技術分野
[0001] 本発明は、顕微鏡装置に関する。
背景技術
[0002] 近年、バイオテクノロジーの著しい進展に伴レ、、生物試料をそのままの状態で長時 間観察したり画像を記録したいという要望が高まっている。生物試料を入れた容器は 明
「培地」と呼ばれる生息に必要な成分を含んだ液体を充満し、 37°C程度の温度、 10 田
0%に近い高湿度に保持される。
[0003] 特開平 5-26802号公報には、試料室の温度と湿度の両方を一定に保持し、観察 窓を通して試料室内の試料を顕微鏡観察できるようにした恒温加湿槽が開示されて いる。この恒温加湿槽は、観察窓の結露防止のために発熱体を具備している。 発明の開示
[0004] し力、しながら、このような装置においては恒温加湿槽と顕微鏡との間に温度差がある ために、顕微鏡の構成部品に熱変形を生じて、時間経過とともに焦点面が変動する という問題があった。
[0005] 本発明は、生物試料を良好な状態で観察できる顕微鏡装置を提供する。
本発明の一の形態による顕微鏡装置は、標本用容器が載置される載置台と、標本用 容器内の標本を照明する照明装置と、標本用容器の下方力 標本を観察する観察 光学系と、標本の観察位置を変更するように、観察光学系の少なくとも一部を顕微鏡 本体に対して観察光学系の光軸の略垂直方向に移動する駆動装置とを備え、載置 台および照明装置は、顕微鏡本体に対して固定されている。顕微鏡装置は、観察光 学系を収納する筐体と、載置台を含み、標本用容器を出し入れする開閉蓋を有する 気密構造の試料室と、試料室の温度および湿度を制御するとともに、筐体内の温度 を制御する環境制御部とを備えてもょレ、。
[0006] 本発明の二の形態による顕微鏡装置は、標本用容器内の標本を観察する観察光学 系と、観察光学系を収納する筐体と、標本用容器を載置する載置台を含み、標本用
容器を出し入れする開閉蓋を有する気密構造の試料室と、試料室の温度および湿 度を制御するとともに、筐体内の温度を制御する環境制御部とを備える。試料室が開 閉蓋以外の面において筐体と結合することにより、筐体は密閉されることが好ましい。 筐体は、観察光路上に透明部材が設けられた面を有し、試料室は、観察光路上に 透明部材が設けられた面を有し、透明部材が設けられた筐体の面と、透明部材が設 けられた試料室の面とが光学的に結合することが好ましい。筐体と結合し、筐体を密 閉する試料室の前記面には、その全面または一部に標本を顕微鏡観察するための 観察窓が形成されるようにしてもょレ、。
[0007] 照明装置は、開閉蓋に取り付けられることが好ましい。筐体の気密性は、試料室の気 密性よりも低くてもよい。駆動装置は、筐体内に収納されてもよい。
[0008] 観察光学系は、第 1対物レンズおよび第 2対物レンズから構成される無限遠光学系 からなり、第 1対物レンズは、筐体内に収納されるとともに、駆動装置によって移動さ れ、第 2対物レンズは、筐体外に配置され、第 2対物レンズの口径は、第 1対物レンズ が光軸に略垂直方向に移動した場合に、その移動量を許容する大きさを有すること が好ましい。
[0009] 一の形態による顕微鏡装置は、標本用容器を収める気密構造の試料室と、試料室 の温度および湿度を制御する環境制御部とをさらに備えてもよい。
[0010] 観察光学系は、無限遠系対物レンズ、および対物レンズからの平行光束を観察像 として結像する結像光学系を有し、駆動装置は、対物レンズの有効視野内にある標 本から平行光束の中心の光が結像光学系の入射瞳を通過するように、観察光学系 の一部の移動範囲を制御するようにしてもよい。
[0011] 観察光学系を予め設定された基準位置に位置決めするように駆動装置を制御する 制御装置をさらに備えることが好ましい。駆動装置を制御する制御装置をさらに備え 、載置台には、複数の標本用容器を載置するための複数の載置部が形成され、制御 装置は、複数の載置部に対応して予め設定された複数の基準位置に観察光学系を 位置決めするように、制御装置を制御するようにしてもょレ、。
図面の簡単な説明
[0012] [図 1]図 1は、本発明の第 1の実施の形態に係る顕微鏡装置の構成を模式的に示す
全体構成図である。
[図 2]図 2は、第 1の実施の形態に係る顕微鏡装置に環境制御装置を接続した状態 を示す全体構成図である。
[図 3]図 3は、本発明の第 2の実施の形態に係る顕微鏡装置の構成を模式的に示す 全体構成図である。
[図 4]図 4は、顕微鏡装置の試料室の開閉構造を説明する部分構成図である。
[図 5]図 5は、第 1の実施の形態の変形例であり、光学顕微鏡装置の構成を模式的に 示す全体構成図である。
[図 6]図 6は、第 3の実施の形態による顕微鏡装置の構成を模式的に示す全体構成 図である。
[図 7]図 7は、検出器から出力される信号を説明する図である。
[図 8]図 8は、第 4の実施の形態による顕微鏡装置の構成を模式的に示す全体構成 図である。
[図 9]図 9は、第 4の実施の形態の変形例による顕微鏡装置の構成を示す図である。
[図 10]図 10は、第 5の実施の形態による顕微鏡装置の構成を模式的に示す全体構 成図である。
[図 11]図 11は、ミラーの配置を示す斜視図である。
[図 12]図 12は、第 6の実施の形態による顕微鏡装置の構成を模式的に示す全体構 成図である。
[図 13]図 13は、第 6の実施の形態の変形例 1を示す図である。
[図 14]図 14 (a) (b)は、第 6の実施の形態の変形例 2による顕微鏡装置の平面図お よび培養容器の平面図である。
発明を実施するための最良の形態
一第 1の実施の形態一
以下、本発明の第 1の実施の形態による顕微鏡装置について、図面を参照して説 明する。
図 1は、本発明の第 1の実施の形態による光学顕微鏡装置の構成を模式的に示す 全体構成図である。説明の便宜上、図示のように X, Y, Z直交座標で方向を表す。
[0014] 第 1の形態の光学顕微鏡装置は、試料室 10が筐体 20の上に積み重ねられた構成 となっている。
試料室 10は、透明基板 1が配設された底板 11と透過照明装置 13を載置する上板 12を有する気密容器である。透明基板 1の上には生物試料 Sを保持する培養容器 1 4が載置されている。透明基板 1は、例えば底板 11に填め込まれた光学ガラスであり 、生物試料 Sを観察するための観察用窓である。
[0015] ここで、上板 12は、図 4に示されるように、生物試料 Sの交換等のために開閉できる 構造になってレ、る点を説明する。
図 4は、試料室の構成図であり、試料室内が外界に対して開放された状態を表して いる。上板 12は、取っ手 12bを操作することにより開閉される開閉板であり、リンク機 構 12aを介して図中の左側が開放される。この開放された所力 生物試料 Sを出し入 れしたり、試料室 10内部のメンテナンスを行うことができる。試料室 10は、この開閉構 造により、筐体 20とは独立に外界に対して開放できるので、生物試料 Sの交換が任 意且つ簡単にできる。また、開放空間が広いので、培養容器 14を傾けたり、試料室 1 0の壁に衝突させることなく試料の交換ができる。
上板 12と底板 11の壁部との間にはシール部材(不図示)が設けられており、上板 1 2が閉鎖状態にあるときには、試料室 10内は完全に気密空間となる。
[0016] 筐体 20は、顕微鏡の光学系 21、二次元移動ステージ 31、垂直移動ステージ 32お よび撮像装置 33を収納する容器であり、天井部分は開放されている。試料室 10が 筐体 20に積載されると、底板 11が天井部分を閉塞するので、筐体 20は気密性を付 与される。底板 11が隔壁となって、試料室 10の内部と筐体 20の内部とは完全に分 離され、筐体 20は、試料室 10とは独立に気密性が保持されている。
[0017] 光学系 21は、対物レンズ 22、励起光照明装置 23、調光フィルタ 24、蛍光フィルタ 25、反射鏡 26、第二対物レンズ 27を有する。
二次元移動ステージ 31は、光学系 21、垂直移動ステージ 32および撮像装置 33を 載置して、水平面 (XY平面)に沿って X方向と Y方向に移動する。垂直移動ステージ 32は、対物レンズ 22を保持してその光軸方向、すなわち Z方向に移動する。
[0018] 撮像装置 33は、第二対物レンズ 27の近傍に配置されている。
制御部 41は、光学系 21、二次元移動ステージ 31、垂直移動ステージ 32および撮 像装置 33に接続されている。また、制御部 41は、パーソナルコンピュータ(PC) 42に 接続されている。
[0019] 生物試料を長時間観察する場合には、標本の環境状態を一定に保つ必要がある。
そこで、第 1の実施の形態による顕微鏡装置では、培養容器 14が設置される試料室 10を密閉構造とし、以下に説明する環境制御装置 50により生物試料 Sの環境状態( 温度、湿度および C〇濃度)を一定に保つようにする。さらに、生物試料 Sの環境状
2
態を一定に保つとともに、筐体 20内を恒温状態に保持する。
[0020] 以下、試料室 10内の環境調整方法および筐体 20内の温度調整方法について説明 する。
図 2は、図 1に示した第 1の実施の形態による光学顕微鏡装置に環境制御装置 50 を接続した状態を示す全体構成図である。図 2において、図 1と重複する構成部品に ついては符号と説明を省略する。また、制御部 41と PC42は簡単のため図示を省略 する。
[0021] 環境制御装置 50は、所望の温度、湿度および組成のガスを生成し、このガスを試 料室 10内および筐体 20内へ循環させる装置である。環境制御装置 50は、加湿器 5 1、加熱器 52、循環ポンプ 53およびガス混合器 54を有する。
環境制御装置 50の内部では、加湿器 51は、ガス混合器 54を介して循環ポンプ 53 に接続されている。加熱器 52は、循環ポンプ 53に直接に接続されている。また、カロ 湿器 51内は、加熱器 52により加熱器 52内と同一温度に暖められている。ガス混合 器 54は、不図示のガス供給部(例えば、ガスボンベ)へ配管されている。ガス混合器 54は、例えば C〇ガスが充填されたガスボンベに接続され、試料室 10内の C〇濃
2 2 度を調整する。
[0022] 環境制御装置 50の外部との接続に関しては、加湿器 51は、チューブ 55によって 試料室 10に設けられたジョイント部 55aに接続されている。加熱器 52は、チューブ 5 6によって筐体 20に設けられたジョイント部 56aに接続されている。
[0023] 循環ポンプ 53は、独立した 2つのポンプ Pl, P2を有しており、ポンプ P1は配管(チ ユーブ) 55に接続され、ポンプ P2は配管(チューブ) 56に接続されている。すなわち
、配管 55と配管 56は独立した循環系を構成している。
循環ポンプ 53のポンプ P1は、チューブ 55によって試料室 10に設けられたジョイン ト部 55bに接続されている。また、循環ポンプ 53のポンプ P2は、チューブ 56によって 筐体 20に設けられたジョイント部 56bに接続されている。各チューブおよび各ジョイン ト部には断熱処理が施されてレ、る。
[0024] 試料室 10に関する循環系、すなわち配管 55による循環系は、 3箇所の矢印 Aで示 される。ガス混合器 54で所定のガス組成に調整された空気は、加湿器 51に入り 37 °C_100%RHの空気となり、循環ポンプ 53によりチューブ 55、ジョイント部 55aを経 て試料室 10内に送り込まれる。試料室 10内を循環した空気は、ジョイント部 55bから 排出され、チューブ 55を経て循環ポンプ 53に戻る。そして、再び所定の温度、湿度 およびガス組成の空気として試料室 10内に送り込まれる。これにより、試料室 10内は 、所定の環境に維持される。
試料室 10内の温度を監視する温度センサ (不図示)は、観察に支障のない限り培 養容器 14に近い場所に配置するのが望ましい。
[0025] 筐体 20に関する循環系、すなわち配管 56による循環系は、 3箇所の矢印 Bで示さ れる。加熱器 52により 37°Cに暖められた空気は、循環ポンプ 53によりチューブ 56、 、部 56aを経て筐体 20内に送り込まれる。筐体 20内を循環した空気は、ジョ 、部 56bから排出され、チューブ 56を経て循環ポンプ 53に戻る。そして、再び所 定温度の空気として筐体 20内に送り込まれる。これにより、筐体 20内は、所定の温 度に維持される。
試料室 10に関する循環系と筐体 20に関する循環系は、互いに独立した経路をも つてレ、るので混じり合うことはなレ、。
[0026] 次に、顕微鏡観察について説明する。
透過像観察の場合は、透過照明装置 13によって生物試料 Sが照明され、生物試 料 Sを透過した光は、透明基板 1を通り、対物レンズ 22に入射する。対物レンズ 22に 入射した光は、反射鏡 26で反射され、第二対物レンズ 27を通り、撮像装置 33の撮 像素子 33a (図 1参照)上に結像する。
[0027] 蛍光像観察の場合は、励起光照明装置 23から射出した光は、調光フィルタ 24、蛍
光フィルタ 25を通り、対物レンズ 22の下方から入射する。対物レンズ 22に入射した 光は、透明基板 1を通り、生物試料 Sに照射される。この励起光によって生物試料 S 力 蛍光が発する。蛍光は、透明基板 1、対物レンズ 22、蛍光フィルタ 25を通り、反 射鏡 26で反射され、第二対物レンズ 27を通り、撮像装置 33の撮像素子 33a上に結 像する。
なお、励起光照明装置 23の照明光射出側にシャツタ 28を設けて、蛍光像観察のと きのみシャツタ 28を開放するようにすることができる。
[0028] 制御部 41は、観察条件、ステージの移動条件、撮影条件等に関する各種のデータ を PC42から取得し、制御信号として光学系 21、二次元移動ステージ 31、垂直移動 ステージ 32および撮像装置 33に出力する。また、制御部 41は、各種の制御データ や画像データを PC42に出力する。
光学系 21は、制御部 41からの制御信号を受けて、照明光源の輝度調整、各種フィ ルタの切り換え、観察倍率の切り換えおよび視野絞りの調整等を行う。
[0029] 二次元移動ステージ 31は、不図示の駆動系を有し、制御部 41からの制御信号を 受けて、光学系 21、垂直移動ステージ 32および撮像装置 33を X方向および Y方向 に移動させる。これにより、生物試料 Sの別の部位を観察することができ、二次元移 動ステージ 31の位置、言い換えれば、生物試料 Sの観察部位が原点位置からどれ だけの距離にある力も確認できる。
同様に、垂直移動ステージ 32は、制御部 41からの制御信号を受けて、対物レンズ 22を Z方向に移動させる。これにより、観察倍率を切り換えたときや生物試料 Sを交 換したときに、生物試料 Sに対して焦点調整をすることができる。
以上の操作によって、生物試料 Sの任意の部位を鮮明に観察することができる。
[0030] 撮像装置 33は、制御部 41からの制御信号を受けて、 CCDのゲイン、シャツタスピ ード、照明装置との連動による撮影タイミングが設定される。生物試料 Sの顕微鏡画 像データは、制御部 41を経由して PC42に送られ、顕微鏡画像として PC42のデイス プレイ上に表示される。 PC42は、顕微鏡画像を画像処理して表示することもできる。 また、 PC42は、上記の観察条件、ステージの移動条件、撮影条件等の制御データ も必要に応じてディスプレイ上に表示することができる。
[0031] 第 1の実施の形態では、光学系 21、二次元移動ステージ 31、垂直移動ステージ 3 2および撮像装置 33は、筐体 20に収納されている。このうちで、筐体 20に収納すベ き必要性の大きい順に並べると、光学系 21、垂直移動ステージ 32、二次元移動ステ ージ 31、撮像装置 33である。試料室 10に近いものほど筐体 20に収納すべき必要性 が大きいとも言える。筐体 20に収納すべき必要性が小さい撮像装置 33を筐体 20の 外部に設置することにより、筐体 20の内容積は減少し、コンパクトになる。
[0032] さらに、光学系 21を構成する光学部材の一部を筐体 20の外部に設置することもで きる。
図 5は、第 1の実施の形態の変形例であり、図 1と同じ構成部品には同一符号を付 す。対物レンズ 22から第二対物レンズ 27までの観察光学系は、無限遠光学系であ る。この無限遠光学系によって生成する平行光束は、筐体 20に設けられた窓部材 3 4を透過して、筐体 20の外部に設置されている第二対物レンズ 27に入射する。第二 対物レンズ 27と撮像装置 33は、ケーシング 35内に収納され、ケーシング 35は、筐体 20に取り付けられている。
[0033] 無限遠光学系によって平行光束が生成するので、二次元移動ステージ 31に載置 されている光学系 21が X方向に移動しても、結像性能は保持される。また、第二対物 レンズ 27の口径は、光学系 21が Y方向に移動しても、その移動量を許容する分だけ 大きくすればよい。したがって、光学系 21の移動量は、数 mm程度であるので、第二 対物レンズ 27の口径を数 mm程度大きくすればよい。このようにすれば、第二対物レ ンズ 27と撮像装置 33は X方向および Y方向に移動する移動部分に含まれないので 、負荷が小さくなり、移動時のレスポンスが向上する。
[0034] 以下、第 1の実施の形態の光学顕微鏡装置の作用を説明する。
先ず、試料室 10内と筐体 20内の環境について説明する。図 1に示されるように、試 料室 10は、筐体 20の上に積み重ねられ、互いに独立した気密空間を形成している。
[0035] 生物試料 Sは、透明な培養容器 14内の培地に置かれる。生物試料 Sは、動物ゃ植 物の細胞、細胞小器官等である。培地の蒸発を防ぎ、生物試料 Sを生きたままで長 時間観察するためには、試料室 10内の環境を所定温度、所定のガス組成で高湿度 に維持する必要がある。例えば、試料室 10内の環境は、 37°C— 100%RH, CO濃
2
度 5%に保持されている。従って、培養容器 14内の環境も試料室 10内と同一になつ ている。また、湿気や培地からの蒸発物が外部に漏出するのを防止するために、試 料室 10は気密構造を有している必要がある。この高い気密性を長時間維持するため に、試料室 10は、気体流出入口(ジョイント部 55a、 55b)を除き、完全に閉鎖されて いる。
[0036] 一方、筐体 20内の温度は、試料室 10内とほぼ等しい温度、すなわち 37°Cに保持 される。筐体 20内のガス組成と湿度は、特にコントロールする必要はなレ、。筐体 20内 と試料室 10内とが等温に保持されることによって、透明基板 1は、結露や曇りが発生 すること力 Sなくなる。また、光学系 21は、筐体 20と試料室 10との温度差の影響を受け ないので、光学部品の熱膨張変化による焦点変動も生じない。さらに、光学系 21は、 生物試料 Sの観察中でも、生物試料 Sの交換のために上板 12を開いた時でも、試料 室 10内の高湿度環境の影響を受けないので、光学部品や照明装置の損傷を生じる ことがなレ、。
[0037] ところで、筐体 20の気密性は、試料室 10の気密性よりも低くてもよい。筐体 20内は 、試料室 10内とほぼ等しい温度に保持され、外界の影響をほとんど受けない程度に 閉鎖されていればよい。筐体 20には高い気密性は要求されないので、電気配線や 気体流出入口の取り付けを簡便に行うことができる。
[0038] 第 2の実施の形態
図 3は、本発明の第 2の実施の形態による光学顕微鏡装置の構成を模式的に示す 全体構成図である。図 1と同じ構成部品には同一符号を付し、説明を省略する。 第 2の実施の形態の光学顕微鏡装置が第 1の実施の形態の光学顕微鏡装置に比 ベて異なる点は、試料室 10と筐体が重ね合わされる結合部分 (接触部分)である。
[0039] 第 1の実施の形態では、筐体 20は、天井板を有していない。図 1に示すように試料 室 10が筐体 20に積載されると、試料室 10の底板 11が試料室 10の内部と筐体 20の 内部とを分離する隔壁となって、試料室 10と筐体 20の気密が独立に保たれていた。 一方、図 3に示す第 2の実施の形態では、筐体 30は、透明基板 2が配設された天 井板 3を有している。天井板 3も隔壁の作用を有している。試料室 10の積載の有無に かかわらず、最初から試料室 10と筐体 30の気密は独立に保たれる。従って、試料室
10全体を交換する場合でも筐体 30内の雰囲気は常に一定に保たれる。もちろん、 試料室 10は、図 4に示したような開閉構造により、筐体 20とは独立に外界に対して開 放できるので、生物試料 Sの交換が任意且つ簡単にできる。また、開放空間が広い ので、培養容器 14を傾けたり、試料室 10の壁に衝突させることなく試料の交換がで きる。
[0040] 底板 11の下面と天井板 3の上面は、接触しているか僅かな間隔で平行配置されて いる。同様に、透明基板 1と 2も、接触しているか僅かな間隔で平行配置されている。 試料室 10と筐体 30の内部を等温に維持するためには、底板 11と天井板 3も接触し、 透明基板 1と 2も接触しているのが最も望ましい。
[0041] 底板 11と天井板 3とが離れていると、その隙間に室温の大気が流れ込んで、透明 基板 1の内面に結露や曇りを発生させたり、光学系 21に焦点変動、光軸ずれ等を発 生させる恐れがある。これらの発生を防止するためには、底板 11と天井板 3の外周付 近に〇リングなどのシーリング部材を配置すればよい。
[0042] 透明基板 1と 2とが離れている場合は、以上の問題点が解決されたとしても、光学的 な問題が残されている。透明基板 1と 2の間には空気が存在するので、それぞれの対 向面で合計 2回の反射が生じ、光量損失を招くことになる。この発生を防止するため には、透明基板 1と 2とを光学的に一体とすればよい。例えば、透明基板 1と 2の間隔 部分に、透明基板 1、 2と屈折率が等しい液浸油を充填すればよい。
なお、底板 11に配設された透明基板 1と天井板 3に配設された透明基板 2は、少な くとも観察光路をカバーできる面積があればよい。また、底板 11全体を透明基板 1で 構成してもよぐ天井板 3全体を透明基板 2で構成してもよい。
[0043] 図 3に示す第 2の実施の形態の光学顕微鏡装置に、前述した環境制御装置 50を 組み合わせた構成も、第 1の実施の形態のものと同じ作用、効果を有する。
また、第 2の実施の形態の光学顕微鏡装置にも、図 5に示したような筐体のコンパク ト化を適用でき、第 1の実施の形態のものと同じ作用、効果を有する。
[0044] 第 1および第 2の実施の形態の光学顕微鏡装置は、基本的には同じ作用、効果を 有する。すなわち、試料室 10と筐体 20または 30とは、独立の気密空間を形成してい るので、筐体 20または 30は、試料室 10内の高湿度環境の影響を受けることがなぐ
光学部品や照明装置の損傷を生じることがない。試料室 10は、筐体 20または 30と は独立に外界に対して開放できるので、試料の交換が任意且つ簡単にできる。 また、試料室 10と筐体 20または 30が隣接して等温に保持されているので、透明基 板 1は結露したり曇ったりすることがなぐまた、光学系 21の変動、経時変化は最小限 に抑制される。従って、長時間安定して顕微鏡観察や記録ができる。
さらに、筐体 20または 30が光学系を収納することにより、顕微鏡を喑室内に設置し たのと同様の状態となる。蛍光像観察には室内を暗くするのが望ましいが、その必要 がなくなる。
[0045] 以下、本発明の変形例について述べる。
第 1および第 2の実施の形態の光学顕微鏡装置は、二次元移動ステージ 31を設け て光学系 21を移動させることにより生物試料 Sの異なる部位を観察できるように構成 されていた。すなわち、顕微鏡本体である筐体 20に対して、試料室 10および透過照 明装置 13は固定されていた。しかし、光学系 21を固定とし、生物試料 Sを収めた培 養容器 14を移動させる構成にしてもよい。この構成は、単に培養容器 14を動かすだ けで済むので、移動機構は小型となり、光学顕微鏡装置全体のコンパ外化を図るこ とができる。
[0046] 第 1および第 2の実施の形態の光学顕微鏡装置は、試料室 10が筐体 20または 30 上に積載された構成であった力 逆に筐体 20または 30を試料室 10上に積載する構 成にしてもよい。この場合は、倒立型顕微鏡に代えて正立型顕微鏡が用いられる。こ の構成では、培養容器 14を通さなくても観察できるので、特に培地外に出ている生 物試料に対しても観察可能である。但し、下方が開放された筐体 20の場合は、正立 型顕微鏡の光学系を筐体 20の側板または上側の板に取り付ける必要がある。
[0047] 以上説明したように、本発明の第 1および第 2の実施の形態によれば、試料室 10と 筐体 20または 30とが独立の気密空間を形成し、温度、湿度の制御を行っているので 、生物試料の長時間観察に適し、且つ焦点面の変動が生じない光学顕微鏡装置を 提供すること力 Sできる。
[0048] 一第 3の実施の形態一
つぎに、第 3の実施の形態による顕微鏡装置について説明する。図 6に、第 3の実
施の形態による顕微鏡装置の構成を示す。図 3において、図 1および図 2に示した第 1の実施の形態と同様の機能を有する部分には、同一の符号を付している。ここでは 、上述した第 1の実施の形態との相違点を主に説明する。
[0049] 第 3の実施の形態による顕微鏡装置は、上述した第 1の実施の形態と同様に、生物 試料 Sを保持する培養容器 14が収納される試料室 10と、顕微鏡の光学系および撮 像装置 117等が収納される筐体 20とを備えている。また、環境制御装置 50により、 例えば試料室 10内の環境状態は、 37°C - 100%RH, CO濃度 5%に保たれるとと
2
もに、筐体 20内は、恒温状態(例えば 37°C)に保たれる。
[0050] 図 6に示すように、筐体 20内には、顕微鏡装置のベース(顕微鏡本体) 111、ベー ス 111に固設された移動ステージ 119、移動ステージ 119上に固設された顕微鏡筐 体 115、対物レンズ 116および観察像を撮影する撮像装置 117等が収納されてレ、る 。対物レンズ 116および撮像装置 117は、顕微鏡筐体 115に設けられている。対物 レンズ 116は、培養容器 14の下方に、透過照明装置 13に対応するように設けられて いる。これにより、培養容器 14中の生物試料 Sを透過照明装置 13により図 6における 上方から照明して、生物試料 Sを透過し、透明基板 1を通過した光を対物レンズ 116 で観察する。なお、図 6に示す顕微鏡装置において、対物レンズ 116および反射ミラ 一 118が観察光学系を構成する。
[0051] 対物レンズ 116からの光は反射ミラー 118で反射されて、撮像装置 117の撮像面 上に結像する。撮像装置 117としては、コンフォーカル顕微鏡装置や CCDカメラ等 が用いられる力 S、第 3の実施の形態では CCDカメラを用いた場合について説明する 。コントローラ 100は顕微鏡全体の制御を行う制御装置であり、撮像装置 117の撮像 信号を処理する画像処理部等も含まれている。撮像装置 117の撮像信号はコント口 ーラ 100内の画像処理部で処理され、モニタ 101に撮像された標本像(デジタル画 像)が表示される。モニタ 101には液晶表示素子 (LCD)などが用いられる。ステージ 制御装置 103は移動ステージ 119の移動を制御する。生物試料 S上の所望の位置 を観察するためのステージ移動指示や、光学フィルタ、絞り、対物レンズの切り替え や照明光量調整などの各種顕微鏡調整の指示は、指令部 102に設けられた操作部 を介して行われる。
[0052] 移動ステージ 119は、上面に固設された顕微鏡筐体 115をベース 111に対して図 の X方向、 y方向および z方向に移動することができる。なお、移動ステージ 119が x、 y方向に移動し、対物レンズ 116が z方向に移動することも可能である。移動ステージ 119の移動にはパルスモータやエンコーダ付 DCモータなどが用いられ、出力される パルスをカウントすることによりその移動距離を測定することができる。
[0053] 移動ステージ 119には予め原点位置(基準位置)が設定されており、例えば、観察 位置が培養容器 14の中心位置となる位置が原点位置に設置される。移動ステージ 1 19には原点位置に対応して検出器 41が設けられている。検出器 41にはフォトインタ ラプタ等が用いられ、移動ステージ 119に設けられた基準 40としての遮光板が検出 器 41を横切る度に原点信号を発生する。検出器 41の原点信号により設定された位 置に移動ステージ 119を位置決めすると、対物レンズ 116の光軸が培養容器 14の中 心位置に位置決めされる。以下では、検出器にフォトインタラプタを用いるとして説明 する。なお、検出器 41および基準 40は、 X方向および y方向にそれぞれ設けられる。
[0054] 顕微鏡筐体 115を xy方向に移動させる移動ステージ 119は、粗動移動と、測定ポ イントから僅力な距離だけ離れた位置への移動である微動移動との 2つの移動形態 をとること力 Sできる。微動移動は標本内での移動であって、大きくても数 mm程度の移 動距離である。微動移動の際にはパルスを利用して移動制御を行う。
[0055] まず、粗動移動について説明する。基準 40が検出器 41を横切ると、例えば、図 7 に示すような信号 Iが検出器 41から出力される。このような出力信号 Iは、予め正確に 把握しておくことができる。移動ステージ 119を位置決めする際には、信号 Iが II一 II + Δ Iの範囲に入るように移動ステージ 119の X方向位置をフィードバック制御する。 その結果、移動ステージ 119は位置 xl— xl + Δ χの範囲に位置決めされる。 Δ Ιの 範囲を可能な限り小さく設定することにより、 0. l z mオーダーの精度で位置決めす ること力 Sできる。
[0056] 微動移動の場合には、パルスをカウントすることにより移動距離を制御する。移動ス テージ 119の最小送り力 S1パルス当たり 5 x mの場合には、 10パルス分だけ移動する ことにより観察位置が 50 μ m変化することになる。
[0057] 一第 4の実施の形態一
つぎに、第 4の実施の形態による顕微鏡装置について説明する。図 8に、第 4の実 施の形態による顕微鏡装置の概略構成を示す。図 8において、図 6に示した第 3の実 施の形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付している。ここでは、第 3の 実施の形態との相違点を主に説明する。なお、第 4の実施の形態による顕微鏡装置 は、試料室 10、筐体 20および環境制御装置 50を備えていない。
[0058] 図 8は、培養容器 113に入った標本(生物試料)を透過照明で観察する場合を示し てレ、る。顕微鏡装置のベース 111上には載置台 112および移動ステージ 119が固設 されてレ、る。載置台 112の試料載置部 112aには観察用の開口 112bが形成されて おり、標本が入った培養容器 113は開口 112bが設けられた部分に載置される。試料 載置部 112aにはマニュピレータ支持用のサポート 112cが設けられてレ、レ、る。ここで は、投薬用細管 112dをサポート 1 12cに取り付けた例を示している。
[0059] 移動ステージ 119上には顕微鏡筐体 1 15が固設されている。顕微鏡筐体 115には 、対物レンズ 116および観察像を撮影する撮像装置 117が設けられている。一方、 透過照明装置 114は載置台 112に設けられており、試料載置部 112aの上方に配置 されている。顕微鏡筐体 115に設けられた対物レンズ 116は、培養容器 113が載置 される試料載置部 112aの下方に透過照明装置 114と対向するように設けられている 。すなわち、培養容器 113中の標本を透過照明装置 114により図示上方力 照明し て、標本を透過し開口 112bを通過した光を対物レンズ 116で観察する。
[0060] また、第 3の実施の形態と同様に、移動ステージ 119には検出器 41が設けられ、顕 微鏡筐体 115には基準 40が設けられている。そして、移動ステージ 119は、検出器 4 1から出力される信号に基づいて顕微鏡筐体 115を粗動移動するとともに、ノ^レスを 利用した微動移動を行う。粗動移動および微動移動の方法については、上述した第 3の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
[0061] このように、図 8に示す顕微鏡装置では、培養容器 113が載置される載置台 112を 固定式とし、その載置台 112に対して顕微鏡筐体 115を x、 y、 zの 3方向に移動でき るような構成とした。
倒立型顕微鏡において、投薬用細管 112dを設けて培養容器 113内の溶液を還流 したり、細胞の膜電圧の測定等を行う場合、標本の観察位置を変更するために培養
容器 113を載置するステージを移動すると、還流用のチューブが外れたり、電位測定 用のパッチが外れるという可能性がある。一方、正立型顕微鏡において標本ステー ジを移動させる代わりに顕微鏡全体を移動させる場合、高倍観察にぉレ、て対物レン ズの先端が培養容器 113の溶液と接触するため、移動範囲が限られてしまう。また、 顕微鏡全体を移動させると移動物が大きくなるため高速な移動により振動を引き起こ し、還流用のチューブが外れたり、電位測定用のパッチが外れる可能性があった。
[0062] し力 ながら、第 4の実施の形態による顕微鏡装置においては、上述したような構成 とすることにより、観察ポイントを変更する際にも培養容器 113や投薬用細管 112dを 移動させることがないため、培養容器 113の標本を安定な状態に保つことができる。 さらに、照明装置 114を移動させないので移動部分が小さくでき、高速に移動ができ るとともに移動時の振動が小さい。
[0063] 図 9は第 4の実施の形態の変形例を示す図である。
ベース 111上には移動ステージ 119および載置台 112が固設されている。載置台 1 12には、光学ガラスが填め込まれた試料載置部 112aが 3力所に設けられている。な お、ガラスを填め込む代わりに、培養容器 3を置いて密閉保持することもできる。培養 容器 113はこれらの試料載置部 112aに載置される。すなわち、図 9に示す顕微鏡装 置では、載置台 112上に 3つの培養容器 113を載置して、それらを順に観察すること ができる。載置台 112上には、試料載置部 112aに対応するように照明装置 114が 3 つ設けられたカバー Cが、培養容器 113を覆うように取り付けられる。その結果、培養 容器 113は気密環境に置かれることになる。一方、顕微鏡筐体 115や移動ステージ 119は気密環境とはなっていない。
なお、上述した第 3の実施の形態と同様の環境制御装置を用いて、カバー C内(試 料室)の環境(温度および湿度)を制御することもできる。
[0064] 移動ステージ 119には、試料載置部 112aのそれぞれに対応して、検出器 41A, 4 IB, 41Cが X方向に並んで設けられている。検出器 41A— 41Cは上述した検出器 4 1と同様のものであり、移動ステージ 119によって顕微鏡筐体 115が X方向に移動す ると、基準 40の位置が検出器 41A— 41Cの位置に一致したときに原点信号を発生 する。すなわち、検出器 41A— 41Cを利用することにより、対物レンズ 6が各試料載
置部 2aに位置決めされる。なお、図示していないが、 y方向に関しては、各試料載置 部 112aに共通な検出器 41および基準 40が設けられている。
[0065] 異なる培養容器 113の間で対物レンズ 1 16を移動する際には、移動ステージ 119 を粗動移動させ、検出器 41A— 41Cによって試料載置部 112aに位置決めする。同 一培養容器 113内での観察位置の移動は、上述したように微動移動によって観察位 置を移動する。
[0066] -第 5の実施の形態 - 図 10は本発明の第 5の実施の形態による顕微鏡装置を示す図である。 図 8に示した第 4の実施の形態においては、顕微鏡装置の観察光学系全体を動かし 、かつ、光学系を小型化するために有限系の対物レンズおよび光学系を用いた。一 方、第 5の実施の形態においては、観察光学系の一部を移動できるようにした。さら に、対物レンズを含んだ一部の観察光学系のみを移動させるために、無限系の対物 レンズ、および光学系として固定部に結像レンズや撮像装置を配設する構成とした。
[0067] 図 10において、図 8に示した第 4の実施の形態と同一な部分には同一符号を付し た。ここでは、第 4の実施の形態との相違点を主に説明する。
顕微鏡装置のベース 211上には、載置台 212、移動ステージ 219および顕微鏡筐 体固定部 220が固設されている。移動ステージ 219は、ステージ制御装置 103によ つて制御される。載置台 212の試料載置部 212aには観察用の開口 212bが形成さ れており、標本が入った培養容器 113は開口 212bが設けられた部分に載置される。 試料載置部 212aに設けられたマニュピレータ支持用サポート 212cには、第 4の実 施の形態と同様に投薬用細管 212dが取り付けられている。載置台 212には、培養 容器 113の標本を透過照明で観察するための透過照明装置 1 14が設けられている
[0068] 第 5の実施の形態の顕微鏡装置では、顕微鏡筐体は固定部 220と移動部 215とに 分割されており、顕微鏡筐体移動部 215は移動ステージ 219上に固設されている。 移動ステージ 219は、上面に固設された顕微鏡筐体移動部 215を図の X方向、 y方 向および z方向に移動することができる。移動ステージ 219には第 4の実施の形態と 同様に検出器 41が X軸方向および y軸方向のそれぞれに設けられている。一方、顕
微鏡筐体移動部 215には基準 40が設けられている。移動ステージ 219の移動機構 は上述した移動ステージ 119と同様であって観察ポイントの移動において同様の機 能を有している力 S、ここでは説明を省略する。
[0069] 顕微鏡筐体移動部 215には、対物レンズ 216および反射ミラー 218が設けられて いる。一方、顕微鏡筐体固定部 220には、載置台 212に設けられた透過照明装置 1 14とは別に落射照明装置 214が設けられている。また、顕微鏡筐体固定部 220には 、観察像を撮像するための撮像装置 117、落射照明装置 214の照明光を顕微鏡筐 体移動部 215側に導いたり観察像を撮像装置 7に結像させたりするための光学部材 221 , 222, 223, 224カ設けられてレヽる。光学き 才 223, 224はレンズであり、光学 部材 222は反射ミラーで、光学部材 221はビームスプリッタである。なお、光学部材 2 23は、顕微鏡装置における結像光学系である。
第 4の実施の形態の顕微鏡装置では、透過照明および落射照明のいずれでも観察 すること力 Sできる力 S、以下では、落射照明の場合を例に説明する。
[0070] 落射照明装置 214を出射した照明光は、レンズ 224,反射ミラー 222およびビーム スプリッタ 221を介して顕微鏡筐体移動部 215の反射ミラー 218に入射する。反射ミ ラー 218で反射された照明光は対物レンズ 216を介して培養容器 113に入射し、標 本の所定領域を照明する。標本から出射された光は対物レンズ 216、反射ミラー 218 、ビームスプリッタ 221およびレンズ 223によって撮像装置 117に導かれ、撮像装置 1 17の撮像面に観察像が結像される。
[0071] 対物レンズ 216は無限遠光学系のものであり、標本の焦点面から発した光は対物 レンズ 216を通過すると平行光束 225となり、その平行光束 225が反射ミラー 218に よってビームスプリッタ 221へ導かれる。また、落射照明装置 214を出射した照明光 はレンズ 224により平行光束とされ、その平行光束の照明光が反射ミラー 222および ビームスプリッタ 221を介して反射ミラー 218へ入射される。
[0072] 図 10に示す顕微鏡装置では、顕微鏡筐体移動部 215を移動ステージ 219で移動 しても、対物レンズ 216の有効視野内にある標本からの光の平行光束の少なくとも中 心の光が、結像光学系の入射瞳を通過するように構成されている。この場合、顕微鏡 筐体移動部 215のストロークは数 mm程度なので、光学部材 221, 223の口径は、顕
微鏡筐体移動部 215が y方向に移動する分だけ大きくする。すなわち、顕微鏡筐体 移動部 215の移動許容範囲の移動量は数 mm程度なので、光学部材 221, 223の 口径をその移動量に合わせて数 mm程度大きくすれば良レ、。観察光学系の一部を 移動することにより、観察光学系全体が移動する場合と比べて、顕微鏡筐体移動部 2 15の負荷が減るのでレスポンスが良くなる。
[0073] なお、複数または大きい培養容器 113を観察するために、移動ステージ 219の X方 向および y方向のストロークが長くなる場合がある。この場合は、図 11のように光を y 方向に反射するミラー Mlを対物レンズ 216と共に移動ステージ 19の y方向移動部 2 19aに設け、光を X方向に反射するミラー M2をミラー Ml、対物レンズ 16および y方 向移動部 219aと共に移動ステージ 19の X方向移動部 219bに設ける。これにより、 光束がビームスプリッタ 221から外れてしまうのを防止できる。
[0074] このように、第 5の実施の形態においても、載置台 212に載置された培養容器 113 に対して顕微鏡筐体移動部 215を移動させることにより、観察位置を移動させること ができる。そのため、第 4の実施の形態と同様の効果を奏することができる。加えて、 標本からの光束を平行光束 225とすることにより、顕微鏡筐体を固定部 220と移動部 215とに分割して、移動部 215のみを載置台 212に対して移動させることが可能とな る。そのため、移動ステージ 219で移動させるべき移動物の重量が軽くなり、より高速 に移動を行わせることができる。また、移動'停止の際の振動の発生を低減することが できる。
[0075] 第 6の実施の形態
図 12は本発明の第 6の実施の形態による顕微鏡装置を示す図であり、透過照明で 観察を行う顕微鏡に関するものである。第 6の実施の形態においては、上述した第 3 の実施の形態と同様に、生物試料 Sを収めた試料室の環境状態を制御するとともに 、顕微鏡を収納した筐体を恒温状態とする。なお、第 3の実施の形態では、試料室 1 0には一つの培養容器 14が収納された力 図 12に示す第 6の実施の形態では、試 料室 10内に 5つの培養容器 14A— 14Eがー列に並べて収納される。
[0076] なお、図 12の装置においても図 6に示したようなコントローラ 100,モニタ 101,指令 部 102,ステージ制御装置 103を備えている力 図示は省略した。また、試料室 10の
ジョイント部 55aおよび筐体 20のジョイント部 56aには配管 55および配管 56がそれ ぞれ接続され、配管 55, 56を介して図 6に示すのと同様の環境制御装置 50 (不図示 )が接続されている。
図 12では培養容器 14A— 14Eに隠れて見えなレ、が、図 6に示した試料室 10と同 様に、底板 11には 5つの観察用窓が填め込まれており、その観察用窓上に培養容 器 14A— 14Eが載置されている。なお、観察用窓としてガラスを設ける代わりに、そ の穴に培養容器を置いて窓と兼用しても良レ、。試料室 10の開閉蓋(上板) 12には、 各観察用窓に対向する位置に 5つの透過照明装置 13A— 13Eが設けられている。
[0077] 一方、筐体 20内には、図 6の場合と同様に、ベース 111 ,移動ステージ 119,対物 レンズ 116が設けられた顕微鏡筐体 115および撮像装置 117 (不図示)からなる顕微 鏡が設けられている。なお、図 12では筐体 20の内部が分力、りやすいように、筐体 20 の前面 201を外した状態で示した。筐体 20の下部には、筐体 20の左右方向(X軸方 向)に延びるガイド 90および送りネジ 91が設けられている。モータ 92は送りネジ 91を 回転駆動する。モータ 92にはパルスモータやエンコーダ付 DCモータ等が用いられ る。ガイド 90はベース 111に貫通して挿入されており、送りネジ 91はベース 111に貫 通して螺合している。モータ 90により送りネジ 91を正転および逆転駆動すると、ベー ス 111はガイド 90に沿って左方向および右方向に移動する。モータ 90はステージ制 御装置 103によって制御される。
[0078] 移動ステージ 119,対物レンズ 116,顕微鏡筐体 115および撮像装置 117の構成 は、図 6に示したものと同様の構造を有している。移動ステージ 119には、移動ステ ージ 119を原点位置に位置決めするための検出器 41が、 X方向移動および y方向移 動にそれぞれ設けられている。顕微鏡筐体 115には、検出器 41に対応して基準 40 が設けられている。また、筐体 20の底板部分には、ベース 111を各培養容器 14A 14Eの位置に位置決めするための検出器 93A 93Eが設けられている。一方、ベ ース 111には検出器 93A— 93Eに対する基準 94が設けられてレ、る。検出器 93A 93Eには検出器 41と同様にフォトインタラプタ等が用いられ、基準 94には基準 40と 同様に遮光板が用いられる。
[0079] 第 6の実施の形態では、複数の培養容器 14A 14Eを観察する際、一つの顕微
鏡を x方向に移動させて順に観察する。図 12に示す状態では、顕微鏡のベース 111 は培養容器 14Cの観察位置に位置決めされており、対物レンズ 116の観察ポイント は培養容器 14Cの中心位置に位置決めされる。そのときの位置決めは検出器 93Cと 基準 94によって行われる。
この状態から隣の培養容器 14Bを観察する場合には、モータ 92により送りネジ 91を 正転駆動する。検出器 93Bが基準 94を検出したならばモータ 92を停止して、ベース 111を検出器 93Bで設定される位置に位置決めする。その結果、対物レンズ 116の 観察ポイントが培養容器 14Bの中心位置に位置決めされる。その後の、培養容器 14 B内の観察ポイントの移動は上述した実施の形態と同様である。
[0080] ところで、生物標本を長時間観察するような場合には、一定の時間間隔 (例えば、 1 5分間隔)で各標本を観察するのが一般的である。例えば、所定時間間隔毎に培養 容器 14A, 14B, 14C, 14D, 14Eの順に観察する。第 6の実施の形態では、このよ うな場合、容器間の移動はモータ 92および検出器 93B— 93Eを用いた粗動移動に より素早ぐかつ、高精度に位置決めすることができる。さらに、所定時間間隔毎に繰 り返し観察を行った場合でも、観察位置の再現性が非常に高い。
[0081] 第 6の実施の形態の変形例 1
上述した第 6の実施の形態では、複数の培養容器 14A— 14Eを一列に配設して、 1台の顕微鏡で観察する場合について説明した。図 13に示す変形例 1では、培養容 器 14A— 14Cが円弧状に配設される場合について示した。図 13は顕微鏡装置を上 方から見た平面図であり、培養容器 14A— 14Cが配設される載置台を省略して示し た。なお、図 13に示す例では、上述したような試料室 10,筐体 20,環境制御装置 50 が図示されていないが、これらについては用途に応じて設けても良いし、設けなくて も良い。
[0082] 顕微鏡筐体 152が固設された xyステージ 158は回転ステージ 159上に載置されて いる。そのため、回転ステージ 159によって、顕微鏡筐体 152が載置された xyステー ジ 158を軸 151を回転軸として回転することができる。顕微鏡筐体 152には対物レン ズ 153および撮像装置 117力 S設けられてレ、る。 156A, 156B, 156Cは培養容器 14 A— 14Cに対応して設けられた検出器であり、円弧状に配設されている。一方、顕微
鏡筐体 152には基準 155が設けられている。
[0083] なお、基準 155および検出器 156A— 156Cの構成は、上述した基準 40および検 出器 41一 41Cの構成と同様である。変形例 1の場合も、顕微鏡筐体 152を回転して 基準 155が検出器 156A— 156Cを横切る度に原点信号を発生する。変形例 1の場 合、回転ステージ 159による回転移動で粗動移動が行われ、 xyステージ 158により 微動移動が行われる。
[0084] 一第 6の実施の形態の変形例 2—
図 14 (a)は変形例 2による顕微鏡装置を示す平面図であり、顕微鏡装置の載置台 (不図示)には図 14 (b)に示すような培養容器 171が載置される。なお、図 14 (a)で は載置台の記載を省略した。なお、変形例 2においても試料室 10,筐体 20,環境制 御装置 50が図示されていなレ、が、これらについては用途に応じて設けても良いし、 設けなくても良い。図 14 (b)に示すように、培養容器 171には標本を入れるためのゥ エル 172が格子状に複数形成されている。このゥヱル 172の各々に標本が入れられ る。顕微鏡装置のベース 160上には Xステージ 167が固設されており、 Xステージ 16 7の固定部 167Aに対して可動部 167Bが X方向に移動する。
[0085] 可動部 167Bは yステージの固定部を兼ねており、可動部 167Bには y方向に移動 可能な y可動部 167Cが設けられてレ、る。 y可動部 167C上には顕微鏡筐体 161が固 設されており、 y可動部 167Cは顕微鏡筐体 161を z方向に移動させる z移動機構を 備えている。顕微鏡筐体 161には対物レンズ 162および撮像装置 117が設けられて いる。
[0086] Xステージ 167の固定部 167Aには複数の検出器 168が X方向に並んで設けられ ている。検出器 168の数は培養容器 171の X方向に関するゥエル 172の数と等しぐ ゥエル 172の X方向間隔と等しい間隔で配設されている。これらの検出器 168の基準 として X基準 170xが可動部 167Bに設けられている。
[0087] 一方、可動部 167Bには、 y方向に並んだ検出器 166が複数設けられている。検出 器 166の数は培養容器 171の y方向に関するゥエル 172の数と等しぐゥエル 172の y方向間隔と等しい間隔で配設されている。そして、検出器 166に対応する y基準 17 Oy力 可動咅^ 67Cに設けられてレヽる。基準 170x、 170yおよび検出器 168, 166の
構成は上述した基準 40および検出器 41一 41Cの構成と同様であり説明を省略する
[0088] 変形例 2の場合、検出器 168の原点信号を利用して可動部 167Bの X方向粗動移 動、すなわち、 X方向のゥエル間移動を行わせる。そして、検出器 166の原点信号を 利用して可動部 167Cの y方向粗動移動、すなわち、 y方向のゥエル間移動を行わせ る。この場合も、ゥエル 172内における観察位置の変更の際には、パルス信号を利用 して可動部 167Bおよび可動部 167Cを微動移動させる。
[0089] 上述した第 3 第 6の実施の形態では、検出器としてフォトインタラプタを用いて位 置決めをする場合を例に説明した。しかし、これには限定されず、例えばクリック式位 置決め機構のような機械式の位置決め装置を用いても良い。また、本発明の特徴を 損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
[0090] 以上説明したように、第 3から第 6の実施の形態による顕微鏡装置においては、培 養容器の下方から観察する観察光学系を移動して観察位置を変更するようにした。 これにより標本 (生物試料)に環流用チューブや電位測定用パッチ等を付けた状態 で、素早く観察光学系を移動して観察位置を変更しても、環流用チューブや電位測 定用パッチが外れるとレ、う問題が生じなレ、。
[0091] 本出願は日本国特許出願 2003-156810号(2003年 6月 2日出願)および日本 国特許出願 2003-171820号(2003年 6月 17日)を基礎として、その内容は引用 文としてここに組み込まれる。
産業上の利用の可能性
[0092] 以上では、撮像装置によって生物試料を撮像する顕微鏡装置を例として説明した 力 接眼レンズ等を設けてユーザーが生物試料を直接観察することもできる。