JPS638072B2 - - Google Patents
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- JPS638072B2 JPS638072B2 JP54103650A JP10365079A JPS638072B2 JP S638072 B2 JPS638072 B2 JP S638072B2 JP 54103650 A JP54103650 A JP 54103650A JP 10365079 A JP10365079 A JP 10365079A JP S638072 B2 JPS638072 B2 JP S638072B2
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Description
立方晶型窒化硼素(CBN)は高い硬度、優れ
た熱伝導度を有すると共に高温に於ける鉄族金属
との反応性が少ないということから、その焼結体
は切削用工具材料として注目されている。 本発明者らは既にこのCBNの優れた特徴を最
大限に発揮しうる工具用焼結体を発明し、提案し
た。 この内の第1のものは、周期律表第4a,5a,
6a族遷移金属の炭化物、窒化物、硼化物、硅化
物、もしくはこれ等の相互固容体化合物が連続相
をなしてCBN結晶を結合しているというもので
あり、耐熱性、耐摩耗性に富むと共に、高温でも
高い熱伝導性を維持し、特に熱衝撃特性に富む高
硬度工具用焼結体を提供するものである。 この発明ではCBNの優れた熱伝導性を最大限
に生かすために結合材も熱伝導性のよい耐熱化合
物とし、焼結体全体として熱伝導性の非常に優れ
たものとした。しかしながら、工具の使用用途に
よつては熱伝導性は第1の要求特性ではなく、む
しろ強度や硬度が重要である場合もあり、このよ
うな用途に対してAl2O3、AlN、SiC、Si3N4、
B4C又はこれらの混合物あるいはこれらの相互化
合物を主体としたものが連続相をなしてCBN結
晶を結合している高硬度工具用焼結体を提案し
た。 さて、この内Si3N4は熱伝導度の点では最も低
いグループに属するが、高温での強度低下が少な
いことや、特に熱膨張係数が小さい為耐熱衝撃性
に優れており、高温下で使用される耐熱材料とし
て期待されている。発明者らはこのSi3N4の耐熱
物質としての優れた特性に注目し、Si3N4を結合
材としたCBN焼結体について詳しく調べた結果、
本発明焼結体が鋳鉄切削用工具材料として極めて
好適であることを見出した。 さて一般に鋳鉄材料の切削にはWCを主成分と
した超硬工具とAl2O3を主成分としたセラミツク
工具が主として使われている。しかしながら、こ
れら二種の工具にはいずれも欠点がある。 すなわち、超硬工具はほぼ70〜150m/minと
いつた切削速度範囲で使用されており、靭性が高
いためかなりの断続切削にも問題なく使える反
面、被削材との親和性が大なため、構成刃先や刃
先滞留物がつき易く、結果として程度の悪い、表
面粗さの大な仕上面しか得られないという問題が
ある。一方セラミツク工具は300〜600m/minと
いつた高速範囲で使用され、このような高速切削
にも耐え得る耐熱性と被削材との親和性が少ない
ことによつて、かなり程度の良い仕上面が得られ
るといつた利点を有する反面、超硬工具と同様の
100〜150m/minといつた速度では、工具逃げ面
側で結晶粒の破壊に基づくと思われる摩耗を生じ
て寿命が短かいといつたことや、耐熱衝撃性に乏
しいため、切削液を用いる湿式の切削加工では、
熱衝撃により欠け易いこと、又加工物の加工寸法
精度がよくないなどの欠点を有している。 本発明はこれら従来工具材の欠点を改良した飛
躍的に高性能な鋳鉄切削用高硬度焼結体を提供せ
んとするものである。 本発明焼結体はCBN粒子が耐熱物質である
Si3N4により結合されている。従つて焼結体全体
として高温強度が大で耐熱性に優れており、切削
時の工具刃先温度が高温となる高速切削でも使用
可能であることは云うまでもない。 また被削材との親和性でもSi3N4は種々のセラ
ミツク材料の中でAl2O3に次いで被削材との反応
性が少ないと報告されており(Powder
Metallurgy International;vol6、No.2 1974
P75)従つてCBNとの組合せである本発明焼結体
では、刃先滞留物や構成刃先が発生しがたく、高
速切削は勿論、低速切削に於ても粗さの少ない、
程度の良い仕上面が得られる。 更に先に述べたようにSi3N4は耐熱衝撃性にす
ぐれており、従つて本発明焼結体では熱衝撃の大
な湿式の断続切削などでも従来のAl2O3切削工具
に比し、はるかに欠損が生じ難い。 以上に述べた特徴以外に結晶粒同志が強固に結
合した強靭な焼結体を製造するという観点からも
本発明のCBNとSi3N4の組合せは有用である。 Si3N4は難焼結性の物質としてよく知られてお
り、通常のホツトプレスではMgOなどの添加物
を加えて1600〜1750℃といつた高温で焼結され
る。ところが本発明焼結体の場合には超高圧下で
1200〜1300℃の温度で充分にち密で微細な焼結体
が得られる。これは勿論50キロバール程度の焼結
圧力の効果が主たるものであるが、それ以外に
CBNとSi3N4の界面での反応すなわちSiB4などの
ボライドの生成反応が生じ、この反応により一層
焼結が促進されるものと考えられる。 さてSi3N4には低温相のα型と高温相のβ型の
二つの結晶型があるが、本発明焼結体の原料とし
てはα型のものが好ましい。 β型のSi3N4粉末原料は、結晶粒の大部分が等
方的な形状であるのに対し、α型は大部分が細長
い形状をしている。超高圧焼結時の第1段階であ
る常温加圧の段階でまず原料粉末が超高圧により
破砕される。このとき細長形状のα型のものの方
が破砕されやすいために、より微粒となり、同時
に吸着ガスがほとんど存在しない表面が増加し、
界面での反応が活発となり、焼結が促進されると
共に微細な焼結体を得ることができるのである。 原料がα型のSi3N4であつても焼結温度が1400
℃を超える場合はβ型への変態が進行するため、
焼結体中ではα型とβ型の2相が共存した状態と
なるが、工具性能は焼結体中の全Si3N4の内のα
型の占める割合が50%以上の範囲のものが優れて
いる。 又、本発明焼結体ではSi3N4の結合マトリツク
ス中にCBN粒子が分散した組識となるため、焼
結体の強度、靭性は主としてSi3N4マトリツクス
によつて支配される。従つて特にこのSi3N4マト
リツクスの粒度が微細であるものが強度上望まし
く、とりわけ1μm以下の超微粒のものが好まし
い。 本発明焼結体のCBN含有量は体積で20%以上
40%未満である。20%未満ではCBNの優れた特
性を生かした焼結体が得られない。40%以上では
CBN粒子の接触の確率が増え、CBN含有量の増
加と共に耐熱衝撃性などに優れたSi3N4を結合マ
トリツクスとしたことによる焼結体の特性が損わ
れる。 さて、このSi3N4とCBNの複合焼結体を製造す
る方法は、先ずCBN粉末と、このSi3N4粉末をボ
ールミル等の手段を用いて混合し、これを粉状で
もしくは常温下で所定の形状に型押成型し、超高
圧装置を用いて高圧高温下で焼結する。用いる超
高圧装置はダイヤモンド合成に使用されるガード
ル型、ベルト型等の装置である。発熱体には黒鉛
円筒を用い、その中にタルク、NaCl等の絶縁物
をつめてCBNとSi3N4との混合粉末型押体を包
む。黒鉛発熱体の周囲にはパイロフエライト等の
圧力媒体を置く。焼結する圧力、温度条件は図に
示した立方晶型窒化硼素の安定領域内で行なうこ
とが望ましいが、この平衡線は必ずしも正確には
分つておらず、一つの目安にすぎない。なお図中
Aは立方晶型窒化硼素安定域、Bは六方晶型窒化
硼素安定域を夫々示している。 本発明の焼結体を切削工具として使用する場合
耐摩耗性に富んだCBN含有硬質層が工具刃先を
形成しておれば良い。 従つてこの硬質層を超硬合金を母材としてその
上に接合した複合焼結体とする方が、経済性及び
工具の強度等の面からみて有利である。複合焼結
体における硬質層の厚みは、切削工具としての使
用条件とそれに応じた工具形状によつて変える必
要があるが、一般的には0.5mm以上の厚みがあれ
ば本発明の焼結体の場合は充分である。 母材となる超硬合金は剛性が高く、かつ熱伝導
性が良く、靭性も優れているWC基超硬合金が好
ましい。このような複合焼結体を得る方法は、予
め超硬合金で所定の形状の母材合金を作成してお
き、これに接して工具刃先となる硬質層を形成す
るCBNとSi3N4を主体とした混合粉末を、粉状で
または型押成型して置き、この全体を超高圧装置
内でホツトプレスして軸質層を焼結せしめると同
時に、これと母材超硬合金とを接合する。 このとき超硬合金母材はCo等の金属を結合相
として含有しており、焼結中に混合粉末内に含ま
れるSi3N4とCoが反応しCo硅化物を形成する。
超硬合金台金と硬質層の接着性を増すには、この
ように接触界面で反応した方が良いが、このCo
硅化物は1195℃の低温で溶融しはじめるため、こ
れ以上の温度で焼結すれば、当然硬質層中にCo
が侵入し硬質層の性能を低下させる。高温で焼結
する場合硅化物を形成してもこの融点が高ければ
硬質層中に金属が混入して性能を低下させずに超
硬合金台金と硬質層は強固に付着する。したがつ
て金属硅化物の融点が高いTi、Ta、Mo、Nb、
Zr等の0.1mm以下の薄膜をCBNとSi3N4混合粉末
と超硬合金台金の間に挿入して焼結すれば、硬質
層と超硬合金台金は上記金属の硅化物層の形成に
より強固に付着するとともに、硬質層中への不純
物の侵入を防止することができる。 また本発明による焼結体では立方晶型窒化硼素
の合成に使用され、高温、高圧下で六方晶型窒化
硼素及び立方晶型窒化硼素に対して溶解性を有す
ると信じられる元素、例えばLi等のアルカリ金
属、Mgなどのアルカリ土類金属、P、Sn、Sb、
Al、Cd、Si等を添加物として含むものであつて
も良い。 本発明の焼結体の原料として使用する立方晶型
窒化硼素は六方晶型窒化硼素を原料として超高圧
下で合成されたものである。従つて立方晶型窒化
硼素粉末中には不純物として六方晶型窒化硼素が
残存している可能性がある。また、超高圧下で焼
結する場合においても、結合材が立方晶型窒化硼
素の個々の粒子間に侵入するまでは立方晶型窒化
硼素粒子は外圧を静水圧的に受けておらず、この
間の加熱によつて六方晶型窒化硼素へ逆変態を起
す可能性もある。このような場合に前記した六方
晶型窒化硼素に対して触媒作用を有する元素が混
合粉末中に添加されていると、この逆変態を防止
する効果があると考えられる。 以下実施例を述べる。 実施例は全て立方晶型窒化硼素(CBN)を原
料としているが、ウルツ鉱型窒化硼素(WBN)
又はCBNとWBNの混合物あるいはCBNの一部
をダイヤモンドに置き換えても、ほぼ同様の結果
が得られる。 実施例 1 平均粒度2μのCBN粉末と平均粒度2μのα型
Si3N4粉末とを体積でそれぞれ39%、61%の割合
に配合し、乳鉢で充分混合した。この粉末をMo
製の内径10.0mm、外径14.0mmの底付きの容器に充
填し、外径9.9mm、厚さ50μmのTi箔を入れ、その
後外径9.9mmで厚さ3mmのWC−15重量%Co合金
の円板をその上に置いた。更にその上に−100メ
ツシユ+200メツシユの鉄粉を型押した外径10.0
mmで厚さ2mmの通気性を有する型押体を置き、
Mo製円筒に栓をし、この上に純銅板をのせ、全
体を真空炉に入れ10-4トールの真空下で1000℃に
加熱し、1時間保持して脱ガスした後、温度を
1100℃に昇温し10分間保持し、銅を鉄圧粉体中に
含浸させ、原料粉末を気密な状態に保つた。 これをガードル型超高圧装置に装入した。圧力
媒体としてはパイロフエライトを、ヒーターとし
ては黒鉛の円筒を用いた。なお、黒鉛ヒーターと
試料の間はNaClを充填した。先ず圧力を55キロ
バールにあげ、のちに温度を1300℃に上げ、30分
間保持したのち温度を下げ、圧力を徐々におろし
た。得られた焼結体は外径約10mm、厚さは約1mm
でWC−15重量%Co超硬合金にTi硅化物を介し
て強固に付着したものであつた。 これをダイヤモンド砥石で平面に研削し、更に
ダイヤモンドのペーストを用いて研摩した。研摩
面を光学顕微鏡を用いて観察したところ完全にち
密な組識の焼結体であつた。また、焼結体中の
Si3N4は大部分が1μm以下の微粒であつた。焼結
体の硬度をマイクロビツカース硬度計を用いて測
定した。硬度の平均値は3200であつた。焼結体を
ダイヤモンド切断刃を用いて切断し、切削チツプ
を作成し、これを鋼の支持体にロウ付けした。 比較のためにJIS分類K10の超硬合金で同一形
状の切削工具を作成した。被削材にはFC20種の
鋳鉄を用いた。被削材の強度はHRB220である。 切削条件は切削速度100m/min、切込み0.2
mm、送り0.1mm/revとした。この条件で切削試験
したところK10による被削面粗さは15μmRnaxで
あつたのに対し、本発明による合金は5μmRnax
であり、120分切削後も7μmRnaxとやや悪化した
程度であつた。又切削後の工具刃先を観察したと
ころ、K10では工具すくい面上に強固な刃先滞留
物があつたが本発明焼結体では刃先滞留物は全く
認められなかつた。 実施例 2 第1表の組成にCBN粉末とα型Si3N4粉末を混
合した。使用したCBN粉末及びSi3N4粉末の平均
粒径はそれぞれ4μm、2μmであつた。これらの
混合粉末を実施例1と同様に前処理した後、超高
圧装置を用いて第1表の条件で焼結した。加熱保
持時間はいずれも20分である。次にやはり実施例
1と同様に焼結体より切削用バイトを作成した。
た熱伝導度を有すると共に高温に於ける鉄族金属
との反応性が少ないということから、その焼結体
は切削用工具材料として注目されている。 本発明者らは既にこのCBNの優れた特徴を最
大限に発揮しうる工具用焼結体を発明し、提案し
た。 この内の第1のものは、周期律表第4a,5a,
6a族遷移金属の炭化物、窒化物、硼化物、硅化
物、もしくはこれ等の相互固容体化合物が連続相
をなしてCBN結晶を結合しているというもので
あり、耐熱性、耐摩耗性に富むと共に、高温でも
高い熱伝導性を維持し、特に熱衝撃特性に富む高
硬度工具用焼結体を提供するものである。 この発明ではCBNの優れた熱伝導性を最大限
に生かすために結合材も熱伝導性のよい耐熱化合
物とし、焼結体全体として熱伝導性の非常に優れ
たものとした。しかしながら、工具の使用用途に
よつては熱伝導性は第1の要求特性ではなく、む
しろ強度や硬度が重要である場合もあり、このよ
うな用途に対してAl2O3、AlN、SiC、Si3N4、
B4C又はこれらの混合物あるいはこれらの相互化
合物を主体としたものが連続相をなしてCBN結
晶を結合している高硬度工具用焼結体を提案し
た。 さて、この内Si3N4は熱伝導度の点では最も低
いグループに属するが、高温での強度低下が少な
いことや、特に熱膨張係数が小さい為耐熱衝撃性
に優れており、高温下で使用される耐熱材料とし
て期待されている。発明者らはこのSi3N4の耐熱
物質としての優れた特性に注目し、Si3N4を結合
材としたCBN焼結体について詳しく調べた結果、
本発明焼結体が鋳鉄切削用工具材料として極めて
好適であることを見出した。 さて一般に鋳鉄材料の切削にはWCを主成分と
した超硬工具とAl2O3を主成分としたセラミツク
工具が主として使われている。しかしながら、こ
れら二種の工具にはいずれも欠点がある。 すなわち、超硬工具はほぼ70〜150m/minと
いつた切削速度範囲で使用されており、靭性が高
いためかなりの断続切削にも問題なく使える反
面、被削材との親和性が大なため、構成刃先や刃
先滞留物がつき易く、結果として程度の悪い、表
面粗さの大な仕上面しか得られないという問題が
ある。一方セラミツク工具は300〜600m/minと
いつた高速範囲で使用され、このような高速切削
にも耐え得る耐熱性と被削材との親和性が少ない
ことによつて、かなり程度の良い仕上面が得られ
るといつた利点を有する反面、超硬工具と同様の
100〜150m/minといつた速度では、工具逃げ面
側で結晶粒の破壊に基づくと思われる摩耗を生じ
て寿命が短かいといつたことや、耐熱衝撃性に乏
しいため、切削液を用いる湿式の切削加工では、
熱衝撃により欠け易いこと、又加工物の加工寸法
精度がよくないなどの欠点を有している。 本発明はこれら従来工具材の欠点を改良した飛
躍的に高性能な鋳鉄切削用高硬度焼結体を提供せ
んとするものである。 本発明焼結体はCBN粒子が耐熱物質である
Si3N4により結合されている。従つて焼結体全体
として高温強度が大で耐熱性に優れており、切削
時の工具刃先温度が高温となる高速切削でも使用
可能であることは云うまでもない。 また被削材との親和性でもSi3N4は種々のセラ
ミツク材料の中でAl2O3に次いで被削材との反応
性が少ないと報告されており(Powder
Metallurgy International;vol6、No.2 1974
P75)従つてCBNとの組合せである本発明焼結体
では、刃先滞留物や構成刃先が発生しがたく、高
速切削は勿論、低速切削に於ても粗さの少ない、
程度の良い仕上面が得られる。 更に先に述べたようにSi3N4は耐熱衝撃性にす
ぐれており、従つて本発明焼結体では熱衝撃の大
な湿式の断続切削などでも従来のAl2O3切削工具
に比し、はるかに欠損が生じ難い。 以上に述べた特徴以外に結晶粒同志が強固に結
合した強靭な焼結体を製造するという観点からも
本発明のCBNとSi3N4の組合せは有用である。 Si3N4は難焼結性の物質としてよく知られてお
り、通常のホツトプレスではMgOなどの添加物
を加えて1600〜1750℃といつた高温で焼結され
る。ところが本発明焼結体の場合には超高圧下で
1200〜1300℃の温度で充分にち密で微細な焼結体
が得られる。これは勿論50キロバール程度の焼結
圧力の効果が主たるものであるが、それ以外に
CBNとSi3N4の界面での反応すなわちSiB4などの
ボライドの生成反応が生じ、この反応により一層
焼結が促進されるものと考えられる。 さてSi3N4には低温相のα型と高温相のβ型の
二つの結晶型があるが、本発明焼結体の原料とし
てはα型のものが好ましい。 β型のSi3N4粉末原料は、結晶粒の大部分が等
方的な形状であるのに対し、α型は大部分が細長
い形状をしている。超高圧焼結時の第1段階であ
る常温加圧の段階でまず原料粉末が超高圧により
破砕される。このとき細長形状のα型のものの方
が破砕されやすいために、より微粒となり、同時
に吸着ガスがほとんど存在しない表面が増加し、
界面での反応が活発となり、焼結が促進されると
共に微細な焼結体を得ることができるのである。 原料がα型のSi3N4であつても焼結温度が1400
℃を超える場合はβ型への変態が進行するため、
焼結体中ではα型とβ型の2相が共存した状態と
なるが、工具性能は焼結体中の全Si3N4の内のα
型の占める割合が50%以上の範囲のものが優れて
いる。 又、本発明焼結体ではSi3N4の結合マトリツク
ス中にCBN粒子が分散した組識となるため、焼
結体の強度、靭性は主としてSi3N4マトリツクス
によつて支配される。従つて特にこのSi3N4マト
リツクスの粒度が微細であるものが強度上望まし
く、とりわけ1μm以下の超微粒のものが好まし
い。 本発明焼結体のCBN含有量は体積で20%以上
40%未満である。20%未満ではCBNの優れた特
性を生かした焼結体が得られない。40%以上では
CBN粒子の接触の確率が増え、CBN含有量の増
加と共に耐熱衝撃性などに優れたSi3N4を結合マ
トリツクスとしたことによる焼結体の特性が損わ
れる。 さて、このSi3N4とCBNの複合焼結体を製造す
る方法は、先ずCBN粉末と、このSi3N4粉末をボ
ールミル等の手段を用いて混合し、これを粉状で
もしくは常温下で所定の形状に型押成型し、超高
圧装置を用いて高圧高温下で焼結する。用いる超
高圧装置はダイヤモンド合成に使用されるガード
ル型、ベルト型等の装置である。発熱体には黒鉛
円筒を用い、その中にタルク、NaCl等の絶縁物
をつめてCBNとSi3N4との混合粉末型押体を包
む。黒鉛発熱体の周囲にはパイロフエライト等の
圧力媒体を置く。焼結する圧力、温度条件は図に
示した立方晶型窒化硼素の安定領域内で行なうこ
とが望ましいが、この平衡線は必ずしも正確には
分つておらず、一つの目安にすぎない。なお図中
Aは立方晶型窒化硼素安定域、Bは六方晶型窒化
硼素安定域を夫々示している。 本発明の焼結体を切削工具として使用する場合
耐摩耗性に富んだCBN含有硬質層が工具刃先を
形成しておれば良い。 従つてこの硬質層を超硬合金を母材としてその
上に接合した複合焼結体とする方が、経済性及び
工具の強度等の面からみて有利である。複合焼結
体における硬質層の厚みは、切削工具としての使
用条件とそれに応じた工具形状によつて変える必
要があるが、一般的には0.5mm以上の厚みがあれ
ば本発明の焼結体の場合は充分である。 母材となる超硬合金は剛性が高く、かつ熱伝導
性が良く、靭性も優れているWC基超硬合金が好
ましい。このような複合焼結体を得る方法は、予
め超硬合金で所定の形状の母材合金を作成してお
き、これに接して工具刃先となる硬質層を形成す
るCBNとSi3N4を主体とした混合粉末を、粉状で
または型押成型して置き、この全体を超高圧装置
内でホツトプレスして軸質層を焼結せしめると同
時に、これと母材超硬合金とを接合する。 このとき超硬合金母材はCo等の金属を結合相
として含有しており、焼結中に混合粉末内に含ま
れるSi3N4とCoが反応しCo硅化物を形成する。
超硬合金台金と硬質層の接着性を増すには、この
ように接触界面で反応した方が良いが、このCo
硅化物は1195℃の低温で溶融しはじめるため、こ
れ以上の温度で焼結すれば、当然硬質層中にCo
が侵入し硬質層の性能を低下させる。高温で焼結
する場合硅化物を形成してもこの融点が高ければ
硬質層中に金属が混入して性能を低下させずに超
硬合金台金と硬質層は強固に付着する。したがつ
て金属硅化物の融点が高いTi、Ta、Mo、Nb、
Zr等の0.1mm以下の薄膜をCBNとSi3N4混合粉末
と超硬合金台金の間に挿入して焼結すれば、硬質
層と超硬合金台金は上記金属の硅化物層の形成に
より強固に付着するとともに、硬質層中への不純
物の侵入を防止することができる。 また本発明による焼結体では立方晶型窒化硼素
の合成に使用され、高温、高圧下で六方晶型窒化
硼素及び立方晶型窒化硼素に対して溶解性を有す
ると信じられる元素、例えばLi等のアルカリ金
属、Mgなどのアルカリ土類金属、P、Sn、Sb、
Al、Cd、Si等を添加物として含むものであつて
も良い。 本発明の焼結体の原料として使用する立方晶型
窒化硼素は六方晶型窒化硼素を原料として超高圧
下で合成されたものである。従つて立方晶型窒化
硼素粉末中には不純物として六方晶型窒化硼素が
残存している可能性がある。また、超高圧下で焼
結する場合においても、結合材が立方晶型窒化硼
素の個々の粒子間に侵入するまでは立方晶型窒化
硼素粒子は外圧を静水圧的に受けておらず、この
間の加熱によつて六方晶型窒化硼素へ逆変態を起
す可能性もある。このような場合に前記した六方
晶型窒化硼素に対して触媒作用を有する元素が混
合粉末中に添加されていると、この逆変態を防止
する効果があると考えられる。 以下実施例を述べる。 実施例は全て立方晶型窒化硼素(CBN)を原
料としているが、ウルツ鉱型窒化硼素(WBN)
又はCBNとWBNの混合物あるいはCBNの一部
をダイヤモンドに置き換えても、ほぼ同様の結果
が得られる。 実施例 1 平均粒度2μのCBN粉末と平均粒度2μのα型
Si3N4粉末とを体積でそれぞれ39%、61%の割合
に配合し、乳鉢で充分混合した。この粉末をMo
製の内径10.0mm、外径14.0mmの底付きの容器に充
填し、外径9.9mm、厚さ50μmのTi箔を入れ、その
後外径9.9mmで厚さ3mmのWC−15重量%Co合金
の円板をその上に置いた。更にその上に−100メ
ツシユ+200メツシユの鉄粉を型押した外径10.0
mmで厚さ2mmの通気性を有する型押体を置き、
Mo製円筒に栓をし、この上に純銅板をのせ、全
体を真空炉に入れ10-4トールの真空下で1000℃に
加熱し、1時間保持して脱ガスした後、温度を
1100℃に昇温し10分間保持し、銅を鉄圧粉体中に
含浸させ、原料粉末を気密な状態に保つた。 これをガードル型超高圧装置に装入した。圧力
媒体としてはパイロフエライトを、ヒーターとし
ては黒鉛の円筒を用いた。なお、黒鉛ヒーターと
試料の間はNaClを充填した。先ず圧力を55キロ
バールにあげ、のちに温度を1300℃に上げ、30分
間保持したのち温度を下げ、圧力を徐々におろし
た。得られた焼結体は外径約10mm、厚さは約1mm
でWC−15重量%Co超硬合金にTi硅化物を介し
て強固に付着したものであつた。 これをダイヤモンド砥石で平面に研削し、更に
ダイヤモンドのペーストを用いて研摩した。研摩
面を光学顕微鏡を用いて観察したところ完全にち
密な組識の焼結体であつた。また、焼結体中の
Si3N4は大部分が1μm以下の微粒であつた。焼結
体の硬度をマイクロビツカース硬度計を用いて測
定した。硬度の平均値は3200であつた。焼結体を
ダイヤモンド切断刃を用いて切断し、切削チツプ
を作成し、これを鋼の支持体にロウ付けした。 比較のためにJIS分類K10の超硬合金で同一形
状の切削工具を作成した。被削材にはFC20種の
鋳鉄を用いた。被削材の強度はHRB220である。 切削条件は切削速度100m/min、切込み0.2
mm、送り0.1mm/revとした。この条件で切削試験
したところK10による被削面粗さは15μmRnaxで
あつたのに対し、本発明による合金は5μmRnax
であり、120分切削後も7μmRnaxとやや悪化した
程度であつた。又切削後の工具刃先を観察したと
ころ、K10では工具すくい面上に強固な刃先滞留
物があつたが本発明焼結体では刃先滞留物は全く
認められなかつた。 実施例 2 第1表の組成にCBN粉末とα型Si3N4粉末を混
合した。使用したCBN粉末及びSi3N4粉末の平均
粒径はそれぞれ4μm、2μmであつた。これらの
混合粉末を実施例1と同様に前処理した後、超高
圧装置を用いて第1表の条件で焼結した。加熱保
持時間はいずれも20分である。次にやはり実施例
1と同様に焼結体より切削用バイトを作成した。
【表】
比較のために市販のAl2O3を主成分としたセラ
ミツク工具(Wと称する)、及びTiCを含むAl2O3
セラミツク工具(Bと称する)を用意した。 被削材にはFC25種の鋳鉄材で硬さHRB250のも
のを使用した。 切削条件は切削速度400m/min、切込み0.1
mm、送り0.1mm/revである。 焼結体中のα型、β型Si3N4の量をX線回折に
より調べた結果及び前記切削条件で15分間切削後
の工具逃げ面摩耗量および被削面粗さをまとめて
第2表に示す。
ミツク工具(Wと称する)、及びTiCを含むAl2O3
セラミツク工具(Bと称する)を用意した。 被削材にはFC25種の鋳鉄材で硬さHRB250のも
のを使用した。 切削条件は切削速度400m/min、切込み0.1
mm、送り0.1mm/revである。 焼結体中のα型、β型Si3N4の量をX線回折に
より調べた結果及び前記切削条件で15分間切削後
の工具逃げ面摩耗量および被削面粗さをまとめて
第2表に示す。
【表】
実施例 3
平均粒度2μmのα型Si3N4粉末に重量で平均粒
度1μmのY2O3粉末を2%加え、これに平均粒度
4μmのCBN粉末を体積%でそれぞれ65%、35%
配合し、実施例1と同様にして外径10mm、厚み1
mmの焼結体を作成した。但し、焼結時の圧力は50
キロバールで温度は1300℃とした。実施例1と同
様にして切削工具を作成し、市販のAl2O3−TiC
組成の黒セラミツク工具と切削性能を比較した。
被削材としてFC20種のねずみ鋳鉄を用い、切削
速度410m/min、切込み1mm、送り0.15mm/刃
の条件で水溶性切削油を用いた湿式の正面フライ
ス切削を行なつた。被削材は70mm×150mm×50mm
の角材でこの70mm×150mmの面を切削したが、黒
セラミツクでは3パスで欠損し、CBNを65%、
Si3N4を35%含む焼結体では30パスで欠損したの
に対し、本発明焼結体であるCBN35%、Si3N465
%の組成のものは欠損までに100パスの切削が可
能であつた。
度1μmのY2O3粉末を2%加え、これに平均粒度
4μmのCBN粉末を体積%でそれぞれ65%、35%
配合し、実施例1と同様にして外径10mm、厚み1
mmの焼結体を作成した。但し、焼結時の圧力は50
キロバールで温度は1300℃とした。実施例1と同
様にして切削工具を作成し、市販のAl2O3−TiC
組成の黒セラミツク工具と切削性能を比較した。
被削材としてFC20種のねずみ鋳鉄を用い、切削
速度410m/min、切込み1mm、送り0.15mm/刃
の条件で水溶性切削油を用いた湿式の正面フライ
ス切削を行なつた。被削材は70mm×150mm×50mm
の角材でこの70mm×150mmの面を切削したが、黒
セラミツクでは3パスで欠損し、CBNを65%、
Si3N4を35%含む焼結体では30パスで欠損したの
に対し、本発明焼結体であるCBN35%、Si3N465
%の組成のものは欠損までに100パスの切削が可
能であつた。
図は本発明焼結体の製造条件に関するもので、
立方晶型窒化硼素及び六方晶型窒化硼素の圧力、
温度相図上での安定存在領域を示すものである。
立方晶型窒化硼素及び六方晶型窒化硼素の圧力、
温度相図上での安定存在領域を示すものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 立方晶型窒化硼素を体積で20%以上、40%未
満含有し残部がSi3N4を主体としたものからな
り、かつ焼結体中の結晶粒の大部分が5μm以下
の微細粒子よりなることを特徴とする鋳鉄切削工
具用焼結体。 2 焼結体中のSi3N4の結晶粒の大部分が1μm以
下の極微細粒子よりなる特許請求の範囲1項記載
の鋳鉄切削工具用焼結体。 3 立方晶型窒化硼素を体積で20%以上、40%未
満含有し残部がSi3N4を主体としたものからな
り、かつ焼結体中の結晶粒の大部分が5μm以下
の微細粒子よりなる焼結体が0.5mm以上の厚みで
超硬合金よりなる台金に、金属硅化物の0.1mm以
下の薄層を介して接合されていることを特徴とす
る鋳鉄切削工具用焼結体。 4 焼結体中のSi3N4結晶粒の大部分が1μm以下
の極微細粒子よりなることを特徴とする特許請求
の範囲3項記載の鋳鉄切削工具用焼結体。 5 立方晶型窒化硼素粉末を体積で20%以上、40
%未満含有し残部がSi3N4を主体とする粉末また
はその型押成型体に、超硬合金の結合金属の硅化
物の融点より高い融点の硅化物を形成する金属の
薄層を介して超硬合金よりなる台金と接せしめ、
前記粉末またはその型押成型体にこれらと共に超
高圧を加え高温に加熱して一体に焼結することを
特徴とする鋳鉄切削工具用焼結体の製造法。 6 金属の薄層がTi、Ta、Mo、Nb、Zrのうち
の何れか一つからなる特許請求の範囲5項記載の
鋳鉄切削工具用焼結体の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10365079A JPS5626771A (en) | 1979-08-14 | 1979-08-14 | Sintered body for cast iron cutting tool and its manufacture |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10365079A JPS5626771A (en) | 1979-08-14 | 1979-08-14 | Sintered body for cast iron cutting tool and its manufacture |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5626771A JPS5626771A (en) | 1981-03-14 |
| JPS638072B2 true JPS638072B2 (ja) | 1988-02-19 |
Family
ID=14359644
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10365079A Granted JPS5626771A (en) | 1979-08-14 | 1979-08-14 | Sintered body for cast iron cutting tool and its manufacture |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5626771A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6020458B2 (ja) * | 1981-10-07 | 1985-05-22 | 三菱マテリアル株式会社 | 切削および耐摩耗工具用高靭性窒化硼素基超高圧焼結材料 |
| JPS63114124A (ja) * | 1986-10-31 | 1988-05-19 | Res Dev Corp Of Japan | X線マスク用メンブレンおよび製造法 |
| JPH03155494A (ja) * | 1989-11-13 | 1991-07-03 | Okabe Co Ltd | 溶接補助材 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5562858A (en) * | 1978-11-06 | 1980-05-12 | Mitsubishi Metal Corp | Sintering material with tenacity and abrasion resistance |
-
1979
- 1979-08-14 JP JP10365079A patent/JPS5626771A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5626771A (en) | 1981-03-14 |
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