JP2000215440A - 磁気記録媒体及びその製造法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造法

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JP2000215440A
JP2000215440A JP1722999A JP1722999A JP2000215440A JP 2000215440 A JP2000215440 A JP 2000215440A JP 1722999 A JP1722999 A JP 1722999A JP 1722999 A JP1722999 A JP 1722999A JP 2000215440 A JP2000215440 A JP 2000215440A
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Takuya Ikeda
拓也 池田
Shoichi Tsujikura
正一 辻倉
Eiichi Hashimoto
▲えい▼一 橋本
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性層厚みが0.5μm以下の薄層磁気記録
媒体において、さらに詳しくは非磁性層を塗布乾燥後に
磁性層を設けてなる磁気記録媒体に関し、特に非磁性中
間体の表面性と滑り性を改善することによって最終製品
の表面性、走行耐久性、厚み変動を向上せしめた高記録
密度用の磁気記録媒体を提供すること。 【解決手段】 非磁性粉末と潤滑剤を結合剤中に分散さ
せた塗料を塗布、乾燥させた非磁性中間体を形成し、さ
らにその上に強磁性粉末と結合剤を含む磁性塗料を塗布
してなる磁性層の厚みが0.5μm以下の薄層磁性層を
有する磁気記録媒体において、非磁性層の乾燥厚みが
0.5μm〜2.0μmであり、非磁性層中には0.2
μm以上0.4μm以下の粒径のカーボンブラックを非
磁性層の組成に対して2〜5重量部の範囲に含有した磁
気記録媒体とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関
し、特に磁性層厚みが0.5μm以下の薄層磁気記録媒
体に関し、さらに詳しくは非磁性層を塗布乾燥後に磁性
層を設けてなる磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体特にビデオテープや
フロッピーディスクでは、記録密度を高めるため、抗磁
力を上げた粒径の小さい磁性粉末を用いると共に、記録
波長が短くなってきている。長手記録では自己減磁の影
響で短波長側の出力が低下するために、磁性層を薄くす
ることが試みられているが、磁性層を薄くすると非磁性
支持体の表面性の影響が現れやすくなり、電磁変換特性
が悪化する傾向にある。
【0003】かかる技術的課題に対し、磁性層を形成す
る支持体について表面性を向上させる観点から広い検討
が行なわれている。例えば支持体として一般的に用いら
れるポリエステル支持体について中に含まれるフィラー
の粒径や添加量を下げることで支持体の表面粗さをRa
で1nmまで平滑にできるが、支持体の両面を平滑にし
た場合磁性層を形成する工程での滑り性に問題があり実
用に至っていない。そこで支持体と磁性層の間に滑り性
の良好な非磁性の中間層を設けて支持体の表面粗さの影
響を緩和、解消する試みが知られている。たとえば、特
開昭49−75305号公報では非磁性基板と磁性層の
間に高分子非磁性層を形成することで、高密度記録にお
いて支持体の傷や突起の影響を回避することが記載され
ている。ところが、このような試みによっても電磁変換
特性の改良は認められたがさらに磁性層が薄層化するに
従い表面性だけでなく走行耐久性等の要求も厳しくな
り、この方法だけでは充分でなくなった。この対策とし
て特開昭62−154225号公報では0.5μm以下
の磁性層についてそれ以上の厚みで形成する導電性粉末
と潤滑剤を含有した中間層を用いることが記載されてい
る。更に特開昭62−188017号公報では無機粉末
の選定等により中間層の表面粗さとヤング率を規定する
記載がある。しかしながら、このような中間層の塗布、
乾燥、平滑化の工程を磁性層の形成工程と分離する方法
では、表面粗さは改善されたが、磁性層を塗布する工程
において中間層に傷が入り易く、また、厚みの変動率が
高かったり、走行耐久性が充分でないなど実用的でなか
った。そこでこれらの問題を解決する手段として特開昭
63−191315号公報に記載されるように同時重層
塗布方式を用いて下層の非磁性層が湿潤状態にある間に
上層の磁性層を塗布する方式が提案された。しかし、こ
の方式によって生産性は実用的なレベルに達したもの
の、乾燥時の非磁性層と磁性層の界面の乱れを抑制する
ことが困難で、目標厚みに対して50%以上もの厚み変
動を生じた。この問題を解決する手段としては非磁性層
用塗料の粘弾性挙動を磁性塗料に類似させることが提案
されており、例えば、特開平5−73883号公報では
無機質粉末を主体とした非磁性層用塗料により粘弾性を
磁性塗料に類似させることが可能となり、同時塗工にお
いての界面の乱れは改善されるとの記載がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら厚み変動
については未だ充分ではなく、無機質粉末は塗料への分
散が難しくまた磁性層との密着性も充分でないために、
さらに薄層の磁気記録媒体では表面粗さや走行耐久性が
未だ充分ではないのが現状である。
【0005】すなわち本発明の目的は、磁性層厚みが
0.5μm以下の薄層磁気記録媒体において、さらに詳
しくは非磁性層を塗布乾燥後に磁性層を設けてなる磁気
記録媒体に関し、特に非磁性中間体の表面性と滑り性を
改善することによって最終製品の表面性、走行耐久性、
厚み変動を向上せしめた、特に線記録密度で30Kfr
pi以上の高密度記録に好適な高記録密度用の磁気記録
媒体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は非磁性粉末と
潤滑剤を結合剤中に分散させた塗料を塗布、乾燥させた
非磁性中間体を経由して、さらにその上に強磁性粉末と
結合剤を含む磁性塗料を塗布してからなる磁気記録媒体
の開発を進めた結果、非磁性中間体の傷つき性と厚み変
動の改善と最終製品の走行耐久性の向上に関して全く新
しい知見を得、本発明に到達したものである。
【0007】本発明は、上記の目的を達成するために、
以下の構成を必要とする。すなわち、非磁性粉末と潤滑
剤を結合剤中に分散させた塗料を塗布、乾燥させた非磁
性中間体を形成し、さらにその上に強磁性粉末と結合剤
を含む磁性塗料を塗布してなる磁性層の厚みが0.5μ
m以下の薄層磁性層を有する磁気記録媒体において、非
磁性層の乾燥厚みが0.5μm〜2.0μmであり、非
磁性層中には0.2μm以上0.4μm以下の粒径のカ
ーボンブラックを含有させる。即ち本発明において非磁
性中間体の表面粗さは光学的位相差シフト干渉法による
中心線平均粗さRa値で6.0nm以下にあることが好
ましいが、このためにはカーボンブラックの粒径は0.
4μm以下であることが必要であり、さらに、非磁性中
間体の表面性と滑り性を改善する本発明の課題を解決す
るためにはカーボンブラックの粒径は0.2μm以上で
なくてはならない。また本発明の作用を効果的に発現さ
せるためには非磁性層の乾燥厚みは0.5μm〜2.0
μmとし、本発明で特定されたカーボンブラックの含有
量は少なすぎると滑り性や機械的強度が低下し、多すぎ
ると磁性層のコーティング時に溶剤による膨潤により非
磁性中間体表面が粗くなり、磁性層の塗布欠陥や表面粗
さの悪化の原因となるので、非磁性層組成中の含有率で
1wt%〜10wt%、特には2〜5wt%の範囲とす
ることが好ましい。この用途に好適なカーボンブラック
は特にサーマルブラックが好ましく、例としてはコロン
ビアンカーボン社のSevacarbMT−CI、東海
カーボンのサーマックスシリーズなどがある。本発明に
おける特定のカーボンブラックを含有した非磁性中間体
は含有させたカーボンブラックが滑剤として機能し、適
度なスリップ性を有することから磁性塗料を塗布する際
の非磁性中間体の走行安定性を向上させ、接触するコー
ターロールによる塗工面の傷つきを防止することができ
る。また、コーターロールの発熱変形を抑制しロールコ
ーター特有のロール周期の厚み斑を大幅に改善すること
ができる。さらに本発明の好ましい作用としてはカーボ
ンブラックの補強作用により非磁性層の塗膜強度が向上
し最終製品の走行耐久性を改善することが挙げられる。
【0008】すなわち従来の技術では非磁性中間体の滑
り性を改善するのには高級脂肪酸や高級脂肪酸アミドが
用いられているが、この方法では磁性層の塗布時の塗工
面の傷つきの防止には効果があるものの、非磁性層表面
の滑剤濃度が高くなり塗布欠陥を生じたり、磁性層の密
着性が悪くなるなどの弊害があり、本発明の優れた効果
を発現させることはできない。
【0009】以下に本発明において用いられる好ましい
態様について詳細に説明する。まず、非磁性粉末として
は非磁性であれば無機質粉末や有機質粉末を所望により
少なくとも1種以上を単独或いは併用して用いることが
できる。例えば無機質粉末としては、金属、金属酸化
物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化
物、金属硫化物等の非磁性無機質粉末が適用される。具
体的にはTiO2、TiOx、酸化セリウム、酸化ス
ズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、α
酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカ
ーバイド、窒化硼素、酸化銅、炭酸マグネシウム、炭酸
バリウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭化珪素、
炭化チタン、αアルミナ、βアルミナ、γアルミナなど
が使用できる。有機質粉末の例としてはベンゾグアナミ
ン樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、メラミン系
樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系
樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉
末、ポリフッ化エチレン樹脂粉末を用いることができ
る。これらの粒子サイズは球状粒子の場合、平均粒子径
で0.01〜0.7μmであり、針状粒子の場合は長軸
長0.05〜1.0μmで針状比2〜20のものが用い
られる。含有量は非磁性層組成の70wt%以下が好ま
しく、作用としては非磁性中間体の塗膜の強化や、熱収
縮率の調整、磁気ヘッドとの接触時の衝撃吸収の調整に
用いられる。このために好適な物性値としてモース硬度
が3以上の粒子を含有させることが好ましく、これらの
処方により非磁性層の好ましい物性としてヤング率を1
0〜500kg/mm2、非磁性中間体の70℃、48時
間保存後の熱収縮率を0.3%以下にすることが好まし
い。
【0010】本発明において非磁性中間体は潤滑剤を含
有させる。潤滑剤としては高級脂肪酸、脂肪酸エステ
ル、脂肪酸アミド、シリコーンオイル、変成シリコーン
オイル、パラフィン、金属石けん、ワックス等、固体や
液体を問わずに添加できる。潤滑剤の添加量は非磁性層
の全重量に対して4〜10%の範囲が好ましい。この配
合量が4%以下であると潤滑剤として走行耐久性を維持
する効果に乏しく、また10%以上だと非磁性中間体表
面に潤滑剤がブリードアウトし、磁性塗料を塗布する工
程でピンホールやはじきなどの塗工欠陥の原因となった
り、うまく塗工できたとしても磁性層との密着性が悪化
し磁性層が剥離しやすくなるなどの弊害が生じるように
なる。
【0011】本発明では下層非磁性層に帯電防止剤を含
有させ製品の表面電気抵抗値を下げる公知技術を用いる
ことができ、例えば本発明のカーボンブラックとは別に
導電性のカーボンブラックを用いることができる。例と
しては、アセチレンブラック、カラー用カーボンブラッ
ク、ファーネスブラック、ケッチェンブラックなど任意
のものを用いることができる。好ましくは一次粒子の平
均粒子径は5〜80nm、比表面積はBET法で200
〜1500m2/g、DBP吸油量が20〜500ml
/100g、pHは2〜10のものを用いる。非磁性層
に用いられるカーボンブラックのいくつかを例示する
と、キャボット社製のBLACKPEARLS200
0、1000、900、800、VULCANXC−7
2、コロンビアンカーボン社製のRAVEN8800、
8000、7000、三菱化学社製の#3750B、#
3750、#3250B、#3250、#950、#8
50B、#650B、#45、#40、#5、MA−7
7、MA−7、ライオンアクゾ社製のケッチェンブラッ
クEC、ケッチェンブラックEC600JD等などがあ
げられる。これらのカーボンブラックは、単独で、ある
いは複数組み合わせて用いることができる。また、カー
ボンブラックの表面を分散剤等で処理したり、一部をグ
ラファイト化して用いてもよい。いずれにしても帯電防
止剤の含有量は製品規格に適合するように適宜調整する
ことができる。
【0012】本発明において下層非磁性層に用いられる
結合剤としては、通常塗布型磁気記録媒体の磁性層に使
用されるものを適用でき、下記のような樹脂を用いるこ
とができる。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、硝酸セ
ルロース系ポリマー、ポリブチラール樹脂、NBRなど
ゴム系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニリデン共重合体、ポリアミド樹脂などである。以上の
樹脂は単独又は組み合わせで使用することができる。ま
たより優れた分散性と耐久性を得るために−COOM、
−SO3M、−OSO3M、−P=O(OM1)(O
2)、−OP=O(OM1)(OM2)、−NR4X、O
H、NR2、N+3、エポキシ基、SH、CN(ここで
M,M1、MはH、Li、Na、K、−NR、−N
HR3を示し、Rはアルキル基もしくはH、Xはハロゲ
ン原子を示す。)などから選ばれる少なくとも一つ以上
の極性基を共重合または付加反応で導入したものを用い
ることが好ましい。
【0013】これらの樹脂には、ポリイソシアナート系
架橋剤を組合わせて使用して適度な塗膜物性に調整する
ことができる。用いることのできるポリイソシアナート
系架橋剤としては、次の化合物を挙げることができる。
例えば、トリレンジイソシアナート、キシリレンジイソ
シアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、4,4
´−ジフェニルメタンジイソシアナートなどのジイソシ
アナートと、あるいはトリメチロールプロパンとトリレ
ンジイソシアナート3モルの付加化合物(日本ポリウレ
タン社製、コロネートLなど)などである。これらのポ
リイソシアナート系架橋剤の含有量は、非磁性層全重量
の、10.0wt%以下であることが好ましく、特には
7.0wt%以下が好ましい。
【0014】本発明における非磁性層にはその他の添加
剤として分散剤等の添加剤を必要に応じて組み合わせて
使用することができる。分散剤としては界面活性剤を用
いることができレシチン、高分子分散剤、シランカップ
リング剤、チタンカップリング剤、りん酸エステルなど
を添加することができる。
【0015】本発明において使用される可とう性支持体
としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステル類、ポリプロピレンなどのポリオレフィン
類、セルロースジアセテート、セルローストリアセテー
トなどのセルロース誘導体、ポリカーボネート、ポリ塩
化ビニル、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホンなどからなるフィルム、シートを挙
げることができる。
【0016】本発明における非磁性中間体は上記可とう
性支持体に、非磁性粉末と結合剤等の前記非磁性層の構
成物を、適当な溶剤、例えば公知のメチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、トルエン、シクロヘキサ
ノン、テトラヒドロフラン等の単独液もしくは混合液中
に分散した塗料の塗布により得ることができる。
【0017】非磁性層用塗料の分散には各種の分散機が
使用できる。例えば二本ロ−ルミル、三本ロールミル、
ボールミル、ペブルミル、サンドグラインダー、アトラ
イタ−、高速インペラー分散機、高速度衝撃ミル、ニー
ダー、加圧式ニ−ダー、プラネタリーミキサー、ホモジ
ナイザー、超音波分散機等を単独または併用して用いる
ことができる。塗液の調合では本発明に用いる原料を2
つ以上の工程で分割してもかまわない。例えば結合剤を
混練工程、分散工程で分割投入したり、架橋剤、例えば
ポリイソシアナートは塗布直前に添加することができ
る。
【0018】非磁性塗料を可とう性支持体上に塗布する
ための塗布方法としては、従来公知の、例えばエアドク
ターコート、ブレードコート、エアナイフコート、スク
イズコート、含浸コート、ダイコート、グラビアコー
ト、リバースロールコート等により片面または両面に形
成することができる。非磁性層の厚みは乾燥厚みで0.
5〜2.0μm、好ましくは0.7〜1.2μmとなる
ように塗布される。0.5μm以下では表面粗さRaを
6nm以下に制御することが難しく、さらに記録媒体自
身の耐久性、信頼性が不足し、2.0μm以上では製造
コストが高くなるばかりでなく、塗工面の欠陥、例えば
塗布斑や異物の噛み込み傷を見つけにくくなる等の問題
がある。
【0019】本発明において可とう性支持体に非磁性層
が塗布された非磁性中間体はさらに磁性層を設ける必要
があるが、磁性層の塗布前に所望により表面平滑化処理
や熱キュア処理、裁断処理を行うことができる。
【0020】本発明における磁性層中に用いられる強磁
性粉末としては、特に塗布型磁気記録媒体に使用される
ものであれば何ら限定されるものではないが、本発明に
おける高密度磁気記録媒体に適用できる代表的な例は六
方晶系フェライト、FeまたはNiまたはCoを主成分
とする強磁性合金粉末である。特に高密度磁気記録の理
論からは、粒子サイズが小さく抗磁力やσsの高い強磁
性合金粉末が好ましく、そのためにBET法による比表
面積で30〜80m2/g、抗磁力は1500〜3000
Oeの範囲にある強磁性微粉末を選ぶと良い。このような
強磁性微粉末の例としては長軸長が0.05〜0.20
μm、結晶子サイズが250Å以下、Feに対するCo
元素の含有率が10〜30%、微量元素としてAL、Y
をそれぞれ0〜10%の範囲で含む強磁性Fe合金粉末
を挙げることができる。またこれら磁性粉の形状は、針
状、粒状、米粒状、板状などの各種形態をとり得、また
所望により各種磁性粉末を単独及び又は併用して用いる
ことができる。
【0021】本発明において磁性層に用いられる結合剤
としては、通常塗布型磁気記録媒体に使用されるもので
あれば何ら限定されるものでなく、前記非磁性層用の結
合剤の説明で例示した樹脂を用いることができる。特に
非磁性層と磁性層との密着性の向上や、滑剤の磁性層表
面への移行性を考慮して結合剤組成を調整すると良い。
【0022】本発明において磁性層用の結合剤として、
非磁性層と同様にポリイソシアナート系架橋剤を用いる
ことができる。磁性層中のポリイソシアネートの含有量
は磁性層中、2.0〜10.0重量%であることが好ま
しく、3.0〜7.0重量%が特に好ましい。
【0023】本発明における磁性層には塗布型磁気記録
媒体で一般に用いられている研磨剤を使用することが望
ましい。特に研磨材としてα−アルミナ、酸化クロム、
酸化チタン、Si−C等が使用される。これらの研磨剤
はモース硬度が5以上であり平均粒子径が0.05〜1
μmの大きさのものが効果的で、好ましくは0.1〜
0.6μmである。これらの研磨剤は磁性粉100重量
部に対して5〜20重量部の範囲で添加される。この量
が5重量部より少ないと十分な耐久性が得られず、また
20重量部より多すぎると磁性粉密度が減少し十分な電
磁変換特性が得られない。
【0024】本発明における磁性層には非磁性層同様に
カーボンブラックを含有させることができる。磁性層に
は帯電防止用途のカーボンブラックの他に平均粒径が7
0〜400nmで比表面積がBET法で5〜25m2
g、DBP吸油量が50ml/100g以下のストラク
チャーを有さないカーボンブラックが好ましく用いられ
る。このような大粒径のカーボンブラックは固体潤滑剤
として機能し、磁気記録媒体の摩擦係数が著しく低下
し、耐久性、走行性が改善される。この用途に好適なカ
ーボンブラックは特にサーマルブラックが好ましく、例
としては旭カーボン社の旭サーマル、コロンビアンカー
ボン社のSevacarbMT−CIなどがある。
【0025】また、本発明における磁性層には非磁性層
に用いることができるその他の添加剤を同様に用いるこ
とができ、例えば帯電防止剤、潤滑剤、分散剤等を必要
に応じて組み合わせて使用することが望ましい。
【0026】本発明の磁気記録媒体は、磁性粉末と結合
剤等の磁性層の構成物と、適当な溶剤、例えば公知のメ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエ
ン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等の単独液
もしくは混合液中に分散させた塗料を非磁性中間体に塗
布することで得ることができる。
【0027】塗料の分散には非磁性層用塗料の分散で使
用できるものならば何ら限定されることなく使用でき
る。また、塗液の調合についても非磁性層用塗料の調合
と同様の手法を用いることができる。
【0028】本発明において磁性塗料を非磁性中間体上
に塗布するための塗布方法としては、グラビアコート、
リバースロールコート等の非磁性中間体の走行速度に対
しコーターロールが相対速度を有し、非磁性中間体との
ニップより塗布する方式が用いられる。すなわち、平均
粒子径が0.2μm以上0.4μm以下のカーボンブラ
ックを含む非磁性粉末を結合剤に分散させた非磁性塗料
を塗布して、乾燥して非磁性中間体を作製し、次いで非
磁性中間体を支持して所定速度で走行させる搬送ロール
と該走行速度に対し相対速度を有する供給ロールとで非
磁性中間体をニップして、供給ロールから該ニップ部に
おいて非磁性中間体へ磁性塗料を塗布する方式を用い
る。
【0029】一般に磁性塗料は塗液のせん断履歴によっ
て粘弾性が異なり、特に磁気エネルギーが大きく微粒な
磁性粉を用いた高密度磁気記録媒体用の磁性塗料ではそ
の傾向が強いことから、厚み変動が少ない安定した塗布
を行うには塗料物性に影響を受け難い塗工方式であるロ
ールコート方式が適している。しかし、従来の技術では
ロールコート方式で0.5μm以下の薄層塗工を行うと
厚み変動が大きく実用的でなかった。かかる課題に対し
て本発明は非磁性中間体の滑り性の改善により、0.5
μm以下の薄層塗工におけるこの厚み変動を実用レベル
まで低減させることができることを見出したものであ
る。すなわち本発明で用いられるコート法では非磁性中
間体にコーターロールが接触しながら回転するが、この
運動によって摩擦熱が生じ、ロールが熱膨張により変形
するために、特に0.5μm以下の薄層塗工ではロール
周期の厚み変動が大きくなってしまう。本発明では非磁
性層に含んだ有機質粒子の作用により磁性層との密着性
や塗工性を損なわずに非磁性中間体のロールとの動摩擦
係数を低減し、ロールの熱膨張を抑制することにより従
来では考えられない単層薄層塗工を実現できる。
【0030】本発明では磁性層の厚みは乾燥厚みで0.
5μm以下で非磁性中間体上に塗布することが必要であ
るが、これは長手記録では0.5μm以上の厚みでは自
己減磁作用により高密度記録ができないためであり、磁
性層の厚みは磁気記録媒体の用途、形状、規格等から決
められるのでそれにより決めれば良く、言うまでもなく
磁性層は順時片面または両面に形成することができる。
【0031】かかる方法により塗布された磁性層は必要
により配向化または無配向化処理を施した後に必要によ
り表面平滑化処理を施し所望の形状に切断して製品を得
る。
【0032】本発明の磁気記録媒体は塗布欠陥が少なく
厚み変動も少ない上に優れた走行耐久性を有することか
ら、高い信頼性を要求される例えば高記録密度の磁気テ
ープ、フロッピーディスクとして有用である。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。なお、例中の「部」は重量部を示す。また、
磁気記録媒体の特性は、次の方法で測定した。
【0034】1)塗布欠陥 磁性層を塗布、乾燥後に50倍の倍率で光学顕微鏡の微
分干渉法により塗工時の傷の有無を観察した。判定は欠
陥がない場合を○、軽微な欠陥がある場合を△、重大な
欠陥がある場合を×とした。
【0035】2)厚み変動 磁性層を塗布乾燥後にコーターロール1周分の塗工長の
サンプルを8等分し10mmφのサンプルを作成、VS
Mにより飽和磁化を測定した。予め厚みが既知のサンプ
ルから作成した検量線から厚みを換算し、8点の測定値
の最大と最小の差Rにより厚み変動を表した。
【0036】3)表面粗さ 表面粗さは非磁性塗料が塗布された非磁性中間体とさら
にその上に磁性塗料を塗布して形成した磁性層について
それぞれカレンダーによる平滑化処理後にWYKO社製
のTOPOシステムを用い光学的位相差シフト干渉法に
よる中心線平均粗さRaを測定した。
【0037】4)加速耐久性 高速回転(1500rpm)、高荷重(80g重)状態
でドライブを室温環境下(温度20〜25℃、湿度50
〜65%RH)で駆動し、2時間駆動後のメディア表面の
(摺動跡、剥離)を目視により観察し、5点満点でラン
ク付けした。判定は、メディアに変化がない場合を5点
とし、以下弱い摺動跡のみが観察される場合を4点、強
い摺動跡も観察される場合を3点、弱い剥離も観察され
る場合、強い剥離も観察される場合をそれぞれ2点と1
点とした採点により行った。
【0038】5)サイクル耐久性 下記の4ケースの温湿度条件を下記の順序で6時間毎に
切り替えて、1日1サイクルで運転する恒温槽にフロッ
ピーディスクドライブを設置して、連続回転試験を行っ
た。 [25℃、50%RH]→[52℃、80%RH]→
[25℃、20%RH]→[5℃、湿度はフリー]
【0039】連続回転試験は、フロッピーディスクドラ
イブに日本電気製の3.5インチFDD FD1337
Cを用い、通常の回転数(360rpm)及び通常のテ
ンションにて、サンプル磁気ディスクの外周(トラック
00)にヘッドロードし、同一トラックで連続回転走行
させて、行った。
【0040】評価は、12時間毎に塗膜面を目視観察
し、塗膜のいずれか一方の面に剥離が発生するまでの総
回転数(パス回数)をもって、耐久性の評価とした。な
お、チェック等の時間を差し引き、1日=50万パスと
して換算した。結果はn=3枚のパス回数(万パス)の
平均で表わした。
【0041】[実施例1]下記組成の混合物を湿式分散
機で混練して非磁性塗料および磁性塗料を作成した。 (非磁性塗料成分と組成) 非磁性α酸化鉄 100部 (比表面積51m2/g、長軸長0.15μm、軸比6.5) カーボンブラック1 4部 (東海カーボン サーマックスN990 平均粒子径0.27μm) カーボンブラック2(ケッチェンEC) 13部 アルミナ(平均粒子径0.3μm) 10部 分散剤(レシチン) 2部 スルホン酸基含有塩ビ樹脂(日本ゼオン社製MR−110) 15部 ポリウレタン(協和発酵社製エステン5701F) 10部 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 10部 潤滑剤(2−ヘキシルデシルパルミテート) 13部 溶剤(トルエンとシクロヘキサノンの混合溶剤) 300部 (磁性塗料成分と組成) 強磁性金属合金粉末(比表面積50m2/g、Hc1600Oe) 100部 カーボンブラック(サーマルブラック) 3部 研磨材(平均粒子径0.3μm) 12部 分散剤(レシチン) 2部 スルホン酸基含有塩ビ樹脂(日本ゼオン社製MR−110) 13部 ポリウレタン(協和発酵社製エステン5701F) 8部 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 5部 潤滑剤1(2−ヘキシルデシルパルミテート) 12部 潤滑剤2(ラウリン酸) 1部 溶剤(トルエンとシクロヘキサノンの混合溶剤) 300部
【0042】得られた非滋性塗料を75μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルムに乾燥・カレンダー後の塗
布厚みが1.0μmになるように両面に塗布した。次い
で乾燥を行ない、カレンダー処理により非磁性層表面を
平滑化し、加熱キュアを行った後に、同一のプロセスで
磁性塗料をカレンダー後の塗布厚みが0.4μmになる
ようにロールコーターで両面塗布、乾燥、カレンダー処
理、加熱キュアにより磁気記録媒体を作成した。
【0043】得られた磁気記録媒体から直径90mmの
ディスクを打ち抜き研磨処理を行なった後、公知の方法
によりフロッピーディスクのサンプルを作成した。
【0044】[実施例2]実施例1において磁性塗料中
の強磁性合金粉末(比表面積50m2/g、Hc160
0Oe)の代わりに比表面積50m2/g、Hc2300O
eの強磁性合金粉末を用いた以外は、実施例1と同じ構
成のフロッピーディスクのサンプルを実施例1と同様に
して作成した。
【0045】[実施例3]実施例1において磁性塗料中
の研磨材(平均粒子径0.3μm)12部を6部に減
じ、さらに6方晶バリウムフェライト粉末(比表面積
33m2/g、Hc2200Oe)6部を使用して塗料を
調合する以外は、実施例1と同じ構成のフロッピーディ
スクのサンプルを実施例1と同様にして作成した。
【0046】[実施例4]実施例2において磁性塗料を
カレンダー後の塗布厚みが0.2μmになるようにロー
ルコーターで両面塗布する以外は、実施例2と同じ構成
のフロッピーディスクのサンプルを実施例2と同様にし
て作成した。
【0047】[実施例5]実施例4において非磁性塗料
中の非磁性α酸化鉄100部を70部に減量し、さらに
有機質粉末(メラミン・ホルムアルデヒド縮合物 平均
粒子径 0.3μm)を30部を追加して非磁性塗料を
調合した以外は実施例4と同じ構成のフロッピーディス
クのサンプルを実施例4と同様にして作成した。
【0048】[実施例6]実施例3において磁性塗料を
カレンダー後の塗布厚みが0.2μmになるようにロー
ルコーターで両面塗布する以外は、実施例3と同じ構成
のフロッピーディスクのサンプルを実施例3と同様にし
て作成した。
【0049】[実施例7]実施例1において非磁性塗料
中のカーボンブラック1をサーマックスN990(粒径
0.27μm)からSevacarbMT-CI(粒径
350nm)に変更する以外は、実施例1と同じ構成の
フロッピーディスクのサンプルを実施例1と同様にして
作成した。
【0050】[実施例8]実施例1において非磁性塗料
中のカーボンブラック1の使用量を4部から8部に増量
した以外は、実施例1と同じ構成のフロッピーディスク
のサンプルを実施例1と同様にして作成した。
【0051】[比較例1]実施例1において非磁性塗料
中でカーボンブラック1を用いない以外は、実施例1と
同じ構成のフロッピーディスクのサンプルを実施例1と
同様にして作成した。このサンプルは非磁性中間体の機
械的強度、滑り性が悪く、磁性塗料の塗布時の摩擦の影
響で塗布欠陥を生じ、厚み変動も大きかった。
【0052】[比較例2]実施例1において非磁性塗料
中のカーボンブラック1の代わりに潤滑剤(2−ヘキシ
ルデシルパルミテート)を実施例1の13部から16部
に増量した以外は、実施例1と同じ構成のフロッピーデ
ィスクのサンプルを実施例1と同様にして作成した。こ
のサンプルでは液状の潤滑剤の使用により、磁性塗料塗
布時に生じる摩擦については比較例1より緩和される
が、充分ではない。また過剰な潤滑剤の添加による可塑
化により、加速耐久性が劣化した。
【0053】[比較例3]実施例1において非磁性塗料
を塗布して形成する非磁性層の乾燥厚み1.0μmから
0.4μmに変更する以外は、実施例1と同じ構成のフ
ロッピーディスクのサンプルを実施例1と同様にして作
成した。このサンプルでは耐久性の維持に必要な潤滑剤
の絶対量が、非磁性層を薄くしたために不足し、サイク
ル耐久性が劣化している。
【0054】[比較例4]実施例1において非磁性塗料
中のカーボンブラック1の使用量を4部から12部に増
量した以外は、実施例1と同じ構成のフロッピーディス
クのサンプルを実施例1と同様にして作成した。このサ
ンプルでは添加したカーボンブラックが多すぎるため
に、磁性塗料塗布時の溶剤との接触により、非磁性中間
体が膨潤、表面性が悪化し、その結果磁性層の塗布欠陥
を生じ、高密度記録媒体に必要な表面性を得ることが出
来なかった。
【0055】[比較例5]実施例6において非磁性塗料
中でカーボンブラック1を用いない以外は、実施例6と
同じ構成のフロッピーディスクのサンプルを実施例4と
同様にして作成した。このサンプルでは比較例1と同様
に塗布欠陥を生じ、厚み変動も大きかった。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【発明の効果】本発明に基づいた特定のカーボンブラッ
クを含んだ非磁性中間体は充分な機械的強度があり、さ
らに適度な滑り性と良好な表面性を有しており、この非
磁性中間体に0.5μm以下の薄層の磁性層を塗布する
ことで塗布欠陥と厚み変動が改善され、さらに最終製品
の走行耐久性の向上した高記録密度用磁気記録媒体を実
現することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 ▲えい▼一 広島県三原市円一町一丁目1番1号 帝人 株式会社三原事業所内 Fターム(参考) 5D006 BA19 CA02 CA05 FA02 FA05 5D112 AA03 AA05 BD08 CC03 KK05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体と非磁性層と磁性層からな
    り磁性層の厚みが0.5μm以下である磁気記録媒体に
    おいて、前記非磁性層に平均粒子径が0.2μm以上
    0.4μm以下のカーボンブラックを含有することを特
    徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記非磁性層の乾燥厚みが0.5μm〜
    2.0μmであり、かつ前記カーボンブラックの含有量
    が非磁性層の組成に対して2〜5重量部の範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の磁気記録媒体の製造法に
    おいて、可とう性支持体上に平均粒子径が0.2μm以
    上0.4μm以下のカーボンブラックを含む非磁性粉末
    を結合剤に分散させた非磁性塗料を塗布し、乾燥して非
    磁性中間体を作製し、次いで非磁性中間体を支持して所
    定速度で走行させる搬送ロールと該走行速度に対し相対
    速度を有する供給ロールとで非磁性中間体をニップし
    て、供給ロールから該ニップ部において非磁性中間体へ
    磁性塗料を塗布することを特徴とする磁気記録媒体の製
    造法。
  4. 【請求項4】 非磁性層の乾燥厚みが0.5μm〜2.
    0μm、であり、かつ前記カーボンブラックの含有量が
    非磁性層の組成に対して2〜5重量部の範囲にあること
    特徴とする請求項1または3記載の磁気記録媒体の製造
    方法。
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