JP2000222945A - 低界面反射導電膜 - Google Patents
低界面反射導電膜Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低界面反射導電膜に関し、優れた干渉反射特
性を有する材料を提供する。 【解決手段】 屈折率nSの基板上に形成された中間膜
と、その上に形成された透明導電膜とからなり、前記透
明導電膜の屈折率n1及び前記中間膜の屈折率n2が、n
S<n2<n1の条件を満たすように形成された低界面反
射導電膜。透明導電膜の屈折率n1及びその膜厚d1(n
m)並びに中間膜の屈折率n2及びその膜厚d2(nm)
は、好ましくは下記の条件を満たすように形成される。 1.95≦n1≦2.2 (n1−0.5)<n2<(n1−0.05) 100≦d1≦500 80≦d2≦800
性を有する材料を提供する。 【解決手段】 屈折率nSの基板上に形成された中間膜
と、その上に形成された透明導電膜とからなり、前記透
明導電膜の屈折率n1及び前記中間膜の屈折率n2が、n
S<n2<n1の条件を満たすように形成された低界面反
射導電膜。透明導電膜の屈折率n1及びその膜厚d1(n
m)並びに中間膜の屈折率n2及びその膜厚d2(nm)
は、好ましくは下記の条件を満たすように形成される。 1.95≦n1≦2.2 (n1−0.5)<n2<(n1−0.05) 100≦d1≦500 80≦d2≦800
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた干渉反射特
性を有する低界面反射導電膜に関する。更に詳しくは、
液晶駆動電極、太陽電池電極、タッチパネル等の電子光
学材料、面状発熱体等の電気材料、選択透過膜、熱線反
射膜、紫外線吸収膜等の光学材料、レジスト電着材、静
電塗装材等の塗装材料等に用いられる低界面反射導電膜
に関する。
性を有する低界面反射導電膜に関する。更に詳しくは、
液晶駆動電極、太陽電池電極、タッチパネル等の電子光
学材料、面状発熱体等の電気材料、選択透過膜、熱線反
射膜、紫外線吸収膜等の光学材料、レジスト電着材、静
電塗装材等の塗装材料等に用いられる低界面反射導電膜
に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶駆動電極、太陽電池電極、タッチパ
ネル等の電子光学材料、面状発熱体等の電気材料、選択
透過膜、熱線反射膜、紫外線吸収膜等の光学材料、レジ
スト電着材、静電塗装材等の塗装材料等に用いられる透
明導電膜は、ガラス基板上に直接又はSiO2薄膜を介
して成膜される。
ネル等の電子光学材料、面状発熱体等の電気材料、選択
透過膜、熱線反射膜、紫外線吸収膜等の光学材料、レジ
スト電着材、静電塗装材等の塗装材料等に用いられる透
明導電膜は、ガラス基板上に直接又はSiO2薄膜を介
して成膜される。
【0003】一般に使用されているソーダライムガラス
はナトリウムを含有しているので、ソーダライムガラス
基板上に透明導電膜を直接成膜すると、ガラス基板から
ナトリウムが透明導電膜内へ拡散し、電気的特性を悪化
させるので、ソーダライムガラスを用いる場合は、厚さ
100nm程度のSiO2薄膜を介して透明導電膜を成
膜することにより、ナトリウムの拡散を防止している。
また、透明導電膜を直接ガラス基板上に成膜する場合
は、ガラス基板として無アルカリガラスが使用される。
はナトリウムを含有しているので、ソーダライムガラス
基板上に透明導電膜を直接成膜すると、ガラス基板から
ナトリウムが透明導電膜内へ拡散し、電気的特性を悪化
させるので、ソーダライムガラスを用いる場合は、厚さ
100nm程度のSiO2薄膜を介して透明導電膜を成
膜することにより、ナトリウムの拡散を防止している。
また、透明導電膜を直接ガラス基板上に成膜する場合
は、ガラス基板として無アルカリガラスが使用される。
【0004】透明導電膜としては、一般にスズ添加酸化
インジウム(ITO)、フッ素添加二酸化スズ(F−S
nO2)及びアルミニウム添加酸化亜鉛(以下「Al−
ZnO」と略す。)薄膜が多用されているが、それらの
屈折率は2程度である。一方、ガラスの屈折率は1.5
程度であり、両者の屈折率の差が大きい。このため、透
明導電膜をガラス基板上に直接成膜した場合は、両者の
界面で生じる干渉反射の影響が大きくなる。可視光領域
では、干渉反射の影響は各波長に対して均一ではなく、
特定の波長の光の透過率が低くなることにより、可視光
領域での透過率が波長によって変動し、いわゆる透過率
曲線の振幅が大きくなる。
インジウム(ITO)、フッ素添加二酸化スズ(F−S
nO2)及びアルミニウム添加酸化亜鉛(以下「Al−
ZnO」と略す。)薄膜が多用されているが、それらの
屈折率は2程度である。一方、ガラスの屈折率は1.5
程度であり、両者の屈折率の差が大きい。このため、透
明導電膜をガラス基板上に直接成膜した場合は、両者の
界面で生じる干渉反射の影響が大きくなる。可視光領域
では、干渉反射の影響は各波長に対して均一ではなく、
特定の波長の光の透過率が低くなることにより、可視光
領域での透過率が波長によって変動し、いわゆる透過率
曲線の振幅が大きくなる。
【0005】一方、ソーダライムガラス基板上にSiO
2薄膜を介して透明導電膜を成膜した場合でも、SiO2
薄膜の屈折率は1.46程度以下なので、透明導電膜と
SiO2薄膜との界面で生じる干渉反射の影響が問題と
なる。すなわち、SiO2薄膜を形成する目的は、前述
のようにソーダライムガラスから透明導電膜へのナトリ
ウム拡散を防ぐことであり、光学特性への影響は特に考
慮されていなかった。
2薄膜を介して透明導電膜を成膜した場合でも、SiO2
薄膜の屈折率は1.46程度以下なので、透明導電膜と
SiO2薄膜との界面で生じる干渉反射の影響が問題と
なる。すなわち、SiO2薄膜を形成する目的は、前述
のようにソーダライムガラスから透明導電膜へのナトリ
ウム拡散を防ぐことであり、光学特性への影響は特に考
慮されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように可視光領
域での透過率曲線の振幅が大きくなると、特定の波長に
対する干渉反射による着色が顕著となることや、特定の
いくつかの波長で透過率が低くなるなど、光学特性が低
下する。
域での透過率曲線の振幅が大きくなると、特定の波長に
対する干渉反射による着色が顕著となることや、特定の
いくつかの波長で透過率が低くなるなど、光学特性が低
下する。
【0007】そこで本発明は、上記技術的課題を解決
し、優れた干渉反射特性を有する低界面反射導電膜を提
供することを目的とするものである。
し、優れた干渉反射特性を有する低界面反射導電膜を提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、屈折率nSの
基板上に形成された中間膜と、その上に形成された透明
導電膜とからなり、前記透明導電膜の屈折率n1及び前
記中間膜の屈折率n2が、nS<n2<n1の条件を満たす
ように形成されることを特徴とする低界面反射導電膜を
提供するものである。
基板上に形成された中間膜と、その上に形成された透明
導電膜とからなり、前記透明導電膜の屈折率n1及び前
記中間膜の屈折率n2が、nS<n2<n1の条件を満たす
ように形成されることを特徴とする低界面反射導電膜を
提供するものである。
【0009】前記透明導電膜の屈折率n1及びその膜厚
d1(nm)並びに前記中間膜の屈折率n2及びその膜厚
d2(nm)は、下記の条件を満たすように形成される
ことが望ましい。 1.95≦n1≦2.2 (n1−0.5)<n2<(n1−0.05) 100≦d1≦500 80≦d2≦800
d1(nm)並びに前記中間膜の屈折率n2及びその膜厚
d2(nm)は、下記の条件を満たすように形成される
ことが望ましい。 1.95≦n1≦2.2 (n1−0.5)<n2<(n1−0.05) 100≦d1≦500 80≦d2≦800
【0010】前記中間膜の屈折率n2は、好ましくは
1.70〜1.75程度であり、特に好ましくは1.7
0である。
1.70〜1.75程度であり、特に好ましくは1.7
0である。
【0011】前記中間膜は、例えばMgO薄膜又はTi
O2/SiO2混合薄膜からなる。
O2/SiO2混合薄膜からなる。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明は、透明導電膜と基板の間に特定屈
折率の中間膜を設けることにより、透明導電性薄膜コー
トガラスの干渉反射の影響を低減したものである。
折率の中間膜を設けることにより、透明導電性薄膜コー
トガラスの干渉反射の影響を低減したものである。
【0014】透明導電膜をコートした基板に光が入射す
ると、入射光の一部は透明導電膜の表面及び透明導電膜
と基板の界面にてそれぞれ反射される。透明導電膜の膜
厚が可視光程度である場合、各界面の反射光はお互に干
渉する(干渉反射)。そのために、透明導電膜の透過率
曲線には光の波長に対する振動が現れる。その干渉反射
の度合いは、薄膜の膜厚(d)と屈折率(n)及び基板
の屈折率(nS)により決定される。一般に使用される
透明導電膜の屈折率は2程度であるのに対し、基板とし
て最も多く使用されるガラスの屈折率は1.5程度であ
り、両者の屈折率の差が大きいために、干渉反射による
透過率曲線の振幅は大きなものとなる。
ると、入射光の一部は透明導電膜の表面及び透明導電膜
と基板の界面にてそれぞれ反射される。透明導電膜の膜
厚が可視光程度である場合、各界面の反射光はお互に干
渉する(干渉反射)。そのために、透明導電膜の透過率
曲線には光の波長に対する振動が現れる。その干渉反射
の度合いは、薄膜の膜厚(d)と屈折率(n)及び基板
の屈折率(nS)により決定される。一般に使用される
透明導電膜の屈折率は2程度であるのに対し、基板とし
て最も多く使用されるガラスの屈折率は1.5程度であ
り、両者の屈折率の差が大きいために、干渉反射による
透過率曲線の振幅は大きなものとなる。
【0015】本発明においては、透明導電膜コートガラ
スの透過率曲線の振幅を低減させることを目的として、
中間膜の屈折率に着目した。その結果、特定の屈折率を
有する中間膜を用いると、透明導電膜コートガラスの透
過率曲線の振幅を低減することができた。これにより、
透明導電膜コートガラスの干渉反射による着色を低減で
きる。更に、中間膜の屈折率を制御することにより、透
明導電膜コートガラスの干渉反射特性を制御することも
可能となる。
スの透過率曲線の振幅を低減させることを目的として、
中間膜の屈折率に着目した。その結果、特定の屈折率を
有する中間膜を用いると、透明導電膜コートガラスの透
過率曲線の振幅を低減することができた。これにより、
透明導電膜コートガラスの干渉反射による着色を低減で
きる。更に、中間膜の屈折率を制御することにより、透
明導電膜コートガラスの干渉反射特性を制御することも
可能となる。
【0016】中間膜の屈折率の制御とは、基板の屈折率
nSに対して透明導電膜及び中間膜の各屈折率n1及びn
2が一定の関係となるような膜材料を選択することであ
り、具体的には、nS<n2<n1の条件を満たすことが
必要である。
nSに対して透明導電膜及び中間膜の各屈折率n1及びn
2が一定の関係となるような膜材料を選択することであ
り、具体的には、nS<n2<n1の条件を満たすことが
必要である。
【0017】透明導電膜の屈折率n1及びその膜厚d
1(nm)並びに中間膜の屈折率n2及びその膜厚d
2(nm)は、好ましくは下記の条件を満たすように形
成される。 1.95≦n1≦2.2 (n1−0.5)<n2<(n1−0.05)
1(nm)並びに中間膜の屈折率n2及びその膜厚d
2(nm)は、好ましくは下記の条件を満たすように形
成される。 1.95≦n1≦2.2 (n1−0.5)<n2<(n1−0.05)
【0018】また、透明導電膜の膜厚d1(nm)及び
中間層の膜厚d2(nm)は、それぞれ 100≦d1≦500 80≦d2≦800 を満たすことが望ましい。d1が100nm未満では、
導電性が充分得られないことがあり、d1が500nm
を越えると、加工性の困難が生じることがある。一方、
d2が80nm未満では、ソーダライムガラスを基板に
用いた場合にはアルカリのバリヤ効果がなくなることが
あり、d2が800nmを越えると、干渉膜が得られな
い。
中間層の膜厚d2(nm)は、それぞれ 100≦d1≦500 80≦d2≦800 を満たすことが望ましい。d1が100nm未満では、
導電性が充分得られないことがあり、d1が500nm
を越えると、加工性の困難が生じることがある。一方、
d2が80nm未満では、ソーダライムガラスを基板に
用いた場合にはアルカリのバリヤ効果がなくなることが
あり、d2が800nmを越えると、干渉膜が得られな
い。
【0019】上記条件を満たす場合、透明導電膜と中間
膜との界面及び中間膜とガラス基板との界面の各反射光
を合わせた反射光強度は、上記条件を満たさない場合の
反射光強度あるいは中間膜を設けない単相導電膜におけ
る透明導電膜とガラス基板との界面の反射光強度よりも
小さくすることができ、透過率が向上する。また、透過
率の干渉振幅も小さくなる。
膜との界面及び中間膜とガラス基板との界面の各反射光
を合わせた反射光強度は、上記条件を満たさない場合の
反射光強度あるいは中間膜を設けない単相導電膜におけ
る透明導電膜とガラス基板との界面の反射光強度よりも
小さくすることができ、透過率が向上する。また、透過
率の干渉振幅も小さくなる。
【0020】前記中間膜は、上記条件を満たす限り、そ
の材料は特に限定されないが、上記条件を満たし得る材
料として、MgO薄膜又はTiO2/SiO2混合薄膜か
らなるものが挙げられる。
の材料は特に限定されないが、上記条件を満たし得る材
料として、MgO薄膜又はTiO2/SiO2混合薄膜か
らなるものが挙げられる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、中間膜の屈折率が及ぼす透
明導電膜コートガラスの分光透過特性への影響について
具体的に検討した結果を示す。図1は、中間膜の屈折率
n2が種々の値の場合における透過率曲線(波長と透過
率の関係)を示す。ここでは、ガラス基板(屈折率ns
=1.52)上に各屈折率を有する中間膜(膜厚d2=
100nm)を形成し、その上に透明導電膜(屈折率n
1=2.0、膜厚d1=300nm)を形成した場合を示
す。また、比較のために、中間膜を設けない単相透明導
電膜コートガラスの場合も示す。なお、入射媒質である
空気の屈折率n0は1とする。
明導電膜コートガラスの分光透過特性への影響について
具体的に検討した結果を示す。図1は、中間膜の屈折率
n2が種々の値の場合における透過率曲線(波長と透過
率の関係)を示す。ここでは、ガラス基板(屈折率ns
=1.52)上に各屈折率を有する中間膜(膜厚d2=
100nm)を形成し、その上に透明導電膜(屈折率n
1=2.0、膜厚d1=300nm)を形成した場合を示
す。また、比較のために、中間膜を設けない単相透明導
電膜コートガラスの場合も示す。なお、入射媒質である
空気の屈折率n0は1とする。
【0022】図1から分かるように、中間膜を設けない
単相膜の場合は干渉反射による透過率曲線の振幅は非常
に大きくなる。また、屈折率がガラス基板の屈折率ns
より小さい中間膜を用いた場合(n2=1.46、Si
O2の屈折率に相当)は、単層膜の場合よりも透過率曲
線の振幅が更に大きくなっている。それに対して、屈折
率がガラス基板の屈折率と透明導電膜の屈折率との間に
ある中間膜を用いた場合(n2=1.60,1.70,
1.85)は、単相膜の場合よりも透過率曲線の振幅が
小さくなっている。したがって、この範囲で中間膜は反
射緩衝層として働くことが確認できた。特に、n2が
1.70程度の時に、その効果が最も大きくなることが
期待できる。
単相膜の場合は干渉反射による透過率曲線の振幅は非常
に大きくなる。また、屈折率がガラス基板の屈折率ns
より小さい中間膜を用いた場合(n2=1.46、Si
O2の屈折率に相当)は、単層膜の場合よりも透過率曲
線の振幅が更に大きくなっている。それに対して、屈折
率がガラス基板の屈折率と透明導電膜の屈折率との間に
ある中間膜を用いた場合(n2=1.60,1.70,
1.85)は、単相膜の場合よりも透過率曲線の振幅が
小さくなっている。したがって、この範囲で中間膜は反
射緩衝層として働くことが確認できた。特に、n2が
1.70程度の時に、その効果が最も大きくなることが
期待できる。
【0023】次に、上記検討結果に基づいて、屈折率n
2が1.70に近いMgO(n2=1.72)を中間膜と
して用いた場合の透過率曲線を図2に示す。すなわち、
膜厚300nmのAl−ZnO薄膜を透明導電膜として
用いたAl−ZnO/MgO層薄膜の可視光領域におけ
る透過率曲線である。なお、比較のために、SiO2を
中間膜として用いた場合も併せて示す。図2から分かる
通り、MgOを用いた場合の透過率曲線は、振幅が比較
的小さいのに対し、SiO2を用いた場合は振幅が相対
的に大きくなる。
2が1.70に近いMgO(n2=1.72)を中間膜と
して用いた場合の透過率曲線を図2に示す。すなわち、
膜厚300nmのAl−ZnO薄膜を透明導電膜として
用いたAl−ZnO/MgO層薄膜の可視光領域におけ
る透過率曲線である。なお、比較のために、SiO2を
中間膜として用いた場合も併せて示す。図2から分かる
通り、MgOを用いた場合の透過率曲線は、振幅が比較
的小さいのに対し、SiO2を用いた場合は振幅が相対
的に大きくなる。
【0024】次に、透明導電膜の膜厚と透過率との関係
について検討した結果を示す。例えばレジスト電着法で
透明導電膜が形成される場合、青色領域(波長460n
m程度)及び緑色領域(波長550nm程度)の光の透
過率が低いことが問題となることがある。透明導電膜コ
ートガラスには、波長が460nmで85%以上、55
0nmで80%以上の透過率があることが望ましい。そ
こで、両波長における透過率と透明導電膜の膜厚との関
係を調べた。
について検討した結果を示す。例えばレジスト電着法で
透明導電膜が形成される場合、青色領域(波長460n
m程度)及び緑色領域(波長550nm程度)の光の透
過率が低いことが問題となることがある。透明導電膜コ
ートガラスには、波長が460nmで85%以上、55
0nmで80%以上の透過率があることが望ましい。そ
こで、両波長における透過率と透明導電膜の膜厚との関
係を調べた。
【0025】図3は、中間膜を設けない単相膜(Al−
ZnO薄膜)の場合における透明導電膜の膜厚と透過率
との関係を示す。また、図4は屈折率n2が1.46の
SiO2膜(膜厚100nm)を中間膜として形成した
場合を示す。単相膜の場合は透明導電膜の膜厚が100
〜140nm付近及び230〜250nm付近で上記両
波長の光の透過率が共に上記条件を満たす。また370
nm付近でも上記条件を満たす。また、SiO2膜を中
間層として形成した場合も、透明導電膜の膜厚が100
〜140nm付近及び240〜250nm付近で上記条
件を満たす。
ZnO薄膜)の場合における透明導電膜の膜厚と透過率
との関係を示す。また、図4は屈折率n2が1.46の
SiO2膜(膜厚100nm)を中間膜として形成した
場合を示す。単相膜の場合は透明導電膜の膜厚が100
〜140nm付近及び230〜250nm付近で上記両
波長の光の透過率が共に上記条件を満たす。また370
nm付近でも上記条件を満たす。また、SiO2膜を中
間層として形成した場合も、透明導電膜の膜厚が100
〜140nm付近及び240〜250nm付近で上記条
件を満たす。
【0026】上記結果から分かる通り、単相膜の場合は
波長が460nm及び550nmにおける透過率が透明
導電膜の膜厚によって大きく変化するので、透明導電膜
の膜厚の選択幅は非常に小さくなる。特に透明導電膜の
膜厚が300nmを越える範囲では膜厚が370nm付
近の非常に狭い範囲でしか上記条件を満たさず、膜厚が
僅かでも変化すると透過率は上記条件を満たさなくな
る。また、SiO2膜を中間膜として形成した場合もほ
ぼ同様の結果となり、特に透明導電膜の膜厚が300n
mを越える範囲には上記条件を満たす場合がなく、中間
膜を設けたからといって必ずしも光学特性が向上するわ
けではないことが分かる。
波長が460nm及び550nmにおける透過率が透明
導電膜の膜厚によって大きく変化するので、透明導電膜
の膜厚の選択幅は非常に小さくなる。特に透明導電膜の
膜厚が300nmを越える範囲では膜厚が370nm付
近の非常に狭い範囲でしか上記条件を満たさず、膜厚が
僅かでも変化すると透過率は上記条件を満たさなくな
る。また、SiO2膜を中間膜として形成した場合もほ
ぼ同様の結果となり、特に透明導電膜の膜厚が300n
mを越える範囲には上記条件を満たす場合がなく、中間
膜を設けたからといって必ずしも光学特性が向上するわ
けではないことが分かる。
【0027】一方図5は、屈折率n2が1.70の中間
膜(膜厚100nm)を形成した場合を示す。図5から
分かる通り、透明導電膜の膜厚が100〜150nm付
近、215〜270nm付近及び330〜380nm付
近で上記両波長の光の透過率が共に上記条件を満たす。
この場合、上記両波長での透過率変化が小さくなり、膜
厚が300nmを越える領域でも上記条件を満たす範囲
が広く、透明導電膜の膜厚の選択幅が広くとれることに
なる。透明導電膜の膜厚はシート抵抗にも影響するの
で、電気的性質を考慮したコートガラスの設計を容易に
する効果が得られる。したがって、上記条件を満たす比
較的厚い透明導電膜を形成することにより、低抵抗率で
且つ透過率特性の良いコートガラスを得ることが可能と
なる。
膜(膜厚100nm)を形成した場合を示す。図5から
分かる通り、透明導電膜の膜厚が100〜150nm付
近、215〜270nm付近及び330〜380nm付
近で上記両波長の光の透過率が共に上記条件を満たす。
この場合、上記両波長での透過率変化が小さくなり、膜
厚が300nmを越える領域でも上記条件を満たす範囲
が広く、透明導電膜の膜厚の選択幅が広くとれることに
なる。透明導電膜の膜厚はシート抵抗にも影響するの
で、電気的性質を考慮したコートガラスの設計を容易に
する効果が得られる。したがって、上記条件を満たす比
較的厚い透明導電膜を形成することにより、低抵抗率で
且つ透過率特性の良いコートガラスを得ることが可能と
なる。
【0028】次に、上記検討結果に基づいて、ソーダラ
イムガラスを基板として用い、該基板上に膜厚330n
mのAl−ZnO薄膜を膜厚100nmのMgO薄膜
(n2=1.72)を介して形成した場合の透過率曲線
を図6に示す。すなわち、膜厚330nmのAl−Zn
O薄膜を形成したAl−ZnO/MgO層薄膜の可視光
領域における透過率曲線である。なお、比較のために、
SiO2を中間膜として用いた場合も併せて示す。図6
から分かる通り、MgOを用いた場合の透過率は、46
0nmで90.4%及び550nmで84.3%であ
り、前述した条件を満たしている。
イムガラスを基板として用い、該基板上に膜厚330n
mのAl−ZnO薄膜を膜厚100nmのMgO薄膜
(n2=1.72)を介して形成した場合の透過率曲線
を図6に示す。すなわち、膜厚330nmのAl−Zn
O薄膜を形成したAl−ZnO/MgO層薄膜の可視光
領域における透過率曲線である。なお、比較のために、
SiO2を中間膜として用いた場合も併せて示す。図6
から分かる通り、MgOを用いた場合の透過率は、46
0nmで90.4%及び550nmで84.3%であ
り、前述した条件を満たしている。
【0029】
【実施例】次に、本発明について実施例及び比較例を挙
げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施
例にのみ限定されるものではない。
げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施
例にのみ限定されるものではない。
【0030】(実施例1)MgO薄膜の形成 ガラス基板としてソーダライムガラスを用い、この上に
MgO薄膜を高周波(RF)マグネトロンスパッタリン
グ法により形成した。ガラス基板及びターゲットをスパ
ッタリングチャンバー内に設置した後、ロータリーポン
プと油拡散ポンプを用いて5×10−4Pa程度まで排
気した。成膜を開始する前に、ターゲット上の不純物を
除去するために、Arイオンエッチングを10分間行っ
た。その後、所定のガス組成、ガス圧力及び高周波出力
に設定して成膜を開始した。MgO薄膜は、MgO焼結
体をターゲットとして用いて作製した。MgOの成膜速
度は約3nm/分であり、膜厚が100nmになるよう
に成膜時間を調節した。基板温度は特に制御しなかっ
た。スパッタリングガスは、Ar−O2混合ガスを用い
た。Ar/O2比は、マスフローコントローラーを用い
て1/1に制御した。動作圧力は1.0Paである。基
板−ターゲット間距離は50mmとした。 成膜条件 高周波出力:200W スパッタリングガス:Ar−O2混合ガス(Ar:O2=
1:1) ガス圧力:1Pa程度 基板温度:加熱なし 基板−ターゲット間距離:約50mm ターゲット:MgO焼結体 膜厚:100nm 膜物性 構造:アモルファス構造 屈折率:1.72程度 可視光透過率:83−90% 電気的性質:絶縁体
MgO薄膜を高周波(RF)マグネトロンスパッタリン
グ法により形成した。ガラス基板及びターゲットをスパ
ッタリングチャンバー内に設置した後、ロータリーポン
プと油拡散ポンプを用いて5×10−4Pa程度まで排
気した。成膜を開始する前に、ターゲット上の不純物を
除去するために、Arイオンエッチングを10分間行っ
た。その後、所定のガス組成、ガス圧力及び高周波出力
に設定して成膜を開始した。MgO薄膜は、MgO焼結
体をターゲットとして用いて作製した。MgOの成膜速
度は約3nm/分であり、膜厚が100nmになるよう
に成膜時間を調節した。基板温度は特に制御しなかっ
た。スパッタリングガスは、Ar−O2混合ガスを用い
た。Ar/O2比は、マスフローコントローラーを用い
て1/1に制御した。動作圧力は1.0Paである。基
板−ターゲット間距離は50mmとした。 成膜条件 高周波出力:200W スパッタリングガス:Ar−O2混合ガス(Ar:O2=
1:1) ガス圧力:1Pa程度 基板温度:加熱なし 基板−ターゲット間距離:約50mm ターゲット:MgO焼結体 膜厚:100nm 膜物性 構造:アモルファス構造 屈折率:1.72程度 可視光透過率:83−90% 電気的性質:絶縁体
【0031】Al−ZnO薄膜の形成 上記のようにしてMgO薄膜を形成したガラス基板上
に、3重量%のAlを含むAl−ZnO焼結体をターゲ
ットとして用いてAl−ZnO薄膜を成膜した。基板温
度は、基板ホルダーの裏側に設置したヒーターを使用し
て473Kに制御した。スパッタリングガスはArを用
いて、特にO2ガスは加えなかった。ガス圧は1Paと
した。高周波出力は100Wとした。基板−ターゲット
間距離を33mmから77mmの間で変化させた。Al
−ZnO薄膜の膜厚は300nm程度になるように成膜
時間を調節した。 成膜条件 高周波出力:100W スパッタリングガス:Arガス ガス圧力:1Pa程度 基板温度:473K 基板−ターゲット間距離:33〜77mm ターゲット:Al−ZnO焼結体 膜厚:300nm 膜物性 電気的性質:基板−ターゲット間距離が短いほど低抵抗
率を示す。(抵抗率:3.4×10-3〜8.5×10-4
Ω・cm) 光学的性質:可視光領域での透過率は78〜90%の間
で変化する。
に、3重量%のAlを含むAl−ZnO焼結体をターゲ
ットとして用いてAl−ZnO薄膜を成膜した。基板温
度は、基板ホルダーの裏側に設置したヒーターを使用し
て473Kに制御した。スパッタリングガスはArを用
いて、特にO2ガスは加えなかった。ガス圧は1Paと
した。高周波出力は100Wとした。基板−ターゲット
間距離を33mmから77mmの間で変化させた。Al
−ZnO薄膜の膜厚は300nm程度になるように成膜
時間を調節した。 成膜条件 高周波出力:100W スパッタリングガス:Arガス ガス圧力:1Pa程度 基板温度:473K 基板−ターゲット間距離:33〜77mm ターゲット:Al−ZnO焼結体 膜厚:300nm 膜物性 電気的性質:基板−ターゲット間距離が短いほど低抵抗
率を示す。(抵抗率:3.4×10-3〜8.5×10-4
Ω・cm) 光学的性質:可視光領域での透過率は78〜90%の間
で変化する。
【0032】(比較例1)SiO2薄膜の形成 ターゲットとしてSiO2焼結体を用いた以外は実施例
1と同様の方法でSiO2薄膜を形成した。 成膜条件 高周波出力:200W スパッタリングガス:Ar−O2混合ガス(Ar:O2=
1:1) ガス圧力:1Pa程度 基板温度:加熱なし 基板−ターゲット間距離:約50mm ターゲット:SiO2焼結体 膜厚:100nm 膜物性 構造:アモルファス構造 屈折率:1.39程度 可視光透過率:83〜90% 電気的性質:絶縁体
1と同様の方法でSiO2薄膜を形成した。 成膜条件 高周波出力:200W スパッタリングガス:Ar−O2混合ガス(Ar:O2=
1:1) ガス圧力:1Pa程度 基板温度:加熱なし 基板−ターゲット間距離:約50mm ターゲット:SiO2焼結体 膜厚:100nm 膜物性 構造:アモルファス構造 屈折率:1.39程度 可視光透過率:83〜90% 電気的性質:絶縁体
【0033】Al−ZnO薄膜の形成 実施例1と同様の条件で形成した。
【0034】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、可視
光領域での透過率曲線の振幅が小さく、特定の波長に対
する干渉反射による着色が生じない、優れた干渉反射特
性を有する低界面反射導電膜を提供することができる。
光領域での透過率曲線の振幅が小さく、特定の波長に対
する干渉反射による着色が生じない、優れた干渉反射特
性を有する低界面反射導電膜を提供することができる。
【図1】中間膜の屈折率n2が種々の値の場合における
透過率曲線(波長と透過率の関係)を示すグラフであ
る。
透過率曲線(波長と透過率の関係)を示すグラフであ
る。
【図2】MgO及びSiO2をそれぞれ中間膜として用
いた場合の各透過率曲線を示すグラフである。
いた場合の各透過率曲線を示すグラフである。
【図3】中間膜を設けない単相膜の場合における透明導
電膜の膜厚と透過率との関係を示すグラフである。
電膜の膜厚と透過率との関係を示すグラフである。
【図4】SiO2膜を中間膜として形成した場合の透明
導電膜の膜厚と透過率との関係を示すグラフである。
導電膜の膜厚と透過率との関係を示すグラフである。
【図5】MgO膜を中間膜として形成した場合の透明導
電膜の膜厚と透過率との関係を示すグラフである。
電膜の膜厚と透過率との関係を示すグラフである。
【図6】MgO膜を中間膜として形成した場合の透過率
曲線を示すグラフである。
曲線を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉村 博之 愛知県名古屋市北区名城3−1 名城住宅 9−609 (72)発明者 宇野 仁 愛知県岡崎市藤川町峠荒古24 Fターム(参考) 4F100 AA18B AA20B AA21B AA25 AB10 AG00 AR00A AR00B AR00C BA03 BA07 BA10A BA10C EH66 GB90 JG01C JM02B JM02C JN01C JN18A 5B087 AA00 AC09 AE00 CC13 CC14 5G307 FA01 FB01 FB02 FC08
Claims (3)
- 【請求項1】 屈折率nSの基板上に形成された中間膜
と、その上に形成された透明導電膜とからなり、前記透
明導電膜の屈折率n1及び前記中間膜の屈折率n2が、n
S<n2<n1の条件を満たすように形成されることを特
徴とする低界面反射導電膜。 - 【請求項2】 前記透明導電膜の屈折率n1及びその膜
厚d1(nm)並びに前記中間膜の屈折率n2及びその膜
厚d2(nm)が、下記の条件を満たすように形成され
ることを特徴とする請求項1記載の低界面反射導電膜。 1.95≦n1≦2.2 (n1−0.5)<n2<(n1−0.05) 100≦d1≦500 80≦d2≦800 - 【請求項3】 前記中間膜が、MgO薄膜又はTiO2
/SiO2混合薄膜からなることを特徴とする請求項1
又は2記載の低界面反射導電膜。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1951999A JP2000222945A (ja) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | 低界面反射導電膜 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1951999A JP2000222945A (ja) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | 低界面反射導電膜 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000222945A true JP2000222945A (ja) | 2000-08-11 |
Family
ID=12001607
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1951999A Pending JP2000222945A (ja) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | 低界面反射導電膜 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000222945A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2003100794A1 (fr) * | 2002-05-23 | 2003-12-04 | Nof Corporation | Film stratifie conducteur transparent, panneau tactile comprenant un tel film et procede de fabrication dudit film |
-
1999
- 1999-01-28 JP JP1951999A patent/JP2000222945A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2003100794A1 (fr) * | 2002-05-23 | 2003-12-04 | Nof Corporation | Film stratifie conducteur transparent, panneau tactile comprenant un tel film et procede de fabrication dudit film |
| CN100338692C (zh) * | 2002-05-23 | 2007-09-19 | 日本油脂株式会社 | 透明导电层合薄膜、含透明导电层合薄膜的接触面板以及透明导电层合薄膜的制备方法 |
| US7521123B2 (en) | 2002-05-23 | 2009-04-21 | Nof Corporation | Transparent conductive laminate film, touch panel having this transparent conductive laminate film, and production method for this transparent conductive laminate film |
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