JP2000206252A - 導電型キャピラリ―プレ―トによるガス放射線検出器 - Google Patents

導電型キャピラリ―プレ―トによるガス放射線検出器

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JP2000206252A JP11010196A JP1019699A JP2000206252A JP 2000206252 A JP2000206252 A JP 2000206252A JP 11010196 A JP11010196 A JP 11010196A JP 1019699 A JP1019699 A JP 1019699A JP 2000206252 A JP2000206252 A JP 2000206252A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛細管表面のガラスに導電性を持たせること
により、ガス増幅によって生成されたイオンを取り除
き、大強度のX線照射に対しても高利得で安定に動作す
る導電型キャピラリープレートによるガス放射線検出器
を提供する。 【解決手段】 導電型キャピラリープレートによるガス
放射線検出器において、穴202Bを有するキャピラリ
ープレート本体202Aと、このキャピラリープレート
本体202Aの両面に形成される金属メッキ202C
と、前記キャピラリープレート本体202Aの穴202
Bの表面に形成される高い抵抗率を有する導電性メタル
202Dを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電型キャピラリ
ープレート(Capillary plate)による
ガス放射線検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】MSGC(マイクロストリップガスチャ
ンバー)は、高い位置分解能と時間分解能を持つ新しい
タイプのガス増幅型粒子線検出器として、1988年に
A.Oedによって提案された。さらに、本願発明者等
は、この検出器を二次元化し、画像検出器として提案し
ている。この検出器の特徴として、高い位置分解能の他
に、ガス増幅器としては極めて不感時間が短いことが挙
げられており、高輝度の粒子線に対する検出器としても
大きな期待が持たれている。
【0003】現在、X線を用いたテストでは毎秒、1平
方mm当たり107 カウント以上の輝度の下でも動作に
支障がないことが確かめられている。
【0004】この種の高利得ガス放射線検出器として
は、本願発明者等により既に提案された特願平10−8
9750号(特許第2843319号)がある。
【0005】図6はかかる従来のガス放射線検出器(M
SGC)の分解斜視図、図7はそのガス放射線検出器
(MSGC)のデータ収集システムの全体構成を示すブ
ロック図である。
【0006】図6において、2次元イメージ素子である
MSGC102は、基板1、陽極ストリップ2、陰極ス
トリップ3を備え、その陽極ストリップ2と陰極ストリ
ップ3とは交互に配置されている。
【0007】また、ベース基板4、そのベース基板4上
に形成されるとともに基板1の下層に位置するバックス
トリップ5を有する。
【0008】更に、このようにして形成される素子上に
は約1cmの間隔D1 を隔ててドリフト板6が配置さ
れ、例えば、アルゴンとエタンからなるガスが流通する
チャンバーが形成される。なお、7は増幅器である。
【0009】図7に示すように、マザーボード101に
は、2次元MSGC(以下、単にMSGCという)10
2、前置増幅器・波高弁別器103,104、前置増幅
器105が搭載される。
【0010】また、MSGC102の陽極からの出力信
号を処理する第1の信号同期化回路111、MSGC1
02の背面電極(バックストリップ)からの出力信号を
処理する第2の信号同期化回路112、第1の信号同期
化回路111に接続される第1のエンコーダ113、第
2の信号同期化回路112に接続される第2のエンコー
ダ114、入射粒子線のヒット判定回路115、大容量
記憶装置116、コンピュータ117により、データ収
集システム110を構築している。
【0011】また、MSGC102の陰極は、前置増幅
器105−アナログ・ディジタル変換器(ADC)10
6を介して大容量記憶装置116に接続されている。
【0012】しかし、MSGCの実用化にあたっての最
大の難問の一つに、電極間の放電による電極の破壊が挙
げられる。MSGCでは、50μm以下の間隔の電極間
に、電圧をかけるため、高いガス増幅率を得るために高
い電圧をかけると、電極間に放電による大電流が流れ、
放電による熱で電極ストリップが切断されたり、その破
片などが表面絶縁層に付着するなどして、電極間を導通
させる障害が頻繁に起こっていた。
【0013】この解決策の一つとして、ガス増幅過程に
よる増幅をMSGCのみに頼らず、電子のドリフト領域
中に中間ガス増幅器をつけることでMSGCのガス増幅
率を低く抑える方法が、これまでに考えられている。
【0014】(1)CERNのグループでは、絶縁体薄
膜の両面に導電体をコーティングし、さらに数10μm
の大きさの穴をほぼ隙間なく空けた、GEM(Gas
Electron Multiplier)を用いるこ
とによって、ドリフト領域中で1000倍程度のガス増
幅を実現している。
【0015】(2)本願発明者等や山形大学のグループ
においては、ガラスの毛細管を並べた板(キャピラリプ
レート)の両面に電極をつけたもので、GEM同様ドリ
フト領域中のガス増幅を実現することに成功している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
はいずれも、ガス増幅をしている部分と絶縁体部分が非
常に接近しているため、ある程度以上の放射線の入射に
おいては、絶縁体部分における電荷の蓄積によって、増
幅率が急激に減少してしまうという問題点があり、この
ままでは、中間ガス増幅器を用いた検出器は、ほとんど
実用にならない状態であった。
【0017】ところで、MSGCの特徴の一つとして
は、これまでのガス増幅型放射線検出器と比較して非常
に優れた高入射許容量(107 cps/mm2 以上)を
持つことが挙げられる。そのため、MSGCの特性を改
善させるために中間増幅器を挿入するためには、これに
見合うだけの入射許容量を持ったものを開発することが
要求される。これまで、従来のキャプラリープレートと
MSGCを組み合わせた試験では、102 cps/mm
2 程度のX線の入射量によって、数秒の内にガス増幅率
が急激に低下した。
【0018】実用を考えれば、106 cps/mm2
度のX線入射量でも長期的(数時間以上)安定して動作
するものを実現させる必要がある。
【0019】本発明は、上記問題点を除去し、毛細管表
面のガラスに導電性を持たせることにより、ガス増幅に
よって生成されたイオンを取り除き、大強度のX線照射
に対しても高利得で安定に動作する導電型キャピラリー
プレートによるガス放射線検出器を提供することを目的
とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔1〕導電型キャピラリープレートによるガス放射線検
出器において、穴を有するキャピラリープレート本体
と、このキャピラリープレート本体の両面に形成される
金属メッキと、前記キャピラリープレート本体の穴の表
面に形成される高い抵抗率を有する導電性メタルを具備
するようにしたものである。
【0021】〔2〕上記〔1〕記載の導電型キャピラリ
ープレートによるガス放射線検出器において、前記キャ
ピラリープレート本体の材質が鉛ガラスであり、前記穴
の表面に形成される高い抵抗率を有する導電性メタルが
酸化鉛が還元された鉛である。
【0022】〔3〕導電型キャピラリープレートによる
ガス放射線検出器において、毛細管表面のガラスに導電
性を持たせることにより、大強度のX線照射に対しても
高利得で安定に動作する前段増幅器と、この前段増幅器
の後面に配置される読み出し用の電極を具備するように
したものである。
【0023】〔4〕上記〔3〕記載の導電型キャピラリ
ープレートによるガス放射線検出器において、後面に配
置される読み出し用の電極としてMSGCを用いること
により、低エネルギーのX線を検出可能とするようにし
たものである。
【0024】〔5〕上記〔4〕記載の導電型キャピラリ
ープレートによるガス放射線検出器において、前記低エ
ネルギーのX線は1kev〜10kev程度であるよう
にしたものである。
【0025】〔6〕上記〔3〕記載の導電型キャピラリ
ープレートによるガス放射線検出器において、前記大強
度のX線照射は約105 cps/mm2 以上であるよう
にしたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら詳細に説明する。
【0027】図1は本発明の実施例を示す導電型キャピ
ラリープレートによるガス放射線検出器の要部模式図、
図2はその導電型キャピラリープレートの部分拡大斜視
図、図3はその導電型キャピラリープレートによるガス
放射線検出器の断面模式図、図4はその導電型キャピラ
リープレートによるガス放射線検出器の要部平面模式図
である。
【0028】これらの図において、201はMSGC、
202は導電型キャピラリープレート、203,204
は導電型キャピラリープレート202に接続される接続
導体、205はドリフト板である。
【0029】ここで、MSGC201と導電型キャピラ
リープレート202との距離L1 は例えば5mmであ
り、これらの間への印加電圧V1 は0.5kV、電型キ
ャピラリープレート202とドリフト板205との距離
2 は例えば7mmであり、これらの間への印加電圧V
2 は約100V、また、接続導体203と204間に
は、1kV〜2kVを印加する。
【0030】また、図3及び図4に示すように、導電型
キャピラリープレート202は両面の周囲を電極板20
6,207に挟まれており、ガスチェンバーの表面板2
09から垂下される支持部材210に支持されるように
なっている。その電極板206,207には接続導体2
03,204が接続されて導出されている。
【0031】また、MSGC201を囲うように枠部材
208が形成されており、その上部の封止部材213を
介して枠状の表面板209が配置されている。この表面
板209の中央部にはドリフト板205が張られてい
る。
【0032】次に、上記導電型キャピラリープレート2
02の構造を図2を用いて詳細に説明する。
【0033】図2において、202Aは材質が鉛ガラス
からなる導電型キャピラリープレート本体であり、厚さ
3 は1mm、この導電型キャピラリープレート本体2
02Aには、直径L4 (100μm)の穴202Bが約
130μmピッチで、細密状に並んでいる。このキャピ
ラリープレート本体202Aの両面には、金属メッキ2
02Cが形成されており、穴202Bの両側に高電圧を
かけることにより、穴202Bの内部にガス増幅に必要
な高電場を作り出すことができる。穴202Bの内壁に
あたる部分は、鉛ガラスを水素で還元することによっ
て、高い抵抗率の導電性メタル(一つの穴当たり、2〜
3×1013Ω、ここでは、鉛)202Dを得ており、こ
れによって、穴202Bの内壁への電荷の付着を防止す
るようにしている。
【0034】このキャピラリプレート202は、図1に
示したように、MSGC201のドリフト領域中に置く
ことによって、MSGC201に到達する電子を増幅
し、MSGC201の増幅率自体は低くても読み出しに
十分な信号の大きさを得ることができる。
【0035】図5は本発明によるキャピラリプレートと
MSGCの組み合わせにより得られた、大強度下のX線
によるガス増幅率の変化を示す図であり、縦軸は観測さ
れた導電型キャピラリープレートによるガス増幅率を、
横軸は照射するX線の強度を示す。この図において、横
軸は対数目盛にでっている。
【0036】この結果から示されるように、少なくとも
105 cps/mm2 までの強度のX線入射に対して
は、増幅率の減少はほとんど観測されない。この結果で
はむしろ増幅率が若干増加する傾向にあるが、これはほ
とんど測定誤差のうちである。
【0037】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0038】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。
【0039】(A)毛細管表面のガラスに導電性を持た
せることにより、ガス増幅によって生成されたイオンを
取り除き、約105 cps/mm2 という大強度のX線
照射に対しても高利得で安定に動作させることができ
る。
【0040】(B)さらに、これをMSGCの前面に取
り付け、前段増幅器と使用することで高利得の安定した
リアルタイムX線画像検出器を実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す導電型キャピラリープレ
ートによるガス放射線検出器の要部模式図である。
【図2】本発明の実施例を示す導電型キャピラリープレ
ートの部分拡大斜視図である。
【図3】本発明の実施例を示す導電型キャピラリープレ
ートによるガス放射線検出器の断面模式図である。
【図4】本発明の実施例を示す導電型キャピラリープレ
ートによるガス放射線検出器の要部平面模式図である。
【図5】本発明によるキャピラリプレートとMSGCの
組み合わせにより得られた、大強度下のX線によるガス
増幅率の変化を示す図である。
【図6】従来のガス放射線検出器(MSGC)の分解斜
視図である。
【図7】従来のガス放射線検出器(MSGC)のデータ
収集システムの全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
201 MSGC 202 導電型キャピラリープレート 202A 導電型キャピラリープレート本体 202B 穴 202C 金属メッキ 202D 高い抵抗率の導電性メタル 203,204 導電型キャピラリープレートに接続
される接続導体 205 ドリフト板 206,207 電極板 208 枠部材 209 透光性の表面板 210 支持部材 213 封止部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電型キャピラリープレートによるガス
    放射線検出器において、(a)穴を有するキャピラリー
    プレート本体と、(b)該キャピラリープレート本体の
    両面に形成される金属メッキと、(c)前記キャピラリ
    ープレート本体の穴の表面に形成される高い抵抗率を有
    する導電性メタルを具備することを特徴とする導電型キ
    ャピラリープレートによるガス放射線検出器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の導電型キャピラリープレ
    ートによるガス放射線検出器において、前記キャピラリ
    ープレート本体の材質が鉛ガラスであり、前記穴の表面
    に形成される高い抵抗率を有する導電性メタルが酸化鉛
    が還元された鉛であることを特徴とする導電型キャピラ
    リープレートによるガス放射線検出器。
  3. 【請求項3】 導電型キャピラリープレートによるガス
    放射線検出器において、(a)毛細管表面のガラスに導
    電性を持たせることにより、大強度のX線照射に対して
    も高利得で安定に動作する前段増幅器と、(b)該前段
    増幅器の後面に配置される読み出し用の電極を具備する
    ことを特徴とする導電型キャピラリープレートによるガ
    ス放射線検出器。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の導電型キャピラリープレ
    ートによるガス放射線検出器において、後面に配置され
    る読み出し用の電極としてMSGCを用いることによ
    り、低エネルギーのX線を検出可能とすることを特徴と
    する導電型キャピラリープレートによるガス放射線検出
    器。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の導電型キャピラリープレ
    ートによるガス放射線検出器において、前記低エネルギ
    ーのX線は1kev〜10kev程度であることを特徴
    とする導電型キャピラリープレートによるガス放射線検
    出器。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の導電型キャピラリープレ
    ートによるガス放射線検出器において、前記大強度のX
    線照射は約105 cps/mm2 以上であることを特徴
    とする導電型キャピラリープレートによるガス放射線検
    出器。
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