JP2000217384A - 位置センサレスモ―タの制御装置 - Google Patents

位置センサレスモ―タの制御装置

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JP2000217384A
JP2000217384A JP11010140A JP1014099A JP2000217384A JP 2000217384 A JP2000217384 A JP 2000217384A JP 11010140 A JP11010140 A JP 11010140A JP 1014099 A JP1014099 A JP 1014099A JP 2000217384 A JP2000217384 A JP 2000217384A
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友邦 飯島
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徹 田澤
Yukinori Maruyama
幸紀 丸山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位置センサを用いず電流センサから検出され
た電流と印加された電圧を用いてロータ位置をモータの
モデル式から推定する方式において常に高効率とする事
を目的とする。 【解決手段】 電圧印加手段4により印加された電圧値
と電流値出力手段5から出力された電流値を推定位置出
力手段9に入力してモータのモデル式から位置を演算推
定する。ここで、推定位置出力手段9はモデル式で用い
るモータ定数を動作条件に応じて変化させる。即ち、電
流指令値あるいは電流値が増加するとモータのモデル式
のインダクタンスを減少させる構成とする。この事でイ
ンダクタンスの電流量による変化を補償できる事となり
位置推定精度が良く常に高効率な位置センサレスモータ
の制御装置を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は位置センサを用いず
にモータモデル式と電流値、電圧値などを用いて演算出
力したロータの位置(回転角度)を用いてモータを制御
する事が可能な位置センサレスモータの制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】位置センサを用いず電流センサから検出
された電流と印加された電圧を用いてロータ位置θをモ
ータのモデル式から推定する方式がある。そして位置θ
を用い180度の通電指令波形を作成し、180度(サ
イン波)通電駆動を行う。この技術に関しては電気学会
論文集D、115、p420(平7年4月)や電気学会
論文集D、110、p1193(平2年11月)に記載
されたものが良く知られている。
【0003】前者の内容の推定式について簡単に説明す
る。
【0004】モータの回転子磁極上に定義されたd軸と
q軸電圧方程式は次式で表される。
【0005】
【数1】
【0006】上式においてid、iqは電流のd軸、q軸
成分、Ld、Lqはインダクタンスのd軸、q軸成分、V
d*、Vq*は電圧のd軸、q軸成分、Rは相巻線抵抗値、
Eは速度起電力、ωは回転角速度である。また、φを
d、q軸上の電機子鎖交磁束とするとE=ω・φとな
る。
【0007】(数1)のモータのモデル式から導かれた
以下の推定式に従い推定回転角度θc(n)と推定回転角速
度ω(n)を演算出力する。
【0008】
【数2】
【0009】上式において、TはPWM周期、Kemは誘
起電圧定数、Ke、Kθ、Kは制御ゲインである。さら
に添え字(n)は今回の値、(n-1)は前回の値を示すため、
Δθc(n-1)は前回計算したPWM毎の回転角速度を示
す。
【0010】以上のように、ロータの位置(回転角度)
を知るためのエンコーダなどの位置センサを用いること
なく、モータのモデル式を用いて演算する事によってロ
ータの角度と角速度を出力することが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来方式では、モータのモデル式の抵抗Rやインダクタン
スLや誘起電圧定数Kemを一定値で与えている。しかし
実際のモータではインダクタンスLは印加電流値によっ
て変化する。また実際に計算で用いる電圧値がデッドタ
イム(上下スイッチング素子の同時導通を避けるための
上下両方のスイッチングがオフする期間)などの影響が
あるため推定する角度が動作条件によって進んだり、遅
れたりするため推定角度が実際の値からずれ、効率が低
下したり希望通りのトルクが出力されないという問題点
がある。
【0012】本発明は上記問題点に鑑み、モータモデル
式の定数を電流値や回転数などの動作条件によって可変
にする推定位置出力手段を設けることによって、動作状
態に関わらずロータの実際の位置に精度良く推定する事
で高効率な位置センサレスモータの制御装置を提供する
事を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために、本発明の位置センサレスモータの制御装置は、
ロータと、複数相のコイルが巻かれたステータと、コイ
ルに電圧を印加する電圧印加手段と、電圧印加手段によ
りコイルに電圧を与え、コイルに流れる電流値を検出し
出力する電流値出力手段と、モータ定数を含むモータの
モデル式と電流値出力手段から出力された電流値と電圧
印加手段により印加された電圧値とに基づき推定位置を
演算出力する推定位置出力手段と、電流指令値を出力す
る電流指令値出力手段と、ロータの前記推定位置を用い
てコイルに流す電流を電流指令値に制御する電流制御手
段とを具備する位置センサレスモータの制御装置におい
て、推定位置出力手段がモータの動作条件に応じて前記
モデル式で用いるモータ定数を変化させるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図1から図12を用いて説明する。
【0015】(実施の形態1)図1は第1の実施の形態
における位置センサレスモータの制御装置のブロック図
である。
【0016】図1において、1はモータ、2はロータ、
3はステータのコイル、4は電圧印加手段、5は電流値
出力手段、6は電流センサ、7はADコンバータ、8は
3相2相変換部、9は推定位置出力手段、10はADコ
ンバータ、11は速度制御部、12は電流指令値出力手
段、13は電流値制御手段、14は電圧指令作成部、1
5は2相3相変換部、16はPWM制御器である。
【0017】以下、その動作について詳細に説明する。
【0018】モータ1は表面に永久磁石が配置されたロ
ータ2とステータ(図示せず)に巻かれたコイル3(u
相コイル3u、v相コイル3v、w相コイル3w)から
構成される。
【0019】電圧印加手段4は図2に示す様に直流電源
20とトランジスタなどのスイッチング素子(Q1〜Q
6)とスイッチング素子と逆並列に接続されたダイオー
ド(D1〜D6)、ベースドライブ回路21から構成さ
れる。スイッチング素子(Q1〜Q6)をオン、オフし
て直流電源から電圧を与え各相のコイル3u、3v、3
wに電流を流す。ここで、オン信号に応じてスイッチン
グ素子を導通するためのベースドライブ回路21が設け
られている。
【0020】次に、電流値出力手段5は電流センサ6、
ADコンバータ7と3相2相変換部8から構成される。
まず、コイル3に流れる電流はその内の2つの相の電流
値が電流センサ6によって検出され電圧出力される。そ
して電圧はマイコンに内蔵されているADコンバータ7
によってマイコン内に取り込まれる。そして3相2相変
換部8は次式の演算を行い3相交流量(iu、iv)から2
相直流量(Id、Iq)への変換し出力する。
【0021】
【数3】
【0022】上式で用いるロータの角度θcは後述する
推定位置出力手段9から出力される推定角度θcを用い
る。
【0023】次に電流指令値(id*、iq*)を作成する
手段について述べる。まず、速度指令値ω*に対応する
電圧がADコンバータ10を通してマイコン内に取る込
まれる。また、推定位置出力手段9から出力される角速
度の推定値ωも速度制御部11に入力される。そして速
度指令値ω*と推定角速度ωの差を比例・積分(PI)制御
を行いトルク指令Tを出力する。次に電流指令値出力手
段12はトルク指令Tを直流量の電流指令値(id*、i
q*)に変換して出力する。ここで、トルクと電流との間
には次式が成立する。
【0024】
【数4】
【0025】ここで、id、iqはそれぞれ電流値出力手
段5から出力される電流値のd軸成分、q軸成分であ
る。また、φaは永久磁石の誘起電圧定数から求められ
る値、Pはロータの極対数である。
【0026】ここで、一般の表面磁石形モータ(SP
M)ではLq=Ldであるため、トルク指令値Tから電流
指令値に次のように変換される。
【0027】
【数5】
【0028】即ち、上式に応じて電流指令値出力手段1
2から電流指令値が出力される。
【0029】次に、電流値制御手段13について説明す
る。電流値制御手段13は電圧指令作成部14、2相3
相変換部15、PWM制御器16から構成される。まず
電圧指令作成部14は電流指令値出力手段12と電流値
出力手段5から出力される直流量(id*、iq*)と(i
d、iq)の各々の誤差を次式のPI動作に従って電圧指
令値(Vd*、Vq*)に変換し出力する。
【0030】
【数6】
【0031】ここで、KP、KIはそれぞれ比例ゲイン、
積分ゲインである。そして、2相3相変換部15は2相
直流電圧量(Vd*、Vq*)から3相交流量(Vu*、Vv*、
Vw*)への変換を次式に従って行い出力する。
【0032】
【数7】
【0033】上式で用いるロータの角度θcは同様に後
述する推定位置出力手段9から出力される推定角度θc
を用いる。
【0034】次にPWM制御器16について図2と図3
を用いて説明する。
【0035】電圧印加手段4はスイッチング素子(Q1
〜Q6)の損失を低減するためオンまたはオフの動作を
行う。この手法はモータのスイッチング素子の制御では
よく知られたPWM制御というものでありこれについて
説明する。
【0036】まず、三角波発生回路22は図3に示す三
角波を発生させる。そして図3に示す電圧(例えばVu
*)を三角波と比較し電圧が三角波より大きい場合にス
イッチング素子Q1を導通し、電圧が三角波より小さい
場合にスイッチング素子Q4を導通する(実際には後述
するようにスイッチング素子Q1とQ4の同時導通を避
けるためスイッチング素子Q1とQ4が両方OFFであ
るデッドタイム期間が存在する)。即ち、PWM期間
(三角波の1周期)にオンまたはオフの指令が与えら
れ、オン期間の長さによって各相に印加される電圧が制
御される。PWMの1周期は300μsec〜50μsec程
度の値が採用されている。
【0037】次に、推定位置出力手段9について説明す
る。推定位置出力手段9は、以下のモータの理論式から
導かれたモデル式を用い最終的に回転角度θcと回転角
速度ω(n)を演算出力する。
【0038】まず、モータ定数の一つの変数であるd軸
インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqを以下の式
を用いて求める。
【0039】
【数8】
【0040】上式においてはLd#max、Lq#maxは印加電
流が小さくステータが飽和していない場合のd軸、q軸
のインダクタンスの最大値である。また、Ld#min、Lq
#minをインダクタンスの最小値、Ld#nom、Ld#nomを演
算のための切片、Kd、Kqは比例定数とする。
【0041】図4に電流iとインダクタンスLの関係を
示す。ここでLdの変化はid、Lqの変化はiqの変化に
各々対応している。図4に示すようにモータインダクタ
ンスは電流が増加するとステータの磁気飽和によって実
線のようにインダクタンスが減少する。そこで演算で用
いるインダクタンスLd、Lqを(数8)に従い点線の様
に補正して与える。
【0042】次に、上式で求めたLd、Lqを用いて、中
間変数Δiγ(n)とΔiδ(n)を以下の式から求める。
【0043】
【数9】
【0044】電圧のd軸成分Vd*、q軸成分Vq*は電圧
指令作成部14から出力される電圧指令値を用いる。ま
た、TはPWM周期、Eは(数10)で求められた回転
数に比例する誘起電圧、Rは相巻線抵抗値[Ω]を代入す
る。さらに添え字(n)は今回の値、(n-1)は前回の値を示
すため、Δθ(n-1)は前回計算したPWM毎の移動量を
示す。
【0045】次に(数9)で求めたΔiγ(n)とΔiδ
(n)を次式に代入し誘起電圧E(n)とPWM毎の移動量Δ
θ(n)の演算を行う。
【0046】
【数10】
【0047】ここで、Kemはモータの回転数あたりの誘
起電圧定数、Kθ、Keは制御ゲインを表す。
【0048】そして、次式に示すように前回角度に今回
の移動量を加算して回転角度θcと移動量Δθをフィル
タ処理して回転角速度ω(n)を演算出力する。
【0049】
【数11】
【0050】以上のように、ロータ2の位置(角度)を
知るためのエンコーダなどの位置センサを用いることな
くモータのモデル式を用いて演算する事によってロータ
2の角度と角速度を出力することが可能となる。また、
インダクタンスの電流量による変化を考慮しているため
位置推定精度が良く常に高効率が実現される。例えば、
モータの種類や電流量にもよるが実際のLに対して演算
で用いるLの値が30%程度大きくなると推定角度は2
0度程度遅れる場合がある。この場合出力されるトルク
は6%程度少なくなり効率の低下が起こる事となる。
【0051】本実施の形態において図1に示すように電
流センサ6を除く電流値出力手段5からPWM制御器1
6まではアナログ/デジタル変換や演算処理でありマイ
コン内で実現される。
【0052】尚、本実施の形態では電流値出力手段5か
ら出力される検出電流値を用いてインダクタンスLd、
Lqの変更を行っている。ここで、実際に印加される電
流は電流制御手段13によって電流指令値に従うように
制御されているため、電流指令値出力手段12から出力
される電流指令値(id*、iq*)を用いて(数8)のイ
ンダクタンスの補正を行っても同様の効果を得ることは
言うまでもない。
【0053】また、本方式は磁石の付いたモータのみな
らず、磁石がなく鉄のみで構成されるシンクロナスリラ
クタンスモータ(SynRM)に対しても有効なことは
言うまでもない。ここで、SynRMのモータ式に関す
る展開は本特許の主要とする所でないため省略する。詳
細は電気学会半導体電力変換研究会資料、98年、No.
31を参照。前記文献でもインダクタンスを用いて位置
を推定している。
【0054】(実施の形態2)図5は第2の実施の形態
における位置センサレスモータの制御装置のブロック図
である。
【0055】図5において、1はモータ、2はロータ、
3はステータのコイル、4は電圧印加手段、5は電流値
出力手段、6は電流センサ、7はADコンバータ、8は
3相2相変換部、10はADコンバータ、11は速度制
御部、12は電流指令値出力手段、13は電流値制御手
段、14は電圧指令作成部、15は2相3相変換部、1
6はPWM制御器、19は推定位置出力手段である。
【0056】ここで、既に述べた実施の形態1と同一の
動作をする1から8、および10から16については同
様の番号を付け説明を省略する。即ち、実施の形態1に
対し実施の形態2では推定位置出力手段が変更されてい
る。
【0057】以下、その動作について説明する。
【0058】実施の形態1と同様にロータの角度θcは
後述する推定位置出力手段19から出力される推定角度
θcを用い、3相2相変換部8は(数3)と全く同じ演
算を行い3相交流量(iu、iv)から2相直流量(Id、I
q)への変換し出力する。
【0059】さらに、実施の形態1と同様にロータの角
度θcは後述する推定位置出力手段19から出力される
推定角度θcを用い、2相3相変換部15は2相直流電
圧量(Vd*、Vq*)から3相交流量(Vu*、Vv*、Vw*)へ
の変換を(数3)と全く同じに行い出力する。
【0060】次に、推定位置出力手段19は、同様にモ
ータのモデル式から導かれた式を用い最終的に回転角度
θcと回転角速度ω(n)を演算出力する。同様に演算過程
において中間変数Δiγ(n)とΔiδ(n)を(数9)から
求め、(数10)により誘起電圧E(n)とPWM毎の移
動量Δθ(n)の演算を実施する。さらに(数11)を用
いて前回角度に今回の移動量を加算して回転角度θcと
移動量をフィルタ処理して回転角速度ω(n)を演算出力
する。
【0061】ここで(数9)で用いるVd*(n-1)、Vq*
(n-1)に対して実際に印加される電圧について考える。
【0062】まず、電圧を印加するための図2に示す電
圧印加手段4の1相分のスイッチング素子Q1とQ4の
動作について説明する。スイッチング素子Q1とスイッ
チング素子Q4は同時導通によるスイッチング素子の破
壊をさけるための同時遮断期間(デッドタイム)が設け
られる。図6(a)、図6(b)はu相のスイッチング
素子Q1とスイッチング素子Q4の導通、遮断のタイミ
ングを示す。各々H(ハイ)の時が導通(オン)を示
し、L(ロウ)の時が遮断(オフ)を示す。ここで、図
3(a)、(b)において、スイッチング素子Q1とス
イッチング素子Q4がともに遮断である期間A1、A2が
存在する。この同時遮断期間をデッドタイムと言う。デ
ッドタイムは図2のベースドライブ回路21に含まれる
マイコンからの信号を伝達するフォトカプラ(図示せ
ず)、スイッチング素子を駆動する回路(図示せず)、
スイッチング素子の立ち上がり、立ち下がりなどの時間
差を吸収し同時導通を避けるため数μ秒程度設けられて
いる。
【0063】以上のデッドタイムのため、指令電圧値の
絶対値に対して実際に印加される電圧値の絶対値は小さ
くなる。ここで、モータ1に印加される電圧は回転数が
大きいほど誘起電圧が大きくため大きくなる。デッドタ
イムによる電圧の低下分が一定であると仮定すると、電
圧が大きくなるほどデッドタイムの影響は小さくなる。
【0064】デッドタイムの影響で電圧が印加されない
と電流が小さくなり(数9)の第4項、第5項が小さく
なるためΔIγは負となり(数10)のE(n)が大きく
なる。E(n)が大きくなると(数10)の第2式からΔ
θ(n)は大きくなり推定値が進み位相が進む事となる。
位相が進むと(数12)の位相βがβ=0からずれる事
になりトルクが減少する。
【0065】
【数12】
【0066】ここで、iはid、iqのベクトル和で得ら
れる電流値、βは電流位相である。
【0067】以上により(数10)のKem一定の場合の
回転数とトルクの特性図を図7に示す。図7に示すよう
にモータから計算されたあるKem1を与えると図7の点
線のように低速度域で電流位相が進みすぎるためトルク
が低下している。そこで、Kem1よりも大きいKem2を与
えると(数10)の第2式で演算されるように低速度域
でΔθが小さくなり位相進みが改善され図7の実線のよ
うな速度−トルク特性が得られる。しかし、低速度域か
ら高速度域までKem2一定で演算すると、デッドタイム
の影響の小さくなる高速度域に行くと位相が逆に遅れす
ぎてトルクが低下する事になる。
【0068】そこで、図8に回転数ωと与える誘起電圧
定数Kemとの関係を示す。図8に示すように低速度域で
Kem2を用い、高速度域でKem1を用い、その間の回転数
でKemを次式に従って変化させる。
【0069】
【数13】
【0070】上式においてはωは推定位置出力手段19
において前回演算された回転角速度ω(n-1)を用いる。
ωL、ωHは図7に示すKemの変化する回転数、Kem3は
図7に示すKemの切片の値、Kem2をKemの最大値、Ke
m1をKemの最小値とする。
【0071】以上のようにKemを与える事により、全て
の回転数でトルクが最大となり効率も良くなる。
【0072】以上のように、ロータ2の位置(角度)を
知るためのエンコーダなどの位置センサを用いることな
くモータのモデル式を用いて演算する事によってロータ
2の角度と角速度を出力することが可能となる。また、
回転数によるデッドタイムの影響を考慮しているため位
置推定精度が良く常に高効率が実現される。
【0073】尚、既に述べた様にデッドタイムの影響は
電圧が小さい場合に大きいため、電圧指令作成部14か
ら出力される電圧が小さい場合にはKemを大きくして、
大きい場合には小さくする事によって同様の効果が得ら
れる事は言うまでもない。
【0074】また電流量が大きいとスイッチング素子の
電圧の立ち下がりが早く、電流量が小さいとスイッチン
グ素子の電圧の立ち下がりが遅いため、デッドタイムの
影響度合いが異なる。そこで、電流量に応じてKemを変
化させても同様の効果が得られる。さらに、回転数、電
圧、電流量を全て考慮してKemを変化させる事でより効
果が増す事は言うまでもない。
【0075】ここで、デッドタイムの影響を一定として
補償するデッドタイム補償と言われる方式がある。しか
し上述したようにデッドタイムの影響は電流量などによ
って変化するためなかなか完全に補償する事は難しく位
相の変化は発生する。そこでKemを変化させる事で位相
を調整できることとなり同様の効果を得る。
【0076】ここで、直接(数9)のVd*、Vq*をデッ
ドタイムの影響を考慮して変化させても同様の効果を得
ることは言うまでもない。
【0077】また、(数9)で用いられるコイルの抵抗
値Rも起動時は温度が低いため小さく、動作時は温度が
上昇し大きくなる。抵抗値が大きくなると位相が遅れる
事となり最適効率位相とはならない。しかし、温度上昇
は動作状況や使用環境によって異なるため一意に決定す
ることができないが、抵抗変化を動作開始後の時間の関
数で与えるように予め設定する事である程度の補正が可
能となり同様の効果を有する事は言うまでもない。
【0078】尚、本実施例は電流指令値と電流値出力手
段から出力される直流量(id*、iq*)と(id、iq)
の誤差をPI制御によって制御している。しかし従来ア
ナログ系で行っていた3相の電流値制御手段13を構成
しても良い事は言うまでもない(図示せず)。即ち、電
流値出力手段5から交流量(iu、iv)を出力する。そ
して電流値指令手段12から出力される(id*、iq*)
を推定位置出力手段19から出力される推定位置θcを
用いて2相3相変換して交流電流指令値(iu*、iv*)
を出力する。そしてiu*とiu、iv*とivの誤差をPI
制御してVu*、Vv*を求め、Vw*をVw*=−Vu*−Vv*
から求める。これらの値をPWM制御器16に与える構
成でも同様の効果を得る事は言うまでもない。
【0079】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電圧印加
手段4により印加された電圧値と電流値出力手段5から
出力された電流値を推定位置出力手段9に入力してモー
タのモデル式から位置を演算推定する。ここで、推定位
置出力手段9はモデル式で用いるモータ定数を動作条件
に応じて変化させる。即ち、電流指令値あるいは電流値
が増加するとモータのモデル式のインダクタンスを減少
させる。あるいは、誘起電圧定数を回転数が低い時に大
きくし、回転数が大きい時に小さくする推定位置手段を
設ける事により、インダクタンスの電流量による変化や
デッドタイムの影響を補償できる事となり位置推定精度
が良く常に高効率な位置センサレスモータの制御装置を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における位置センサレスモー
タの制御装置のブロック図
【図2】電圧印加手段とPWM制御器の説明図
【図3】電圧指令と三角波とスイッチングの説明図
【図4】第1の実施の形態における電流とインダクタン
スの関係図
【図5】第2の実施の形態における位置センサレスモー
タの制御装置のブロック図
【図6】(a)は第2の実施の形態におけるスイッチン
グ素子Q1の導通・遮断タイミング図 (b)は第2の実施の形態におけるスイッチング素子Q
2の導通・遮断タイミング図
【図7】第2の実施の形態においてKem一定の場合の回
転数とトルクの特性図
【図8】第2の実施の形態における回転数と誘起電圧定
数の関係図
【符号の説明】
1 モータ 2 ロータ 3,3u,3v,3w ステータのコイル 6 電流センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田澤 徹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 丸山 幸紀 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H560 BB04 BB07 BB12 DA14 DC12 EB01 GG04 UA02 XA02 XA03 XA12 XA13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータと、複数相のコイルが巻かれたス
    テータと、前記コイルに電圧を印加する電圧印加手段
    と、前記電圧印加手段により前記コイルに流れる電流値
    を検出し出力する電流値出力手段と、モータ定数を含む
    モータのモデル式と電流値出力手段から出力された前記
    電流値と前記電圧印加手段により印加された電圧値とに
    基づき推定位置を演算出力する推定位置出力手段と、直
    流量で与えられる電流指令値を出力する電流指令値出力
    手段と、前記ロータの前記推定位置を用いて前記コイル
    に流す電流を前記電流指令値に制御する電流制御手段と
    を具備する位置センサレスモータの制御装置において、 前記推定位置出力手段がモータの動作条件に応じて前記
    モデル式で用いる前記モータ定数を変化させる事を特徴
    とする位置センサレスモータの制御装置。
  2. 【請求項2】 推定位置出力手段が電流指令値あるいは
    電流値が増加するとモータのモデル式のインダクタンス
    を減少させる事を特徴とする請求項1に記載の位置セン
    サレスモータの制御装置。
  3. 【請求項3】 推定位置出力手段がモータのモデル式の
    誘起電圧定数を回転数が低い時に大きくし、回転数が大
    きい時に小さくする事を特徴とする請求項1に記載の位
    置センサレスモータの制御装置。
  4. 【請求項4】 推定位置出力手段がモータのモデル式の
    抵抗値を動作開始時には低く、動作開始一定期間後に大
    きくする事を特徴とする請求項1に記載の位置センサレ
    スモータの制御装置。
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