JPWO2007083473A1 - 活性光線硬化型組成物、活性光線硬化型インク及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

活性光線硬化型組成物、活性光線硬化型インク及びそれを用いた画像形成方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、高感度で、柔軟性が高く強固な画像膜を形成することができる活性光線硬化型組成物と、それを用いた活性光線硬化型インク及び画像形成方法を提供する。この活性光線硬化型組成物は、光重合開始剤及び光重合性化合物を含有する活性光線硬化型組成物において、該光重合性化合物がカチオン重合性モノマーであり、かつアクリルポリマーを含有することを特徴とする。

Description

本発明は、活性光線硬化組成物に関するものであり、詳しくは、低粘度で且つ高感度で硬化し、更には密着性及び柔軟性に優れた画像を形成する活性光線硬化型組成物と、それを用いた活性光線硬化型インク及び画像形成方法に関する。
従来、紫外線や電子線などの活性エネルギー線または熱により硬化する硬化組成物は、プラスチック、紙、木工及び無機質材等の塗料、接着剤、印刷インキ、印刷回路基板及び電気絶縁関係等の種々の用途に実用化されている。近年、その中でも印刷インキ、塗料、接着剤等では、より一層の硬化性と、形成した画像の柔軟性が望まれている。また、これらを使用したインクジェット用インクとしては、紫外線で硬化する紫外線硬化型インクが知られている。この紫外線硬化型インクを用いたインクジェット方式は、比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録材料への記録ができる点で、近年注目されつつあり、それに対応した紫外線硬化型インクが数多く開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
この分野においては、形成される画像膜が強固で且つ柔軟であること及び記録材料との密着性が良いこと、更には臭気が少ないことが求められている。
また、生産性の向上、すなわち、印字速度の向上も求められており、同時に硬化性の向上も求められている。
特開平6−200204号公報 特表2000−504778号公報
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、高感度で、柔軟性が高く強固な画像を形成することができる活性光線硬化型組成物及びそれを用いた活性光線硬化型インクと画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
1.光重合開始剤及び光重合性化合物を含有する活性光線硬化型組成物において、該光重合性化合物がラジカル重合性モノマーであり、かつアクリルポリマーを含有することを特徴とする活性光線硬化型組成物。
2.光重合開始剤及び光重合性化合物を含有する活性光線硬化型組成物において、該光重合性化合物がカチオン重合性モノマーであり、かつアクリルポリマーを含有することを特徴とする活性光線硬化型組成物。
3.前記アクリルポリマーの分子量が、100以上、10000未満であることを特徴とする前記1または2に記載の活性光線硬化型組成物。
4.前記アクリルポリマーの25℃での粘度が、10mPa・s以上、10000mPa・s未満であることを特徴とする前記1乃至3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
5.前記アクリルポリマーのガラス転移温度が、−130℃以上、−10℃以下であることを特徴とする前記1乃至4のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
6.前記光重合開始剤が、ヨウドニウム塩またはスルホニウム塩からなるオニウム塩光酸発生剤であり、かつ、該光重合開始剤を1質量%以上、10質量%以下含有することを特徴とする前記2乃至5のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
7.前記カチオン重合性モノマーの少なくとも1種が、脂環式エポキシ化合物であることを特徴とする前記2乃至6のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
8.前記カチオン重合性モノマーの少なくとも1種が、オキセタン環を有する化合物であることを特徴とする前記2乃至7のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
9.前記カチオン重合性モノマーの少なくとも1種が、環ビニルエーテル化合物であることを特徴とする前記2乃至8のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
10.前記アクリルポリマーの添加量が、0.1質量%以上、30質量%以下であることを特徴とする前記1乃至9のいずれか1項記載の活性光線硬化型組成物。
11.前記脂環式エポキシ化合物の添加量が、10質量%以上、80質量%以下であることを特徴とする前記7に記載の活性光線硬化型組成物。
12.前記1乃至11のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物を含有することを特徴とする活性光線硬化型インク。
13.25℃における粘度が、1mPa・s以上、50mPa・s未満であることを特徴とする前記12に記載の活性光線硬化型インク。
14.インクジェット記録ヘッドより、前記12又は13に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に噴射し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とする画像形成方法。
15.インクジェット記録ヘッドより、前記12又は13に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に噴射し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出する最小インク液滴量が、2pl以上、15pl以下であることを特徴とする画像形成方法。
本発明により、高感度で、柔軟性が高く強固な画像膜を形成することができる活性光線硬化型組成物、更には、それを用いた活性光線硬化型インク及び画像形成方法を提供することができた。
本発明に適用可能なインクジェット記録装置の要部構成の一例を示す正面図である。 本発明に適用可能なインクジェット記録装置の要部構成の他の一例を示す上面図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 インクジェット記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
P 記録材料
本発明を更に詳しく説明する。
本発明の活性光線硬化型組成物においては、光重合開始剤及び光重合性化合物と共に、アクリルポリマーを含有することを特徴とする。
本発明に係るアクリルポリマーとは、その繰り返し単位の10モル%もしくはそれ以上がアクリル酸及び/又はメタクリル酸及びそれらの誘導体であるポリマーを意味する。
本発明に係るアクリルポリマーに用いることのできるアクリルモノマーとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸アルキルエステルまたはその誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステルまたはその誘導体が挙げられる。これらのアクリルモノマーは、単独で用いてもよいし、複数のモノマーを組み合わせてもよい。
本発明に係るアクリルポリマーとして、官能基を有するアクリルポリマーを挙げることができる。官能基を有するアクリルポリマーは、水酸基、三級アミノ基、カルボキシル基、アミド基、N−置換アミド基、ニトリル基などを有するモノマーのうちの一種または数種と、アルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、スチレンなどのモノマーとの共重合体などである。
水酸基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコールなどがあり、三級アミノ基を有するモノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などがある。アミド基、N−置換アミド基を有するモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどがある。ニトリル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトノニトリル、フマロニトリルなどがある。また、アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートである。その他、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどやアルキル基が芳香環基、複素環基、ハロゲン原子などで置換されているアルキル(メタ)アクリレートなど、一般にアクリルポリマーの合成に用いられるモノマーを本発明のポリマーの合成にも用いることができる。
主モノマーと共重合させる官能基を含有するエチレン性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸等のカルボキシル基を含有するモノマー、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基を含有するモノマー、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基を含有するモノマー、アクリルアマイド、メタクリルアマイド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート等を挙げることができる。これらはポリマーの架橋点となる。また、必要に応じ、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン等のモノマーを共重合させてもよい。
市販のアクリルポリマーとしては、例えば、東亜合成社製のアルフォンUP−1010、UP−1021、UP−1041、UP−1061、UH−2130、UH−2000、UHE−2012、UC−3010、UC−3900、綜研化学社製のアクトフローUMB−1001、UT−2001、UMB−2005、AS−300、CB−3098、BGV−11、UTMM−LS2、東亞合成社製のアロンタックS−1511L、S−1511X、S−1515、S−1517、トウペ社製のトアアクロンAR−601、AR−602、AR−603、日本ゼオン社製のニポールAR−31、AR−51、AR−54、
NOK社製のノックスタイトPA−301、PA−501、PA−502、ナガセケムテックス社製のテイサンレジンWS−022、WS−023、SG−51、SG−80等が挙げられる。
分子量は100以上、10000未満であることが好ましい。分子量が100未満では所望の効果を得ることができず、また分子量が10000以上になると、インク吐出性に悪影響を及ぼす。粘度(25℃シェア1000 1/s)は、10mPa・s以上、10000mPa・s未満であることが好ましい。粘度が、10mPa・s未満であったり、10000Pa・s以上になると、吐出安定性を維持することが難しくなる。ガラス転移温度は、−130℃以上、−10℃以下が好ましい。ガラス転移温度が−10℃超になると、本発明の効果が小さくなる。
本発明の活性光線硬化型組成物におけるアクリルポリマーの添加量は、活性光線硬化型組成物100質量%あたり、0.1質量%以上、30質量%以下である。添加量が、0.1質量%未満になると、アクリルポリマーによる効果を発現することができなくなり、また30質量%超になると、硬化性や出射安定性への影響が懸念される。
本発明に係るラジカル重合性モノマーは、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性モノマーは1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79ページ、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。本発明に係るラジカル重合性化合物の添加量は、好ましくは1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
ラジカル重合開始剤としては、特公昭59−1281号、同61−9621号、及び特開昭60−60104号等の各公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号及び同61−243807号等の各公報に記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号、同44−6413号、同44−6413号及び同47−1604号等の各公報並びに米国特許第3,567,453号明細書に記載のジアゾニウム化合物、米国特許第2,848,328号、同2,852,379号及び同2,940,853号各明細書に記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号、同37−13109号、同38−18015号、同45−9610号等の各公報に記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号、特開昭59−14023号等の各公報及び「マクロモレキュルス(Macromolecules)、第10巻、第1307ページ(1977年)に記載の各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報に記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109,851号、同126,712号等の各明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス」(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174ページ(1986年)に記載の金属アレン錯体、特開平4−213861号及び同4−255347号の各公報に記載の(オキソ)スルホニウム有機ホウ素錯体、特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordinantion Chemistry Review)」、第84巻、第85〜第277ページ(1988年)及び特開平2−182701号公報に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報に記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤は、ラジカル重合可能なエチレン不飽和結合を有する化合物100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲で含有されるのが好ましい。
本発明の活性光線硬化型組成物においては、光重合性化合物としてカチオン重合性モノマーを用いる場合、光重合開始剤としては、ヨウドニウム塩またはスルホニウム塩からなるオニウム塩光酸発生剤であることが好ましい。
本発明で用いられるスルホニウム塩としては、下記一般式〔1〕〜〔4〕で表されるスルホニウム塩化合物が好ましい。
上記一般式〔1〕〜〔4〕において、R31〜R47はそれぞれ水素原子、または置換基を表し、R31〜R33が同時に水素原子を表すことがなく、R34〜R37が同時に水素原子を表すことがなく、R38〜R41が同時に水素原子を表すことがなく、R42〜R47が同時に水素原子を表すことはない。
31〜R47で表される置換基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピル基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、デシルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンゾイルオキシ基等のカルボニル基、フェニルチオ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基等を挙げることができる。
31は、非求核性のアニオン残基を表し、例えば、F、Cl、Br、I等のハロゲン原子、B(C654、R18COO、R19SO3、SbF6、AsF6、PF6、BF4等を挙げることができる。ただし、R18及びR19は、それぞれメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基等で置換されていてもよいアルキル基もしくはフェニル基を表す。この中でも、安全性の観点からB(C654、PF6が好ましい。
上記化合物は、THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN Voi.71 No.11,1998年、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、に記載の光酸発生剤と同様、公知の方法にて容易に合成することができる。
本発明においては、前記一般式〔1〕〜〔4〕で表されるスルホニウム塩が、下記一般式〔5〕〜〔13〕から選ばれるスルホニウム塩の少なくとも1種であることが、特に好ましい。X31は非求核性のアニオン残基を表し、前述と同様である。
本発明においては、一般式〔1〕〜〔4〕で表されるスルホニウム塩が、前記一般式〔5〕〜〔13〕から選ばれるスルホニウム塩の少なくとも1種であることが特に好ましい。Xは非求核性のアニオン残基を表し、前述と同様である。
ヨードニウム塩を含めた例示化合物としては、前記一般式〔5〕〜〔13〕のX=PF6の他に下記の化合物が挙げられる。
また、本発明において適用可能なヨウドニウム塩光酸発生剤としては、下記の化合物を挙げることができる。
本発明の活性光線硬化型組成物においては、カチオン重合性モノマーの少なくとも1種が、オキセタン環を有する化合物であることが好ましい。
本発明に係るオキセタン環を有する化合物について、以下説明する。
《2位が置換されているオキセタン環を有するオキセタン化合物》
本発明の活性光線硬化型組成物では、下記一般式(14)で表される2位が置換されているオキセタン環を分子中に少なくとも1つ有するオキセタン化合物を用いることが好ましい。
上記一般式(14)において、R1〜R6は各々水素原子または置換基を表す。但し、R3〜R6で表される基の少なくとも一つは置換基である。一般式(14)において、R1〜R6で表される置換基としては、例えば、フッ素原子、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等)、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、フリル基またはチエニル基を表す。また、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
(分子中に1個のオキセタン環を有するオキセタン化合物)
更に、上記一般式(14)の中でも、下記一般式(15)〜(18)で表されるオキセタン環を有する化合物が好ましく用いられる。
式中、R1〜R6は水素原子または置換基を表し、R7、R8は各々置換基を表し、Zは各々独立で酸素または硫黄原子、あるいは主鎖に酸素または硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基を表す。一般式(15)〜(18)において、R1〜R6で表される置換基は、前記一般式(14)のR1〜R6で表される置換基と同義である。
一般式(15)〜(18)において、R7、R8で表される置換基としては、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基または3−ブテニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基等)、炭素数1〜6個のアシル基(例えば、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基またはペンチルカルボニル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、炭素数1〜6個のアルキルカルバモイル基(例えば、プロピルカルバモイル基、ブチルペンチルカルバモイル基等)、アルコキシカルバモイル基(例えば、エトキシカルバモイル基等)を表す。
一般式(15)〜(18)において、Zで表される酸素または硫黄原子、あるいは主鎖に酸素または硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基としては、アルキレン基(例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等)、アルケニレン基(例えば、ビニレン基、プロペニレン基等)、アルキニレン基(例えば、エチニレン基、3−ペンチニレン基等)が挙げられ、また前記のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基の炭素原子は酸素原子や硫黄原子に置き換わっていてもよい。
上記の置換基の中でも、R1が低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)が好ましく、特に好ましく用いられるのはエチル基である。また、R7及びR8としてはプロピル基、ブチル基、フェニル基またはベンジル基が好ましく、Zは酸素または硫黄原子を含まない炭化水素基(アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基等)が好ましい。
(分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物)
また、本発明では、下記一般式(19)、(20)で表されるような分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物を用いることができる。
式中、Zは前記一般式(15)〜(18)において用いられる基と同義であり、mは2、3または4を表す。R1〜R6は水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)またはフリル基を表す。但し、一般式(19)においては、R3〜R6の少なくとも一つは置換基である。
式中、R9は炭素数1〜12の線形または分岐アルキレン基、線形または分岐ポリ(アルキレンオキシ)基、または下記一般式(22)、(23)及び(24)からなる群から選択される2価の基を表す。
上記の炭素数1〜12の分岐アルキレン基の一例としては、下記一般式(21)で表されるアルキレン基が好ましく用いられる。
式中、R10は低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)を表す。
式中、nは0または1〜2000の整数を表し、R12は炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)を表し、R11は炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)または下記一般式(25)で表される基を表す。
式中、jは0または1〜100の整数を表し、R13は炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)を表す。
式中、R14は水素原子、炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)、炭素数1〜10個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)またはカルボキシル基を表す。
式中、R15は酸素原子、硫黄原子、−NH−、−SO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−、または、−C(CF32−を表す。
本発明に適用可能なオキセタン環を有する化合物の好ましい部分構造の態様としては、例えば、上記一般式(19)、(20)において、R1が低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)であることが好ましく、特に好ましくはエチル基である。また、R9としてはヘキサメチレン基、または上記一般式(23)において、R14が水素原子であるものが好ましく用いられる。
上記一般式(21)において、R10がエチル基、R12及びR13がメチル基、Zが酸素または硫黄原子を含まない炭化水素基が好ましい。
更に、本発明に係るオキセタン環を有する化合物の好ましい態様の一例としては、下記一般式(26)で表される化合物が挙げられる。
式中、rは25〜200の整数であり、R16は炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)またはトリアルキルシリル基を表す。R1、R3、R5、R6は、上記一般式(14)においてR1〜R6で表される置換基と同義である。但し、R3〜R6の少なくとも一つは置換基である。
以下、本発明に係る2位が置換されているオキセタン環を有する化合物の具体例を例示化合物1〜15として示すが、本発明はこれらに限定されない。
1:trans−3−tert−ブチル−2−フェニルオキセタン
2:3,3,4,4−テトラメチル−2,2−ジフェニルオキセタン
3:ジ[3−エチル(2−メトキシ−3−オキセタニル)]メチルエーテル
4:1,4−ビス(2,3,4,4−テトラメチル−3−エチル−オキセタニル)ブタン
5:1,4−ビス(3−メチル−3−エチルオキセタニル)ブタン
6:ジ(3,4,4−トリメチル−3−エチルオキセタニル)メチルエーテル
7:3−(2−エチル−ヘキシルオキシメチル)−2,2,3,4−テトラメチルオキセタン
8:2−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2,3,3,4,4−ペンタメチル−オキセタン
9:4,4′−ビス[(2,4−ジメチル−3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビフェニル
10:1,7−ビス(2,3,3,4,4−ペンタメチル−オキセタニル)ヘプタン)
11:オキセタニル・シルセスキオキサン
12:2−メトキシ−3,3−ジメチルオキセタン
13:2,2,3,3−テトラメチルオキセタン
14:2−(4−メトキシフェニル)−3,3−ジメチルオキセタン
15:ジ(2−(4−メトキシフェニル)−3−メチルオキセタン−3−イル)エーテル
本発明に係る少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物の合成は、下記に記載の文献を参考に合成することができる。
(1)Hu Xianming,Richard M.Kellogg,Synthesis,533〜538,May(1995)
(2)A.O.Fitton,J.Hill,D.Ejane,R.Miller,Synth.,12,1140(1987)
(3)Toshiro Imai and Shinya Nishida,Can.
J.Chem.Vol.59,2503〜2509(1981)
(4)Nobujiro Shimizu,Shintaro Yamaoka,and Yuho Tsuno,Bull.Chem.Soc.Jpn.,56,3853〜3854(1983)
(5)Walter Fisher and Cyril A.Grob,Helv.Chim.Acta.,61,2336(1978)
(6)Chem.Ber.101,1850(1968)
(7)“Heterocyclic Compounds with Three− and Four−membered Rings”,Part Two,Chapter IX,Interscience Publishers,John Wiley&Sons,New York(1964)
(8)Bull.Chem.Soc.Jpn.,61,1653(1988)
(9)Pure Appl.Chem.,A29(10),915(1992)
(10)Pure Appl.Chem.,A30(2&3),189(1993)
(11)特開平6−16804号公報
(12)ドイツ特許第1,021,858号明細書
本発明に係る少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物の活性光線硬化型インク中の含有量は、1〜97質量%が好ましくは、より好ましくは30〜95質量%である。
(オキセタン化合物とその他のモノマーとの併用)
また、本発明に係る少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物は、単独で用いてもよいが、構造の異なる2種を併用してもよく、また、後述する、光重合性モノマーや重合性モノマー等の光重合性化合物等を併用して使用することができる。併用する場合、混合比は少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物が混合物中、10〜98質量%になるように調整することが好ましく、またその他の光重合性モノマーや重合性モノマー等の光重合性化合物が2〜90質量%になるように調整することが好ましい。
《3位のみに置換基を有するオキセタン化合物》
本発明では、上記の2位に置換基を有するオキセタン化合物と従来公知のオキセタン化合物とを併用することができるが、中でも3位のみに置換基を有するオキセタン化合物が好ましく併用できる。
ここで、3位のみに置換基を有するオキセタン化合物としては、例えば、特開2001−220526公報、同2001−310937公報に紹介されているような公知のものを使用することができる。
3位のみに置換基を有する化合物としては、下記一般式(27)で示される化合物が挙げられる。
一般式(27)において、R1は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。R2はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため特に好ましい。
2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(28)で示される化合物等が挙げられる。
一般式(28)において、R1は上記一般式(27)におけるそれと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
また、R3としては下記一般式(29)、(30)及び(31)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
一般式(29)において、R4は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル基またはカルバモイル基である。
一般式(30)において、R5は酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF32またはC(CH32を表す。
一般式(31)において、R6はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。nは0〜2000の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。R7としては、更に下記一般式(32)で示される基から選択される基も挙げることができる。
一般式(32)において、R8はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。mは0〜100の整数である。
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
例示化合物1は、前記一般式(28)においてR1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。また、例示化合物2は、前記一般式(28)においてR1がエチル基、R3が前記一般式(31)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(33)で示される化合物がある。一般式(33)において、R1は前記一般式(27)のR1と同義である。
また、3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(34)で示される化合物が挙げられる。
一般式(34)において、R1は前記一般式(27)におけるR1と同義である。R9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基または下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは3または4である。
上記Aにおいて、R10はメチル基、エチル基またはプロピル基等の低級アルキル基である。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物3が挙げられる。
更に、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(35)で示される化合物が挙げられる。
一般式(35)において、R8は前記一般式(32)のR8と同義である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基またはトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
本発明に係るオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す例示化合物4、5、6がある。
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の例示化合物7、8、9が挙げられる。
本発明の活性光線硬化型組成物においては、カチオン重合性モノマーとしてエポキシ化合物を用いることができる。
本発明に適用可能なエポキシ化合物としては、エポキシ基を有する化合物のモノマー及びそのオリゴマーのいずれも使用できる。具体的には、従来公知の芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物及び脂肪族エポキシ化合物が挙げられる。なお、以下エポキシ化合物とは、モノマーまたはそのオリゴマーを意味する。本発明におけるオリゴマーとしては、低分子量の化合物が好ましく、分子量が1000未満のオリゴマーがより好ましい。
芳香族エポキシ化合物として好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
本発明の活性光線硬化型組成物においては、カチオン重合性モノマーの少なくとも1種が、特に、脂環式エポキシ化合物であることが好ましい。
脂環式エポキシ化合物としては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく、具体例としては、以下に示す化合物等が挙げられる。
脂肪族エポキシ化合物の好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
更に、これらの化合物の他に、分子内に1個のオキシラン環を有するモノマーである脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル及びフェノール、クレゾールのモノグリシジルエーテル等も用いることができる。これらのエポキシ化合物のうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシ化合物及び脂環式エポキシ化合物が好ましく、特に脂環式エポキシ化合物が好ましい。本発明では、上記エポキシ化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明で好ましく用いることできる脂環式エポキシ化合物の具体例を以下に挙げる。
脂環式エポキシ化合物の添加量としては、10〜80質量%含有することが好ましい。添加量が10質量%未満であると硬化環境(温度、湿度)により硬化性が著しく変わってしまい。また、80質量%を超えると、硬化後の膜物性が弱く使用に耐えない。本発明では、脂環式エポキシ化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、これらの脂環式エポキシ化合物はその製法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred
Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes,John&Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号、特許2906245号、特許2926262号の各公報等の文献を参考にして合成できる。
本発明の活性光線硬化型組成物においては、エポキシ化合物として、エポキシ化脂肪酸エステルまたはエポキシ化脂肪酸グリセライドを含有することができる。
エポキシ化脂肪酸エステルまたはエポキシ化脂肪酸グリセライドを、オキセタン化合物/脂環式エポキシ化合物の系に併用することにより、AMES及び感作性、皮膚刺激性、臭気等の安全・環境の観点で好ましいだけでなく、硬化環境(温度、湿度)により硬化収縮による皺の発生、硬化性・吐出性の不良等の従来からの問題点を解決することができる。
本発明で用いることのできるエポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ化脂肪酸グリセライドとしては、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセライドにエポキシ基を導入したものであれば、特に制限はなく用いられる。
エポキシ化脂肪酸エステルは、オレイン酸エステルをエポキシ化して製造されたもので、エポキシステアリン酸メチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル等が用いられる。また、エポキシ化脂肪酸グリセライドは、同様に大豆油、アマニ油、ヒマシ油等をエポキシ化して製造されたもので、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ヒマシ油等が用いられる。
更に、本発明においては、カチオン重合性モノマーとして、ビニルエーテル化合物を用いることができ、好ましくは環ビニルエーテル化合物である。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明の活性光線硬化型インク(以後、単にインクともいう)は、本発明の活性光線硬化型組成物と共に、色材として顔料を含有することが好ましい。本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、42、74、81、83、87、93、95、109、120、128、138、139、151、166、180、185、
C.I Pigment Orange−16、36、38、
C.I Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、122、144、146、177、185、
C.I Pigment Violet−19、23、
C.I Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、60、27、29、
C.I Pigment Green−7、36、
C.I Pigment White−6、18、21、
C.I Pigment Black−7、
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。なお、分散媒体として、光重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定することが好ましい。この様に粒径を所定の範囲に管理することによって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
本発明の活性光線硬化型インクにおいては、色材濃度としてはインク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
顔料分散剤としては、塩基性のアンカー部を有するものを用いることが好ましく、且つ櫛形構造を有する高分子分散剤を用いることが更に好ましい。
本発明で用いることのできる顔料分散剤の具体例としては、Avecia社製のソルスパース9000、同17000、同18000、同19000、同20000、同24000SC、同24000GR、同28000、同32000、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、同PB822、楠本化成社製のPLAAD ED214、同ED251、DISPARLON DA−325、同DA−234、EFKA社製のEFKA−5207、同5244、同6220、同6225等が挙げられる。また、顔料分散剤と併せて顔料誘導体(シナジスト)を用いることができる、顔料誘導体の具体例としては、Avecia社製のソルスパース5000、同12000、同22000、EFKA社製のEFKA−6746、同6750等が挙げられる。
本発明で用いることのできる記録材料としては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、延伸ポリスチレン(OPS)フィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、延伸ナイロン(ONy)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)の記録材料を使用する方が有利である。
次に、本発明の画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法においては、本発明の活性光線硬化型インクをインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで紫外線などの活性光線を照射してインクを硬化させる方法が好ましい。
(インク着弾後の総インク膜厚)
本発明では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜25μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が25μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、前述した記録材料のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
尚、ここで「総インク膜厚」とは記録材料に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
(インクの吐出条件)
インクの吐出条件としては、インクジェット記録ヘッド及び活性光線硬化型インクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。また、本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が2〜15plであることが好ましい。
(インク着弾後の光照射条件)
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001秒〜1.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
本発明の画像形成方法においては、インク組成物を記録材料に付着させた後に、光照射を行う。光照射は可視光照射、紫外線照射であってもよく、特に紫外線照射が好ましい。紫外線照射を行う場合、紫外線照射量は100mJ/cm2以上、好ましくは500mJ/cm2以上であり、また10,000mJ/cm2以下、好ましくは5,000mJ/cm2以下の範囲で行う。かかる程度の範囲内における紫外線照射量であれば、十分硬化反応を行うことができ、また紫外線照射によって着色剤が退色してしまうことも防止できるので有利である。紫外線照射はメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等のランプが挙げられる。例えば、Fusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
メタルハライドランプは高圧水銀ランプ(主波長は365nm)に比べてスペクトルが連続しており、200〜450nmの範囲で発光効率が高く、且つ長波長域が豊富である。従って、本発明の活性光線硬化型組成物の様に顔料を使用している場合はメタルハライドランプが適している。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号公報に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射はインク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号明細書では、照射方法として光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性光線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、且つ全印字終了後、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
従来、紫外線硬化型インクジェット方式では、インク着弾後のドット広がり、滲みを抑制のために、光源の総消費電力が1kW・hrを超える高照度の光源が用いられるのが通常であった。しかしながら、これらの光源を用いると、特にシュリンクラベルなどへの印字では、記録材料の収縮があまりにも大きく、実質上使用できないのが現状であった。
本発明では、254nmの波長領域に最高照度をもつ活性光線を用いることが好ましく、総消費電力が1kW・hr以上の光源を用いても、高精細な画像を形成でき、且つ記録材料の収縮も実用上許容レベル内に収められる。
本発明においては、更に活性光線を照射する光源の総消費電力が1kW・hr未満であることが好ましい。総消費電力が1kW・hr未満の光源の例としては、蛍光管、冷陰極管、熱陰極管、LEDなどがあるが、これらに限定されない。
次いで、本発明の画像形成方法で適用可能なインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)について説明する。
以下、記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。尚、図面の記録装置はあくまでも本発明の記録装置の一態様であり、本発明の記録装置はこの図面に限定されない。
図1は、本発明に適用可能なインクジェット記録装置の要部構成の一例を示す正面図である。インクジェット記録装置1はヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。このインクジェット記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
記録材料Pはガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行う。
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述するインクジェット記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
尚、図1ではヘッドキャリッジ2がホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)、ホワイト(W)のインクジェット記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納されるインクジェット記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えば、UVインク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出されるUVインクは色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで開始剤が触媒として作用することに伴なうモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対してUVインクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けてUVインクの吐出を行なった後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してUVインクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3からUVインクを吐出することにより、記録材料P上に画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(Light Emitting Diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましい。特に波長254nmの紫外線を発光する低圧水銀ランプ、熱陰極管、冷陰極管及び殺菌灯が滲み防止、ドット径制御を効率よく行なえ、好ましい。ブラックライトを照射手段4の放射線源に用いることで、UVインクを硬化するための照射手段4を安価に作製することができる。
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってUVインクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(UVインクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。また、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にすると更に好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプ又はフィルターを交換することで適宜変更することができる。
本発明の活性光線硬化型インクは、ラインヘッドタイプの記録装置を用いて画像形成することも可能である。
図2は、インクジェット記録装置の要部構成の他の一例を示す上面図である。図2で示したインクジェット記録装置はラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色のインクジェット記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、インク印字面全域をカバーするように配置されている照射手段4が設けられている。照明手段4に用いられる紫外線ランプは、図1に記載したのと同様のものを用いることができる。
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。なお、本発明において、記録材料Pは35〜60℃に加温することが望ましい。
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
《活性光線硬化型組成物の作製》
〔各顔料分散液の調製〕
分散剤(PB822 味の素ファインテクノ社製)を5質量部と、表1及び表2に記載の各光重合性化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間かけて撹拌、混合して溶解させた。次いで、この溶液に下記の各色顔料を添加した後、直径1mmのジルコニアビーズ200gと共にポリ瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて2時間分散処理を行い、ジルコニアビーズを取り除き、ブラック顔料分散液、シアン顔料分散液、マゼンタ顔料分散液及びイエロー顔料分散液を調製した。
ブラック顔料:C.I.Pigment Black 7(三菱化学社製、#52)
シアン顔料:C.I.Pigment Blue 15:4(山陽色素社製、シアニンブルー4044)
マゼンタ顔料:C.I.Pigment Red 122(大日精化社製、特注)
イエロー顔料:C.I.Pigment Yellow 150(LANXESS社製、E4GN−GTCH20003)
〔各インク組成物セットの調製〕
次いで、上記調製した各顔料分散液と、各光重合開始剤、酸増殖剤、塩基性化合物、界面活性剤等の各種添加剤を表1及び表2に記載の組み合わせで添加し、これをプリンター目詰まり防止のため0.8μmメンブランフィルターで濾過して、K、C、M、Y(以上、濃インク)、とLk、Lc、Lm、Ly(以上、ライトカラーインク)から構成されるインク組成物セット1〜19を調製した。なお、ライトカラー(Lk、Lc、Lm、Ly)の顔料濃度は1/5とした。
表1には、ラジカル重合型の活性光線硬化型硬化型組成物(以後硬化組成物ともいう)であるインク組成物セット1〜3の組成を示し、表2には、カチオン重合型の硬化組成物であるインク構成物セット4〜19の組成を示す。また、使用したアクリルポリマーの特性を表3に示す。アクリルポリマーの粘度は、25℃、せん断速度10001/s時の粘度として測定した。なお、表1、表2に記載の数値は、各添加剤の質量部を表す。
表1、表2に、シンボルで記載した項目の詳細は、以下の通りである。
*1:テトラエチレングリコールジアクリレート
*2:εカプロラクタム変性ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート
*3:フェノキシエチルメタクリレート
*4:オキセタン環を有する化合物
*5:ビニルエーテル化合物
*6:トリイソプロパノールアミン
表1、表2に略称で記載の各添加剤の詳細は、以下の通りである。
OXT101:東亞合成社製、単官能
OXT212:東亞合成社製、単官能
OXT213:東亞合成社製、単官能
OXT221:東亞合成社製、2官能
DVE−3:トリエチレングリコールジビニルエーテル(ISP社製)
S2021P:セロキサイド2021P、ダイセル化学工業社製、2官能
S3000:セロキサイド3000、ダイセル化学工業社製、2官能
EP−2:例示化合物EP−2
UVI6992:ダウ・ケミカル社製 プロピオンカーボネート50%液
I−184:イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
I−250:イルガキュア250、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
CI5102:日本曹達社製
S−2:例示化合物S−2
KF−351:シリコーンオイル、信越化学株式会社製
DBA:9,10,ジブトキシアントラセン
《インクジェット画像形成方法》
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製した各インク組成物セットの各色インクを装填し、巾600mm、長さ20mの長尺の記録材料へ、下記の画像を連続して記録した。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。なお、各インク組成物セットの粘度にあわせてヘッド部を加温し、2〜15plの液滴量のマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で吐出できるよう駆動して、上記記載の各インク組成物セットを構成する各色インクを連続吐出した。また、記録材料は面ヒーターにより40℃に加温した。着弾した後、キャリッジ両脇の熱陰極管(ニッポ社製 特注品)200W電源の光源をもちい、180mW/cm2の光量を照射し、瞬時(着弾後0.5秒未満)に硬化させた。画像記録後に、総インク膜厚を測定したところ、2〜60μmの範囲であった。なお、インクジェット画像の形成は、上記方法に従って、30℃、80%RHの環境下で、記録材料としてユポ・コーポレーション社製の合成紙 ユポFGSに印字を行った。
なお、各照射光源の照度は、岩崎電機社製のUVPF−A1を用いて、254nmの積算照度を測定した。
《形成画像の評価》
得られた硬化物(形成画像)の物理的特性を、下記に示す方法に従って評価した。なお、各評価は、各色インクにより形成した画像の各特性の平均値により判定した。
〔硬化感度の測定〕
各インク組成物セットを構成する各色インクを、合成紙に膜厚が3μmになるように塗布した後、光量を変化させた紫外線を照射し、照射後、硬化膜を爪で擦り、膜剥がれを起こす最小照射エネルギー(mJ/cm)を測定し、各色インクの平均値を求め、これを硬化感度の尺度とした。数値が小さいほど硬化感度が高いことを表す。
〔柔軟性の評価〕
各色インクを合成紙(ユポ・コーポレーション社製の合成紙ユポFGS)に膜厚が40μmになるように印字し、熱陰極管(ニッポ製 特注品)200W電源をもちい、180mW/cm2の光量を、着弾後0.1秒後に照射し、硬化画像を得た。得られた硬化画像をJIS K 5600 の耐屈曲性評価の方法に従って、1〜10mmφの各サイズの棒に巻きつ、ヒビの発生状況を目視観察した。柔軟性の判定は、ヒビの発生を起こさない最小直径をもって行い、これを柔軟性の尺度とした。数値が小さいほど、柔軟性に優れていることを表す。
〔密着性の評価〕
上記画像形成方法で作成した画像を、JIS K 5400に準拠した方法に従って、碁盤目テープ剥離残留付着量試験を行った。
各画像膜に、片刃のカミソリの刃を面に対して90°の角度で切り込みを1mm間隔で縦横に11本入れ、1mm角の碁盤目を100個作製した。次いで、碁盤目を入れた硬化膜表面に、粘着テ−プ(スコッチ#250、住友スリ−エム製)を張り合わせて2kgのロ−ラ−で1往復圧着した後、一気に剥がし、画像膜の剥離状態について目視観察し、下記の基準に従って密着性の評価を行った。
5:膜剥がれの発生が認められない
4:わずかに膜剥がれが認められるが、ほぼ良好な密着性である
3:一部の膜で剥がれが認められるが、実用上許容される範囲である
2:明らかな膜剥がれが発生しており、実用上問題となる品質である
1:全て膜が剥がれてしまい、実用に耐えない品質である
〔臭気耐性の評価〕
上記画像形成方法に従って形成した画像を、硬化後、23℃、55%RHの環境下で1時間放置した後、各形成画像の臭気をかいで、下記の基準に従って官能評価による臭気耐性の評価を行った。
5:臭気がまったく認められない
4:臭気をわずかに感ずるが、ほぼ良好な臭気耐性である
3:やや臭気は認められるが、実用上許容される範囲内である
2:明らかな臭気が認められ、実用上問題となる特性である
1:強い臭気が認められ、実用に耐えない特性である
〔吐出安定性の評価〕
上記画像形成方法に従って、30分間の連続吐出を行った後、インクの出射状態及びインク欠の有無を目視観察し、下記の基準に従って吐出安定性を評価した。
5:ノズル欠がなく、良好な出射性である
4:極一部でノズル欠の発生は認められるが、ほぼ良好な出射状態である
3:一部でノズル欠の発生は認められるが、画質に影響を与えるレベルではない
2:多くのノズルで、ノズル欠や斜め出射の発生は認められ、画質に影響を与えるレベルである
1:50%以上のノズルでノズル欠が発生し、実用には言えないレベルである
以上により得られた結果を、表4に示す。
表4に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる活性光線硬化型組成物を用いたインクにより構成したインク組成物セットは、比較例に対し、硬化感度が高く、吐出安定性に優れ、形成した画像の臭気耐性、密着性、柔軟性に優れていることが分かる。

Claims (15)

  1. 光重合開始剤及び光重合性化合物を含有する活性光線硬化型組成物において、該光重合性化合物がラジカル重合性モノマーであり、かつアクリルポリマーを含有することを特徴とする活性光線硬化型組成物。
  2. 光重合開始剤及び光重合性化合物を含有する活性光線硬化型組成物において、該光重合性化合物がカチオン重合性モノマーであり、かつアクリルポリマーを含有することを特徴とする活性光線硬化型組成物。
  3. 前記アクリルポリマーの分子量が、100以上、10000未満であることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の活性光線硬化型組成物。
  4. 前記アクリルポリマーの25℃での粘度が、10mPa・s以上、10000mPa・s未満であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
  5. 前記アクリルポリマーのガラス転移温度が、−130℃以上、−10℃以下であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
  6. 前記光重合開始剤が、ヨウドニウム塩またはスルホニウム塩からなるオニウム塩光酸発生剤であり、かつ、該光重合開始剤を1質量%以上、10質量%以下含有することを特徴とする請求の範囲第2項乃至第5項のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
  7. 前記カチオン重合性モノマーの少なくとも1種が、脂環式エポキシ化合物であることを特徴とする請求の範囲第2項乃至第6項のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
  8. 前記カチオン重合性モノマーの少なくとも1種が、オキセタン環を有する化合物であることを特徴とする請求の範囲第2項乃至第7項のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
  9. 前記カチオン重合性モノマーの少なくとも1種が、環ビニルエーテル化合物であることを特徴とする請求の範囲第2項乃至第8項のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
  10. 前記アクリルポリマーの添加量が、0.1質量%以上、30質量%以下であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第9項のいずれか1項記載の活性光線硬化型組成物。
  11. 前記脂環式エポキシ化合物の添加量が、10質量%以上、80質量%以下であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の活性光線硬化型組成物。
  12. 請求の範囲第1項乃至第11項のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物を含有することを特徴とする活性光線硬化型インク。
  13. 25℃における粘度が、1mPa・s以上、50mPa・s未満であることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の活性光線硬化型インク。
  14. インクジェット記録ヘッドより、請求の範囲第12項又は第13項に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に噴射し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とする画像形成方法。
  15. インクジェット記録ヘッドより、請求の範囲第12項又は第13項に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に噴射し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出する最小インク液滴量が、2pl以上、15pl以下であることを特徴とする画像形成方法。
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