耐水性が低下して充分な付着力が得られにくく
なるからである。 上記ポリカルボン酸類と酢酸ビニル単独重合体
の共通溶媒としては、メタノール、エタノール
等の低級アルコール、およびこれと可溶なアセ
トン、酢酸エチル等の有機溶媒との混合物であつ
て低級アルコールを主成分とするもの、ならびに
上記混合物または低級アルコールにさらに水を
添加混合したものがあげられる。上記の溶媒に
関しては、アセトン、酢酸エチル等の有機溶媒の
含有量を30%以下に制限することが好ましい。30
%を超えるとポリカルボン酸類の溶解が困難にな
るからである。上記の溶媒に関しては、水の含
有量を30%以下に制限することが好ましい。水の
含有量が30%を超えると酢酸ビニル単独重合体の
溶解が困難になる傾向がみられるからである。 前記のようにして口腔内包帯を製造する場合に
おいて、ポリカルボン酸類と酢酸ビニル単独重合
体との混合比率は、下記の式で求められるA値が
15〜55の範囲内になるように規制することが好ま
しい。
内粘膜に投与された薬剤の流出防止や口腔内粘膜
の損傷部の被覆保護等を行う口腔内包帯およびそ
の製造法に関するものである。 〔従来の技術〕 従来より、歯槽膿漏や炎症などの口腔内の疾患
に対して、種々の薬剤が軟膏剤や液剤として投与
されている。またこれら局所性の治療薬のみなら
ず、粘膜面が外皮などに比べて薬剤を比較的よく
吸収することに着目して、経口投与では吸収され
がたいホルモン剤などの全身性の薬剤も口腔内粘
膜からの投与が試みられている。このような、口
腔内粘膜を通しての薬剤の投与に際して最大の障
害となるのは、唾液の分泌や飲食により、短時間
のうちに薬剤が流去されてしまい充分な薬効の発
現が困難なことである。 また、口腔内の損傷部を被覆保護することは有
効な口腔内包帯が存在していないことから殆ど行
われていないが、口腔内には上記のように常時唾
液が分泌されまた飲食物も入るため、その被覆保
護の実現には大きな障害がある。 最近、これらの障害を克服し口腔内の疾患に対
して薬剤を効果的に投与しようとして各種の提案
がなされている。それらのなかでも、本発明の口
腔内包帯に比較的近い思想のものは、水溶性高分
子物質を付着性成分として含んだ口腔内粘膜付着
性の製剤がある。水溶性高分子物質はその種類に
より程度の差はあるが、少量の水分を吸収すると
粘稠な水溶液あるいはゲルとなつて付着性を示す
ようになる。この性質を利用して、ペースト状
(特公昭56−27491号公報)、スポンジ状(特公昭
56−25211号公報)、タブレツト状(特公昭58−
7605号公報)、シート状(特公昭44−16676号公
報、特開昭59−186913号公報)など様々な口腔内
粘膜付着性の製剤が考案された。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記各製剤は、口腔内粘膜に付
着して内蔵薬剤を投与するだけのものであつて、
単に内蔵薬剤が投与できるだけの付着力があれば
足りるものであり、またその薬剤の投与に足るだ
けの時間粘膜に付着していれば充分であるため、
口腔内包帯に要求されるような強力な付着力と長
時間の付着持続力とを備えていない。すなわち、
口腔内包帯は、口腔内疾患部や損傷部上に貼付さ
れ、そこに投与される薬剤の流失防止やそれらの
部位に対する被覆保護を図るものであり、投与薬
剤や損傷部からの出血等で付着しにくい状態にな
つている口腔内粘膜に対しても強力に付着しうる
付着力と長時間に亘つて付着する付着持続力とが
要求される。上記口腔内粘膜付着性の製剤は、そ
の性質上、上記のように付着力および付着持続力
の双方が口腔内包帯に要求される程ではなく、し
たがつて、その製剤の基剤を口腔内包帯に転用し
ても口腔内包帯に要求される上記特性を到底発現
しえないのである。むろん、外皮に使用されるば
ん創膏などの粘着テープは口腔内粘膜の如き湿潤
面に対する付着性を備えていないため、口腔内包
帯に転用することはできない。 口腔内包帯は、口腔内疾患部等に貼付され、投
与薬剤の流失防止、被覆保護作用を発揮するもの
であるから、上記のように強力な付着力と長時間
に亘る付着持続とを要求されるものであり、その
うえ、形状の複雑な口腔内粘膜の任意の部位に貼
付可能な柔軟性と損傷部に刺激を与えて傷を悪化
させることのない安全性を備えていることが要求
される。しかしながら、このような特性を備えた
ものは存在していないのが実情である。 本発明は、このような事情に鑑みなされたもの
で、強力な付着力、長時間に亘る付着持続力およ
び口腔内粘膜の任意の部位に貼付可能な柔軟性な
らびに損傷部に刺激を与えて傷を悪化させること
のない安全性を備えた口腔内包帯およびその製造
法の提供を目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、本発明は、フイル
ム状付着体単独もしくはフイルム状付着体と柔軟
なフイルム状支持体との一体化物からなる口腔内
包帯であつて、上記フイルム状付着体が、ポリカ
ルボン酸およびポリ無水カルボン酸の少なくとも
一方と酢酸ビニル単独重合体とが相溶状態になつ
ており、かつ上記ポリカルボン酸ないしポリ無水
カルボン酸に対して中和作用を有する塩類が含有
されている柔軟な非スポンジ状フイルム状体によ
つて構成されている口腔内包帯を第1の要旨と
し、ポリカルボン酸およびポリ無水カルボン酸の
少なくとも一方と酢酸ビニル単独重合体とを両者
に共通の溶媒に溶解し、さらにポリカルボン酸な
いしポリ無水カルボン酸に対して中和作用を有す
る塩類を配合した溶液を準備する工程と、上記溶
液をフイルム状に形成する工程を備えた口腔内包
帯の製造法を第2の要旨とするものである。 ポリカルボン酸およびポリ無水カルボン酸のよ
うな水溶性高分子物質は、それ自体保形性を有し
ており、少量の水分を吸収した状態では強力な付
着性を発現するが、すぐ過剰吸水状態となり粘度
低下、崩壊を起し実質的に水に溶解した状態とな
つて付着性を失う。そのうえ、溶解ポリカルボン
酸は酸性を呈し、敏感な口腔内粘膜の損傷部に強
い刺激を与え損傷部の悪化の原因となる。 本発明者らは、ポリカルボン酸、ポリ無水カル
ボン酸等の水溶性高分子物質のこのような吸水時
における強力な付着力を生かし、これを口腔内包
帯に有効に利用するため、その欠陥である過剰吸
水時の付着性喪失の改善および口腔内損傷部に対
する刺激性の改善を目的として一連の研究を重ね
た。その結果、ポリカルボン酸、ポリ無水カルボ
ン酸と、酢酸ビニル単独重合体とは相溶性を有し
ており、両者を相溶状態にすると、ポリカルボン
酸、ポリ無水カルボン酸の実質的な水不溶化が、
吸水時の強力な付着性を損なうことなくむしろ増
強した状態で実現され、両者の相溶物を薄い柔軟
なフイルム状に形成しても湿潤状態で吸水崩壊せ
ず長時間強力な付着力を発現するようになり、さ
らに上記相溶物にポリカルボン酸ないしポリ無水
カルボン酸に対して中和作用を有する塩類(塩お
よび塩基の双方を含む)を含有させると、口腔内
粘膜損傷部に対する刺激をなくすことができるこ
とを見いだしこの発明に到達した。 上記のようなポリカルボン酸およびポリ無水カ
ルボン酸の少なくとも一方(以下これらを「ポリ
カルボン酸類」と総称する)と酢酸ビニル単独重
合体との相溶物からなる非スポンジ状柔軟なフイ
ルムは、乾燥時には付着性を有していないが、吸
水時に強力な付着力を発揮し、その状態は水中浸
漬時においても殆ど変化しないという画期的な特
性を備えている。このような特性はポリカルボン
酸類と酢酸ビニル単独重合体とが相溶状態になつ
ていて初めて発現するものであり、相溶状態にな
つていないときには発現しない。なお、ポリカル
ボン酸類に対して中和作用を有する塩類は、その
混合状態が上記付着性に殆ど影響を与えない。こ
の塩類は上記ポリカルボン酸類、酢酸ビニル単独
重合体と相溶状態になつていても、粉末が分散し
ている程度の粗い混合状態になつていてもよいの
である。 ここで相溶状態とは、ポリカルボン酸類と酢酸
ビニル単独重合体等とが相分離して独立した小領
域を形成することなく、均一に溶解しあつた状態
をいう。ポリカルボン酸類と酢酸ビニル単独重合
体は、相溶した状態になると、相分離状態での混
合物の特性からは予測されない特性を示すように
なる。これらの特性の差異は、ポリカルボン酸類
と酢酸ビニル単独重合体のみの混合物であれば、
明瞭に観察することが可能であるが、本発明の付
着体のように、中和作用を有する塩類をも含む混
合物においては、その差異は不明瞭となる。すな
わち、ポリカルボン酸類と酢酸単独ビニル重合体
のみの混合物であれば、相分離状態のフイルムは
白濁し、相溶状態のフイルムは透明度が高いもの
となるのであるが、中和作用を有する塩類を含む
混合物においては、塩類の混合状態についての規
制がないため、ポリカルボン酸類と酢酸ビニル単
独重合体とが相溶状態にあつても、塩類が粗い混
合状態にあるならば、やはりフイルムは白濁する
ものである。このように、目視あるいは光学顕微
鏡による観察によつては、必ずしもポリカルボン
酸類と酢酸ビニル単独重合体との混合状態を判別
することができない場合がある。 しかしながら、すでに述べたように、本発明者
らは、ポリカルボン酸類と酢酸ビニル単独重合体
とが相溶状態にある時には、水溶性であるはずの
ポリカルボン酸類の水溶性が著しく制限され、た
とえ水中にかなり長時間に亘つて浸漬しても均質
に膨潤し、崩壊を起こさないものであることを見
出した。この性質は中和作用を有する塩の有無に
かかわらず観察された。 この性質を利用して、ポリカルボン酸類と酢酸
ビニル単独重合体との相溶状態を調べることがで
きる。また、ポリカルボン酸類の水溶性が制限さ
れていることにより、本発明の口腔内包帯が長時
間に亘つて口腔内粘膜に付着できることから考え
ても、この判別法は適当であると云える。 この発明では、ポリカルボン酸類と酢酸ビニル
単独重合体の相溶状態をポリカルボン酸類の溶出
量から調べるものであり、この発明における相溶
状態とは、具体的には、下記の溶出率測定法によ
つて求められた溶出率が50重量%(以下「%」と
略す)以下である混合状態のことをいう。 <溶出率測定法> ポリカルボン酸類と酢酸ビニル単独重合体と中
和作用を有する塩類とからなるフイルム(フイル
ム状付着体)を0℃以下にて粉砕し、秤量する。
これをメツシユの袋に入れ、該付着体の重量の
300倍以上の20℃の精製水内に静置状態で1時間
浸漬したのち、袋ごと付着体を取り出す。この操
作により精製水中に溶出したポリカルボン酸類と
中和作用を有する塩類の擁を、浸漬による付着体
の重量減少などより求める。これをフイルム中の
ポリカルボン酸類と中和作用を有する塩類の配合
量の和で除算して溶出率を算出する。 本発明の口腔内包帯は、上記のような、乾燥時
には付着性を示さず吸水時にのみ付着力を発現す
る柔軟な非スポンジ状フイルムをフイルム状付着
体とするものであり、フイルム状付着体が乾燥し
ている状態では付着性を有しないため特別な保管
態様をとることなくそのまま保管でき、使用に際
しては口腔内粘膜に押し付けるだけで粘膜上の唾
液や粘膜の水分を吸収して速やかに付着性を発現
し粘膜に強力に付着する。したがつて投与薬物や
出血等により付着しにくくなつている口腔内疾患
部位や損傷部位の上に強力に付着して薬剤の流出
や傷の被覆保護作用を発現するのである。そし
て、この付着状態は著しく長時間持続するのであ
り、これが本発明の大きな特徴である。この場
合、上記フイルム状付着体は、ポリカルボン酸類
が実質的に不溶化されているとはいうものの完全
に不溶化されている訳ではないため、口腔内包帯
を粘膜に貼付した初期段階で、ポリカルボン酸類
が微量溶出し、これが損傷部等を刺激するという
ことが考えられるが、上記フイルム状付着体に
は、ポリカルボン酸類に対する中和作用を有する
塩類が含有されており、これが、溶出する可能性
のあるポリカルボン酸類を予め中和しているた
め、上記損傷部に対して刺激が加えられず、長時
間の付着によつても何ら支障が生じないのであ
る。このような口腔内包帯の長時間の付着持続性
は、すでに述べたようにフイルム状付着体におい
てポリカルボン酸類と酢酸ビニル単独重合体とが
相溶状態になつていることにより初めて実現する
ものである。 この付着持続力の発生機構は明らかではない
が、相溶状態下においては、ポリカルボン酸類が
湿潤粘膜に対する付着性を、酢酸ビニル単独重合
体が耐水性を付与し、両者がうまく調和して長時
間の付着持続力を発現するものと考えられる。な
お、ポリカルボン酸類に対して中和作用を有する
塩類はその混合状態が付着性に影響を与えること
はないが、その特性が上記付着性等に対して微妙
に影響する。例えば、酸化亜鉛や酸化カルシウム
のような多価の金属塩は、付着性を減じ耐水性を
高める働きをするが、酢酸ナトリウム等の1価の
金属塩や、水酸化ナトリウムやトリエタノールア
ミン等の1価の塩基は付着性を高め耐水性を減じ
る作用をする。 このように、本発明の口腔内包帯は、長時間に
亘る付着持続力を有しているため、口腔内疾患部
位に対する投与薬剤の流失を長時間防止し、その
吸収率を著しく高めて治癒を早め、また口腔内損
傷部位に対する被覆保護を長時間持続し、その回
復を早めうる。このとき、溶出ポリカルボン酸類
による損傷部位に対する刺激は、すでに述べたよ
うに上記塩類の中和作用によつて阻止されるた
め、口腔内包帯貼付により損傷部位等が反つて悪
化するというような事態を招かないのである。そ
のうえ、上記フイルム状付着体は、ポリカルボン
酸類と酢酸ビニル単独重合体とが相溶状態になつ
ている実質的に水不溶性の柔軟な非スポンジ状フ
イルムからなり、単に水溶性高分子物質をそのま
ま用いたものではないため非常に薄い状態で長時
間に亘る付着持続力を発現する。すなわち、水溶
性高分子物質をそのまま用いる場合には、それを
あまり薄くすると唾液によつて短時間の間に急速
に溶解して付着性が急速に失われるようになるか
ら薄くできないのであり、かなりの厚みをもたせ
ることとなる。しかし、このようにすると、今度
は使用時の異物感が大きくなると同時に口腔内包
帯の柔軟性が損なわれるようになる。本発明の口
腔内包帯のフイルム状付着体は、非常に薄い状態
で長時間に亘り強力な付着力を発現するため、厚
みを厚くする必要がなく、厚みの過大による異物
感等を感りさせないのである。本発明の口腔内包
帯は、このようにフイルム状付着体を薄い柔軟な
非スポンジ状フイルムによつて構成しているた
め、全体が柔軟であり、かつ薄い。したがつて使
用時に軽く押し付けるだけで口腔内粘膜に沿つて
円滑に変形し簡単に付着するものであり、また貼
付によつて異物感を与えないという利点を有して
いる。 本発明の口腔内包帯は、例えば、ポリカルボン
酸類と酢酸ビニル単独重合体とを、両者に共通の
溶媒に溶解し、さらにポリカルボン酸類に対して
中和作用を有する塩類を配合し、これを迅速に流
延し乾燥してフイルム状付着体化することにより
製造することができる。上記塩類の配合は、上記
溶液に塩類を溶解させることによつて行つてもよ
いし、また粉末状のものを分散させることによつ
て行つてもよい。この製造法によれば非常に薄い
フイルム状体を容易に形成しうるという利点があ
る。 上記ポリカルボン酸類の代表的なものを例示す
ると、アクリル酸重合体、メタクリル酸重合体、
無水マレイン酸重合体があげられ、単独でもしく
は併せて使用することができる。上記アクリル酸
重合体の具体例として、アクリル酸単独重合体の
他に、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル等のアクリル酸エステル類や、メタクリ
ル酸メチル等のメタクリル酸エステル類ならびに
酢酸ビニルなどのビニルモノマーとの共重合体
や、カルボキシビニルポリマーのような共重合体
があげられる。また、メタクリル酸重合体の具体
例としては、メタクリル酸単独重合体の他に、ア
クリル酸重合体の場合と同様な共重合体があげら
れ、無水マレイン酸重合体の具体例としては、メ
チルビニルエーテルなどとの共重合体があげられ
る。なお、上記各具体例に例示した化合物は単独
使用だけでなく混合使用できることはいうまでも
ない。これらのポリカルボン酸類において、ポリ
カルボン酸中には、−COOH基が20%以上、ポリ
無水カルボン酸中には、−CO−O−CO−基が16
%以上含まれていることが効果の上で好ましい。 上記酢酸ビニル単独重合体は酢酸ビニルモノマ
ーのみを重合させたものである。この重合体に
は、酢酸ビニル単独重合体を部分ケン化した部分
ケン化物も含まれる。これらは平均分子量(粘度
平均分子量)が60000以上であることが好ましい。
平均分子量が60000未満のものを用いると、上記
フイルム状付着体の耐水性が低下し所期の効果が
得られにくくなる。 ポリカルボン酸類に対して中和作用を有する塩
類とは、塩のみではなく、塩基も含むものであ
り、その代表例として、金属と弱酸との塩、金属
の酸化物、金属の水酸化物、アミン等およびそれ
らの混合物があげられる。金属と弱酸との塩の具
体例として、ナトリウム、カリウム、カルシウ
ム、マグネシウム等と、酢酸、乳酸、クエン酸等
のカルボン酸との塩があげられ、金属の酸化物の
具体例としては、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸
化マグネシウムがあげられる。また、金属の水酸
化物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシ
ウム等があげられ、アミンの具体例としては、ト
リエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン
等があげられる。上記に具体的に例示した化合物
は単独でもしくは併用しうるものである。このよ
うな塩類の好ましい配合量は、塩または塩基の種
類によつて大幅に異なる。多価の金属塩を使用す
る場合には、フイルム状付着体中のポリカルボン
酸類に対して、0.2〜0.8当量配合することが好ま
しく、その量が0.2当量を下回ると、損傷部位
(損傷粘膜)に対する刺激性低減効果が不充分と
なり、0.8当量を上回ると、充分な付着持続性が
得られにくくなる。また、1価の金属塩あるいは
1価の塩基を使用する場合には、フイルム状付着
体中のポリカルボン酸類に対して、0.03〜0.2当
量配合することが好ましく、その量が0.03当量を
下回ると損傷部位に対する刺激性低減効果が不充
分となり、0.2当量を上回るとフイルム状付着体
の耐水性が低下して充分な付着力が得られにくく
なるからである。 上記ポリカルボン酸類と酢酸ビニル単独重合体
の共通溶媒としては、メタノール、エタノール
等の低級アルコール、およびこれと可溶なアセ
トン、酢酸エチル等の有機溶媒との混合物であつ
て低級アルコールを主成分とするもの、ならびに
上記混合物または低級アルコールにさらに水を
添加混合したものがあげられる。上記の溶媒に
関しては、アセトン、酢酸エチル等の有機溶媒の
含有量を30%以下に制限することが好ましい。30
%を超えるとポリカルボン酸類の溶解が困難にな
るからである。上記の溶媒に関しては、水の含
有量を30%以下に制限することが好ましい。水の
含有量が30%を超えると酢酸ビニル単独重合体の
溶解が困難になる傾向がみられるからである。 前記のようにして口腔内包帯を製造する場合に
おいて、ポリカルボン酸類と酢酸ビニル単独重合
体との混合比率は、下記の式で求められるA値が
15〜55の範囲内になるように規制することが好ま
しい。
【表】
〓基の重量 〓 〓基の重量 〓
A〓
A〓
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 フイルム状付着体単独もしくはフイルム状付
着体と柔軟なフイルム状支持体との一体化物から
なる口腔内包帯であつて、上記フイルム状付着体
が、ポリカルボン酸およびポリ無水カルボン酸の
少なくとも一方と酢酸ビニル単独重合体とが相溶
状態になつており、かつ上記ポリカルボン酸ない
しポリ無水カルボン酸に対して中和作用を有する
塩類が含有されている柔軟な非スポンジ状フイル
ム状体によつて構成されていることを特徴とする
口腔内包帯。 2 塩類が、塩および塩基の少なくとも一方であ
る特許請求の範囲第1項記載の口腔内包帯。 3 柔軟なフイルム状支持体が、プラスチツクフ
イルムである特許請求の範囲第1項または第2項
記載の口腔内包帯。 4 ポリカルボン酸およびポリ無水カルボン酸の
少なくとも一方と酢酸ビニル単独重合体とを両者
に共通の溶媒に溶解し、さらにポリカルボン酸な
いしポリ無水カルボン酸に対して中和作用を有す
る塩類を配合した溶液を準備する工程と、上記溶
液をフイルム状に形成する工程を備えていること
を特徴とする口腔内包帯の製造法。 5 溶液をフイルム状に形成することが、溶液を
流延し乾燥させることにより行われる特許請求の
範囲第4項記載の口腔内包帯の製造法。 6 溶液をフイルム状に形成することが、柔軟な
フイルム状支持体の上で行われ、形成フイルムと
柔軟なフイルム状支持体とが一体化物となる特許
請求の範囲第4項記載の口腔内包帯の製造法。 7 柔軟なフイルム状支持体がプラスチツクフイ
ルムである特許請求の範囲第6項記載の口腔内包
帯の製造法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60091580A JPS61249472A (ja) | 1985-04-27 | 1985-04-27 | 口腔内包帯およびその製造法 |
| EP86303170A EP0200508B1 (en) | 1985-04-27 | 1986-04-25 | Adhesive oral bandages and oral pharmaceutical preparations |
| US06/855,565 US4772470A (en) | 1985-04-27 | 1986-04-25 | Oral bandage and oral preparations |
| DE8686303170T DE3681754D1 (de) | 1985-04-27 | 1986-04-25 | Klebepflaster und arzneimittel fuer die mundhoehle. |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60091580A JPS61249472A (ja) | 1985-04-27 | 1985-04-27 | 口腔内包帯およびその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61249472A JPS61249472A (ja) | 1986-11-06 |
| JPS6345829B2 true JPS6345829B2 (ja) | 1988-09-12 |
Family
ID=14030479
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60091580A Granted JPS61249472A (ja) | 1985-04-27 | 1985-04-27 | 口腔内包帯およびその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61249472A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102004049740B4 (de) * | 2004-10-13 | 2009-08-27 | Lts Lohmann Therapie-Systeme Ag | Selbstklebende Zahnfolie und Verfahren zur Herstellung der Zahnfolie |
| WO2006138723A2 (en) * | 2005-06-16 | 2006-12-28 | Biolase Technology, Inc. | Tissue coverings bearing cutomized tissue images |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5937253U (ja) * | 1982-08-31 | 1984-03-08 | デ−タイ−スト株式会社 | カツタ− |
-
1985
- 1985-04-27 JP JP60091580A patent/JPS61249472A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61249472A (ja) | 1986-11-06 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |