JP2000208372A - 電解液及びそれを用いた電気二重層キャパシタ - Google Patents

電解液及びそれを用いた電気二重層キャパシタ

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JP2000208372A
JP2000208372A JP260099A JP260099A JP2000208372A JP 2000208372 A JP2000208372 A JP 2000208372A JP 260099 A JP260099 A JP 260099A JP 260099 A JP260099 A JP 260099A JP 2000208372 A JP2000208372 A JP 2000208372A
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electric double
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solvent
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Satoshi Hirahara
聡 平原
Yasushi Oura
靖 大浦
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐電圧が高く、低温から高温まで幅広い温度
領域で安定性の高い電解液、並びに該電解液を電気二重
層キャパシタに用いることにより、高い静電容量を発現
し、幅広い温度領域で使用可能、かつ高エネルギー密度
の電気二重層キャパシタを提供する。 【解決手段】 電気二重層キャパシタ用の電解液であっ
て、該電解液の溶媒の主成分が、プロピレンカーボネー
ト、ブチレンカーボネート及び3−メチルスルホランか
ら選ばれる少なくとも1種の溶媒とエチレンカーボネー
トとの混合物であることを特徴とする電気二重層キャパ
シタ用電解液、並びに、該電解液と、正極と負極のうち
少なくとも一方が炭素質物質を主とする分極性電極を用
いる電気二重層キャパシタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気二重層キャパシ
タ用電解液、及び該電解液を用いた電気二重層キャパシ
タ、詳しくは耐電圧が高く、エネルギー密度が大きい電
気二重層キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】大電流で充放電できる電気二重層キャパ
シタは、電気自動車、補助電源、深夜電力貯蔵等を用途
としたエネルギー貯蔵装置として有望である。そのた
め、耐電圧が大きく、エネルギー密度が高く、急速充放
電が可能であり、かつ幅広い温度域で使用可能な電気二
重層キャパシターの実現が望まれている。従来の電気二
重層キャパシタは、正極及び負極に活性炭を主体とする
分極性電極と非水系電解液で構成される。
【0003】キャパシターのセルに蓄積されるエネルギ
ーは、1/2 ・C・V2 で算出され、Cはセル当たりの静
電容量(F)、Vはセルに印加可能な電圧(V)であ
る。印加可能電圧Vは、その値の二乗がエネルギーに反
映されるため、エネルギー密度の向上にはキャパシター
に印加する電圧(耐電圧)を上げるの効果的であるが、
大きな電圧では電解液の分解が起こることにより、内部
抵抗の増加、静電容量の短時間での低下という問題があ
った。また、電気二重層キャパシタは、その用途にもよ
るが、室温付近だけでなく、−20℃付近の低温から7
0℃付近の高温までの幅広い温度範囲での安定した作動
が要求されている。
【0004】非水系電解液の組成が、電気二重層キャパ
シタの耐電圧及び静電容量に与える影響が大きいことが
知られており、これまでに多くの電解液組成が提案され
ている。例えば、非水系電解液の溶媒としては、プロピ
レンカーボネート、ガンマ−ブチロラクトン、アセトニ
トリル、ジメチルホルムアミド(特開昭49−6825
4号公報)や、スルホラン誘導体(特開昭62−237
715号公報)などが知られている。
【0005】また、電気二重層キャパシタの耐電圧、低
温時の作動性を向上させるために、常温で固体であるエ
チレンカーボネートに鎖状カーボネートまたは脂肪族モ
ノカルボン酸エステルなどの低粘度溶媒を添加して得ら
れる混合溶媒を非水系電解液に用いた電気二重層キャパ
シタ(特開平8−236404号公報、特開平8−27
3986号公報、特開平8−37133号公報など)が
提案されている。
【0006】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、従来の電解液
は、大きな電圧で使用した場合に分解が起こったり、室
温付近では安定であっても低温から高温まで幅広い温度
範囲で作動させた場合の安定性が不十分であるなどの問
題があった。このため、このような電解液を正極及び負
極に活性炭を主体とする分極性電極と非水系電解液で構
成される電気二重層キャパシタに使用した場合、通常単
セルあたりの耐電圧は2.7V付近が限界であり、この
耐電圧の制約によってセルの単位体積あたりのエネルギ
ー密度が小さかった。たとえば、2.8V以上の高電圧
を連続で印加した際には、電解液の分解が起こり、電気
二重層キャパシタの静電容量が低下したり、内部抵抗が
増大するという顕著な劣化現象が発現するという問題点
があり、エネルギー密度を高めることができなかった。
【0007】また、上記した鎖状カーボネートまたは脂
肪族モノカルボン酸エステルなどの低粘度溶媒の沸点は
30℃〜120℃付近と低く、これら低沸点溶媒を主成
分として含む混合溶媒の沸点は従来から広く使用されて
いるプロピレンカーボネートよりかなり低い。このた
め、上記の非水系電解液を用いた電気二重層キャパシタ
は低温での使用は可能だが、高温使用時にはセル容器内
の内圧上昇やガス発生が起こり易いという安全上の問題
があった。
【0008】したがって、本発明の目的は、耐電圧が高
く、低温から高温まで幅広い温度領域で安定性の高い電
解液を提供することにあり、更にこの電解液を電気二重
層キャパシタに用いることにより、高い静電容量を発現
し、幅広い温度領域で使用可能、かつ高エネルギー密度
の電気二重層キャパシタを提供することにある。
【0009】
【発明が解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討した結果、非水系電解液の溶媒
の主成分として、エチレンカーボネートと特定の環状化
合物との混合物を用いることにより、耐電圧が高く、高
い静電容量を発現し、幅広い温度領域で使用可能、かつ
高エネルギー密度の電気二重層キャパシタが得られるこ
とを見出し、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明の要旨は、電気二重層キ
ャパシタ用の電解液であって、該電解液の溶媒の主成分
が、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート及
び3−メチルスルホランから選ばれる少なくとも1種の
溶媒とエチレンカーボネートとの混合物であることを特
徴とする電気二重層キャパシタ用電解液、並びに、該電
解液と、正極と負極のうち少なくとも一方が炭素質物質
を主とする分極性電極を用いる電気二重層キャパシタに
存ずる。
【0011】更に詳しくは、本発明の上記の電気二重層
キャパシタにおいて、該電解液中の溶質濃度は、0.3
〜3.0モル/リットルであり、該電解液中の溶質は、
四級オニウム塩であることが好ましく、さらに分極性電
極に用いられる炭素質物質に活性炭を使用する電気二重
層キャパシタに存ずる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
電気二重層キャパシタは、正極・負極とも分極性電極を
用いたものが多いが、一方の極が分極性電極で一方が非
分極性電極であるものも提案されている。最近、単極ま
たは正極・負極が分極性電極である電気二重層キャパシ
タの総称として「電気化学キャパシタ」という専門用語
が定着しつつある。本発明における電気二重層キャパシ
タは、この「電気化学キャパシタ」をも包含する。ま
た、本発明の非水系電解液は、高分子及び無機固体を含
まない液体である。
【0013】本発明の最大の特徴は、電気二重層キャパ
シタの耐電圧、温度特性、エネルギー密度を向上させる
ために、非水系電解液の溶媒に、プロピレンカーボネー
ト、ブチレンカーボネート、スルホラン、3−メチルス
ルホラン及びガンマ−バレロラクトンから選ばれる少な
くとも1種の溶媒とエチレンカーボネートとの混合物を
用いることにある。
【0014】本発明において、上記の混合溶媒を用いる
ことにより、電気二重層キャパシタの耐電圧が向上する
理由の詳細は現時点では明らかではないが、溶媒中に、
プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート及び3
−メチルスルホランから選ばれる少なくとも1種とエチ
レンカーボネートとを共存させることにより、正極側
(酸化)、負極側(還元)とも電解液の分解が抑制さ
れ、電気二重層キャパシタの使用可能な電位領域(電位
窓)が大きくなるためと推定される。また、プロピレン
カーボネート、ブチレンカーボネート及び3−メチルス
ルホランから選ばれる少なくとも1種とエチレンカーボ
ネートとの混合物を主成分とする溶媒は低温域でも高い
電気導電性を有するため高い低温特性を示し、さらに、
上記溶媒の各成分は、共に沸点が200℃以上であるた
め、70℃以上の高温使用でも安定である。
【0015】本発明の電解液の溶媒成分において、プロ
ピレンカーボネート、ブチレンカーボネート及び3−メ
チルスルホランから選ばれる少なくとも1種の溶媒とエ
チレンカーボネートとの混合物中のエチレンカーボネー
トの含有率は、5重量%以上80重量%以下が好まし
く、20重量%以上60重量%以下が更に好ましい。含
有率が80重量%以上の場合、例えば−20℃以下で電
気二重層キャパシタを充放電する際に、内部抵抗が増加
による出力電圧の低下が生じることがある。また、5重
量%以下の含有率では、耐電圧が小さくなることがあ
る。
【0016】本発明の電解液の溶媒成分には、プロピレ
ンカーボネート、ブチレンカーボネート及び3−メチル
スルホランから選ばれる少なくとも1種の溶媒とエチレ
ンカーボネートとの混合物以外の成分が含まれていても
よい。このような成分としては、ビニレンカーボネー
ト、フェニルビニレンカーボネート、フェニルエチレン
カーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボ
ネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、ジプロピルカーボネート、ビス(2,2,2,−
トリフルオロエチル)カーボネート、ジイソプロピリカ
ーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート等の鎖状カ
ーボネート類、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、酢酸
エチル、プロピオン酸メチル等の脂肪族モノカルボン酸
エステル類、アセトニトリル等のニトリル類、グルタロ
ニトリル、アジポニトリル等のジニトリル類、N−メチ
ルオキサゾリジノン、ジメチルスルホキシド等のスルホ
キシド類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド
類、トリメチルホスフェート等のホスフェート類、ガン
マ−フェニル−ガンマ−ブチロラクトン等のラクトン
類、1,2−ジメトキシエタン、エチレンサルファイ
ト、ラクチド、プロパンサルトン等が挙げられる。溶媒
成分のうち、これらの成分の含有率は、電気二重層キャ
パシタの単位体積あたりの静電容量を低下させない点か
ら、50重量%未満が好ましく、20重量%未満が更に
好ましい。
【0017】本発明の電解液の溶媒成分としては、非水
系電解液中の溶質(電解質)の種類、及び濃度、あるい
は分極性電極に使用する炭素質物質の種類により一概に
は言えないが、プロピレンカーボネート、ブチレンカー
ボネート及び3−メチルスルホランから選ばれる少なく
とも1種の溶媒とエチレンカーボネートとの混合物中の
エチレンカーボネートの含有率が20重量%以上60重
量%以下である組成からなる混合溶媒が非水系電解液中
の溶媒の80重量%以上100重量%以下となる溶媒組
成が、幅広い温度域で高い耐電圧を示すことでき、特に
好ましい。
【0018】本発明における非水系電解液の溶質(電解
質)としては、例えば、四級アルキルアンモニウムイオ
ン、四級アルキルホスホニウムイオン、N,N−ジアル
キルピロリジニウムイオン、N,N’−ジアルキルイミ
ダゾリニウムイオン、N,N’−ジアルキルイミダゾリ
ウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イ
オンなどのカチオンと、PF6 - 、BF4 - 、AsF6
- 、N(CF3 SO32 - 、C(CF3
3 3 - 、ClO4 - 、SbF6 - 、RfSO
3 - (Rfは炭素数1から8のフルオロアルキル基)、
BR4 - (Rはアルキルまたはアリール基)などから選
ばれるアニオンとを組合わせてなる塩を単独で、または
二種以上混合して、好適に使用でき、その中で、電気導
電性と電気化学的安定性という点から、四級アルキルア
ンモニウムイオン、四級アルキルホスホニウムイオン、
N−エチル−N−メチルピロリジニウムイオン、N,
N’−ジアルキルイミダゾリウムイオンから選ばれるカ
チオンと、PF6 - 、BF4 - 、AsF6 - 、N(CF
3 SO3 2 - 、C(CF3 SO3 3 - 、Cl
4 - 、SbF6 - 、RfSO3 - (Rfは炭素数1か
ら8のフルオロアルキル基)から選ばれるアニオンとを
組み合わせてなる塩を単独で、または二種以上混合して
用いることが好ましい。さらに、その中で、溶液の溶解
度が大きく、電気二重層キャパシタの特性が十分に引き
出せるという点から、ホウフッ化トリエチルメチルアン
モニウム塩及びリンフッ化トリエチルメチルアンモニウ
ム塩は好適である。得られる電解液の電気伝導度と低温
特性を勘案し、非水系電解液中に含まれるこれらの溶質
の濃度は、0.3〜3.0モル/リットル、好ましく
は、0.8モル〜2.1モル/リットルの濃度で溶解し
た電解液が好適に使用される。
【0019】なお、本発明のプロピレンカーボネート、
ブチレンカーボネート及び3−メチルスルホランから選
ばれる少なくとも1種以上の化合物とエチレンカーボネ
ートの混合溶媒は、従来より広く電気二重層キャパシタ
用非水見解液の溶媒として使用されているプロピレンカ
ーボネート単体と比べて大部分の溶質の溶解度が大き
い。したがって、本混合溶媒はプロピレンカーボネート
のみよりも多くの塩を溶かすことができるため、電気二
重層キャパシタの静電容量をより大きくすることができ
る。
【0020】本発明に用いられる分極性電極の主成分
は、電解液に対して電気化学的に不活性で、かつ、適度
な電気導電性を有することから炭素質物質が好ましく、
特に、電荷が蓄積する電極界面が大きい点から、窒素吸
着法によるBET法により求めた比表面積が10m2/g以
上の多孔性炭素質物質を用いることが好ましい。多孔性
炭素質物質の比表面積は、炭素質種による単位面積あた
りの静電容量(F/m2)、高比表面積化伴う嵩密度の
低下等の理由から一概には言えないが、窒素吸着法によ
るBET法により求めた比表面積は30〜2500m2/g
が好ましく、特に、比表面積が300〜2300m2/gの
活性炭は、体積あたりの静電容量が大きく、好ましい。
活性炭の原料としては、植物物系の木材、のこくず、ヤ
シ殻、パルプ廃液、化石燃料系の石炭、石油重質油、あ
るいはそれらを熱分解した石炭および石油系ピッチ、石
油コークス、カーボンアエロゲル、タールピッチを紡糸
した繊維、合成高分子、フェノール樹脂、フラン樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ポリアミド樹脂、液晶高分子、プラスチック
廃棄物、廃タイヤ等多種多用である。これらの原料を炭
化後、賦活するが、賦活法は、ガス賦活と薬品賦活に大
別される。ガス賦活法は、薬品賦活が化学的な活性化で
あるのに対して、物理的な活性化ともいわれ、炭化され
た原料を高温で水蒸気、炭酸ガス、酸素、その他の酸化
ガスなどと接触反応させて、活性炭が得られる。薬品賦
活法は、原料に賦活薬品を均等に含侵させて、不活性ガ
ス雰囲気中で加熱し、薬品の脱水および酸化反応により
活性炭を得る方法である。使用される薬品としては、塩
化亜鉛、りん酸、りん酸ナトリウム、塩化カルシウム、
硫化カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カ
リウム、炭酸カルシウム等がある。活性炭の製法に関し
ては、上記に各種あげたが、特に問わない。活性炭はの
形状は、破砕、造粒、顆粒、繊維、フェルト、織物、シ
ート状等各種の形状があるが、いずれも本発明に使用す
ることができる。これらの活性炭のうち、ガス賦活法に
おいて、やしがら、石炭、または、フェノール樹脂を炭
化したものを原料として得られる活性炭は、比較的高い
静電容量を示し、かつ工業的に大量生産可能であり、安
価であるため本発明に好適である。
【0021】また、薬品賦活法では、KOHを用いた薬
品賦活で得られる活性炭は、水蒸気賦活品と比べて、製
造コストは高いものの、容量が大きい傾向にあることか
ら好ましい。また、KOH を用いた薬品賦活して得た炭素
質の場合、賦活前の原料種、賦活条件により300m2/g よ
り小さい比表面積を示すものもあるが、これらのうち比
較的高い静電容量を示すものも存在するため、これらも
正極材料として使用できる。
【0022】賦活処理後の活性炭を、窒素、アルゴン、
ヘリウム、キセノン等の不活性雰囲気下で、500 〜2500
℃、好ましくは700 〜1500℃で熱処理し、不要な表面官
能基を除去したり、炭素の結晶性を発達させて電子伝導
性を増加させても良い。粒状の炭素質物質の場合、電極
の嵩密度の向上、内部抵抗の低減という点で、平均粒子
径は30μm以下が好ましい。
【0023】炭素質物質を主体とする分極性電極体は、
共に、炭素質物質、導電剤とバインダー物質から構成さ
れる。該電極体は、従来より知られている方法により成
形することが可能である。例えば、炭素質物質とアセチ
レンブラックの混合物に、ポリテトラフルオロエチレン
を添加・混合した後、プレス成形して得られる。また、
炭素質物質とピッチ、タール、フェノール樹脂等のバイ
ンダー物質を混合・成型した後、不活性雰囲気下で熱処
理して焼結体が得られる。さらに、導電剤、バインダー
を用いず、炭素質物質のみを焼結して分極性電極とする
ことも可能である。また、導電剤を用いず炭素質物質と
バインダーを焼結して分極性電極とすることも可能であ
る。電極は、薄い塗布膜、シート状または板状の成形
体、さらには複合物からなる板状成形体のいずれであっ
ても良い。
【0024】該電極体に用いられる導電剤として、アセ
チレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラ
ック、天然黒鉛、熱膨張黒鉛、炭素繊維、酸化ルテニウ
ム、酸化チタン、アルミニウム、ニッケル等の金属ファ
イバーからなる群より選ばれる少なくとも一種の導電剤
が好ましい。少量で効果的に導電性が向上する点で、ア
セチレンブラック及びケッチェンブラックが特に好まし
く、例えば、炭素質物質が活性炭の場合、活性炭との配
合量は、活性炭の嵩密度により異なるが多すぎると活性
炭の割合が減り容量が減少するため、活性炭の重量の5
〜50%、特には10〜30%程度が好ましい。
【0025】バインダー物質としては、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチ
ルセルロース、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマ
ー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミ
ド、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂のうち少
なくとも1種類以上用いるのが好ましい。正極が上記の
炭素質物質を用いた分極性電極、負極がリチウムイオン
を可逆的に吸蔵・脱離しうる炭素質物質に予め、リチウ
ムイオンを吸蔵させた物質が主成分である非分極性電極
を用いた電気二重層キャパシタも、本発明に含まれる。
この形式の電気二重層キャパシタの非水系電解液の溶質
は、カチオンがリチウムイオンであるリチウム塩を用い
る。リチウム塩は、LiBF4 ,LiClO4 ,LiP
6 ,LiSbF6 ,LiAsF6 ,LiCF3
3 ,LiC(CF3 SO2 3 ,LiB(C6 5
4 ,LiC4 9 SO3 ,LiC8 17SO3 ,LiB
(C6 5 4 ,LiN(CF3 SO2 2 等が例示さ
れ、特に、電気導電性と安定性という点から、LiBF
4 ,LiClO4 ,LiPF6 及びLiSbF6 がリチ
ウム塩として好ましい。これらのリチウム塩の非水系電
解液中の濃度は電気二重層キャパシターの特性が十分引
き出せるように、0.3 〜2.5 モル/リットルが好まし
く、特に、0.5 モル/リットル以上1.5 モル/ リットル
以下の濃度では、高い電気導電性が得られて好ましい。
負極(非分極性電極)で用いられるリチウムイオンが可
逆的に吸蔵・脱離しうる炭素質物質には、天然黒鉛、人
造黒鉛の他、石炭または石油から抽出される重質油及び
タール、メソフェイスピッチ、石炭液化物等の化石燃
料、及びポリイミド樹脂、ピレン重合体、合成ピッチ、
フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂等の合成
物を800℃〜3000℃で熱処理して得られる炭素質
物質が好適に使用できる。これらの負極の非分極性電極
は、例えば、炭素質物質として平均粒子径が3〜40μ
mの粉末を用い、この炭素質粉末にポリフッ化ビニリデ
ン等のバインダー物質を炭素質粉末に対して、0.5〜
10重量%添加して、混合・成型することによって得ら
れ、内部抵抗の小さい負極を得ることができる。
【0026】本発明の電気二重層キャパシターの集電体
は、電気化学的及び化学的に耐食性があればよく、特に
限定するものではないが、例えば、正極ではステンレ
ス、アルミニウム、チタン、タンタルがあり、負極で
は、ステンレス、ニッケル、銅等が好適に使用される。
【0027】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例で説明する
が、本発明は以下の実施例により限定されない。 実施例1 炭素質物質をKOH賦活処理して得られた石油系活性炭
粉末(比表面積1750m2/g、平均粒子径10μm)80重量
%、アセチレンブラック10重量%、ポリテトラフルオロ
エチレン10重量%からなる混合物を混練した後、50kg
f/cm2 の圧力で加圧成型して直径10mm,厚さ0.5mm の
円盤状の成型体を得、これを分極性電極とした。この成
型操作を繰り返して、同一の組成及び形状を有する分極
性電極をさらに一枚得た。得られた2枚の成型体を0.1t
orr 以下の真空中、300 ℃で3 時間乾燥した後、これら
を窒素ガス雰囲気のグローブボックス中へ移動した。放
冷後の2枚の分極性電極体(活性炭成型体)へ、エチレ
ンカーボネート50重量%とプロピレンカーボネート5
0重量%の混合溶媒中に、溶質としてトリエチルメチル
アンモニウムテトラフルオロボレートを1.3モル/リ
ットル溶液の濃度で溶解した非水系電解液を減圧下で含
浸させた。非水系電解液を含浸させた2枚の分極性電極
の間にポリエチレン製セパレータを挟み、これらを、ス
テンレス製ケース内にポリプロピレン製ガスケットを介
してかしめ封じることにより、図1に示すような電気二
重層キャパシタを得た。
【0028】得られた電気二重層キャパシタに、25
℃、または−25℃で、3.4Vの電圧を印加した後、
1.16mAの定電流で放電して求めた初期静電容量
は、それぞれ、1.92F、または、1.38Fであっ
た。電気二重層キャパシタの耐久性を調べるために、
3.4Vの電圧を印加しながら、25℃で500時間保
持した後、1.16mAの定電流で放電したあとの静電
容量を測定して求めた初期静電容量からの静電容量変化
率は、−13%であった。また、2.8Vの電圧を印加
しながら、70℃で500時間保持した後、1.16m
Aの定電流で放電したあとの静電容量を測定して求めた
初期静電容量からの静電容量変化率は、−18%であっ
【0029】比較例1 非水系電解の溶媒をプロピレンカーボネートとしたこと
以外は、実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを
得た。得られた電気二重層キャパシタに、25℃、また
は−25℃で、3.4Vの電圧を印加した後、1.16
mAの定電流で放電して求めた初期静電容量は、それぞ
れ、1.80F、または1.24Fであった。3.4V
の電圧を印加しながら、25℃で500時間保持した
後、1.16mAの定電流で放電したあとの静電容量を
測定して求めた初期静電容量からの静電容量変化率は、
−19%であった。また、2.8Vの電圧を印加しなが
ら、70℃で500時間保持した後、1.16mAの定
電流で放電したあとの静電容量を測定して求めた初期静
電容量からの静電容量変化率は、−25%であった
【0030】実施例2 非水系電解の溶質がテトラエチルアンモニウムテトラフ
ルオロボレートであることと、溶質の濃度が1.0モル
/リットル溶液としたこと以外は、実施例1と同様にし
て電気二重層キャパシタを得た。得られた電気二重層キ
ャパシタに、25℃、または−25℃で、3.4Vの電
圧を印加した後、1.16mAの定電流で放電して求め
た初期静電容量は、それぞれ、1.85F、または1.
15Fであった。3.4Vの電圧を印加しながら、25
℃で500時間保持した後、1.16mAの定電流で放
電したあとの静電容量を測定して求めた初期静電容量か
らの静電容量変化率は、−15%であった。また、2.
8Vの電圧を印加しながら、70℃で500時間保持し
た後、1.16mAの定電流で放電したあとの静電容量
を測定して求めた初期静電容量からの静電容量変化率
は、−18%であった
【0031】比較例2 非水系電解液の溶媒をプロピレンカーボネートとしたこ
と以外は、実施例2と同様にして電気二重層キャパシタ
を得た。得られた電気二重層キャパシタに、25℃、ま
たは−25℃で、3.4Vの電圧を印加した後、1.1
6mAの定電流で放電して求めた初期静電容量は、それ
ぞれ、1.72F、または1.23Fであった。3.4
Vの電圧を印加しながら、25℃で500時間保持した
後、1.16mAの定電流で放電したあとの静電容量を
測定して求めた初期静電容量からの静電容量変化率は、
−20%であった。また、2.8Vの電圧を印加しなが
ら、70℃で500時間保持した後、1.16mAの定
電流で放電したあとの静電容量を測定して求めた初期静
電容量からの静電容量変化率は、−23%であった
【0032】実施例3 非水系電解液の、溶質の濃度を2.0モル/リットル溶
液としたこと以外は、実施例1と同様にして電気二重層
キャパシタを得た。得られた電気二重層キャパシタに、
25℃、または−25℃で、3.4Vの電圧を印加した
後、1.16mAの定電流で放電して求めた初期静電容
量は、それぞれ、1.83F、または0.81Fであっ
た。3.4Vの電圧を印加しながら、25℃で500時
間保持した後、1.16mAの定電流で放電したあとの
静電容量を測定して求めた初期静電容量からの静電容量
変化率は、−14%であった。また、2.8Vの電圧を
印加しながら、70℃で500時間保持した後、1.1
6mAの定電流で放電したあとの静電容量を測定して求
めた初期静電容量からの静電容量変化率は、−19%で
あった
【0033】実施例4 非水系電解液の、溶質の濃度を1.5モル/リットル溶
液としたこと以外は、実施例1と同様にして電気二重層
キャパシタを得た。得られた電気二重層キャパシタに、
25℃、または−25℃で、3.4Vの電圧を印加した
後、1.16mAの定電流で放電して求めた初期静電容
量は、それぞれ、1.91F、または1.09Fであっ
た。3.4Vの電圧を印加しながら、25℃で500時
間保持した後、1.16mAの定電流で放電したあとの
静電容量を測定して求めた初期静電容量からの静電容量
変化率は、−11%であった。また、2.8Vの電圧を
印加しながら、70℃で500時間保持した後、1.1
6mAの定電流で放電したあとの静電容量を測定して求
めた初期静電容量からの静電容量変化率は、−19%で
あった
【0034】実施例5 実施例1において、分極性電極に用いられる炭素質物質
をやしがらを水蒸気賦活して得られる活性炭粉末(比表
面積1690m2/g、平均粒子径10μm)としたこと以外は、
実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを得た。得
られた電気二重層キャパシタに、25℃、または−25
℃で、3.4Vの電圧を印加した後、1.16mAの定
電流で放電して求めた初期静電容量は、それぞれ、1.
56F、または1.24Fであった。3.4Vの電圧を
印加しながら、25℃で500時間保持した後、1.1
6mAの定電流で放電したあとの静電容量を測定して求
めた初期静電容量からの静電容量変化率は、−9%であ
った。また、2.8Vの電圧を印加しながら、70℃で
500時間保持した後、1.16mAの定電流で放電し
たあとの静電容量を測定して求めた初期静電容量からの
静電容量変化率は、−12%であった
【0035】比較例3 非水系電解液の溶媒をプロピレンカーボネートとし、及
び溶質の濃度を1.0モル/リットル溶液としたこと以
外は、実施例5と同様にして電気二重層キャパシタを得
た。得られた電気二重層キャパシタに、25℃、または
−25℃で、3.4Vの電圧を印加した後、1.16m
Aの定電流で放電して求めた初期静電容量は、それぞ
れ、1.45F、または1.16Fであった。3.4V
の電圧を印加しながら、25℃で500時間保持した
後、1.16mAの定電流で放電したあとの静電容量を
測定して求めた初期静電容量からの静電容量変化率は、
−11%であった。また、2.8Vの電圧を印加しなが
ら、70℃で500時間保持した後、1.16mAの定
電流で放電したあとの静電容量を測定して求めた初期静
電容量からの静電容量変化率は、−17%であった
【0036】実施例6 非水系電解液の、分極性電極に用いられる炭素質物質を
やしがらを水蒸気賦活して得られる活性炭粉末(比表面
積1690m2/g、平均粒子径10μm)としたこと、及び溶質
の濃度を2.0モル/リットル溶液としたこと以外は、
実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを得た。得
られた電気二重層キャパシタに、25℃、または−25
℃で、3.4Vの電圧を印加した後、1.16mAの定
電流で放電して求めた初期静電容量は、それぞれ、1.
49F、または1.15Fであった。3.4Vの電圧を
印加しながら、25℃で500時間保持した後、1.1
6mAの定電流で放電したあとの静電容量を測定して求
めた初期静電容量からの静電容量変化率は、−9%であ
った。また、2.8Vの電圧を印加しながら、70℃で
500時間保持した後、1.16mAの定電流で放電し
たあとの静電容量を測定して求めた初期静電容量からの
静電容量変化率は、−14%であった
【0037】実施例7 エチレンカーボネート30重量%とプロピレンカーボネ
ート70重量%の混合溶媒を非水系電解液の溶媒とした
こと以外は、実施例1と同様にして電気二重層キャパシ
タを得た。得られた電気二重層キャパシタに、25℃、
または−25℃で、3.4Vの電圧を印加した後、1.
16mAの定電流で放電して求めた初期静電容量は、そ
れぞれ、1.83F、または、1.43Fであった。電
気二重層キャパシタの耐久性を調べるために、3.4V
の電圧を印加しながら、25℃で500時間保持した
後、1.16mAの定電流で放電したあとの静電容量を
測定して求めた初期静電容量からの静電容量変化率は、
−16%であった。また、2.8Vの電圧を印加しなが
ら、70℃で500時間保持した後、1.16mAの定
電流で放電したあとの静電容量を測定して求めた初期静
電容量からの静電容量変化率は、−19%であった。
【0038】比較例4 エチレンカーボネートに溶質としてトリエチルメチルア
ンモニウムテトラフルオロボレートを1.3モル/リッ
トル溶液の濃度で溶解した非水系電解液の調製を試みた
が、常温でエチレンカーボネートの析出が起こり、電解
液の使用には不適であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例で使用したコイン型電気二重
層キャパシタのセルの構造を示す図である。
【符号の説明】
11:ステンレス製容器のケース 12:正極 13:ガスケット 14:セパレータ 15:負極 16:ステンレス容器の上蓋である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気二重層キャパシタ用の電解液であっ
    て、該電解液の溶媒の主成分が、プロピレンカーボネー
    ト、ブチレンカーボネート及び3−メチルスルホランか
    ら選ばれる少なくとも1種の溶媒とエチレンカーボネー
    トとの混合物であることを特徴とする電気二重層キャパ
    シタ用電解液。
  2. 【請求項2】 該電解液の溶媒の主成分が、プロピレン
    カーボネートとエチレンカーボネートの混合物であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタ
    用電解液。
  3. 【請求項3】 該電解液の溶媒の主成分が、ブチレンカ
    ーボネート及び3−メチルスルホランから選ばれる少な
    くとも1つの溶媒とエチレンカーボネートとの混合物で
    あることを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャ
    パシタ用電解液。
  4. 【請求項4】 該電解液の溶質が、四級アンモニウム塩
    および四級ホスホニウム塩から選ばれる1種の溶質また
    は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1な
    いし請求項3に記載の電気二重層キャパシタ用電解液。
  5. 【請求項5】 該電解液中の溶質濃度が0.3〜3.0
    モル/リットルであることを特徴とする請求項1ないし
    請求項4のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用電
    解液。
  6. 【請求項6】 非水系電解液を使用し、正極と負極のう
    ち少なくとも一方が炭素質物質を主とする分極性電極で
    ある電気二重層キャパシタにおいて、該電解液として請
    求項1ないし請求項5に記載の電解液を用いることを特
    徴とする電気二重層キャパシタ。
  7. 【請求項7】 該分極性電極で使用される炭素質物質が
    活性炭であることを特徴とする請求項6に記載の電気二
    重層キャパシタ。
  8. 【請求項8】 正極で用いられる活性炭が、炭素質物質
    をKOH溶融塩中で加熱処理して得られたものであるこ
    とを特徴とする請求項7に記載の電気二重層キャパシ
    タ。
  9. 【請求項9】 正極で用いられる活性炭が、やしがら、
    石炭、フェノール樹脂から選ばれる少なくとも1つ以上
    の物質を炭化処理した後、ガス賦活して得られたもので
    あることを特徴とする請求項7記載の電気二重層キャパ
    シタ。
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