JP2000236894A - ラディシコールの製造方法 - Google Patents

ラディシコールの製造方法

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JP2000236894A
JP2000236894A JP11041499A JP4149999A JP2000236894A JP 2000236894 A JP2000236894 A JP 2000236894A JP 11041499 A JP11041499 A JP 11041499A JP 4149999 A JP4149999 A JP 4149999A JP 2000236894 A JP2000236894 A JP 2000236894A
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JP11041499A
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Akihito Nagamura
聡仁 長村
Noboru Fujii
昇 藤井
Tetsuo Nishimura
哲夫 西村
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Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便かつ安価に、高純度のラディシコール
を工業的規模で製造することができる方法を提供する。 【解決手段】 ラディシコールの製造方法または精製方
法であって、下記の工程:(1)ラディシコール産生菌を
培養した培養液に塩基を加えて培養液をpH7.0以上
に調整する工程;(2)該培養液中に含まれるラディシコ
ールの塩基付加塩を合成吸着剤に吸着させた後、有機溶
媒又は含水有機溶媒で該塩基付加塩を溶出する工程;及
び(3)溶出液中に含まれる該塩基付加塩を中和処理によ
り遊離形態のラディシコールに変換する工程を含む方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗真菌作用等の生
理活性を有するラディシコールの製造方法に関するもの
である。より具体的には、本発明は、ラディシコール産
生菌の培養液から簡便に高純度のラディシコールを製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ラディシコールは下記の式(I)で表さ
れる生理活性物質であり、抗真菌作用[ネイチャー(Nat
ure),171,344(1953)]、抗癌作用(特公
昭43−8718号公報)、血管新生阻害作用(特開平
6−279279号公報)、免疫抑制作用(特開平6−
298764号公報)等の薬理作用を有することが知ら
れている。
【化2】
【0003】従来、ラディシコールはモノスポリウム(M
onosporium)属に属するラディシコール産生菌等を用い
た微生物学的な製造方法により生産されている。培養液
からラディシコールを分離・精製する方法としては、微
生物培養液又は微生物菌体に酢酸エチル等の有機溶媒を
添加してラディシコールを抽出した後、シリカゲル等の
担体を用いた順相系又は逆相系カラムクロマトグラフィ
ーを組み合わせて目的物を分離し、溶出液を濃縮して粗
結晶を得る方法が知られている(特公昭43−8718
号公報)。しかしながら、この方法では、水と混和した
有機溶媒に対してラディシコールの溶解度が低いため
に、抽出に大量の有機溶媒が必要になるという問題があ
る。また、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる
精製では、多量のシリカゲルと有機溶媒を使用しなけれ
ばならないことも問題である。
【0004】別の精製方法として、培養上澄を塩酸等で
pH2に調整し、塩化メチレン等の有機溶媒により目的
物を抽出した後、その抽出液をベンゼン−アセトンに溶
解してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、その溶出液から目的物を結晶化させる方法が知られ
ている[ジャーナル・オブ・ナチュラル・プロダクツ
(Journal of Natural Products),42,374(1
979)]。しかしながら、この方法は工程数が多く、
また、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用する
ために大量のシリカゲルと有機溶媒を必要とする点で特
公昭43−8718号に記載された方法と同じ問題を有
していることから、この方法も工業的に満足できる方法
とは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段】本発明の課題は、ラディシコールの効率的な製
造方法または精製方法を提供することにある。より具体
的には、簡便かつ安価に、高純度のラディシコールを工
業的規模で製造することができる方法を提供することが
本発明の課題である。本発明者らは上記の課題を解決す
べく鋭意研究を行った結果、ラディシコール産生菌の培
養液を塩基性に調整し、ラディシコールを水可溶性の塩
基付加塩として培養液から分離することにより、有機溶
媒を大量に使用することなく、簡便かつ効率的に高純度
のラディシコールを製造できることを見出した。本発明
は上記の知見を基にして完成された。
【0006】すなわち本発明は、下記の式(I)で表さ
れるラディシコールの製造方法または精製方法であっ
て、
【化3】 下記の工程: (1)ラディシコール産生菌を培養した培養液に塩基を加
えて培養液をpH7.0以上に調整する工程; (2)該培養液中に含まれるラディシコールの塩基付加塩
を合成吸着剤に吸着させた後、有機溶媒又は含水有機溶
媒で該塩基付加塩を溶出する工程;及び (3)溶出液中に含まれる該塩基付加塩を中和処理により
遊離形態のラディシコールに変換する工程を含む方法を
提供するものである。
【0007】上記発明の好ましい態様によれば、培養液
をpH7.5〜10、より好ましくはpH8〜9に調整
する上記方法;塩基としてアルカリ金属水酸化物、好ま
しくは水酸化ナトリウムを用いる上記方法;合成吸着剤
が非イオン性多孔性樹脂、好ましくはダイヤイオンSP
207である上記方法;ラディシコール産生菌がペニシ
リウム(Penicillium)属に属する菌、より好ましくは
ペニシリウム ルテオ−アウランチウム(Penicillium
luteo-aurantium)である上記方法;及び、溶出に有機
溶媒、好ましくはメタノールを用いる上記方法が提供さ
れる。
【0008】別の観点からは、ラディシコール産生菌を
培養した培養液からラディシコールを塩基付加塩として
分離する工程を含むラディシコールの製造方法が提供さ
れる。この方法の好ましい態様によれば、培養液に塩基
を加えてpH7.0以上、好ましくはpH7.5〜1
0、より好ましくはpH8〜9に調整することにより塩
基付加塩に変換する上記方法; 塩基付加塩としてアル
カリ金属付加塩、好ましくはナトリウム塩を用いる上記
方法;合成吸着剤、好ましくは非イオン性多孔性樹脂、
より好ましくはダイヤイオンSP207により塩基付加
塩を分離する上記方法;ラディシコール産生菌がペニシ
リウム(Penicillium)属に属する菌、より好ましくは
ペニシリウム ルテオ−アウランチウム(Penicillium l
uteo-aurantium)である上記方法;及び、合成吸着剤に
より塩基付加塩を分離する方法であって、合成吸着剤よ
り塩基付加塩の溶出に有機溶媒、好ましくはメタノール
を用いる上記方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】ラディシコール産生菌としては、
ラディシコール生産能を有する微生物であればいかなる
ものを用いてもよく、その種類は特に限定されない。例
えば、モノスポリウム ボノルデン(Monosporium bonor
den)[ネイチャー(Nature),171,344(195
3):IFO8176等]、ヒュミコラ グリシア ト
ライエン(HumicolagriseaTraaen)(特公昭43−871
8号公報)、ペニシリウム ルテオ−アウランチウム(P
enicillium luteo-aurantium)[ジャーナル・オブ・ナ
チュラル・プロダクツ(Journal of Natural Product
s),42,374(1979):NRRL3130、
NRRL3131等]、サイリンドロカルポン ラジシ
コーラ(Cylindrocarponradicicola)[トランスアクショ
ンズ・ザ・ブリティッシュ・マイコロジカル・ソサイエ
ティ(Trans. Br. Mycol. Soc.),49,563(19
66)]等を用いることができるが、中でもペニシリウ
ム(Penicillium)属に属するものが好ましい。ラディシ
コール産生菌の培養に用いる栄養培地の種類も特に限定
されず、該産生菌の培養に通常用いられている培地はい
ずれも利用可能である。例えば、通常の糸状菌の培養に
用いられている栄養培地等を用いることができる。
【0010】ラディシコール産生菌の培養方法は特に限
定されないが、液体培養、特に深部攪拌培養法が適して
いる。培養温度は好ましくは20〜40℃、より好まし
くは25〜30℃程度であり、好ましくはpH3〜9、
より好ましくはpH3〜7の弱酸性付近で培養を行なう
ことが望ましい。培養液中のラディシコール濃度が最大
となったところで培養を停止し、精製に用いる培養液を
得ることができる。培養液に含まれるラディシコールの
濃度は特に限定されないが、0.1〜2.0g/Lであ
ることが好ましく、0.5〜1.0g/Lであることが
より好ましい。
【0011】本発明の方法は、上記のようにして得た培
養液に塩基を添加し、培養液中に含まれるラディシコー
ルを塩基付加塩に変換した後、該塩基付加塩を該培養液
から分離する工程を含むことを特徴としている。培養液
中に添加する塩基の種類は特に限定されず、ラディシコ
ールの水溶性塩基付加塩を生成できるものであれば、い
かなる塩基を用いてもよい。塩基としては、例えば、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化
物、水酸化アルミニウム等の三価の金属水酸化物;アン
モニア;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金
属炭酸塩;炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属炭酸
塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカ
リ金属炭酸水素塩;ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピ
ペリジン、ピペラジン等の有機アミン等を挙げることが
できる。これらを2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、アルカリ金属水酸化物が好ましい。
【0012】培養液に塩基を添加し、培養液をpH7.
0以上、好ましくはpH7.5〜10、より好ましくは
pH8〜9に調整することにより、培養液中のラディシ
コールを塩基付加塩に変換することができる。塩基は固
体のまま添加してもよいが、適宜の濃度の水溶液として
添加することもできる。塩基を添加した直後の培養液を
次の分離工程に用いてもよいが、例えば、必要量の塩基
を添加して塩基性に調整された培養液を好ましくは10
〜40℃、より好ましくは20〜30℃で、好ましくは
10〜60分間、より好ましくは15〜30分間攪拌し
た後、塩基付加塩の分離を行なうことが望ましい。この
処理を行なうと、培養液中で不溶化していたラディシコ
ールが水溶性の塩基付加塩に変換され、回収率を高める
ことができる場合がある。
【0013】培養液中で生成したラディシコールの塩基
付加塩の分離方法は特に限定されないが、例えば、合成
吸着剤を用いることによって効率的に分離を行なうこと
ができる。一般的には、カラムに合成吸着剤を充填した
後、培養液を通塔させることによって、該塩基付加塩を
合成吸着剤に吸着させることができる。また、培養液中
に直接合成吸着剤を加え、攪拌等を行うバッチ方式によ
っても、該塩基付加塩を合成吸着剤に吸着させることが
できる。合成吸着剤に該塩基付加塩を吸着させるにあた
っては、微生物菌体が懸濁した状態の培養液をそのまま
用いてもよいが、一般的には、微生物菌体を分離した後
の培養液を用いることが望ましい。微生物菌体の分離
は、通常の分離操作、例えば、濾過、遠心分離、膜分離
等、好ましくは濾過により行うことができる。濾過は、
例えばヌッチェ、フィルタープレス、バスケット分離機
等で行うことができる。
【0014】合成吸着剤の種類は特に限定されず、塩基
性に調整された培養液中のラディシコール塩基付加塩を
吸着することができ、かつ適宜の溶離液により吸着され
た該塩基付加塩を溶出できるものであれば、いかなるも
のを用いてもよい。例えば芳香族系HPシリーズ、芳香
族系SP800シリーズ、芳香族系修飾型SP200シ
リーズ、アクリル系HPMGシリーズ(以上、三菱化学
株式会社製: ダイヤイオン イオン交換樹脂 合成吸
着剤マニュアル 第12版 三菱化学株式会社イオン交
換樹脂部編集 平成9年9月10日発行 参照)、芳香
族系XAD−2、XAD−4、アクリル系XAD−7、
XAD−8(以上、ロームアンドハース社製)等の非イ
オン性多孔性樹脂を用いることができる(ここで非イオ
ン性多孔性樹脂とは、イオン交換基のような官能基を持
たず、ファンデルワ−ルス力により種々の有機物を吸着
する樹脂を意味する)。好ましくはダイヤイオンSP2
07(三菱化学株式会社製)等のスチレンとジビニルベ
ンゼンを含むビニル系モノマーを共重合させて得られる
樹脂を用いることができる。
【0015】ラディシコールの塩基付加塩を吸着した合
成吸着剤を洗浄した後、適宜、有機溶媒又は含水有機溶
媒を溶離液として用いて、吸着された該塩基付加塩を溶
出することができる。この場合、有機溶媒としては、水
溶性有機溶媒が好ましい。水溶性有機溶媒とは、室温に
て水に5容量%以上溶解する有機溶媒を意味する。洗浄
には、水のほか、上記塩基の水溶液を用いることができ
るが、塩基の濃度は、好ましくは0.01〜0.05規
定、より好ましくは0.015〜0.02規定程度であ
る。例えば、上記濃度のアルカリ金属水酸化物の水溶液
を用いて洗浄を行なうことが好ましい。水及び塩基水溶
液を適宜組み合わせて洗浄を行なうこともでき、2種以
上の塩基水溶液、又は2種以上の濃度の塩基水溶液を適
宜組み合わせてもよい。溶離液としては、水溶性有機溶
媒が好ましく、2種以上の有機溶媒を混合して用いても
よく、適宜の量の水を加えた含水有機溶媒を溶離液とし
て用いてもよい。有機溶媒としては、例えば、アセト
ン、メタノール、エタノール、プロパノール等を挙げる
ことができ、好ましくはメタノールを用いることができ
る。
【0016】ラディシコールの塩基付加塩を含む溶出液
を中和処理に付した後、適宜の分離方法により遊離形態
のラディシコールを単離することができる。中和処理は
特に限定されないが、例えば、上記溶出液に塩酸、硫酸
等の酸を添加して、pH7.0以下、好ましくはpH5
〜7、より好ましくはpH6〜6.5に調整することに
より行われる。処理後の溶液を常圧または減圧下で濃縮
あるいは冷却することにより、遊離形態のラディシコー
ルを析出させることができる。減圧下で濃縮する場合、
好ましくは700〜760mmHg、より好ましくは7
20〜760mmHg程度の減圧下に、温度を好ましく
は30〜80℃、より好ましくは40〜50℃程度とし
て、ラディシコールの飽和濃度以上となるまで溶液の濃
縮を行うことが好ましい。得られた濃縮液からラディシ
コールを析出させる温度は、好ましくは20〜30℃、
より好ましくは20〜25℃である。また、中和後の溶
液を濃縮乾固した後、残渣を有機溶媒に溶解し、必要に
応じて常圧または減圧濃縮することによって、有機溶媒
からラディシコールを析出させることができる。添加す
る有機溶媒としては水溶性有機溶媒が好ましく、例え
ば、メタノール、エタノール、アセトン等を用いること
ができ、メタノールがより好ましい。また、結晶を析出
させるために、適宜、種晶等を用いてもよい。
【0017】析出したラディシコールは、濾過や乾燥等
の通常の操作により単離することができ、必要に応じ
て、得られた結晶をメタノール、エタノール、アセトン
等から再結晶して、純度を向上させることができる。な
お、上記の式で表されるラディシコールは不斉炭素を有
しており、光学活性体やジアステレオ異性体等の立体異
性体が存在するが、本発明の方法は全ての立体異性体や
その混合物の製造に用いることができる。
【0018】本発明の方法により、大量の有機溶媒やシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を必要と
することなく、高い純度のラディシコールを製造または
精製することができる。また、本発明の方法は、有機溶
媒として水溶性有機溶媒のみを用いても、実施可能であ
り、その場合は、従来の方法のように酢酸エチル、ベン
ゼン、クロロホルム、トルエン等の非水溶性有機溶媒の
使用をしなくとも、高い純度のラディシコールの製造ま
たは精製をすることが可能である。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。 例1 参考例1と同様にして得た培養液10Lを10規定水酸
化ナトリウム水溶液でpH8.5に調整した後、ヌッチ
ェで濾過し、微生物菌体を取り除いた濾液を得た。濾液
7Lには4.2gのラディシコールが含まれていた。得
られた濾液を合成吸着剤(三菱化学株式会社製ダイヤイ
オンSP207)を充填したカラム(400mL容)に
流速SV[合成吸着剤(重量)当たりの1時間の溶出液
量(重量)]3で通塔させた後、1.2Lの0.02規
定水酸化ナトリウム水溶液及び1.2Lの水で順次洗浄
した。次いで、1.6Lの100%メタノールで溶出を
行った。ラディシコールのナトリウム塩を含むカラム溶
出液を濃塩酸でpH6.5に調整し、遊離形態のラディ
シコールに変換した。得られた反応液を25mLまで濃
縮し、濃縮液を25℃で24時間放置した後、濾過して
純度95%のラディシコール粗結晶を75%の回収率で
得た(純品換算で3.2g)。このラディシコールの粗
結晶をメタノールによる再結晶操作に付し、純度98%
のラディシコールを回収率90%で得た(純品換算で
2.8g)。
【0020】例2 ラディシコールを含む中和反応液を濃縮乾固した後、残
渣を1Lのメタノールに溶解し、さらに25mLまで濃
縮して濃縮液を得る以外は、例1と同様にしてラディシ
コールを製造した。この結果、純度95%のラディシコ
ール粗結晶が75%の回収率で得られた(純品換算で
3.2g)。
【0021】例3 微生物菌体を含んだ抽出液を濾過せずに直接カラムに通
した以外は、例1と同様にしてラディシコールを製造し
た。この結果、純度95%のラディシコール粗結晶が7
0%の回収率で得られた(純品換算で2.9g)。この
ラディシコールの粗結晶をメタノールによる再結晶操作
に付し、純度98%のラディシコールを回収率90%で
得た(純品換算で2.6g)。
【0022】例4 参考例2と同様にして得た培養液10Lを10規定水酸
化ナトリウム水溶液でpH8.5に調整した後、ヌッチ
ェで濾過し、微生物菌体を取り除いた濾液を得た。濾液
7Lには4.2gのラディシコールが含まれていた。得
られた濾液を合成吸着剤(三菱化学株式会社製ダイヤイ
オンSP207)を充填したカラム(400mL容)に
流速SV3で通塔させた後、1.2Lの0.02規定水
酸化ナトリウム水溶液、及び1.2Lの水で順次洗浄し
た。次いで、1.6Lの100%メタノールで溶出を行
った。ラディシコールのナトリウム塩を含むカラム溶出
液を濃塩酸でpH6.5に調整し、遊離形態のラディシ
コールに変換した。得られた反応液を25mLまで濃縮
し、濃縮液を25℃で24時間放置した後、濾過して純
度95%のラディシコール粗結晶を75%の回収率で得
た(純品換算で3.2g)。このラディシコールの粗結
晶をメタノールによる再結晶操作に付し、純度98%の
ラディシコールを回収率90%で得た(純品換算で2.
8g)。
【0023】例5 ラディシコールを含む中和反応液を濃縮乾固した後、1
Lのメタノールに溶解し、さらに25mLまで濃縮して
濃縮液を得る以外は、例4と同様にしてラディシコール
を製造した。この結果、純度95%のラディシコール粗
結晶が75%の回収率で得られた(純品換算で3.2
g)。
【0024】例6 微生物菌体を含んだ抽出液を濾過せずに直接カラムに通
す以外は例4と同様にしてラディシコールを製造した。
この結果、純度95%のラディシコール粗結晶が70%
の回収率で得られた(純品換算で2.9g)。このラデ
ィシコールの粗結晶をメタノールによる再結晶操作に付
し、純度98%のラディシコールを回収率90%で得た
(純品換算で2.6g)。
【0025】参考例1 種菌としてペニシリウム ルテオ−アウランチウム(Pen
icillium luteo-aurantium)を用いた。該菌株を2L容
エルレンマイヤーフラスコ中の種培地(グルコース10
g/L、ペプトン5g/L、乾燥酵母5g/L、野菜ジ
ュース200g/L、りん酸三マグネシウム0.5g/
L、殺菌前にpH6.0に調整)300mLに植菌し、
30℃で48時間振とう(220rpm)培養した。こ
の種培養液1.8Lを30L容ステンレス製ジャーファ
ーメンター中の主醗酵培地(シュークロース70g/
L、コーンスチープリカー30g/L、硫酸マグネシウ
ム0.5g/L、リン酸二水素一カリウム0.5g/
L、りん酸三マグネシウム0.5g/L、殺菌前にpH
7.0に調整)18Lに植菌し、25℃で、5日間通気
攪拌培養(回転数270rpm、通気量18L/分)を
行った。該培養液10Lを10規定水酸化ナトリウムで
pH8.5に調整した後、ヌッチェで濾過し、微生物菌
体を取り除いた濾液を得た。濾液7Lには4.2gのラ
ディシコールが含まれていた。
【0026】参考例2 種菌としてペニシリウム(Penicillium)属に属する菌を
用い、参考例1と同様の方法によりラディシコールを含
む培養液を得た。該培養液10Lを10規定水酸化ナト
リウム水溶液でpH8.5に調整した後、ヌッチェで濾
過し、微生物菌体を取り除いた濾液を得た。濾液7Lに
は4.2gのラディシコールが含まれていた。
【0027】
【発明の効果】本発明により、大量の有機溶媒を使用す
ることがなく、簡便に高い純度のラディシコールを高い
回収率で得ることができる工業的な規模に適したラディ
シコールの製造方法または精製方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:80) (72)発明者 西村 哲夫 山口県防府市協和町1番1号 協和醗酵工 業株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4B064 AE59 CA05 CE09 CE20 DA01 DA02 DA05 4C071 AA01 AA07 BB01 BB05 CC12 DD33 EE02 FF18 GG01 HH01 HH05 HH08 KK17 LL01 4C086 AA04 CA03 ZB08 ZB26 ZB35 ZC02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(I)で表されるラディシコー
    ルの製造方法であって、 【化1】 下記の工程: (1)ラディシコール産生菌を培養した培養液に塩基を加
    えて培養液をpH7.0以上に調整する工程; (2)該培養液中に含まれるラディシコールの塩基付加塩
    を合成吸着剤に吸着させた後、有機溶媒又は含水有機溶
    媒で該塩基付加塩を溶出する工程;及び (3)溶出液中に含まれる該塩基付加塩を中和処理により
    遊離形態のラディシコールに変換する工程を含む方法。
  2. 【請求項2】 培養液をpH7.5〜10に調整する請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 培養液をpH8〜9に調整する請求項2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 塩基としてアルカリ金属水酸化物を用い
    る請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 合成吸着剤が非イオン性多孔性樹脂であ
    る請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 ラディシコール産生菌を培養した培養液
    からラディシコールを塩基付加塩として分離する工程を
    含むラディシコールの製造方法。
  7. 【請求項7】 培養液に塩基を加えてpH7.0以上に
    調整することにより塩基付加塩に変換する工程を含む請
    求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 培養液に塩基を加えてpH7.5〜10
    に調整することにより塩基付加塩に変換する工程を含む
    請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 塩基付加塩としてアルカリ金属付加塩を
    用いる請求項6から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 合成吸着剤により塩基付加塩を分離す
    る請求項6から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 合成吸着剤が非イオン性多孔性樹脂で
    ある請求項10に記載の方法。
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