JPS6360109B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPS6360109B2 JPS6360109B2 JP11382883A JP11382883A JPS6360109B2 JP S6360109 B2 JPS6360109 B2 JP S6360109B2 JP 11382883 A JP11382883 A JP 11382883A JP 11382883 A JP11382883 A JP 11382883A JP S6360109 B2 JPS6360109 B2 JP S6360109B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ceq
- steel
- speed steel
- content
- crater wear
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
- 229910000997 High-speed steel Inorganic materials 0.000 claims description 31
- 229910052750 molybdenum Inorganic materials 0.000 claims description 14
- 229910052757 nitrogen Inorganic materials 0.000 claims description 12
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 claims description 11
- 239000010959 steel Substances 0.000 claims description 11
- 229910052720 vanadium Inorganic materials 0.000 claims description 11
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 claims description 9
- 229910052721 tungsten Inorganic materials 0.000 claims description 9
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical compound [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 8
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 claims description 7
- 238000000576 coating method Methods 0.000 claims description 7
- 239000012535 impurity Substances 0.000 claims description 4
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 claims description 4
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 19
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 description 17
- 239000000463 material Substances 0.000 description 9
- 239000002436 steel type Substances 0.000 description 6
- 238000005275 alloying Methods 0.000 description 5
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 4
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 3
- ATJFFYVFTNAWJD-UHFFFAOYSA-N Tin Chemical compound [Sn] ATJFFYVFTNAWJD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000000956 alloy Substances 0.000 description 2
- 229910052804 chromium Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 2
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 2
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 2
- 238000000034 method Methods 0.000 description 2
- 238000005496 tempering Methods 0.000 description 2
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910001315 Tool steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000002159 abnormal effect Effects 0.000 description 1
- 239000000654 additive Substances 0.000 description 1
- 230000000996 additive effect Effects 0.000 description 1
- 230000002411 adverse Effects 0.000 description 1
- 229910001566 austenite Inorganic materials 0.000 description 1
- 150000001875 compounds Chemical class 0.000 description 1
- 239000010730 cutting oil Substances 0.000 description 1
- 238000000280 densification Methods 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 238000005242 forging Methods 0.000 description 1
- 238000007733 ion plating Methods 0.000 description 1
- 239000000314 lubricant Substances 0.000 description 1
- 231100000989 no adverse effect Toxicity 0.000 description 1
- 230000000149 penetrating effect Effects 0.000 description 1
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 1
- 238000010791 quenching Methods 0.000 description 1
- 230000000171 quenching effect Effects 0.000 description 1
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 1
- 230000000717 retained effect Effects 0.000 description 1
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 1
- 238000007740 vapor deposition Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
本発明はコーテイング工具用の母材となる高速
度鋼に関し、詳細にはハイス工具として用いたと
きのクレータ摩耗が少なくなる様な高速度鋼に関
するものである。 ハイス(高速度工具鋼)については、近年粉末
ハイス及びコーテイングハイスが出現し、切削加
工分野における高精度化や低コスト化の要望に対
応している。本発明は特に後者のコーテイングハ
イスに関するものであるが、このハイスは靭性や
加工性に悪影響を与えることなしに耐摩耗性や耐
熱性を改善したものであり画期的なものであると
考えられている。即ちコーテイングハイスとは、
ハイス表面にTiNやTiC等のコーテイング膜(蒸
着膜)を形成したものであり、蒸着手段や膜組
成・膜厚等については特別の制限を受けないが、
従来のハイス工具に比べて大幅な延命効果が認め
られている。その為使用可能期間が長くなつてき
ているが、歯切工具など大半の精密工具ではすく
い面の再研削を行なつてから使用しているので該
研削面には工具母材が露出しており、刃先部の耐
摩耗性が高いのに対して該露出部の母材が従来ハ
イスと同程度の耐摩耗性しか示さず、前記露出部
の摩耗(通称クレータ摩耗)が他の部分特に刃先
部の摩耗より早く進行する。従つてクレータ摩耗
という新たな問題が発生し、特にクレータ摩耗が
大きくなると刃先部の欠落を招く場合もあり、ハ
イス工具の異常摩耗だけでなく被削材の寸法精度
を著しく悪化させるという危険がある。 この様なところから、ハイス工具母材となる高
速度鋼自体の改質が必要であると考えられる様に
なつている。本発明者等はこの様な状況に着目
し、コーテイング工具用のハイスであつてクレー
タ摩耗を可及的少なく抑制することができる様な
高速度鋼を提供すべく研究を行ない、ここに本発
明の完成を見るに至つた。 即ち本発明に係る高速度鋼とは、 C:次式を満足する量(重量%、以下単に%) Ceq−0.2≦C+12/14N≦Ceq+0.5 但しCeq=0.19+0.017(W+2Mo)+0.22V 上式においてN,W,Mo及びVは夫々鋼中の
含有量(%) Cr:3〜5% Mo:0〜10% 〔但し(W+2Mo):10〜30%〕 W:0〜20% V:1〜10% N:0.2%以上 但し C―N≦Ceq―0.1 上式においてC及びNは夫々鋼中の含有量
(%) という基本的合金組成を有し、必要により更に20
%以下のCoを含有する点に要旨のあるクレータ
摩耗の少ないコーテイング工具用高速度鋼であ
る。尚残部は実質的に鉄及び不可避不純物であ
る。 高速度鋼の主要合金元素はC,Cr,W,Vで
あり、更にMo及びCoの一方又は両方を選択的又
は必須的に含有させることによつて硬さや靭性の
改善が図られている。又本出願人においては、更
にNを加えることにより高速度鋼としての諸性能
を向上させることに成功している(特開昭54―
11810〜同54―11818)。又これらの効果が粉末ハ
イスにおいて特に顕著に発揮されるということも
見出している。本発明はこれらの成果の上に立つ
て更に発展させたものであるが、結論的に述べる
ならば、耐クレータ摩耗性の改善に関する限り
は、MoやVよりもNの役割が極めて重要であ
り、又従来はCの添加によつて耐摩耗性が向上す
ると考えられていたのに対し、Nを含有する本発
明鋼ではCの添加によつて耐クレータ摩耗性が却
つて低下する傾向があるということが分かつた。 以下合金元素の添加理由等について説明してい
くが、本発明者等が特に研究した重要元素C,N
を先に述べ、しかる後高速度鋼における一般添加
元素を述べる。 高速度鋼の主要合金元素は前述の通りである
が、このうちCは、Cr,Mo,W,V等の炭化物
形成元素と密接な関係を有し高速度鋼の諸性質に
大きな影響を与える。その為C含有量については
炭化物形成元素、特にMo,W,Vの配合量との
関連を考慮して規定すべきであるとされており、
例えば「鉄と鋼」(第45巻第5号第511〜516頁)
には、 Ceq=0.19+0.017(W+2Mo)+0.22V の関係式(但し上式ではMoとWの当量関係を加
味している)が提示されており、W,Mo及びV
との関連を考慮せずにC含有量を決定することは
当分野において実質的に採用され得ないところで
ある。尚Crについては約4%前後でほぼ一定で
あるから上記の式では定数として扱われている。 一方Nは合金元素的に見ればCと類似している
点があり、特に両者の原子量は夫々12,14と小さ
く、鋼に対してはいずれも浸入型の原子であるか
ら、安定な合金化合物を生成し易い。その為Nを
多く含有させようとしても、N含有量を単独で調
整設定することは却つて問題を生じる危険があ
り、むしろC量とN量を相関させて両者の含有量
を設定すべきであるとの結論に到達した。 そこでC量とN量の関係を具体的にどの様に把
握するかを知る目的で次に述べる様な実験を行な
つた。JIS―SKH10,同51及び同58の各鋼種につ
いて、特にC量及びN量を変化させることによつ
て第1表に示す様な試験片を得た。 尚第1表において備考欄に「溶解材」と記載し
たもの以外は、ガスアトマイズ鋼粉をいわゆる
HIP処理によつて緻密化して得られたビレツトを
試験片としている。又第1表におけるΔCは、 ΔC=〔C+12/14N〕―Ceq の計算式から求めたものであり、これはCとNが
当分野において略同効元素と考えられ原子量の違
いを換算すれば対等と見倣し得ることに基づいた
ものであり、現実に含有されているC量及びN量
の和をC当量(Ceq)と比較した値を示す。又同
表に隣接して表示した(C―N)及び(Ceq―
0.1)の各計算式は、前者がNに対するCの過剰
程度、後者がCeqよりやゝ下回わつた安全限界値
を示すものであり、(C―N)の値が(Ceq―0.1)
より大きいものはC量が相対的に多いことを意味
し、この逆はC量が相対的に少ないことを意味す
る。尚焼入れ条件の項は、OQ(3分)が全実験
において共通するので記載を省略し、又焼戻し条
件の項は加熱の1サイクルが全実験において1.5
時間(共通)であるから同じく記載を省略した。
度鋼に関し、詳細にはハイス工具として用いたと
きのクレータ摩耗が少なくなる様な高速度鋼に関
するものである。 ハイス(高速度工具鋼)については、近年粉末
ハイス及びコーテイングハイスが出現し、切削加
工分野における高精度化や低コスト化の要望に対
応している。本発明は特に後者のコーテイングハ
イスに関するものであるが、このハイスは靭性や
加工性に悪影響を与えることなしに耐摩耗性や耐
熱性を改善したものであり画期的なものであると
考えられている。即ちコーテイングハイスとは、
ハイス表面にTiNやTiC等のコーテイング膜(蒸
着膜)を形成したものであり、蒸着手段や膜組
成・膜厚等については特別の制限を受けないが、
従来のハイス工具に比べて大幅な延命効果が認め
られている。その為使用可能期間が長くなつてき
ているが、歯切工具など大半の精密工具ではすく
い面の再研削を行なつてから使用しているので該
研削面には工具母材が露出しており、刃先部の耐
摩耗性が高いのに対して該露出部の母材が従来ハ
イスと同程度の耐摩耗性しか示さず、前記露出部
の摩耗(通称クレータ摩耗)が他の部分特に刃先
部の摩耗より早く進行する。従つてクレータ摩耗
という新たな問題が発生し、特にクレータ摩耗が
大きくなると刃先部の欠落を招く場合もあり、ハ
イス工具の異常摩耗だけでなく被削材の寸法精度
を著しく悪化させるという危険がある。 この様なところから、ハイス工具母材となる高
速度鋼自体の改質が必要であると考えられる様に
なつている。本発明者等はこの様な状況に着目
し、コーテイング工具用のハイスであつてクレー
タ摩耗を可及的少なく抑制することができる様な
高速度鋼を提供すべく研究を行ない、ここに本発
明の完成を見るに至つた。 即ち本発明に係る高速度鋼とは、 C:次式を満足する量(重量%、以下単に%) Ceq−0.2≦C+12/14N≦Ceq+0.5 但しCeq=0.19+0.017(W+2Mo)+0.22V 上式においてN,W,Mo及びVは夫々鋼中の
含有量(%) Cr:3〜5% Mo:0〜10% 〔但し(W+2Mo):10〜30%〕 W:0〜20% V:1〜10% N:0.2%以上 但し C―N≦Ceq―0.1 上式においてC及びNは夫々鋼中の含有量
(%) という基本的合金組成を有し、必要により更に20
%以下のCoを含有する点に要旨のあるクレータ
摩耗の少ないコーテイング工具用高速度鋼であ
る。尚残部は実質的に鉄及び不可避不純物であ
る。 高速度鋼の主要合金元素はC,Cr,W,Vで
あり、更にMo及びCoの一方又は両方を選択的又
は必須的に含有させることによつて硬さや靭性の
改善が図られている。又本出願人においては、更
にNを加えることにより高速度鋼としての諸性能
を向上させることに成功している(特開昭54―
11810〜同54―11818)。又これらの効果が粉末ハ
イスにおいて特に顕著に発揮されるということも
見出している。本発明はこれらの成果の上に立つ
て更に発展させたものであるが、結論的に述べる
ならば、耐クレータ摩耗性の改善に関する限り
は、MoやVよりもNの役割が極めて重要であ
り、又従来はCの添加によつて耐摩耗性が向上す
ると考えられていたのに対し、Nを含有する本発
明鋼ではCの添加によつて耐クレータ摩耗性が却
つて低下する傾向があるということが分かつた。 以下合金元素の添加理由等について説明してい
くが、本発明者等が特に研究した重要元素C,N
を先に述べ、しかる後高速度鋼における一般添加
元素を述べる。 高速度鋼の主要合金元素は前述の通りである
が、このうちCは、Cr,Mo,W,V等の炭化物
形成元素と密接な関係を有し高速度鋼の諸性質に
大きな影響を与える。その為C含有量については
炭化物形成元素、特にMo,W,Vの配合量との
関連を考慮して規定すべきであるとされており、
例えば「鉄と鋼」(第45巻第5号第511〜516頁)
には、 Ceq=0.19+0.017(W+2Mo)+0.22V の関係式(但し上式ではMoとWの当量関係を加
味している)が提示されており、W,Mo及びV
との関連を考慮せずにC含有量を決定することは
当分野において実質的に採用され得ないところで
ある。尚Crについては約4%前後でほぼ一定で
あるから上記の式では定数として扱われている。 一方Nは合金元素的に見ればCと類似している
点があり、特に両者の原子量は夫々12,14と小さ
く、鋼に対してはいずれも浸入型の原子であるか
ら、安定な合金化合物を生成し易い。その為Nを
多く含有させようとしても、N含有量を単独で調
整設定することは却つて問題を生じる危険があ
り、むしろC量とN量を相関させて両者の含有量
を設定すべきであるとの結論に到達した。 そこでC量とN量の関係を具体的にどの様に把
握するかを知る目的で次に述べる様な実験を行な
つた。JIS―SKH10,同51及び同58の各鋼種につ
いて、特にC量及びN量を変化させることによつ
て第1表に示す様な試験片を得た。 尚第1表において備考欄に「溶解材」と記載し
たもの以外は、ガスアトマイズ鋼粉をいわゆる
HIP処理によつて緻密化して得られたビレツトを
試験片としている。又第1表におけるΔCは、 ΔC=〔C+12/14N〕―Ceq の計算式から求めたものであり、これはCとNが
当分野において略同効元素と考えられ原子量の違
いを換算すれば対等と見倣し得ることに基づいた
ものであり、現実に含有されているC量及びN量
の和をC当量(Ceq)と比較した値を示す。又同
表に隣接して表示した(C―N)及び(Ceq―
0.1)の各計算式は、前者がNに対するCの過剰
程度、後者がCeqよりやゝ下回わつた安全限界値
を示すものであり、(C―N)の値が(Ceq―0.1)
より大きいものはC量が相対的に多いことを意味
し、この逆はC量が相対的に少ないことを意味す
る。尚焼入れ条件の項は、OQ(3分)が全実験
において共通するので記載を省略し、又焼戻し条
件の項は加熱の1サイクルが全実験において1.5
時間(共通)であるから同じく記載を省略した。
【表】
次にこうして得られた高速度鋼を母材とする切
削バイトを製作し、反応性イオンプレーテイング
法―HCD法を適用してTiNのコーテイングを行
なつた。該バイトのすくい面側を再研削し次に示
す条件の下で切削試験を行なつた。 <切削条件> 被削材 :SNCM439 切削速度:20m/分 送り :0.2mm/rev 切込み :1.5mm 切削油 :なし 各試験バイト毎のクレータ摩耗量を実測したと
ころ、第1図に示す様な結果が得られた。まず
SKH10の鋼種について比較検討すると、実験No.
1,2,4ではクレータ摩耗が多く改善の跡は認
められない。これに対し実験No.3及び5〜11では
クレータ摩耗量の減少効果を認めることができる
が、これらの中で実験No.3は第1表に見られる如
くMoの添加によつてクレータ摩耗の低減を目指
したものであり、実験No.5〜11はN量を高めるこ
とによつてクレータ摩耗の低減を目指したもので
あるから、これらはあくまでも別のグループと考
えるのが妥当である。これは、実験No.3では(C
―N)>(Ceq―0.1)であるのに対し実験No.5〜11
では(C―N)<(Ceq―0.1)になつている事実か
らも確認できることである。そこで特に実験No.3
の考え方に沿つてMo含有量を増大させることに
ついて検討したところ、Nの助けを借りないで
Moのみによつてクレータ摩耗の低減を図ろうと
した場合は、Mo含有量が増大していくにつれて
継続切削時の靭性が低下していくという傾向が確
認された。これに対しMoの有無にかかわらずN
含有量を積極的に高めてクレータ摩耗の低減を図
つたもの(実験No.5〜11、並びにSKH51や
SKH58の実験No.15,16及び19等)では靭性低下
という悪影響を生じることがなかつた。 次にSKH51及びSKH58の鋼種グループについ
て検討してみると、やはりN含有量を高めて(C
―N)<(Ceq―0.1)としたもの(実験No.15,16,
19)ではクレータ摩耗量が顕著に少なくなつてい
た。 上記実験からクレータ摩耗量を少なくしていく
為にはN含有量を多くしていくと共に、 (C―N)≦(Ceq―0.1) の条件を満足することが必要であるという結論を
得たが、第1表を仔細に検討してみると、(C―
N)の値を(Ceq―0.1)の値の間に大差がないも
のであつてもN含有量が少ないものではクレータ
摩耗の低減効果が現われていないという事実が確
認された。そこで実際問題としてN含有量の下限
が奈辺に存在するかを知らなければならないと考
え、次の様な実験を行なつた。第2表は該実験の
為に準備した高速度鋼の化学成分である。
削バイトを製作し、反応性イオンプレーテイング
法―HCD法を適用してTiNのコーテイングを行
なつた。該バイトのすくい面側を再研削し次に示
す条件の下で切削試験を行なつた。 <切削条件> 被削材 :SNCM439 切削速度:20m/分 送り :0.2mm/rev 切込み :1.5mm 切削油 :なし 各試験バイト毎のクレータ摩耗量を実測したと
ころ、第1図に示す様な結果が得られた。まず
SKH10の鋼種について比較検討すると、実験No.
1,2,4ではクレータ摩耗が多く改善の跡は認
められない。これに対し実験No.3及び5〜11では
クレータ摩耗量の減少効果を認めることができる
が、これらの中で実験No.3は第1表に見られる如
くMoの添加によつてクレータ摩耗の低減を目指
したものであり、実験No.5〜11はN量を高めるこ
とによつてクレータ摩耗の低減を目指したもので
あるから、これらはあくまでも別のグループと考
えるのが妥当である。これは、実験No.3では(C
―N)>(Ceq―0.1)であるのに対し実験No.5〜11
では(C―N)<(Ceq―0.1)になつている事実か
らも確認できることである。そこで特に実験No.3
の考え方に沿つてMo含有量を増大させることに
ついて検討したところ、Nの助けを借りないで
Moのみによつてクレータ摩耗の低減を図ろうと
した場合は、Mo含有量が増大していくにつれて
継続切削時の靭性が低下していくという傾向が確
認された。これに対しMoの有無にかかわらずN
含有量を積極的に高めてクレータ摩耗の低減を図
つたもの(実験No.5〜11、並びにSKH51や
SKH58の実験No.15,16及び19等)では靭性低下
という悪影響を生じることがなかつた。 次にSKH51及びSKH58の鋼種グループについ
て検討してみると、やはりN含有量を高めて(C
―N)<(Ceq―0.1)としたもの(実験No.15,16,
19)ではクレータ摩耗量が顕著に少なくなつてい
た。 上記実験からクレータ摩耗量を少なくしていく
為にはN含有量を多くしていくと共に、 (C―N)≦(Ceq―0.1) の条件を満足することが必要であるという結論を
得たが、第1表を仔細に検討してみると、(C―
N)の値を(Ceq―0.1)の値の間に大差がないも
のであつてもN含有量が少ないものではクレータ
摩耗の低減効果が現われていないという事実が確
認された。そこで実際問題としてN含有量の下限
が奈辺に存在するかを知らなければならないと考
え、次の様な実験を行なつた。第2表は該実験の
為に準備した高速度鋼の化学成分である。
【表】
上記4試験鋼種についてバイトを試作し、
SNCM4439を被削材として切削試験を行なつた
ところ、バイトのクレータ摩耗深さは第2図に示
す様な結果を示した。尚切削条件は下記の通りと
した。 切削速度:20m/分 切削長:200m 切込み :1.5mm 送り :0.2mm/rev 潤滑剤 :無し 第2図に見られる通り、クレータ摩耗深さが小
さいのはN有量が0.2%以上のものに限られ、N
含有量が0.04%のものではクレータ摩耗が約2倍
になつた。この様なところからN含有量の下限は
0.2%であると定めた。 次にΔCについては第1表に示されたもののう
ち前記2つの条件(C―N)≦Ceq―1及びN≧
0.2%を満足するもの(実験No.5〜11,15,16,
19)を整理してみると、−0.18〜0.45の範囲内に
納まつており、本発明では−0.2〜0.5を必須条件
範囲と定めた。尚−0.2を下回わると高速度鋼と
しての要求硬さが満足されず、他方0.5を越える
と粉末ハイスでは熱処理を施しても残留オーステ
ナイトが増大して焼戻し回数を増加させなければ
ならず、又溶解材では鍜造性が悪くなるという欠
点が現われてくる。尚第1表の実験No.1〜4,12
〜14,17及び18のΔCはいずれも上記範囲内に入
り硬さという点では高速度鋼として満足できて
も、前述の如きクレータ摩耗の低減という面で本
発明を満足していない。 上記したことによつて、クレータ摩耗の低減さ
れた高速度鋼における要点、即ちC及びNの各含
有量について一定の結論を得たが、残余の合金元
素については、高速度工具鋼々材としてJIS化さ
れ且つ一般に認識されている範囲を満足すれば良
いという観点から、Cr:3〜5%、Mo:0〜10
%、W:0〜20%〔但し(W+2Mo):10〜30
%〕、V:1〜10%と定めた。尚残部は実質的に
鉄及び不可避不純物から構成されるが、前記Mo
及びWもスクラツプ原料が利用される場合は殆ん
ど必らず含有されるので、実質的にはMo:10%
以下、W:20%以下と言い換えることもできる。
しかしCoについては全く含まれない場合にもし
ばしば遭遇するし、又SKH3,4A,4B,5,10,
55,56,57等の如く積極的に配合して耐熱性の向
上を図る場合もあるので、Co含有量が0%のも
のと20%以下のものに大別できる。尚前記第1,
2表に示した23鋼種は全てこれらの条件を満足す
るものであり、これらのうち実験No.5〜11,15,
16,19,21〜23の13鋼種がC及びN含有量に関す
る前記条件も満足するので、該13鋼種は本発明の
実施例鋼とみなすことができる。 本発明は以上述べた様に構成されているので、
コーテイング工具として用いたときの高速度鋼と
しての全要求を満足するだけでなく、クレータ摩
耗量を大幅に軽減することができる様になつた。
SNCM4439を被削材として切削試験を行なつた
ところ、バイトのクレータ摩耗深さは第2図に示
す様な結果を示した。尚切削条件は下記の通りと
した。 切削速度:20m/分 切削長:200m 切込み :1.5mm 送り :0.2mm/rev 潤滑剤 :無し 第2図に見られる通り、クレータ摩耗深さが小
さいのはN有量が0.2%以上のものに限られ、N
含有量が0.04%のものではクレータ摩耗が約2倍
になつた。この様なところからN含有量の下限は
0.2%であると定めた。 次にΔCについては第1表に示されたもののう
ち前記2つの条件(C―N)≦Ceq―1及びN≧
0.2%を満足するもの(実験No.5〜11,15,16,
19)を整理してみると、−0.18〜0.45の範囲内に
納まつており、本発明では−0.2〜0.5を必須条件
範囲と定めた。尚−0.2を下回わると高速度鋼と
しての要求硬さが満足されず、他方0.5を越える
と粉末ハイスでは熱処理を施しても残留オーステ
ナイトが増大して焼戻し回数を増加させなければ
ならず、又溶解材では鍜造性が悪くなるという欠
点が現われてくる。尚第1表の実験No.1〜4,12
〜14,17及び18のΔCはいずれも上記範囲内に入
り硬さという点では高速度鋼として満足できて
も、前述の如きクレータ摩耗の低減という面で本
発明を満足していない。 上記したことによつて、クレータ摩耗の低減さ
れた高速度鋼における要点、即ちC及びNの各含
有量について一定の結論を得たが、残余の合金元
素については、高速度工具鋼々材としてJIS化さ
れ且つ一般に認識されている範囲を満足すれば良
いという観点から、Cr:3〜5%、Mo:0〜10
%、W:0〜20%〔但し(W+2Mo):10〜30
%〕、V:1〜10%と定めた。尚残部は実質的に
鉄及び不可避不純物から構成されるが、前記Mo
及びWもスクラツプ原料が利用される場合は殆ん
ど必らず含有されるので、実質的にはMo:10%
以下、W:20%以下と言い換えることもできる。
しかしCoについては全く含まれない場合にもし
ばしば遭遇するし、又SKH3,4A,4B,5,10,
55,56,57等の如く積極的に配合して耐熱性の向
上を図る場合もあるので、Co含有量が0%のも
のと20%以下のものに大別できる。尚前記第1,
2表に示した23鋼種は全てこれらの条件を満足す
るものであり、これらのうち実験No.5〜11,15,
16,19,21〜23の13鋼種がC及びN含有量に関す
る前記条件も満足するので、該13鋼種は本発明の
実施例鋼とみなすことができる。 本発明は以上述べた様に構成されているので、
コーテイング工具として用いたときの高速度鋼と
しての全要求を満足するだけでなく、クレータ摩
耗量を大幅に軽減することができる様になつた。
第1,2図はクレータ摩耗の程度を示すグラフ
である。
である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:次式を満足する量(重量%、以下単に
%) Ceq−0.2≦C+12/14N≦Ceq+0.5 但しCeq=0.19+0.017(W+2Mo)+0.22V 上式においてN,W,Mo及びVは夫夫鋼中の
含有量(%) Cr:3〜5% Mo:0〜10% 〔但し(W+2Mo):10〜30%〕 W:0〜20% V:1〜10% N:0.2%以上 但し C―N≦Ceq―0.1 上式においてC及びNは夫々鋼中の含有量
(%) を含有し、残部が実質的に鉄及び不可避不純物で
構成されるものであることを特徴とするクレータ
摩耗の少ないコーテイング工具用高速度鋼。 2 C:次式を満足する量(重量%、以下単に
%) Ceq−0.2≦C+12/14N≦Ceq+0.5 但しCeq=0.19+0.017(W+2Mo)+0.22V 上式においてN,W,Mo及びVは夫々鋼中の
含有量(%) Cr:3〜5% Mo:0〜10% 〔但し(W+2Mo):10〜30%〕 W:0〜20% V:1〜10% Co:20%以下 N:0.2%以上 但し C―N≦Ceq―0.1 上式においてC及びNは夫々鋼中の含有量
(%) を含有し、残部が実質的に鉄及び不可避不純物で
構成されるものであることを特徴とするクレータ
摩耗の少ないコーテイング工具用高速度鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11382883A JPS605855A (ja) | 1983-06-23 | 1983-06-23 | クレ−タ摩耗の少ないコ−テイング工具用高速度鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11382883A JPS605855A (ja) | 1983-06-23 | 1983-06-23 | クレ−タ摩耗の少ないコ−テイング工具用高速度鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS605855A JPS605855A (ja) | 1985-01-12 |
| JPS6360109B2 true JPS6360109B2 (ja) | 1988-11-22 |
Family
ID=14622059
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11382883A Granted JPS605855A (ja) | 1983-06-23 | 1983-06-23 | クレ−タ摩耗の少ないコ−テイング工具用高速度鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS605855A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS616254A (ja) * | 1984-06-20 | 1986-01-11 | Kobe Steel Ltd | 高硬度高靭性窒化粉末ハイス |
| JPS616255A (ja) * | 1984-06-20 | 1986-01-11 | Kobe Steel Ltd | 高硬度高靭性窒化粉末ハイス |
-
1983
- 1983-06-23 JP JP11382883A patent/JPS605855A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS605855A (ja) | 1985-01-12 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US7767319B2 (en) | Insert | |
| US9725783B2 (en) | Steel for machine structure use excellent in cutting tool lifetime and machining method of same | |
| WO2011122233A1 (ja) | 機械構造用鋼の切削方法 | |
| JP2009066747A (ja) | 被覆された超硬合金切削工具インサート | |
| USRE39814E1 (en) | Cemented carbide insert and method of making same | |
| JP2003508632A (ja) | 被覆された転削インサート | |
| KR20070026683A (ko) | 페라이트계 스테인리스 합금강 | |
| JP5237696B2 (ja) | 機械構造用鋼 | |
| JP2007203450A (ja) | 耐熱性超合金(hrsa)及びステンレス鋼の旋削加工に要求される切り欠け及び摩耗用の超硬合金インサート | |
| JPS6360109B2 (ja) | ||
| US4599109A (en) | High hardness and high toughness nitriding powder metallurgical high-speed steel | |
| JP6801541B2 (ja) | 機械構造用鋼およびその切削方法 | |
| Kankaanpää et al. | Machinability of calcium-treated steels using TiN-coated high-speed steel tools | |
| Pálmai | The effect of a non-metallic material deposit in decreasing the wear of TiN-coated high speed steel cutting tools | |
| US4671930A (en) | High hardness and high toughness nitriding powder metallurgical high-speed steel | |
| JP2801484B2 (ja) | 切削工具用超硬合金 | |
| EP0726331B1 (en) | Coated titanium-based carbonitride | |
| JPS61147841A (ja) | 超微粒子超硬合金 | |
| JPH048500B2 (ja) | ||
| JPH0674486B2 (ja) | 熱間加工性に優れた高硬度焼結高速度鋼鋼塊 | |
| RU2016122C1 (ru) | Износостойкий порошковый материал | |
| JPH10306354A (ja) | 快削鋼材用の切削工具 | |
| JPS5937741B2 (ja) | 耐摩耗性および靭性のすぐれた焼結高速度鋼 | |
| JPH01111833A (ja) | 耐摩耗合金 | |
| JPS58126902A (ja) | 被覆処理した切削工具 |