精製されたブロスタグランジン誘導体の製造方法 技術分野
本発明は、 精製されたプロスタグランジン誘導体の製造方法に関する。 背景技術
プロスタグランジン類 (以下、 ブロスタグランジンを P Gと記す) は、 1 96 0年に P G E i 、 P G E2 、 P G E3 、 P G F , a、 P G F 2 αおよび P GF3 aの 6種の構造が決定されてから、 P G類縁体の発見が相次ぎ、 また生理作用も 次々と明らかにされてきた。 具体的には、 血小板凝集抑制作用、 血管拡張性血圧 降下作用、 胃酸分泌抑制作用、 平滑筋収縮作用、 細胞保護作用、 および利尿作用 等の多彩な生理活性が明らかになつている。 そして、 P G類は、 心筋梗塞、 狭心 症、 動脈硬化、 高血圧症、 十二指腸潰瘍、 分娩誘発、 および妊娠中絶等の治療ま たは予防に有効な化合物群であることも明らかになつている。
—方、 文献では、 将来これら P G類の薬剤が占める役割が大きくなることが予 測されている。 P G類は典型的な局所ホルモンであり、 必要に応じて局所で作ら れ、 そして局所で作用するホルモンである。 このことから、 これらの P G関連薬 剤には、 ォータコィ ドとしての特性や、 化学的性質を考慮に入れた薬剤放出系 ( ドラッグデリバリーシステム) が必要であることが提案されている。 薬物放出系 は、 全身投与では効果が弱く、 全身性副作用が強く現れる欠点を有する薬剤を改 善するシステムである。 P G類の薬物放出系の一例として、 リピッド ' ミクロス フェア (以下、 LMという) を担体とした例がある。 この LMは、 実際には P G 類含有脂質の乳化微粒子であると考えられ、 脂肪乳剤とも称されている。 以下に おける脂肪乳剤一 P Gとは、 P G類等を含有する脂質の乳化物をいう。
従来より P G E , を直径 2 /zmの LMに封入した脂肪乳剤— P G E , からなる ターゲッ ト療法剤は、 生体内での安定性が高く、 P G E , 単独より強い血管拡張 作用や血小板凝集抑制作用を示すことが報告されている (S i m, A. . , e
t a 1. , Ar z n e i m- F o r s c h/D r u g R e s. , 1 206— 1 209 , 1 986) 。
しかし、 脂肪乳剤一 P GE , を生体に投与した場合には、 LMから PGE, が 大量に遊離する欠点がある。 そこで、 その遊離量を抑える研究が脂肪乳剤— P G E, エステル類を用いて検討された (五十嵐その他、 炎症、 8, 243 - 246 , 1 988) 。 具体的には、 まず P GE , エステル類に活性がないこと、 および P G E , エステル類は生体内のエステラーゼによりエステル結合が切断され、 P GE , となって活性を発揮すること (これを P G E, のプロドラッグという) を 確認したうえで、 脂肪乳剤- P GE, エステル類の血中での安定性が検討された 該検討では P G E, エステル類として、 メチルエステル、 ェチルエステル、 ブ チルエステル、 またはォクチルエステルが用いられた。 P G E , エステル類の活 性の指標としては、 血小板凝集抑制効果が用いられた。 また、 血中での脂肪乳剤 としての安定性は、 等張塩中でインキュベートしたときの P GE, エステル類の LMからの遊離を測定することにより評価された。 その結果、 P GE, エステル 類の L M製剤の保存安定性と有効性が確認された。
ところで、 脂肪乳剤の製造において、 脂肪乳剤 - P G E , の徐放性を高めるた めには、 分散媒に微細に分散させる必要がある。 その場合、 P GEi とその他の 材料を加熱溶解し、 それを 80〜90°C程度の高温下で水中にホモジナイズする 。 しかし、 このような高温下においては、 従来の P GE , は急速に分解する欠点 があった。 また、 従来の P GE , は保存安定性が低いために、 商品流通経路にお いても急速に分解する問題があった。 そこで、 高温下で製剤化しても安定性が良 好であり、 また流通経路においても保存安定性の向上した P GE, 類縁体の開発 が提案され、 たとえば、 9位カルボ二ル基をエノ一ルエステルに誘導体化した P GE , 類縁体が報告されている (特許第 2602964号) 。
これらの P G誘導体を合成する方法として、 有機銅反応剤を用いる方法がある 。 さらに該有機銅反応剤の反応溶媒への溶解性を向上させる目的で、 有機リン化 合物や有機ィォゥ化合物等を加えて、 これらの化合物を有機銅反応剤に配位させ る方法がある。 該方法で P G誘導体を合成した場合、 P G誘導体中には、 反応に
用いた化合物や、 該化合物に由来する副生成物が存在する。 これらを、 通常の抽 出操作等の後処理で除こうとする場合、 完全に除去することは困難であった。 ま た、 クロマトグラフィ等の精製法でこれらの化合物を除こうとする場合には、 ェ 程が増加し、 非効率的であり、 後処理工程で収率が下がる問題もあった。 発明の開示
すなわち本発明は、 上記の問題を解決するためになされたものであり、 アルキ ルリチウムと有機銅反応剤の作用のもとに、 下式 ( 1 ) で表されるアルケン類を 下式 (2 ) で表されるシクロペンテノンに付加反応させて付加体を生成させ、 つ ぎに該付加体に下式 (3 ) で表されるカルボン酸ハライ ド、 下式 (4 ) で表され るカルボン酸無水物、 または下式 ( 5 ) で表されるカルボン酸混成無水物を反応 させて、 下式 (6 ) で表されるプロスタグランジン誘導体を含む反応生成物を得 た後に、 該反応生成物を含窒素化合物で処理することを特徴とする、 精製された プロスタグランジン誘導体の製造方法を提供する。
R 1 : アルカノィル基、 または、 アルキル基部分にヘテロ原子を含むアルカノ ィル基。
R 2 : アルキル基、 または、 ヘテロ原子を含むアルキル基。
R 3 、 R 4 : それぞれ独立に、 水酸基の保護基または水素原子。
R 5 : アルキル基、 置換アルキル基、 シクロアルキル基、 置換シクロアルキル 基、 アルケニル基、 またはアルキニル基。
R 6 : アルカノィル基、 または、 アルキル基部分にヘテロ原子を含むアルカノ ィル基であり、 かつ、 R 1 とは異なる基。
Q : エチレン基またはビニレン基。
X 1 : ヨウ素原子または卜リアルキルスズ基。
X 2 : ハロゲン原子。 式 ( 1 ) で表されるアルケン類 (以下、 アルケン類 ( 1 ) ) のように記載する 。 他の化合物においても同様に記載する。 ) における X 1 は、 ヨウ素原子または 卜リアルキルスズ基を示し、 ト リアルキルスズ基としては、 トリプチルスズ基が 好ましい。 X 1 は、 ヨウ素原子が好ましい。
アルケン類 ( 1 ) における R 4 は、 水酸基の保護基または水素原子である。 水 酸基の保護基としては、 Greeneらによる著書 (Protective Groups in Organic S ynthesis, John Wiley & Sons, 1981 )記載の保護基を使用できる。 このうち、 水酸 基の保護基としては、 ァシル基 (たとえば、 低級アルキル基を含むアルカノィル 基であり、 好ましくはァセチル基等。 または芳香族環を含むァシル基であり、 好 ましくはベンゾィル基、 p —メチルベンゾィル基、 または P —フエニルベンゾィ ル基等。 ) 、 トリアルキルシリル基 (たとえば、 ト リメチルシリル基、 t 一プチ ルジメチルシリル基。 ) 、 トリァリールシリル基、 アルキルジァリ一ルシリル基 、 ァリ一ルジアルキルシリル基、 アルアルキル基 (たとえばベンジル基。 ) 、 お よびテトラヒ ドロビラニル基等が好ましい。
アルケン類 ( 1 ) における R 5 は、 アルキル基、 置換アルキル基、 シクロアル キル基、 置換シクロアルキル基、 アルケニル基、 またはアルキニル基である。
R 5 がアルキル基である場合には、 炭素数 3〜8の直鎖状または分岐状のアル キル基が好ましい。 該アルキル基の具体例としては、 ブチル基、 ペンチル基、 へ キシル基、 2—メチルへキシル基、 ヘプチル基、 ォクチル基等が挙げられる。
R 5 が置換アルキル基である場合には、 直鎖状または分岐状の炭素数 3〜8の 非置換アルキル基の水素原子の 1個以上が 1価置換基で置換された基、 または、 アルキル基の炭素-炭素結合間に 2価へテロ原子 (たとえばエーテル性酸素原子 、 チォエーテル性硫黄原子等。 ) が挿入された基が好ましい。 置換アルキル基に おける 1価置換基としては、 ハロゲン原子、 ハロゲン化アルキル基、 ァリール基 、 ハロゲン化ァリール基、 ァリールォキシ基、 ハロゲン化ァリールォキシ基が好 ましい。
置換アルキル基としての R 5 は、 ハロゲン化アルキル基 (たとえば、 モノハロ ゲン化アルキル基、 ジハロゲン化アルキル基等) 、 ァリールアルキル基、 (ハロ ゲン化ァリール) アルキル基、 フヱノキシアルキル基、 (ハロゲン化フヱノキシ ) アルキル基等が好ましく、 特に 1 一フルォロペンチル基、 1 , 1—ジフルォロ ペンチル基、 1 —フルオロー 2—メチルへキシル基、 フエノキシメチル基、 2— クロロフエノキシメチル基、 3—クロロフエノキシメチル基、 4ークロロフエノ キシメチル基、 1 ーフヱニルェチル基、 または 2—フエニルェチル基が好ましく 、 特にフエノキシメチル基、 クロ口フエノキシメチル基、 またはフエニルェチル 基が好ましい。
R 5 がシクロアルキル基である場合には、 環部分が炭素数 3〜8であるシクロ アルキル基が好ましい。 シクロアルキル基は、 環部分にアルキル基が結合したシ クロアルキル基であってよく、 該アルキル基としては、 炭素数 1〜8である直鎖 状または分岐状のァルキル基が挙げられる。 シクロアルキル基の具体例としては 、 シクロプロピル基、 シクロブチル基、 シクロペンチル基、 3—メチルシクロべ ンチル基、 3 —ェチルシクロペンチル基、 シクロへキシル基、 4ーメチルシクロ へキシル基、 シクロへプチル基、 およびシク口才クチル基等が挙げられる。
R 5 が置換シクロアルキル基である場合には、 前記シクロアルキル基の水素原 子の 1個以上が置換された基が好ましい。 置換基としてはハロゲン原子が好まし い。 置換シクロアルキル基の環部分は、 炭素数 3〜8であるのが好ましい。 該置 換シクロアルキル基の具体例としては、 2—フルォロシクロプロピル基、 3—フ ルォロシクロブチル基、 3—クロロシクロブチル基、 3—フルォロシクロペンチ ル基、 3—クロロシクロペンチル基、 (クロ口またはフルォロ) シクロへキシル
基、 (クロ口またはフルォロ) シクロへプチル基、 (クロ口またはフルォロ) シ クロォクチル基等が挙げられる。
R5 がアルケニル基である場合には、 炭素数 3〜8の直鎖状または分岐状のァ ルケニル基が好ましい。 該アルケニル基の具体例としては、 2—ブテニル基、 2 一ペンテュル基、 2—へキセニル基、 1—メチル— 2—へキセニル基、 2—ヘプ テュル基、 2—ォクテュル基、 2—メチル—4一へブテニル基等が挙げられる。
R5 がアルキニル基である場合には、 炭素数 3〜8の直鎖状または分岐状のァ ルキニル基が好ましい。 該アルキニル基の具体例としては、 2—プチ二ル基、 2 一ペンチニル基、 2—へキシニル基、 1—メチルー 3—ペンチニル基、 1—メチ ルー 3—へキシニル基、 1ーメチルー 3—ヘプチュル基等が挙げられる。
R5 中に不斉炭素が存在する場合、 該炭素原子の立体化学は Rであっても で あってもそれらが混合していてもよい。
アルケン類 ( 1 ) のうち X1 がヨウ素原子である場合の具体例としては、 下記 化合物が挙げられる。
( 1 E, 3 S ) 一 1—ョ一ド— 3— (t一プチルジメチルシ口キシ) 一才クタ - 1—ェン、
( 1 E, 3 R) 一 1—ョ一ド— 3— ( t—プチルジメチルシ口キシ) —ォクタ 一 1一ェン、
( 1 E, 3 S ) — 1一ョード— 3— (t一プチルジメチルシ口キシ) 一 4, 4 -ジフルォロ一ォクタ一 1一ェン、
( 1 E, 3 R) 一 1ーョ一ドー 3— ( t一ブチルジメチルシロキシ) —4, 4 ージフルオローォクタ一 1一ェン、
( 1 E , 3 S , 5 R) 一 1一ョ一ド— 3— ( t一プチルジメチルシ口キシ) 一 5, 9—ジメチルーデカー 1, 8—ジェン、
( 1 E, 3 S , 5 Rまたは 5 S) — 1—ョ一ドー 3— (t—プチルジメチルシ 口キシ) 一 5—メチルーノナー 1 —ェン、
( 1 E, 3 S , 4 Rまたは 4 S) — 1—ョ一ドー 3— (t—プチルジメチルシ 口キシ) 一 4一メチル一才クタ一 1一ェン一 6—イ ン、
( I E, 3 S , 4 Rまたは 4 S) — 1—ョ一ドー 3— (t—ブチルジメチルシ 口キシ) — 4一メチル一ノナ一 1一ェン一 6—イン。
アルケン類 ( 1 ) のうち X1 がトリアルキルスズ基である場合の具体例として は、 下記化合物が挙げられる。
( 1 E, 3 S ) — 1一トリブチルスタニル— 3— ( t—プチルジメチルシロキ シ) 一才クタ一 1—ェン、
( 1 E, 3 R) — 1一 トリプチルスタニル— 3— ( t一プチルジメチルシロキ シ) 一ォクタ一 1—ェン、
( 1 E, 3 S ) 一 1— 卜リブチルスタニル— 3— ( t—ブチルジメチルシロキ シ) 一 4, 4ージフルオローォクター 1一ェン、
( 1 E , 3 R ) — 1—トリブチルスタニル— 3— ( t—ブチルジメチルシロキ シ) 一 4, 4ージフルオローォク夕一 1一ェン、
( 1 E, 3 S , 5 Rまたは 5 S) — 1— ト リプチルス夕ニル— 3— (t—プチ ルジメチルシ口キシ) — 5, 9一ジメチルーデカ— 1, 8—ジェン、
( 1 E, 3 S , 5 Rまたは 5 S) — 1一 トリプチルス夕二ルー 3— (t—プチ ルジメチルシ口キシ) 一 5—メチルーノナー 1一ェン、
( 1 E, 3 S , 4 Rまたは 4 S) — 1一 卜 リブチルス夕二ルー 3— (t—プチ ルジメチルシ口キシ) 一 4一メチル—ォク夕— 1一ェン— 6—イン、
( 1 E, 3 S , 41^または4 ) 一 1一 ト リプチルス夕二ルー 3— (t—プチ ルジメチルシ口キシ) 一 4ーメチルーノナ— 1—ェン— 6—イン。
アルキルリチウムとしては、 t—ブチルリチウムが好ましい。 アルキルリチウ ム量は、 アルケン類 ( 1 ) に対して 0. 5〜 1 0倍モルが好ましく、 特に 1〜2 倍モルが好ましい。
有機銅反応剤としては、 トリアルキルホスフィ ン—ヨウ化銅 ( I ) 錯体が好ま しく、 特に卜リ (n—プチル) ホスフィ ン—ヨウ化銅 ( I ) 錯体が好ましい。 有 機銅反応剤の量は、 アルケン類 ( 1 ) に対して 0. 2〜4倍当量が好ましく、 特 に 0. 5〜2倍当量が好ましい。 また、 有機銅反応剤の溶解性を改善する目的で 、 反応系中に、 有機リ ン化合物や有機硫黄化合物を加えてもよい。 有機リ ン化合 物としては、 トリアルキルホスフィ ンが好ましく、 トリ (n—プチル) ホスフィ
ンが好ましい。 有機硫黄化合物としては、 ジメチルスルフィ ド、 ジェチルスルフ ィ ド、 ジフニニルスルフィ ドが好ましい。 有機リン化合物または有機硫黄化合物 の量は、 有機銅反応剤に対して 0 . 8〜 1 . 2倍当量が好ましい。
本発明においては、 アルキルリチウムおよび有機銅反応剤の作用のもとに、 ァ ルケン類 ( 1 ) をシクロペンテノン ( 2 ) に付加反応させる。
式 (2 ) における R 2 がアルキル基である場合には、 炭素数 1〜8のアルキル 基が好ましく、 特に炭素数 1〜5のアルキル基が好ましい。 該アルキル基は直鎖 状であっても分岐状であってもよい。 R 2 としては、 特にメチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 イソプロピル基、 n —ブチル基、 イソブチル基, t—ブチル基 、 n—ペンチル基、 n—へキシル基、 または n—へプチル基が好ましく、 とりわ け、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 イソプロピル基、 n —ブチル基、 ま たは n —ペンチル基が好ましい。
R 2 がへテロ原子を含むアルキル基の場合には、 アルキル基の水素原子の 1個 以上がヘテロ原子を含む 1価基で置換された基が好ましい。 ヘテロ原子を含む 1 価基としては、 水酸基、 アルコキシ基、 カルボキシル基、 アミノ基、 またはカル バモイル基等からなる 1価基、 またはこれらを含む 1価基が好ましい。 また、 へ テロ原子を含むアルキル基のアルキル基部分は、 直鎖状であっても分岐状であつ てもよい。
ヘテロ原子を含むアルキル基である R 2 としては、 2—メ トキシェチル基、 3 ーメ 卜キシプロピル基、 2 —ヒ ドロキシェチル基、 3 —ヒ ドロキシプロピル基、 カルボキシメチル基、 2—カルボキシェチル基、 メ トキシカルボニルメチル基、 エトキシカルボニルメチル基、 力ルバモイルメチル基、 (ジメチルカルバモイル ) メチル基、 2— (ジメチルカルバモイル) ェチル基、 2— (ジメチルァミノ) ェチル基、 または 3— (ジメチルァミノ) プロピル基が好ましい。
R 2 としては、 ヘテロ原子を含むアルキル基が好ましく、 アルキル基部分の炭 素数が 1〜8である該基がより好ましく、 アルキル基部分の炭素数が 1〜5であ る該基が特に好ましい。
式 ( 2 ) における R 3 は水酸基の保護基または水素原子を示し、 水酸基の保護 基としては、 R 4 と同様の基が好ましい。 R 3 と R 4 とは、 同一であっても異な
つていてもよい。
式 (2) における Qは、 エチレン基 (一 CH2 C H2 —) またはビニレン基 ( 一 CH = CH— ) を示す。 Qがビニレン基である場合、 該二重結合は、 卜ランス 二重結合であってもシス二重結合であってもよく、 トランス二重結合が好ましい シクロペンテノン (2) には、 プロスタン酸を基本骨格とする P Gの炭素原子 番号で 1 1位に不斉炭素原子が存在するが、 その絶対配置は特に限定されない。 本発明においては、 アルキルリチウムと有機銅反応剤の作用のもとに、 ァルケ ン類 ( 1 ) とシクロペンテノン (2) を反応させて付加体を生成させる。 ァルケ ン類 ( 1 ) の量は、 シクロペンテノン ( 2 ) に対して 0. 5〜 1 0倍モルとする のが好ましい。
該付加反応は、 以下のメカニズムで進行すると考えられる。 すなわち、 ァルケ ン類 ( 1 ) がアルキルリチウムと反応することにより リチォ化され、 アルケン類 ( 1 ) 中の一 X 1 がー L iに置換された 1ーリチオアルケン類となる。 そして、 該 1—リチオアルケン類と有機銅反応剤とが反応することにより、 1—リチオア ルケン類の末端— L iが銅原子において錯体化したオルガノ銅が生成する。 つぎ にこのオルガノ銅がシクロペンテノン ( 2 ) に 1, 4—共役付加し、 付加体が生 成する、 と考えられる。
該反応は不活性溶媒の存在下に実施するのが好ましい。 不活性溶媒としては、 非プロトン系の溶媒が好ましく、 へキサン、 ヘプタン、 シクロへキサン、 ジメチ ルエーテル、 ジェチルェ—テル、 ジォクチルェ—テル、 t一ブチルメチルェ―テ ル、 テトラヒ ドロフラン、 および 1, 4—ジォキサン等が好ましく、 特にテトラ ヒドロフランまたはジェチルェ一テルが好ましい。 不活性溶媒を用いる場合の量 は、 アルケン類 ( 1 ) に対して 1〜500倍重量が好ましく、 特に 1 0〜 1 00 倍重量が好ましい。
該付加反応の反応温度は一 95°C〜十 50°Cが好ましく、 特に一 78°C〜十 2 0°Cが好ましい。 さらに反応時間は 0. 1〜20時間が好ましい。 該付加反応に より得られた付加体は、 必要に応じて単離してもよいが、 本発明においては、 付
_ 加体を取り出さずに次の反応 (以下、 第 2工程ともいう) にそのまま用いるのが 好ましい。
第 2工程では、 付加体に、 カルボン酸ハライ ド (3) 、 カルボン酸無水物 (4 ) 、 またはカルボン酸混成無水物 (5) を反応させて、 P G誘導体 (6) とする 。 カルボン酸ハライ ド (3) 、 カルボン酸無水物 (4) 、 またはカルボン酸混成 無水物 (5) の量は、 シクロペンテノン (2) に対して 0. 5〜50倍モルとす るのが好ましい。 この方法においては、 類似骨格を有する公知化合物において知 られる方法 (Sih,et al. , J. Am. Chem. Soc. , 110, 3588, 1988 ) の条件をそのまま適 用できる。
カルボン酸ハライ ド (3) 、 カルボン酸無水物 (4) 、 またはカルボン酸混成 無水物 (5) における R 1 はアルカノィル基またはアルキル基部分にヘテロ原子 を含むアル力ノィル基である。
R 1 がアルカノィル基である場合には、 炭素数 2〜6のアルカノィル基が好ま しく、 特に炭素数 2〜4のアルカノィル基が好ましく、 とりわけ、 ァセチル基、 プロピオニル基、 イソプロピオニル基、 またはブタノィル基が好ましい。
また、 R 1 がアルキル基部分にヘテロ原子を含むアルカノィル基 (以下、 置換 アルカノィル基と記す。 ) としては、 アルキル基部分の水素原子の 1個以上が、 ヘテロ原子を含む 1価基で置換された置換アル力ノィル基が好ましい。 該ヘテロ 原子を含む 1価基としては、 水酸基、 アルコキシ基、 カルボキシル基、 アミノ基 、 または力ルバモイル基、 またはこれらの基を含む 1価基が好ましい。
R 1 がアルカノィル基である場合は、 つぎの態様が好ましい。 すなわち、 カル ボン酸無水物 (4) としては無水酢酸または無水酪酸が好ましい。 カルボン酸混 成無水物 (5) における R 6 は、 アルカノィル基、 または、 アルキル基部分にへ テロ原子を含むアルカノィル基であり、 かつ、 R ' とは異なる基であり、 R1 の 具体例にある基と同様のアルカノィル基が好ましい。 カルボン酸混成無水物 (5 ) としては、 酢酸ビバリン酸混成無水物 (R 1 がァセチル基であり、 R6 がビバ ロイル基である化合物) または酪酸ビバリン酸混成無水物 (R 1 がプチリル基で あり、 R6 がビバロイル基である化合物) が好ましい。 カルボン酸ハライ ド (3 ) における X2 は塩素原子が好ましく、 カルボン酸ハライ ドとしては、 酢酸クロ
リ ドまたは酪酸クロリ ドが好ましい。
また、 R 1 がへテロ原子を含むアルカノィル基の場合、 カルボン酸ハライ ド ( 3) またはカルボン酸無水物 (4) が好ましく、 特に 2—メ 卜キシプロピオン酸 無水物、 2—メ トキシプロピオン酸クロリ ド、 3—メ 卜キシプロピオン酸無水物 、 3—メ トキシプロピオン酸クロリ ド、 2— 卜リメチルシロキシプロピオン酸無 水物、 2— トリメチルシロキシプロピオン酸クロリ ド、 3— ト リメチルシロキシ 酪酸無水物、 3— トリメチルシロキシ酩酸クロリ ド、 トリメチルシロキシカルボ 二ル酢酸無水物、 トリメチルシロキシカルボ二ル酢酸クロリ ド、 メ トキシカルボ ニル酢酸無水物、 メ トキシカルボニル酢酸クロリ ド、 エトキシカルボニル酢酸無 水物、 エトキシカルボニル酢酸クロリ ド、 ジメチルァミノ酢酸無水物、 4一 (ジ メチルァミノ) 酪酸クロリ ド、 3— (ジメチルァミノ) プロピオン酸無水物、 ま たは 3— (ジメチルァミノ) プロピオン酸クロリ ドが好ましい。
第 2工程の反応においては反応溶媒を用いるのが好ましい。 反応溶媒としては 非プロ トン系の溶媒が好ましい。 反応溶媒としては、 へキサン、 ヘプタン、 シク 口へキサン、 ジメチルェ一テル、 ジェチルエーテル、 ジォクチルエーテル、 t— プチルメチルェ一テル、 テ卜ラヒ ドロフラン、 および 1 , 4一ジォキサン等が好 ましく、 特にテトラヒ ドロフランやジェチルェ一テルが好ましい。 本発明におい ては、 付加反応後に付加体を取り出さずに、 カルボン酸ハライ ド (3) 、 カルボ ン酸無水物 (4) 、 またはカルボン酸混成無水物 ( 5) を反応させるのが好まし いことから、 反応溶媒を用いる場合には、 付加反応における反応溶媒 同一の溶 媒を用いるのが好ましい。 反応溶媒は 1種または 2種以上を使用できる。
反応溶媒量はアルケン類 ( 1 ) に対して 1〜500倍重量とするのが好ましい 。 また、 上記反応の反応温度は、 - 78°C〜溶媒還流程度の温度の範囲が採用さ れ、 好ましくは— 78°C〜室温付近の温度である。 反応時間は 0. 5〜48時間 が好ましい。
上記の反応では、 P G誘導体 ( 6) を含む反応生成物が生成する。
式 (6) における R 1 、 R2 、 R5 、 および Qとしては、 上記と同じ意味を示 し、 好ましい態様も同じである。 R3 および R4 は、 水酸基の保護基または水素 原子である。 医薬として有用な P G誘導体 ( 6) は、 R3 および R4 の両方が水
—素原子である化合物であるが、 R3 および Zまたは R< が水酸基の保護基である 場合には、 脱保護せずに含窒素化合物で処理するのが好ましい。
R3 および Zまたは が水酸基の保護基である P G誘導体 (6) は、 式 (6 a) で表される。
ただし、 式中の記号は以下の意味を示す。
R 1 、 R2 、 R5 、 Q :上記と同じ意味を示す。
R3°、 R4°: それぞれ水酸基の保護基または水素原子であり、 いずれか一方は 水酸基の保護基である。
R3°、 R4°が、 それぞれ水酸基の保護基である場合の具体例としては、 R3 が 水酸基の保護基である場合と同様の基が挙げられる。 また P G誘導体 (6) 、 ま たは式 (6 a) で表される化合物は、 その 1 1、 1 2、 1 5位に不斉炭素原子を 有するため各種の立体異性体が存在するが、 本発明はそのいずれの P G誘導体で あっても、 さらにそれらの混合物であってもよい。
本発明においては、 上記の反応で得られた P G誘導体 (6) を含む反応生成物 を含窒素化合物で処理する。
含窒素化合物としては、 有機カルボン酸アミ ド化合物、 有機チォゥレア化合物 、 有機亜リン酸トリアミ ド化合物、 有機リン酸ト リアミ ド化合物、 有機アミン化 合物、 またはへテロ原子として窒素原子を有する芳香族へテロ環化合物が好まし い。
有機カルボン酸アミ ド化合物としては、 N, N—ジメチルホルムアミ ド、 N, N—ジメチルァセトアミ ド、 ゥレア、 1, 3—ジメチルゥレア、 1, 1, 3 , 3 —テトラメチルゥレア、 または 1 , 3—ジメチルー 2—イミダゾリジノン等が好 ましい。
有機チ才ゥレア化合物としては、 チォゥレア、 1 , 3—ジメチルー 2—チォゥ レア、 1, 1 , 3 , 3—テトラメチルー 2—チォゥレア等が好ましい。
有機亜リン酸ト リアミ ド化合物としては、 へキサメチル亜リン酸トリアミ ド、 へキサェチル亜リン酸トリアミ ド等が好ましい。
有機リン酸ト リアミ ド化合物としては、 へキサメチルリン酸トリアミ ド、 へキ サェチルリン酸ト リアミ ド等が好ましい。
有機アミン化合物とは、 第 1、 第 2、 または第 3アミノ基を有する有機アミン 化合物であり、 該ァミノ基に結合する基としては直鎖の脂肪族基、 分枝の脂肪族 基、 脂環式炭化水素基、 または芳香族炭化水素基が好ましい。 有機アミン化合物 としては、 たとえば、 ト リメチルァミン、 ト リェチルァミン、 トリイソプロピル ァミン、 卜 リブチルァミン、 トリオクチルァミン、 シクロへキシルァミン、 ピロ リジン、 ピぺリジン、 および N—メチルシクロへキシルァミン、 ァニリン、 N— メチルァニリン、 N , N—ジメチルァニリンが好ましい。
また、 ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族へテロ環化合物としてはピリ ジン化合物またはピリミジン化合物が好ましく、 特に下式 ( 7 ) で表される化合 物が好ましい。
R 7 、 R 8 : それぞれ独立に、 水素原子またはアルキル基。
Y 1 、 Y 2 : それぞれ独立に、 窒素原子または C H。 ただし、 R 7 が結合して いる Y 1 は Cであり、 R 8 が結合している Y 2 は Cである。
n : 0〜5の整数。
m : 0〜3の整数。
R 7 がアルキル基である場合には、 炭素数 1〜5のアルキル基が好ましく、 特 にメチル基、 ェチル基、 またはプロピル基等が好ましい。
式 ( 7 ) で表される化合物としては、 ピリジン、 2—メチルピリジン、 3—メ チルピリジン、 4一メチルピリジン、 2—ェチルピリジン、 ビビリジル (たとえ
一 ば、 2, 2 ' —ビビリジル) 、 ビス ( 2—ピリジル) メタン、 1, 2—ビス (2 —ピリジル) ェタン、 1 , 3—ビス (2—ピリジル) プロパン、 6, 6 ' —ビス (2—メチルピリジル) 、 および 2, 2 * —ビス (4—メチルピリジル) 等が挙 げられる。
含窒素化合物としては、 ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族へテロ環化 合物が好ましく、 特に式 (7) で表される化合物が好ましい。
含窒素化合物は、 カルボン酸ハライ ド (3) 、 カルボン酸無水物 (4) 、 また はカルボン酸混成無水物 (5) を反応させた直後の反応粗生成物、 または、 該反 応粗生成物を通常の精製手段 (たとえば、 ろ過、 カラムクロマトグラフィ等) に 付したもの (以下、 これらを反応生成物と総称する。 ) を処理する。
含窒素化合物を処理する具体的な方法としては、 反応生成物と含窒素化合物と を混合して撹拌する方法が挙げられ、 該方法により反応生成物中の不純物、 特に 反応に用いた有機銅反応剤または有機銅反応剤に由来する副生成物を除去できる 。 該除去は、 含窒素化合物と、 有機銅反応剤や副生成物がキレートを形成するこ とによると考えられる。 含窒素化合物と有機銅化合物がキレートを生成すること は、 すでに文献 (D.Purdie and A. F.Wells, J.Chem. Soc. , 1503, 1936. ) において 知られているが、 これを精製方法に応用することに本発明の特徴がある。 該精製 方法においては、 目的化合物の生成に悪影響を与えることなく、 不必要な不純物 のみを効率的に除去できる。
含窒素化合物の量は、 反応に用いた有機銅反応剤に対して、 1〜1 00倍モル が好ましい。 また、 含窒素化合物を処理する際の温度は、 - 2 0°C〜室温付近の 温度が好ましく、 撹拌する場合の撹拌時間は、 0. 1〜24時間が好ましい。 含窒素化合物を作用させた後の反応生成物は、 反応溶媒等を留去し、 つぎに通 常の精製手段 (たとえば、 シリカゲルクロマトグラフィ等) で精製するのが好ま しい。 通常の精製手段により、 目的化合物中の有機銅反応剤または有機銅反応剤 に由来する副生成物を、 充分に減少させうる。
上記の方法により、 精製された P G誘導体 (6) が得られる。 本発明の方法に より、 精製された P G誘導体 (6) に対する銅含量は、 約 0〜1 O O p pm程度 にまで減少させうる。 さらに、 精製された P G誘導体が、 R3 および または R
4 が水酸基の保護基である P G誘導体 † a) である場合には、 含窒素化合物を 作用させた後に必要に応じて脱保護反応を行ってもよい。 脱保護反応は、 公知の 方法により実施でき、 たとえば Greeneらによる著書 (Protective Groups in Org anic Synthesis, John Wiley & Sons, 1981 ) に記載の方法により精製された脱保 護体 (6 b) が得られる。
1^ 、 2 、 1^5 、 01:式 (6 a) の場合と同じ。
R31、 R41 :それぞれ R31は R3。に、 R41は R4°に対応する基であり、 それぞ れ独立に、 水酸基の保護基または水素原子であり、 水酸基の保護基である R3°、 R4°に対応する R31、 R4'の少なくとも 1つは水素原子であり、 水素原子である R3 、 R4 に対応する R31、 R41は水素原子。
本発明の方法により得られる精製された P G誘導体 ( 6) は、 反応に用いた有 機銅反応剤または該反応剤由来の不純物が効率的に除かれた純度の高い化合物で ある。
該 P G誘導体 (6) としては、 下記化合物が挙げられる。
ブチル 9—ブ夕ノィルォキシー 1 1 α, 1 5 S—ジヒ ドロキシプロスター 8 , 1 3 Ε—ジェン一 1—ォアート (式 (6) において R 1 と R2 がブチル基であ り、 R3 と R4 が水素原子であり、 Qがエチレン基、 R5 が η—ペンチル基であ る化合物。 ) 、
ブチル 9ーブタノィル才キシー 1 1 α, 1 5 S—ビス ( tーブチルジメチル シロキシ) プロス夕一 8, 1 3 E—ジェン— 1 —オア一卜、
メチル 9一ァセ卜キシ— 1 1 α, 1 5 S—ビス ( tーブチルジメチルシロキ シ) 一 1 7 S, 20—ジメチルプロスター 8, 1 3 E—ジェン一 1—ォアート、
メチル 9ーァセトキシ一 1 1 α, 1 5 S—ジヒ ドロキシー 1 7 S, 20—ジ メチルプロスター 8, 1 3 E—ジェン一 1—オア一卜、
メチル 9一ァセ卜キシー 1 1 α, 1 5 S—ビス ( t—ブチルジメチルシロキ シ) プロスター 8, 1 3 E—ジェン一 1—オア一ト、
メチル 9—ァセトキシ— 1 1 α, 1 5 S—ジヒ ドロキシプロス夕一 8, 1 3 Ε -ジェン一 1—オア一ト、
ブチル 9ーァセトキシー 1 1 α, 1 5 S—ジヒ ドロキシ— 1 7 S, 20—ジ メチルプロス夕— 8, 1 3 Ε—ジェン— 1一オア一ト、
ブチル 9ーァセトキシ— 1 1 α, 1 5 S—ビス ( t—ブチルジメチルシロキ シ) 一 1 7 S, 20—ジメチルプロス夕一 8, 1 3 E—ジェン一 1一オア一ト、 ブチル 9—ァセ卜キシー 1 1 α、 1 5 S—ビス ( t—ブチルジメチルシロキ シ) 一プロスター 8, 1 3 E—ジェン— 1 一才ァ一卜。
本発明により得られた、 精製された P G誘導体は、 そのまま、 またはこれを含 む医薬組成物として用いることができる。 該 P G誘導体は、 心筋梗塞、 狭心症、 動脈硬化、 高血圧症、 十二指腸潰瘍、 分娩誘発、 妊娠中絶等の治療または予防に 有効であることから、 精製された P G誘導体は、 これらの治療または予防剤とし て用いうる。
発明を実施するための最良の形態
以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、 本発明はこれらにより限 定されない。 なお、 以下において銅含量は、 誘導結合プラズマ発光分光法により 測定した。
[例 1 ] 精製されたブチル 9—ブタノィルォキシー 1 1 a , 1 5 S—ジヒドロ キシプロスタ— 8 , 1 3 E—ジェン— 1 —ォアートの合成例
( 1 Ε, 3 S) 一 1 —ョ一ドー 3— ( t—ブチルジメチルシロキシ) — 1 —ノ ネン ( 1 . 1 2 g、 3. 0 3 mm o 1 ) のエーテル ( 2. 54 m l ) 溶液を— Ί 8°Cに冷却し、 窒素気流下で t一ブチルリチウム ( 1 . 4 8 Mペンタン溶液 3. 84 m l 、 5. 6 9 mm o 1 ) を滴下した。 同温度で 2時間撹拌した後、 トリ ( n—ブチル) ホスフィン―ョゥ化銅 ( I ) 錯体 ( 1 . 04 g、 2. 8 1 mm o 1 ) 、 トリ (n—ブチル) ホスフィン (◦ . 6 9 m l 、 2. 7 6 mm o 1 ) のェ一 テル ( 2. 0 2 m 1 ) 溶液を滴下した。 — 7 8°Cで 5 0分間撹拌した後、 (4 R ) — t一ブチルジメチルシロキシー 2 — ( 6—ブトキシカルボ二ルへキシル) 一 2—シクロペンテン— 1 —オン ( 1 . 0 g、 2. 5 3 mm o 1 ) のエーテル (8 . 0 7 m l ) 溶液を滴下した。 — 7 8°Cで 3 0分、 さらに + 3 0 °C〜― 2 0 °Cで 3 0分撹拌して付加体を得た。 .
該付加体に無水酪酸 ( 1 . 1 2 m l 、 6. 8 3 mm o 1 ) を 0°Cで滴下し、 0 C〜室温で 2時間撹拌した。 飽和硫酸アンモニゥム水溶液 (4 3 m l ) に注ぎ、 有機層と分離した後、 水層をエーテル ( 2 1 m l ) で抽出し、 合わせた有機層を 無水硫酸マグネシウムで乾燥し反応生成物を得た (該反応生成物中の銅含量 1〜 3 %) 。 反応生成物をろ過後、 2 , 2 ' —ビビリジル (2. 0 6 g、 1 3. 2 m mo 1 ) を添加し、 5分撹拌した。 溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲ ルカラムクロマトグラフィー (へキサン :酢酸ェチル = 5 0 : 1〜2 0 : 1 (容 積比) ) で精製し、 保護基を有する P G誘導体であるブチル 9—ブタノィルォ キシ— 1 1 α, 1 5 S—ビス (t一ブチルジメチルシロキシ) プロスター 8, 1 3 E—ジェン一 1 一オア一卜を得た (0. 84 g、 収率 4 6. 9 %、 銅含量 5 9 P P m ) 。
-賺(CDC13): 80.0-0.1 (12H,m) , 0.8-1.0 (27Η, m) , 1.1-1.8 (22Η, m) , 2.0 (2Η, m)
, 2.25 (2H, t, J= 7.5Hz), 2.39 (3H, m),2.8 (1H, m) , 3.05(1H, m) , 4.05-4.15 (4H, m) , 5.3 -5.6(2H,m).
つぎに保護基を有する P G誘導体 (700 m g、 0. 99mmo l ) をァセト 二トリル ( 8. 3 2 m 1 ) に溶解し、 0 °Cで 46 %フッ化水素酸水溶液 ( 2. 6 2 m l ) を加え、 同温度で 1時間撹拌した。 反応液を 20%炭酸カリウム水溶液 (29 m l ) と塩化メチレン (5. 9m l ) の混液に注ぎ、 有機層と分離した後 、 水層を塩化メチレン (7. 75m l ) で抽出し、 合わせた有機層を無水硫酸マ グネシゥムで乾燥ろ過し、 溶媒を減圧留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマ トグラフィ一 (へキサン :酢酸ェチル = 2 : 1〜 1 : 1〜 1 : 2 (容積比) ) で 精製し、 表掲化合物を得た ( 293 m g、 収率 6 1. 7%、 銅含量 7 p pm) 。
'Η -匪 R(CDC13): δ 0.85-1.05 (9Η, m) , 1.2-1.8 (22H, m) , 2.05 (2Η, m) , 2.25(2Η, t, J = 7.5Hz),2.35-2.45 (3H,m),2.88(lH,m),3.05(lH,m),4.05-4.15(4H,m),5.4-5.65( 2H,m).
[例 2 ] 精製されたメチル 9—ァセトキシー 1 1 α, 1 5—ビス (t一ブチル ジメチルシロキシ) プロス夕— 8, 1 3 E—ジェン一 1 —オア一卜の合成例 例 1の (4 R) — t一ブチルジメチルシロキシー 2— (6—ブトキシカルボ二 ルへキシル) 一 2—シクロペンテン— 1 一オンの代わりに、 (4 R) — tーブチ ルジメチルシ口キシー 2— ( 6—メ 卜キシカルボ二ルへキシル) — 2—シクロべ ンテン— 1 一オンを、 無水酪酸の代わりに無水酢酸を用い、 同様の反応を行い、 メチル 9—ァセトキシ— 1 1 α, 1 5 S—ビス ( tーブチルジメチルシロキシ ) プロスター 8 , 1 3 E—ジェン— 1 一オア一卜を得た (銅含量 5 p pm) 。
Ή-NMR (CDCU): δ 0.0-0.1 (15H,m) , 0.7-0.8(18Η, m) , 1.1-2.4 (21H, m), 2.0 (3Η, m) , 2.65-2.95 (2H, m), 3.55 (3H, s), 3.95-4.00 (2H, m), 5.20-5.50 (2H, m) .
[例 3 (比較例) ]
例 1において、 2 , 2 ' —ビビリジル ( 2. 06 g、 1 3. 2 mmo l ) を添 加して 5分撹拌する工程を省略すること以外は、 例 1 と同様に実施した。 最終化 合物中の銅含量は 2 6 p pmであった。
本発明方法によれば、 骨格形成反応に用いる有機銅反応剤に由来する銅化合物 を、 簡便な方法で、 効率的に除去できる。 得られた P G誘導体 (式 6) 中に含ま れる銅含量は、 きわめて少量にできるため、 P G誘導体 (式 6) は、 そのまま医 薬品の原料として用いうる。