JP2000206664A - 感光型マイクロカプセルを塗布したプリント用紙を用いるプリンタ及びこれを用いたプリントシステム、並びにプリント方法 - Google Patents

感光型マイクロカプセルを塗布したプリント用紙を用いるプリンタ及びこれを用いたプリントシステム、並びにプリント方法

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JP2000206664A
JP2000206664A JP1028899A JP1028899A JP2000206664A JP 2000206664 A JP2000206664 A JP 2000206664A JP 1028899 A JP1028899 A JP 1028899A JP 1028899 A JP1028899 A JP 1028899A JP 2000206664 A JP2000206664 A JP 2000206664A
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Yuji Hosoi
雄次 細井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光時の光の色の再現の忠実性の高いプリン
タを提供すること。 【解決手段】 特定波長域の光により硬化する光硬化物
質を発色物質と共にカプセル本体内に実際上封入してな
る感光型マイクロカプセルが塗布されたプリント用紙1
に印刷するためのプリンタ10は、用紙1に光を照射し
て潜像を形成する露光ヘッド35と、用紙1の潜像形成
領域を現像すべく、該領域を加圧する加圧現像ヘッド5
9と、加圧現像されるべきプリント用紙1の温度を調整
する温度調整装置116,Sとを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定波長域の光に
より硬化する光硬化物質を発色物質と共にカプセル本体
内に実際上封入してなる感光型マイクロカプセルが塗布
されたプリント用紙に印刷するためのプリンタ及び該プ
リンタを用いたプリントシステム、並びにプリント方法
に関する。
【0002】この明細書において、「光硬化物質(又は
光硬化性物質)」とは、特定波長域の光を受けた際硬化
されマイクロカプセル又はその本体を圧壊され難くする
(即ち、潜像が形成される)ものをいい、「発色物質」
とは、マイクロカプセルが圧壊された際特定の色の発色
(即ち、現像)を可能にするようにマイクロカプセル本
体内に実際上封入されているものをいう。
【0003】
【従来の技術】上述のようなマイクロカプセルを用いた
プリントに際して、温度の影響がある事自体について
は、例えば、特開平2−20874号公報や特開平2−
300740号公報や特開平10−48801号公報で
知られている。即ち、特開平2−20874号公報は、
マイクロカプセルが塗布されてなるプリント用紙を用い
て、用紙の取扱いや輸送の際用紙のバックグラウンド領
域の一部に意図せず与える応力により用紙のバックグラ
ウンド領域に生成した欠陥に起因する意図しない画像
(汚れ)の生成を抑制したり、圧壊されたマイクロカプ
セルから放出される発色剤による発色濃度の受光量依存
性の範囲(機能範囲ないしダイナミックレンジ)を拡げ
たりすることを、目的として、マイクロカプセル塗布型
のプリント用紙の温度を45℃〜200℃程度の範囲で
調整すること等を開示している。
【0004】また、特開平2−300740号公報は、
潜像形成シートの発色剤の感光・発色に関する特性(感
光度、コントラスト、ダイナミックレンジ等)の温度依
存性を補償すべく、プリント用紙の温度を検出し該温度
に応じて照射光量を調整すること等を開示している。更
に、特開平10−48801号公報は、マイクロカプセ
ルの圧壊により加圧現像された像の定着速度を高めるべ
く、プリント用紙を加熱することを開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術にお
ける温度の考慮は、実際上、特定の色の光に応じて発色
に寄与すべき特定のマイクロカプセルの発色特性の温度
依存性の調整や現像後の定着速度の調整等に限られる。
なお、マイクロカプセル内に封入される芯物質の硬化の
程度を調整するために、芯物質の硬化を促進させる補助
硬化手段を用いることは、特開平6−27626号公報
に開示されているけれども、この特開平6−27626
号公報に開示の技術は、普通紙への転写を行うタイプの
ものにおいて、マイクロカプセルを支持体上に塗布して
おいて現像された像を普通紙に転写する際圧壊されたマ
イクロカプセル内の液状物質が普通紙を過度に濡らすの
を避けるべく、濡れ乃至湿潤化の程度を調整するために
芯物質の硬化を調整しているものである。
【0006】これに対して、本発明者は、プリントによ
り実際に発現される色と元の物体の色(露光時の光の
色)とのズレ(忠実性の低下)が典型的には彩度の低下
を伴っており、この彩度の低下は、抑制ないし禁止され
たはずの色が発現されていること、及び加圧現像される
用紙の温度を調整することによりこのような色のズレを
低減し得ることを見出した。
【0007】このような色のズレ、典型的には彩度の低
下は、圧壊が抑制ないし禁止されるべく硬化されたはず
のマイクロカプセルが部分的に壊されることによると考
えられる。本発明を限定するものではないが、圧壊が抑
制ないし禁止されるべく硬化されたはずのマイクロカプ
セルのこのような部分的破壊は、マイクロカプセルの本
体自体の壊れ易さに起因するものと思われ、用紙の温度
調整によりマイクロカプセルの壊れ易さを調整し得るこ
とになると思われる。
【0008】本発明は、上述の新知見に基づきなされた
ものであって、その目的とするところは、露光時の光の
色(即ちオリジナルの色)の再現の忠実性の高いプリン
タ、該プリンタを用いたプリントシステム及びプリント
方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のプリンタは、前
記目的を達成すべく、特定波長域の光により硬化する光
硬化物質を発色物質と共にカプセル本体内に封入してな
る感光型マイクロカプセルを塗布したプリント用紙に印
刷するためのプリンタであって、用紙に光を照射して潜
像を形成する露光手段と、用紙の潜像形成領域を現像す
べく、該領域を加圧する加圧現像手段と、加圧現像され
るべきプリント用紙の温度を調整する温度調整手段とを
有する。
【0010】本発明のプリンタでは、「加圧現像される
べきプリント用紙の温度を調整する温度調整手段」が設
けられているから、光硬化物質の硬化により内部が硬化
されたマイクロカプセルが、加圧現像手段による加圧の
際、意図に反して壊れる虞が少なく、このような不測の
カプセル破壊に伴って発現すべき色が変わったり、発現
色の彩度が低下したりする虞が少なく、露光時の光の色
(即ちオリジナルの色)の再現の忠実性が高い。
【0011】この明細書で、温度調整手段に関して、調
整される「プリント用紙の温度」とは、プリント用紙の
うち、加圧現像手段のところで加圧下におかれる部分の
温度をいう。温度調整のためには、この温度を直接測定
してもよいけれども、多くの場合、加圧現像手段による
加圧下に置かれる部分の温度が、結果的に所定範囲内の
温度になるように、用紙の送り方向に関して、加圧現像
手段の上流側でプリント用紙部分の温度を測定すれば、
十分である。加圧現像手段の上流側であれば、露光手段
の潜像形成部のところでも、該潜像形成部よりも上流側
でも下流側でもよい。また、用紙部分の温度を測定する
場合、該用紙部分自体の温度を直接測定してもよいけれ
ども、その代わりに当該用紙部分の温度と相関性の高い
部分の温度を測定するようにしてもよい。温度相関性の
高い部分は、当該用紙部分が通過する領域に近接した部
分であることが好ましいけれども、用紙部分に対する加
熱や放熱・冷却に関する環境条件がほぼ一定に保たれる
ような場合、用紙通過領域から相当離れた部分であって
もよい。また、用紙部分に対する加熱や放熱・冷却に関
する環境条件が実際上一定に保たれるような場合、用紙
部分の温度又はこれと相関性の高い部分の温度を測定す
ることなく、単に、加熱条件を調整してもよい。従っ
て、温度調整手段による温度調整は、用紙の温度を検出
することなく単に加熱手段により設定レベルで用紙を加
熱する場合と、温度検出手段によって用紙の温度を検出
しこの検出結果(温度データ)に基づいて用紙を所定範
囲(カプセル本体がゼラチン系の材料からなる場合、例
えば、好ましくは30℃〜45℃、より好ましくは35
℃〜40℃)内の温度にするように加熱手段による用紙
の加熱を加熱制御手段によって制御する場合との両方を
含む。
【0012】温度調整手段によって加圧現像されるべき
プリント用紙の温度を調整することは、前述のように、
マイクロカプセルの壊れ易さを調整することになると考
えられる。この明細書において、「カプセルの壊れ易
さ」とは、カプセル本体内の光硬化物質が完全には硬化
していないことに起因するカプセルの潰れ易さ(つぶれ
易さ)ではなくて、光硬化物質が完全に硬化していても
カプセルが壊れるような場合における「カプセルの破壊
され易さ」をいい、典型的には、カプセル本体の脆さに
起因するようなカプセルの破壊され易さ、即ち「カプセ
ル本体の壊れ易さ」をいう。これは、典型的には、例え
ば一種のゼラチン様材料からなるカプセル本体の脆さに
起因するけれども、光硬化物質が硬化した際、カプセル
本体とその内部の封入物質との間に生じ得る微小間隙の
大きさや封入物質の全体としての形状変化可能性の程度
に応じてカプセル本体の一部に応力が集中するような場
合の如く単にカプセル本体の特性(塑性変形限界や脆性
等)のみではなくて封入物質にも関連したカプセル全体
としての脆さや、カプセルの周囲の硬さ(カプセル塗布
層の上下の層の硬さ)や一のカプセルに隣接するカプセ
ルの硬さ等にも依存すると考えられる。また、カプセル
本体の剛性や脆性などが該本体内の封入物質によって変
化せしめられるような場合にもこのような破壊は生じ得
ると考えられる。但し、このような種類のカプセルの壊
れ易さが係わる限り、本発明でいう「カプセルの壊れ易
さ」は、光硬化物質が完全には硬化していない場合、即
ち現像されるべき本来の色からして特定のカプセル内の
光硬化物質が部分的に硬化されるべき場合におけるカプ
セルの壊れ易さも含む。
【0013】この明細書において、「プリント用紙」又
は「用紙」とは、「感光型マイクロカプセルが塗布され
ており、露光ヘッドによる露光動作及び加圧現像ヘッド
による加圧現像動作によってプリント可能なシート状
物」をいい、シートの基体ないし基材は、プラスチック
材料でも紙のような他の材料でもよい。プリント用紙
は、典型的には、露光手段及び加圧現像手段を通るよう
に、用紙送給手段によって送給される。この場合、加熱
手段は、用紙送給方向に関して、加圧現像手段よりも上
流側で用紙を加熱すればよく、露光手段よりも上流側の
位置と露光手段の下流側で加圧現像手段の上流側の位置
との間において、用紙を加熱するように構成される。露
光時における用紙部分の温度が比較的高いことが好まし
い場合、露光手段の上流側で用紙を加熱するようにすれ
ばよい。なお、加熱手段による用紙の加熱を、用紙送給
方向の一箇所だけでなく、間隔をおいた複数箇所で行う
ようにしてもよい。また、プリンタの種々の電気ないし
電子部品や光学部品が発熱体として働いてプリンタのケ
ース内の温度レベル(温度のバックグラウンドレベル)
がある程度上がるような場合、プリンタの作動開始後の
バックグラウンド温度の時間的なドリフト変動に応じて
加熱手段による加熱の程度を変えればよい。
【0014】加熱手段は、典型的には、主として熱伝導
により用紙を加熱するように構成され、典型的には、抵
抗加熱体からなる。但し、場合によっては、熱輻射や対
流など他のプロセスを少なくとも部分的に利用して用紙
を加熱するようにしてもよい。マイクロカプセルは、典
型的には、光の三原色に対応する三種類の波長域の光の
各々に応じて発色を可能にする三つのタイプのものから
なる。但し、マイクロカプセルは、一つ若しくは二つ、
又はそれ以上の任意の特定の波長域の光に応じて発色を
可能にする一つ若しくは二つ、又はそれ以上の任意の数
のタイプのものからなっていてもよい。各タイプのマイ
クロカプセルは、典型的には、用紙の被塗布面に一様に
分布されているけれども、場合によっては、用紙の領域
によってマイクロカプセルの分布が異なっていてもよ
い。
【0015】露光手段は、典型的には、三種類のマイク
ロカプセルの各々に対応する三種類の波長域の光を発す
るように構成された三種類の光源を備えた露光ヘッドか
らなる。但し、露光ヘッドが、例えば白色光を発する光
源を備えていてもよく、その場合、露光ヘッドは、特定
の色に対応する狭い波長域の光を発する他の光源を備え
ていても、備えていなくてもよい。
【0016】露光ヘッドは、典型的には、LED(発光
ダイオード)のような光源に加えて、光源から出射され
たビームを絞って用紙の所定領域を露光するアパーチャ
手段ないし絞り手段を有する。アパーチャ手段のアパー
チャ(絞り用開口)は、典型的には円形であるけれど
も、場合によっては、楕円形や矩形や多角形など他の形
状でもよい。光源は、点光源よりも面光源であることが
好ましいけれども、場合によっては、実際上点光源であ
ってもよい。なお、所望ならば、アパーチャ手段の代わ
りに又はアパーチャ手段と共に、ビームのコリメート手
段や結像光学系などを光源とアパーチャ手段又は被露光
領域との間に設けておいてもよい。
【0017】露光ヘッドは、用紙送給方向に直交する走
査方向の一行分の用紙領域の全体を露光し得るように光
源を全体としてアレイ状に配列しフレームに静置・固定
してなるライン露光ヘッドでも、フレームに対して走査
方向に往復動可能なものでもよい。加圧現像手段は、典
型的には、用紙の送給方向に直交する走査方向に転動し
つつプリント用紙を加圧する加圧ローラを有する加圧現
像ヘッドからなる。加圧ローラは一つのみでも二つ又は
それ以上でもよい。複数の加圧ローラを用いる場合、プ
リント用紙に押接されてプリント用紙上を転動すべき一
の加圧ローラを回転可能に支持するように用紙とは逆側
に該一の加圧ローラの周面と接触・係合する周面を備え
一の加圧ローラの回転に伴って回転されローラ支持台上
を転動する別の加圧ローラ(バックアップローラ)を設
けるのが好ましい。なお、加圧ローラが転動するプリン
ト用紙部分は、用紙の背面(裏面)側に位置する用紙支
持手段によって支持される。用紙支持手段は、用紙のう
ち加圧現像されるべき一行分の部分を選択的にローラで
加圧し得るようにローラに対してほぼ点接触すべく、走
査方向に垂直な断面で見てローラの方に凸に湾曲した形
状のプラテン又は同様な支持体のような用紙支持機構
(台)ないし現像支持台からなる。加圧ローラと用紙支
持手段との間にある用紙部分を加圧ローラによって加圧
しうるように、加圧ローラ及び用紙支持手段のうちの少
なくとも一方の要素(例えば加圧ローラ又はその支持
台)は、バネのような弾性手段又は他の任意の押圧手段
によって用紙に向かって押圧される。
【0018】占有スペースを最小限にすべく、露光手段
の露光ヘッドと加圧現像手段の加圧現像ヘッドとが共通
のキャリッジに収容されて走査されるような場合、加熱
手段は、典型的には、露光手段の上流側の用紙送給案内
台に設けられる。この場合、用紙のうち露光手段に導入
されようとする部分が用紙送給案内台に下面で接触しつ
つ該台上を送給される際、案内台を介して又は案内台上
において直接当該用紙部分を加熱し得るから、用紙部分
を効果的に加熱し得る。一方、露光手段の露光ヘッドと
加圧現像手段の加圧現像ヘッドとが別々に走査されるよ
うな場合、加熱手段は、典型的には露光手段の上流側に
設けられるけれども、その代わりに、露光手段の下流側
で加圧現像手段の上流側に設けられてもよい。いずれの
場合でも、輻射熱で加熱するような場合を除いて、熱伝
導を効率的に行わせるべく、熱の良導体からなる用紙送
給案内台を設けて該案内台に加熱手段を配置するか、加
熱手段自体を用紙送給案内台にすることが好ましい。
【0019】上記のように用紙案内台に加熱手段を設け
る場合、加熱手段による加熱状態を正確に検知するため
には、温度検出手段も当該案内台に設けることが好まし
い。所望温度範囲が、例えば、30℃〜45℃程度で雰
囲気温度との差異が比較的小さく加熱手段による加熱だ
けでなく他の装置部分からの発熱や季節変動による気温
の変化の影響を無視し難い場合、温度検出手段を加熱さ
れるべき用紙部分に近接させることが特に好ましい。こ
の場合、例えば、用紙案内台を鉄や鋼のような金属の如
き熱の良導体で形成して加熱手段を例えば台の裏面のよ
うに用紙案内面に近接したところに配置すると共に、加
熱手段と用紙案内面との距離に応じて温度検出手段を加
熱手段から離して配置して用紙と同程度に温度検出手段
に熱が伝わるようにしてもよい。なお、加熱手段が加圧
現像手段よりも下流側の用紙部分を加熱することを禁止
する必要はないから、場合によっては、加熱手段の一部
が加圧現像手段よりも下流側まで延びていてもよい。
【0020】なお、加熱手段以外の装置部分からの発熱
や季節変動による気温の変化による用紙部分の温度変化
が比較的小さい場合、温度検出手段を加熱手段に近接す
るところに配置する代わりに、加熱手段から離れたとこ
ろ、例えば、プリンタのケースの内面、典型的には、ケ
ースの頂壁のうち加熱手段に対面する下面部分に配置し
てもよい。また、加熱手段以外の装置部分からの発熱や
季節変動による気温の変化による用紙部分の温度変化が
比較的大きい場合、上述の如く加熱手段に近接したとこ
ろに第一の温度検出手段を設けてヒータによる加熱の程
度を検出すると共に、加熱手段から離れたところに第二
の温度検出手段を設けて加熱手段以外の発熱体による発
熱や外気温に依存するケース内の雰囲気温度(バックグ
ラウンド温度)を検出するようにしてもよい。
【0021】本発明のプリンタは、別の観点で規定すれ
ば、前述の目的を達成すべく、第一の特定波長域の光に
より硬化する光硬化物質を第一の発色物質と共にカプセ
ル本体内に封入してなる第一の感光型マイクロカプセル
と第二の特定波長域の光により硬化する光硬化物質を第
二の発色物質と共にカプセル本体内に封入してなる第二
の感光型マイクロカプセルとを一様に分散・塗布したプ
リント用紙に印刷するためのプリンタであって、用紙に
光を照射して潜像を形成する露光手段と、用紙の潜像形
成領域を現像すべく、該領域を加圧する加圧現像手段
と、照射光の色に対応する色とは異なる色の発色を抑制
すべく、加圧現像されるべきプリント用紙の温度を調整
する温度調整手段とを有する。ここで、照射光の色に
「対応する」色は、照射光の色に実質上一致する色でも
別の色でもよい。照射光の色に実質上一致する色にする
ためには、典型的には、実施例で詳述するように、プリ
ント用紙が第三の感光型のマイクロカプセルを更に有す
る。
【0022】また、本発明は、方法の観点では、前記し
た目的を達成すべく、特定波長域の光により硬化する光
硬化物質を発色物質と共にカプセル本体内に実際上封入
してなる感光型マイクロカプセルを塗布したプリント用
紙を、加圧現像前に加熱して、(1)プリント用紙の温
度を調整すること、(2)マイクロカプセルの壊れ易さ
を調整すること、又は(3)照射光の色に対応する色と
は異なる色の発色を抑制することからなる。
【0023】以上のようなプリンタでは、露光ヘッドに
与えられる図形や文字などのプリントパターン情報ない
しデータに基づいてプリントが行われる。従って、適切
なインターフェースケーブルを介して、ビデオカメラや
パーソナルコンピュータのような別の情報処理装置にこ
のプリンタを接続しておいて、プリンタが該インタフェ
ースケーブルをプリントパターン情報をデジタル又はア
ナログ信号(ビデオ信号)の形で受取るようなプリント
システムを形成し得る。露光ヘッドへのプリントパター
ン情報の転送ないし伝送制御は、情報処理装置の側で行
っても、プリンタの側で行ってもよい。ここで、プリン
トシステムは、プリンタと該プリンタにインターフェー
スケーブルのような情報パターン転送手段で接続された
情報処理装置とからなる。なお、磁気的情報記録媒体
(磁気ディスクなど)や光学的情報記録媒体(光ディス
ク又は光磁気ディスクなど)や不揮発性の半導体メモリ
カード(CF(コンパクトフラッシュ)カードなど)の
ような補助記憶媒体に格納された情報を読取る読取装置
をプリンタに設けておいて、プリンタの読取装置で補助
記憶媒体からのプリントパターン情報を読取りつつプリ
ントするようにしてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明による好ましい一実
施の形態を、添付図面に示した好ましい実施例に基づい
て説明する。
【0025】
【実施例】まず、本発明による好ましい一実施例のプリ
ンタの構造について説明する前に、該プリンタで用いら
れる好ましい一例のプリント用紙1について説明する。
プリント用紙1は、図4に示したように、白色のPET
(ポリエチレンテレフタレート)からなるシート状基体
部(基材部)2と、このシート状基体部2上に形成され
顕色剤を含む受像層3と、感光型マイクロカプセルがバ
インダ(接着剤)に均一に分散されて受像層3上に均一
に塗布された感光型マイクロカプセル層4と、透明PE
Tのような保護層5とからなる。マイクロカプセル層4
にバインダはなくてもよく、受像層3とマイクロカプセ
ル層4とは混在する一つの層であってもよい。感光型マ
イクロカプセルは、ゼラチンなどからなる直径数ミクロ
ン程度の透明な外側のカプセル壁(カプセル本体)を有
し、該カプセル壁内には、特定波長の光によって硬化す
る光硬化物質と、硬化されなかったカプセルが圧壊され
たとき受像層3の顕色剤と接触して発色する発色物質と
が、封入されている。典型的には、各マイクロカプセル
は、顕色剤に接触すると絵具の三原色のうちのいずれか
に発色する発色物質と、該発色物質により発色される色
に対して実際上補色関係にある色(光の三原色)の光で
硬化する光硬化物質とを一緒に封入してなる。すなわ
ち、マイクロカプセルには、三種類のタイプが有り、夫
々、赤(赤紫)色を呈するマゼンダ(M)用の発色物質
及びこれと補色関係にある緑色光(G)を選択的に吸収
して硬化する光硬化物質を封入してなるタイプMのマイ
クロカプセル、黄色を呈するイエロー(Y)用の発色物
質及び青色光(B)で硬化する光硬化物質を封入してな
るタイプYのマイクロカプセル、並びに青(青紫)色を
呈するシアン(C)用の発色物質及び赤色光(R)で硬
化する光硬化物質を封入してなるタイプCのマイクロカ
プセルからなる。マイクロカプセル層4では、これら三
種類のマイクロカプセルが一様に分散・塗布されてい
る。この種のプリント用紙1としては、例えば、「サイ
カラー(登録商標)」メディアとして知られる一群のデ
ジタル・イメージング媒体がある。
【0026】例えば、300dpiでプリント用紙にカ
ラープリントを行う場合、85μ程度の径の領域に一つ
のドットが形成される。このドット領域に、例えば、露
光ヘッドから赤色の光が照射されると、タイプCのマイ
クロカプセル内の光硬化物質は硬化するけれども、タイ
プM,Yのマイクロカプセル内の光硬化物質は硬化され
ず、このドット領域に赤色の潜像が形成される。このド
ット領域が加圧現像ヘッドの加圧下におかれると、硬化
したタイプCのマイクロカプセルはそのまま保たれるけ
れども、硬化されていないタイプM,Yのマイクロカプ
セルは圧壊され、夫々の発色物質が受像層4の顕色剤と
反応して赤紫色及び黄色を呈し、全体としてほぼ赤い色
を呈する。タイプCのマイクロカプセルが硬化される程
度はドット領域に照射される光の強さ(光量)に依存
し、その多少に応じてタイプCのマイクロカプセルが少
しだけ圧壊されたり、全く圧壊されなかったりして、当
該ドット領域における青色の混ざり具合が変わることに
なる。従って、照射光の色に応じて三つのタイプのマイ
クロカプセルの硬化の程度が異なり、マイクロカプセル
の圧壊により発色される色が異なることになる。
【0027】上記の例で、例えば、硬化されていて圧壊
されないはずのタイプCのマイクロカプセルが、加圧現
像時に壊れると、本来混入すべきでない補色関係の青色
が混ざり、赤色が灰色がかったくすんだ色になってしま
うことになる。次に、図1から4に基づいて、本発明に
よる好ましい一実施例のプリンタ10及び該プリンタ1
0を用いたプリントシステム100について、説明す
る。
【0028】プリンタ10において、1はプリント用
紙、30はプリント用紙1に所定のプリントパターンの
潜像を形成する露光部、50はプリント用紙1に形成さ
れた潜像を可視化する加圧現像部、70はプリンタ10
の各可動部を駆動するモータである。プリンタ10は、
例えば、手のひらに載る程度の大きさでも、机上に載置
されて使用されるような大きさでもよい。プリントシス
テム100は、プリンタ10と、該プリンタ10にイン
ターフェースケーブル91を介して接続されたデジタル
カメラのような画像情報処理装置90とからなり、画像
情報処理装置90からのデジタル又はアナログ形態の画
像情報(プリントパターン情報)は、プリンタ10のコ
ントローラ80の制御下でケーブル81を介して露光部
30に送られるように構成されている。
【0029】プリント用紙1は、先端から繰出し可能な
ロール21の形態でプリンタ10の筐体11内の所謂パ
トローネ様の円筒状の用紙収容部(収容室形成部)12
に収容されている。パトローネ(用紙収容部)12内の
所定位置へのロール21の収容・配設を可能にすべく、
パトローネ12はその上部で開閉可能に構成されている
(図示せず)。プリント用紙1のロール21は、パトロ
ーネ12の側壁対13,13に回転可能に支持されてい
る。プリント用紙1がA方向に繰出されるとロール21
はパトローネ12内でB方向に回転される。用紙1は、
連続紙の代わりに、用紙トレイないしスタッカ内に積重
ねられピックアップローラによって一枚づつ繰出される
ような所定サイズの紙葉であってもよい。図1におい
て、用紙1は、シート状基体部2がロール21の内側に
位置するように巻回されており、プリント用紙1がA方
向に繰出された際、マイクロカプセル層4は、基体部2
の下側に位置する。22は、用紙1の後縁(後端)の通
過、又は前面における用紙1の有無を検出する用紙セン
サである。
【0030】用紙のA方向の繰出し・送給は、用紙送給
方向Aに関して上流及び下流側の用紙送り機構23,2
4によって行われる。ロール21からの用紙1のA方向
の送給に伴い、用紙1は、露光部30及び加圧現像部5
0を水平に通ってA1方向に送られる。用紙送り機構2
3,24は、夫々、回転駆動力を受ける用紙送りローラ
(フィードローラ)23a,24a、及び該ローラ23
a,24aに対向して設けられ用紙1を間に挟んでA方
向に送るべく板バネ23b,24bで用紙1の方向に下
向きに押圧されたピンチローラないしニップローラ23
c,24cからなる。フィードローラ23a,24a
は、例えば、鋼製の軸体にゴム製の筒体を嵌めて固定し
たものからなり、ピンチローラ23c,24cは、例え
ば、プラスチック製の一体物からなる。
【0031】パトローネ12の用紙出口12aには、鉄
や鋼の如き金属ような熱の良導体からなる用紙案内台1
10が配設されている。用紙案内台110は、基部11
1でフレーム14の底壁14fに固定され、基部111
から斜め上方に延在した用紙案内板部112の表面11
3で用紙1を露光部30に案内する。用紙案内板部11
2は、裏面114が切欠かれて薄肉化されており、該薄
肉化部115には、案内板部112の表面113上をA
方向に送給される用紙1の部分を加熱する加熱手段とし
てのシート状ないし板状の抵抗加熱式のヒータ116が
固定されており、裏面114の下部117には温度検出
器Sが取付けられている。
【0032】ヒータ116は、用紙1の送給部分を所定
範囲の温度、例えば、30℃から45℃の範囲内の温度
に加熱し得るものであれば、どのようなものでもよい
が、典型的には、抵抗温度係数が正のシート状ないし板
状セラミック体や抵抗線を二次元面上に延在させた薄膜
状ないしフィルム状の発熱体が用いられる。いずれにし
ても、案内板部112が金属からなる場合、案内板部1
12との電気的な絶縁が可能なように抵抗加熱方式のヒ
ータ116の表面部分が絶縁処理されている。但し、所
望ならば、案内板部112自体をシート状ないし薄膜状
ヒータで形成してもよい。加熱は、抵抗加熱の代わり
に、輻射熱の照射や誘導加熱等他の形式でもよい。ヒー
タ116への通電ないし給電は、コントローラ80の加
熱制御部(マイクロプロセッサと入出力インターフェー
ス、及び制御プログラムからなる)82によって制御さ
れる。ヒータ116に流す電流は、直流でも交流でもよ
いが、好ましくは、直流パルスの形態で与えられ、通電
エネルギないし出力を変えるためには、例えば、パルス
状電流のパルス幅を変える(即ちデューティ比を変え
る)パルス幅変調(PWM)方式が用いられる。
【0033】プリンタ10がハンディタイプのものであ
る場合、ヒータ116のプリンタ幅方向Cの大きさは、
用紙幅と同程度又はそれよりも若干大きく例えば50m
m程度で、ヒータ116の用紙送り方向Aの長さは例え
ば10〜20mm程度である。勿論のことながら、ヒー
タ116の幅や長さはこれよりも大きくても小さくても
よい。
【0034】ヒータ116は、用紙1の像形成領域の幅
方向の全体を加熱し得るように、用紙1の幅方向Cの長
さが十分に大きいものであることが好ましい。ヒータ1
16は、典型的には、幅方向に連続的な一体物からな
る。ヒータ116の単位面積当りの発熱(出力)は、幅
方向に一様であっても、例えば幅方向の両端に近いほど
発熱が大きく又は小さくなるように幅方向に沿って異な
っていてもよい。また、場合によっては、幅方向の長さ
領域を複数に区分して各区分毎にヒータ部分(発熱部
分)を設け、隣接ヒータ部分の間にある程度の間隔があ
いていてもよい。所望ならば、幅方向の一部のみに、ヒ
ータを設けてもよい。ヒータ116は、用紙送り方向に
関しても、連続的な一つの部分からなる代わりに、相互
に間隔をおいて配置された複数の部分からなっていても
よい。
【0035】図示の例では、設置スペースを考慮すると
共に周りの部品の加熱を最小限に抑えるべくヒータ11
6を露光部30のパトローネ12の出口12aの用紙案
内板部112に設けている。この場合、露光部30で潜
像形成処理を受ける用紙部分をある程度加温しておくこ
とにもなる。ヒータ116を露光部30の上流側に設け
る場合、パトローネ12の出口12aの用紙案内板部1
12の代わりに上流側の用紙送り機構23(例えばロー
ラ23a及びローラ23cのうちの少なくともいずれか
一方)にヒータ116を設けてもよい。また、ヒータ1
16を露光部30の上流側に設ける代わりにまたは設け
ると共に、加圧現像部50に導入される用紙部分が実際
上常に所定温度範囲Tpに加熱ないし加温状態にあるよ
うに、露光部30の下流側で加圧現像部50に近接した
ところに、例えば、下流側の用紙送り機構24(例えば
ローラ24a及びローラ24cのうちの少なくともいず
れか一方)にヒータ116を設けてもよい。更に、露光
部30の下流側にヒータ116を設ける場合、下流側用
紙送り機構24と加圧現像部50との間に用紙1を上面
で加圧現像部50に案内する案内台部を設けこの案内台
部にヒータ116を設けてもよい。
【0036】温度検出器Sは、典型的には、サーミスタ
のような抵抗温度計からなるけれども、例えば、30℃
〜45℃程度の範囲の温度を比較的正確に検出し得る限
り、どのような他のものでもよい。なお、温度検出器S
は、例えば、該検出器Sとヒータ116の隣接端部11
6aとの距離が、ヒータ116と案内板部112の表面
113との距離(薄肉化部の厚さに一致し、例えば、数
mm(1〜3mm))と同程度になるように配置され
る。これによって、ヒータ116による加熱によって案
内板部112の表面113が達する温度を比較的正確に
推定・測定し得る。なお、用紙1は、例えば、1mm/
秒程度の速度で案内板部112の表面113上をA方向
に送られるので、用紙1の部分の温度は、案内板部11
2の表面113の温度にほぼ一致することになるから、
温度検出器Sで検出する温度Tmは、用紙1の部分の温
度に実質上一致し、温度検出器Sによって、加熱された
用紙部分の温度を検出し得ることになる。
【0037】温度検出器Sで検出した用紙1の温度デー
タTmはコントローラ80の入出力制御部でA/D変換
されてコントローラ80の加熱制御部82に送られ、検
出温度Tm(または該検出温度Tmから推定される用紙
温度)が所定範囲Tp内に入るように、加熱制御部82
によってヒータ116へのパルス状電流の通電がPWM
制御される。
【0038】なお、温度検出器Sによる検出温度Tmに
基づいて用紙部分の加熱温度を推定するためには、用紙
部分がヒータ116により加熱されて達する温度と温度
検出器Sでの検出温度Tmとが、1対1に対応していれ
ばよく同一である必要はない。したがって、温度検出器
Sを、例えば、前述のように案内板部112の厚さに一
致する距離だけ離れた位置の代わりに、ヒータ116に
より近い位置でも、該ヒータ116からより離れた位置
に配設してもよい。
【0039】例えば、温度検出器Sを図示の位置117
に配置する代わりに又は配置すると共に、用紙1の送給
を妨げない範囲で案内板部112の表面113側に配置
しても、図1において、想像線118で示したように、
ケース11又はフレーム14の頂壁14hの下面でヒー
タ116にほぼ対面する部分に配置しても、想像線11
9で示したように、加圧現像部50の入口ないし僅かに
上流側の用紙部分に対面する頂壁14hの下面部に配置
しても、用紙送り方向A1でみて、符号118,119
で示した位置の間の所望位置に配置してもよい。
【0040】想像線118で示す位置に温度検出器Sを
配置した場合、ケース11内で用紙1の雰囲気の温度を
検出し得る。ヒータ116で加熱された用紙1の部分
は、A,A1方向に送給されて加圧現像部50に達する
前に雰囲気温度の影響で典型的にはある程度冷却される
から、雰囲気温度が低めの場合にはヒータ116による
加熱を強めるように、ヒータ116の通電制御をするこ
とも可能になる。また、想像線119で示す位置に温度
検出器Sを配置した場合、ヒータ116で加熱された用
紙1の部分が加圧現像部50に到達する直前の温度を当
該領域近傍の雰囲気温度から推定し得るから、当該推定
温度に基づいてヒータ116の通電制御をすることも可
能になる。更に、温度検出器Sを実線で示した位置11
7と、想像線118や119で示した位置との両方に配
置した場合、ヒータ116による用紙部分の加熱の程度
と用紙送給経路の雰囲気による用紙部分の冷却の程度と
の両方の情報に基づいて、用紙部分の加熱を制御し得る
ことになる。
【0041】なお、雰囲気は、典型的には冷却雰囲気
(用紙の所定温度よりも低い温度雰囲気)となるけれど
も、ケース11内の各種電子部品や光源などの発熱体の
影響次第では、加熱雰囲気(用紙の所定温度よりも高い
温度雰囲気)となり得ることもあるから、用紙1の所望
温度Tpが、数10℃程度で雰囲気温度との差異があま
り大きくない場合には、雰囲気温度を考慮してヒータ1
16の通電加熱を制御することも効果的であり得る。冷
却雰囲気から加熱雰囲気への変化は、単に、外気温の変
化のみでなく、プリンタ10の使用状態にも依存する。
特に、加熱雰囲気の発現可能性が低くない場合、図1に
示したように、プラスチック材料のような熱の不良導体
からなるパトローネ12が、ケース(筐体)11のフレ
ーム部分14よりも外に配置されていて、用紙1の部分
が過度に加熱される虞が少なく、且つパトローネ12の
用紙出口12aが上向きに向いていることによって、パ
トローネ12内のロール紙21の加熱を抑制することが
好ましい。なお、場合によっては、パトローネ12の出
口12aを下流側ほど下方に位置するように斜め下向き
にしてパトローネ12の室21内にケース11の室11
a内の暖気が入り易いようにしておいてもよい。
【0042】裏面114側のヒータ116からの熱を実
際上損失なく表面側113に伝え得るように案内板部1
12が十分に薄い場合には、案内板部112を切欠いて
薄肉化することなくその裏面114にヒータ116を直
接取付けてもよい。また、所望ならば、ヒータ116を
案内板部112の表面113側に配設してもよい。露光
部30は、両端がフレーム14の側壁14a,14bに
固定された露光ヘッド案内軸31と、用紙1の送給方向
A1に対して直交する走査方向Cに摺動可能に該案内軸
31に嵌装・支持された露光ヘッド構造体32と、該露
光ヘッド構造体32を走査方向Cに移動させる露光ヘッ
ド駆動軸33とを有する。露光ヘッド駆動軸33は、そ
の軸線のまわりで回転可能にフレーム14の側壁14
a,14bに支持され(支持構造の詳細は図示せず)、
且つ周面に螺旋溝34を有する。螺旋溝34は、右回り
及び左回りの螺旋溝部34a,34bと、両螺旋溝部3
4a,34bをつなぐ転向溝部34c,34dからな
る。露光ヘッド構造体32は、上流側及び下流側の用紙
送り機構23,24の間おいてプリント用紙1に対面す
るように配置された露光ヘッド本体部35と、該ヘッド
本体部35を支持する露光ヘッド支持部36、該露光ヘ
ッド支持部36に対して一体的なヘッド位置センサない
しエンコーダ37とからなる。露光ヘッド位置センサ3
7は、該露光ヘッド位置センサ37の走査経路に沿って
該センサ37に対向してフレーム底壁(シャーシ底壁)
14f上に形成されたスケール(例えば、走査方向Cの
所定間隔毎に目盛線が描かれたもの)14gを読み取っ
て、露光ヘッド本体部35の走査方向Cの位置を検出す
るもので、該検出位置情報に基づいて、露光ヘッド本体
部35による露光がコントローラ80により制御され
る。
【0043】露光ヘッド支持部36は、露光ヘッド案内
軸31及び露光ヘッド駆動軸33が走査方向Cに嵌挿さ
れた孔36a,36bに加えて、孔36bにつながった
上下方向穴36cを有する。上下方向穴36cには、露
光ヘッド駆動軸33の螺旋溝34に係合する係合ピン3
8が上下方向に移動可能な状態で配置されており、係合
ピン38は、該ピン38の偏倚・係合機構39によって
上方の螺旋溝34に偏倚・係合され該係合状態で保持さ
れる。ピン38が右回り螺旋溝部34aに係合されてい
る場合、露光ヘッド駆動軸33のD方向の回転に伴っ
て、露光ヘッド構造体32は、案内軸31により摺動・
案内されてC1方向に往動走査され、ピン38が転向溝
部34cを通って左回り螺旋溝部34bに入ると、露光
ヘッド駆動軸33のD方向の回転に伴って、露光ヘッド
構造体32は、C2方向に復動走査される。
【0044】図1並びに図4の(a)及び(b)に示し
たように、露光ヘッド本体部35は、中空で偏平な箱体
40と、箱体40の底壁40aに固定された3行3列の
光源41と、各光源41に対面する位置において箱体4
0の頂壁40bに形成された3行3列の絞り開口42と
からなる。ここで頂壁40bは、アパーチャ手段ないし
アパーチャ板として機能する。各列の光源41a,41
b,41cは同一色の光源からなり、例えば、第1列の
第1行目から第3行目は赤色LED41a1,41a
2,41a3、第2列目の第1行目から第3行目は緑色
LED41b1,41b2,41b3、第3列目の第1
行目から第3行目は青色LED41c1,41c2,4
1c3からなる。光源41の行の間隔は、例えば、用紙
送り機構23,24による用紙1のA1方向の間欠送り
ピッチに一致している。一方、光源41の列の間隔は、
露光ヘッド本体部35のC方向の走査の際、色による光
源41a,41b,41cの走査方向位置(「走査方向
の位相」ともいう)のズレになる。従って、露光ヘッド
本体部35が露光のために走査される際、走査方向の各
ドット領域についてのカラーデータに係る光源41の走
査方向の位置ズレを、走査位置センサ37から読み込ま
れる露光ヘッド35の位置情報に基づいて、コントロー
ラ80で補償しつつ、走査方向の各ドット領域に対して
所定の色の光を照射する。走査方向Cの各ドット領域に
対して順次このような動作制御を行いつつ、走査方向C
の一行の露光を行うことになる。走査方向Cに対して直
角に並んだ列の数は光の三原色の数であり、用紙送り方
向A1に対して直角に並んだ行の数は、一つの点(ドッ
ト領域)にプリントするために必要な光源の数で、光源
からの光の強度がより強いような場合には各色の光源の
数(行数)はより少なくてもよく、光の強度がより弱い
ような場合には行数を多くしてもよく、色によって光源
の数を変えてもよい。絞り開口42の大きさは、同一で
も、絞る光の色によって異なっていても、行によって異
なっていてもよい。40dは、各光源41を分離する仕
切壁である。
【0045】図4の(b)及び(c)に示したように、
光源41から出た光ないしビームEは、光源41から距
離F(例えば300〜400μ程度で、アパーチャ板4
0bの厚さGを考慮すると、F+G)だけ離れた開口径
H(例えば、200〜300μ程度)の絞りアパーチャ
42を通って、距離F+G+H(例えば、400〜50
0μ程度)だけ離れたプリント用紙1のマイクロカプセ
ル層4に径Jのスポットとして照射される。
【0046】図1から3において、加圧現像部50は、
走査方向Cに往復動可能に、露光ヘッド35とは独立に
フレーム14の側壁14a,14bに支持され、用紙1
の背面1a側に配置された用紙支持手段としての用紙支
持機構ないし現像支持台51と協働して用紙1を加圧す
るように構成された加圧現像ヘッド構造体52と、加圧
現像ヘッド構造体52を支持するローラ支持機構(ロー
ラ支持台)53と、加圧現像ヘッド構造体52をフレー
ムに14対してC方向に往復動させる加圧現像ヘッド駆
動手段としての加圧現像ヘッド駆動軸54とを有する。
【0047】加圧現像ヘッド駆動軸54は、その軸線の
まわりで回転可能にフレーム14の側壁14a,14b
に支持され(詳細構造は図示せず)、且つ周面に螺旋溝
55を有する。該駆動軸54の支持には、径方向の耐荷
重性の高い種類の軸受を用いてもよい。螺旋溝55は、
右回り及び左回りの螺旋溝部55a,55bと、両螺旋
溝部55a,55bをつなぐ転向溝部55c,55dと
からなる。
【0048】ローラ支持台53は、フレーム14の側壁
14a,14b間において走査方向Cに延在し、側壁1
4a,14bに形成された切欠部ないし長孔(スロッ
ト)14c,14dに上下方向Lに移動可能に嵌合され
た断面がコの字型(図1)のローラ支持台本体部53a
と、ローラ支持台本体部53aに上方向L1の偏倚力を
及ぼす圧縮バネ53bとからなる。圧縮バネ53bは、
走査方向Cに沿って間隔をおいて複数個設けられてい
る。
【0049】加圧現像ヘッド構造体52は、加圧現像ヘ
ッド支持部56と、一対のローラ57,58からなる加
圧現像ヘッド本体部59とを有する。加圧現像ヘッド支
持部56は、加圧現像ヘッド駆動軸54が走査方向Cに
嵌挿された孔56aに加えて該孔56aにつながった上
下方向穴56bを有する。上下方向穴56bには、加圧
現像ヘッド駆動軸54の螺旋溝55に係合する係合ピン
60が上下方向に移動可能な状態で配置されており、係
合ピン60は、該ピン60の偏倚・係合機構61によっ
て上方の螺旋溝55に偏倚・係合され該係合状態で保持
される。ピン60が例えば左回り螺旋溝部55bに係合
されている場合、加圧現像ヘッド駆動軸54のD方向の
回転に伴って、加圧現像ヘッド構造体52は、C2方向
に復動走査され、ピン60が転向溝部55dを通って右
回り螺旋溝部55aに入ると、加圧現像ヘッド駆動軸5
5のD方向の回転に伴って、加圧現像ヘッド構造体52
は、C1方向に往動走査される。
【0050】加圧現像ヘッド支持部56は、更に、ロー
ラ57,58の本体57a,58aが周面で接触した状
態でL方向に移動可能に収容されたローラ収容室ないし
貫通孔56c、及びローラ本体57a,58aの両端の
軸部57b,57c,58b,58cがL方向に移動可
能に収容される溝部56d,56eを有する。なお、室
56c内において積重ねられたローラ本体57a,58
aのうち下側のローラ本体58aは、断面コの字状のロ
ーラ支持台本体部53a上に載置されている。
【0051】一方、用紙1の背面1a側に位置する現像
支持台(用紙支持台)51は、プリンタ装置1のフレー
ム14で支持されたプラテン支持部62と、横断面(走
査方向Cに垂直な断面)が下に凸のU字状のプラテン本
体63とからなる。プラテン該本体63の下縁部63a
は、用紙1のプリントを行うべき走査方向領域Mの範囲
で加圧現像ヘッド本体59側に突出し、領域Mの両端で
は上方に後退している(図3)。プラテン支持部62
は、下流側に用紙1をプリンタ10の筐体11の外に導
出するための用紙ガイド部62aを備えている。
【0052】加圧現像ヘッド本体部59がプラテン本体
63の中央領域Mの両側の後退領域に対面する走査方向
両端部分にある場合、プリント用紙1は実質上押圧・挟
持されることなく、所望に応じて、用紙送り機構23,
24の作動により、用紙送り方向A1に送られ得る(例
えば、一行分の間欠送り、用紙先端の導入、又は用紙後
端の送出し等)。
【0053】一方、加圧現像ヘッド本体部59がプラテ
ン本体63の中央のプリント許容領域Mに向き合う範囲
では、プリント用紙1は、加圧現像ヘッド59の上側の
ローラ57の本体57aとプラテン本体63との間で挟
まれる。ローラ本体57aは本体57aの長さの範囲で
用紙送給方向A1に沿って直線状にプリント用紙1の表
側面1bに当たり、プラテン本体63は方向A1に直角
な方向Cに沿って直線状にプリント用紙1の裏側面1a
に当たるから、加圧現像ヘッド59のローラ57とプラ
テン本体63とによって加圧挟持される用紙部分は、各
時点において、ほぼ点状になり、該接触点に加圧力が働
き、該接触点に潜像が形成されているときは硬化してい
ないマイクロカプセルが圧壊されてドット領域が発色す
ることになる。なお、このとき、与えられる加圧力は、
ローラ支持台本体部53a及びローラ58を介してロー
ラ57にL1方向に加えられる加圧現像用圧縮バネ53
bの伸張力による。バネ53bにより接触点(加圧現像
点)に加えられる力は、接触点の面積を考慮してマイク
ロカプセルを適度に圧壊するに適した所定の大きさ(例
えば、数10〜数100g重)に設定される。この場
合、加圧現像荷重は、バネ53bの下端側のフレーム
(シャーシ)14の底壁14f及びフレーム14の頂壁
14hとして機能する筐体11の部分で受けることにな
る。
【0054】プリンタ10では、用紙1のうち加圧現像
ヘッド59の加圧下におかれる潜像形成部分を、マイク
ロカプセル本体が脆性低下等で壊れやすくなったりしな
いような所定の温度範囲Tpに予め加熱しているから、
本来壊れるべきでないマイクロカプセルの不測の破壊の
虞が少なく、該破壊が生じた場合における発色剤の放出
に伴う色の不測の混合などが生じる虞が少ないから、オ
リジナルの色が所定の色相・彩度で忠実に再現され得
る。
【0055】なお、バネ53bの下端側のシャーシ底壁
14fにL方向に位置調整可能な部材を設けておいて、
該部材の位置を調整することによって、加圧現像荷重を
調整するようにしてもよい。なお、加圧現像ヘッド本体
部59の側にバネ53bを設ける代わりに、又は設ける
と共に、プラテン本体63を用紙1の背面1aに押し付
けるべくプラテンの側にバネのような弾性押圧手段を設
けてもよい。
【0056】加圧現像部50では、加圧現像ヘッド駆動
軸54の回転駆動により、加圧現像ヘッド支持部56及
び加圧現像ヘッド本体部59がC方向に移動される際、
ローラ58のローラ本体58aがローラ支持台本体部5
3a上をC方向に転動し、該ローラ本体58aと周面で
接触したローラ本体57aが、ロータ本体58aの回転
に同期して回転すると共に、プラテン本体63との接触
点(押圧点)をC方向に走査するようにプリント用紙1
の表面1b上をC方向に転動することになる。
【0057】加圧現像部50における加圧現像動作は、
加圧現像ヘッド駆動軸54の回転駆動に従って、ローラ
支持機構(ローラ支持台)53及び現像支持台(用紙支
持台)51の間で支持された加圧現像ヘッド支持部56
及び加圧現像ヘッド本体部59を走査することによって
行われるもので、プリンタ装置1のフレーム14が十分
剛性を有するように構成される限り、加圧現像部50に
おける加圧現像動作によってフレーム14の側壁14
a、14bなどが変形されたり過度に振動される虞がな
く、加圧現像部50における加圧現像動作によって露光
部30の用紙1に対する位置関係が変動する虞が少な
い。
【0058】図2において、16は、モータ70の出力
軸71の回転を、上流側及び下流側のフィードローラ2
3a,24a、露光ヘッド駆動軸33、及び加圧現像ヘ
ッド駆動軸54に伝達するための動力伝達機構であり、
動力伝達機構16は、通常のプリント動作に加えてプリ
ンタ10の初期設定や用紙の初期送りなどプリンタ10
に要求される各種の動作モードを動力伝達機構の構造と
して組み込むべく、平歯車や傘歯車等からなる歯車列と
共に一方向クラッチやゼネバ歯車などを含み得る。な
お、動力伝達機構16に電子制御される動力伝達手段を
設けて、プリンタの各種の動作モードを動力伝達機構1
6の機械的な構造だけでなくコントローラ80によって
制御するようにしてもよい。
【0059】図3において、28は連続用紙1を幅方向
Cに沿って切断するためのカッタであり、カッタ28
は、図示しないバネにより図3の左端位置への偏倚力を
受けており、カッタ28をバネ力に抗して手動で案内部
材(図示せず)に沿って図示の右端位置まで移動させる
ことにより、例えば下流側用紙送り機構24の下流で且
つ加圧現像部50の上流側において、用紙1を幅方向C
に沿ってカットし得る。手を離すとカッタ28は左端の
初期位置に戻る。
【0060】以上のように構成されたプリンタ10を有
するプリントシステム100の動作について、簡単にま
とめて説明する。プリント用紙1の先端が下流側の用紙
送り機構24で挟持されている状態で前回のプリント動
作が完了しているとする。プリンタ10のメインスイッ
チ(図示せず)をONにして主電源を入れると、温度検
出器Sによる温度検出が開始される。温度検出器Sによ
る検出温度Tmが所定温度範囲Tpに入るかどうかがコ
ントローラ80の温度制御部82で判別され、該判別結
果に基づいてヒータ116への通電制御が行われる。典
型的には、温度Tmが所定温度範囲Tpの下限値よりも
小さい場合、下限値からのズレの大きさΔTに応じて所
定パルス幅(又は所定デューティ比)の電流パルスが温
度制御部82の制御下でヒータ116に与えられる。ヒ
ータ116の発熱により案内板部112上の用紙部分が
短時間のうちに所定温度まで加熱される。温度検出器S
での検出温度Tmが所定温度範囲Tpに入ると、加熱制
御部82からのその旨の判別信号が出され、プリンタ1
0が画像情報処理装置90からのプリント命令を受取り
可能な状態に設定される。なお、電源を入れた当初は、
ケース11内の室11aが十分に暖まっていない場合が
多いので、電源投入後所定時間の間は、検出温度Tmが
所定温度範囲Tp内の上限値に近い所定値になるよう
に、ヒータ116の加熱制御を行うようにしておいても
よい。また、所望ならば、プリンタ10にプリント命令
が与えられて初めてヒータ116による加熱が開始され
るようにしてもよい。この場合には、プリント処理をし
ないときには、ヒータ116への通電は停止される。
【0061】用紙送り機構23,24が停止している状
態で、プリンタ10にプリント命令が与えられると、モ
ータ70の回転駆動によって動力伝達機構16を介して
露光ヘッド駆動軸33及び加圧現像ヘッド駆動軸56の
夫々の回転駆動が開始され露光ヘッド本体部35及び加
圧現像ヘッド本体部59の夫々について初期位置から走
査方向Cへの走査が別々に開始されると共に、露光ヘッ
ド位置センサ37からスケール読取り信号がコントロー
ラ80に送られてコントローラ80で露光ヘッド本体部
35の位置情報として解読される。コントローラ80
は、ヘッド本体部35についてのこの位置情報と、画像
情報処理装置90からの画像情報データ(位置及び色デ
ータ)とに基づいて、ヘッド本体部35の走査位置に応
じた色データを露光ヘッド本体部35に与え、ヘッド本
体部35の1行目の光源41のうち該当する色の光源4
1を(所望ならば所定の強度で)発光させて、プリント
用紙1の走査方向の所定位置(ドット領域)に所定の色
の潜像を形成させる。この動作は、露光ヘッド本体部3
5が初期位置から一方向の走査(往動走査又は復動走
査)を完了するまで続けられる。露光ヘッド本体部35
による一方向の走査が完了した時点では、加圧現像ヘッ
ド本体部59がプラテン本体63の突出領域Mの外に有
り、加圧現像部50が用紙1の送りを許容する状態にな
っている。
【0062】上述の最初の走査の間も検出温度Tmが所
定温度範囲Tpから外れないようにヒータ116による
加熱の制御は続けれられるから、ヒータ116の装着さ
れた案内台部分112に載った用紙部分が温められるだ
けでなく、ヒータ116や加温された案内台部分112
及び用紙部分からその周囲に放熱されるから、該放熱に
伴い室11aの温度も徐々に上がっていく。
【0063】ヘッド本体部35,59の走査が一旦停止
されると、用紙送り機構23,24により用紙1が1ピ
ッチ分(ドット領域1行分)だけA1方向に送られる。
この用紙送りにより、ヒータ116で加熱された用紙部
分及び該用紙部分の下流側で該加熱用紙部分に隣接する
用紙部分が、露光部30の方へ近づくべく送られる。用
紙1の送りが完了すると、ヘッド本体部35,59につ
いて上記と同様な走査が行われる。このとき、露光ヘッ
ド本体部35の1行目と2行目の光源41のうち該当す
る色の光源が発光して走査が行われる。この二回目の走
査の間もヒータ116による加熱の制御は続けれられる
から、ヒータ116の装着された案内台部分12に載っ
た用紙部分が温められるだけでなく、室11aの温度も
徐々に上がり、室11a内の用紙1の温度も徐々に上が
っていく。
【0064】用紙1の1行目についての2回目の露光走
査と2行目についての1回目の露光走査が完了すると、
前回と同様にして、用紙1が1ピッチ分だけ送られた
後、露光ヘッド本体部35の1行目から3行目までの光
源41のうち該当する色の光源が発光して走査が行われ
る。この三回目の走査の間もヒータ116による加熱の
制御は続けれられるから、ヒータ116の装着された案
内台部分12に載った用紙部分が温められるだけでな
く、室11aの温度も徐々に上がり、室11a内の用紙
の温度も徐々に上がっていく。用紙1の1行目について
の3回目の露光走査、2行目についての2回目の露光走
査、及び3行目についての3回目の露光走査が完了する
と、用紙1が更に1ピッチ分だけ送られる。その後は、
同様な露光操作が繰返され、この間、ヒータ116のと
ころにある用紙部分は所定温度範囲になるように加熱さ
れ続け、且つ室11a内の用紙1は、徐々に温められ
る。
【0065】用紙1の被露光領域(潜像形成領域)が加
圧現像ヘッド本体部59のところに達すると、加圧現像
ヘッド本体部59による加圧現像走査が開始される。こ
の頃になると、室11a内の温度も相当上がり、ヒータ
116による直接的な(事前)加熱を受けていない用紙
部分でも、所定温度範囲に近づく。従って、加圧現像ヘ
ッド本体部59による加圧現像走査により、潜像に対応
するマイクロカプセルが圧壊されて発色・現像される
際、マイクロカプセルの意図していないような破壊が生
じる虞が比較的少なくなり、意図した色に近い色での発
色・現像が行われる。
【0066】ヒータ116による加熱を直接的には受け
ていない用紙部分に対する潜像形成及び加圧現像により
発現される色は、多少とも所定の色からずれる虞がある
けれども、用紙の先端部分は、元々画像の枠の外である
などの理由で有意な画像情報として利用されないことが
少ないから、ある程度の色のズレは、許容され得る。な
お、用紙の先端部分まで厳密に所定の配色の画像を形成
しようとする場合には、例えば、ヒータ116によって
用紙部分を所定温度範囲Tpに加熱し得るようにした
後、用紙部分をA方向に空送りして、例えば、加熱済み
用紙部分の下流端が露光部30に達して初めて露光(潜
像形成)動作を開始するようにしてもよい。また、潜像
形成部が加圧現像部50に達する前に、例えば、露光ヘ
ッド35の走査を開始すると同時に加圧現像ヘッド59
の走査を開始するようにする場合には、加熱済み用紙部
分の下流端が加圧現像部50に達して初めて露光(潜像
形成)動作を開始するようにしてもよい。また、前述の
ように、加圧現像部50の直前(上流側で近傍)に、ヒ
ータを設けて用紙部分を加熱するようにしてもよい。
【0067】いずれにしても、加熱済用紙部分が潜像を
形成するように露光されて加圧現像部50に達するよう
になると、加圧現像に伴って、マイクロカプセルの意図
していないような壊れや、マイクロカプセルの意図して
いない程度の壊れが最小限に抑えられ得るから、加圧現
像に伴いオリジナルの画像情報どうりの所定の配色で色
が発現し、所定の鮮やかさのプリントが行われ得ること
になる。
【0068】露光部30や加圧現像部50はその機能を
果たし得る限り、図示のものとは異なっていてもよい。
また、用紙1は、特定波長域の光により硬化する光硬化
物質を発色物質と共にカプセル本体内に封入してなる感
光型マイクロカプセルを塗布することにより形成された
ものである限り、その構造は、図示の例とは異なってい
てもよい。更に、用紙収容部12や用紙送り機構23,
24も用紙の種類や露光部及び加圧現像部50の配置に
応じて適宜構成すればよく、図示のものとは異なってい
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい一実施例のプリンタにつ
いて、図2のI−I線断面説明図。
【図2】図1のプリンタのII−II線断面説明図(但
し、上流側及び下流側のフィードローラを取除いた状
態)。
【図3】図1のIII−III線断面説明図。
【図4】露光ヘッドと用紙との関係を示すための説明図
で、(a)は露光ヘッドを前面側からみた説明図、
(b)は露光ヘッドの一つの光源及び絞り開口とプリン
ト用紙との関係を示す説明図、(c)は(b)の光源及
び絞り開口による露光で形成される潜像の説明図。
【符号の説明】
1 プリント用紙 1a 用紙の背面(裏面) 1b 用紙の表面 2 シート状基体部(基材部) 3 受像層 4 マイクロカプセル層 5 保護層 10 プリンタ 11 ケース(筐体) 11a ケース内の室 12 用紙収容部(パトローネ) 14 フレーム(シャーシ) 14a、14b フレーム側壁(シャーシ側壁) 14f フレーム底壁(シャーシ底壁) 16 動力伝達機構 21 ロール 22 用紙検出センサ 23 上流側用紙送り機構 24 下流側用紙送り機構 30 露光部 31 露光ヘッド案内軸 32 露光ヘッド構造体 33 露光ヘッド駆動軸 34,34a,34b 螺旋溝 35 露光ヘッド本体部(露光ヘッド) 36 露光ヘッド支持部 40 箱体 41 光源(LED) 42 アパーチャ 50 加圧現像部 51 現像支持台(用紙支持手段) 52 加圧現像ヘッド構造体 53 ローラ支持機構(ローラ支持台) 53a ローラ支持台本体部 53b 圧縮バネ 54 加圧現像ヘッド駆動軸 55,55a,55b 螺旋溝 56 加圧現像ヘッド支持部 57,58 加圧ローラ 59 加圧現像ヘッド本体部(加圧現像ヘッ
ド) 62 プラテン支持部 63 プラテン本体部(プラテン) 63a プラテンの下縁 70 モータ 71 モータの出力軸 80 コントローラ 82 温度制御部 90 デジタルカメラ(画像情報処理装置) 91 インターフェースケーブル 100 プリントシステム 110 用紙案内台 112 用紙案内板部 113 表面 114 裏面 115 薄肉化部 116 ヒータ 117 温度検出器の用紙案内台への取付位置 118 温度検出器の上部ケースへの取付位置 119 温度検出器の加圧手段近傍への取付位
置 A,A1 用紙送給方向 C,C1,C2 走査方向又は用紙の幅方向 J 光源による露光領域の径 S 温度検出器 Tm 検出温度 Tp 所定温度範囲

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定波長域の光により硬化する光硬化物
    質を発色物質と共にカプセル本体内に封入してなる感光
    型マイクロカプセルを塗布したプリント用紙に印刷する
    ためのプリンタであって、 用紙に光を照射して潜像を形成する露光手段と、 用紙の潜像形成領域を現像すべく、該領域を加圧する加
    圧現像手段と、 加圧現像されるべきプリント用紙の温度を調整する温度
    調整手段とを有するプリンタ。
  2. 【請求項2】 特定波長域の光により硬化する光硬化物
    質を発色物質と共にカプセル本体内に封入してなる感光
    型マイクロカプセルを塗布したプリント用紙に印刷する
    ためのプリンタであって、 用紙に光を照射して潜像を形成する露光手段と、 用紙の潜像形成領域を現像すべく、該領域を加圧する加
    圧現像手段と、 加圧現像されるべきプリント用紙の温度を調整する温度
    調整手段とを有してなるプリンタ。
  3. 【請求項3】 温度調整手段が、用紙を加熱する加熱手
    段からなる請求項1又は2に記載のプリンタ。
  4. 【請求項4】 温度調整手段が、用紙を加熱する加熱手
    段と、温度検出手段と、該温度検出手段による検出温度
    が所定範囲内になるように、加熱手段による加熱を制御
    する加熱制御手段とからなる請求項1又は2に記載のプ
    リンタ。
  5. 【請求項5】 露光手段及び加圧現像手段を通るように
    用紙を送給する用紙送給手段を更に備え、加熱手段が、
    用紙送給方向に関して加圧現像手段よりも上流側におい
    て、用紙を加熱するように構成されている請求項3又は
    4に記載のプリンタ。
  6. 【請求項6】 加熱手段が、露光手段の上流側の用紙送
    給案内台に設けられている請求項5に記載のプリンタ。
  7. 【請求項7】 温度検出手段が用紙送給案内台に設けら
    れている請求項6に記載のプリンタ。
  8. 【請求項8】 温度検出手段が露光手段及び加圧現像手
    段を囲繞したケースの頂壁の下面に設けられている請求
    項6に記載のプリンタ。
  9. 【請求項9】 第一の特定波長域の光により硬化する光
    硬化物質を第一の発色物質と共にカプセル本体内に封入
    してなる第一の感光型マイクロカプセルと第二の特定波
    長域の光により硬化する光硬化物質を第二の発色物質と
    共にカプセル本体内に封入してなる第二の感光型マイク
    ロカプセルとを一様に分散・塗布したプリント用紙に印
    刷するためのプリンタであって、 用紙に光を照射して潜像を形成する露光手段と、 用紙の潜像形成領域を現像すべく、該領域を加圧する加
    圧現像手段と、 照射光の色に対応する色とは異なる色の発色を抑制すべ
    く、加圧現像されるべきプリント用紙の温度を調整する
    温度調整手段とを有してなるプリンタ。
  10. 【請求項10】 請求項1から9までのいずれか一つの
    項に記載のプリンタを備えたプリントシステム。
  11. 【請求項11】 特定波長域の光により硬化する光硬化
    物質を発色物質と共にカプセル本体内に封入してなる感
    光型マイクロカプセルを塗布したプリント用紙を、加圧
    現像前に加熱してプリント用紙の温度を調整することか
    らなる感光型マイクロカプセル塗布プリント用紙のプリ
    ント方法。
  12. 【請求項12】 特定波長域の光により硬化する光硬化
    物質を発色物質と共にカプセル本体内に封入してなる感
    光型マイクロカプセルを塗布したプリント用紙を、加圧
    現像前に加熱してマイクロカプセルの壊れ易さを調整す
    ることからなる感光型マイクロカプセル塗布プリント用
    紙のプリント方法。
  13. 【請求項13】 特定波長域の光により硬化する光硬化
    物質を発色物質と共にカプセル本体内に封入してなる感
    光型マイクロカプセルを塗布したプリント用紙を、加圧
    現像前に加熱して、照射光の色に対応する色とは異なる
    色の発色を抑制することからなる感光型マイクロカプセ
    ル塗布プリント用紙のプリント方法。
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