JPWO2012144108A1 - 光受信方法および光受信機 - Google Patents
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Abstract
多値位相光信号の受信において受信感度が偏光状態に依存しない受信を可能とするために、光受信方法は、単一偏波の多値位相光信号を偏波が互いに直交する第1の光信号および第2の光信号に分離し、第1の光信号のパワーと第2の光信号のパワーの比を計算し、第1の光信号の位相と第2の光信号の位相との差を補償量として計算し、比および補償量に基づいて第1の光信号と第2の光信号を最大比合成法にて合成し、補償量を比に基づいて変化させる。
Description
本発明は、光受信方法および光受信機に関する。
光通信システムにおける伝送容量の増大のために多値変調信号を用いたコヒーレント光通信方式が多数開示されている。その中には非特許文献1のような受信感度が偏波状態に依存しない偏波ダイバーシティ受信方式が開示されている。この方式において、偏波ビームスプリッタは、多値変調光信号を、直交する2つの偏波の光信号に分離する。90°ハイブリッドは、分離された各光信号を局発光と混合して、それぞれ、同相成分及び直交成分に対応する光信号を出力する。フォトダイオードは、各90°ハイブリッドの出力光信号を電気信号に変換する。
また、非特許文献1においては、入力信号の偏波状態による受信感度変化補正がデジタル信号処理で実現されている。つまり、非特許文献1においては、光信号の偏波面が偏波ビームスプリッタの基準軸と一致する様な調整は行われていない。
また、非特許文献1は、入力信号の偏波状態による受信感度の変化を補正するデジタル信号処理として、最大比合成法(Maximal−Ratio−Combining、MRC)を用いている。具体的には、非特許文献1では、各90°ハイブリッドの出力信号Ex、Eyのパワー比αと位相差δが求められる。そして、以下の(式1)に示すような最大比合成を実行することで元の光変調信号Esが再生されている。
(式1)において、jは、純虚数を示す。また、(式1)において、第一項目、および第二項目の
は、出力パワーが最大になるように補正する項である。
また、(式1)において、第一項目のe−jδは、EyとExの間の位相差を補正する項を表している。
また、非特許文献1においては、入力信号の偏波状態による受信感度変化補正がデジタル信号処理で実現されている。つまり、非特許文献1においては、光信号の偏波面が偏波ビームスプリッタの基準軸と一致する様な調整は行われていない。
また、非特許文献1は、入力信号の偏波状態による受信感度の変化を補正するデジタル信号処理として、最大比合成法(Maximal−Ratio−Combining、MRC)を用いている。具体的には、非特許文献1では、各90°ハイブリッドの出力信号Ex、Eyのパワー比αと位相差δが求められる。そして、以下の(式1)に示すような最大比合成を実行することで元の光変調信号Esが再生されている。
(式1)において、jは、純虚数を示す。また、(式1)において、第一項目、および第二項目の
は、出力パワーが最大になるように補正する項である。
また、(式1)において、第一項目のe−jδは、EyとExの間の位相差を補正する項を表している。
Satoshi Tsukamoto et al.、"Opti cal Homodyne Receiver Comprising Phase and Polarization Diversities with Digital Signal Processing"、European Conference on Optical Communication,Mo4.2.1 Cannes,France,24−28 Sept.2006
しかしながら、非特許文献1に開示されたデジタル信号処理では、例えば、入力光信号のポアンカレ球上の偏光状態が偏光角θ=0°、楕円率χ=0近傍にあるとき、パワー比αが1となり、(式1)よりEs≒e−jδExとなる。しかしながら、位相差δがランダムな値となるため、非特許文献1に開示されたデジタル信号処理では、図8のようにコンスタレーション上で信号のランダムな回転が生じ、信号の再生ができないという課題がある。なお、位相差δがランダムな値をとるのは、ポアンカレ球上の偏光状態が偏光角θ=0°、楕円率χ=0近傍にあるとき、各90°ハイブリッドの出力信号において一方がほぼ送信光信号そのものであるのに対して、他方の送信信号は雑音に埋もれてしまうためである。
本発明は、多値位相光信号の受信において受信感度が偏光状態に依存しない、光受信方法および光受信機を提供することを目的とする。
本発明は、多値位相光信号の受信において受信感度が偏光状態に依存しない、光受信方法および光受信機を提供することを目的とする。
本発明の光受信方法は、単一偏波の多値位相光信号を偏波が互いに直交する第1の光信号および第2の光信号に分離し、前記第1の光信号のパワーと前記第2の光信号のパワーの比を計算し、前記第1の光信号の位相と前記第2の光信号の位相との差を補償量として計算し、前記比および前記補償量に基づいて前記第1の光信号と前記第2の光信号を最大比合成法にて合成し、前記補償量を前記比に基づいて変化させる。
本発明の光受信機は、単一偏波の多値位相光信号を偏波が互いに直交する第1の光信号および第2の光信号に分離する手段と、前記第1の光信号のパワーと前記第2の光信号のパワーの比、および、前記第1の光信号の位相と前記第2の光信号の位相との差を補償量として計算する手段と、前記比および前記補償量に基づいて前記第1の光信号と前記第2の光信号を最大比合成法にて合成する手段と、を備え、前記補償量を前記比に基づいて変化させる。
本発明の光受信機は、単一偏波の多値位相光信号を偏波が互いに直交する第1の光信号および第2の光信号に分離する手段と、前記第1の光信号のパワーと前記第2の光信号のパワーの比、および、前記第1の光信号の位相と前記第2の光信号の位相との差を補償量として計算する手段と、前記比および前記補償量に基づいて前記第1の光信号と前記第2の光信号を最大比合成法にて合成する手段と、を備え、前記補償量を前記比に基づいて変化させる。
本発明によれば、多値位相光信号の受信において受信感度が偏光状態に依存しない受信が可能となる。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るコヒーレント光受信機の構成例を示すブロック図である。このコヒーレント光受信機は、偏波ビームスプリッタ1と、局部発振光生成部2と、光受信部3と、を備えている。
偏波ビームスプリッタ1は、光伝送路からの多値変調光信号(または、単一偏波多値位相光信号とも呼ぶ)を、偏波が互いに直交する光信号X(第1の光信号)と光信号Y(第2の光信号)に分離する。局部発振光生成部2は、例えば、分布帰還型レーザダイオードであり、連続光(以下、局発光と呼ぶ)を出力する。
信号光受信部3は、局部発振光生成部2が生成する局発光を用い、光信号X及びYをコヒーレント検波(例えば、ホモダイン検波もしくはヘテロダイン検波)してベースバンド信号X及びYに変換する。さらに、信号光受信部3は、ベースバンド信号X及びYから、送信された多値変調光信号を再生し復調処理を行う。
図2は、信号光受信部3の構成例を示すブロック図である。信号光受信部3は、各90°ハイブリッド4、5と、各光電気変換部6、7、8および9と、偏波再生部10と、復調処理部11と、を備えている。
90°ハイブリッド4は、光信号Xと局発光を受信して、同相成分及び直交成分に対応する光信号をそれぞれ出力する。光電気変換部6は、光信号Xの同相成分に対応する光信号を受信して同相ベースバンド信号XIを出力する。光電気変換部7は、光信号Xの直交成分に対応する光信号を受信して直交ベースバンド信号XQを出力する。
90°ハイブリッド5は、光信号Yと局発光を受信して、同相成分及び直交成分に対応する光信号をそれぞれ出力する。光電気変換部8は、光信号Yの同相成分に対応する光信号を受信して同相ベースバンド信号YIを出力する。光電気変換部9は、光信号Yの直交成分に対応する光信号を受信して直交ベースバンド信号YQを出力する。
偏波再生部10は、各光電気変換部6、7、8、9から各ベースバンド信号XI、XQ、YI、YQを受信する。偏波再生部10は、それぞれに含まれる信号成分に基づき、図1の偏波ビームスプリッタ1によって分岐された光信号Yと光信号Xのパワー比αと位相差δを求める。ここで、位相差とは、2つの波(光信号Yと光信号X)の位相の差を意味する。そして、偏波再生部10は、求めたパワー比αおよび位相差δに基づき、送信情報に対応する同相ベースバンド信号EIおよび直交ベースバンド信号EQを再生する。
復調処理部11は、同相ベースバンド信号EIおよび直交ベースバンド信号EQを復調処理して、送信情報を取り出す。
図3は、偏波再生部10の構成例を示すブロック図である。偏波再生部10は、係数算出部12と、偏波再生処理部13と、位相再生処理部14と、を備えている。
係数算出部12は、各ベースバンド信号XI、XQ、YI、YQに基づいて、光信号Yと光信号Xのパワー比αおよび位相差δを求める。
偏波再生処理部13は、求められたパワー比αおよび位相差δに基づいて、同相ベースバンド信号EI’および直交ベースバンド信号EQ’を算出する。
位相再生処理部14は、信号光と局所光の中心周波数の差や、線幅の相違から生じる位相オフセットを補償した同相ベースバンド信号EIおよび直交ベースバンド信号EQを出力する。
図4は、図3に示す偏波再生部10の動作例を示すフローチャートである。以下、必要に応じて図1〜図3を参照し、図4について説明する。
係数算出部12は、パワー比αおよび位相差δを求めるために、Ex、Eyの複素数振幅比r、irを、以下の(式2)、(式3)を用いて各々に求める(ステップS1)。
ここで、Exは、XI+jXQで表される複素数である。Eyは、YI+jYQで表される複素数である。jは、純虚数を表す。
係数算出部12は、複素数振幅比r、irの各平均を計算する(ステップS2)。ここで、平均の例としては、例えば、加法平均あるいは乗法平均を挙げることができる。
係数算出部12は、rの絶対値|r|とirの絶対値|ir|の大小関係を比較する(ステップS3)。
ここで、複素数振幅比r、irは、パワー比αおよび位相差δによって、各々に以下の(式4)、(式5)のように表すことができる。
上記比較結果が|r|<|ir|の場合(ステップS3においてYesの場合)、係数算出部12は、上記(式4)を用いて、パワー比αおよび位相差δを算出する(ステップS4)。具体的には、係数算出部12は、α=|r|2/(|r|2+1)およびδ=arg(r)を計算する。
一方、上記比較結果が|r|≧|ir|の場合(ステップS3においてNoの場合)、係数算出部12は、上記(式5)を用いて、パワー比αおよび位相差δを算出する(ステップS5)。具体的には、係数算出部12は、α=1/(|ir|2+1)およびδ=−arg(ir)を計算する。
偏波再生処理部13は、係数算出部12が求めたパワー比αおよび位相差δに基づき、複素信号Es’を、以下の(式6)に示すようなアルゴリズムの最大比合成法により求める(ステップS6)。
偏波再生処理部13は、複素信号Es’の実部および虚部を、各々に同相ベースバンド信号EI’および直交ベースバンド信号EQ’として出力する。
位相再生処理部14は、光送信信号に比べて−(1−α)δだけ回転して出力されたベースバンド信号Es’を、Feed Forward M−th Power AlgorithmやDecision−Directed Phase−Locked Loopなどの搬送波位相推定法によって補正する(ステップS7)。このとき、例えば、光同期検波における局発光の位相雑音や局発光と送信側光信号との相対的な周波数変動により位相が回転するが、これらの位相雑音や周波数変動等を同時に補償することができる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、パワー比αが1に近付くにつれて、(式6)における位相差補正項(e−j(1−α)δ、ejαδ)は第一項よりも第二項が支配的になる。一方、パワー比αが0に近付くにつれて位相差補正項は第二項よりも第一項が支配的となる。ここで、偏光角θ=0°、楕円率χ=0近傍では、Ex≫Eyでα≒1であり、式(6)に代入すると、Es’≒Exとなる。すなわち、位相差δがランダムな値となってもその影響を受けることはない。従って、例えば、ポアンカレ球上の偏波状態が偏光角θ=0°、楕円率χ=0近傍にあるときに生じる問題を回避することが可能となる。
すなわち、以上説明した第1の実施形態によれば、多値位相光信号の受信において受信感度が偏光状態に依存しない光受信が可能となる。また、本実施形態によれば、安価で信頼性の高いデジタル領域での偏波再生を行うことが可能となる。
なお、上記(式6)における位相差補正項におけるαの代わりに、
など、f(0)=0およびf(1)=1であり、さらに、αが0から1の間で連続であり且つ単調増加する関数f(α)とすることができる。
また、図4におけるステップS2の処理は、必ずしも必要ではない。また、パワー比αおよび位相差δの平均(加法平均あるいは乗法平均)をとってもよい。
[第2の実施形態]
ところで、上述したように、位相差δがランダムな値をとらない場合、図3に示す偏波再生処理部13からは、光送信信号に比べて−(1−α)δだけ回転された信号(合成した信号の位相を変化後の補償量により補償した信号)が出力される。ここで、図4に示す位相再生処理部14では、周波数補償処理や位相補償処理が行われる。しかし、このような処理過程において、シンボルが誤って認識されるおそれがある。本実施形態は、この課題を解決するためのものである。
以下、本発明の第2の実施形態に係るコヒーレント光受信機について説明する。
このコヒーレント光受信機の基本構成は、図1に示す第1の実施形態の基本構成と同一である。また、このコヒーレント光受信機を構成する信号光受信部の構成も、図2に示す第1の実施形態の信号光受信部3と同一である。従って、これらの説明については省略する。
第2の実施形態の第1の実施形態に対する違いは、信号光受信部を構成する偏波再生部の構成が異なる点にある。
図5は、本発明の第2の実施形態に係るコヒーレント光受信機を構成する偏波再生部の構成例を示すブロック図である。第1の実施形態の偏波再生部(図3参照)と比較し、図5に示す偏波再生部は、さらに、位相判定部15と、位相回転部16と、を備える。
位相判定部15は、位相差δがランダムであるか否かを判定する。位相判定部15は、係数算出部12から受信するパワー比αまたは位相差δに基づいて、合成した信号の位相を、変化後の補償量により補償するか否かを判定し、判定結果を位相回転部16へ出力する。
位相回転部16は、上記判定結果に基づいて、光送信信号に比べて−(1−α)δだけ回転して出力されたベースバンド信号Es’を(1−α)δだけ回転させる演算を行う処理、および、光送信信号に比べて−(1−α)δだけ回転して出力されたベースバンド信号Es’をそのまま出力する処理のいずれかを実行する。
図6は、図5に示す偏波再生部の動作例を示すフローチャートである。
位相判定部15は、係数算出部12から、パワー比αまたは位相差δを入力する(ステップS10)。位相判定部15は、位相差δがランダムであるか否かを判定する(ステップS11)。位相判定部15は、判定結果を、位相回転部16へ出力する。
位相回転部16は、入力した判定結果が、位相差δがランダムであることを示す結果であるか否かを判定する(ステップS12)。位相差δがランダムである場合(ステップS12においてNo)、位相回転部16は、偏波再生処理部13の出力Es’(すなわち、−(1−α)δだけ回転された信号)をそのまま後段(位相再生処理部14)へ出力する。一方、位相差δがランダムでない場合(ステップS12においてYes)、位相回転部16は、偏波再生処理部13の出力Es’を(1−α)δだけ回転して出力する(ステップS14)。
以上説明した第2の実施形態によれば、位相差δがランダムでない場合、位相回転部16は、偏波再生処理部13の出力Es’を(1−α)δだけ回転して出力する。従って、位相再生処理部14においてシンボルが誤って認識される事態を回避することが可能となる。
なお、位相判定部15は、位相差δを用いて上記判定を行うことができる。例えば、位相判定部15は、位相差の時間的な差D[t]=|δ[t+1]−δ[t]|を算出する。ここで、tは、時間を表す。位相判定部15は、差D[t]>Dthとなる回数=所定の回数k、を判定する。ここで、Dthは、所定の差しきい値である。差D[t]>しきい値Dthとなる回数がkと等しい場合、位相判定部15は、位相差δがランダムであると判定する。一方、差D[t]>しきい値Dthとなる回数がkと等しくない場合、位相判定部15は、位相差δがランダムでないと判定する。例えば、位相判定部15は、あるサンプリング時間での位相差δ[t]とその次のサンプリング時間での位相差δ[t+1]の差D=|δ[t+1]−δ[t]|を各サンプリング時間で計算する。この値がしきい値Dth=0.5を超えた回数をkとし、k=3に達した時点で、位相差δは、ランダムであると判定する。もちろん、しきい値Dthおよびしきい値超え回数kは、任意に設定することができる。
また、前記位相差の判定は逐次行うことも、あるタイムスケジュールに従って定期的に行うことも可能である。
一方、位相判定部15は、パワー比αを用いて上記判定を行うことができる。例えば、位相判定部15は、α≒1、0の場合には位相差δはランダムであると判定し、一方、0<α<1の場合には位相差δはランダムではないと判定することができる。
もちろん、上記各判定例はあくまで一例であって、位相判定部15における判定は、これらに限定されるものではない。
[第3の実施形態]
図7は、本発明の第3の実施形態に係る光受信機100の構成例を説明するブロック図である。光受信機100は、分離手段101と、計算手段102と、合成手段103と、を備える。
分離手段101は、単一偏波の多値位相光信号を偏波が互いに直交する第1の光信号および第2の光信号に分離する。
計算手段102は、第1の光信号のパワーと第2の光信号のパワーの比、および、第1の光信号の位相と第2の光信号の位相との差を補償量として計算する。
合成手段103は、上記比および上記補償量に基づいて、第1の光信号と第2の光信号を最大比合成法にて合成する。ここで、合成手段103は、上記補償量を上記比に基づいて変化させる。
以上説明した第3の実施形態によれば、多値位相光信号の受信において受信感度が偏光状態に依存しない受信が可能となる。
なお、以上説明した第1〜3の実施形態は、所定のハードウェア、例えば、回路として具現化することもできる。
また、以上説明した第1〜3の実施形態は、制御プログラムに基づいて図示しないコンピュータ回路(例えば、CPU(Central Processing Unit))によって制御され、動作するようにすることができる。その場合、これらの制御プログラムは、例えば、光受信機内部の記憶媒体、あるいは、外部の記憶媒体に記憶され、上記コンピュータ回路によって読み出され実行される。内部の記憶媒体としては、例えば、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等を挙げることができる。また、外部の記憶媒体としては、例えば、リムーバブルメディアやリムーバブルディスク等を挙げることができる。
尚、以上説明した第1〜第3の実施形態はあくまで一例であって、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。
また、本発明の「光受信方法」に関し、その処理の順番は、請求項の記載の順番に限定されることはない。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2011年4月21日に出願された日本出願特願2011−095190を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るコヒーレント光受信機の構成例を示すブロック図である。このコヒーレント光受信機は、偏波ビームスプリッタ1と、局部発振光生成部2と、光受信部3と、を備えている。
偏波ビームスプリッタ1は、光伝送路からの多値変調光信号(または、単一偏波多値位相光信号とも呼ぶ)を、偏波が互いに直交する光信号X(第1の光信号)と光信号Y(第2の光信号)に分離する。局部発振光生成部2は、例えば、分布帰還型レーザダイオードであり、連続光(以下、局発光と呼ぶ)を出力する。
信号光受信部3は、局部発振光生成部2が生成する局発光を用い、光信号X及びYをコヒーレント検波(例えば、ホモダイン検波もしくはヘテロダイン検波)してベースバンド信号X及びYに変換する。さらに、信号光受信部3は、ベースバンド信号X及びYから、送信された多値変調光信号を再生し復調処理を行う。
図2は、信号光受信部3の構成例を示すブロック図である。信号光受信部3は、各90°ハイブリッド4、5と、各光電気変換部6、7、8および9と、偏波再生部10と、復調処理部11と、を備えている。
90°ハイブリッド4は、光信号Xと局発光を受信して、同相成分及び直交成分に対応する光信号をそれぞれ出力する。光電気変換部6は、光信号Xの同相成分に対応する光信号を受信して同相ベースバンド信号XIを出力する。光電気変換部7は、光信号Xの直交成分に対応する光信号を受信して直交ベースバンド信号XQを出力する。
90°ハイブリッド5は、光信号Yと局発光を受信して、同相成分及び直交成分に対応する光信号をそれぞれ出力する。光電気変換部8は、光信号Yの同相成分に対応する光信号を受信して同相ベースバンド信号YIを出力する。光電気変換部9は、光信号Yの直交成分に対応する光信号を受信して直交ベースバンド信号YQを出力する。
偏波再生部10は、各光電気変換部6、7、8、9から各ベースバンド信号XI、XQ、YI、YQを受信する。偏波再生部10は、それぞれに含まれる信号成分に基づき、図1の偏波ビームスプリッタ1によって分岐された光信号Yと光信号Xのパワー比αと位相差δを求める。ここで、位相差とは、2つの波(光信号Yと光信号X)の位相の差を意味する。そして、偏波再生部10は、求めたパワー比αおよび位相差δに基づき、送信情報に対応する同相ベースバンド信号EIおよび直交ベースバンド信号EQを再生する。
復調処理部11は、同相ベースバンド信号EIおよび直交ベースバンド信号EQを復調処理して、送信情報を取り出す。
図3は、偏波再生部10の構成例を示すブロック図である。偏波再生部10は、係数算出部12と、偏波再生処理部13と、位相再生処理部14と、を備えている。
係数算出部12は、各ベースバンド信号XI、XQ、YI、YQに基づいて、光信号Yと光信号Xのパワー比αおよび位相差δを求める。
偏波再生処理部13は、求められたパワー比αおよび位相差δに基づいて、同相ベースバンド信号EI’および直交ベースバンド信号EQ’を算出する。
位相再生処理部14は、信号光と局所光の中心周波数の差や、線幅の相違から生じる位相オフセットを補償した同相ベースバンド信号EIおよび直交ベースバンド信号EQを出力する。
図4は、図3に示す偏波再生部10の動作例を示すフローチャートである。以下、必要に応じて図1〜図3を参照し、図4について説明する。
係数算出部12は、パワー比αおよび位相差δを求めるために、Ex、Eyの複素数振幅比r、irを、以下の(式2)、(式3)を用いて各々に求める(ステップS1)。
ここで、Exは、XI+jXQで表される複素数である。Eyは、YI+jYQで表される複素数である。jは、純虚数を表す。
係数算出部12は、複素数振幅比r、irの各平均を計算する(ステップS2)。ここで、平均の例としては、例えば、加法平均あるいは乗法平均を挙げることができる。
係数算出部12は、rの絶対値|r|とirの絶対値|ir|の大小関係を比較する(ステップS3)。
ここで、複素数振幅比r、irは、パワー比αおよび位相差δによって、各々に以下の(式4)、(式5)のように表すことができる。
上記比較結果が|r|<|ir|の場合(ステップS3においてYesの場合)、係数算出部12は、上記(式4)を用いて、パワー比αおよび位相差δを算出する(ステップS4)。具体的には、係数算出部12は、α=|r|2/(|r|2+1)およびδ=arg(r)を計算する。
一方、上記比較結果が|r|≧|ir|の場合(ステップS3においてNoの場合)、係数算出部12は、上記(式5)を用いて、パワー比αおよび位相差δを算出する(ステップS5)。具体的には、係数算出部12は、α=1/(|ir|2+1)およびδ=−arg(ir)を計算する。
偏波再生処理部13は、係数算出部12が求めたパワー比αおよび位相差δに基づき、複素信号Es’を、以下の(式6)に示すようなアルゴリズムの最大比合成法により求める(ステップS6)。
偏波再生処理部13は、複素信号Es’の実部および虚部を、各々に同相ベースバンド信号EI’および直交ベースバンド信号EQ’として出力する。
位相再生処理部14は、光送信信号に比べて−(1−α)δだけ回転して出力されたベースバンド信号Es’を、Feed Forward M−th Power AlgorithmやDecision−Directed Phase−Locked Loopなどの搬送波位相推定法によって補正する(ステップS7)。このとき、例えば、光同期検波における局発光の位相雑音や局発光と送信側光信号との相対的な周波数変動により位相が回転するが、これらの位相雑音や周波数変動等を同時に補償することができる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、パワー比αが1に近付くにつれて、(式6)における位相差補正項(e−j(1−α)δ、ejαδ)は第一項よりも第二項が支配的になる。一方、パワー比αが0に近付くにつれて位相差補正項は第二項よりも第一項が支配的となる。ここで、偏光角θ=0°、楕円率χ=0近傍では、Ex≫Eyでα≒1であり、式(6)に代入すると、Es’≒Exとなる。すなわち、位相差δがランダムな値となってもその影響を受けることはない。従って、例えば、ポアンカレ球上の偏波状態が偏光角θ=0°、楕円率χ=0近傍にあるときに生じる問題を回避することが可能となる。
すなわち、以上説明した第1の実施形態によれば、多値位相光信号の受信において受信感度が偏光状態に依存しない光受信が可能となる。また、本実施形態によれば、安価で信頼性の高いデジタル領域での偏波再生を行うことが可能となる。
なお、上記(式6)における位相差補正項におけるαの代わりに、
など、f(0)=0およびf(1)=1であり、さらに、αが0から1の間で連続であり且つ単調増加する関数f(α)とすることができる。
また、図4におけるステップS2の処理は、必ずしも必要ではない。また、パワー比αおよび位相差δの平均(加法平均あるいは乗法平均)をとってもよい。
[第2の実施形態]
ところで、上述したように、位相差δがランダムな値をとらない場合、図3に示す偏波再生処理部13からは、光送信信号に比べて−(1−α)δだけ回転された信号(合成した信号の位相を変化後の補償量により補償した信号)が出力される。ここで、図4に示す位相再生処理部14では、周波数補償処理や位相補償処理が行われる。しかし、このような処理過程において、シンボルが誤って認識されるおそれがある。本実施形態は、この課題を解決するためのものである。
以下、本発明の第2の実施形態に係るコヒーレント光受信機について説明する。
このコヒーレント光受信機の基本構成は、図1に示す第1の実施形態の基本構成と同一である。また、このコヒーレント光受信機を構成する信号光受信部の構成も、図2に示す第1の実施形態の信号光受信部3と同一である。従って、これらの説明については省略する。
第2の実施形態の第1の実施形態に対する違いは、信号光受信部を構成する偏波再生部の構成が異なる点にある。
図5は、本発明の第2の実施形態に係るコヒーレント光受信機を構成する偏波再生部の構成例を示すブロック図である。第1の実施形態の偏波再生部(図3参照)と比較し、図5に示す偏波再生部は、さらに、位相判定部15と、位相回転部16と、を備える。
位相判定部15は、位相差δがランダムであるか否かを判定する。位相判定部15は、係数算出部12から受信するパワー比αまたは位相差δに基づいて、合成した信号の位相を、変化後の補償量により補償するか否かを判定し、判定結果を位相回転部16へ出力する。
位相回転部16は、上記判定結果に基づいて、光送信信号に比べて−(1−α)δだけ回転して出力されたベースバンド信号Es’を(1−α)δだけ回転させる演算を行う処理、および、光送信信号に比べて−(1−α)δだけ回転して出力されたベースバンド信号Es’をそのまま出力する処理のいずれかを実行する。
図6は、図5に示す偏波再生部の動作例を示すフローチャートである。
位相判定部15は、係数算出部12から、パワー比αまたは位相差δを入力する(ステップS10)。位相判定部15は、位相差δがランダムであるか否かを判定する(ステップS11)。位相判定部15は、判定結果を、位相回転部16へ出力する。
位相回転部16は、入力した判定結果が、位相差δがランダムであることを示す結果であるか否かを判定する(ステップS12)。位相差δがランダムである場合(ステップS12においてNo)、位相回転部16は、偏波再生処理部13の出力Es’(すなわち、−(1−α)δだけ回転された信号)をそのまま後段(位相再生処理部14)へ出力する。一方、位相差δがランダムでない場合(ステップS12においてYes)、位相回転部16は、偏波再生処理部13の出力Es’を(1−α)δだけ回転して出力する(ステップS14)。
以上説明した第2の実施形態によれば、位相差δがランダムでない場合、位相回転部16は、偏波再生処理部13の出力Es’を(1−α)δだけ回転して出力する。従って、位相再生処理部14においてシンボルが誤って認識される事態を回避することが可能となる。
なお、位相判定部15は、位相差δを用いて上記判定を行うことができる。例えば、位相判定部15は、位相差の時間的な差D[t]=|δ[t+1]−δ[t]|を算出する。ここで、tは、時間を表す。位相判定部15は、差D[t]>Dthとなる回数=所定の回数k、を判定する。ここで、Dthは、所定の差しきい値である。差D[t]>しきい値Dthとなる回数がkと等しい場合、位相判定部15は、位相差δがランダムであると判定する。一方、差D[t]>しきい値Dthとなる回数がkと等しくない場合、位相判定部15は、位相差δがランダムでないと判定する。例えば、位相判定部15は、あるサンプリング時間での位相差δ[t]とその次のサンプリング時間での位相差δ[t+1]の差D=|δ[t+1]−δ[t]|を各サンプリング時間で計算する。この値がしきい値Dth=0.5を超えた回数をkとし、k=3に達した時点で、位相差δは、ランダムであると判定する。もちろん、しきい値Dthおよびしきい値超え回数kは、任意に設定することができる。
また、前記位相差の判定は逐次行うことも、あるタイムスケジュールに従って定期的に行うことも可能である。
一方、位相判定部15は、パワー比αを用いて上記判定を行うことができる。例えば、位相判定部15は、α≒1、0の場合には位相差δはランダムであると判定し、一方、0<α<1の場合には位相差δはランダムではないと判定することができる。
もちろん、上記各判定例はあくまで一例であって、位相判定部15における判定は、これらに限定されるものではない。
[第3の実施形態]
図7は、本発明の第3の実施形態に係る光受信機100の構成例を説明するブロック図である。光受信機100は、分離手段101と、計算手段102と、合成手段103と、を備える。
分離手段101は、単一偏波の多値位相光信号を偏波が互いに直交する第1の光信号および第2の光信号に分離する。
計算手段102は、第1の光信号のパワーと第2の光信号のパワーの比、および、第1の光信号の位相と第2の光信号の位相との差を補償量として計算する。
合成手段103は、上記比および上記補償量に基づいて、第1の光信号と第2の光信号を最大比合成法にて合成する。ここで、合成手段103は、上記補償量を上記比に基づいて変化させる。
以上説明した第3の実施形態によれば、多値位相光信号の受信において受信感度が偏光状態に依存しない受信が可能となる。
なお、以上説明した第1〜3の実施形態は、所定のハードウェア、例えば、回路として具現化することもできる。
また、以上説明した第1〜3の実施形態は、制御プログラムに基づいて図示しないコンピュータ回路(例えば、CPU(Central Processing Unit))によって制御され、動作するようにすることができる。その場合、これらの制御プログラムは、例えば、光受信機内部の記憶媒体、あるいは、外部の記憶媒体に記憶され、上記コンピュータ回路によって読み出され実行される。内部の記憶媒体としては、例えば、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等を挙げることができる。また、外部の記憶媒体としては、例えば、リムーバブルメディアやリムーバブルディスク等を挙げることができる。
尚、以上説明した第1〜第3の実施形態はあくまで一例であって、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。
また、本発明の「光受信方法」に関し、その処理の順番は、請求項の記載の順番に限定されることはない。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2011年4月21日に出願された日本出願特願2011−095190を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1 偏波ビームスプリッタ
2 局部発振光生成部
3 信号光受信部
4、5 90°ハイブリッド
6、7、8、9 光電気変換部
10 偏波再生部
11 復調処理部
12 係数算出部
13 偏波再生処理部
14 位相再生処理部
15 位相判定部
16 位相回転部
100 光受信機
101 分離手段
102 計算手段
103 合成手段
2 局部発振光生成部
3 信号光受信部
4、5 90°ハイブリッド
6、7、8、9 光電気変換部
10 偏波再生部
11 復調処理部
12 係数算出部
13 偏波再生処理部
14 位相再生処理部
15 位相判定部
16 位相回転部
100 光受信機
101 分離手段
102 計算手段
103 合成手段
Claims (9)
- 単一偏波の多値位相光信号を偏波が互いに直交する第1の光信号および第2の光信号に分離し、
前記第1の光信号のパワーと前記第2の光信号のパワーの比を計算し、
前記第1の光信号の位相と前記第2の光信号の位相との差を補償量として計算し、
前記比および前記補償量に基づいて前記第1の光信号と前記第2の光信号を最大比合成法にて合成し、
前記補償量を前記比に基づいて変化させることを特徴とする光受信方法。 - 前記第1の光信号のパワーが前記第2の光信号のパワーよりも大きい場合、前記補償量を前記差よりも小さくする請求項1記載の光受信方法。
- 前記合成した信号の位相を、変化後の前記補償量により補償するか否かを判断することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光受信方法。
- 前記判断は、前記差がランダムであるか否かを示す判定結果に基づいて行われることを特徴とする請求項5記載の光受信方法。
- 前記差がランダムであるか否かの判定は、前記パワー比および前記差の少なくとも一方に基づいて行われることを特徴とする請求項6記載の光受信方法。
- 単一偏波の多値位相光信号を偏波が互いに直交する第1の光信号および第2の光信号に分離する手段と、
前記第1の光信号のパワーと前記第2の光信号のパワーの比、および、前記第1の光信号の位相と前記第2の光信号の位相との差を補償量として計算する手段と、
前記比および前記補償量に基づいて前記第1の光信号と前記第2の光信号を最大比合成法にて合成する手段と、
を備え、
前記補償量を前記比に基づいて変化させることを特徴とする光受信機。 - 単一偏波の多値位相光信号を偏波が互いに直交する第1の光信号および第2の光信号に分離する機能と、
前記第1の光信号のパワーと前記第2の光信号のパワーの比を計算する機能と、
前記第1の光信号の位相と前記第2の光信号の位相との差を補償量として計算する機能と、
前記比および前記補償量に基づいて前記第1の光信号と前記第2の光信号を最大比合成法にて合成する機能と、
前記補償量を前記比に基づいて変化させる機能と、
を、光受信機のコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム、
を記憶したプログラム記憶媒体。
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- 2011-12-09 WO PCT/JP2011/079115 patent/WO2012144108A1/ja not_active Ceased
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| JPN6015029248; K.Kikuchi, S.Tsukamoto: 'Evaluation of Sensitivity of the Digital Coherent Receiver' Lightwave Technology, Journal of Vol.26,No.13, 200807, pp.1817-1822 * |
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