JPS634909B2 - - Google Patents
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- JPS634909B2 JPS634909B2 JP28485A JP28485A JPS634909B2 JP S634909 B2 JPS634909 B2 JP S634909B2 JP 28485 A JP28485 A JP 28485A JP 28485 A JP28485 A JP 28485A JP S634909 B2 JPS634909 B2 JP S634909B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は、80Kgf/mm2以上の機械的強度の優れ
た高強度工業用純チタン鍛造材の製造法に関す
る。 (従来技術) チタンは耐食性に優れているために化学工業
に、また軽量で高強度であるため航空機用材料と
して、さらに非磁性構造材としての利用法もあ
り、その需要はますます増加する傾向にあるが、
それとともに各種構造部材としてのチタンの材料
諸特性の向上、新品種の出現に対する期待も大き
いと言える。工業用純チタンの機械的強度レベル
は、不純物元素としての酸素、窒素、炭素、鉄量
によつて支配され、これらの元素量の多寡によつ
てその強度レベルに応じて軟質材(例えばJIS規
格1種)、硬質材(例えばJIS規格3種、ASTM
規格B381Gr−3)が規格化されている。近年チ
タンの需要拡大に伴つて、高耐食性、あるいは非
磁性高強度構造材としての用途も広がりつつあ
る。またASTM規格B381Gr−4材はその高強度
構造材に該当すると言える。 この規格を詳しく述べれば、主たる不純物元素
としての酸素は最大0.40wt%を含有し、引張強度
は56Kgf/mm2以上、耐力は49〜66.5Kgf/mm2の範
囲に、伸びは15%以上とされ、工業的製造法で得
られる通常の強度レベルとしては70Kgf/mm2程度
を有すると言える。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、このASTM規格B381Gr−4材におい
ても、純チタン高強度構造材用素材の強度レベル
としては未だ不満足であり、80Kgf/mm2級の強度
レベルを有し、かつ全伸び≧20%なる充分な延性
をそなえた工業用純チタン高強度材を得ることが
できれば、チタン合金(例えばTi−3Al−2.5V合
金等)と強度、延性ともに充分競合可能となる。
また純チタンの方が低コストで製造可能であり、
また熱間鍛造成形時の変形抵抗もチタン合金にく
らべ著しく小さいために、製造性が優れる等の利
点がある。従つて80Kgf/mm2級の純チタン高強度
構造材の開発は意義があると言える。 ここで工業用純チタンとはC0.15wt%以下、
Fe0.15wt%以下、N0.07wt%以下、H0.01wt%以
下、残部Tiの材料である。従つて本発明の材料
はC0.15wt%以下、H0.01wt%以下、N0.07wt%
以下、Fe0.15wt%以下、O0.40〜0.60wt%、残部
Tiである。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは上記の目的に従い、80Kgf/mm2級
の強度レベルを有する高強度工業用純チタン鍛造
材を得ることを目的として、強度レベル調整用不
純物元素としての酸素量と、鍛造温度、鍛造比、
鍛造材の結晶粒径、鍛造後熱処理条件、及び鍛造
材の機械特性値との関係を種々検討し、0.40〜
0.60wt%酸素量を含有する鋳塊を、β域加熱にて
据込みを伴う鍛造を行ない、α相域低温温間域の
仕上鍛造を施すことによつて通常レベル以上の結
晶粒の微細化をはかることが有効であることを知
見し、本発明をなすに到つた。 即ち、本発明は不純物としての酸素量を0.40〜
0.60wt%含む工業用純チタン鋳塊を、600℃から
β変態温度点以上50℃の温度範囲で据え込み鍛造
を含む合計鍛錬比10以上となる粗鍛錬を施し、引
続いて400℃〜850℃の温度範囲で鍛錬比4以上の
仕上鍛造を施し、その後500℃〜700℃の温度域で
保定時間60分以下の熱処理を加えることによつて
得られるその機械的強度が80Kgf/mm2以上となる
機械的強度の優れた工業用純チタン鍛造材の製造
方法である。 以下、本発明を詳細に説明する。 まず本発明の基本的技術思想を述べれば以下の
とおりである。純チタンの機械的強度の高強度化
を図るためには、(a)主たる侵入型固溶元素として
の酸素による固溶体強化を利用する。従つて後述
する如く所定の値以上の酸素量を添加し高強度化
をはかる。しかし過剰な酸素添加はいたずらに延
性の低下を招くため好ましくない。従つて酸素量
に適正範囲が存在する。第2の高強度化の方策と
しては(b)結晶粒径の細粒化がある。チタン鋳塊の
マクロ組織結晶粒径は約数10mmであるため、これ
を初期粒径として、まずβ変態点以上に加熱し、
変態による細粒化とともにβ相域から600℃温度
間に於いて据込みを含む鍛造を繰返し行ない、充
分マクロ組織を破壊し細粒化をはかる。望ましく
はこれを数回くり返し、変態による細粒化と熱間
加工中再結晶進行に伴う細粒化を徹底する。しか
る後、α相温度域約800℃に再加熱し、この温度
から400℃間で未再結晶域における加工を充分施
し、変形歪を蓄積する。仕上鍛造後の冷却は上記
の加工に伴う変形歪の回復を回避する為に、水中
又は温水中に焼入れると良い。こうして得られた
鍛造材は不均一な変形歪を伴つているため組織均
一化のための熱処理を施す必要があるが、粒成長
を生じさせてはならないので、500℃〜700℃で60
分間以下の熱処理とする。望ましくは、550℃が
良い。以上の処理によつて平均粒径10μm以下の
細粒鍛造材を得ることが可能となる。この様に本
発明は、前述の(a)酸素による固溶体強化と(b)結晶
粒径の細粒化による強化とを複合化した点に新規
性があり、重ねて言えばそれをASTM規格
B381Gr−4の酸素成分0.40wt%以上の成分範囲
に拡張し、より高強度な工業用純チタン鍛造材を
提供可能にした点に特徴がある。 引続いて本発明に規定する各要件の範囲につい
てデータに基づき具体的に説明する。 本発明者らはまず酸素量と機械的特性(強度、
延性)に関して調査し、第1図、第2図に示す知
見を得た。但し、実験素材としては、酸素:0.03
〜0.60wt%、鉄:0.006〜0.007wt%、窒素:0.004
〜0.005wt%、炭素:0.003〜0.004wt%残部チタ
ンという組成からなる100gボタン鋳塊を小型真
空アーク溶解炉で溶製し、850℃加熱鍛造(15φ
×100mmに仕上げた)−熱処理(600℃×1時間、
空冷)後、直径D=5mmφ、ゲージ長=4Dの丸
棒引張試験片を採取し、引張試験を実施した(引
張速度は0.2%耐力まで0.1mm/min、0.2%耐力以
後10mm/min)。 第1図によれば、引張強度σB37+100×(wt
%O)と近似式が成立し、σB≧80Kgf/mm2となる
ためには、酸素量≧0.40wt%とする必要がある。
又、第2図より酸素量≧0.60wt%となると、絞り
≦50%、全伸び≦20%となり延性低下を生ずるた
め、0.60wt%以上の酸素添加は望ましくないこと
が分る。従つて、不純物として含まれる酸素量を
0.40〜0.60wt%とした。 またこれらの鍛造熱処理後の金属組織平均結晶
粒径は約5〜6μm程度の細粒となつた。その理
由は素材サイズが小さい為に、鍛造仕上温度が約
400℃程度の温間域で、鍛造前初期組織粒径数mm
の素材を鍛錬比11(直径50mmφ→15mmφ丸棒へ加
工)で行つたことによる。 以上の基礎的知見に基づき、工業的に実施可能
となる素材酸素成分範囲、鍛造条件、鍛造後熱処
理条件と結晶粒径、機械的特性との関係を調べ
た。以下その結果を述べる。 前述した基礎試験結果に基づき0.35、0.40、
0.45、0.50、0.55、0.60wt%酸素を含む440mmφ×
200mm鋳塊を溶製し、β相温度域1050℃、970℃
及びα相温度域850℃に加熱し、合計鍛錬比5〜
40となる粗鍛造を施した後、引続いてα相域850
℃あるいは700℃加熱による仕上鍛造(合計鍛錬
比2〜10)を行ない、その後500℃〜700℃間で30
分間〜300分間の熱処理を加えた後、これらの
種々の条件で製造した材料の金属組織平均結晶粒
径と機械特性(強度)の関係を調べた。その結果
を第3図に示す。又、鍛造後熱処理条件と機械特
性値の関係の例として0.45wt%材のデータを第4
図、第5図に示す。なお第5図および第6図にお
いて横軸はT(logt+20)を示し、Tは保定温度
(〓)、tは保定時間(Hr)である。 第3図より明らかなように、鍛造熱処理後の引
張強度(試片サイズ:平行部径D=10mmφ、ゲー
ジ長L=4D)は各々の酸素量レベルにより異な
るが、いれの場合にも平均結晶粒径(d:μm)
が小さい程、引張強度σBは大となる。引張強度σB
≧80Kgf/mm2を得る為には、0.35wt%酸素材では
d≦1.5μm、0.40wt%酸素材ではd≦3μm、
0.45wt%酸素材ではd≦6μm、0.50wt%酸素材で
はd≦30μmとすることが必要であるが、10μm
以下とすれば所望の強度を確実に獲得することが
できる。 次に鍛造諸条件、鍛造後熱処理条件について説
明する。まず粗鍛造時の鋳塊加熱温度をβ相変態
点以上50℃を上まわると、β相域にて据込みを含
む鍛造を施しても、また粗鍛造時に合計鍛錬比を
10未満とすると、鋳塊マクロ組織を充分細粒化で
きずに効果不充分となるので好ましくない。また
鋳塊加熱温度が600℃を下まわると、粗鍛造材コ
ーナー部にシワ疵が発生し易くなり仕上鍛造時に
重大な欠陥を誘発するので好ましくない。又仕上
鍛造時の鍛造材加熱温度を850℃以上とすると粗
鍛造材の金属組織結晶粒が粒成長を生じ望ましく
ない。又、仕上鍛造温度が400℃を下まわると、
変形抵抗が高まつて容易に鍛造ができず、かつ疵
発生が多発するので好ましくない。又仕上鍛造時
の鍛錬比は4以上とする必要があり、これを下ま
わると希望する材質を得ることができない。又、
第4図、第5図に示す如く、鍛造後の熱処理は、
組織の均質化を主たる目的とするため、強度確保
の観点から熱処理中の結晶粒成長を極力小さくす
るため低温で短時間、すなわち500〜700℃で60分
以下、望ましくは550℃で60分間行うと良い。 なお、本発明方法によれば延性もすぐれてお
り、全伸び≧20%を確保することができる。 (実施例) 以下、本発明の実施例、及び比較例を示す。 実施例 1 第1表中A材として示される化学成分(0.45wt
%O)を有するチタン鋳塊(440mmφ×300mm)
を粗鍛造として800℃〜950℃間で据え込みを含む
鍛造を再加熱しながら3回繰返して行ない合計鍛
錬比30となる鍛造(粗鍛造後サイズ:150mmφ×
2026mm)を行なつた。次いでこれを2等分の長
さに分割し、仕上鍛造として850℃に加熱し400℃
〜850℃間で鍛錬比4.5の仕上鍛造(仕上鍛造後サ
イズ:100mmφ×2860mm)と行つた。仕上鍛造
後の冷却処理としては、温水焼入れ処理を行つ
た。鍛造後熱処理として550℃×60分間の熱処理
を施した。得られた機械的性質を第2表に示す。
結晶粒径d=4μmとなつてσB=82.0Kgf/mm2、
ElT=21.8%を得ることができ、本発明の所定特
性を満している。 実施例 2 第1表中B材として示される化学成分(0.50wt
%O)を有するチタン鋳塊(440mmφ×200mm)
を、粗鍛造として800℃〜900℃間で据え込みを含
む鍛造を、再加熱しながら4回繰返して行ない、
合計鍛錬比25となる粗鍛造(粗鍛造後サイズ:
140mmφ×1550mm)を行なつた。次いでこれを
3等分の長さに分割し、仕上鍛造として800℃に
加熱し、400℃〜800℃間で鍛錬比5.1(仕上鍛造後
サイズ:70mmφ×2630mm)を行つた。仕上鍛造
後の冷却処理としては温水焼入れ処理を行つた。
鍛造後熱処理として550℃×60分間の熱処理を施
した。得られた機械的性質を第2表に示す。結晶
粒径d=5μmとなつてσB=84.0Kgf/mm2、ElT=
21.0%を得ることができ、本発明の所定の特性を
満している。 比較例 1 第1表中A材として示される化学成分(0.45wt
%O)を有するチタン鋳塊(440mmφ×300mm)
を粗鍛造として800℃〜950℃間で合計鍛錬比8と
なる鍛造を1回行ない(粗鍛造後仕上サイズ:
150mmφ×2026mm)、次いでこれを2等分の長さ
に分割し、仕上鍛造として850℃に加熱し600℃〜
850℃間で鍛錬比2.0(仕上鍛造後サイズ:120mmφ
×2010mm)を行つた。仕上鍛造後の冷却処理と
しては空冷を行ない、鍛造後熱処理として550℃
×60分間の熱処理を施した。得られた機械的性質
を第2表に示す。 結晶粒径d=25μmと粗粒となり、σB=76.5Kg
f/mm2、ElT=23.5%となつて本発明の所定特性
を満し得ない。
た高強度工業用純チタン鍛造材の製造法に関す
る。 (従来技術) チタンは耐食性に優れているために化学工業
に、また軽量で高強度であるため航空機用材料と
して、さらに非磁性構造材としての利用法もあ
り、その需要はますます増加する傾向にあるが、
それとともに各種構造部材としてのチタンの材料
諸特性の向上、新品種の出現に対する期待も大き
いと言える。工業用純チタンの機械的強度レベル
は、不純物元素としての酸素、窒素、炭素、鉄量
によつて支配され、これらの元素量の多寡によつ
てその強度レベルに応じて軟質材(例えばJIS規
格1種)、硬質材(例えばJIS規格3種、ASTM
規格B381Gr−3)が規格化されている。近年チ
タンの需要拡大に伴つて、高耐食性、あるいは非
磁性高強度構造材としての用途も広がりつつあ
る。またASTM規格B381Gr−4材はその高強度
構造材に該当すると言える。 この規格を詳しく述べれば、主たる不純物元素
としての酸素は最大0.40wt%を含有し、引張強度
は56Kgf/mm2以上、耐力は49〜66.5Kgf/mm2の範
囲に、伸びは15%以上とされ、工業的製造法で得
られる通常の強度レベルとしては70Kgf/mm2程度
を有すると言える。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、このASTM規格B381Gr−4材におい
ても、純チタン高強度構造材用素材の強度レベル
としては未だ不満足であり、80Kgf/mm2級の強度
レベルを有し、かつ全伸び≧20%なる充分な延性
をそなえた工業用純チタン高強度材を得ることが
できれば、チタン合金(例えばTi−3Al−2.5V合
金等)と強度、延性ともに充分競合可能となる。
また純チタンの方が低コストで製造可能であり、
また熱間鍛造成形時の変形抵抗もチタン合金にく
らべ著しく小さいために、製造性が優れる等の利
点がある。従つて80Kgf/mm2級の純チタン高強度
構造材の開発は意義があると言える。 ここで工業用純チタンとはC0.15wt%以下、
Fe0.15wt%以下、N0.07wt%以下、H0.01wt%以
下、残部Tiの材料である。従つて本発明の材料
はC0.15wt%以下、H0.01wt%以下、N0.07wt%
以下、Fe0.15wt%以下、O0.40〜0.60wt%、残部
Tiである。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは上記の目的に従い、80Kgf/mm2級
の強度レベルを有する高強度工業用純チタン鍛造
材を得ることを目的として、強度レベル調整用不
純物元素としての酸素量と、鍛造温度、鍛造比、
鍛造材の結晶粒径、鍛造後熱処理条件、及び鍛造
材の機械特性値との関係を種々検討し、0.40〜
0.60wt%酸素量を含有する鋳塊を、β域加熱にて
据込みを伴う鍛造を行ない、α相域低温温間域の
仕上鍛造を施すことによつて通常レベル以上の結
晶粒の微細化をはかることが有効であることを知
見し、本発明をなすに到つた。 即ち、本発明は不純物としての酸素量を0.40〜
0.60wt%含む工業用純チタン鋳塊を、600℃から
β変態温度点以上50℃の温度範囲で据え込み鍛造
を含む合計鍛錬比10以上となる粗鍛錬を施し、引
続いて400℃〜850℃の温度範囲で鍛錬比4以上の
仕上鍛造を施し、その後500℃〜700℃の温度域で
保定時間60分以下の熱処理を加えることによつて
得られるその機械的強度が80Kgf/mm2以上となる
機械的強度の優れた工業用純チタン鍛造材の製造
方法である。 以下、本発明を詳細に説明する。 まず本発明の基本的技術思想を述べれば以下の
とおりである。純チタンの機械的強度の高強度化
を図るためには、(a)主たる侵入型固溶元素として
の酸素による固溶体強化を利用する。従つて後述
する如く所定の値以上の酸素量を添加し高強度化
をはかる。しかし過剰な酸素添加はいたずらに延
性の低下を招くため好ましくない。従つて酸素量
に適正範囲が存在する。第2の高強度化の方策と
しては(b)結晶粒径の細粒化がある。チタン鋳塊の
マクロ組織結晶粒径は約数10mmであるため、これ
を初期粒径として、まずβ変態点以上に加熱し、
変態による細粒化とともにβ相域から600℃温度
間に於いて据込みを含む鍛造を繰返し行ない、充
分マクロ組織を破壊し細粒化をはかる。望ましく
はこれを数回くり返し、変態による細粒化と熱間
加工中再結晶進行に伴う細粒化を徹底する。しか
る後、α相温度域約800℃に再加熱し、この温度
から400℃間で未再結晶域における加工を充分施
し、変形歪を蓄積する。仕上鍛造後の冷却は上記
の加工に伴う変形歪の回復を回避する為に、水中
又は温水中に焼入れると良い。こうして得られた
鍛造材は不均一な変形歪を伴つているため組織均
一化のための熱処理を施す必要があるが、粒成長
を生じさせてはならないので、500℃〜700℃で60
分間以下の熱処理とする。望ましくは、550℃が
良い。以上の処理によつて平均粒径10μm以下の
細粒鍛造材を得ることが可能となる。この様に本
発明は、前述の(a)酸素による固溶体強化と(b)結晶
粒径の細粒化による強化とを複合化した点に新規
性があり、重ねて言えばそれをASTM規格
B381Gr−4の酸素成分0.40wt%以上の成分範囲
に拡張し、より高強度な工業用純チタン鍛造材を
提供可能にした点に特徴がある。 引続いて本発明に規定する各要件の範囲につい
てデータに基づき具体的に説明する。 本発明者らはまず酸素量と機械的特性(強度、
延性)に関して調査し、第1図、第2図に示す知
見を得た。但し、実験素材としては、酸素:0.03
〜0.60wt%、鉄:0.006〜0.007wt%、窒素:0.004
〜0.005wt%、炭素:0.003〜0.004wt%残部チタ
ンという組成からなる100gボタン鋳塊を小型真
空アーク溶解炉で溶製し、850℃加熱鍛造(15φ
×100mmに仕上げた)−熱処理(600℃×1時間、
空冷)後、直径D=5mmφ、ゲージ長=4Dの丸
棒引張試験片を採取し、引張試験を実施した(引
張速度は0.2%耐力まで0.1mm/min、0.2%耐力以
後10mm/min)。 第1図によれば、引張強度σB37+100×(wt
%O)と近似式が成立し、σB≧80Kgf/mm2となる
ためには、酸素量≧0.40wt%とする必要がある。
又、第2図より酸素量≧0.60wt%となると、絞り
≦50%、全伸び≦20%となり延性低下を生ずるた
め、0.60wt%以上の酸素添加は望ましくないこと
が分る。従つて、不純物として含まれる酸素量を
0.40〜0.60wt%とした。 またこれらの鍛造熱処理後の金属組織平均結晶
粒径は約5〜6μm程度の細粒となつた。その理
由は素材サイズが小さい為に、鍛造仕上温度が約
400℃程度の温間域で、鍛造前初期組織粒径数mm
の素材を鍛錬比11(直径50mmφ→15mmφ丸棒へ加
工)で行つたことによる。 以上の基礎的知見に基づき、工業的に実施可能
となる素材酸素成分範囲、鍛造条件、鍛造後熱処
理条件と結晶粒径、機械的特性との関係を調べ
た。以下その結果を述べる。 前述した基礎試験結果に基づき0.35、0.40、
0.45、0.50、0.55、0.60wt%酸素を含む440mmφ×
200mm鋳塊を溶製し、β相温度域1050℃、970℃
及びα相温度域850℃に加熱し、合計鍛錬比5〜
40となる粗鍛造を施した後、引続いてα相域850
℃あるいは700℃加熱による仕上鍛造(合計鍛錬
比2〜10)を行ない、その後500℃〜700℃間で30
分間〜300分間の熱処理を加えた後、これらの
種々の条件で製造した材料の金属組織平均結晶粒
径と機械特性(強度)の関係を調べた。その結果
を第3図に示す。又、鍛造後熱処理条件と機械特
性値の関係の例として0.45wt%材のデータを第4
図、第5図に示す。なお第5図および第6図にお
いて横軸はT(logt+20)を示し、Tは保定温度
(〓)、tは保定時間(Hr)である。 第3図より明らかなように、鍛造熱処理後の引
張強度(試片サイズ:平行部径D=10mmφ、ゲー
ジ長L=4D)は各々の酸素量レベルにより異な
るが、いれの場合にも平均結晶粒径(d:μm)
が小さい程、引張強度σBは大となる。引張強度σB
≧80Kgf/mm2を得る為には、0.35wt%酸素材では
d≦1.5μm、0.40wt%酸素材ではd≦3μm、
0.45wt%酸素材ではd≦6μm、0.50wt%酸素材で
はd≦30μmとすることが必要であるが、10μm
以下とすれば所望の強度を確実に獲得することが
できる。 次に鍛造諸条件、鍛造後熱処理条件について説
明する。まず粗鍛造時の鋳塊加熱温度をβ相変態
点以上50℃を上まわると、β相域にて据込みを含
む鍛造を施しても、また粗鍛造時に合計鍛錬比を
10未満とすると、鋳塊マクロ組織を充分細粒化で
きずに効果不充分となるので好ましくない。また
鋳塊加熱温度が600℃を下まわると、粗鍛造材コ
ーナー部にシワ疵が発生し易くなり仕上鍛造時に
重大な欠陥を誘発するので好ましくない。又仕上
鍛造時の鍛造材加熱温度を850℃以上とすると粗
鍛造材の金属組織結晶粒が粒成長を生じ望ましく
ない。又、仕上鍛造温度が400℃を下まわると、
変形抵抗が高まつて容易に鍛造ができず、かつ疵
発生が多発するので好ましくない。又仕上鍛造時
の鍛錬比は4以上とする必要があり、これを下ま
わると希望する材質を得ることができない。又、
第4図、第5図に示す如く、鍛造後の熱処理は、
組織の均質化を主たる目的とするため、強度確保
の観点から熱処理中の結晶粒成長を極力小さくす
るため低温で短時間、すなわち500〜700℃で60分
以下、望ましくは550℃で60分間行うと良い。 なお、本発明方法によれば延性もすぐれてお
り、全伸び≧20%を確保することができる。 (実施例) 以下、本発明の実施例、及び比較例を示す。 実施例 1 第1表中A材として示される化学成分(0.45wt
%O)を有するチタン鋳塊(440mmφ×300mm)
を粗鍛造として800℃〜950℃間で据え込みを含む
鍛造を再加熱しながら3回繰返して行ない合計鍛
錬比30となる鍛造(粗鍛造後サイズ:150mmφ×
2026mm)を行なつた。次いでこれを2等分の長
さに分割し、仕上鍛造として850℃に加熱し400℃
〜850℃間で鍛錬比4.5の仕上鍛造(仕上鍛造後サ
イズ:100mmφ×2860mm)と行つた。仕上鍛造
後の冷却処理としては、温水焼入れ処理を行つ
た。鍛造後熱処理として550℃×60分間の熱処理
を施した。得られた機械的性質を第2表に示す。
結晶粒径d=4μmとなつてσB=82.0Kgf/mm2、
ElT=21.8%を得ることができ、本発明の所定特
性を満している。 実施例 2 第1表中B材として示される化学成分(0.50wt
%O)を有するチタン鋳塊(440mmφ×200mm)
を、粗鍛造として800℃〜900℃間で据え込みを含
む鍛造を、再加熱しながら4回繰返して行ない、
合計鍛錬比25となる粗鍛造(粗鍛造後サイズ:
140mmφ×1550mm)を行なつた。次いでこれを
3等分の長さに分割し、仕上鍛造として800℃に
加熱し、400℃〜800℃間で鍛錬比5.1(仕上鍛造後
サイズ:70mmφ×2630mm)を行つた。仕上鍛造
後の冷却処理としては温水焼入れ処理を行つた。
鍛造後熱処理として550℃×60分間の熱処理を施
した。得られた機械的性質を第2表に示す。結晶
粒径d=5μmとなつてσB=84.0Kgf/mm2、ElT=
21.0%を得ることができ、本発明の所定の特性を
満している。 比較例 1 第1表中A材として示される化学成分(0.45wt
%O)を有するチタン鋳塊(440mmφ×300mm)
を粗鍛造として800℃〜950℃間で合計鍛錬比8と
なる鍛造を1回行ない(粗鍛造後仕上サイズ:
150mmφ×2026mm)、次いでこれを2等分の長さ
に分割し、仕上鍛造として850℃に加熱し600℃〜
850℃間で鍛錬比2.0(仕上鍛造後サイズ:120mmφ
×2010mm)を行つた。仕上鍛造後の冷却処理と
しては空冷を行ない、鍛造後熱処理として550℃
×60分間の熱処理を施した。得られた機械的性質
を第2表に示す。 結晶粒径d=25μmと粗粒となり、σB=76.5Kg
f/mm2、ElT=23.5%となつて本発明の所定特性
を満し得ない。
【表】
【表】
(発明の効果)
以上実施例に示したように、この発明によれ
ば、純チタン材によつてもTi合金と競合可能な
80Kgf/mm2強度級の高強度構造材用の鍛造材を得
ることができる。この鍛造材から切削加工によつ
て種々の形状の構造材を得れば、工業用の用途は
非常に広範なものとなりうる。
ば、純チタン材によつてもTi合金と競合可能な
80Kgf/mm2強度級の高強度構造材用の鍛造材を得
ることができる。この鍛造材から切削加工によつ
て種々の形状の構造材を得れば、工業用の用途は
非常に広範なものとなりうる。
第1図および第2図は機械的性質に及ぼす酸素
量の影響を表わすグラフ、第3図は鍛造後熱処理
材の酸素量と結晶粒径と機械的性質の関係を表わ
すグラフ、第4図および第5図は鍛造後熱処理条
件と機械的性質の関係を表わすグラフである。
量の影響を表わすグラフ、第3図は鍛造後熱処理
材の酸素量と結晶粒径と機械的性質の関係を表わ
すグラフ、第4図および第5図は鍛造後熱処理条
件と機械的性質の関係を表わすグラフである。
Claims (1)
- 1 不純物としての酸素量を0.40〜0.60wt%含む
工業用純チタン鋳塊を、600℃からβ変態温度以
上50℃の温度範囲で据込み鍛造を含む合計鍛錬比
10以上となる粗鍛錬を施し、引続き400〜850℃の
温度範囲で鍛錬比4以上の仕上鍛造を施し、その
後500〜700℃の温度範囲で保定時間60分間以下の
熱処理を加えることを特徴とする機械的強度の優
れた工業用純チタン鍛造材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28485A JPS61159563A (ja) | 1985-01-05 | 1985-01-05 | 機械的強度の優れた工業用純チタン鍛造材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28485A JPS61159563A (ja) | 1985-01-05 | 1985-01-05 | 機械的強度の優れた工業用純チタン鍛造材の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61159563A JPS61159563A (ja) | 1986-07-19 |
| JPS634909B2 true JPS634909B2 (ja) | 1988-02-01 |
Family
ID=11469605
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28485A Granted JPS61159563A (ja) | 1985-01-05 | 1985-01-05 | 機械的強度の優れた工業用純チタン鍛造材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61159563A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01252747A (ja) * | 1987-12-23 | 1989-10-09 | Nippon Steel Corp | 延性の優れた高強度チタン材及びその製造方法 |
| CN112195366B (zh) * | 2020-09-29 | 2022-02-15 | 中国科学院金属研究所 | 一种高热稳定性等轴纳米晶Ti-Zr-Ag合金及其制备方法 |
-
1985
- 1985-01-05 JP JP28485A patent/JPS61159563A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61159563A (ja) | 1986-07-19 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |