JP2000239409A - ポリカーボネート樹脂シートの成形方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂シートの成形方法

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JP2000239409A
JP2000239409A JP11038461A JP3846199A JP2000239409A JP 2000239409 A JP2000239409 A JP 2000239409A JP 11038461 A JP11038461 A JP 11038461A JP 3846199 A JP3846199 A JP 3846199A JP 2000239409 A JP2000239409 A JP 2000239409A
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roll
sheet
metal
resin sheet
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Ikuro Aoki
育朗 青木
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Teijin Ltd
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 0.5mm以下の薄肉シートでの表面性と厚
さムラを改良するとともに、さらに複屈折が小さい平面
性に優れたポリカーボネート樹脂シートを提供する。 【解決手段】 弾性変形が可能な金属薄膜をロール外層
に有するフレキシブルロールと鏡面を有する金属ロール
とでポリカーボネート樹脂を挟圧しつつ冷却してポリカ
ーボネート樹脂シートを成形する方法において、該ポリ
カーボネート樹脂シートの厚さT(μm)と挟圧時間S
(秒)とが2.00×10-4≦S/T≦3.90×10
-3を満足し、且つ引取速度が4〜30m/分であること
を特徴とするポリカーボネート樹脂シートの成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面性に優れた厚
さムラが少ない、その上複屈折が小さいポリカーボネー
ト樹脂シートの成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリカーボネート樹脂シートを製
造するには、ポリカーボネート樹脂を溶融状態でTダイ
を通して押出成形する方法が実施されているが、この場
合、Tダイにより押出成形された樹脂を、金属製冷却ロ
ールを用いて片面圧着することにより、シートを製造す
るのが一般的な方法であった。
【0003】しかしこの方法では、金属製冷却ロール側
は平滑面を有しているが、金属製冷却ロールと反対側の
面の表面にはダイラインが表われたり、樹脂原料の未溶
融物の粒状塊がシート表面に小さい突起として表われた
りして、平滑な表面仕上げを達成することができないと
いう問題があった。
【0004】またシートの表面を平滑に仕上げる方法と
して、いわゆるバンク法が知られている。この方法は、
シート状に加工した後のポリカーボネート樹脂シートを
一対の金属ロール間を通して、ロール間の圧力によって
樹脂を押圧し、シート表面を平滑に仕上げるというもの
である。
【0005】この方法は、樹脂シートの厚みが0.5m
mを越えて大きい場合には、ロール間に挾持された樹脂
が、肉厚方向へ若干のクッション性を有するのでバンク
が幅方向で若干不均一であってもシートの全幅にわたっ
てロール表面にほぼ均一に押し付けることができ、平滑
性のあるシートを製造することが可能であるが、樹脂シ
ートの厚みが0.5mm以下のいわゆる薄物である場合
には、ロール間に挾持された樹脂の肉厚方向へのクッシ
ョン性が少ないので、バンクのある部分は金属ロール表
面に押し付けられるものの、バンクのない部分は金属ロ
ールの表面で押し付けられないので、シートの幅方向で
部分的に表面が平滑でなくなるという問題がある。
【0006】また、ロール間の圧力で樹脂を押圧するた
め、複屈折が大きくなる欠点を有していた。
【0007】従来、厚みが0.5mm以下である樹脂シ
ートの成形法として、一方を金属製ロールとし、他方を
ゴムロールとして、両ロール間に樹脂を挾んで成形する
方法も知られているが、この場合には、ゴムの表面の粗
さがそのまゝ樹脂シートの表面に転写され、シート表面
に曇りが生じて、シートの透明性が損なわれるという問
題があった。
【0008】特許2742821号公報には、図3に示
す様に金属製冷却ロール16、金属製ロール芯の周囲に
弾性層を介して金属箔製筒体を被覆したタッチロール1
1とバックアップ冷却ロール12からなる製膜機で表面
性の良好なポリカーボネート樹脂シートを製膜する方法
が開示されている。かかる方法の弾性層14は固体のゴ
ム層で、厚さが1〜3mmと薄い層で形成されている。
その為、この弾性層の厚さ方向への変形は高々0.数m
m程度であり、ポリカーボネート樹脂とタッチロールと
の接触は通常短時間に制限される。この短時間での接触
ではポリカーボネート樹脂シートの表面性は改良される
が、複屈折が大きくなる欠点を有していた。なお、複屈
折を小さくするために引取速度を遅くすることによりポ
リカーボネート樹脂とタッチロールとの接触時間を長く
することも可能であるが、その場合生産性が非常に悪
く、工業的規模で生産するには実用的でない。また、長
期間運転を続けると押出機やダイス中に樹脂が滞留し、
滞留ヤケや異物・ゲルが発生し、シートの色相が悪くな
ったり、シート中に異物・ゲルが多発する上に表面の粗
れが起こる。
【0009】また、タッチロールの表面温度コントロー
ルは、金属製ロール芯の内部の水等を用いた冷却装置に
より、弾性層を介して行なっているが、熱伝導率の悪い
弾性層を介するため、温度コントロールは困難である。
さらに線膨張係数の異なる弾性体と金属が接着されてい
るので、長期間運転すると弾性層と金属が剥離を生じて
しまい、長期生産性が悪いという欠点があった。
【0010】国際公開特許WO97/28950号公報
には金属ロールと金属製弾性外筒を有するロールで熱可
塑性樹脂を挾持し、表面性の良好なシートを製膜するた
めの成形用ロールが開示されている。その実施例には具
体的にバンクマークがなく、表面平滑性の良好なPPシ
ートの製膜例が例示されている。しかしPP樹脂はその
溶融粘度が低く、特に樹脂と金属製弾性外筒との接触時
間を制御する必要がなかった。
【0011】しかしながら溶融粘度の高いポリカーボネ
ート樹脂において、上記方法を採用したところ、表面性
は改良されるものの、厚さムラや複屈折の大きさがバラ
バラなものしか得られなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリカーボネート樹
脂シートの厚さT(μm)と狭圧時間S(秒)とが2.
00×10-4≦S/T≦3.90×10-3望ましくは
3.00×10-4≦S/T≦3.00×10-3を満足す
る範囲で表面性が良好で厚さムラや複屈折が小さいポリ
カーボネート樹脂シートが得られることを見い出し本発
明に到達した。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、弾性変形が可
能な金属薄膜をロール外層に有するフレキシブルロール
と鏡面を有する金属ロールとでポリカーボネート樹脂を
挟圧しつつ冷却してポリカーボネート樹脂シートを成形
する方法において、該ポリカーボネート樹脂シートの厚
さT(μm)と挟圧時間S(秒)とが2.00×10-4
≦S/T≦3.90×10-3を満足し、且つ引取速度が
4〜30m/分であることを特徴とするポリカーボネー
ト樹脂シートの成形方法、によって達成される。
【0014】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明で使用されるポリカーボネート樹脂は通常エ
ンジニアリング樹脂として使用される樹脂であり、二価
フェノールとカーボネート前駆体を溶媒中(界面重合
法)あるいは溶融状態(エステル交換法)で反応させて
得られる芳香族ポリカーボネート樹脂である。
【0015】ここで使用する二価フェノールの代表的な
例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキジ
フェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノール
A)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)
フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビ
ス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}
プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒ
ドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−
ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジ
メチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル)フルオレ
ン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−
ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,
α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプ
ロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
ケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルお
よび4,4’−ジヒドロキシジフエニルエステル等があ
げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用で
きる。好ましい二価フェノールはビス(4−ヒドロキシ
フェニル)アルカンであリ、なかでもビスワエノールA
が特に好ましい。
【0016】このポリカーボネート樹脂の製造方法につ
いて基本的な手段を簡単に説明する。カーボネート前駆
物質として例えばホスゲンを使用うする溶媒法(界面重
合法)の場合、通常酸結合剤および溶媒の存在下に反応
を行う。酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン
等のアミン化合物が用いられる。溶媒としては例えば塩
化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が
用いられる。また反応促進のために例えば第三級アミン
または第四級アンモニウム塩等の触媒を用いることもで
きる。その際、反応温度は通常0〜40℃てあり、反応
時間は数分〜5時間である。また、カーボネート前駆体
としてはカルボニルハライド、カルボニルエステルまた
はハロホルメード等が挙げられ、具体的にはホスゲン、
ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジハロホル
メード及びそれらの混合物である。
【0017】カーボネート前駆物質として炭酸ジエステ
ルを用いるエステル交換反応(溶融法)は、不活性ガス
雰囲気下所定割合の二価フェノール成分を炭酸ジエステ
ルと加熱しながら攪拌して、生成するアルコールまたは
フェノール類を留出させる方法によリ行われる。反応温
度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点等に
よリ異なるが、通常120〜300℃の範囲である。反
応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたは
フェノール類を留出させながら反応を完結させる。また
反応を促進するために通常エステル交換反応に使用され
る触媒を使用することもできる。前記エステル交換反応
に使用される炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニ
ルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフ
ェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられ
る。これらのうち特にジフェニルカーボネートが好まし
い。
【0018】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を反応させて芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに
当たリ、二価フェノールは単独または2種以上を使用す
ることができ、またポリカーボネート樹脂は三官能以上
の他官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネ
ート樹脂であっても、2種以上の芳香族ポリカーボネー
ト樹脂の混合物であってもよい。また、必要に応じて触
媒、分子量調節剤、酸化防止剤を使用してもよい。
【0019】ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平
均分子量で表して一般に10,000〜40,000、
好ましくは15,000〜30,000である。本発明
でいう粘度平均分子量(M)は塩化メチレン100m1
にポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶
液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたも
のである。 ηsp/C=[η]十0.45×[η]2C [η]=1.23×10-40.83 (但し[η]は極限粘度であり、Cはポリマー濃度で
0.7である。)
【0020】また、ポリカーボネート樹脂には必要に応
じて例えば亜燐酸エステル、燐酸エステル、ホスホン酸
エステル等の熱安定剤(0.001〜0.1重量%)、
トリアゾール系、アセトフェノン系、サリチル酸エステ
ル系等の紫外線吸収剤(0.1〜0.7重量%) 、テト
ラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノー
ルAの低分子量ポリカーボネート、デカブロモフェニル
エーテル等の難燃剤(3〜15重量%)、染料、カーボ
ンブラック、酸化チタン等の着色剤(0.001〜10
重量%)、クマリン、ナフタルイミド、オキサゾール化
合物等の蛍光増白剤(0.01〜0.1重量%)、帯電
防止剤、不活性微粒子(炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化珪素、不融性アクリル重合体、不融性スチレン
重合体等)等を配合してもよい。不活性微粒子の大きさ
は、コ−ルターカウンター法で測定した重量分布平均粒
径が5〜50μmの範囲が好ましい。不活性微粒子の配
合量は0.1〜5重量%である。
【0021】弾性変形が可能な金属薄膜をロール外層に
有するフレキシブルロールと鏡面を有する金属ロールと
でポリカーボネート樹脂を挟圧しつつ冷却してポリカー
ボネート樹脂シートを製造する方法を図1により説明す
る。
【0022】図1中1はTダイス、2は溶融ポリカーボ
ネート樹脂、3は弾性変形が可能な金属薄膜をロール外
層に有するフレキシブルロール(以下、フレキシブルロ
ールと略称する。)、4は鏡面を有する金属ロールであ
る。押出機によりポリカーボネート樹脂を混練溶融し、
Tダイス1を通してシート状に押し出す。溶融状態で押
し出されたシートは、鏡面を有する金属ロール4と弾性
変形が可能な金属薄膜をロール外層に有するフレキシブ
ルロール3で挟圧開始位置5と挟圧終了位置6の間で挟
圧されて、表面性が良好で厚さムラや複屈折が小さいポ
リカーボネート樹脂シートが得られる。
【0023】鏡面を有する金属ロール2は、ステンレス
鋼や鋼製ロールの表面にクロムメッキが施されたもので
あり、通常、オイル、水等を用いた冷却手段が内蔵せら
れている。鏡面を有する金属ロールの表面温度は、10
0〜180℃に設定することが好ましい。
【0024】弾性変形が可能な金属薄膜をロール外層に
有するフレキシブルロール3は、図2に示す様に外層か
ら金属薄膜7(鋼、ステンレス鋼、銅等の金属板或いは
これらにニッケル等をメッキしたもの)、液状媒体層8
およびプラスチック製弾性体層9を有する金属ロール層
10から構成されている。ここで金属薄膜7は、溶接継
ぎ部のないシームレス構造であることが好ましい。ま
た、金属薄膜7の厚さは100μ〜500μの範囲が好
ましく、金属薄膜7が十分な弾性変形するためには20
0μ〜300μの範囲がより好ましい。金属薄膜がポリ
カーボネート樹脂と接触する表面は鏡面に仕上げてあ
り、その表面粗さは0.5S以下が好ましく、更に好ま
しくは0.1S以下である。
【0025】プラスチック製弾性体層9は、金属ロール
層10に例えばEPDM(エチレンプロピレンゴム)、
ネオプレンゴム、シリコンゴム等を被覆したもので、金
属薄膜7に対しオフセットして配する。プラスチック製
弾性体層9をオフセットして配したことにより生じる空
間を液状媒体層8で満たし、かつ、この液状媒体層8の
温度を管理することにより金属薄膜7の表面温度を長期
間安定的に制御することが可能となる。液状媒体層8は
オイル、水等が用いられる。
【0026】フレキシブルロールの表面温度は、100
〜180℃に設定することが好ましい。この温度に保つ
ことにより、鏡面を有する金属ロールとフレキシブルロ
ールとで溶融ポリカーボネート樹脂シートを十分挟圧で
き、ポリカーボネート樹脂シートの表面が良好になる。
【0027】表面性が良好で厚さムラや複屈折が小さい
ポリカーボネート樹脂シートを得るには、ポリカーボネ
ート樹脂シートの厚さT(μm)と挟圧時間S(秒)と
が2.00×10-4≦S/T≦3.90×10-3望まし
くは3.00×10-4≦S/T≦3.00×10-3を満
足する範囲で製造する。S/Tが2.00×10-4未満
だと挟圧時間が短すぎ、複屈折が大きくなる。またS/
Tが3.90×10-3を越えると挟圧時間が長くなりす
ぎるため、ポリカーボネート樹脂シート表面の温度が低
くなりすぎ、金属ロールから剥離する時に、剥離模様が
生じる。
【0028】引取速度は、4〜30m/分、望ましくは
5〜20m/分の範囲で製造する。引取速度が4m/分
未満だと生産性が悪く、工業的規模で安価なポリカーボ
ネート樹脂シートの供給が不可能になり、長期間運転を
続けると押出機やダイス中に樹脂が滞留し、滞留ヤケや
異物・ゲルが発生し、シートの色相が悪くなったり、シ
ート中に異物・ゲルが多発する上に表面の粗れが起こ
る。また引取速度が30m/分を越えると挟圧時間が短
くなりずぎ、複屈折低減効果が十分発揮されない。
【0029】かくして得られるポリカーボネート樹脂シ
ートの厚みは100〜500μmである。厚みが100
μm未満だとTダイスとロール間のエアーギャップでの
溶融樹脂の冷却速度が早くなるため転写不十分になり表
面性の良いシートが得られにくくなる。また500μm
を越えると挟圧中に十分冷却されないため、挟圧終了後
にも収縮が発生し、複屈折が高くなることがある。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に実施例をあげて説明する。
尚、評価項目及び方法は以下の通りである。また、挟圧
時間は、シートが挟圧開始位置5から挟圧終了位置6の
間で、フレキシブルロールと鏡面を有する金属ロール間
で挟圧されている時間である。
【0031】(1)表面粗さ JIS B−0601の試験方法に従って東京精密
(株)表面粗さ計サーフコム60Bにて測定し10点平
均粗さRz(μm)で示した。
【0032】(2)厚さムラ シートの任意の位置で幅方向に端部から5、10、1
5、20、25、30、35、40cmの8点、さらに
その位置から長さ方向に0、5、10、15、20、2
5、30、35、40cmの位置に8点、計64点で厚
みを測定し、厚さムラが10μ以内を○、厚さムラが1
5μを越えたものを×と評価した。
【0033】(3)複屈折 オーク製作所(株)製の自動複屈折測定装置ADR−2
00B型により、光源He−Neレーザーを使用し波長
632.8nmに対応する複屈折をシートの端部から1
0、20、30、40cmの位置で測定し、平均値を求
めた。
【0034】(4)24時間後のシートの色相 製造を開始し24時間後のシートを日本電色工業(株)製
色差計SZ−Σ80によりb値を測定した。
【0035】[実施例1〜3、比較例1、2]ビスフェ
ノールAとホスゲンから常法によって得られた粘度平均
分子量が23,800でアッベ屈折計で測定した屈折率
が1.58のポリカーボネート樹脂を、図1に示す装置
を設けた65mmφ押出し機によりシリンダー温度28
0℃、Tダイス温度270℃で幅650mmのTダイス
リップより鉛直下に吐出し、表1記載の条件(引取速
度、シート厚さ、挟圧時間)及びフレキシブルロールと
鏡面を有する金属ロールは下記の条件のものを使用し、
ポリカーボネート樹脂シートを得、結果を表1に示し
た。 フレキシブルロール3 直径:150mm 金属薄膜7:SUS314(シームレス) プラスチック製弾性体層9:シリコンゴム 表面加工:機械研磨 鏡面 表面温度:130℃ 鏡面を有する金属ロール4 直径:350mm 表面加工:クロムメッキ 鏡面 表面温度:130℃
【0036】[比較例3]比較のため図3に示す装置を
設けた65mmφ押出し機により実施例と同じポリカー
ボネート樹脂をシリンダー温度280℃、Tダイス温度
270℃で幅650mmのTダイスリップより鉛直下に
吐出し、金属製冷却ロール4、タッチロール11、バッ
クアップロール12は下記の条件のものを使用し、ポリ
カーボネート樹脂シートを得、結果を表1に示した。 金属製冷却ロール4 直径:350mm 表面加工:クロムメッキ 鏡面 表面温度:180℃ タッチロール11 直径:150mm 金属箔製筒体13の材質:SUS314(シームレス) 弾性層14の材質:シリコンゴム(硬度50°) 弾性層14の厚み:3mm 表面加工:機械研磨 鏡面 表面温度:120℃ バックアップロール12 直径:120mm 弾性層15の材質:シリコーンゴム(硬度70°) 表面温度:40℃
【0037】[参考例1]比較のため、Tダイスにより
押出し成形された樹脂を、金属製冷却ロールのみを用い
て(挟圧ロールなし)片面圧着する従来法により厚み4
00μmのポリカーボネート樹脂シートを製造した。こ
こでポリカーボネート樹脂、押出機、Tダイスおよび鏡
面を有する金属ロールは実施例と同じものを使用し、実
施例1と同条件でポリカーボネート樹脂シートを得、結
果を表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】この表1から明らかな様に、実施例のシー
トはすべて色相も良く表面性が良好で厚さムラが少なく
複屈折が少ない。一方、比較例のシートは色相、表面
性、厚さムラ或いは複屈折が悪い。また、比較例3の引
取速度は2.7m/分と遅いため生産性が悪く、工業的
規模で安価なポリカーボネート樹脂シートの供給が不可
能である。また、長期間運転を続けると押出機やダイス
中に樹脂が滞留しヤケや異物が発生し、シートの色相が
悪化した。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、従来のポリカーボネー
ト樹脂シートでは難しかった0.5mm以下の薄肉シー
トでの表面性と厚さムラを改良するとともに、さらに複
屈折が小さいシートを安定的に得ることができる。それ
故、工業的規模で安価に複屈折が小さく平面性に優れた
ポリカーボネート樹脂シートの提供を可能にしたもので
あり、その奏する工業的効果は極めて大なるものであ
る。即ち、本発明のシートは、自動車や新幹線等の窓ガ
ラス、自動車、家電用機器、事務用機器等の表示パネ
ル、メンブレンスイッチ、写真カバー等の用途に供する
ことができ、特に複屈折が重要な特性になる液晶セル、
タッチパネル、光カードの用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリカーボネート樹脂シート成形方法
の概略図。
【図2】本発明のシート成形方法に用いられたフレキシ
ブルロールの一例の概略図。
【図3】比較例3で使用した従来のポリカーボネート樹
脂シート成形方法の概略図。
【符号の説明】
1 Tダイス 2 溶融ポリカーボネート樹脂 3 フレキシブルロール 4 鏡面を有する金属ロール 5 挟圧開始位置 6 挟圧終了位置 7 金属薄膜 8 液状媒体層 9 プラスチック製弾性体層 10 プラスチック製弾性体層を有する金属ロール層 11 タッチロール 12 バックアップロール 13 金属箔製筒体 14 弾性層 15 弾性層 16 金属製冷却ロール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性変形が可能な金属薄膜をロール外層
    に有するフレキシブルロールと鏡面を有する金属ロール
    とでポリカーボネート樹脂を挟圧しつつ冷却してポリカ
    ーボネート樹脂シートを成形する方法において、該ポリ
    カーボネート樹脂シートの厚さT(μm)と挟圧時間S
    (秒)とが2.00×10-4≦S/T≦3.90×10
    -3を満足し、且つ引取速度が4〜30m/分であること
    を特徴とするポリカーボネート樹脂シートの成形方法。
  2. 【請求項2】 フレキシブルロールの表面温度が100
    〜180℃であり、且つ金属ロールの表面温度が100
    〜180℃である請求項1記載のポリカーボネート樹脂
    の成形方法。
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