JPS6360123B2 - - Google Patents

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JPS6360123B2
JPS6360123B2 JP57102539A JP10253982A JPS6360123B2 JP S6360123 B2 JPS6360123 B2 JP S6360123B2 JP 57102539 A JP57102539 A JP 57102539A JP 10253982 A JP10253982 A JP 10253982A JP S6360123 B2 JPS6360123 B2 JP S6360123B2
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temperature
water
fibers
pva
dissolution temperature
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は潜在的に低温で水に溶解する性質を有
するポリビニルアルコール(以下PVAと略記)
系合成繊維に関するものである。 元来PVAは水に溶解する性質を有する高分子
であり、該高分子の繊維はその水溶液を湿式又は
乾式法にて紡糸して製造されている。 当該繊維は一般に紡糸後乾燥、延伸、熱処理を
施し、さらに必要に応じてアセタール化反応等を
行い、耐水性の高い高強力、高ヤング率の繊維と
して主として産業資材用途に多量に消費されてい
る。 一方紡糸後の繊維に含有する水分を乾燥した段
階で、本来のPVAの水に溶解する性質を利用し
た水溶性繊維としても種々の分野に用いられてい
る。 例えば乾式、湿式不織布のバインダー用繊維、
ケミカルレース基布用繊維等が知られている。中
でも湿式不織布のバインダー用繊維は代表的な用
途であり、数mmに切断した主体繊維とPVA系水
溶性バインダー繊維を適当な比に混ぜてスラリー
を作り、該スラリーを例えば丸網式抄紙機でウエ
ツトシートを作り、それを乾燥していわゆる紙で
ある湿式不織布とするものであるが、その乾燥工
程でバインダー繊維が溶解して主体繊維交点で微
少なフイルム状になり、水の蒸発と共に固着し、
紙力を発現するものである。 PVA系水溶性繊維の製造方法は前述の如く乾
式法と湿式法があるが、後述で理解されるように
本発明は特に湿式法に効果を発揮するものである
ので、以下は湿式法に基づいて説明する。 公知の湿式法による水溶性繊維の製造方法は、
適当なケン化度、重合度を有するPVAを水に溶
解して主として飽和芒硝水溶液を凝固浴として紡
糸するものであるが、溶媒である水を最終的には
除去即ち乾燥しなければならない。 ところが本来水溶性を有する繊維であるために
乾燥時に水を含有したまま温度が上がると、その
温度によつては繊維が溶断したりあるいは溶断に
到らなくても繊維の表面が部分的に溶解するため
に水分の蒸発とともに単繊維同志が接着し、全く
商品価値を失うことになる。従つて繊維の水溶解
温度以下の温度で乾燥することになるが、乾燥効
率が著しく低下することになる。 この問題を回避するために種々の工夫がなされ
ている。 例えば湿式不織布用バインダー繊維の場合、通
常芒硝浴を凝固浴として繊維の形成がなされる
が、その芒硝を洗滌することなく乾燥し、適当な
繊維長に切断して目的に供される。 この場合付着している芒硝の有する凝固、脱水
能のために、該繊維の水での溶解温度以上の温度
で乾燥しても溶断や接着は起らず、効率よく乾燥
することが可能である。 湿式不織布用バインダー繊維の場合、前述の如
く抄紙工程で水を使用してスラリー化するので芒
硝が除去され、したがつて出来上がつた湿式不織
布中には芒硝は全く存在しない、従つて芒硝つき
のままでも湿式不織布用バインダー繊維としては
何ら問題はない。 しかしながら芒硝が付着している該繊維は前述
の湿式不織布用途など限定的な用途には使用可能
なるも、汎用的な用途には使用できない。 例えば紡績を必要とする水溶性ステープルや織
物用フイラメント等としては芒硝の付着はその紡
績、織工程などの加工工程の通過性に対しては致
命的なものとなる。 一般的には加工工程の通過性をよくするために
平滑性、制電性、捲つき性その他諸要因に対して
充分に吟味された油剤が使用されており、その油
剤の選択を誤ると全く工程を通過しないことは当
業者ならしばしば経験する事実である。 ましてや芒硝が付着していると紡績、織工程を
全く通過しないということは論をまたないところ
である。 芒硝付着が許されない用途の水溶性繊維の公知
湿式製造方法をさらに詳しく述べる。 前述の如くPVA水溶液を主として高濃度の芒
硝凝固浴中へ紡糸し、適宜湿延伸を施した後、付
着している芒硝を洗滌し、さらに油剤を塗布して
乾燥する。フイラメントの場合はチーズに巻取り
撚糸、織工程へ供する。 ステープルの場合は乾式不織布製造工程や紡績
工程へ供するので捲縮を施した後適当な長さに切
断される。又別の製造方法は前記湿延伸後乾燥し
たものを水洗にて芒硝を洗滌除去し、油剤を塗布
した後乾燥し、フイラメントの場合はチーズ巻に
し、ステープルの場合は捲縮、切断後加工工程へ
供するものである。 いづれの方法にても芒硝洗滌にはその溶解度が
大で、かつ経済的な水を使用し、又油剤塗布後に
乾燥工程が存在する。 本来水溶性繊維は水の存在下では該繊維の有す
る水溶解温度以上になると大部分又は完全に溶解
するものである。 又その温度以下でも膨潤が大きく、さらに部分
的には一部溶解も起きる場合もあり、この傾向は
繊維中に存在する水の温度が水溶解温度に近づく
につれ大となるものである。 従つて芒硝付着のない湿式法による水溶性
PVA系繊維の製造上のポイントは、芒硝の洗滌
工程での繊維膨潤を押えて溶解分をなくし、かつ
乾燥工程での溶解による繊維の溶断、接着を防止
することにある。 かかる問題に対して低い水溶解温度のものをい
かに経済的に得るかという観点から種々の検討が
されている。 芒硝洗滌工程ではPVAの膨潤は抑えるが、芒
硝に対しては溶解性のある溶剤の検討がなされて
いる。例えばメタノールがあるが、芒硝の溶解度
が小さいうえにPVAの膨潤を抑制するために繊
維内部の芒硝の溶解、拡散が律速となり、洗滌に
著しく長時間を要することに加えて、引火性薬品
であるために設備に多額の投資を要し、又取扱い
にくく、結果的には著しく製造コストが高くな
る。 従つて結局は芒硝の洗滌には水を使用すること
になり、せいぜい経済的に見合う程度に水温を強
制的に下げるとか、繊維に出来るだけ張力をかけ
て膨潤を押える程度であり、それでも問題を惹起
する場合は止むなく繊維の水溶解温度を上げざる
を得ないのが実情である。 一方乾燥工程は前述の如く繊維の溶断や繊維同
志の接着なしにいかに効率よく乾燥するかという
ことが問題である。 水溶性繊維は水分の存在下ではその水溶解温度
以上の温度に加熱されると溶解するものである。
従つて乾燥に際しては、その大部分の時間を該繊
維の水溶解温度よりかなり低い温度で乾燥しなけ
ればならない。 かなり低い温度にしなければならない理由は前
記の如く水溶解温度以下でも該繊維は著しく膨潤
し、場合によつては一部溶解するからである。こ
の傾向は水溶解温度に近づくにつれ顕著となる。
一般的には水溶解温度より10℃程度低いところで
乾燥がなされている。 かかる理由により、低温度溶解の水溶性繊維を
得んとすれば、おのづと乾燥温度を低下させねば
ならず、その結果乾燥に著しく長時間を要するこ
とになり、生産性が大幅に低下し、得られる水溶
性繊維は非常に高価なものとなる。 従つて少しでも乾燥効率を高めようとして種々
の試みがなされている。即ち出来るだけ乾燥温度
をその水溶解温度まで近づけようという試みであ
る。 例えば、単繊維同志の接着を防止する試みとし
て乾燥前に接着防止剤を塗布することが種々検討
されているが、鉱物油等を塗布しても若干効果が
あるという程度であり、飛躍的な効果を上げ得て
いない。 又乾燥工程で水分を有する繊維が膨潤し、結果
として繊維同志が接着することを防ぐために、繊
維軸方向に張力をかけることが比較的効果がある
が、これとて水溶解温度に若干近づけうるという
程度のものである。 又繊維の有する水分量が少なくなると、繊維の
溶解による繊維同志の接着はしにくくなる傾向が
ある。 本発明者等は本発明に到達する以前にこの点に
関しても種々検討を加えたが、ドライベースで
100〜200%の水分率のものが10%程度になるまで
はその繊維の水溶解温度以上には上げえず、従つ
て大部分の乾燥を低温度で乾燥せざるを得ないと
いう結果を得た。 以上の如く乾燥効率を大幅に改善するためには
結局はその繊維の有する水溶解温度を上げる以外
に方法はないということになる。 しかるに水溶解温度を上げると、なる程繊維の
製造工程では効率的な生産が可能となるも、該繊
維の使用目的よりして加工工程で溶解又は溶解除
去する必要があるが、溶解温度が高いためにその
操作が非常に困難でコスト高になることに加え
て、高温で処理するために主体となる繊維の物性
を著しく損うという致命的欠陥を有することにな
る。 以上の如く水に対し低温溶解性を有する繊維は
生産性が低く非常に高価となり、又高温溶解性繊
維は繊維そのものは比較的安価に製造可能なるも
溶解又は溶解除去の加工工程で著しく費用を要
し、さらに質的にも問題となる。 従つていづれにしても水溶性繊維を使用した乾
式不織布、織物、編物を利用する商品は高価なも
のとなる。 本発明者等は上述の如き問題点を解決すべく鋭
意研究の結果本発明に到達したものである。 即ち本発明は、水溶性繊維の製造工程では90℃
以上と高温の水溶解温度であつて、溶解又は溶解
除去の工程では80℃以下という低温で目的を達し
得る水溶性繊維に関するものである。 さらに具体的には、繊維中にカルボキシル基を
導入し熱処理を施すことにより、繊維製造工程で
は水溶解温度を90℃以上と高くして芒硝の洗滌及
びその後の乾燥を容易ならしめ、加工工程ではア
ルカリ処理を施すことにより、水溶解温度を80℃
以下と低い温度にして溶解、溶解除去を容易なら
しめたPVA系繊維ならびにその製造法である。 以下本発明を詳細に説明する。 PVA系繊維にカルボキシル基を導入すること
が本発明の重要な要件の一つであり、以下の3方
法が有効である。 (1) カルボキシル基を導入したPVAを紡糸する
こと、 (2) 上記カルボキシル基を導入したPVAと通常
のPVAを混合紡糸すること、 (3) ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等カルボ
キシル基を有する水溶性ポリマーと通常の
PVAを混合紡糸すること、 である。 かくして得られる繊維は低温では溶解するもの
であるが、水溶解温度を90℃以上にあげるには該
紡糸繊維をPH2〜6の液で処理し、芒硝の付着し
たまま乾燥後さらに150℃以上で熱処理を行うこ
とが肝要である。 尚PVA系繊維の湿式製造法は、通常、紡糸原
液を芒硝液からなる凝固浴中に吐出し凝固させ糸
篠を形成し、該糸篠は引続き、より高温の芒硝液
中に導びかれ適当倍率の延伸を受け、その後乾燥
され、さらに延伸、必要に応じて熱処理を受け
る、という工程を採るが、前記PH2〜6下での処
理は、凝固浴を用いても、又それに続くより高温
の芒硝浴(2浴)を用いて酸性浴としても、さら
に又前記浴以外の酸性浴を用いてもよいが、後段
で接着が起らないように乾燥、熱処理をするため
に、操業的には前記2浴を酸性浴として用いるこ
とが好ましい。 本願での水溶解温度とは適当な長さ、太さの繊
維篠をスケールの上端に固定し、該篠の下端に1/
1000グラム/デニール相当のおもりをつけて水中
に垂直に浸漬し、常温より1分間に1℃の速度で
水温を上昇させた時に、篠が溶断し、溶断部より
おもりと共に落下する温度を言う。なおアルカリ
処理後の水溶解温度とカセイソーダ1g/で処
理した後の上記測定法による溶解温度である。 PVAにカルボキシル基を導入する方法は種々
あるが、下記の方法が有効である。 (イ) ビニルエステルと共重合しうるモノマーと共
重合させてケン化する方法、 (ロ) PVAにグラフト重合するか、またはポリビ
ニルエステルにグラフト重合してケン化する方
法、 (ハ) PVAの化学反応による方法、 などがあげられるが(イ)の方法がより経済的であ
る。 さらに具体的に述べると(イ)の方法としてはギ酸
ビニル、酢酸ビニル又はプロピオン酸ビニルなど
の有機酸ビニルエステルと共重合しうる不飽和塩
基性酸、不飽和二塩基性酸、これらの無水物、ま
たはこれらのエステル、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン
酸などの共重合体をケン化することにより、ある
いは上記ビニルエステル類とアクリロニトリル、
メタクリルニトリル、アクリルアミドとの共重合
体をケン化することによつて目的とする分子中カ
ルボキシル基を有するPVAを製造することがで
きる。 (ロ)の方法としてはPVAあるいはポリ酢酸ビニ
ルに、アクリロニトリル、アクリルアマイドをグ
ラフト重合してケン化する方法などがある。 (ハ)の方法としてはPVAに二塩基酸、たとえば
マレイン酸、フマル酸、蓚酸、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸あるいはこれらの無水物を反応さ
せて片エステル化反応によつてカルボキシル基を
導入させることができる。 PVA系繊維中にカルボキシル基を導入し熱処
理すると水溶解温度が上がり、アルカリで処理す
ると著しく低下する理由は明らかではないが、多
分カルボキシル基が分子間又は分子内に存在する
水酸基との間にエステル結合を生成して水溶解温
度が上昇し、アルカリで処理するとアルカリに弱
いエステル結合が切れるために著しく低下するも
のと思われる。 PVA中のカルボキシル基の量は、ポリマー100
g中に0.02モル以上0.4モル以下含まれているこ
とが好ましく、0.04〜0.18モルがより好適であ
る。0.02モル以下ではカルボキシル基の存在の影
響が小さく、従つて水溶解温度とアルカリ処理後
の水溶解温度の差が小さいので、繊維製造工程で
90℃以上の水溶解温度にした場合加工工程を想定
したアルカリ水溶液処理後の水溶解温度が80℃以
下にならない。 又0.4モル以上では繊維にすることがむずかし
い。即ち、紡糸時の凝固状態がよくなく、紡糸調
子が悪い。さらに熱処理する前の乾燥工程での膨
潤が大きすぎ、芒硝が存在していても単繊維同志
の接着が起こり問題である。 なおケン化度は80%以上が好ましく、重合度は
400〜3000が適当である。 (2)の方法の前記カルボキシル基を導入した
PVAと、導入していない通常のPVAとを混合紡
糸する場合は、混合後のPVAポリマー100g中に
カルボキシル基が0.02〜0.4モル含まれるように
すればよい。例えば、PVAポリマー100g中に
0.16モルのカルボキシル基を有するPVAを50重
量%、有しない通常のPVA50重量%を混ぜると、
ポリマー100gあたりに0.08モルのカルボキシル
基を有することになる。 (3)の場合はポリアクリル酸、ポリメタクリル酸
やその塩等とカルボキシル基を有しないPVAと
の混合紡糸であるが、混合後の平均カルボキシル
量がポリマー100gあたり0.02〜0.4モルになるよ
うに混合するだけでよい。 かくして得られるカルボキシル基を有する
PVA系水溶液の濃度は8〜20重量%がよく、よ
り好ましくは13〜17%である。 該紡糸用原液を主として濃厚な芒硝浴中へ紡糸
し、引続きより高温の芒硝液中に導びいて適当倍
率の湿延伸を施し、PH2〜6の酸性浴で処理し、
芒硝が付着したままで乾燥する。 PH2以下では後段の熱処理によりPVAが劣化
するので好ましくない。又PH6以上では熱処理に
よつても水溶解温度が上がりにくく、従つてアル
カリ処理後の水溶解温度との差が小さい。カルボ
キシル基がカルボン酸塩の形で存在し、反応性を
減じているものと想像される。 引続き150℃以上融点以下の温度で定長下もし
くは若干の延伸を施して熱処理し水溶解温度を90
℃以上とする。 150℃以下では90℃以上の水溶解温度が得られ
ない。 該繊維を乾式不織布用あるいは織、編物用に供
するためにはさらに芒硝の除去及び油剤を付与す
ることが重要である。芒硝の洗滌は水で行うが、
本発明の場合カルボキシル基を導入し水溶解温度
を高めているので、水温を特に下げる必要もな
く、通常の緊張下での水洗でよく、水洗工程は通
常のPVA系水溶性繊維に比し非常に楽である。
又油剤は公知の油剤を適宜選択すればよい。 油剤付与後の乾燥は本発明の最も特長とすると
ころであるが、水分10〜20%程度までは該繊維を
有する水溶解温度以下で乾燥する。一般的には約
40℃以下にする必要があるが、本発明の場合約50
℃程度で充分であり、もともと一般的には水溶解
温度より約10℃以上低い温度で乾燥する必要があ
るが、本発明の場合約5℃程度低い温度で乾燥で
き、もともと90℃以上と水溶解温度が高い上に、
乾燥温度は水溶解温度からわずかだけ低下させる
だけでよく、従つてより高い乾燥温度の設定がで
きるので著しく乾燥効率を高めることになる。 乾燥温度が本発明の場合水溶解温度より若干低
目でよい理由は定かでないが、通常のPVAの場
合その耐水性は結晶化という物理的因子のみによ
るものであるが、本発明はカルボキシル基と水酸
基の化学的な反応が付与されているので湿熱に対
し、より安定なためと推定される。 ステープルの場合乾燥後の繊維は必要に応じ捲
縮を施し適当な長さに切断する。フイラメントの
場合は通常乾燥後チーズ巻とする。 かくして得られた繊維は水溶解温度は90℃以上
と高いが、アルカリ浴で処理しさえすれば80℃以
下となり、低温で溶解又は溶解除去が可能であ
る。 該繊維はフイラメント、紡績糸として織、編物
にして、例えばケミカルレース基布、高級タオル
地等最終的には溶解除去する種々の用途や、ステ
ープルとして乾式不織布のバインダー等のような
バインダー繊維としての種々の用途に利用でき
る。なお利用範囲は当然のことながら上記例に限
定されるものではない。 以下実施例をもつて本発明を説明するが、この
実施例に限定されるものではない。 実施例 1 メタノールを溶媒として酢酸ビニルとイタコン
酸を触媒に2,2′―アゾビスイソブチロニトリル
を使用し共重合した後に、アルカリでケン化し
て、イタコン酸を2モル%導入した重合度1800、
ケン化度98.5モル%のポリビニルアルコール
(PVA100gあたりのカルボキシル基量0.087モ
ル)を得た。このPVAを用い16重量%の水溶液
とし紡糸原液とした。 該紡糸原液を40℃の飽和芒硝浴からなる凝固浴
中に紡糸し、ローラー間で2倍延伸し、さらに80
℃、PH4.5に調整した飽和芒硝浴中で2倍延伸の
上、120℃で乾燥後定長下で210℃30秒間の熱処理
を施した。得られた繊維は単繊維の太さが2デニ
ールで、その水溶解温度は100℃以上であつた。
(100℃で溶断しなかつた)引続き緊張下で芒硝を
常温水で洗滌し、アニオン系の油剤処理をした後
水分10%までは97℃の熱風で乾燥し、残りの水分
は120℃で乾燥した。単繊維同志の接着は全くみ
られなかつた。 該繊維を緊張下で濃度1g/、温度50℃のカ
セイソーダ水溶液で処理した後の水溶解温度は60
℃と非常に低温で溶断した。即ち繊維製造工程で
は水溶解温度が高いために効率的な生産が出来、
加工工程ではアルカリ処理を施しさえすれば60℃
という低温での溶解ないし溶解除去が出来ること
を示している。 比較例 1 カルボキシル基を含まない(株)クラレ製の重合度
1750、ケン化度98.5モル%のPVAを使用し、実
施例1と油剤処理工程までは全く同一条件で処理
した。 得られた繊維の水溶解温度は70℃であつた。油
剤処理後の乾燥を実施例1と同条件で処理したと
ころ溶断が起つたり、単繊維同志がはげしく接着
し、棒状となつた。 従つて水分10%まで60℃で乾燥し、それ以下は
120℃で乾燥した。接着はほんのわずかという程
度に押え得たが、乾燥時間が実施例1の20倍以上
もかかり工業的な生産としては全く問題外であつ
た。 なお実施例1と同様な方法でカセイソーダ水溶
液で処理した後の水溶解温度を測定したが、処理
しない場合の70℃と全く同じであつた。 比較例 2 カルボキシル基を含まない(株)クラレ製の重合度
1700、ケン化度99.9モル%の完全ケン化PVAを
実施例1と同条件で製造した。 水溶解温度は90℃であつたが油剤処理後の乾燥
工程でやはり激しい単繊維間の接着がみられた。 そこで水分10%までを80℃まで低下して乾燥
し、しかる後に120℃に上げて残りの水分を乾燥
した。 単繊維間の接着はみられなかつたが、水溶解温
度が90℃と高いうえに乾燥時間も実施例1の3倍
も要した。 なお比較例1と同様カセイソーダ水溶液で処理
しても水溶解温度は処理なしの場合の90℃と差は
なかつた。比較例1,2と比較して実施例1は低
温水溶解性を有するPVA系繊維の生産が効率的
に可能なることを明白に示している。 実施例2〜5,比較例3〜4 メタノールを溶媒として酢酸ビニルとイタコン
酸を2,2′―アゾビスイソブチルニトリルを用い
て共重合した後、アルカリでケン化して重合度
1600〜1700、ケン化度98.0〜98.6モル%のイタコ
ン酸共重合PVAを得た。イタコン酸共重合モル
数を変更してポリマー100g中に含まれるカルボ
キシル基量を0.014モル(比較例3)、0.031モル
(実施例2)、0.066モル(実施例3)0.21モル
(実施例4)0.31モル(実施例5)、0.53モル(比
較例4)とした。 それぞれのイタコン酸共重合PVAを用いて油
剤処理工程までは実施例1と全く同条件で製造し
た。 その後の乾燥条件は10%までは(水溶解温度−
5℃)の熱風温度で乾燥し、残りの水分は120℃
に上げて乾燥した。 実験で得られたデーターを表―1にまとめた。
【表】
【表】 比較例3はアルカリ処理後の水溶解温度が90℃
と高く、又比較例4は紡糸時熱処理前の乾燥での
接着が大で又紡糸調子も良くなかつた。 実施例6〜8、比較例5〜6 実施例1にてローラー延伸後の80℃芒硝浴処理
におけるPHを変更した以外は全く同方法で実施し
た。 PHは硫酸及びカセイソーダで調整し、1.5(比較
例5)、2.5(実施例6)、4.0(実施例7)、5.0(実

例8)、8.0(比較例6)とした。その水溶解温度
をアルカリ処理前・後で測定し、その結果を表―
2に示した。
【表】 比較例5はPHが低すぎて繊維の着色は大であ
り、又アルカリ処理後の水溶解温度が高すぎる。
原因は明確ではないが、PVAの主鎖が切れて分
子間にエステル結合以外の架橋結合を生成してい
る可能性があり、アルカリ処理による水溶解温度
の低下が小さすぎる。 比較例6は熱処理しても水溶解温度があまり上
昇しない。理由は判然としないが、PHが高いため
にカルボキシル基が塩となり、水酸基との反応性
を減じている可能性がある。 ともかく熱処理しても水溶解温度が低く、かつ
アルカリ処理してもその低下がほとんどない。 実施例のPHが如何に重要であるかが明白であ
る。 実施例9〜11、比較例7〜8 実施例1と紡糸後の乾燥工程までは同一条件と
して熱処理温度を種々変更し、水溶解温度をカセ
イソーダ1g/、50℃、5分の処理前・後で測
定し、表―3に示した。 なお熱処理時間は実施例1と同じく30秒とし
た。
【表】 150℃以下の熱処理では水溶解温度が低すぎて
油剤処理後の乾燥に長時間を要することになり問
題である。 実施例 12 無水マレイン酸と酢酸ビニルの共重合物をケン
化して得られた変性度2モル%(ポリマー100g
中のカルボキシル基含量0.088モル)の重合度
1800、ケン化度98.5モル%のイタコン酸共重合
PVAと通常の完全ケン化PVA(比較例2と同一
PVA)を重量比で75対25の割合で混合し、ポリ
マー100g中のカルボキシル基量を平均0.066モル
とした16重量%のPVA水溶液を防糸原液とした。
該紡糸原液を紡糸以降は実施例1と全く同一条件
で処理し繊維を得た。該繊維は全く接着がなく、
水溶解温度100℃以上と高く、又1g/のカセ
イソーダ水溶液での処理後の水溶解温度は73℃と
低いものであつた。 実施例 13 実施例12にて無水マレイン酸を共重合して得ら
れたPVAのかわりにイタコン酸2モルを共重合
したPVA(実施例1と同一PVA)を使用した以
外は全く実施例12と同条件で処理した。 得られた繊維は全く接着がなく、水溶解温度は
100℃以上と高く、アルカリ処理後の水溶解温度
は67℃と低いものであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 繊維を形成するポリマー100g中にカルボキ
    シル基が0.02〜0.4モル含まれており、かつポリ
    ビニルアルコールのOH基とこのカルボキシル基
    が架橋結合を形成しているポリビニルアルコール
    系ポリマーからなり、水溶解温度が90℃以上であ
    り、かつアルカリ浴で処理後の水溶解温度が80℃
    以下であることを特徴とする潜在的に低温水溶解
    性を有するポリビニルアルコール系合成繊維。 2 繊維を形成するポリマー100g中にカルボキ
    シル基を0.02〜0.4モル含有するポリマーを水溶
    液とし、該水溶液を芒硝を凝固浴として湿式紡糸
    し、凝固浴あるいはその後の工程でPH2〜6の処
    理液で処理し、以後芒硝付着のままで乾燥し、さ
    らに150℃以上融点以下で熱処理することを特徴
    とする潜在的に低温水溶解性を有するポリビニル
    アルコール系合成繊維の製造法。
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