JP2000226501A - 耐衝撃性に優れた生崩壊性樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性に優れた生崩壊性樹脂組成物

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JP2000226501A
JP2000226501A JP11026779A JP2677999A JP2000226501A JP 2000226501 A JP2000226501 A JP 2000226501A JP 11026779 A JP11026779 A JP 11026779A JP 2677999 A JP2677999 A JP 2677999A JP 2000226501 A JP2000226501 A JP 2000226501A
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Koji Nakada
幸司 仲田
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生崩壊性で、機械物性、特に衝撃強度を大き
く向上させた生崩壊性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ラクトン樹脂及び脂肪族ポリエステル樹
脂からなる生分解性樹脂組成物100重量部、並びに、熱
可塑性樹脂5〜20重量部からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定組成のラクト
ン樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、脂肪酸アミド及び高
衝撃強度の熱可塑性樹脂よりなり、さらに必要に応じて
液状滑剤、微粉末シリカ、及びタルクを添加してなる生
崩壊性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生分解性樹脂とは、一般には『使用時は
汎用のプラスチックとほぼ同等の物性を持つが、一度廃
棄されると、活性汚泥中、土壌中、水中、堆肥中などの
自然環境下において速やかにバクテリアやカビなどの微
生物により、分解、資化されるプラスチック』のことを
いう。現在、天然素材であるバイオセルロースや澱粉含
有プラスチック、低置換度セルロース系エステル、微生
物の生産する脂肪族ポリエステル、合成脂肪族ポリエス
テル等が生分解性を有するプラスチックとして開発が進
められている。しかしながらこれらの樹脂は、生分解
性、機械物性ともに不十分であり、それらの早急な向上
が待たれている。特に生分解性を付与するため物性面で
性能が不足している樹脂が目立つ。既に市場に出回って
いる生分解性ポリエステル樹脂は、特開平8-029989、特
開平9-194700号公報等に記載されているが、現行の汎用
樹脂と比較すると機械物性の面で不十分である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
している課題は、生崩壊性で、機械物性、特に衝撃強度
を大きく向上させた生崩壊性樹脂組成物を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】先にも述べたように一般
に生分解性樹脂(生分解性プラスチックとも言う。)と
呼ばれるものは、生分解性を付与するために機械強度が
犠牲になっているものが多い。本発明者は、高い生分解
性を有するラクトン樹脂/脂肪族ポリエステル混練物に
少量の高衝撃強度を有するゴム変性スチレン系樹脂を配
合、混練することにより、それらのデュポン衝撃強度が
飛躍的に向上することを見出した。本発明者は、この知
見に基づき、ラクトン樹脂、合成ポリエステル樹脂及び
脂肪酸アミドからなる生分解性樹脂組成物に、高い耐衝
撃性を有する熱可塑性樹脂を少量ブレンドすることによ
り、樹脂の生分解性をほとんど損なうことなく、その衝
撃強度が大きく向上することを見い出し、本発明を完成
するに至った。また、この樹脂組成物の生分解性につい
ては、少量の非生分解成分の存在により残留物が存在す
るものの、大半の生分解成分自体は阻害されることなく
高い生分解性を示す。成形品にした場合にも、元の形状
は示さず、残留物の量は少量であり、ほとんど分解せず
にそのままの形で残存する汎用樹脂に比べると問題にな
らない形状及び量である。本発明ではこのような生分解
性の状態を生崩壊性という。
【0005】すなわち本発明の第1は、ラクトン樹脂及
び脂肪族ポリエステル樹脂からなる生分解性樹脂組成物
100重量部、並びに、熱可塑性樹脂5〜20重量部からなる
生崩壊性樹脂組成物を提供する。本発明の第2は、生分
解性樹脂組成物がラクトン樹脂5〜70重量部及び脂肪族
ポリエステル樹脂95〜30重量部(ここで、ラクトン樹脂
と脂肪族ポリエステル樹脂の合計は100重量部であ
る。)からなる本発明の第1に記載の生崩壊性樹脂組成
物を提供する。本発明の第3は、生分解性樹脂組成物が
ラクトン樹脂と脂肪族ポリエステル樹脂の合計100重量
部に対して、さらに脂肪酸アミドを0.2〜5重量部含む本
発明の第1〜2のいずれかに記載の生崩壊性樹脂組成物
を提供する。本発明の第4は、生分解性樹脂組成物がラ
クトン樹脂と脂肪族ポリエステル樹脂の合計100重量部
に対して、さらに液状滑剤を0.1〜3重量部含む本発明の
第1〜3のいずれかに記載の生崩壊性樹脂組成物を提供
する。本発明の第5は、生分解性樹脂組成物がラクトン
樹脂と脂肪族ポリエステル樹脂の合計100重量部に対し
て、さらに微粉末シリカを0.1〜3重量部含む本発明の第
1〜4のいずれかに記載の生崩壊性樹脂組成物を提供す
る。本発明の第6は、生分解性樹脂組成物がラクトン樹
脂と脂肪族ポリエステル樹脂の合計100重量部に対し
て、さらにタルクを10〜40重量部含む本発明の第1〜5
のいずれかに記載の生崩壊性樹脂組成物を提供する。本
発明の第7は、熱可塑性樹脂がデュポン衝撃強度10k
gf・cm/cm2以上(シート厚0.35mm)を有する
本発明の第1に記載の生崩壊性樹脂組成物を提供する。
本発明の第8は、熱可塑性樹脂がゴム変性スチレン系樹
脂である本発明の第7に記載の生崩壊性樹脂組成物を提
供する。本発明の第9は、ゴム変性スチレン系樹脂がゴ
ム含量1〜20重量%のゴム変性スチレン系グラフト共重
合体である本発明の第8に記載の生崩壊性樹脂組成物を
提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明の生崩壊性樹脂組成物は、主要成分とし
てラクトン樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂及び熱可塑性
樹脂からなり、さらに必要に応じて脂肪酸アミド、液状
滑剤、及び/又は、タルクもしくは微粉末シリカを添加
したものである。
【0007】ラクトン樹脂 本発明で使用するラクトン樹脂は、ε−カプロラクト
ン、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチ
ルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラク
トン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ
−バレロラクトン、エナントラクトン等をモノマーに使
用して、これらのホモポリマーでも共重合体でもよい
が、常温で軟化しないものが好ましい。この観点から、
高分子量であって軟化点が55℃以上で、安定した性能
が得やすいポリカプロラクトンが好ましい。ポリカプロ
ラクトンは、例えばアルコールなどの活性水素化合物を
開始剤として、これにε-カプロラクトンを常法により
開環重合させて得られるものである。前記開始剤の官能
数は、特に制限なく、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール等の2官能のものやグリセリン、トリメチロ
ールプロパン等の3官能のものが好ましく使用できる。
ポリカプロラクトンの分子量は、低分子量から高分子量
まで使用できるが、数平均分子量が10,000〜200,000の
ものが好ましく、さらに好ましくは40,000〜100,000の
ものである。上記範囲内で、低分子量のポリカプロラク
トンを使用した場合は、ラクトン樹脂と脂肪族ポリエス
テル樹脂の混練樹脂の耐熱性や機械強度の低下が大きく
なるので添加量は制限されるが、混練樹脂の溶融粘度が
低下し、成形性が向上する等のメリットが現われる。し
かし高分子量のポリカプロラクトンを使用する方が配合
率を多くすることができ、耐熱性、生分解性をいずれも
バランス良く保たせることができて好ましい。上記分子
量の範囲はポリバレロラクトン等の他のラクトン樹脂に
ついても言える。ラクトン樹脂の数平均分子量が上記範
囲より低すぎると、生分解性は高くなるがプラスチック
成形品としての物性が不十分になり、高すぎると高物性
値を示すが生分解性を損なうおそれがある。
【0008】脂肪族ポリエステル樹脂 本発明で使用する脂肪族ポリエステル樹脂は、特に限定
されるものではないが、融点が100℃以上で、熱可塑
性及び生分解性を有するものである。例えば特開平5-31
0898号公報に示されているようなウレタン結合を含む脂
肪族ポリエステル樹脂、特開平9-095529号公報に示され
ているようなエステル交換反応により得られるウレタン
結合を含まない脂肪族ポリエステル樹脂のどちらも使用
可能である。また、本発明で使用する脂肪族ポリエステ
ル樹脂には、微生物の生産するポリエステルも含まれ
る。
【0009】ウレタン結合を含む脂肪族ポリエステル樹
脂としては、コハク酸と1,4-ブタンジオールから得られ
るポリエステル樹脂、コハク酸とエチレングリコールか
ら得られるポリエステル樹脂、シュウ酸と1,4-ブタンジ
オールから得られるポリエステル樹脂、シュウ酸とエチ
レングリコールから得られるポリエステル樹脂を脂肪族
ジイソシアネート化合物により高分子量化したもの等が
好ましい。特に好ましくはコハク酸と1,4-ブタンジオー
ルから得られる重縮合物を脂肪族ジイソシアネート化合
物により高分子量化したものが良い。ここで使用される
脂肪族ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエ
ステル{OCN-(CH2)4-CH(-NCO)(-COOCH3)}、トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート等が例示されるが、中
でもヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。また
ウレタン結合を含む脂肪族ポリエステル樹脂の好ましい
数平均分子量としては、20,000以上、更に好ましくは4
0,000以上の範囲である。
【0010】またエステル交換反応によるポリエステル
樹脂としては、コハク酸誘導体(コハク酸誘導体とはコ
ハク酸自体、コハク酸メチル又はコハク酸ジメチル等の
アルキルエステル等を言う。以下、他のジカルボン酸に
ついても同じである。)、シュウ酸誘導体、アジピン酸
誘導体からなるジカルボン酸誘導体群とエチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、
1,4-シクロヘキサンジメタノールからなるジオール群よ
り、それぞれ1つ以上選ぶ組合せを共重合して得られる
ポリエステル共重合体が挙げられる。または、ポリエス
テル樹脂としては、上記ジカルボン酸誘導体とジオール
の組合せに、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール等のポリアルキレング
リコールを共重合して得られるポリエステルエーテル;
ジグリコール酸等のジオキシカルボン酸誘導体を共重合
して得られるポリエステルエーテル;ジメチルカーボネ
ート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネー
ト、ジフェニルカーボネート等の有機カーボネート化合
物を共重合して得られるポリエステルカーボネートなど
であってもよい。特に好ましくは、コハク酸誘導体、1,
4-ブタンジオール及び有機カーボネート化合物からなる
共重合体が好ましい。
【0011】微生物が生産する脂肪族ポリエステルとし
ては、ポリ3−ヒドロキシ酪酸、ポリ3−ヒドロキシ吉
草酸または4−ヒドロキシ吉草酸のようなポリヒドロキ
シアルカン酸の単独重合体;3−ヒドロキシ酪酸と3−
ヒドロキシ吉草酸との共重合体、3−ヒドロキシ酪酸と
4−ヒドロキシ吉草酸との共重合体等が挙げられるが、
好ましくは、機械物性、生分解性の両面から、3−ヒド
ロキシ酪酸と4−ヒドロキシ吉草酸との共重合体がよ
い。
【0012】脂肪族ポリエステル樹脂とラクトン樹脂と
の比率 脂肪族ポリエステル樹脂とラクトン樹脂との配合割合
は、双方の分子量、要求される生分解性にもよるが、前
者100重量部に対し後者が1〜200重量部、更に好ましく
は5〜50重量部、特には20〜40重量部の範囲であ
る。
【0013】ラクトン樹脂と脂肪族ポリエステル樹脂と
を混練する場合は、両者に相溶性のあることが混練して
得られる樹脂組成物の機械特性の面から好ましいが、両
者の相溶性が無い場合は、例えば、被混練樹脂成分とポ
リカプロラクトン成分の共重合体等の相溶化剤、例えば
両者の中間の極性を有する樹脂などの添加も好ましく使
用できる。相溶化剤としては、特に制限はなく、ラクト
ン樹脂と脂肪族ポリエステルとを相溶化させる性質を有
するものであればよい。相溶化剤を加えることにより互
いの樹脂が極めて均一に分散し、優れた物性を有する混
合物が得られる。
【0014】熱可塑性樹脂 本発明で使用する熱可塑性樹脂としては特に限定される
ものではないが、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレン単
独又はゴム変性スチレン系樹脂など)、オレフィン系樹
脂(ポリプロピレン、メタロセン触媒などを用いて得ら
れる分子量分布のシャープなポリプロピレン、エチレン
-プロピレン共重合体、ポリメチルペンテンなどの結晶
性又は非結晶性オレフィン系樹脂)、ポリエステル系樹
脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどのポリアルキレンテレフタレート;ポリエ
チレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート;
又はポリアルキレンナフタレート単位を50モル%以
上、好ましくは70モル%以上含むコポリエステル、他
の芳香族ポリエステルなど)、ポリアミド樹脂(ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン10、ナイロン12、ナ
イロン610、ナイロン612などの単独又は共重合ナ
イロン、芳香族ポリアミドなど)、ポリカーボネート系
樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、ポ
リスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニ
レンスルフィド系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポ
リアセタール系樹脂(単独又は共重合ポリアセター
ル)、熱可塑性エラストマー(熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマー、ポリエステルエラストマーなど)が例示で
きる。これらの熱可塑性樹脂は単独で、又は2種以上組
み合わせて使用してもよい。
【0015】これらの熱可塑性樹脂の内で、少量の添加
でデュポン衝撃強度を大きく向上させるものとして、ゴ
ム変性スチレン系樹脂(軟化点約70℃)が好ましい。
ゴム変性スチレン系樹脂はゴム成分と、ゴム変性されて
いないスチレン系樹脂との混合による混和物で構成され
た耐衝撃性スチレン系樹脂であってもよいが、(a)ゴム
成分の存在下で少なくとも芳香族ビニル単量体を重合し
て得られるゴム成分と芳香族ビニル単量体とのグラフト
重合体、および/又は(b)ゴムブロックAと芳香族ビニ
ル重合体ブロックBとのブロック共重合体(ABA型又
はBAB型等のブロック共重合体など)が通常使用され
る。このうち、少量のゴム添加量で大きな耐衝撃性が得
られる、ゴム変性スチレン系グラフト共重合体(a)が
特に好ましい。ブロック共重合体(b)は熱可塑性エラ
ストマーを形成する場合が多い。また、グラフト共重合
体(a)はランダム共重合体であってもよく、ブロック
共重合体の構造はリニアー状でもスター状であってもよ
い。
【0016】好ましいゴム変性スチレン系グラフト共重
合体(a)としては、グラフト重合体[特に耐衝撃性ポ
リスチレン、例えばスチレン-ブタジエン共重合体(SB
樹脂)、ブタジエン-スチレン-無水マレイン酸共重合体
(ゴム変性スチレン−無水マレイン酸共重合体)、スチ
レン-アクリロニトリル-ブタジエン共重合体(ABS樹
脂)、AXS樹脂(式中Aはアクリロニトリル、Xはエチレ
ン-プロピレンゴム(EPDMゴム)、アクリルゴム、エチ
レン-酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレンから選
択された少なくとも一種のゴム成分、Sはスチレンをそ
れぞれ示す。)]、スチレン系ブロック共重合体(例え
ば、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)共重合
体)、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)共重合体
などの熱可塑性エラストマー)などが挙げられる。これ
らのゴム変性スチレン系グラフト共重合体(a)は水素
添加物であってもよい。上記の内、特に好ましくは、SB
樹脂、ゴム変性スチレン-無水マレイン酸共重合体、ス
チレン-アクリロニトリル-ブタジエン共重合体(ABS樹
脂)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)ブロック
共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロ
ック共重合体、およびこれらの水添物である。ゴム変性
スチレン系グラフト共重合体(a)に含まれるゴム成分
の含有量は、例えば1〜20重量%、好ましくは5〜15重量
%、更に好ましくは8〜10重量%である。上記ゴム成分
としては、特に制限はなく、従来ゴム変性スチレン系樹
脂に慣用されているもの、例えば天然ゴムやポリブタジ
エンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン
系共重合体ゴム、スチレン−イソプレン系共重合体ゴ
ム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン系共重合体ゴム
等の合成ゴム、あるいはこれらのゴムとスチレンとのグ
ラフト共重合体ゴム等を用いることができる。特に好ま
しいのはスチレン−ブタジエン系共重合体ゴムである。
このスチレン−ブタジエン系共重合体ゴムとしては、数
平均分子量が50,000〜500,000の範囲にあ
り、かつスチレン類で形成される重合体ブロックの含有
量が10〜60重量%の範囲にあるものが特に好まし
い。該分子量が50,000未満のものでは耐衝撃性が
十分ではないし、500,000を超えると成形時の流
動性が低下するようになり好ましくない。またこのスチ
レン−ブタジエン系共重合体ゴムに数平均分子量が5
0,000〜500,000程度のボリブタジエンゴム
を適宜配合したものを用いてもよい。
【0017】上記熱可塑性樹脂は、好ましくは熱可塑性
樹脂単独で成形したシート(厚さ0.35mm)のデュポン
衝撃強度が10kgf・cm/cm2以上、特に15k
gf・cm/cm2以上のものである。
【0018】生分解性樹脂組成物と熱可塑性樹脂との比
率 生分解性樹脂組成物と熱可塑性樹脂との配合割合は、生
分解性樹脂組成物単体の機械物性と生分解性、及び最終
的に要求される生崩壊性樹脂組成物の機械物性、生分解
性にもよるが、生分解性樹脂組成物100重量部に対し熱
可塑性樹脂が5〜20重量部、更に好ましくは8〜12重量部
である。
【0019】生分解性樹脂組成物に使用される樹脂と熱
可塑性樹脂とを混練する場合、両者に相溶性のあること
が好ましいが、両者の相溶性が無い場合、例えば、生分
解性樹脂成分と熱可塑性樹脂の共重合体等の相溶化剤、
例えば両者の中間の極性を有する樹脂などの添加も好ま
しく使用できる。これに使用する相溶化剤としては、特
に制限はなく、生分解性樹脂、熱可塑性樹脂とを相溶化
させる性質を有するものであればよい。相溶化剤を加え
ることにより互いの樹脂が極めて均一に分散し、優れた
物性を有する混合物が得られる。
【0020】脂肪酸アミド 本発明で使用する脂肪酸アミドとしては特に限定される
ものではないが、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミ
ド、高純度パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、
精製ステアリン酸アミド、高純度ステアリン酸アミド、
ベヘン酸アミド、高純度ベヘン酸アミド、ヒドロキシス
テアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の飽和脂肪酸モ
ノアミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレ
ンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミ
ド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイ
ソステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステア
リン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメ
チレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベ
ヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリ
ン酸アミド、N,N'-ジステアリルアジピン酸アミド、N,
N'-ジステアリルセバシン酸アミド等の飽和脂肪酸ビス
アミド類;オレイン酸アミド、精製オレイン酸アミド、
精製エルカ酸アミド、リシノール酸アミド等の不飽和脂
肪酸モノアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘ
キサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N'-ジオレイル
アジピン酸アミド、N,N'-ジオレイルセバシン酸アミド
等の不飽和脂肪酸ビスアミド類;N-ステアリルステアリ
ン酸アミド、N-オレイルオレイン酸アミド、N-ステアリ
ルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、
N-ステアリルエルカ酸アミド、N-オレイルパルミチン酸
アミド等の置換アミド類;メチロールステアリン酸アミ
ド類;メチロールベヘン酸アミド等のメチロールアミド
類;N,N'-ジステアリルイソフタール酸アミド、メタキ
シリレンビスステアリン酸アミド等の芳香族ビスアミド
類等の脂肪酸アミド類が挙げられる。これらは常温で固
体の滑剤である。上記脂肪酸アミドの中で、本発明によ
る樹脂組成物の用途が多岐にわたる場合、安全性が高
く、かつFDA(米国食品医薬品局)に登録されているエチ
レンビスステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オ
レイン酸アミド、エルカ酸アミドが好ましい。脂肪酸ア
ミドを選択する場合には、もちろん各種のラクトン樹
脂、脂肪族ポリエステル樹脂および熱可塑性樹脂の融点
又は軟化点に応じて、その融点又は軟化点以下のアミド
を選択する必要がある。例えば、ラクトン樹脂及び脂肪
族ポリエステル樹脂の融点を考慮して、脂肪酸アミドと
しては160℃以下の脂肪酸アミドが選択される。
【0021】脂肪酸アミドの配合割合は、ラクトン樹脂
と脂肪族ポリエステル樹脂の合計100重量部に対して、
脂肪酸アミド0.2〜5重量部、好ましくは0.3〜1.5重量部
の範囲である。脂肪酸アミドの配合割合が0.2重量部未
満ではブロッキング防止効果が少なく、一方5重量部よ
り多いとフィルム等の成形品では滑りも大きくなり過
ぎ、印刷適性、接着性等も悪くなる。
【0022】液状滑剤 本発明の生崩壊性樹脂組成物には、さらに液状滑剤を添
加することができる。上記液状滑剤としては、融点が70
℃以下の、好ましくは常温で液状のものが使用される。
液状滑剤としては、流動パラフィン、パラフィンワック
ス;ステアリルアルコール;ステアリン酸;及びステア
リン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエ
リスリトールテトラステアレート、ステアリルステアレ
ート等のステアリン酸エステル類等が挙げられる。液状
滑剤として最も望ましい流動パラフィンは、経口急性毒
性(ラット)LD50が5g/kgであるので非常に安全であ
り、食品衛生法の食品添加物として認められていて非常
に好都合な材料である。液状滑剤の添加量は、生分解性
樹脂組成物100重量部に対して、液状滑剤0.1〜3重量
部、好ましくは0.3〜0.6重量部である。液状滑剤
を混合する場合は、樹脂を含む全体の系が、上述のそれ
ぞれの固体滑剤の融点以上の時は実用上使用可能である
が、望ましくは室温において液体である流動パラフィン
を使用することが作業上最も良い。
【0023】微粉末シリカ 本発明の生崩壊性樹脂組成物には、さらに微粉末シリカ
を添加することができる。微粉末シリカとしては、湿式
法でつくられたシリカや、四塩化ケイ素の酸水素焔中で
の高温加水分解により製造されたシリカ等が充当される
が、特に粒径が50nm以下のものが好ましい。微粉末
シリカの添加量は、生分解性樹脂組成物100重量部に対
して、微粉末シリカを0.1〜3重量部、好ましくは0.3
〜1.0重量部である。
【0024】タルク 本発明の生崩壊性樹脂組成物には、さらにタルクを添加
することができる。タルクの添加量は、生分解性樹脂組
成物100重量部に対して、タルクを10〜40重量部、好ま
しくは20〜30重量部である。
【0025】本発明の生崩壊性樹脂組成物には、各種の
樹脂添加剤を添加することができる。樹脂添加剤として
は、可塑剤、熱安定剤、増量剤、炭酸カルシウム等の充
填剤、滑剤、着色剤、難燃剤、耐水化剤、流滴剤、自動
酸化剤、紫外線安定剤、架橋剤、抗菌剤、除草剤、酸化
防止剤、脱臭剤、核剤、帯電防止剤、光分解又は生分解
促進剤等を添加することができる。
【0026】ラクトン樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂及
び熱可塑性樹脂と脂肪酸アミド、液状滑剤、微粉末シリ
カ、タルク等の混練方法は、一般的な方法が好ましく使
用でき、具体的にはペレットや粉体、固体の細片等をヘ
ンシェルミキサーやリボンミキサーで乾式混合し、単軸
や2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキ
シングロール等の公知の溶融混合機に供給して溶融混練
することができる。また、液状のラクトン樹脂を添加す
る場合でも、同様の方法で混練することができる。
【0027】本発明により得られる樹脂は、生分解性樹
脂成分の生分解性を損なわず、生分解性樹脂単体よりも
遙かに強い衝撃強度を持つものとなる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。成形
品の物性は次により測定した。テ゛ュホ゜ン 衝撃強度:JIS K7211に準じる。 降伏強度、破断伸度、引張弾性率:JIS K7113に準じ
る。 サンプルの生分解性評価方法は、JIS K6950に準じた活
性汚泥を使用する方法や、土壌中の埋設、海水中や河川
中への浸漬、コンポストでの評価など種々あるが、以下
の実施例では、一般フィールドでの分解性と相関関係が
あるとされるJIS K6950に準じて行った。
【0029】(製造例1)コハク酸ジメチル0.8mol、1,
4-ブタンジオール1.03molを、触媒としてチタンイソプ
ロポキシド0.05molを使用し、初めに常圧、160℃で反応
させて、発生したメタノールを系外へ流出させる。メタ
ノールの流出がなくなったところで反応温度を180℃に
してさらにメタノールを流出させる。メタノールの流出
がなくなったところで、反応温度を200℃にしてさらに
メタノールを流出させる。メタノールの流出がなくなっ
たところでジエチルカーボネートを0.2mol加え、エタノ
ールを流出させる。流出がなくなったところで反応温度
を215℃として反応圧力を0.5torrにし、さらに流出物を
反応系外へ流れさせる。減圧を開始して6時間後にポリ
エステルカーボネート樹脂(脂肪族ポリエステル樹脂)
(I)が得られる。
【0030】(実施例1)ポリエステルカーボネート樹
脂(I)70重量部とポリカプロラクトン(PH7,ダ
イセル化学工業(株)製、数平均分子量70,000)
(II)30重量部に、(I)と(II)の合計100重量
部に対して、0.6重量部のステアリン酸アミド、30
重量部のタルク加えたものを二軸混練押出機で混練、押
出、ペレット化し、生分解性ポリエステル樹脂組成物
(C)を得た。さらに、上記生分解性ポリエステル樹脂組
成物(C)90重量部にゴム変性ポリスチレン系グラフト樹
脂(D)(ダイセル化学工業(株)製)10重量部を二軸混練
押出機で混練、押出、ペレット化して、耐衝撃性の生崩
壊性樹脂組成物(E)を得た。
【0031】(成形物の物性)上記で得た生分解性ポリ
エステル樹脂組成物(C)及び耐衝撃性の生崩壊性樹脂組
成物(E)をTダイによる押出成形により、640mm幅、0.35m
m厚のシートに成形し、その引張強度及びデュポン衝撃
強度を調べた。それらの結果を表1に示す。
【0032】(生分解性試験)上記で得られた生分解性
ポリエステル樹脂組成物(C)及び生崩壊性樹脂組成物(E)
の生分解性試験を行った。試験方法についてはJIS K695
0に準じた活性汚泥を用いた促進試験で行った。結果を
図1に示す。グラフからも判るようにゴム変性スチレン
系樹脂をブレンドしても、いくらか残存物は残るもの
の、生分解性樹脂成分は分解性を阻害されることなく、
良好な生分解性を示している。
【0033】(比較例1)生分解性ポリエステル樹脂組
成物(C)のみを使用して実施例1と同様の成形方法で同
形状のシート(640mm幅,0.35mm厚)を成形した。そして、
実施例1と同様にこのシートの物性及び生分解性を測定
した。結果を表1及び図1に示す。
【0034】(比較例2)ゴム変性ポリスチレン系グラ
フト樹脂(D)のペレットのみを用いて、実施例1と同様
の成形方法で同形状のシート(640mm幅,0.35mm厚)を成形
した。そして、実施例1と同様にこのシートの物性及び
生分解性を測定した。結果を表1及び図1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、生崩壊性樹脂組成物の
耐衝撃性を飛躍的に向上させることができた。ゆえに汎
用樹脂の代替各分野で使用できる可能性が出てきた。ま
た生崩壊性樹脂組成物においては、生分解性樹脂成分の
生分解性はほとんど損なわれることなく良好な分解性を
示した。生分解後、最終的に残る非分解性成分も少量で
あるので、ゴミとして堆積する量が少なく汎用樹脂を使
用することに比べると環境問題の点からも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】各樹脂又は樹脂組成物の活性汚泥による生分解
性の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
●印は本発明の生崩壊性樹脂組成物(E)を示す。 ▲印は生分解性ポリエステル樹脂組成物(C)を示す。 ■印はゴム変性ポリスチレン系グラフト樹脂(D)を示
す。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AE034 AE054 BB123 BB153 BB173 BC033 BN033 BN093 BN123 BN143 BP013 CB003 CF003 CF03W CF09W CF10W CF18W CF19X CG003 CG04W CH073 CH093 CK023 CK03W CL013 CL033 CL063 CN013 CN033 DJ018 DJ049 EC037 EF057 EH037 EH057 EP016 EP026 FD010 FD174 FD176 FD177

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクトン樹脂及び脂肪族ポリエステル樹
    脂からなる生分解性樹脂組成物100重量部、並びに、熱
    可塑性樹脂5〜20重量部からなる生崩壊性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 生分解性樹脂組成物がラクトン樹脂5〜7
    0重量部及び脂肪族ポリエステル樹脂95〜30重量部(こ
    こで、ラクトン樹脂と脂肪族ポリエステル樹脂の合計は
    100重量部である。)からなる請求項1に記載の生崩壊
    性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 生分解性樹脂組成物がラクトン樹脂と脂
    肪族ポリエステル樹脂の合計100重量部に対して、さら
    に脂肪酸アミドを0.2〜5重量部含む請求項1〜2のいず
    れかに記載の生崩壊性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 生分解性樹脂組成物がラクトン樹脂と脂
    肪族ポリエステル樹脂の合計100重量部に対して、さら
    に液状滑剤を0.1〜3重量部含む請求項1〜3のいずれか
    に記載の生崩壊性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 生分解性樹脂組成物がラクトン樹脂と脂
    肪族ポリエステル樹脂の合計100重量部に対して、さら
    に微粉末シリカを0.1〜3重量部含む請求項1〜4のいず
    れかに記載の生崩壊性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 生分解性樹脂組成物がラクトン樹脂と脂
    肪族ポリエステル樹脂の合計100重量部に対して、さら
    にタルクを10〜40重量部含む請求項1〜5のいずれかに
    記載の生崩壊性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂がデュポン衝撃強度10k
    gf・cm/cm2以上(シート厚0.35mm)を有する
    請求項1に記載の生崩壊性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 熱可塑性樹脂がゴム変性スチレン系樹脂
    である請求項7に記載の生崩壊性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 ゴム変性スチレン系樹脂がゴム含量1〜2
    0重量%のゴム変性スチレン系グラフト共重合体である
    請求項8に記載の生崩壊性樹脂組成物。
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