JPS6367319B2 - - Google Patents
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- JPS6367319B2 JPS6367319B2 JP55017617A JP1761780A JPS6367319B2 JP S6367319 B2 JPS6367319 B2 JP S6367319B2 JP 55017617 A JP55017617 A JP 55017617A JP 1761780 A JP1761780 A JP 1761780A JP S6367319 B2 JPS6367319 B2 JP S6367319B2
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Description
本発明は薄膜サーマルヘツドの発熱素子に関す
るものである。 感熱記録用サーマルヘツドは絶縁基板上に配列
された微小な発熱抵抗体とそれに電力を投入する
ためのリード線、及び発熱抵抗体表面に形成され
た保護膜層からなる基本構造を有している。 サーマルヘツドには作成法の相違から厚膜型と
薄膜型があるが、微細加工が容易であり、且つ熱
損失の少ない薄膜型が高分解能、高速度の記録に
は有利である。 従来から薄膜型サーマルヘツドの発熱抵抗体と
しては混成集積回路等に薄膜抵抗体として利用さ
れている窒化タンタルのスパツタ膜が使用されて
きた。 フアクシミリ等において高速化を実現するため
には、数ミリ秒以下の短い印字パルスで感熱記録
紙を発色させなければならない。このためには発
熱素子に大電力を投入し、400℃以上もの温度を
発生させる必要がある。 また駆動回路での電力消費と発熱を少なくする
ために印加電力の大電力化は高電圧化による必要
がある。この様な要請から発熱抵抗体としては熱
安定性に優れた高抵抗薄膜材料が望まれている。 ところで、上記の窒化タンタル膜は比抵抗が約
200μΩcmと小さく、300℃以上の温度では熱安定
性に欠けるために印字パルスの大電力化には耐え
ることができない。そこで各種の材料が検討され
ているが、もつとも注目されているのは高融点金
属のホウ化物、炭化物、硅化物又は窒化物であ
る。 これらの材料は耐熱材料として知られているも
のである。しかしこれらの化合物の比抵抗値はい
ずれも50〜200μΩcm程度であり、窒化タンタル
と同様小さすぎる。 これらの材料を基礎にして高抵抗化を図ること
は高抵抗元素である硅素やホウ素などを化学量論
的組成より過剰に混入したスパツタ膜を作成する
ことにより容易に実現できる。 しかし、高融点金属−硅素系の各種の材料を中
心としてスパツタ膜を作成し特性を調査した結
果、高抵抗薄膜抵抗体を作成することは可能であ
るが、サーマルヘツド用の発熱体としては耐電力
性の点で十分な性能を得ることができないことが
判明した。 高比抵抗であり、膜厚も厚く、耐酸化性にも優
れているにもかかわらず高い性能が得られない主
要な原因は、発熱体の内部組織が変化し、これが
抵抗値の非可逆的な変化をもたらしていることに
あることが判つた。すなわち、硅素やホウ系など
を過剰に含んだ高融点材料のスパツタ膜は非晶質
状態か粒径の非常に小さな非晶質に近い多結晶状
態であるが、高温下において結晶化、粒成長又は
構成物質の偏析などが生じる。 これらの内部組織の変化は非常に大きな抵抗値
の変化をもたらす。従つて、耐電力性を有しかつ
長寿命の発熱体であるためには、耐酸化性に優れ
ているばかりではなくスパツタ膜の内部組織が熱
に対して安定であることが重要である。 このような知見をもとにして各種の材料を作
成、検討した結果本発明が得られたものである。 SiCに高融点金属を混入した本発明のスパツタ
膜は、固有抵抗の広範な領域にわたつて耐酸化性
に富むとともに、内部組織が熱的に安定であり優
れた発熱抵抗体である。 以下に本発明の高融点金属−SiCスパツタ膜に
ついて従来の高融点金属−Siスパツタ膜と対比し
て詳細に説明する。 酸化による影響をのぞくために窒素雰囲気中で
熱処理し、その前後の抵抗値の変化を測定した。
窒素雰囲気中での熱処理は500℃、600℃及び700
℃で2時間行なつた。 第1図にTa−Siスパツタ膜の場合について示
した。横軸は基板温度250℃で石英ガラス上に作
成した試料(以下ではこれをas sputter膜とい
う)の比抵抗値であり、TaとSiの組成比に対応
するものである。縦軸は熱処理後の抵抗値をas
sputter膜の抵抗値で割つたものである。 第1図から判るように、Ta−Siスパツタ膜で
は熱処理によつて抵抗値が大きく変化する。また
Ta−Siの組成比に対する抵抗値変化の依存性が
著しい。特に高い比抵抗の試料程大きな抵抗値の
増大がある。抵抗値変化の小さい103μΩcm以下の
小さな比抵抗領域においてのみ実用的であるが、
比抵抗の小さな領域は金属成分が多く熱酸化しや
すい。また所定の面積抵抗を得るためには膜厚を
薄くしなければならいことも加わつて耐酸化性に
問題が生じる。 次に本発明の高融点金属−SiCスパツタ膜をも
ちいて同様の測定を行なつた結果を示す。第2図
はTa−SiC、第3図はMo−SiCに関するもので
ある。横軸は第1図と同じくas sputter膜の比抵
抗値でありTaあるいはMoとSiCとの組成比に対
応するものである。 第2図、第3図から判るように本発明の高融点
金属−SiCスパツタ膜は広範な比抵抗領域におい
て窒素中熱処理による抵抗値の変化が非常に少な
い。特に600℃以下の熱処理では抵抗値の変化は
ほとんど見られず、また104μΩcm以上の高い比抵
抗領域においても抵抗値の変化が非常に小さい。 このような特性をより詳細に観察するために真
空中において試料を加熱しながら抵抗値の変化を
測定した。温度プログラムは6℃/分で昇温し
650℃で1時間保持した後、6℃/分で降温した。 第4図にTa−Siスパツタ膜とTa−SiCスパツ
タ膜での測定例を示す。両試料ともas sputterで
は約4000μΩcmの比抵抗を有している。 両試料とも昇温初期においては固有の抵抗温度
係数(TCR)により可逆的に抵抗値が減少する
が、Ta−Siでは300℃から非可逆的な抵抗値の増
大が生じ始めており、500℃近傍で抵抗値が一度
減少した後、600℃近傍から急激に増大している。
650℃1時間の保持中にも抵抗値の増大が継続す
る。降温後の抵抗値は昇温前の抵抗値の約10倍に
も増大している。 Ta−SiCの場合では、450℃付近から非可逆的
な抵抗値の増大が観察されるが非常に小さなもの
であり、650℃に保持中の抵抗値の増大も僅かで
あり、降温後の抵抗値は昇温前のものに比較して
1.05倍になつているだけである。 スパツタ膜の熱による構造の変化を知るために
3ミクロン程の厚さのスパツタ膜を作成し、熱処
理後X−線回折を行なつた。Ta−Siでは500℃以
上の熱処理によつてTaSi2等の明確な回折ピーク
が観察されたが、Ta−SiCやMo−SiCなどでは
700℃の熱処理によつても回折ピークはなく非晶
質状態であつた。 高融点金属−SiCスパツタ膜が非酸化雰囲気に
おいて抵抗値の非可逆的な変化が微少であるの
は、非晶質状態が高温まで著しく安定であること
に対応していることが判つた。 以上、スパツタ膜の内部組識の変化と抵抗値の
変化について述べてきたが、内部組識の変化が発
熱素子の寿命への悪影響を与えることを避けるた
めに、Ta−Siスパツタ膜では使用温度より十分
高い温度でスパツタ膜を作成するか、作成後に熱
処理を行なう必要がある。 しかし、サーマルヘツド等に安価な絶縁基板材
料として使用されているガラスグレーズドアルミ
ナ基板やガラス板では熱処理温度を高くすること
はできず、500℃程度までが許容されるだけであ
る。高速サーマルヘツドに要求される400〜500℃
もの発熱体温度、及び第4図に示した傾向等から
500℃程度の熱処理温度では不十分であり耐電力
性に劣る結果となる、また高価ではあるが石英等
を基板とすることによつて高温での熱処理を導入
することが可能であるが、熱処理により抵抗値が
著しく変化する材料では所定の抵抗値を精度良く
得ることが困難である。 本発明の高融点金属−SiCスパツタ膜の特性は
この様な観点から発熱素子として優れたものであ
るとともに、耐酸化性においても優れた特性を示
すことが大気中で450℃の炉内に放置して抵抗値
の増大を測定することにより判つた。例えば、膜
厚1500Å、比抵抗2000μΩcmのMo−SiCスパツタ
膜を真空中520℃で2時間熱処理した試料では、
大気中で450℃100時間のエージングにより抵抗値
の増大は約3%であつた。同様の試料にSiO2を
2ミクロン保護膜として形成したものでは0.2%
以下の非常に小さな抵抗値の増大しか示さなかつ
た。 高速用のサーマルヘツドに要求される3ミリ秒
以下の短いパルス巾で大電力を投入する場合には
急激な熱衝撃により発熱体にクラツクが発生した
り、剥離が生じやすいことも又、大きな問題にな
つている。 本発明の高融点金属−SiCスパツタ膜は耐熱衝
撃性にも非常に優れている。サーマルヘツドを試
作して1.5ミリ秒のパルス巾で電力印加試験を行
なつたが、クラツクや剥離による破壊例は観察さ
れず、従来例における破壊はすべてグレーズ層の
融解により生じたものであつた。 この様に高融点金属−SiC発熱体が熱衝撃性に
も優れているのはSiC自身がかなり小さな熱膨張
係数を有する材料であることによつていると思わ
れる。 以上述べてきたように本発明の高融点金属−
SiCスパツタ膜発熱体は高温まで非晶質状態が安
定であり、それに伴ない抵抗値の熱履歴による変
化も少なく、また耐酸化性にも優れているばかり
でなく、熱衝撃性にも優れた性質を示している。
この様な性質はSiC固有の特性に寄るところが大
きい。 また、導電性を付与する金属元素としては結合
力が強く、硅素及び炭素と強く結合した高融点化
合物を形成する金属元素が適している。 この様な特性を有している一連の元素はいわゆ
る高融点金属元素として知られている。したがつ
て、以上ではMo−SiC及びTa−SiCについて特
性を述べてきたが、高融点金属であるZr、Hf、
W、Nbを使用してもほとんど同様の性質を示し、
また、これらを2種類以上混合してもちいても同
様の特性を示した。 これらの高融点金属とは性質を異にする、すな
はち融点が比較的低く、硅素及び炭系と化合物を
形成しない銅をもちいて、銅−SiCスパツタ膜を
作成し評価したところ、550℃で急激に抵抗値が
減少した。これは銅が偏析したことによつてい
る。従つてこの様な金属元素は本発明には不適当
である。 本発明の高融点金属−SiCスパツタ膜は簡便に
はSiCターゲツト上に高融点金属の小片を乗せた
複合ターゲツトをもちいることにより作成され
る。複合ターゲツトの高融点金属小片とSiCの面
積比を変えることにより任意の組成のスパツタ膜
を作成することができる。またターゲツトとして
SiC粉末と高融点金属粉末を混合、加圧成型した
ものをもちいても同様のスパツタ膜を作成するこ
とができる。 高融点金属とSiCの組成比を変えることにより
スパツタ膜の比抵抗値を広範に変えることができ
るが、300μΩcm以下の金属成分の多い領域では
耐酸化性に劣るとともに剥離、クラツクが発生し
やすくなる。またSiC成分を多くした5×104μΩ
cm以上の高比抵抗領域においては3000ppM以上
の大きな負の抵抗温度係数を示すために実用上問
題がある。 従つて本発明の発熱体は比抵抗領域として3×
102〜5×104μΩcmの間で特に有用である。 この比抵抗範囲は高融点金属とSiCの組成比と
してはSiC1分子に対して金属原子数が0.08〜0.35
に対応するものである。 次に実施例について説明する。 ホツトプレス法により作成された直径178mmの
SiCターゲツト(MRC製)上に5×5×0.5の金
属板小片を一様に配置した複合ターゲツトをもち
いて高周波2極スパツタ装置によりスパツタ膜を
作成した。金属板小片としては、Ta、Mo、W、
Zr、Nb、Hfの99.9%以上の純度のものをもちい
た。基板としては80ミクロンのグレーズ層を有し
た厚さ1.5ミリのアルミナ基板をもちい、耐エツ
チング層としてTa2O5をスパツタコートしたもの
を使用した。 スパツタ条件はスパツタリングガスとして2×
10-2Torrのアルゴン、高周波電力400W、基板温
度150℃である。 スパツタ後窒素中で500℃、30分間の熱処理を
行なつた後、蒸着クロム膜をエツチング用マスク
として、通常のホトリゾグラフ技術により6ドツ
ト/ミリの抵抗体パターンを形成した。なお、エ
ツチング液としてはフツ硝酸をもちいた。電極部
は1.5ミクロン厚さのCr−Pd−Au蒸着膜を使用し
た。また保護膜としてSiO2を2ミクロン、その
上にTa2O3を5ミクロンをスパツタリングにより
作成した。 このようにして作成したサーマルヘツドをもち
いてステツプストレス試験を行なつた。試験条件
はパルス幅2.5ミリ秒、繰り返し50ミリ秒で30分
間の通電である。 印加電力は印加電圧と電流値を測定することに
より算出したが、発熱抵抗体の抵抗温度係数によ
り電流パルスは一定ではないのでパルスの中央値
により計算した。 抵抗値は通電後5分間放置した後の値により評
価した。発熱体の耐電力性の目安として抵抗値が
5%変化する印加電力値をミリ平方当りに換算し
て耐電力値とした。 表に各種の高融点金属−SiC発熱抵抗体の膜
厚、ドツト抵抗値、及び耐電力値を示した。 なおドツト寸法は、長さ300ミクロン、幅132ミ
クロンである。また、発熱抵抗体の作成の際の
SiCターゲツト上に占める各金属小片の面積百分
率をも表に示した。
るものである。 感熱記録用サーマルヘツドは絶縁基板上に配列
された微小な発熱抵抗体とそれに電力を投入する
ためのリード線、及び発熱抵抗体表面に形成され
た保護膜層からなる基本構造を有している。 サーマルヘツドには作成法の相違から厚膜型と
薄膜型があるが、微細加工が容易であり、且つ熱
損失の少ない薄膜型が高分解能、高速度の記録に
は有利である。 従来から薄膜型サーマルヘツドの発熱抵抗体と
しては混成集積回路等に薄膜抵抗体として利用さ
れている窒化タンタルのスパツタ膜が使用されて
きた。 フアクシミリ等において高速化を実現するため
には、数ミリ秒以下の短い印字パルスで感熱記録
紙を発色させなければならない。このためには発
熱素子に大電力を投入し、400℃以上もの温度を
発生させる必要がある。 また駆動回路での電力消費と発熱を少なくする
ために印加電力の大電力化は高電圧化による必要
がある。この様な要請から発熱抵抗体としては熱
安定性に優れた高抵抗薄膜材料が望まれている。 ところで、上記の窒化タンタル膜は比抵抗が約
200μΩcmと小さく、300℃以上の温度では熱安定
性に欠けるために印字パルスの大電力化には耐え
ることができない。そこで各種の材料が検討され
ているが、もつとも注目されているのは高融点金
属のホウ化物、炭化物、硅化物又は窒化物であ
る。 これらの材料は耐熱材料として知られているも
のである。しかしこれらの化合物の比抵抗値はい
ずれも50〜200μΩcm程度であり、窒化タンタル
と同様小さすぎる。 これらの材料を基礎にして高抵抗化を図ること
は高抵抗元素である硅素やホウ素などを化学量論
的組成より過剰に混入したスパツタ膜を作成する
ことにより容易に実現できる。 しかし、高融点金属−硅素系の各種の材料を中
心としてスパツタ膜を作成し特性を調査した結
果、高抵抗薄膜抵抗体を作成することは可能であ
るが、サーマルヘツド用の発熱体としては耐電力
性の点で十分な性能を得ることができないことが
判明した。 高比抵抗であり、膜厚も厚く、耐酸化性にも優
れているにもかかわらず高い性能が得られない主
要な原因は、発熱体の内部組織が変化し、これが
抵抗値の非可逆的な変化をもたらしていることに
あることが判つた。すなわち、硅素やホウ系など
を過剰に含んだ高融点材料のスパツタ膜は非晶質
状態か粒径の非常に小さな非晶質に近い多結晶状
態であるが、高温下において結晶化、粒成長又は
構成物質の偏析などが生じる。 これらの内部組織の変化は非常に大きな抵抗値
の変化をもたらす。従つて、耐電力性を有しかつ
長寿命の発熱体であるためには、耐酸化性に優れ
ているばかりではなくスパツタ膜の内部組織が熱
に対して安定であることが重要である。 このような知見をもとにして各種の材料を作
成、検討した結果本発明が得られたものである。 SiCに高融点金属を混入した本発明のスパツタ
膜は、固有抵抗の広範な領域にわたつて耐酸化性
に富むとともに、内部組織が熱的に安定であり優
れた発熱抵抗体である。 以下に本発明の高融点金属−SiCスパツタ膜に
ついて従来の高融点金属−Siスパツタ膜と対比し
て詳細に説明する。 酸化による影響をのぞくために窒素雰囲気中で
熱処理し、その前後の抵抗値の変化を測定した。
窒素雰囲気中での熱処理は500℃、600℃及び700
℃で2時間行なつた。 第1図にTa−Siスパツタ膜の場合について示
した。横軸は基板温度250℃で石英ガラス上に作
成した試料(以下ではこれをas sputter膜とい
う)の比抵抗値であり、TaとSiの組成比に対応
するものである。縦軸は熱処理後の抵抗値をas
sputter膜の抵抗値で割つたものである。 第1図から判るように、Ta−Siスパツタ膜で
は熱処理によつて抵抗値が大きく変化する。また
Ta−Siの組成比に対する抵抗値変化の依存性が
著しい。特に高い比抵抗の試料程大きな抵抗値の
増大がある。抵抗値変化の小さい103μΩcm以下の
小さな比抵抗領域においてのみ実用的であるが、
比抵抗の小さな領域は金属成分が多く熱酸化しや
すい。また所定の面積抵抗を得るためには膜厚を
薄くしなければならいことも加わつて耐酸化性に
問題が生じる。 次に本発明の高融点金属−SiCスパツタ膜をも
ちいて同様の測定を行なつた結果を示す。第2図
はTa−SiC、第3図はMo−SiCに関するもので
ある。横軸は第1図と同じくas sputter膜の比抵
抗値でありTaあるいはMoとSiCとの組成比に対
応するものである。 第2図、第3図から判るように本発明の高融点
金属−SiCスパツタ膜は広範な比抵抗領域におい
て窒素中熱処理による抵抗値の変化が非常に少な
い。特に600℃以下の熱処理では抵抗値の変化は
ほとんど見られず、また104μΩcm以上の高い比抵
抗領域においても抵抗値の変化が非常に小さい。 このような特性をより詳細に観察するために真
空中において試料を加熱しながら抵抗値の変化を
測定した。温度プログラムは6℃/分で昇温し
650℃で1時間保持した後、6℃/分で降温した。 第4図にTa−Siスパツタ膜とTa−SiCスパツ
タ膜での測定例を示す。両試料ともas sputterで
は約4000μΩcmの比抵抗を有している。 両試料とも昇温初期においては固有の抵抗温度
係数(TCR)により可逆的に抵抗値が減少する
が、Ta−Siでは300℃から非可逆的な抵抗値の増
大が生じ始めており、500℃近傍で抵抗値が一度
減少した後、600℃近傍から急激に増大している。
650℃1時間の保持中にも抵抗値の増大が継続す
る。降温後の抵抗値は昇温前の抵抗値の約10倍に
も増大している。 Ta−SiCの場合では、450℃付近から非可逆的
な抵抗値の増大が観察されるが非常に小さなもの
であり、650℃に保持中の抵抗値の増大も僅かで
あり、降温後の抵抗値は昇温前のものに比較して
1.05倍になつているだけである。 スパツタ膜の熱による構造の変化を知るために
3ミクロン程の厚さのスパツタ膜を作成し、熱処
理後X−線回折を行なつた。Ta−Siでは500℃以
上の熱処理によつてTaSi2等の明確な回折ピーク
が観察されたが、Ta−SiCやMo−SiCなどでは
700℃の熱処理によつても回折ピークはなく非晶
質状態であつた。 高融点金属−SiCスパツタ膜が非酸化雰囲気に
おいて抵抗値の非可逆的な変化が微少であるの
は、非晶質状態が高温まで著しく安定であること
に対応していることが判つた。 以上、スパツタ膜の内部組識の変化と抵抗値の
変化について述べてきたが、内部組識の変化が発
熱素子の寿命への悪影響を与えることを避けるた
めに、Ta−Siスパツタ膜では使用温度より十分
高い温度でスパツタ膜を作成するか、作成後に熱
処理を行なう必要がある。 しかし、サーマルヘツド等に安価な絶縁基板材
料として使用されているガラスグレーズドアルミ
ナ基板やガラス板では熱処理温度を高くすること
はできず、500℃程度までが許容されるだけであ
る。高速サーマルヘツドに要求される400〜500℃
もの発熱体温度、及び第4図に示した傾向等から
500℃程度の熱処理温度では不十分であり耐電力
性に劣る結果となる、また高価ではあるが石英等
を基板とすることによつて高温での熱処理を導入
することが可能であるが、熱処理により抵抗値が
著しく変化する材料では所定の抵抗値を精度良く
得ることが困難である。 本発明の高融点金属−SiCスパツタ膜の特性は
この様な観点から発熱素子として優れたものであ
るとともに、耐酸化性においても優れた特性を示
すことが大気中で450℃の炉内に放置して抵抗値
の増大を測定することにより判つた。例えば、膜
厚1500Å、比抵抗2000μΩcmのMo−SiCスパツタ
膜を真空中520℃で2時間熱処理した試料では、
大気中で450℃100時間のエージングにより抵抗値
の増大は約3%であつた。同様の試料にSiO2を
2ミクロン保護膜として形成したものでは0.2%
以下の非常に小さな抵抗値の増大しか示さなかつ
た。 高速用のサーマルヘツドに要求される3ミリ秒
以下の短いパルス巾で大電力を投入する場合には
急激な熱衝撃により発熱体にクラツクが発生した
り、剥離が生じやすいことも又、大きな問題にな
つている。 本発明の高融点金属−SiCスパツタ膜は耐熱衝
撃性にも非常に優れている。サーマルヘツドを試
作して1.5ミリ秒のパルス巾で電力印加試験を行
なつたが、クラツクや剥離による破壊例は観察さ
れず、従来例における破壊はすべてグレーズ層の
融解により生じたものであつた。 この様に高融点金属−SiC発熱体が熱衝撃性に
も優れているのはSiC自身がかなり小さな熱膨張
係数を有する材料であることによつていると思わ
れる。 以上述べてきたように本発明の高融点金属−
SiCスパツタ膜発熱体は高温まで非晶質状態が安
定であり、それに伴ない抵抗値の熱履歴による変
化も少なく、また耐酸化性にも優れているばかり
でなく、熱衝撃性にも優れた性質を示している。
この様な性質はSiC固有の特性に寄るところが大
きい。 また、導電性を付与する金属元素としては結合
力が強く、硅素及び炭素と強く結合した高融点化
合物を形成する金属元素が適している。 この様な特性を有している一連の元素はいわゆ
る高融点金属元素として知られている。したがつ
て、以上ではMo−SiC及びTa−SiCについて特
性を述べてきたが、高融点金属であるZr、Hf、
W、Nbを使用してもほとんど同様の性質を示し、
また、これらを2種類以上混合してもちいても同
様の特性を示した。 これらの高融点金属とは性質を異にする、すな
はち融点が比較的低く、硅素及び炭系と化合物を
形成しない銅をもちいて、銅−SiCスパツタ膜を
作成し評価したところ、550℃で急激に抵抗値が
減少した。これは銅が偏析したことによつてい
る。従つてこの様な金属元素は本発明には不適当
である。 本発明の高融点金属−SiCスパツタ膜は簡便に
はSiCターゲツト上に高融点金属の小片を乗せた
複合ターゲツトをもちいることにより作成され
る。複合ターゲツトの高融点金属小片とSiCの面
積比を変えることにより任意の組成のスパツタ膜
を作成することができる。またターゲツトとして
SiC粉末と高融点金属粉末を混合、加圧成型した
ものをもちいても同様のスパツタ膜を作成するこ
とができる。 高融点金属とSiCの組成比を変えることにより
スパツタ膜の比抵抗値を広範に変えることができ
るが、300μΩcm以下の金属成分の多い領域では
耐酸化性に劣るとともに剥離、クラツクが発生し
やすくなる。またSiC成分を多くした5×104μΩ
cm以上の高比抵抗領域においては3000ppM以上
の大きな負の抵抗温度係数を示すために実用上問
題がある。 従つて本発明の発熱体は比抵抗領域として3×
102〜5×104μΩcmの間で特に有用である。 この比抵抗範囲は高融点金属とSiCの組成比と
してはSiC1分子に対して金属原子数が0.08〜0.35
に対応するものである。 次に実施例について説明する。 ホツトプレス法により作成された直径178mmの
SiCターゲツト(MRC製)上に5×5×0.5の金
属板小片を一様に配置した複合ターゲツトをもち
いて高周波2極スパツタ装置によりスパツタ膜を
作成した。金属板小片としては、Ta、Mo、W、
Zr、Nb、Hfの99.9%以上の純度のものをもちい
た。基板としては80ミクロンのグレーズ層を有し
た厚さ1.5ミリのアルミナ基板をもちい、耐エツ
チング層としてTa2O5をスパツタコートしたもの
を使用した。 スパツタ条件はスパツタリングガスとして2×
10-2Torrのアルゴン、高周波電力400W、基板温
度150℃である。 スパツタ後窒素中で500℃、30分間の熱処理を
行なつた後、蒸着クロム膜をエツチング用マスク
として、通常のホトリゾグラフ技術により6ドツ
ト/ミリの抵抗体パターンを形成した。なお、エ
ツチング液としてはフツ硝酸をもちいた。電極部
は1.5ミクロン厚さのCr−Pd−Au蒸着膜を使用し
た。また保護膜としてSiO2を2ミクロン、その
上にTa2O3を5ミクロンをスパツタリングにより
作成した。 このようにして作成したサーマルヘツドをもち
いてステツプストレス試験を行なつた。試験条件
はパルス幅2.5ミリ秒、繰り返し50ミリ秒で30分
間の通電である。 印加電力は印加電圧と電流値を測定することに
より算出したが、発熱抵抗体の抵抗温度係数によ
り電流パルスは一定ではないのでパルスの中央値
により計算した。 抵抗値は通電後5分間放置した後の値により評
価した。発熱体の耐電力性の目安として抵抗値が
5%変化する印加電力値をミリ平方当りに換算し
て耐電力値とした。 表に各種の高融点金属−SiC発熱抵抗体の膜
厚、ドツト抵抗値、及び耐電力値を示した。 なおドツト寸法は、長さ300ミクロン、幅132ミ
クロンである。また、発熱抵抗体の作成の際の
SiCターゲツト上に占める各金属小片の面積百分
率をも表に示した。
【表】
耐電力値はいずれも30W/mm2以上ある。
表面温度の測定では、30W/mm2印加電力では発
熱ドツトの中央において600℃以上の温度であり、
本発明の高融点金属−SiCは優れた耐電力特性を
示している。 以上のように、本発明によれば工業的価値の大
きい薄膜発熱体を達成することができる。
熱ドツトの中央において600℃以上の温度であり、
本発明の高融点金属−SiCは優れた耐電力特性を
示している。 以上のように、本発明によれば工業的価値の大
きい薄膜発熱体を達成することができる。
第1図、第2図、第3図は各々Ta−Si、Ta−
SiC及びMo−SiCスパツタ膜を500℃、600℃、
700℃で2時間、熱処理したことによる抵抗変化
を示したものである。第4図はTa−Siスパツタ
膜とTa−SiCスパツタ膜を真空中において6℃/
分で昇温し、650℃で1時間保持した後6℃/分
で降温する温度プログラム下での抵抗値の変化を
表わすもので、実線はTa−SiC、点線はTa−Si
スパツタ膜の場合である。
SiC及びMo−SiCスパツタ膜を500℃、600℃、
700℃で2時間、熱処理したことによる抵抗変化
を示したものである。第4図はTa−Siスパツタ
膜とTa−SiCスパツタ膜を真空中において6℃/
分で昇温し、650℃で1時間保持した後6℃/分
で降温する温度プログラム下での抵抗値の変化を
表わすもので、実線はTa−SiC、点線はTa−Si
スパツタ膜の場合である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 炭化硅素と高融点金属元素とからなる組成を
有する非晶質構造の薄膜発熱体。 2 炭化硅素の含有率が65〜92分子%であり、高
融点金属元素がTa、Mo、W、Nb、Hf、Zrの少
なくとも1種以上である特許請求の範囲第1項に
記載の薄膜発熱体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1761780A JPS56113478A (en) | 1980-02-15 | 1980-02-15 | Thin-film heating element |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1761780A JPS56113478A (en) | 1980-02-15 | 1980-02-15 | Thin-film heating element |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS56113478A JPS56113478A (en) | 1981-09-07 |
| JPS6367319B2 true JPS6367319B2 (ja) | 1988-12-23 |
Family
ID=11948831
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1761780A Granted JPS56113478A (en) | 1980-02-15 | 1980-02-15 | Thin-film heating element |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS56113478A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59111289A (ja) * | 1982-12-14 | 1984-06-27 | 大同特殊鋼株式会社 | 発熱体 |
| JPS59205702A (ja) * | 1983-05-09 | 1984-11-21 | 日本電気株式会社 | 薄膜抵抗体およびこれを用いた感熱記録ヘツド |
| US4845513A (en) * | 1985-03-23 | 1989-07-04 | Canon Kabushiki Kaisha | Thermal recording head |
-
1980
- 1980-02-15 JP JP1761780A patent/JPS56113478A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS56113478A (en) | 1981-09-07 |
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