JP2000209061A - 弾性表面波素子および弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波素子および弾性表面波装置

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JP2000209061A
JP2000209061A JP11005388A JP538899A JP2000209061A JP 2000209061 A JP2000209061 A JP 2000209061A JP 11005388 A JP11005388 A JP 11005388A JP 538899 A JP538899 A JP 538899A JP 2000209061 A JP2000209061 A JP 2000209061A
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surface acoustic
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泰史 黒田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フリップチップ実装に適し、かつ帯域外特性
が良好な弾性表面波素子を提供する。 【解決手段】 入力IDT102、104または出力I
DT101、103、105を構成する櫛歯型電極のう
ち接地側の少なくとも1つが、入力IDTの入力側およ
び出力IDTの出力側の双方との間に容量708、70
9、710を有している。これらの容量を用いた共振系
により弾性表面波素子の通過帯域から離れた帯域にトラ
ップをつくることができ、システム要求などに対応して
フレキシブルに周波数特性を調節することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性表面波素子に関
し、特に移動体通信などの用いられる弾性表面波フィル
タなどの弾性表面波素子に関する。また本発明はフリッ
プ実装に適した弾性表面波素子に関する。
【0002】本発明は弾性表面波素子を外囲器に搭載し
た弾性表面波装置に関し、特に、弾性表面波装置をフリ
ップチップ実装したマイクロ波帯バンドパスフィルタな
どの弾性表面波装置に関する。
【0003】
【従来の技術】弾性表面波フィルタなどの弾性表面波素
子は近年特に小型化を必要とする移動体通信用途に於い
て多用されるようになってきた。この用途では、セラミ
ック製のパッケージ内に弾性表面波フィルタの形成され
た圧電性基板を接着し、パッケージ内に設けられた信号
入出力端子と圧電性基板上のボンディングパッドとをA
u、Al等からなるボンディングワイヤーで接続するこ
とで搭載されている。この後に金属性蓋を被せパッケー
ジ上部の金属枠と溶接し、弾性表面波素子をパッケージ
内に気密封止する。
【0004】パッケージ内信号端子はビアホールあるい
はキャスタレイションによってパッケージの外部端子と
導通がとれている。このパッケージは例えばPCB(プ
リント配線板)等に搭載され、外部回路とパッケージの
外部端子とは接続される。こうしてできた弾性表面波フ
ィルタは携帯電話など実装時に配線基板上に表面実装す
ることができ、高密度実装、電子機器の小型化に適した
部品となっている。
【0005】弾性表面波素子のさらなる小型化を図るこ
とが可能な実装手法としてごく最近使われるようになっ
てきたものに、フリップチップ実装がある。フリップチ
ップ実装は、弾性表面波素子を外囲器とよばれるパッケ
ージにフェースダウン型に搭載するものである。フリッ
プチップ実装においては、弾性表面波素子の電気的接続
を要する部分にAuなどで導電性バンプを形成し、導電
性パターンの形成された外囲器の基板上に対向させて乗
せ、加温、超音波引加し接合する。この基板の導電性パ
ターンは基板下面に設けられた外部端子と接続されてい
る。このようにして弾性表面波素子を外囲器に搭載した
後、外囲器にキャップを被せて弾性表面波素子を気密に
封止する。
【0006】このようにフリップチップ実装ではボンデ
ィングワイヤーを用いないため、パッケージにワイヤー
接続部が不要になる。さらにボンディング接続では、ボ
ンディングツールとよばれるボンディングワイヤを導
き、ボンディングパッドと接続するためのツールを導入
するための余分な空間を外囲器内に確保する必要があ
る。フリップチップ接続ではボンディングツールを必要
としないので、この余分な空間も削減することができ
る。このようにフリップチップ実装は弾性表面波装置の
小型化に適した実装方法である。
【0007】ところで弾性表面波フィルタは、急峻な周
波数特性を持ち、特に通過帯域近傍での高減衰特性が必
要とされるような場合にふさわしい優れた周波数選択性
をもつデバイスである。しかしながら通過帯域から離れ
た周波数では、弾性表面波素子が搭載されたパッケージ
の浮遊容量、ボンディングワイヤーのインダクタンス、
複数のボンディングワイヤー間の相互誘導等に、周波数
特性は大きく影響を受ける。このため弾性表面波フィル
タ本来の減衰特性が得づらいという欠点があった。
【0008】このため、通過帯域からとおく離れた周波
数帯での減衰特性が要求される場合には、弾性表面波装
置内、弾性表面波装置内に別の共振系をつくり、この共
振系によるトラップを、通過帯域から離れた周波数帯に
合わせこむという技法も用いられる。このような構成に
より、例えば携帯電話用途の場合、送信帯域あるいは受
信帯域から離れた局部発振機の周波数やイメージ帯域で
の減衰特性を向上させることができる。
【0009】これらの帯域は通常、通過帯域から数百M
Hzは離れた周波数帯域である。このときトラップを形
成するために専ら用いられてきたのは、ボンディングワ
イヤーのインダクタンスと、ひきまわし電極パターンの
インダクタンス、またはパッケージ内の浮遊容量とひき
まわし部の浮遊容量である。
【0010】前述のように弾性表面波装置の小型化を進
めるためには、フリップチップ実装を採用することが好
ましい。ところがこの場合ボンディングワイヤーが用い
られない。したがって、従来のようにボンディングワイ
ヤーのインダクタンスを利用して別の共振系を形成する
ことは非常に困難となってしまう。これは弾性表面波素
子と外囲器とを接続するバンプの大きさが約数十μm程
度であり、ボンディングワイヤーに比べインダクタンス
が極めて小さくなることによる。フリップチップ実装を
採用した場合、ボンディングワイヤー間の相互誘導はな
くなるので、広帯域での特性は、特に3GHz以上の高
周波数域では改善することができる。ところが、通過帯
域から数百MHz程度はなれた周波数帯にトラップのよ
うな減衰域を設けることは非常に困難となる。このため
携帯電話、PHSを初めとする各種移動体通信システム
に対応できなくなるという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を解決するためになされたものである。すなわち本
発明は、小型化と、帯域外特性の向上とを図ることがで
きる弾性表面波素子を提供することを目的とする。
【0012】また本発明は、弾性表面波素子をフリップ
チップ実装した場合でも、小型化と、帯域外特性向上を
両立することができる弾性表面波装置提供することを目
的とする。特に、通過帯域から数百MHzはなれた周波
数帯域においても高い減衰特性を有する弾性表面波フィ
ルタを提供することを目的とする。
【0013】また本発明は、高い自由度で付加容量を調
節することができる弾性表面波素子を提供することを目
的とする。
【0014】さらに本発明は、フリップチップ実装に適
したバンプ形成部の強度が大きく、接続信頼性の高い構
造を有する弾性表面波素子を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明では以下のような構成を採用してい
る。
【0016】本発明の弾性表面波素子は、圧電性基板
と、前記圧電性基板上に配設された入力IDTと出力I
DTを有する少なくとも1つの2ポート弾性表面波共振
子フィルタとを具備し、前記入力IDTまたは前記出力
側IDTを構成する櫛歯型電極のうち接地側の少なくと
も1つは、前記入力IDTの入力側および前記出力ID
Tの出力側の双方との間に容量を有するよう配設された
ことを特徴とする。また圧電性基板上に少なくとも1つ
の2ポート弾性表面波共振子フィルタを有し、前記2ポ
ート弾性表面波フィルタの櫛型電極の少なくとも1つの
接地電位側電極は、2ポート弾性表面波共振子の入出力
の双方とも電気的容量を介して結合し、他方の接地電位
は入出力で逆側の信号電極部との間に電気的容量を有す
るようにしてもよい。また2ポート弾性表面波フィルタ
としては少なくとも3つ以上の櫛型電極を有する縦モー
ド結合の弾性表面波共振子フィルタを用いるようにして
もよい。
【0017】すなわち本発明の弾性表面波素子では、弾
性表面波共振子フィルタを構成するIDT(各IDTは
対向噛み合わせ配置された1対の櫛歯型電極からなる)
の、少なくとも1つの接地側の櫛歯型電極が、入力ID
Tのhot側櫛歯型電極(これと接続した導体パターン
を含む)および出力IDTのhot側櫛歯型電極(これ
と接続した導体パターンを含む)の双方との間に容量を
形成するように配設されている。
【0018】このような構成を採用することにより、フ
ィルタの通過周波数帯域から離れた帯域にトラップを有
するような共振系を付加することができるようになる。
したがって例えば弾性表面波素子を外囲器にフリップチ
ップ接続して実装する場合でも、帯域外特性を向上する
とともに、通信システムに応じたチューニングを行うこ
とができる。
【0019】前記入力IDTまたは前記出力側IDTを
構成する櫛歯型電極のうち接地側の少なくとも1つの櫛
歯型電極と、前記入力IDTの入力側および前記出力I
DTの出力側の双方との間の電気容量は以下のような手
法により付加することができる。例えば導体線路の配設
パターンにより付加するようにしてもよい。また櫛歯型
の容量電極により付加するようにしてもよい。さらに圧
電性基板上で複数の導体層を誘電体層を介して積層する
ことにより付加するようにしてもよい。
【0020】すなわち、前記2ポート弾性表面波共振子
フィルタは縦モード結合の弾性表面波共振子フィルタで
あり、前記入力IDTまたは前記出力側IDTを構成す
る櫛歯型電極のうち接地側の少なくとも1つと、前記入
力IDTの入力側および前記出力IDTの出力側の双方
との間に形成される容量の少なくとも一部は、前記接地
側の少なくとも1つの櫛歯型電極と接続した第1の導体
線路と、前記第1の線路と近接配置され前記入力IDT
と接続した第2の導体線路とにより、または、前記第1
の導体線路と、前記第1の線路と近接配置され前記出力
IDTと接続した第3の導体線路とにより、形成するよ
うにしてもよい。この弾性表面波素子では、その少なく
とも1つの接地電位側電極からは圧電性基板上に導電性
パターンが接続され、前記導電性パターンは前記2ポー
ト弾性表面波共振子フィルタの入出力への電極部への接
続パターン部と近接することによりその間に電気的容量
を形成している。
【0021】また、前記2ポート弾性表面波共振子フィ
ルタの前記入力IDTまたは前記出力側IDTを構成す
る櫛歯型電極のうち接地側の少なくとも1つと、前記入
力IDTの入力側および前記出力IDTの出力側の双方
との間に形成される容量の少なくとも一部は、櫛歯型の
容量電極によって形成するようにしてもよい。この構成
では、櫛型の容量電極により前記2ポート弾性表面波共
振子フィルタの接地電位側から前記2ポート弾性表面波
共振子フィルタの入出力間との電気的容量を形成してい
る。この手法では、導体パターンの位置により容量を形
成する場合にくらべ、より小さな領域で容量を形成する
ことができ、かつ付加する容量の大きさの調節が容易に
なる。
【0022】また前記2ポート弾性表面波共振子フィル
タの前記入力IDTまたは前記出力側IDTを構成する
櫛歯型電極のうち接地側の少なくとも1つと、前記入力
IDTの入力側および前記出力IDTの出力側の双方と
の間に形成される容量の少なくとも一部は、前記接地側
の少なくとも1つの櫛歯型電極と接続した第1の導体線
路と、前記第1の導体線路の少なくとも一部に形成され
た誘電体膜と、前記誘電体膜を介して前記第1の導体線
路と対向するともに前記入力IDTと接続した第2の導
体線路とにより、または、前記第1の導体線路と、前記
誘電体膜と、前記誘電体膜を介して前記第1の導体線路
と対向するともに前記出力IDTと接続した第3の導体
線路とにより、形成するようにしてもよい。この構成で
は、複数の導体層の間に絶縁層性を挟んで圧電性基板上
に容量素子を形成することにより前記2ポート弾性表面
波共振子フィルタの接地電位側から前記2ポート弾性表
面波共振子フィルタの入出力間との電気的容量を形成し
ている。
【0023】弾性表面波素子は小型化の要求が大きいた
め、設計の自由度の向上は大きな課題であるが、このよ
うな構成によれば、形成する容量の大きさを調節する自
由度が大きくなり、トラップの位置等の調節を容易に行
うことができる。
【0024】これ以外にも例えば弾性表面波素子をフェ
ースダウン型に実装する外囲器に導体層を配設し、この
導体層との間に容量を形成するようにしてもよい。
【0025】本発明の弾性表面波装置は、上述した本発
明の弾性表面波素子を外囲器と呼ばれるパッケージにフ
リップチップ実装(フェースダウンボンディング)した
ものである。本発明の弾性表面波装置は、圧電性基板上
に配設された入力IDTと出力IDTを有する少なくと
も1つの2ポート弾性表面波共振子フィルタとを有し、
前記入力IDTまたは前記出力側IDTを構成する櫛歯
型電極のうち接地側の少なくとも1つが、前記入力ID
Tの入力側および前記出力IDTの出力側の双方との間
に容量を有するように配設された弾性表面波素子と、前
記弾性表面波素子を搭載する領域を有し、前記弾性表面
波素子の入力電極、出力電極、接地電極と対応した端子
を有する基板と、前記弾性表面波素子の前記入力電極、
前記出力電極、前記接地電極と、前記基板の前記端子と
を接続する導電性バンプと、を具備したことを特徴とす
る。 そして、前記基板には、前記弾性表面波素子の前
記2ポート弾性表面波共振子フィルタの前記接地側の少
なくとも1つの櫛歯型電極と接続した第1の導体線路と
の間に容量を形成する導体パターンが配設するようにし
てもよい。基板としては例えばセラミック基板などの配
線基板を用いるようにしてもよい。 このような構成を
採用することにより、本発明の弾性表面波装置は、フリ
ップチップ実装によりパッケージの小型化を実現するこ
とができると同時に、ボンディングワイヤを用いること
なく、フィルタの通過帯域外特性を向上することができ
る。また通過帯域より数百MHz離れた周波数帯域にト
ラップを有するような共振系を付加することができる。
したがって特に移動体通信機器に適した小型で良好な周
波数特性を有する弾性表面波装置を実現することができ
る。
【0026】本発明の弾性表面波装置は、圧電性基板
と、前記圧電性基板上に配設された第1の導体層と、前
記第1の導体層の少なくとも一部領域と誘電体層を介し
て積層された第2の導体層と、を具備したことを特徴と
する。すなわち本発明の弾性表面波素子は、圧電性基板
上に配設された第1の導体層上に誘電体層を介して第2
の導体層を配設することにより容量素子を形成したもの
である。第1の導体層、第2の導体層は、例えば弾性表
面波フィルタ、弾性表面波共振子、弾性表面波共振子フ
ィルタおよび引き回し電極等のパターンに形成される。
これにより素子内に形成されるフィルタの通過帯域とは
異なった帯域にトラップを有するような共振系を付加す
ることができるようになる。とくに弾性表面波素子の小
型化のために弾性表面波素子をフリップチップ実装する
場合には、ボンディングワイヤによりこのような共振系
を付加することができないが、本発明の弾性表面波素子
によれば、小型化と、通過帯域より数百MHz離れた周
波数帯域へのトラップ形成とを同時に実現することがで
きる。
【0027】前記誘電体層は、単層構造だけでなく、第
1の誘電率を有する第1の誘電体と第2の誘電率を有す
る第2の誘電体との混合層にしてもよいし、積層構造に
してもよい。これにより付加する容量の大きさの調整が
さらに容易になる。誘電体としたは例えばシリコン酸化
膜(SiOx )、シリコン窒化膜(SiNx )、シリコ
ン酸窒化膜(SiON)をはじめとして各種の誘電体材
料を用いることができる。
【0028】さてフリップチップ実装の場合、圧電性基
板上に配設された接続のためパッド上に金バンプなどの
導電性バンプを配設し、基板の対応するパッドとの間
に、加熱、加圧、超音波の印加などにより固相拡散層を
形成することで接続を行う。このため、パッドには接続
時に大きな応力が印加されることになる。したがって、
パッド部は導体を厚くするなど、強度の向上を図ること
が好ましい。
【0029】本発明の弾性表面波素子では、上述のよう
に圧電性基板上に容量素子を形成するために複数の導体
層を誘電体層を介して積層する場合がある。したがって
誘電体を貫通して第1の導体層と第2の導体層とを層間
接続すれば、導電性バンプによる外部との接続の信頼性
をより向上することができる。
【0030】すなわち本発明の弾性表面波素子は、圧電
性基板と、前記圧電性基板上に配設された第1の導体層
と、前記第1の導体層の少なくとも一部領域と誘電体層
を介して積層された第2の導体層と、前記誘電体層を貫
通して前記第1の導体層と前記第2の導体層とを接続す
る層間接続手段と、を具備したことを特徴とする。前記
第2の導体層上には導電性バンプを配設するようにして
もよい。もちろんこの弾性表面波素子をボンディング実
装することも可能であり、その場合でも接続信頼性を向
上することができる。
【0031】このように本発明の弾性表面波素子、およ
び弾性表面波装置では、弾性表面波素子内、または弾性
表面波素子と外囲器との間に容量を形成することができ
る。この容量によりフィルタ本来の特性とは別の共振系
を付加することができるようになる。
【0032】とくに、フリップチップ実装によりボンデ
ィングワイヤーによるインダクタンス付加が困難な場合
でも、通過帯域から数百MHz離れた周波数帯域でのト
ラップの位置を調整することができる。したがって、減
衰特性に優れ、かつ小型な弾性表面波素子、弾性表面波
装置を提供することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に本発明についてさらに詳細
に説明する。
【0034】(実施形態1)図1は本発明の弾性表面波
素子の構成を概略的に示す図である。
【0035】この弾性表面波素子は、圧電性基板上に、
5対の櫛型電極からなる5つのIDT101、102、
103、104、105を有する2ポート弾性表面波共
振子フィルタ100と、これと直列腕に接続された1ポ
ート弾性表面波共振子200とが配設され、全体として
弾性表面波フィルタを構成している。106、107は
反射器である。
【0036】ここで2ポート弾性表面波共振子フィルタ
の2つのIDT102、104は、IDTを構成する一
方の櫛歯型電極が入力電極301と接続され、他方の櫛
歯型電極は接地電極306、307と接続されている。
残りの3つのIDT101、103、105は、一方の
櫛歯型電極が接地電極303、304、305とそれぞ
れ接続され、他方の櫛歯型電極は2ポート弾性表面波共
振子フィルタとしての出力側電極として、これは直列腕
に接続された1ポート弾性表面波共振子200に接続さ
れている。これら入力電極301、出力電極302、接
地電極303、304、305、306、307は、例
えば導電性バンプにより外囲器の対応する端子と接続す
るようにしてもよい。
【0037】そして本発明の弾性表面波素子では、入力
IDT102、104または出力側IDT101、10
3、105を構成する櫛歯型電極のうち接地側の少なく
とも1つが、入力IDTの入力側および出力IDTの出
力側の双方との間に容量を有するように配設されてい
る。
【0038】すなわち本発明の弾性表面波素子では、弾
性表面波共振子フィルタを構成するIDT(各IDTは
対向噛み合わせ配置された1対の櫛歯型電極からなる)
の、少なくとも1つの接地側の櫛歯型電極が、入力ID
Tのhot側櫛歯型電極(これと接続した導体パターン
を含む)および出力IDTのhot側櫛歯型電極(これ
と接続した導体パターンを含む)の双方との間に容量を
有している。これらの容量を用いた共振系により弾性表
面波素子の通過帯域から離れた帯域にトラップをつくる
ことができ、通信システムのシステム要求などに対応し
てフレキシブルに周波数特性を調節することができる。
【0039】2ポート弾性表面波共振子フィルタ100
の出力側に接続された3つのIDT101、103、1
05は、そのうち両端の接地電極303、305からA
lパターン401、402、403、404が、入力
側、及び出力側に引き伸ばされている。そしてこれらは
それぞれ入力側IDT102、104への引きまわしの
線路501、502、出力側櫛型電極への引きまわし線
路中の601、603と圧電性基板上でわずかに離間し
て近接するように配設しているので、その間に電気的容
量を形成している。
【0040】また出力側IDT103の接地側と接続さ
れた接地電極304はまわりに入力の引き回し線路50
1、502を有しており、したがってそれらの間に電気
容量を有している。
【0041】さらに入力側のIDT102、103の接
地側と接続された接地電極306、307のまわりに
も、出力側IDTからの引きまわしの線路601、60
2、603を有しているので、これらの間にも電気容量
を有している。
【0042】図2は図1に例示した本発明の弾性表面波
素子の等価回路を概略的に示す図である。2ポート弾性
表面波共振子フィルタ100、1ポート弾性表面波共振
子200、それに容量を加えて記載している。入出力接
地電位へ接続される電極はたかだか0.1〜0.2nH
程度の小さいインダクタンスしか有しない。また入出力
バンプ間は負の相互インダクタンスで結合した形とな
り、707で示した。2ポート弾性表面波共振子フィル
タ100の接地電位側と入出力信号側との間に形成され
る容量は、容量708、709、710として示してい
る。ここで容量708は、接地電極306、307と線
路601、602、603との間に形成される容量に対
応している。また容量709は、線路401と501と
の間、線路402と線路502との間、また接地電極3
04と線路501、502との間に形成される容量に対
応している。さらに容量710は、線路403と線路6
01との間、線路404と線路603との間に形成され
る容量に対応している。図1に例示した弾性表面波素子
をフリップチップ実装する場合、入力電極301、出力
電極302、接地電極303、304、305、30
6、307は、金などの導電性バンプにより外囲器の対
応する端子と接続される。これら7つのバンプによるイ
ンダクタンスは約0.2nH以下程度と小さなものであ
る。このためバンプのインダクタンスと、接地電極の浮
遊容量による並列LC共振系でのトラップを帯域外減衰
に利用することは難しい。
【0043】しかしながら本発明の弾性表面波素子で
は、容量708、709、710の存在により、帯域外
にトラップを設けることができる。
【0044】図3は容量708、709、710を付加
した場合の周波数特性をシミュレーションした結果を示
す図である。また図4、図5は、図1に例示した弾性表
面波素子を実際に作成し、その周波数特性を測定した結
果を示す図である。
【0045】ここで比較のため本発明によらない場合、
すなわち2ポート弾性表面波共振子フィルタの出力側櫛
型電極の接地電側が2ポート弾性表面波共振子フィルタ
の入出力側の両方との間に電気容量を実質的に有してい
ない場合のシミュレーション結果および実測例を図3中
にあわせて示し、周波数特性の実測結果を図6、図7に
示した。
【0046】これらの図から本発明の弾性表面波フィル
タにおいては、通過帯域から数百MHz高域側での減衰
量が大きく向上していることがわかる。ここでの実験、
測定では、本発明の弾性表面波素子および比較例の弾性
表面波素子ともにフリップチップ実装を採用している。
【0047】すなわち、圧電性基板上に弾性表面波フィ
ルタのパターンが形成されたチップは、その支持基板と
電気的導通が必要な箇所、およびチップの固定として必
要な箇所にAuバンプを形成したのち、支持基板と対向
させて加温、加圧のもと超音波引加し接続している。
【0048】このようにしてチップを支持基板上につけ
た後、蓋を支持基板上にのせ封止したものである。
【0049】このように本発明では従来のボンディング
ワイヤーのインダクタンスとボンディングパッドやパタ
ーンの浮遊容量を用いた共振系をつくれないフリップチ
ップ実装時においても高い減衰量をもつ周波数帯を通過
帯域より数100MHz離れたあたりに設定できるの
で、Local周波数帯域やイメージ周波数帯域の減衰
量の優れた弾性表面波装置を得ることができる。
【0050】(実施形態2)図8は本発明の弾性表面波
素子の構成の別の例を概略的に示す図である。この例で
は、2ポート弾性表面波共振子フィルタを構成するID
Tの、少なくとも1つの接地側の櫛歯型電極と、入力I
DTのhot側櫛歯型電極(これと接続した導体パター
ンを含む)および出力IDTのhot側櫛歯型電極(こ
れと接続した導体パターンを含む)との間の容量を、櫛
型の容量電極801、802、803、804により形
成している。
【0051】このような構成によれば、比較的小さな領
域内に電気容量を形成することができる。したがって設
計の自由度を向上することができる。またシステム要求
などに対応してより適切なトラップを形成することがで
きる。
【0052】(実施形態3)図9は本発明の弾性表面波
素子の構成の別の例を概略的に示す図である。ここでは
弾性表面波素子の一部を拡大して示した。この弾性表面
波素子は、圧電性基板10上に配設された第1の導体層
21と、第2の導体層22との間に誘電体層23が挟持
された部分を有している。第1の導体層21および第2
の導体層22はそれぞれ、IDT、反射器、入出力端
子、接地端子、これらの間を接続する線路などにパター
ニングされている。このような構成を採用することによ
り、弾性表面波素子内に容量素子を形成することができ
る。したがって、この容量素子により共振系を付加する
ことで、圧電性基板上に形成するフィルタ等の周波数特
性を調節することができる。
【0053】図10、図11、図12は本発明の弾性表
面波素子の構成の例を概略的に示す図である。ここでは
2ポート弾性表面波共振子フィルタの出力側櫛型電極の
うち2つの接地電位から2ポート弾性表面波共振子フィ
ルタの入力及び出力信号引きまわしとの間の電気容量
を、図9に例示したように、第1の導体層21と第2の
導体層22との間に誘電体層23を挟むことにより形成
している。
【0054】まず図11に示すように圧電性基板上に最
下層となる第1の導体層21を成膜、パターニングした
後、誘電体層23を着膜、CDE(ケミカルドライエッ
チング)により2ポート弾性表面波共振子フィルタ部の
櫛型電極の接地電極部に図12の斜線部にしめす領域を
窓あけした後、図10の斜線部で示すように第2の導体
層22を着膜、パターニングし、入出力引きまわし部上
を被うように形成した。これにより該接地側電極と入出
力部はそれぞれ電気的容量を介して接続される(図9参
照)。
【0055】(実施形態4)図13は本発明の弾性表面
波装置の構成の例を概略的に示す図である。この弾性表
面波装置は、IDT等の電極パターン24を有する弾性
表面波素子11を、セラミックのパッケージ30にフェ
ースダウン型に搭載し、メタルキャップ34にて封止し
たものである。電極パターン24は、上述した実施形態
に例示したように、弾性表面波共振子フィルタを構成す
るIDTの、少なくとも1つの接地側の櫛歯型電極が、
入力IDTのhot側および出力IDTのhot側の双
方との間に容量を有するように構成されている。
【0056】弾性表面波素子11の接続電極25とパッ
ケージ30に配設された接続電極31とは金などの導電
性バンプにより接続されている。接続電極はパッケージ
30の外側に配設された外部接続電極32と接続されて
おり、この外部接続電極を通じて弾性表面波素子との電
気的接続が行われる。
【0057】図14は本発明の弾性表面波素子の構成の
別の例を概略的に示す図である。この図では、弾性表面
波装置11とパッケージ30との接続部を拡大して示し
ている。この弾性表面波素子11の接続電極25は、第
1の導体層21と、この第1の導体層上に配設された誘
電体層23と、誘電体層23上に配設された第2の導体
層22とから構成されている。第2の導体層22は、誘
電体層23に配設された開口部を通じて、第1の導体層
21と電気的に接続している。この例では第1の導体層
21と第2の導体層22との層間接続を、第2の導体層
22により行っているが、他の手法により層間接続を形
成するようにしてもよい。
【0058】導電性バンプ33は第2の導体層22上に
配設され、この導電性バンプを通じてパッケージ30上
に配設された配線パターンの一部である接続電極31と
の電気的、機械的接続がおこなわれている。
【0059】本発明では接続電極25部の強度を大きく
することができ、弾性表面波素子11とパッケージ30
との接続信頼性を向上することができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明の弾性表面波
素子では、弾性表面波共振子フィルタを構成するIDT
の、少なくとも1つの接地側の櫛歯型電極が、入力ID
Tのhot側および出力IDTのhot側の双方との間
に容量を有するように配設されている。このような構成
を採用することにより、本発明ではフィルタの通過周波
数帯域から離れた帯域にトラップを有するような共振系
を付加することができるようになる。したがって例えば
弾性表面波素子を外囲器にフリップチップ接続して実装
する場合でも、帯域外特性を向上するとともに、通信シ
ステムに応じたチューニングを行うことができる。
【0061】また本発明の弾性表面波素子および弾性表
面波装置では、弾性表面波素子内、または弾性表面波素
子と外囲器との間に容量を形成することができ、この容
量によりフィルタ本来の特性とは別の共振系を付加する
ことができるようになる。特に、フリップチップ実装に
よりボンディングワイヤーによるインダクタンス付加が
困難な場合でも、通過帯域から数百MHz離れた周波数
帯域でのトフップの位置を調整することができる。した
がって、減衰特性に優れ、かつ小型な弾性表面波素子、
弾性表面波装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性表面波素子の構成の例を概略的に
示す図。
【図2】本発明の弾性表面波素子の等価回路を示す図。
【図3】本発明の弾性表面波素子の周波数特性のシミュ
レーション結果を示す図。
【図4】本発明の弾性表面波素子の周波数特性の測定結
果を示す図。
【図5】本発明の弾性表面波素子の周波数特性の測定結
果を示す図。
【図6】比較例の弾性表面波素子の周波数特性の測定結
果を示す図。
【図7】比較例の弾性表面波素子の周波数特性の測定結
果を示す図。
【図8】本発明の弾性表面波素子の構成の例を概略的に
示す図。
【図9】本発明の弾性表面波素子の構成の例を概略的に
示す図。
【図10】本発明の弾性表面波素子の製造方法の例を説
明するための図。
【図11】本発明の弾性表面波素子の製造方法の例を説
明するための図。
【図12】本発明の弾性表面波素子の製造方法の例を説
明するための図。
【図13】本発明の弾性表面波装置の構成の例を概略的
に示す図。
【図14】本発明の弾性表面波装置の構成の例を概略的
に示す図。
【符号の説明】
10…………圧電性基板 11…………弾性表面波素子 21…………第1の導体層 22…………第2の導体層 23…………誘電体層 24…………電極パターン 25…………接続電極 30…………パッケージ 31…………接続電極 32…………外部接続電極 33…………導電性バンプ 34…………メタルキャップ 100………2ポート弾性表面波共振子フィルタ 101、103、105………出力IDT 102、104………入力IDT 106、107………反射器 200………1ポート弾性表面波共振子 301………入力電極 302………出力電極 303、304、305、306、307………接地電
極 401、402、403、404………導体線路 501、502、601、602、603………導体線
路 708、709、710………容量 801、802、803、804………櫛歯型容量電極

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性基板と、前記圧電性基板上に配設
    された入力IDTと出力IDTを有する少なくとも1つ
    の2ポート弾性表面波共振子フィルタとを具備し、 前記入力IDTまたは前記出力IDTを構成する櫛歯型
    電極のうち接地側の少なくとも1つは、前記入力IDT
    の入力側および前記出力IDTの出力側の双方との間に
    容量を形成するように配設されたことを特徴とする弾性
    表面波素子。
  2. 【請求項2】 前記2ポート弾性表面波共振子フィルタ
    は縦モード結合の弾性表面波共振子フィルタであり、前
    記入力IDTまたは前記出力側IDTを構成する櫛歯型
    電極のうち接地側の少なくとも1つと、前記入力IDT
    の入力側および前記出力IDTの出力側の双方との間に
    形成される前記容量の少なくとも一部は、前記接地側の
    少なくとも1つの櫛歯型電極と接続した第1の導体線路
    と、前記第1の導体線路と近接配置され前記入力IDT
    と接続した第2の導体線路とにより、または、前記第1
    の導体線路と、前記第1の導体線路と近接配置され前記
    出力IDTと接続した第3の導体線路とにより、形成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波
    素子。
  3. 【請求項3】 前記2ポート弾性表面波共振子フィルタ
    の前記入力IDTまたは前記出力側IDTを構成する櫛
    歯型電極のうち接地側の少なくとも1つと、前記入力I
    DTの入力側および前記出力IDTの出力側の双方との
    間に形成される前記容量の少なくとも一部は、櫛歯型の
    容量電極によって形成されていることを特徴とする請求
    項1乃至請求項2のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  4. 【請求項4】 前記2ポート弾性表面波共振子フィルタ
    の前記入力IDTまたは前記出力側IDTを構成する櫛
    歯型電極のうち接地側の少なくとも1つと、前記入力I
    DTの入力側および前記出力IDTの出力側の双方との
    間に形成される前記容量の少なくとも一部は、前記接地
    側の少なくとも1つの櫛歯型電極と接続した第1の導体
    線路と、前記第1の導体線路の少なくとも一部に形成さ
    れた誘電体膜と、前記誘電体膜を介して前記第1の導体
    線路と対向するともに前記入力IDTと接続した第2の
    導体線路とにより、または、前記第1の導体線路と、前
    記誘電体膜と、前記誘電体膜を介して前記第1の導体線
    路と対向するともに前記出力IDTと接続した第3の導
    体線路とにより、形成されていることを特徴とする請求
    項1乃至請求項3のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  5. 【請求項5】 圧電性基板上に配設された入力IDTと
    出力IDTを有する少なくとも1つの2ポート弾性表面
    波共振子フィルタとを有し、前記入力IDTまたは前記
    出力側IDTを構成する櫛歯型電極のうち接地側の少な
    くとも1つが、前記入力IDTの入力側および前記出力
    IDTの出力側の双方との間に容量を形成するように配
    設された弾性表面波素子と、 前記弾性表面波素子を搭載する領域を有し、前記弾性表
    面波素子の入力電極、出力電極、接地電極と対応した端
    子を有する基板と、 前記弾性表面波素子の前記入力電極、前記出力電極、前
    記接地電極と、前記基板の前記端子とを接続する導電性
    バンプと、 を具備したことを特徴とする弾性表面波装置。
  6. 【請求項6】 前記基板には、前記弾性表面波素子の前
    記2ポート弾性表面波共振子フィルタの前記接地側の少
    なくとも1つの櫛歯型電極と接続した第1の導体線路と
    の間に容量を形成する導体パターンが配設されているこ
    とを特徴とする請求項5に記載の弾性表面波装置。
  7. 【請求項7】 圧電性基板と、 前記圧電性基板上に配設された第1の導体層と、 前記第1の導体層の少なくとも一部領域と誘電体層を介
    して積層された第2の導体層と、 を具備したことを特徴とする弾性表面波素子。
  8. 【請求項8】 前記誘電体層は、第1の誘電率を有する
    第1の誘電体と第2の誘電率を有する第2の誘電体との
    混合層または積層であることを特徴とする請求項7に記
    載の弾性表面波素子。
  9. 【請求項9】 圧電性基板と、 前記圧電性基板上に配設された第1の導体層と、 前記第1の導体層の少なくとも一部領域と誘電体層を介
    して積層された第2の導体層と、 前記誘電体層を貫通して前記第1の導体層と前記第2の
    導体層とを接続する層間接続手段と、 を具備したことを特徴とする弾性表面波素子。
  10. 【請求項10】 前記第2の導体層上には導電性バンプ
    が配設されていることを特徴とする請求項9に記載の弾
    性表面波素子。
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