明 細 書
抗菌性組成物および抗菌性材料
技術分野
[0001] 本発明は、抗菌性組成物および抗菌性材料に関する。詳細には、本発明は、ヨウ 素を含有する抗菌性組成物および抗菌性材料に関する。
背景技術
[0002] 我々の生活空間には、種々の細菌ゃカビ等の微生物が存在している。これらの微 生物は、食物の腐敗や悪臭の発生の原因となって、我々に不快感を与えることがあ る。また、人体に対しては、食中毒を初めとして種々の疾病を引き起こす原因となる。 衛生的な生活を送るためには、これらの微生物の増殖を抑制し、またはこれらの微生 物を除去することが重要である。
[0003] かかる観点から、従来、清潔な生活空間を提供することを目的として、種々の提案 がなされている。その一つとして、ヨウ素が注目を集めている。これは、ヨウ素が広範 な抗菌スペクトルを有する一方で、ヒトに対する安全性も高ぐ優れた抗菌性を有して 、ることによる。
[0004] し力しながら、ヨウ素は常温においても昇華しやすい。このため、ヨウ素を単体のま ま抗菌や消臭といった用途に用いると、ヨウ素の昇華によって充分な効果が得られな いという問題がある。
[0005] このような欠点を補うベぐヨウ素の揮発性の低減などを目的として、種々のョードホ ールが提案されている(例えば、特公昭 60— 19762号公報、米国特許第 2739922 号明細書、米国特許第 3028300号明細書、および特開昭 51— 88625号公報を参 照)。ョードホールの具体例として、特公昭 60— 19762号公報には、担体であるキト サンとヨウ素との複合体が開示されている。また米国特許第 2739922号明細書およ び米国特許第 3028300号明細書には、担体であるポリビニルピロリドン (PVP)とヨウ 素との複合体 (以下、「ポビドンョード」とも称する)が開示されている。そして特開昭 5 1— 88625号公報には、ヨウ素原子がシクロデキストリンに包接されてなるヨウ素—シ クロデキストリン包接ィ匕合物(以下、「CDI」とも称する)が開示されて!、る。
[0006] そして、これらのョードホールを基材に保持させることにより基材に抗菌性を付与し 、抗菌性材料とする試みがなされている。例えば、特開 2001— 89974号公報には、 ポビドンョードが所定のポリマーとともに繊維表面に保持されてなる繊維基材が開示 されている。また、特開昭 51— 100892号公報〖こは、ヨウ素の β—シクロデキストリン 包接物を設けてなる殺菌、防腐包装紙が開示されている。
[0007] 特開 2001— 89974号公報および特開昭 51— 100892号公報に記載の技術のよ うに、ョードホールの形態でヨウ素を繊維基材に保持させれば、ヨウ素を単体で用い る場合と比較してヨウ素の昇華が抑制され、抗菌や消臭といった効果の持続性は向 上しうる。
[0008] なお、特開昭 63— 225308号公報および特開平 2— 110号公報には、ヨウ素担体 、ヨウ化物、酸化剤および粉末酸および必要により粉末酸と反応して発泡する性質を もつ粉末塩基を含有する固形ョードホール組成物 (製剤)が開示されて ヽる。これら の技術によれば、製造が簡単で、安定な固形ョードホール組成物 (製剤)が提供され うる。
発明の開示
[0009] しカゝしながら、ョードホールが基材に保持されてなる抗菌性材料 (例えば、シート状 抗菌性材料)においても、やはり一定量のヨウ素が基材表面から昇華し、基材に保持 されるヨウ素濃度は遁減する。その結果、抗菌作用も経時的に遁減し、ひいては抗菌 作用が消失してしまう場合もあった。なお、基材表面力もヨウ素が昇華しうることは、前 記文献 6に記載の包装紙の殺菌や防腐のメカニズムが、包装物空間中に放出された 昇華ヨウ素 (I )を介するものであることからも明らかである。
2
[0010] ところで、上記のョードホールにおいては、ヨウ素が三ヨウ化物イオン (I―)や五ヨウ
3 化物イオン (I ")の形態で含有されて 、ると考えられて 、る。
5
[0011] ョードホール中にかようなイオンの形態で含有されるヨウ素力 汚染物などとの接触 により殺菌作用を発揮する際には、当該汚染物中の細菌、真菌、原虫、ウィルスとい つた微生物や、有機物などとの反応によりこれらのイオンが還元され、ヨウ化物イオン (Γ)が生成する。
[0012] し力しながら、力 うなヨウ化物イオン (Γ)が再度ョードホールの担体 (例えば、ポリ
ビュルピロリドンゃシクロデキストリン)に取り込まれてョードホールを再生することはほ とんどなぐ一定時間経過後には抗菌活性が消失してしまう。一方で、充分な効果を 得る目的で製剤に高濃度のョードホールを添加すると、抗菌性材料がヨウ素色を呈 し、「抗菌性」と銘打った商品に適用するには外観上問題がある。また、使用時にお いても、被処理物に対してヨウ素色が付着したり、被処理物の腐食が生じたりする虡 力 Sある。し力しながら、このような問題があっても、抗菌性材料を一定期間の使用に処 するためには、外観や腐食の問題は度外視して最初力 効果発現に必要な量に比 ベて過剰量のヨウ素(I )を存在させる必要があった。
2
[0013] 従って、ヨウ素を利用する抗菌性材料において、含まれるヨウ素を有効に利用し、 低濃度のヨウ素を長期間に亘つて維持するための技術の開発が望まれているのが現 状である。
[0014] そこで本発明は、ヨウ素を利用する抗菌性材料におけるヨウ素の有効利用を可能と する手段を提供することを目的とする。
[0015] 本発明者らは、上記の課題を解決すベぐ鋭意研究を行った。その過程で、ヨウ素 酸塩のようなヨウ素系酸化剤を、ヨウ化物塩のようなヨウ素系化合物に対して過剰量 共存させると、ヨウ素が抗菌性を発揮した後に生成する I—から I I
3—や 5—を再生でき、さ らには、ヨウ素系酸化剤をヨウ素の供給源としても作用させうることを知得した。さらに は、添加するヨウ素系化合物の量に呼応して生成および再生する I I
3—および 5—の量 が決定されることを利用して、少量のヨウ素系化合物を添加することにより低濃度のョ ゥ素 (I—および I―)を長期間に亘つて安定的に保ちうることを知得した。すなわち、
3 5
力 うな構成とすることにより、ヨウ素の有効利用が図られることを見出し、本発明を完 成させるに至ったのである。なお、上述した特開昭 63— 225308号公報および特開 平 2—110号公報に記載の固形ョードホール組成物 (製剤)においては、ヨウ素系の 酸化剤を必須とする後述の知見については述べられておらず、ヨウ素系酸化剤はョ ゥ化物イオン (Γ)を酸化するために列挙された多数の酸化剤の一例として記載され ているに過ぎない。一方、仮に本発明の抗菌性組成物や抗菌性材料においてヨウ素 系酸化剤以外の酸化剤を用いた場合には、共存する少量のヨウ素系化合物が瞬時 に全て酸化されて反応が終了し、短時間で I—および I—が消費された後はこれらの
再生もなされないため、抗菌性組成物や抗菌性材料の寿命が尽き、本発明の作用 効果は心得られない。さらに、上記文献に記載の実施例においてはいずれもヨウ素 系酸化剤の含有量力 Sヨウ素系化合物 (ヨウ化物)の含有量よりも少ないことから、ヨウ 素を有効利用するといつた本願発明の作用効果はほとんど期待できない。
[0016] 具体的には、本発明の一形態によれば、ヨウ素系化合物 (A)と、ヨウ素系酸化剤( B)と、酸化合物 (C)と、を含み、前記ヨウ素系化合物 (A)と前記ヨウ素系酸化剤 (B) との含有量の質量比が(B) / (A) = 1〜: LOOOである、抗菌性組成物が提供される。
[0017] また、本発明の他の形態によれば、固体基材と、前記固体基材の内部または表面 に保持された、ヨウ素系化合物 (A)、ヨウ素系酸化剤 (B)、および酸化合物 (C)と、を 含み、前記ヨウ素系化合物 (A)と前記ヨウ素系酸化剤 (B)との含有量の質量比が (B )Z(A) = 1〜: LOOOである、抗菌性材料が提供される。ここで、前記固体基材はシ一 ト状基材または粒状基材であることが好ましい。さらに、上記の抗菌性組成物や抗菌 性材料は、敷物用、浸漬用、フィルタ用、拭き取り用、噴霧用、または充填用の抗菌 剤として用いられうる。
[0018] 本発明のさらに他の目的、特徴および特質は、以後の説明および添付図面に例示 される好ましい実施の形態を参酌することによって、明らかになるであろう。
図面の簡単な説明
[0019] [図 1]第 2実施形態の抗菌性材料の好ましい一実施形態を示す断面図である。
[0020] [図 2]積層型のシート状抗菌性材料である、第 2実施形態の抗菌性材料の好ましい位 置実施形態を示す断面図である。
[0021] [図 3]第 2実施形態の積層型のシート状抗菌性材料を製造する様子を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0022] (第 1実施形態)
本発明の一形態によれば、ヨウ素系化合物 (A)と、ヨウ素系酸化剤 (B)と、酸化合 物 (C)と、を含み、前記ヨウ素系化合物 (A)と前記ヨウ素系酸化剤 (B)との含有量の 質量比が (B)Z(A) = 1〜: LOOOである、抗菌性組成物が提供される。なお、本発明 において「抗菌性」とは、ヨウ素により微生物の増殖が抑制されることを意味する概念 である。この概念には、ヨウ素により微生物が殺滅される殺菌作用と、ヨウ素により微
生物の生存状態は維持されるものの増殖は抑えられる静菌作用とのいずれもが含ま れる。本形態の抗菌性組成物や後述する抗菌性材料により増殖が抑制される微生 物は特に制限されず、細菌以外にもウィルスや真菌などが含まれる。
[0023] 以下、本形態の好ましい実施形態を、構成成分ごとに詳細に説明するが、本発明 の技術的範囲が下記の具体的な形態のみに限定されることはない。
[0024] [ヨウ素系化合物 (A) ]
本形態の抗菌性組成物は、第 1に、ヨウ素系化合物 (A)を含む。ここで、「ヨウ素系 化合物」とは、水分や有機溶媒、場合によっては空気などと接触してヨウ化物イオン( Γ)を生成しうる化合物を意味する。この ΙΊま、後に詳述するヨウ素系酸化剤 14の作 用により I—や I—へと酸化され、抗菌作用を発揮するようになる。ただし、後述するョ
3 5
ゥ素系酸化剤 (B)に含まれる化合物は、当該ヨウ素系化合物 (A)の概念には含まな いものとする。
[0025] ヨウ素系化合物 (A)の具体的な種類については、上述の作用を示す化合物であれ ばよぐ特に制限はない。一例としては、ヨウ化カリウム (KI)やヨウ化ナトリウム (Nal) 等のヨウ化物塩などが挙げられる。なお、場合によっては、ヨウ素分子の単体 (I )をョ
2 ゥ素系化合物 (A)として用いてもよい。また、これらのヨウ素系化合物 (A)は、 1種の みが単独で用いられてもよ!/ヽし、 2種以上が併用されてもょ ヽ。
[0026] [ヨウ素系酸化剤 (B) ]
本形態の抗菌性組成物は、第 2に、ヨウ素系酸化剤 (B)を含む。ここで、「ヨウ素系 酸化剤」とは、上記のヨウ素系化合物 (A)から生成した Γを I—や I—へと酸ィ匕しうる活
3 5
性種を生成しうる化合物を意味する。前記活性種の具体例としては、例えば、次亜ョ ゥ素酸イオン (ιο_)、ヨウ素酸イオン (IO―)、および過ヨウ素酸イオン (IO―)が挙げ
3 4 られる。これらのイオンは、水分との接触により濃度の増加した rを酸ィ匕して I—や I "
3 5 に変換する。この機構を詳細に説明すると、 ΙΊま、各活性種の作用により、下記化学 反応式 (1)〜(3):
[0027] [化 1]
I 0 _ + I - + 2 H +→ I 2 + H 2 0 ( 1 )
3 I 0 3— + I _ + 1 8 H +→2 I 2 + 9 H 2 0 · · ( 2 )
I 0 4— + I— + 8 H +→ I 2 + 4 H 2 0 ( 3 )
[0028] に従ってヨウ素分子 (I )に酸化され、さらに、水中の他の厂との反応により、 I—や I "
2 3 5 を生じる。このようにして生成した I—や I—は、再び抗菌作用を発揮しうる。すなわち、
3 5
ヨウ素の有効利用が図られるのである。さらに、再生される I—や I—の量は厂の量に
3 5
依存するため、本形態の抗菌性組成物によれば I—や I—の量を終始低濃度に保つ
3 5
ことが可能である。その結果、抗菌性組成物の長寿命化が可能となり、腐蝕性や色 調の問題からも開放されうる。なお、上記のメカニズムはあくまでも推測に過ぎず、上 記以外のメカニズムによって本発明の作用効果が得られて ヽるとしても、本発明の技 術的範囲は何ら影響を受けることはな 、。
[0029] なお、本発明にお ヽて、ヨウ素系酸化剤 (B)は上記活性種の供給源として機能す るのみならず、上記の反応式(1)〜(3)の反応を通じて、ヨウ素の供給源としても機 能する。よって本発明によれば、ヨウ素を含む化合物を、ヨウ化物イオンを酸化してョ ゥ素分子を生成させるための酸化剤として採用することにより、ヨウ素の有効利用とい う本発明の作用効果がより一層発揮されうる。なお、ヨウ素系酸化剤以外の酸化剤を 用いた場合には、これらの効果が得られないことは上述した通りである。
[0030] ヨウ素系酸化剤 (B)の具体的な種類についても特に制限はなぐ水分との接触によ り上記の活性種を生成しうる化合物であればよい。一例としては、次亜ヨウ素酸 (HIO )、ヨウ素酸 (HIO )、パラ過ヨウ素酸 (HIO )、過ヨウ素酸 (H IO )等のヨウ素酸類、
3 4 5 6
前記ヨウ素酸類の金属塩 (例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等)、 I (IO )
3 3等のヨウ素 塩、および、亜ヨウ素酸 (I 0)、三酸化ヨウ素 (I O )、五酸化ヨウ素 (I o )、七酸化ョ
2 2 3 2 5 ゥ素 (I Ο )、四酸化ヨウ素 (IO )等のヨウ素酸ィ匕物が挙げられる。なお、これらのヨウ
2 7 4
素系酸化剤(B)は、 1種のみが単独で用いられてもよいし、 2種以上が併用されても よい。
[0031] [酸化合物(C) ]
化学反応式(1)〜(3)からわ力るように、厂から I—や I—が生成するメカニズムにお
3 5
いては、水素イオンが消費される。従って、本形態の抗菌性組成物が水分と接触した 際に I—や I—が生成するためには、上記メカニズムが進行するために、本形態の抗
3 5
菌性組成物と接触した水分が、酸性を示す必要がある。このため、本形態の抗菌性 組成物は、第 3に、酸化合物(C)を含む。ここで、「酸ィ匕合物」とは、水分との接触に
より当該水分を酸性としうる化合物を意味する。例えば、酸のほか、強酸と弱塩基との 塩などが挙げられる。酸ィ匕合物の具体例についても特に制限はないが、一例を挙げ ると、酸としては、クェン酸一水和物、コハク酸、リンゴ酸、シユウ酸、酒石酸などが挙 げられる。これらの水和物などの誘導体が用いられてもよい。また、酸以外の酸化合 物としては、塩化アンモ-ゥム、硫酸アンモ-ゥム、ヨウ化アンモ-ゥム等の強酸と弱 塩基との塩のほか、酸性塩である硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、塩基性 塩である塩ィ匕水酸ィ匕マグネシウムなどが用いられうる。なお、これらの酸化合物(C) は、 1種のみが単独で用いられてもよいし、 2種以上が併用されてもよい。
[0032] 以上、本形態の抗菌性組成物に含まれる各成分の具体的な構成を説明したが、抗 菌性組成物における各成分の含有量は特に制限されず、上記の化学反応式(1)〜 (3)における化学量論比や製造手法、添加剤の有無などを考慮することにより、適宜 調節されうる。ただし、本形態の抗菌性組成物においては、ヨウ素系化合物 (A)とョ ゥ素系酸化剤 (B)との含有量の比が所定の範囲内の値に制御される。具体的には、 ヨウ素系化合物 (A)とヨウ素系酸化剤 (B)との含有量の質量比が、(B) Z (A) = 1〜 1000となるように制御される。このように、ヨウ素系酸化剤(B)の含有量がヨウ素系化 合物 (A)の含有量以上となるように、各成分の含有量が制御されると、上記のメカ- ズムが良好に進行し、組成物中に含まれるヨウ素が有効に利用されうる。また、好まし くは(8) 7 (八)= 5〜200でぁり、ょり好ましくは(8) 7 (八)= 10〜100でぁる。ここで 、(B) Z (A)の値が小さすぎると、上記化学反応式(1)〜(3)で表される反応が進む 回数が減少する結果、ヨウ素の再生が短期間で終了してしまい、ヨウ素の有効利用を 図るという本願発明の作用効果が十分に得られない虞がある。
[0033] なお、抗菌性組成物に含まれる各成分のそれぞれの含有量は、上記の規定を満 足する限り特に制限されない。ただし、好ましい形態において、ヨウ素系化合物 (A) の含有量は、酸化されて生じたヨウ素が抗菌作用を発現するのに十分な量であれば よぐ組成物の全量に対して、好ましくは 0. 001〜10質量%であり、より好ましくは 0 . 005〜5質量%であり、さらに好ましくは 0. 01〜3質量%である。また、ヨウ素系酸 ィ匕剤 (B)の含有量につ \、ては、ヨウ素系化合物 (A)との質量比が上述の範囲内の値 となるように制御し、さらに酸ィ匕合物(C)については、全てのヨウ素系酸化剤(B)を反
応させるのに十分な量を用いればよい。従って、ヨウ素系酸化剤(B)の含有量は、組 成物の全量に対して、好ましくは 1〜95質量%であり、より好ましくは 5〜90質量%で あり、さらに好ましくは 10〜80質量%である。また、酸化合物(C)の含有量は、組成 物の全量に対して、好ましくは 1〜95質量%であり、より好ましくは 5〜90質量%であ り、さらに好ましくは 10〜80質量%である。ここで、ヨウ素系化合物 (A)の含有量が 多すぎると、ヨウ素の初期量および再生量 (すなわち、ヨウ素濃度の維持量)が多くな りすぎ、腐蝕性や色調の改善、低濃度でのヨウ素の安定化といった本発明の作用効 果が十分に発揮されない虞がある。一方、ヨウ素系酸化剤 (B)の含有量が多すぎると 、ヨウ素系酸化剤 (B)を全て消費するのに必要な酸ィ匕合物 (C)の量が増加することと なり、抗菌性組成物の酸性度が過度に上昇してしまう虞がある。なお、後述する種々 の添加剤を添加すると、抗菌性組成物中の必須成分である (A)〜(C)の含有量が 上述した範囲カゝら外れる場合もありうるが、かような場合であっても本発明の技術的 範囲に包含されうる。
[0034] なお、特開 2000— 507217号公報、特開昭 59— 202248号公報、特開昭 56— 9 9419号公報、特開昭 53— 148540号公報などにも、ヨウ素系化合物、ヨウ素系酸化 剤および酸化合物を含む殺菌性の組成物が開示されている。しカゝしながら、これらの 文献に記載の技術において、ヨウ素系酸化剤は、別途添加したヨウ素やョードホール を安定化させる目的で添加されているのであって、少量のヨウ素系化合物と大量のョ ゥ素系酸化剤との組み合わせによって、 I
3 _や I
5—を低濃度に維持するという本願の 目的および作用効果については、何ら開示も示唆もない。しかも、これらの文献に記 載の発明は、酸化剤としてヨウ素系酸化剤以外のものを用いても同様の効果が期待 できるものであり、ヨウ素系酸化剤は他の酸化剤と並列的に記載されているに過ぎな い。
[0035] 本形態の抗菌性組成物は、必要に応じて他の添加剤をさらに含んでもよ!、。他の 添加剤の具体的な形態についても特に制限はなぐ従来公知の知見が適宜参照さ れうる。好ましい添加剤としては、例えば、ヨウ素と複合体を形成しうる化合物が挙げ られる。ヨウ素と複合体を形成しうる化合物としては、例えば、シクロデキストリン (CD) 、ポリビニルピロリドン (PVP)、グリシンなどが挙げられる。これらの化合物を添加する
ことにより、ヨウ素の昇華性や腐蝕性が緩和される。なかでも、好ましくはシクロデキス トリンが含まれる。シクロデキストリンの添カ卩は、上述の効果にカ卩えて、汚染物中の各 種の化合物を自身の環状構造中に包接することによる消臭効果をもたらす。「シクロ デキストリン」とは、 D グルコースが α— 1, 4結合により環状に結合したィ匕合物であ る。シクロデキストリンは、自身を構成する D グルコースの数によって、 ひ シクロデ キストリン(6個)、 β—シクロデキストリン(7個)、および γ—シクロデキストリン(8個) に大きく分類される。本形態の抗菌性組成物においては、これらのうちのいずれが用 いられてもよい。
[0036] シクロデキストリンの具体的な形態にっ 、ては特に制限はなぐ従来公知の形態が 適宜採用されうる。上記の 3種のシクロデキストリンのみならず、これらの誘導体が用 いられても、勿論よい。シクロデキストリンの誘導体の例としては、アルキル化 (メチル ィ匕、ェチル化、プロピル化、イソプロピル化、ブチル化など)、モノァセチル化、トリア セチル化、モノクロロトリアジニル化されたものが例示される。シクロデキストリンの具 体例としては、例えば、 CAVAMAX (登録商標)シリーズや CAVASOL (登録商標 )シリーズとして市販されるもの(いずれも、ヮッカー社製)が挙げられる。また、デキシ 一パールやイソエリート (株式会社横浜国際バイオ研究所製)として市販されるマルト シル基置換型シクロデキストリンのような他のシクロデキストリンが用いられてもよい。 なお、これらのシクロデキストリンは、 1種のみが単独で用いられてもよいし、 2種以上 が併用されてもよい。
[0037] 上述したように、抗菌性組成物中に含まれるシクロデキストリンは、汚染物中の各種 の化合物を自身の環状構造中に包接することにより、消臭作用を発揮しうる。また、 本形態において、シクロデキストリンは、上記のメカニズムによって生成した I—や I―
3 5 を包接することによって、ョードホールの 1種であるヨウ素—シクロデキストリン包接化 合物(CDI)を生成しうる。従って、 I—や I—が分解することで Iとなり、昇華してしまう
3 5 2
虞が低減され、抗菌性組成物の使用時における抗菌持続性の向上が期待される。ま た、場合によっては、本形態の抗菌性組成物において、シクロデキストリンの一部ま たは全部力 当初力もヨウ素を包接してなるシクロデキストリン一ヨウ素包接ィ匕合物の 形態で含まれてもよい。なお、本形態の抗菌性組成物がヨウ素と複合体を形成しうる
化合物を含む場合、当該ヨウ素と複合体を形成しうる化合物の含有量は特に制限さ れないが、組成物の全量に対して、好ましくは 0〜90質量%であり、より好ましくは 0 〜80質量%であり、さらに好ましくは 0〜70質量%である。
[0038] また、本形態の抗菌性組成物は、必要であれば、公知の抗生物質や合成抗菌剤 などを含んでもよい。公知の抗生物質としては、例えば、ペニシリン系、セフエム系、 力ルバぺネム系、モノバタタム系抗生物質等の —ラクタム系抗生物質;アミノグリコ シド系抗生物質;マクロライド系抗生物質;テトラサイクリン系抗生物質;クロラムフエ二 コール;リンコマイシン;ホスホマイシン;ペプチド系抗生物質;および抗真菌性抗生 物質等が例示される。また、合成抗菌剤としては、ナリジタス酸、ニューキノロン系抗 菌剤、およびァゾール系抗真菌剤等が例示される。なお、これらのみに制限されず、 外用剤や消毒剤として用いられる種々の化合物が添加剤として添加されうる。場合に よっては、抗ウィルス剤が添加されてもよい。また、例示した添加剤は、 1種のみが単 独で用いられてもよぐ 2種以上が併用されてもよい。
[0039] 本形態の抗菌性組成物は、上述した (Α)〜(C)の必須成分および必要に応じた添 加剤が混合されてなる粉末状組成物であってもよ ヽし、水をさらに含んだ水溶液状 の組成物であってもよい。水溶液の形態によれば、取扱いや保存が簡便となったり、 噴霧や散布などによって使用されうるため適用可能な範囲が広がるという利点が得ら れる。なお、本形態の組成物が水をさらに含む場合、水の添加量は特に制限されな いが、水以外の成分の全量に対して、好ましくは 1〜2000質量倍、より好ましくは 2 〜1000質量倍、さらに好ましくは 20〜500質量倍である。ただし、これらの範囲を外 れる形態が採用されても、勿論よい。
[0040] なお、本形態の抗菌性組成物の製造方法は特に制限されず、粉末状組成物や水 溶液状の組成物の製造に関する従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば粉末 状組成物を製造したい場合には、組成物の構成成分を準備し、準備した各成分を適 宜造粒または粉砕して所望の粒径とし、混合機などにより均質に混合すると!ヽぅ手法 が用いられうる。場合によっては、混合と同時に造粒や粉砕が行われてもよい。また、 水溶液状の組成物を製造した!/、場合には、組成物の構成成分の所定量を秤量し、 水に添加して、撹拌により溶解させるという手法が用いられうる。ただし、上述した手
法以外の手法が用いられても、勿論よい。
[0041] (第 2実施形態)
本発明の他の形態によれば、固体基材と、前記固体基材の内部または表面に保持 された、ヨウ素系化合物 (A)、ヨウ素系酸化剤 (B)、および酸ィ匕合物 (C)と、を含み、 前記ヨウ素系化合物 (A)と前記ヨウ素系酸化剤 (B)との含有量の質量比が (B) / (A ) = 1〜1000である、抗菌性材料が提供される。
[0042] 以下、本形態の好ましい実施形態を図面を用いて説明する。ただし、本発明の技 術的範囲は、下記の形態や図示する形態によって制限されることはない。例えば、以 下の説明では、固体基材としてシート状基材が用いられたシート状抗菌性材料を例 に挙げて本形態の抗菌性材料を詳細に説明するが、かような形態のみに制限されず
、後述するような粒状基材が固体基材として用いられた粒状抗菌性材料もまた、本発 明の技術的範囲に含まれる。
[0043] 図 1は、本形態の抗菌性材料の好ま 、一実施形態を示す断面図である。図 1に 示す形態の抗菌性材料は、シート状抗菌性材料 10である。すなわち、固体基材とし てシート状基材 12が用いられている。図 1に示すシート状抗菌性材料 10は、シート 状基材 12の内部に、ヨウ素系化合物 (A) 14、ヨウ素系酸化剤(B) 16、および酸化合 物 (C) 18が保持されてなる構成を有する。なお、図 1に示す形態において、各成分 はシート状基材 12の内部のみに保持されているが、かような形態のみには制限され ない。例えば、上記の各成分がシート状基材 12の表面のみに保持される形態や、シ ート状基材 12の内部および表面の双方に保持される形態もまた、採用されうる。また 、各成分がシート状基材 12の表面に保持される場合には、シート状基材 12の片面 のみに保持されてもょ 、し、シート状基材 12の両面に保持されてもょ 、。
[0044] [シート状基材]
図 1に示す形態のシート状抗菌性材料 10は、固体基材として、シート状基材 12を 備える。
[0045] シート状基材 12の具体的な形態は、特に制限されない。本形態のシート状抗菌性 材料 10に用いられるシート状基材 12の構成材料としては、例えば、紙、織布、不織 布等が挙げられる。紙には、和紙、濾紙、画用紙、上質紙、ダンボール紙、ボール紙
、再生紙、合成紙、白板紙、黄板紙、チップボール、色板紙、建材原紙、台紙、薄葉 紙、感熱紙、化繊紙等が含まれる。織布および不織布の原料としては、有機繊維お よび無機繊維のいずれが用いられてもよい。ここで、有機繊維には、植物繊維、動物 繊維、再生繊維、半合成繊維および合成繊維等が含まれる。また、無機繊維には、 ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維等が含まれる。さら〖こ、植物繊維としては、木 材パルプ、藁パルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の木本類のほ力、草本類、綿、麻 等が挙げられ、動物繊維としては、絹、羊毛等の繊維が挙げられる。再生繊維として は、レーヨン、キュブラ等が挙げられ、半合成繊維としては、アセテート、トリアセテート 、プロミックス等が、合成繊維としては、ナイロン、アクリル、ビニロン、ビニリデン、ポリ 塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ベンゾエート、ポリクラール
、フエノール等の繊維が挙げられる。なお、シート状基材 12としては、巿販のものが 用いられてもよぐ自ら合成したものが用いられてもよ 、。
[0046] シート状基材 12の大きさや形状についても特に制限はなぐシート状抗菌性材料 の用途に応じて適宜決定されうる。
[0047] なお、シート状基材 12に保持される各成分の種類などの具体的な形態については 、第 1実施形態の欄において説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
[0048] 本形態の抗菌性材料においても、各成分が固体基材に保持される際には、ヨウ素 系化合物 (A)とヨウ素系酸化剤 (B)との含有量の質量比が、 (B) / (A) = 1〜: LOOO となるように制御される。本形態の抗菌性材料においても同様に、ヨウ素系酸化剤 (B )の含有量がヨウ素系化合物 (A)の含有量以上となるように、各成分の含有量が制 御されると、上記のメカニズムが良好に進行し、抗菌性材料中に含まれるヨウ素が有 効に利用されうる。
[0049] なお、本形態の抗菌性材料にお!、ても、含まれる各成分のそれぞれの含有量は、 上記の規定を満足する限り特に制限されない。例えば、ヨウ素系化合物 (A)の含有 量は、酸化されて生じたヨウ素の濃度が抗菌作用を発現するのに十分な量であれば よぐ固体基材の種類 (例えば、不織布や紙)に応じてその比重も変動しうるため一義 的に規定することは困難である。ただし、好ましい形態において、ヨウ素系化合物 (A )の含有量は、抗菌性材料の全量に対して、好ましくは 0. 00001〜20質量%、より
好ましくは 0. 0001〜5質量%、さらに好ましくは 0. 0001〜1質量%である。また、ョ ゥ素系酸化剤 (B)の含有量につ 1、ては、ヨウ素系化合物 (A)との質量比が上述の範 囲内の値となるように制御し、さらに酸ィ匕合物(C)については、全てのヨウ素系酸ィ匕 剤(B)を反応させるのに十分な量を用いればょ 、。
[0050] シート状抗菌性材料 10は、使用時において水分と接触すると、上述のメカニズムに よって I—や I—が生成する。これらのイオンはヨウ素色を呈するため、本形態のシート
3 5
状抗菌性材料は、目視によって使用前または使用後のいずれであるかを識別可能 である。ただし、本形態のシート状抗菌性材料 10においては、上述のメカニズムによ りヨウ素が再利用されうる。従って、ヨウ素色を呈して「使用後」であると識別された場 合であっても、充分に抗菌作用を発揮しうる。
[0051] 本形態の抗菌性材料においても、固体基材には必要に応じて他の添加剤がさらに 保持されていてもよい。固体基材にさらに保持されうる添加剤としては、例えば、第 1 実施形態の抗菌性組成物の欄において説明した添加剤が例示されうる。
[0052] また、本形態においては、他の添加剤もまた、有効に用いられうる。例えば、ヨウ素 が抗菌作用を示すとはいっても、ヨウ素色は一般的な汚染物と色調が類似している。 このため、本形態のシート状抗菌性材料 10を、一旦ヨウ素色を呈した後に再度利用 することは、美観上好ましくない場合も生じうる。力 うな観点力もは、本形態のシート 状抗菌性材料 10において、シート状基材 12にデンプンやその誘導体を保持させる とよい。力ような形態によれば、上述のメカニズムによって I—や I—が生成すると、これ
3 5
らはデンプンやその誘導体と複合体を形成し、鮮やかな青紫色を呈する(いわゆる、 「ヨウ素—デンプン反応」)。従って、一旦使用されたシート状抗菌性材料 10の呈色 に起因する美観への悪影響が低減されうる。なお、 I—や I—は、デンプンやその誘導
3 5
体と複合体を形成した場合であっても、抗菌作用を発揮しうる。
[0053] さらに他の添加剤としては、例えば、固体基材が紙である場合には、カチオン性デ ンプンまたは両性デンプンを主成分とした内部接着剤、ポリアクリルアミド等の紙力剤 、タルク、ケイソゥ土および酸ィ匕チタン等の各種の填料、ァ-リン等の染料やクロムィ エロー等の顔料、ロジン、デンプン、〖こ力わ、カルボキシメチルセルロース、ポリビ- ルアルコール等の各種のサイジング剤、グリセリン等の光沢剤、界面活性剤、香料、
色素、顔料等が保持されうる。また、固体基材が繊維カゝらなる織布ゃ不織布である場 合には、制電剤、安定剤、黄変防止剤、滑剤等が保持されうる。
[0054] 本形態のシート状抗菌性材料 10は、乾燥して 、てもよく、湿潤して 、てもよ 、。ただ し、金属に対する腐食性を低減させ、ヨウ素の安定性を向上させるという観点力 は、 乾燥していることが好ましい。ここで、本形態のシート状抗菌性材料 10が湿潤してい る場合、シート状抗菌性材料 10に含浸される含浸液としては、例えば、水や含水ァ ルコール、界面活性剤等が挙げられる。
[0055] また、本形態のシート状抗菌性材料 10は、積層型であってもよ!/ヽ。積層型のシート 状抗菌性材料 10の形態としては、例えば、図 2に示す形態が挙げられる。図 2は、積 層型のシート状抗菌性材料を示す断面図である。図 2に示す形態において、シート 状抗菌性材料 10は、第 1のシート状材料 10Aと、第 2のシート状材料 10Bとからなる 。そして、第 1のシート状材料 10Aは、第 1のシート状基材 12Aにヨウ素系化合物 (A ) 14のみが保持された構成を有する。一方、第 2のシート状材料 10Bは、第 2のシー ト状基材 12Bにヨウ素系酸化剤 (B) 16および酸化合物 (C) 18が保持された構成を 有する。
[0056] 図 2に示すように、ヨウ素系化合物 (A) 14とヨウ素系酸化剤(B) 16とが別々の固体 基材に保持されてなる積層型のシート状抗菌性材料 10は、使用前にはヨウ素色をほ とんど呈さないため、好ましい。さらに、製造工程において I
3—や I
5—が存在しないため
、製造機器の腐蝕が防止されうるという観点からも好ましい。ただし、シート状抗菌性 材料 10の呈するヨウ素色が薄められた形態のみに、本発明の技術的範囲が制限さ れるわけではない。図 2に示す形態のシート状抗菌性材料 10の呈するヨウ素色が低 減される理由については、下記の製造方法の欄において、詳述する。また、図 2に示 すように、酸化合物 (C) 18がヨウ素系化合物 (A) 14とは別の固体基材に保持される と、換言すれば、ヨウ素系酸化剤 (B)が保持された固体基材に酸化合物 (C) 18が保 持されると、酸化合物 (C)の影響による、ヨウ素系化合物 (A)力ものヨウ素 (I—や I ")
3 5 の生成の可能性を完全に除去できると 、う観点力も好まし 、。
[0057] ここで、図 2に示す形態のシート状抗菌性材料 10を構成する各シート状材料(10A 、 10B)および各シート状材料の本体である各シート状基材(12A、 12B)に冠せられ
る「第 1の」および「第 2の」という語は、ヨウ素系化合物 14と、ヨウ素系酸化剤 16およ び酸ィ匕合物 18とが、それぞれ別々のシート状基材に保持され、それぞれ別々のシー ト状材料を構成して ヽることを示すために便宜的に用いられて ヽるに過ぎな、ヽ。従つ て、「第 1の」および「第 2の」という序列自体に格別の意味はない。また、第 1のシート 状基材 12Aの原料と第 2のシート状基材 12Bの原料とは、同一であってもよいし、異 なっていてもよい。
[0058] なお、本形態の抗菌性材料がシート状抗菌性材料である場合、各成分がシート状 基材に保持される形態は図 2に示す形態のみには限定されず、任意の形態が採用さ れうる。例えば、図 2に示す形態のほか、(1)ヨウ素系化合物 (A)およびヨウ素系酸ィ匕 剤 (B)が第 1のシート状基材に保持され、酸化合物 (C)が第 2のシート状基材に保持 される形態;(2)ヨウ素系化合物 (A)および酸化合物 (C)が第 1のシート状基材に保 持され、ヨウ素系酸化剤 (B)が第 2のシート状基材に保持される形態;(3)ヨウ素系化 合物 (A)が第 1のシート状基材に保持され、ヨウ素系酸化剤 (B)が第 2のシート状基 材に保持され、酸ィ匕合物 (C)が第 3のシート状基材に保持される (ただし、第 1〜第 3 のシート状基材の積層順序に制限はない)形態など、どのような形態も採用されうる。
[0059] あるいは、本形態のシート状抗菌性材料 10は、図 1および図 2に示す形態のシート 状抗菌性材料 10の片面または両面に、本形態におけるシート状抗菌性材料以外の シートがさらに配置されてなる積層型シートであってもよい。上述したように、本形態 のシート状抗菌性材料は使用時にヨウ素色を呈する場合がある。かような場合に、他 のシートと積層された積層型シートとすることで、ヨウ素色を呈する本形態のシート状 抗菌性材料が被覆され、外観が改善されうる。カゝような積層型シートにおいても、積 層型シートの表面に付着した微生物を含む汚染物は本形態のシート状抗菌性材料 の層まで拡散しうるため、抗菌作用は充分に発揮されうる。また、図 2に示す形態の シート状抗菌性材料 10において、第 1のシート状材料 10Aと第 2のシート状材料 10 Bとの間に、本形態におけるシート状抗菌性材料や当該材料を構成するシート以外 のシートがさらに配置されてもよい。力 うな積層型シートにおいても、抗菌作用は充 分に発揮されうる。なお、本形態のシート状抗菌性材料が積層型シートとされる場合 、本形態のシート状抗菌性材料に加えて配置されうるシートとしては、特に制限され
ないが、例えば、本形態において用いられうる基材カもなるシートが、採用されうる。
[0060] 本形態のシート状抗菌性材料 10の製造方法については、特に制限はない。
[0061] 図 1に示す形態のシート状抗菌性材料 10は、例えば、保持させたい成分を含む浸 漬溶液を調製し、当該溶液にシート状基材 12を浸漬させ、取り出して乾燥させるとい う手法により、製造可能である。以下、工程順に説明する。
[0062] まず、適当な溶媒を準備し、準備した溶媒に、上述したヨウ素系化合物 (A) 14、ョ ゥ素系酸化剤 (B) 16、および酸化合物 (C) 18を添加することにより、浸漬溶液を調 製する。この際、上記の成分以外の成分をもシート状基材 12に保持させたい場合に は、保持させたい成分を同時に浸漬溶液に添加するとよい。また、従来公知の知見 に基づいて、これらの添加剤のほかにも、溶液の特性を変化させる目的で安定化剤 等のその他の添加剤が添加されてもよい。準備する溶媒については特に制限はなく 、水、エタノール、メタノール、トルエン、酢酸ェチル、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメ チルスルホキシド、およびこれらの混合溶媒などが用いられうる。ただし、上記の各成 分を充分に溶解させうるという観点力 は、水または水を主成分とする溶媒が好ましく 用いられうる。
[0063] 次いで、別途準備したシート状基材 12を、上記で調製した浸漬溶液に浸漬させる。
これにより、浸漬溶液に含まれる各成分がシート状基材 12の内部および表面に保持 される。浸潰させる際の具体的な温度条件ゃ浸漬時間については特に制限はなぐ 従来公知の知見が適宜参照されうる。
[0064] その後、浸漬溶液力もシート状基材 12を取り出し、乾燥させる。乾燥の具体的な手 法についても特に制限はなぐ自然乾燥が用いられてもよいし、加熱や送風による強 制乾燥が用いられてもよ 、。加熱時の温度条件や乾燥時間につ ヽても特に制限は なぐ従来公知の知見を参照して、適宜設定すればよい。
[0065] 以上、浸漬溶液に含まれる各成分を、浸漬法によりシート状基材 12の内部および 表面に保持させる形態を例に挙げて説明したが、本形態のシート状抗菌性材料 10 の製造方法力 Sかような形態のみに制限されるわけではない。例えば、上記で調製し た溶液をスプレー塗布やロール添着などの手法によりシート状基材 12の表面に塗布 するといつた手法が採用されてもよい。そして、塗布後に同様の乾燥処理を施せばよ
い。力 うな形態によれば、溶液中の各成分がシート状基材 12の表面に保持された 形態のシート状抗菌性材料 10が製造されうる。さらに、可能であれば、上記の浸漬 溶液にさらにシート状基材 12の原料を添加し、抄紙するといつた手法が採用されても よい。
[0066] 本発明のさらに他の形態によれば、上述したシート状抗菌性材料の好ましい製造 方法が提供される。本形態の製造方法によれば、図 2に示す形態のシート状抗菌性 材料が製造されうる。すなわち、本形態は、溶媒にヨウ素系化合物 (A)を溶解させた 溶液に、第 1のシート状基材を浸漬させて、前記第 1のシート状基材に前記ヨウ素系 化合物 (A)を保持させる工程と、溶媒にヨウ素系酸化剤 (B)および酸化合物 (C)を 溶解させた溶液に、第 2のシート状基材を浸漬させて、前記第 2のシート状基材に前 記ヨウ素系酸化剤 (B)および前記酸化合物 (C)を保持させる工程と、前記第 1のシ ート状基材および前記第 2のシート状基材を乾燥させる工程と、前記第 1のシート状 基材および前記第 2のシート状基材を積層する工程と、を有する、シート状抗菌性材 料の製造方法である。参考までに、本形態の製造方法により積層型のシート状抗菌 性材料を製造する様子を図 3に示す。
[0067] 本形態の製造方法は、図 3に示すように、ヨウ素系化合物 (A)を含む浸漬溶液と、 ヨウ素系酸化剤 (B)および酸化合物 (C)を含む浸漬溶液とを別々に調製し、それぞ れに別々のシート状基材 12を浸漬させて各成分を保持させ、それぞれのシート状基 材 12を積層することによりシート状抗菌性材料 10とする点以外は、図 1に示す形態 のシート状抗菌性材料についての上記の製造方法と同様である。
[0068] 本形態の製造方法により製造される、図 2に示す形態のシート状抗菌性材料 10は 、上述したように、使用前にはヨウ素色をほとんど呈さない。これは、以下のように説 明される。
[0069] すなわち、保持される全ての成分を含む浸漬溶液を一度に調製すると、当該浸漬 溶液において、上記の化学反応式(1)〜(3)で示される反応が進行する。従って、あ る程度の I—や I 一、 Iが生成し、保持工程においてこれらも保持されることで、製造さ
3 5 2
れるシート状抗菌性材料 10はある程度のヨウ素色を呈する。これに対し、本形態の 製造方法によれば、保持される各成分が浸漬溶液中に一度に共存することがないた
め、ヨウ素色を呈する I—や I―、 Iが生成しない。このため、本形態の製造方法によつ
3 5 2
て製造されるシート状抗菌性材料は使用前にヨウ素色を呈することはほとんどないの である。従って、本形態の製造方法によれば、美観上好ましいシート状抗菌性材料 1 0が製造されうる。さらに、製造工程において I—や I—が存在しないため、製造機器
3 5
の腐蝕が防止されうると 、う観点からも好ま 、。
[0070] 本形態の製造方法においては、第 1のシート状基材 12Aおよび第 2のシート状基 材 12Bのそれぞれに所望の成分を保持させた後、これを積層して、積層型のシート 状抗菌性材料 10とする。この際、各シート状基材 12を各浸漬溶液力も取り出した後 、乾燥前に積層し、積層後に乾燥させてもよいし、各シート状基材 12を各浸漬溶液 から取り出した後、それぞれのシート状基材 12を乾燥させて、乾燥後に積層してもよ い。上述のメカニズムにより I—や I―、 Iを生成させないという観点からは、乾燥後に
3 5 2
積層する形態が好ましく採用されうる。
[0071] 各シート状基材 12を積層することにより積層型のシートとする際の積層の手法は特 に制限されず、積層シートの製造分野において従来公知の手法が適宜採用されうる 。積層手法の選択にあたっては、第 1のシート状基材 12Aに保持された成分と、第 2 のシート状基材 12Bに保持された成分とが積層時にはほとんど反応しないように考 慮するとよい。積層手法の一例としては、例えば、第 1のシート状基材 12Aと第 2のシ 一ト状基材とを重ねて積層体とし、当該積層体の周辺部のみを熱接着する手法が挙 げられる。その他の手法が採用されても、勿論よい。
[0072] 本形態のシート状抗菌性材料 10は、各成分の保持量や固体基材などの形態が適 宜調節されることによって、種々の用途に適用されうる。例えば、微生物を含む汚染 物が付着しうる区画において本形態のシート状抗菌性材料 10を用いることで、汚染 物が本形態のシート状抗菌性材料 10に付着し、付着した汚染物中の水分との接触 によって生成したヨウ素イオン (Γ)、ヨウ素系酸化剤 (IO_、 IO一、 IO―)、およびプロ
3 4
トン (H+)から、上述の化学反応式(1)〜(3)に示すメカニズムによって I—や I—が生
3 5 成し、これらによって含まれる微生物が効果的に殺菌されうる。すなわち、抗菌作用 が発現する。
[0073] よって、本形態のシート状抗菌性材料 10の具体的な用途としては、例えば、トイレ
用マットとしてトイレの床に敷く;実験台シートとして微生物を取扱う研究施設にぉ ヽ て実験台や床の上に敷く;医療用シートとして医療機関における作業台や床の上に 敷く;ペット用シートとしてペット用トイレや鳥かごの中に敷く;キッチンペーパーとして キッチンの作業台や床の上に敷くといった敷物用、浸漬殺菌シートとして微生物によ り汚染された溶液に浸漬させるといった浸漬用、フィルタとして、エアコン、空気清浄 器および掃除機に装着されるといったフィルタ用などの形態が挙げられるが、これら に制限されるわけではない。また、上記のような種々の場所において、汚染物を拭き 取るための拭き取り用に用いられても、勿論よい。
[0074] (第 3実施形態)
以上、固体基材としてシート状基材を用いたシート状抗菌性材料を例に挙げて本 発明の抗菌性材料の構成およびその製造方法を詳細に説明したが、本発明の技術 的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、シート状の形態 のみに制限されるわけではない。
[0075] 本形態の抗菌性材料のシート状以外の形態としては、例えば、固体基材として粒状 基材が用いられた粒状の形態が挙げられる。すなわち、本願は、固体基材が粒状基 材である抗菌性材料をも提供する。
[0076] 本形態の抗菌性材料は、固体基材の形状が粒状であること以外は上述したシート 状抗菌性材料と同様である。従って、ここでは詳細な説明を省略する。
[0077] 粒状基材の粒径は特に制限されず、粒状抗菌性材料の用途に応じて適宜決定さ れうる。
[0078] 本形態の抗菌性材料においては、第 1実施形態の欄において説明した各成分が 粒状基材に含まれる。この際、各成分の含有形態について特に制限はない。例えば 、ヨウ素系化合物 (A)、ヨウ素系酸化剤 (B)、および酸ィ匕合物 (C)の全てが同一の粒 状基材に保持されてなる形態であってもよい。この形態は、概念的には図 1に示す形 態のシート状抗菌性材料に対応する。また、本形態の粒状抗菌性材料は、第 1の粒 状基材に、ヨウ素系化合物 (A)が保持されてなる第 1の粒状材料と、第 2の粒状基材 に、ヨウ素系酸化剤 (B)および酸ィ匕合物 (C)が保持されてなる第 2の粒状材料と、が 混合されてなる混合型の形態であってもよい。この形態は、概念的には図 2に示す積
層型のシート状抗菌性材料に対応する。ただし、これらの形態のみには制限されず、 例えば、(1)ヨウ素系化合物 (A)およびヨウ素系酸化剤 (B)が第 1の粒状基材に保持 され、酸化合物 (C)が第 2の粒状基材に保持される形態;(2)ヨウ素系化合物 (A)お よび酸化合物 (C)が第 1の粒状基材に保持され、ヨウ素系酸化剤 (B)が第 2の粒状 基材に保持される形態;(3)ヨウ素系化合物 (A)が第 1の粒状基材に保持され、ヨウ 素系酸化剤 (B)が第 2の粒状基材に保持され、酸化合物 (C)が第 3の粒状基材に保 持され、これらの粒状基材が均質に混合されてなる形態など、どのような形態も採用 されうる。
[0079] 粒状基材の形状やサイズについても特に制限はない。粒状基材の形状は球状で あってもよいし、直方体状や不定形状であってもよい。また、サイズについても、粒状 と称される程度に小さ 、もののほか、塊状や固形物と 、つた印象を与えうる大き 、も のもまた、粒状基材として用いられうる。
[0080] 本形態の抗菌性材料の製造方法についても特に制限はない。上述した第 2実施形 態の抗菌性材料の製造方法にお!ヽて、用いる固体基材をシート状基材から粒状基 材に代えることで、本形態の粒状抗菌性材料が製造可能である。また、上述した第 2 実施形態の抗菌性材料の製造方法と同様の思想によって、第 1の粒状基材にヨウ素 系化合物 (A)を保持させ、第 2の粒状基材にヨウ素系酸化剤 (B)および酸化合物 (C )を保持させ、そして各成分が保持された第 1の粒状基材と第 2の粒状基材とを混合 することによって、混合型の粒状抗菌性材料が製造されうる。
[0081] 粒状である本形態の抗菌性材料は、各成分の含有量や固体基材などの形態が適 宜調節されることで、シート状抗菌性材料と同様のメカニズムによって種々の用途に 適用され、抗菌性を発揮しうる。そしてその際には、ヨウ素が有効に利用されうる。
[0082] 粒状である本形態の抗菌性材料の具体的な用途としては、例えば、ペット用トイレ 砂としてペット用トイレの底に敷くといった敷物用;布団用もしくは枕用充填材として布 団ゃ枕の内部に充填するといつた充填用などの形態が挙げられるが、これらに制限 されるわけではない。
実施例
[0083] 以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲が下
記の形態のみに制限されるわけではな 、。
[0084] <実施例 1 >
水にヨウ素系化合物 (A)であるヨウ化カリウム (KI) (0. 109質量%)、ヨウ素系酸ィ匕 剤(B)であるヨウ素酸カリウム (KIO ) ( 1. 0質量0 /0)、酸ィ匕合物(C)であるクェン酸一
3
水和物(2. 0質量0 /0)、シクロデキストリン(CD)である a— CD (3. 0質量0 /0)およびメ チル β - CD (2. 0質量0 /0)を添加し、撹拌により溶解させた水溶液 lOOmLを準備し た。
[0085] 上記で準備した水溶液に、 1質量%デンプン試液 10mLを添カ卩し、ヨウ素—デンプ ン反応による青色液を得た。
[0086] この青色液に、 0. 02Nチォ硫酸ナトリウム液を撹拌しながら滴下していくと、ヨウ素 の還元により青色が消失したが、チォ硫酸ナトリウム液の滴下を中止して撹拌を継続 すると、初期と同等の青色が復活した。さらに、再度上記のチォ硫酸ナトリウム液を撹 拌しながら滴下していくと、ヨウ素の還元により青色が消失した力 チォ硫酸ナトリウム 液の滴下を中止して撹拌を継続すると、再度初期と同等の青色が復活した。
[0087] 以上のことから、本実施例の水溶液においては、水溶液中に存在するヨウ化物ィォ ン (Γ)が絶えずヨウ素 (I—や I―)に再生されていることが示唆される。
3 5
[0088] <実施例 2 >
以下の手法により、図 3に示す製造方法に従って、図 2に示す積層型のシート状抗 菌性材料を作製した。
[0089] [浸漬溶液の調製]
まず、第 1の浸漬溶液の溶媒として、水を準備した。この水に、ヨウ素系化合物 (A) であるヨウ化カリウム (KI) (0. 109質量0 /0)、並びに、シクロデキストリン(CD)である a—CD (3. 0質量0 /0)およびメチルー β—CD (2. 0質量0 /0)を添カ卩し、撹拌により 均一に混合して、第 1の浸漬溶液を調製した。
[0090] 一方、第 2の浸漬溶液の溶媒として、上記と同様の水を準備した。この水に、ヨウ素 系酸化剤(B)であるヨウ素酸カリウム (KIO ) ( 1. 0質量0 /0)、酸ィ匕合物(C)であるク
3
ェン酸一水和物(2. 0質量%)、および上記と同様のメチルー β CD (5. 0質量%) を添加し、撹拌により均一に混合して、第 2の浸漬溶液を調製した。
[0091] さらに、固体基材として、市販のパルプ製織布 (株式会社サン'ジャパン製;「ぺー パー化学ぞうきん 厚手」)を 5cm X 5cmのサイズに計 2枚切断して、第 1および第 2 のシート状基材を準備した。
[0092] 上記で調製した第 1および第 2の浸漬溶液に、上記で準備した第 1および第 2のシ ート状基材をそれぞれ浸漬させ、 25°Cにて 1分間放置し、浸漬溶液中の各成分をシ ート状基材に保持させた。
[0093] 次 、で、各浸漬溶液から各シート状基材を取り出し、これらを乾燥機による 80°Cの 熱風に 30分間当て、各シート状基材を乾燥させた。
[0094] そして、各シート状基材を積層した後に積層体をクリップで固定して、本実施例の 抗菌性シートを作製した。
[0095] 作製した抗菌性シートの中央部に、 1質量%デンプン水溶液を滴下したところ、滴 下部位が鮮やかな青紫色を呈し、いわゆるヨウ素 デンプン反応が進行していること が確認された。このヨウ素 デンプン反応による呈色は短時間では消失せず、数時 間程度維持された。
[0096] <実施例 3 >
市販のティシュー (エリエール (登録商標)、大王製紙株式会社製)を 1枚ずつに剥 離後、 3cm X 3cmのサイズに切断し、水に浸漬させて取り出し、指先で麦粒大に丸 めて水を切った。次いで、赤外吸収スペクトル測定用 KBr打錠機を用いて 300kgの 圧力にて加圧して固化させて、粒状の固体基材を得た。そして、得られた固化物を 2 つの群に分けて、自然乾燥させた。
[0097] その後、一方の群には上記の実施例 1で調製した第 1の浸漬溶液を滴下し、他方 の群には上記の実施例 1で調製した第 2の浸漬溶液を滴下して、浸漬溶液中の各成 分を固体基材に保持させた。
[0098] 次いで、各成分を保持させた固体基材を、 80°Cの熱風に 1時間当てることにより乾 燥させ、 2つの群の固体基材を均一に混和して、粒状の抗菌性材料を作製した。
[0099] 作製した粒状の抗菌性材料に、 1質量%デンプン水溶液を滴下したところ、滴下部 位が鮮やかな青紫色を呈し、いわゆるヨウ素 デンプン反応が進行していることが確 認された。このヨウ素 デンプン反応による呈色は短時間では消失せず、数時間程
度維持された。
[0100] 以上のことから、実施例 1のシート状の抗菌性材料および実施例 2の粒状の抗菌性 材料の双方において、水分との接触により I—や I—が生成し、さらにヨウ素の作用が
3 5
長時間維持されうることが示された。従って、本発明の抗菌性材料は、汚染物と接触 した際にも抗菌作用を発揮しうることが示唆される。
[0101] なお、本出願は、 2005年 5月 19日に出願された日本特許出願第 2005— 14697 2号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。