WO2015141656A1 - 化粧シート、及びこれを用いた化粧部材 - Google Patents

化粧シート、及びこれを用いた化粧部材 Download PDF

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  • the thickness of the decoration layer may be appropriately selected according to the desired pattern, and is usually about 1 to 20 ⁇ m, preferably about 1 to 10 ⁇ m.
  • the irradiation dose is preferably such that the crosslinking density of the ionizing radiation curable resin is saturated.
  • the irradiation dose is usually selected in the range of 5 to 300 kGy (0.5 to 30 Mrad), preferably 10 to 50 kGy (1 to 5 Mrad).

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Abstract

本発明は、薄膜化への要望に対応しつつ、優れた成形加工性を有し、かつ仕上がりを含めた外観や質感(触感)等を含めた意匠性を有する化粧シート(1)を提供することを課題とする。本発明は、ポリエステル樹脂又はポリオレフィン樹脂により構成される基材シート(2)上に、装飾層(3)及び表面保護層(5)をこの順に有し、総厚みが70~135μmであり、少なくとも該表面保護層(5)が凹形状(6)を有しており、該凹形状(6)の最大深さが該総厚みに対して15~100%であり、かつ15μm以上であり、120℃と20℃とにおける引張弾性率の比率が1:12~1:160であり、120℃と20℃とにおける30mm延伸時の最大点荷重の比率が1:1.7~1:30である化粧シート(1)に関する。

Description

化粧シート、及びこれを用いた化粧部材
 本発明は、化粧シート、及びこれを用いた化粧部材に関する。
 壁、天井、床等の建築物の内外装用部材、又は、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具を装飾する場合には、化粧シートが一般的に用いられる(例えば、特許文献1)。化粧シートは、複雑な形状を装飾することを考慮すると、薄いものであるほど加工性の点で優位である。また、環境面において、建築物の内外装用部材又は建具を構成する木質基材、樹脂基材等の部材をリサイクルするという概念は一般に浸透しており、リサイクル性を損なわないためにも、化粧シートは極力薄いものとすること(化粧シートの薄膜化)が望まれている。
 化粧シートを部材(被着材)にラミネート加工、ラッピング加工等の貼着加工をした後、化粧シートを切削加工すること等が必要となる。化粧シートは、一般的に切削加工時にはその摩擦により熱を帯びることがある。また、使用する接着剤の種類によっては、ラミネート加工又はラッピング加工の際に化粧シートが加熱(加温)される、あるいはVカット加工又は組立加工の際に加熱(加温)される場合がある。また仕上げにおいても化粧シートに熱が残った状態で行うことが想定される。このように、化粧シートは加工時に加熱された状態又は熱が残った状態で扱われる状況が多く想定されることから、熱特性に適している必要がある。また、化粧シートの加工方法として真空成型加工が知られている。真空成型加工時には、化粧シートは加熱された環境、かつ真空環境下におかれるため、熱特性に加えて機械的特性(強度)に適することも必要となる。これらの特性に適していないと、化粧シートと部材(被着材)との剥がれが生じる。さらに化粧シートに割れ若しくは裂け、又はシワが生じてしまい、成型加工性が低下し、得られる部材、建具等の意匠性を大いに損ねることになる。
 さらに、化粧シートが求められる性能として、上記のようなシートの割れ若しくは裂け、又はシワが生じないという仕上げ面での意匠性に加えて、外観又は質感(触感)に関する意匠性を表現することも重要な性能となる。この意匠性を表現する手段として、一般的にはエンボス加工により凹形状を表面に形成してパターンニングする手法が採用される。このような意匠性を表現する手段を採用する場合、化粧シートが薄すぎると、エンボス加工の際に化粧シートに破断が生じる。また、化粧シートが薄すぎると、エンボス加工により凹形状が化粧シートの裏面に出てしまうため、部材(被着材)に貼着加工すると凹形状が潰れたような仕上がりになる。
 また、化粧シートを部材(被着材)に貼着加工をする際、該化粧シートと接着剤との密着性を高めるため、及び該部材(被着材)へのダメージを抑えるために、接着剤を化粧シートに塗布することがある。この場合、接着剤としてホットメルト接着剤を採用すると、化粧シートの構成又は材質によっては、エンボスによる凹形状が浅くなる、又は消失することがある。
特開2000-326451号公報
 特許文献1に記載されている化粧シートをはじめとして、従来使用されている化粧シートにおいて、特にラミネート加工又はラッピング加工により化粧部材を得るために用いられるものとしては、より薄膜化に対応しつつも、優れた成型加工性を有し、かつ外観又は質感(触感)に関する意匠性を有する化粧シートは未だ提供されていない。このため、そのような化粧シートが強く要望されている。
 そこで、本発明は上記問題点に鑑み、薄膜化への要望に対応しつつ、優れた成形加工性を有し、かつ外観、質感(触感)等を含めた意匠性を有する化粧シートを提供することを目的とするものである。
 本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の発明により当該課題を解決できることを見出した。すなわち本発明は、以下の化粧シート及び該シートを用いた化粧部材を提供するものである。
1.ポリエステル樹脂又はポリオレフィン樹脂により構成される基材シート上に、装飾層及び表面保護層をこの順に有し、総厚みが70~135μmであり、少なくとも該表面保護層が凹形状を有しており、該凹形状の最大深さが該総厚みに対して15~100%であり、かつ15μm以上であり、120℃と20℃とにおける引張弾性率の比率が1:12~1:160であり、120℃と20℃とにおける30mm延伸時の最大点荷重の比率が1:1.7~1:30である化粧シート。
2.前記基材シートと前記表面保護層との間に、さらに樹脂層を有する上記項1に記載の化粧シート。
3.前記基材シートが、ポリオレフィン樹脂により構成されるものである上記項1又は2に記載の化粧シート。
4.前記樹脂層が、ポリオレフィン樹脂により構成されるものである上記項2又は3に記載の化粧シート。
5.前記表面保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である上記項1~4のいずれかに記載の化粧シート。
6.基材シート、装飾層、樹脂層、及び表面保護層をこの順に有し、該樹脂層及び表面保護層が透明である上記項1~5のいずれかに記載の化粧シート。
7.ラミネート加工又はラッピング加工に用いられる請求項1~6のいずれかに記載の化粧シート。
8.上記項1~7のいずれかに記載の化粧シートの基材シートの側の面と被着材とが、接着剤層を介して貼着してなる化粧部材。
 本発明によれば、薄膜化への要望に対応しつつ、優れた成形加工性を有し、かつ外観、質感(触感)等を含めた意匠性を有する化粧シートを得ることができる。
本発明の化粧シートの好ましい構成の一例を示す模式図である。
 本発明の化粧シートは、ポリエステル樹脂又はポリオレフィン樹脂により構成される基材シート上に、装飾層及び表面保護層をこの順に有し、総厚みが70~135μmであり、少なくとも該表面保護層が凹形状を有しており、該凹形状の深さが該総厚みに対して15~100%であり、かつ15μm以上であり、120℃と20℃とにおける引張弾性率の比率(以後、単に引張弾性率の比率と称することがある。)が1:12~1:160であり、120℃と20℃とにおける30mm延伸時の最大点荷重の比率(以後、単に最大点荷重の比率と称することがある。)が1:1.7~1:30であることを特徴とするものである。
 以下、図1を参照しつつ、本発明の化粧シートの構成について詳細に説明する。図1は本発明の化粧シート1の好ましい構成の一例を示すものである。図1に示される化粧シート1は、基材シート2上に、装飾層3、樹脂層4、及び表面保護層5をこの順に有する。該表面保護層5は凹形状6を有している。また、この凹形状6は、図1に示されるように、表面保護層5内に留まっているもの、基材シート2に至るもの等を含む。
 まず、本発明の化粧シートの総厚み、引張弾性率の比率、及び最大点荷重の比率に係る性状について説明する。
 本発明の化粧シートの総厚みは、70~135μm程度であることを要する。70μm未満であると、薄膜化の観点からは優れているものの、良好な耐傷性が得られず、また装飾層の保護が十分ではなくなる場合がある。一方、135μmより厚くなると、ラッピング加工時に化粧シートと部材との剥がれ(スプリングバック)が生じ、優れた成型加工性又は意匠性が得られない。これと同様の観点から、総厚みは75~125μmであることが好ましく、90~125μmであることがさらに好ましい。
 本発明の化粧シートは、120℃と20℃とにおける引張弾性率の比率が1:12~1:160であることを要する。引張弾性率の比率が1:12よりも小さい(20℃の時の引張弾性率がより小さい)と、ラッピング加工等の後に行う切削加工の際に化粧シートに突起又は凹み、あるいは欠け等が発生し、加工性(切削性)が悪化する。一方、1:160よりも大きい(20℃の時の引張弾性率がより大きい)と、化粧シートに熱が加わった際に柔らかくなりすぎて、ラッピング加工又はその他の加工時の加熱により凹形状の戻りが生じ、意匠性が悪化する。これと同様の観点から、引張弾性率の比率は1:20~1:130であることが好ましく、1:30~1:100であることがより好ましく、1:30~1:75であることがさらに好ましい。
 ここで、引張弾性率の比率は、120℃及び20℃における引張弾性率を測定し、その比率を算出したものである。引張弾性率は、JIS K6732に準拠したダンベル型試験片に打ち抜いた化粧シートを用意し、120℃及び20℃の温度条件下にて、引張圧縮試験機を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離80mmの条件で測定して得られた引張応力-ひずみ曲線の初めの直線部分から、次の式によって計算する。
E=Δρ/Δε
E:引張弾性率
Δρ:直線上の2点間の元平均断面積による応力差
Δε:同じ2点間のひずみ差
 本発明の化粧シートは、120℃と20℃とにおける30mm延伸時の最大点荷重の比率が1:1.7~1:30であることを要する。最大点荷重の比率が1:1.7よりも小さい(20℃の時の最大点荷重がより小さい)と、ラッピング加工等の後に行う切削加工の際に化粧シートに突起又は凹み、あるいは欠け等が発生し、加工性(切削性)が悪化する。さらに、最大点荷重の比率が1:1.7よりも小さいと、化粧シートが固すぎるために良好な凹形状を形成することができず、意匠性が低下する。一方、1:30よりも大きい(20℃の時の最大点荷重がより大きい)と、化粧シートに熱が加わった際に柔らかくなりすぎて、ラッピング加工又はその他の加工時の加熱により凹形状の戻りが生じ、意匠性が悪化する。これと同様の観点から、最大点荷重の比率は1:2.5~1:25であることが好ましく、1:5~1:15であることがより好ましい。
 ここで、最大点荷重の比率は、120℃及び20℃における最大点荷重を測定し、その比率を算出したものである。最大点荷重は、JIS K6734に準拠したダンベル型試験片状に打ち抜いた化粧シートを用意し、120℃及び20℃の温度条件下にて、引張圧縮試験機を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離80mmの条件で測定して得られた値である。
[基材シート]
 次に、本発明の化粧シートを構成する各層について説明する。
 本発明の化粧シートにおける基材シートは、ポリエステル樹脂又はポリオレフィン樹脂により構成されるものである。これらの樹脂により構成される基材シートを用いることで、引張弾性率の比率及び最大点荷重の比率を所定の範囲内とすることができ、優れた成型加工性とともに優れた意匠性が得られる。
 ポリエステル樹脂としては、この分野で用いられている公知のポリエステル樹脂を広く使用することができる。ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」ということがある。)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体、ポリアリレート等が挙げられる。これらの中でポリエチレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレートが好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
 ポリオレフィン樹脂としては、この分野で用いられている公知のポリオレフィン樹脂を広く使用することができる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体等が挙げられる。これらの中で、ポリエチレン、及びポリプロピレンが好ましい。引張弾性率の比率及び最大点荷重の比率を所定の範囲内にしやすい樹脂である点で、ポリオレフィン樹脂が好ましく使用される。
 基材シートの厚みは、20~130μm程度であることが好ましく、30~100μm程度であることが好ましく、40~80μm程度であることがさらに好ましい。基材シートの厚みが上記範囲内であると、化粧シートの総厚みを本発明で規定の範囲内に調整しやすく、また優れた成型加工性とともに優れた意匠性が得られる。
 また、基材シートは、着色された樹脂で構成されていることが好ましい。着色された樹脂を用いることで、化粧シートを貼着する部材の表面色相がばらついている場合に、表面色相を良好に隠蔽することができる。これにより一段と優れた意匠性が得られ、また所望に応じて設けられる装飾層の色調の安定性を確保することができる。
 上述の目的で用いられる着色剤は、用途に応じて適宜選択すればよい。着色剤を用いることで、例えば、基材シートを有色透明、又は有色不透明に着色することができる。一般的には被着体となる部材の表面を隠蔽することが必要であるため、有色不透明とすることが好ましい。着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
 着色剤の添加量は、通常、上述の基材シートを形成する樹脂100質量部に対し、1~50質量部程度である。
 また、基材シートは、基材シートと他の層との層間密着性、基材シートと各種の被着材との接着性の強化等のために、基材シートの片面または両面に、酸化法、凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理を施すことができる。
 上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン及び紫外線処理法等が挙げられる。上記凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択され、効果及び操作性等の面からコロナ放電処理法が好ましく用いられる。
 また、基材シートと各層との層間密着性の強化等を目的として、プライマー層や裏面プライマー層を形成する等の処理を施してもよい。
 さらに、基材シートには、必要に応じて、無機充填剤を添加してもよい。無機充填剤として、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)等の粉末等が挙げられる。無機充填剤の添加量は、通常、基材シートを形成する樹脂100質量部に対し、1~50質量部程度である。
 また、基材シートには、必要に応じてその他の各種添加剤、例えば、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が配合されていてもよい。
[装飾層]
 本発明の化粧シートにおける装飾層は、本発明の化粧シートに装飾性を付与するものである。装飾層は、化粧シートの全面を被覆する一様均一な着色層であってもよいし、種々の模様をインキ及び印刷機を使用して印刷することにより形成される絵柄層であってもよいし、又はこれらを組み合わせたものであってもよい。
 装飾層に用いられるインキとしては、バインダーに顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。
 バインダーとしては特に制限はなく、熱可塑性樹脂、1液硬化性樹脂、2液硬化性樹脂等の硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂として、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂として、例えば、ポリウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂等が挙げられる。これらの中から任意のものを、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
 着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
 装飾層が絵柄を有する場合、その模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目又は布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等が挙げられる。さらに、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は、通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成する方法、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によって形成される。本発明においては、後述する凹形状により質感(触感)を表現することができるため、リアルな質感が得られる観点から木目模様が適している。
 装飾層の厚みは、所望の絵柄に応じて適宜選択すればよく、通常1~20μm程度であり、好ましくは1~10μm程度である。
[樹脂層]
 本発明の化粧シートにおける樹脂層は、化粧シートの装飾層の保護、化粧シートの総厚み、引張弾性率及び最大点荷重の調整による成型加工性の向上、ならびに耐傷性の向上の観点から、所望に応じて好ましく設けられる層である。
 樹脂層を構成する樹脂としては、上記の基材シートとして用いられるポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂の他、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂等が好ましく挙げられる。成型加工性の向上、及び耐傷性の向上の観点から、ポリエステル樹脂、及びポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリオレフィン樹脂がより好ましい。また、これと同様の観点から、上記の基材シート及び樹脂層を構成する樹脂がともにポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
 樹脂層は基材シートと表面保護層との間に設けられていればよい。装飾層を保護する観点から、樹脂層は装飾層と表面保護層との間に設けられていることが好ましい。
 樹脂層は透明であっても不透明でもよい。樹脂層が装飾層と表面保護層との間に設けられる場合は、装飾層をより鮮明に視認できるようにする観点から、透明であることが好ましい。ここで、透明とは、無色透明の他、着色透明及び半透明も含むものである。また、樹脂層が着色されている場合、用いられる着色剤としては、上記の基材シートに用いられる着色剤と同様のものが好ましく挙げられる。
 樹脂層の厚みとしては、10~110μm程度であることが好ましく、20~90μm程度であることがより好ましく、30~80μm程度であることがさらに好ましい。樹脂層の厚みを上記の範囲とすることにより、化粧シートの総厚みを本発明で規定の範囲内に調整しやすく、化粧シートの装飾層の保護、化粧シートの総厚み、引張弾性率及び最大点荷重の調整による成型加工性の向上、ならびに耐傷性の向上が望める。
 また、装飾層を保護し、かつ優れた耐傷性を得る観点から、樹脂層の厚みを基材シートよりも厚くすることが好ましい。
 また、樹脂層は、本発明の化粧シートを構成するその他の各層との接着性を向上させる観点から、樹脂層の片面または両面に酸化法、凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理を施すことができる。これらの物理的又は化学的表面処理としては、上記の基材シートの表面処理と同様の方法が好ましく例示される。
[表面保護層]
 本発明の化粧シートは、耐傷性、耐摩耗性、耐薬品性等の表面特性を付与するために、表面保護層を有する。表面保護層は、装飾層の上に直接設けられるか、又は他の層、例えば上記の樹脂層を介して設けられる。表面保護層は、好ましくは硬化性樹脂を含有する樹脂組成物を塗布し、これを硬化したもので構成される。硬化された硬化性樹脂により表面保護層が構成されることで、化粧シートの表面特性を向上させることができる。
 表面保護層の形成に用いられる硬化性樹脂としては、2液硬化性樹脂等の熱硬化性樹脂の他、電離放射線硬化性樹脂等が好ましく用いられる。硬化性樹脂は、異なる種類のものを複数種用いる、いわゆるハイブリッドタイプであってもよい。この場合、例えば、電離放射線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とを併用することができる。
 これらのうち、表面保護層を形成する樹脂の架橋密度を高め、表面の耐傷性又は耐摩耗性を向上させ得るとの観点から、電離放射線硬化性樹脂が好ましい。無溶媒で塗布することができ、取り扱いが容易との観点から、電子線硬化性樹脂がさらに好ましい。
(電離放射線硬化性樹脂)
 電離放射線硬化性樹脂とは、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋又は重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線等を照射することにより、架橋又は硬化する樹脂のことである。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマー及びプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
 代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく、なかでも多官能性(メタ)アクリレートがより好ましい。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似するものも同様の意である。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、エチレン性不飽和結合の数に特に制限はない。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系等が挙げられる。
 さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基を有する疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
 本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレート等とともに、その粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 表面保護層の厚みは、優れた耐傷性とその持続性、さらには耐摩耗性、耐薬品性等の表面特性を得る観点から、2~20μm程度であることが好ましく、2~10μm程度であることがより好ましい。
 表面保護層を形成する樹脂組成物中には、その性能を阻害しない範囲で、上記以外の各種添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤等が挙げられる。
[凹形状]
 表面保護層は、凹形状を有する。本発明の化粧シートは凹形状を有することで、特に質感(触感)に優れたものとなる。この凹形状は、少なくとも表面保護層に存在していればよい。凹形状として、例えば、図1に示されるように、表面保護層内に留まっているもの、基材シートに至るもの等が挙げられる。優れた質感(触感)を得る観点から、表面保護層内に留まるものだけでなく、樹脂層まで至るもの、装飾層まで至るもの、又は基材シートまで至るものが組み合わされていることが好ましい。
 凹形状の最大深さは、化粧シートの総厚みに対して15~100%であり、かつ15μm以上であることを要する。このような最大深さを有することで、エンボス加工の際に化粧シートが破断するのを防ぐとともに、凹形状が潰れたような仕上がりとなるのを防ぐことができる。これにより、優れた質感(触感)が得られ、結果として優れた意匠性が得られる。同様の観点から、凹形状の最大深さとしては、15~80%であることが好ましく、25~80%であることがより好ましい。また、最大深さの下限としては、20μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましい。なお、凹形状の最大深さが化粧シートの総厚みに対して100%である場合には、化粧シートの裏面側に凸形状が現れる。
 ここで、凹形状の最大深さの測定は、以下のように行う。任意の30点の凹形状について、該凹形状の最下点から表面保護層の表面までの高さを、表面粗さ形状測定機を用いて、カットオフ値:2.50mm、カットオフフィルタの種類:2RC、傾斜補正方法:直線の測定条件で測定し、最も深いものを最大深さとした。
 表面保護層に凹形状を施す方法については特に制限はなく、例えば作業の容易さを考慮すると、エンボス加工を採用することが好ましい。エンボス加工は、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機を使用する通常の方法により行えばよい。
[接着層]
 本発明の化粧シートは、必要に応じて接着層を有することができる。特に、本発明の化粧シートが樹脂層を有する場合、該樹脂層と装飾層との間の接着性を向上させるときに、接着層を設けることは有効である。接着層を構成する接着剤としては、通常化粧シートで用いられる接着剤を用いることができる。接着層の厚みは0.1~50μm程度が好ましく、十分な接着性が得られる観点から1~30μmの範囲がより好ましい。
 接着剤としては、特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられる。これらの中でも、ポリウレタン系接着剤が接着力等の点で好ましい。なお、この様なポリウレタン系接着剤としては、2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤等がある。2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等の各種ヒドロキシル基含有化合物と、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の各種ポリイソシアネート化合物とを含む2液硬化型ウレタン樹脂を利用した接着剤である。
 また、アクリル-ポリエステル-塩化ビニル酢酸ビニル系樹脂等も加熱により容易に接着性を発現し、高温での使用でも接着強度を維持し得る好適な接着剤である。
 接着層は、これらの樹脂等からなる接着剤組成物を用いて、塗工法等公知の層形成法で形成することができる。
[プライマー層]
 本発明の化粧シートは、必要に応じて、各層間密着性を向上させるために、各層間のいずれかにプライマー層を有することができる。特に、表面保護層と他の層、例えば樹脂層を設ける場合は表面保護層と樹脂層との間に、プライマー層を設けることが、本発明の化粧シートの優れた耐傷性を得る観点から効果的である。
 プライマー層は、透明又は半透明な層である。プライマー層は、例えば、上述の装飾層に用いたのと同様のバインダー樹脂等で形成することができる。プライマー層の厚みは、0.5~20μm程度が好ましく、1~5μmの範囲がより好ましい。
[化粧シートの製造方法]
 本発明の化粧シートの製造方法について、本発明の化粧シートとして好ましい態様の一つである、基材シート、装飾層、樹脂層、及び表面保護層を順に有する化粧シートを例にとって、その製造方法を説明する。本発明の化粧シートは、例えば、基材シートに装飾層を設ける工程(1)、該装飾層上に樹脂層を設ける工程(2)、該樹脂層上に硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて表面保護層を形成する工程(3)を順に経ることにより製造することができる。
 まず、工程(1)は、基材シート上に装飾層を設ける工程である。装飾層は、基材シート上に装飾層に用いられるインキを塗布して所望の着色層又は絵柄層を設けることにより形成される。該インキの塗布は、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式を用いて行うことができる。好ましくは、グラビア印刷法によりインキの塗布を行う。
 また、基材シートに表面処理を施す場合は、装飾層に用いられるインキを塗布する前に表面処理を行うことができる。表面処理として、基材シートのおもて面又は裏面にプライマー層を設けることが挙げられる。基材シートのおもて面、すなわち基材シートと装飾層との間にプライマー層を設ける場合には、装飾層に用いられるインキを塗布する前に設ければよい。基材シートの裏面、すなわち装飾層を設ける面とは反対側の面に裏面プライマー層を設ける場合は、装飾層に用いられるインキを塗布する前に設けてもよいし、装飾層に用いられるインキを塗布する際に設けることもできる。プライマー層の形成は、プライマー層を形成する樹脂組成物を、例えば、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式で塗布することにより行うことができる。
 工程(2)は、装飾層上に樹脂層を設ける工程である。樹脂層は、上記の装飾層を有する基材シートに必要に応じて接着剤を塗布した後に、樹脂層を形成する樹脂組成物を用いて形成することができる。詳細には、押出ラミネーション、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、サーマルラミネーション等の方法により、樹脂層を装飾層の上に接着又は圧着させることができる。
 工程(3)は、樹脂層上に硬化性樹枝組成物を塗布し、硬化させて表面保護層を形成する工程である。表面保護層は、上記の電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を、樹脂層あるいは該樹脂層上に所望に応じて設けられたプライマー層の上に塗布し、硬化させることにより得られる。
 表面保護層を形成するための、樹脂組成物の塗布は、硬化後の厚みが通常1~20μm程度となるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式により行うことができる。これらの方式の中で、グラビアコートが好ましい。
 表面保護層の形成に電離放射線樹脂組成物を用いる場合、該樹脂組成物の塗布により形成した未硬化樹脂層は、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して架橋硬化することで、表面保護層となる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂又は層の厚みに応じて適宜選定し得る。通常加速電圧70~300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
 照射線量は、電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましい。照射線量は、通常5~300kGy(0.5~30Mrad)、好ましくは10~50kGy(1~5Mrad)の範囲で選定される。
 電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
 また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190~380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
 また、表面保護層の形成に熱硬化性樹脂組成物を用いる場合は、使用する樹脂組成物に応じた熱処理を施して、硬化させて表面保護層を形成すればよい。
 本発明の化粧シートは、薄膜化への要望に対応しつつ、優れた成形加工性を有し、かつ仕上がりを含めた外観や質感(触感)等を含めた意匠性を有する化粧シートである。そして、特に、優れた熱特性及び機械的特性(強度)を有しているので、ラミネート加工、ラッピング加工、真空成型加工等の、熱環境又は真空環境下という厳しい環境に晒される加工に供しても、化粧シートと部材との剥がれ、また化粧シートに割れ若しくは裂け、又はシワが生じるということがなく、優れた成型加工性が得られ、結果として部材に貼着した際に優れた意匠性が得られる。従って、本発明の化粧シートは、ラミネート加工、ラッピング加工、あるいは真空成型加工に好適に用いられる。
[化粧部材]
 本発明の化粧部材は、上記の本発明の化粧シートを部材(被着材)にラミネート加工、ラッピング加工、あるいは真空成型加工等の加工により貼着し、必要に応じて仕上げ加工を施して得られるものであり、該化粧シートの基材シートの側の面と被着材とが、接着剤層を介して貼着されている。
 被着体としては、各種素材の平板、曲面板等の板材;立体形状物品、シート(或いはフィルム)等が挙げられる。板材としては、例えば、木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の板材;鉄、アルミニウム等の板材;ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材;アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ゴム等の板材等が挙げられる。立体形状物品又はシートの素材としては、上記と同様の木質板素材、上記と同様の金属素材、上記と同様の窯業系素材、上記と同様の樹脂素材等が挙げられる。
 化粧シートと被着体とを接着するための接着剤層に用いられる接着剤としては、特に限定されず、公知の接着剤を使用することができる。接着剤として、例えば感熱接着剤、感圧接着剤等が好ましく挙げられる。この接着剤層を構成する接着剤に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合樹脂、スチレン-アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、及びポリアミド系樹脂等の中から選ばれる少なくとも1種の樹脂が使用される。また、イソシアネート等を硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン系接着剤又はポリエステル系接着剤も適用し得る。
 また、接着剤層には、粘着剤を用いることもできる。粘着剤としては、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤を適宜選択して用いることができる。
 接着剤層は、上記の樹脂を溶液、或いはエマルジョン等の塗布可能な形態にしたものを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法又はグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布し、乾燥することにより形成することができる。
 接着剤層の厚みは特に制限はなく、1~100μm程度であることが好ましい。この範囲とすることで、優れた接着性が得られる。
 また、化粧シートと被着体とを貼着する方法としては、例えば、接着剤を間に介して板状の被着体に加圧ローラーで加圧して積層するラミネート方法;化粧シートを間に接着剤を介して供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、被着体を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層してゆくラッピング加工;固定枠に固定した化粧シートが軟化する所定の温度になるまでシリコーンゴムシートを介してヒーターで加熱し、加熱され軟化した化粧シートに真空成形金型を押し付け、同時に真空成形金型から真空ポンプ等で空気を吸引し化粧シートを真空成形金型にしっかりと密着させる真空成形加工等が好ましく挙げられる。
 ラミネート加工又はラッピング加工において、ホットメルト接着剤(感熱接着剤)を用いる場合、加温温度は接着剤を構成する樹脂の種類に応じて変わり、通常は160~200℃程度である。反応性ホットメルト接着剤の場合、加温温度は100~130℃程度である。また、真空成形加工は一般的に加熱しながら行うことから、加温温度は通常80~130℃程度であり、好ましくは90~120℃程度である。
 以上のようにして得られる化粧部材は、任意の箇所で切断し、表面又は木口部にルーター、カッター等の切削加工機を用いて溝加工、面取加工等の任意加飾を施すことができる。そして種々の用途、例えば、壁、天井、床等の建築物の内外装用部材;窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具;キッチン、家具、弱電機器、OA機器等のキャビネットの表面化粧板;車両の内装、外装等に用いることができる。
 次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
(1)加工適性(ラッピング性)
 各実施例及び比較例で得られた化粧部材の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:外観変化は全く確認されなかった。
B:わずかに被着材と化粧シートとの間に浮きが確認された。
C:化粧シートが被着材から剥がれるスプリングバック等が発生するか、或いはラッピングできなかった(貼着できなかった)。
(2)加工適性(切削性)
 各実施例及び比較例で得られた化粧部材を、ルーターを用いて切削加工を施し、切削加工後の仕上げ面の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:外観変化はほとんど確認されなかった。
B:突起又は凹み、欠け等の発生が若干あるが、実用上問題ない。
C:突起又は凹み、欠け等が多く発生した。
(3)意匠性
 各実施例及び比較例で得られた化粧部材の外観(凹形状)を目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:凹形状が残り、質感(触感)が豊かであり、意匠性に優れていた。
B:凹形状がやや浅くなる部分があるが、質感(触感)があり、実用上問題ない意匠性を有していた。
B-:凹形状が浅くなる部分があるが、質感(触感)が残っており、実用上問題ない意匠性を有していた。
C:凹形状が全面的に浅くなっている、もしくは消失し、質感(触感)がなくなった。
(4)耐傷性
 各実施例及び比較例で得られた化粧部材について、JIS K5600-5-4に準拠して、鉛筆引掻き塗膜硬さ試験機(「PSH540-40IP(型番)」、株式会社東洋精機製作所製)、及び鉛筆引掻き値試験用鉛筆(三菱鉛筆株式会社製)を用いて鉛筆硬度の測定試験を行い、以下の基準で評価した。
A:化粧シートの破れが発生した鉛筆硬度がHB以上であった。
B:化粧シートの破れが発生した鉛筆硬度が3B~Bであった。
C:化粧シートの破れが発生した鉛筆硬度が4B以下であった。
実施例1
 両面コロナ放電処理を施したポリプロピレン樹脂シート(厚み:50μm)を基材シートとし、該基材シートの一方の面に2液硬化型アクリル-ウレタン樹脂をバインダーとする印刷インキをグラビア印刷法で塗布して木目柄の装飾層(厚み:2μm)を設け、他方の面に2液硬化型ウレタン-硝化綿混合樹脂組成物を塗布して裏面プライマー層(厚み:2μm)を形成した。装飾層の上に、透明のポリウレタン樹脂系接着剤を塗布して接着層(乾燥後の厚み:3μm)を形成し、透明なポリプロピレン樹脂をTダイ押出機により加熱溶融押出しして、化粧シートの総厚みが第1表に示される厚み(80μm)となるように樹脂層(厚み:19μm)を形成した。
 次いで、樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、2液硬化型アクリル-ウレタン樹脂組成物をグラビア印刷法で塗布してプライマー層(乾燥後の厚み:1μm)を形成し、さらに透明の電子線硬化性樹脂組成物(電子線硬化性樹脂:3官能ウレタンアクリレート)をロールコート法により塗布(固形分:3g/m2)し、乾燥して未硬化樹脂層を形成し、酸素濃度200ppmの環境下で電子線(加圧電圧:125KeV、5Mrad)を照射して該未硬化樹脂層を硬化させて、表面保護層(厚み:3μm)を得た。その後、表面保護層側からエンボス加工を施して、最大深さ50μmの凹形状を有する木目導管模様の凹凸模様を形成し、実施例1の化粧シートを得た。
 得られた化粧シートの裏面プライマー層側に、ポリウレタン系感熱接着剤(ホットメルト接着剤、「PUR704(型番)」、株式会社クライベリットジャパン製)を塗布して接着剤層(厚み20μm)を形成し、該接着剤が固化する前に断面L字形状の塩化ビニル製の被着材の形状に化粧シートを追従させるようにして、被着材と化粧シートとを貼着し、化粧部材を作製した。得られた化粧部材について、上記の評価を行い、その評価結果を第1表に示す。
実施例2~10
 実施例1において、樹脂層の厚みをかえて第1表に示される化粧シートの総厚みとする、基材シートの材質をかえて第1表に示される引張弾性率の比率、あるいは最大点荷重の比率とした以外は、実施例1と同様にして、各々実施例2~10の化粧シート、該化粧シートを用いた化粧部材を作製した。得られた化粧部材について、上記の評価を行い、その評価結果を第1表に示す。
実施例11
 実施例1において、基材シートをポリエチレンテレフタレート樹脂からなる基材シート(厚み:70μm)を用い、接着層及び樹脂層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして実施例11の化粧シート、該化粧シートを用いた化粧部材を作製した。得られた化粧部材について、上記の評価を行い、その評価結果を第1表に示す。
比較例1~6
 実施例1において、樹脂層の厚みをかえて第1表に示される化粧シートの総厚みとし、または基材シートをかえて第1表に示される引張弾性率の比率、あるいは最大点荷重の比率とした以外は、実施例1と同様にして、各々比較例1~6の化粧シート、該化粧シートを用いた化粧部材を作製した。得られた化粧部材について、上記の評価を行い、その評価結果を第1表に示す。
比較例7
 実施例11において、基材シートを形成するポリエチレンテレフタレート樹脂をかえて、第1表に示される最大点荷重の比率を有する化粧シートとした以外は、実施例11と同様にして、比較例7の化粧シート、該化粧シートを用いた化粧部材を作製した。得られた化粧部材について、上記の評価を行い、その評価結果を第1表に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 本発明の化粧シートは、薄膜化への要望に対応しつつ、優れた成形加工性を有し、かつ仕上がりを含めた外観又は質感(触感)等を含めた意匠性を有する化粧シートである。特に、優れた熱特性及び機械的特性(強度)を有しているので、ラミネート加工、ラッピング加工、真空成型加工等の加熱環境又は真空環境下という厳しい環境に晒される加工に供しても、優れた成型加工性が得られ、結果として部材に貼着した際に優れた意匠性が得られる。このような特性を活かし、本発明の化粧シートは種々の用途、例えば、壁、天井、床等の建築物の内外装用部材;窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具;キッチン、家具、弱電機器、OA機器等のキャビネットの表面化粧板;車両の内装、外装等に好適に用いることができる。
1 化粧シート
2 基材シート
3 装飾層
4 樹脂層
5 接着層
6 表面保護層
7 凹形状
 
 

Claims (8)

  1.  ポリエステル樹脂又はポリオレフィン樹脂により構成される基材シート上に、装飾層及び表面保護層をこの順に有し、総厚みが70~135μmであり、少なくとも該表面保護層が凹形状を有しており、該凹形状の最大深さが該総厚みに対して15~100%であり、かつ15μm以上であり、120℃と20℃とにおける引張弾性率の比率が1:12~1:160であり、120℃と20℃とにおける30mm延伸時の最大点荷重の比率が1:1.7~1:30である化粧シート。
  2.  前記基材シートと前記表面保護層との間に、さらに樹脂層を有する請求項1に記載の化粧シート。
  3.  前記基材シートが、ポリオレフィン樹脂により構成されるものである請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4.  前記樹脂層が、ポリオレフィン樹脂により構成されるものである請求項2又は3に記載の化粧シート。
  5.  前記表面保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である請求項1~4のいずれかに記載の化粧シート。
  6.  基材シート、装飾層、樹脂層、及び表面保護層をこの順に有し、該樹脂層及び表面保護層が透明である請求項1~5のいずれかに記載の化粧シート。
  7.  ラミネート加工又はラッピング加工に用いられる請求項1~6のいずれかに記載の化粧シート。
  8.  請求項1~7のいずれかに記載の化粧シートの基材シートの側の面と被着材とが、接着剤層を介して貼着してなる化粧部材。
     
     
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