JP2000239763A - 銅基合金 - Google Patents

銅基合金

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JP2000239763A
JP2000239763A JP11042401A JP4240199A JP2000239763A JP 2000239763 A JP2000239763 A JP 2000239763A JP 11042401 A JP11042401 A JP 11042401A JP 4240199 A JP4240199 A JP 4240199A JP 2000239763 A JP2000239763 A JP 2000239763A
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copper
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aluminum
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JP11042401A
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Keiichiro Oishi
恵一郎 大石
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SANBO COPPER ALLOY CO Ltd
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SANBO COPPER ALLOY CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間鍛造性,切削加工性のみならず、耐高温
酸化性,耐高温変形強さ等の耐熱特性に優れるものであ
り、高温条件下で使用される各種部品,製品(例えば、
石油・ガス温風ヒータの石油気化器ノズル、ガスコン
ロ、バーナヘッド等)の構成材料として極めて好適する
銅基合金を提供する。 【解決手段】 銅基合金は、銅61.0〜67.0重量
%、アルミニウム0.3〜2.0重量%及び鉛0.5〜
2.5重量%を含有し、且つ残部が亜鉛からなる合金組
成をなす。初期の高温酸化で生じる非常に薄いアルミニ
ウムの酸化皮膜の緻密性をより一層向上させるために、
上記組成に加えて、更にクロム0.02〜0.5重量
%、チタン0.02〜0.5重量%及び燐0.01〜
0.2重量%から選択された1種以上の元素が添加され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温条件下で使用
される各種部品,製品(例えば、石油・ガス温風ヒータ
の石油気化器ノズル、ガスコンロ、バーナヘッド等)の
構成材料として好適する黄銅たる銅基合金に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば、オイルヒータの気化器は、使用
開始時、シーズヒータ(電気式)で加熱して灯油を蒸発
させ、その後、バーナの熱を気化器の受熱部で吸収し、
この熱を利用して灯油を気化させるものである。近年、
ユーザサイドから急速暖房の要請が高いこと及び石油関
連の自由化により質の低い灯油が出回っていることか
ら、オイルヒータにおける灯油沸点が上昇するという事
態が発生している。かかるオイルヒータの性能向上の要
請と使用灯油の品質低下から、気化器の加熱温度を高く
する必要が生じている。このように、オイルヒータの石
油気化器等にあっては、近年、性能向上の要請等から使
用温度がより高くなる傾向にある。
【0003】一方、オイルヒータの石油気化器に使用さ
れるノズル等の構成材料としては、一般に、複雑な形状
のものに加工し易く且つ安価なアルミダイキャストが使
用される他、鍛造性又は切削性に優れる鍛造用黄銅棒
(JIS C3771)や快削黄銅棒(JIS C36
04)が使用されているが、かかるアルミニウムや黄銅
は、上記した使用温度が高くなる傾向にある部品,製品
の構成材料として好適するものではなく、構成材料とし
て使用した場合には種々の問題が生じる。
【0004】すなわち、アルミニウムは黄銅より融点が
250℃も低いものであるから、当然に、上記した高温
使用の要請に応えることができず、「JIS C377
1」等の公知黄銅では、温度上昇に伴って高温酸化が著
しくなり、熱吸収の効率が悪くなる。しかも、生じた酸
化物によりノズルが詰ったり、酸化皮膜の剥離により気
化器としての機能が果たせなくなるといった問題を生じ
る。また、黄銅を構成材料とする部品,製品では、使用
温度が高くなるに従って、材料強度が低下して局部変形
を起こし、気化器の機能が大きく低下する等の問題が生
じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
実情に鑑みて、優れた熱間加工性や切削加工性を有し、
高温条件下においても酸化や熱変形を可及的に回避する
ことができる銅基合金を提供することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成すべく、銅61.0〜67.0重量%、アルミニウ
ム0.3〜2.0重量%及び鉛0.5〜2.5重量%を
含有し、且つ残部が亜鉛からなる合金組成をなす銅基合
金を提案する。
【0007】かかる銅基合金においては、銅,アルミニ
ウム,鉛の配合比が、銅含有量:W 1 重量%,アルミニ
ウム含有量:W2 重量%,鉛含有量:W3 重量%とした
場合に、60.0≦W1 −3・W2 +0.6・W3 ≦6
2.0の関係となるように決定しておくことが好まし
い。
【0008】また、上記銅基合金においては、耐高温酸
化性をより改善するために、クロム0.02〜0.5重
量%、チタン0.02〜0.5重量%及び燐0.01〜
0.2重量%から選択された1種以上の元素を更に含有
させておくことが好ましい。
【0009】アルミニウムは黄銅に固溶するが、大気中
で加熱すると、表面付近のアルミニウム原子が表面に拡
散移動し、大気中の酸素と結合してアルミニウムリッチ
な酸化皮膜を形成する。このアルミニウムリッチな酸化
皮膜は非常に薄く(0.1μm以下)、肉眼や顕微鏡レ
ベルでは視認できないが、強固且つ剥離し難いものであ
り、極めて緻密なものであり、高温大気中で安定なもの
である。したがって、一旦、アルミニウムリッチな酸化
皮膜が形成されると、大気中の酸素が当該酸化皮膜にそ
の侵入を阻止されて、材料内部まで到達しないことか
ら、高温条件下においても酸化の進行が頗る遅くなる。
すなわち、アルミニウムを添加することにより、耐高温
酸化性を大幅に向上させることができる。勿論、当該酸
化皮膜は極めて薄いものであるから、皮膜形成によって
銅基合金製品の熱効率が大きく低下されるような虞れは
ない。また、アルミニウムは、高温での耐変形性を向上
させる機能も発揮する。このようなアルミニウム添加に
よる効果は、アルミニウムを0.3重量%以上に添加す
ることによって発揮され、0.3重量%未満の添加では
充分に発揮されない。しかし、2.0重量%を超えて添
加しても、添加量に応じた効果はなく、却って、熱間鍛
造性、被削性が低下することになる。このような理由か
ら、アルミニウムの添加量を0.3〜2.0重量%とし
た。
【0010】ところで、「JIS C3771」等の公
知黄銅では、高温に晒されると、黄銅中の亜鉛成分と大
気中の酸素とが結合して酸化亜鉛(ZnO)を形成する
が、かかる酸化皮膜は、上記したアルミニウムリッチな
酸化皮膜と異なって、緻密性がなく、ポーラスな形態を
なすものである。このため、大気中の酸素が当該酸化皮
膜から材料内部へと侵入し易く、当該酸化皮膜が剥離し
易いものであることとも相俟って、酸化(特に、亜鉛の
酸化)が高速で進行することになる。すなわち、高温大
気に晒されることにより酸素との親和力の強い元素が選
択酸化されることになるのであり、当該元素がアルミニ
ウムである場合には、その酸化皮膜が上記した如く緻密
で強固なものとなり、酸化の進行を抑制することができ
るが、当該元素が亜鉛である場合には、その酸化皮膜が
ポーラスで剥離し易いものであることから、酸化の進行
を抑制することができないのである。
【0011】鉛はマトリックスに固溶せず、粒状をなし
て分散することによって、被削性を向上させるものであ
る。このような鉛の被削性向上機能は、0.5重量%以
上の添加によって発揮される。しかし、2.5重量%を
超えて添加しても被削性向上効果が飽和し、添加量に応
じた顕著な効果が現われる訳ではなく、却って熱間鍛造
性が低下する。かかる理由から、鉛の添加量は0.5〜
2.5重量%とした。
【0012】銅は本発明の銅基合金における主元素であ
り、機械的強度,伸び,被削性,鍛造性等のすべての特
性の根幹をなすものであるが、特に、その含有量は熱間
加工性(熱間鍛造性)と高温での変形強さに大きな影響
を与える。しかし、この熱間加工性と高温での変形強さ
は相反する現象である。すなわち、銅の含有率が低くな
ればなる程、熱間加工性は向上するが、高温変形強さは
低下する。これは、金属組織的にいえば、黄銅はα相と
β相との2相からなる合金で、β相が多い程、熱間加工
性(熱間鍛造性)が向上する。α相が多い程、高温変形
強さが高くなる。この両者の特性を満たすβ相の占める
割合は、鍛造品又は棒材の状態で5%≦β相≦30%で
ある。これは、銅の含有量が61.0重量%以上であり
且つ67.0重量%以下であることに相当する。すなわ
ち、銅の含有量が61.0重量%未満では、高温変形強
さが低下し、常温での延性が低下する。一方、銅の含有
量が67.0重量%を超えると、熱間鍛造性が著しく低
下し、機械的性質も低下する。かかる理由から、銅の含
有量を61.0重量%〜67.0重量%とした。
【0013】ところで、このような銅の特性は、他の元
素の添加量によっても大きく影響を受け、例えば、アル
ミニウムを少量添加によってもβ相の顕著な増加が認め
られる。このように、銅の特性は、銅含有量(W1 重量
%)とアルミニウム含有量(W2 重量%)及び鉛含有量
(W3 重量%)との相関関係によって大きく左右される
が、本発明者が幾多の実験,研究を行った結果、当該特
性を最大限有効ならしめしめるためには、上記関係が6
0.0≦W1 −3・W2 +0.6・W3 ≦62.0とな
ることが極めて有効であることが判明した。すなわち、
銅,アルミニウム,鉛の含有量は、このような関係を満
足することを前提として、上記した範囲(銅:61.0
〜67.0重量%,アルミニウム:0.3〜2.0重量
%,鉛:0.5〜2.5重量%)内で決定しておくこと
が、高温特性を改善する上で極めて有効となる。
【0014】クロム,チタン,燐は、アルミニウムと共
に添加させる(共添させる)ことにより、初期の高温酸
化で生じる非常に薄いアルミニウムの酸化皮膜の緻密性
をより一層向上させる機能がある。また、クロム,チタ
ン,燐は、マトリックスに固溶することにより耐熱性な
いし高温条件下での強度を向上させて、高温変形強さを
増大させるものであり、常温での機械的強度を増す作用
もある。かかる機能は、これらを単独添加すると共添す
るとに拘わらず、クロム及びチタンについては0.02
重量%以上で、また燐については0.01重量%以上で
発揮される。しかし、かかる機能は、クロム及びチタン
については0.5重量%で、また燐については0.2重
量%で飽和状態となり、過剰に添加してもその添加量に
見合う効果は期待できない。かかる機能飽和状態を超え
て過剰に添加すると、却って熱間鍛造性,被削性が低下
することになる。このような点から、単独添加であると
共添であるとを問わず、クロム0.02〜0.5重量
%、チタン0.02〜0.5重量%及び燐0.01〜
0.2重量%を適正添加量とした。
【0015】
【実施例】実施例として、表1及び表2に示す組成をな
す鋳塊(外径100mm,長さ150mmの円柱形状を
なす)を熱間(750℃)で外径20mmの丸棒状に押
出加工し、その後、常温まで空冷することによって、本
発明の銅基合金(以下「発明合金」という)No.1〜
No.21を得た。
【0016】また、比較例として、表3に示す組成をな
す鋳塊を上記実施例と同一条件(鋳塊形状及び押出条
件)で熱間押出して、その押出材(外径20mmの丸棒
材)を常温まで空冷することによって、本発明の範囲外
の組成をなす銅基合金(以下「比較合金」という)N
o.31〜No.37を得た。なお、合金組成上、比較
合金No.31は「JIS C3771」に、比較合金
No.32は「JIS C3604」に、また比較合金
No.33は「JIS C3712」に夫々相当するも
のである。また、比較合金No.34〜No.37は、
夫々、「JIS C3711」の組成にアルミニウム,
チタン,クロム,燐を添加したものに相当する。なお、
発明合金No.1〜No.21及び比較合金No.3
2,No.33にあっては、銅含有量(W1 重量%)と
アルミニウム含有量(W2 重量%)と鉛含有量(W3 重
量%)との間に60.0≦W1 −3・W2 +0.6・W
3 ≦62.0の関係がある。
【0017】そして、発明合金No.1〜No.21の
被削性を比較合金No.31〜No.37との比較にお
いて確認すべく、次のようなドリルによる切削試験を行
い、被加工物に作用する切削力(トルク及びスラスト)
によって被削性を判定した。
【0018】すなわち、各合金No.1〜No.21及
びNo.31〜No.37から切断採取した第1試験片
(長さ:30mm)を、市販のAST式回転工具動力計
((株)三保電機製作所製,AST−BM型)にセット
した上、第1試験片にドリル径:3.5mm,ドリル回
転数:1250rpm.,ドリル送り量(軸線方向送り
量):0.17mm/rev.の条件で穴明け加工を施
し、加工時において第1試験片に作用するトルク(kg
f・cm)及びスラスト(kgf)を測定した。なお、
AST式回転工具動力計は、ドリルからのスラストによ
り生じた弾性歪を抵抗線歪ゲージで検出するスラスト変
換器とドリルからのトルクにより生じた弾性歪を歪ゲー
ジで検出するトルク変換器とを備えたもので、ドリルに
よる穴明け加工時に第1試験片に作用する切削力を回転
力(トルク)と推力(スラスト)とに分けて同時に測定
できるものである。
【0019】而して、AST式回転工具動力計により測
定されたトルク及びスラストは、表4に示す通りであっ
た。表4に示す切削試験の結果から明らかなように、本
発明合金No.1〜No.21は、最も被削性に優れる
比較合金No.32に比しても、切削力(トルク及びス
ラスト)が2倍以内であり、良好な切削加工を行うこと
ができるものである。このことから、本発明の銅基合金
は工業的に充分満足しうる被削性を有するものであるこ
とが理解される。
【0020】次に、発明合金No.1〜No.21の熱
間加工性及び機械的性質を、比較合金No.31〜N
o.37との比較において確認すべく、次のような熱間
圧縮試験及び引張試験を行った。
【0021】すなわち、丸棒押出材(外径20mm)で
ある各合金No.1〜No.21及びNo.31〜N
o.37から、外径が15mmとなるように表面研削さ
れ且つ長さ24mmに切断された丸棒状の第2〜第4試
験片を得た。そして、熱間圧縮試験においては、各第2
試験片を725℃に加熱して30分間保持した上、軸線
方向に75%の圧縮率で圧縮(第2試験片の高さ(長
さ)が24mmから6.0mmになるまで圧縮)して、
圧縮後の表面形態(725℃変形能)を目視判定した。
その結果は、表4に示す通りであった。なお、725℃
変形能の判定は第2試験片の側面において目視可能なク
ラックが発生しているか否かにより行い、表4において
は、クラックが全く生じなかったものを「○」で示し、
クラックが生じたものを「×」で示した。また、各第3
試験片について通常の引張試験を行ない、その引張強さ
(N/mm2 )及び伸び(%)を測定した。その結果は
表4に示す通りであった。
【0022】表4に示す熱間圧縮試験及び引張試験の結
果から、発明合金No.1〜No.21は、何れも、ク
ラックを全く生じず、優れた熱間加工性を有しているこ
とが確認された。また、引張強さ及び伸びについては、
比較合金No.31〜No.37と同等ないしそれ以上
であり、機械的性質にも優れていることが確認された。
したがって、本発明の銅基合金は、実用上、複雑な形状
に熱間加工(熱間鍛造)することができるものであるこ
とが理解される。
【0023】また、上記の如くして得た各第4試験片
(外径15mm,長さ24mm)について、500℃及
550℃に2時間加熱保持した上で圧縮試験を行い、変
形強さ(N/mm2 )つまり高温変形強さを求めた。そ
の結果は、表5に示す通りであり、発明合金No.1〜
No.21の高温変形強さは同一温度における比較合金
の約1.5倍であった。しかも、発明合金No.1〜N
o.21の何れについても、550℃における変形強さ
は比較合金No.31〜No.37の500℃における
変形強さを上回っている。これらの点から、本発明の銅
基合金は、500℃以上の高温条件下においても熱変形
せず、充分な耐熱強度を有するものであることが理解さ
れる。
【0024】また、発明合金No.1〜No.21の耐
高温酸化性を、比較合金No.31〜No.37との比
較において確認すべく、次のような酸化試験を行った。
【0025】すなわち、丸棒押出材(外径20mm)で
ある各合金No.1〜No.21及びNo.31〜N
o.37から、外径が14mmとなるように表面研削さ
れ且つ長さ30mmに切断された丸棒状の第5試験片を
得て、各第5試験片の重量(以下「酸化前重量」とい
う)を測定した。しかる後、各第5試験片を、磁性坩堝
に収納した状態で、500℃及び550℃に保持された
電気炉内に放置した。そして、7日間放置した時点で電
気炉から取り出して、各第5試験片の重量(以下「酸化
後重量」という)を測定した上、酸化前重量と酸化後重
量とから酸化増量を算出した。ここに、酸化増量とは、
第5試験片の表面積10cm2 当たりの酸化による増加
重量(mg)の程度を示すものであり、「酸化増量(m
g/10cm 2 )=(酸化後重量(mg)−酸化前重量
(mg))×(10cm2 /試験片の表面積(c
m2 )」の式から算出されたものである。すなわち、各
第5試験片の酸化後重量は酸化前重量より増加している
が、これは高温酸化によるものである。つまり、高温に
晒されると、酸素と銅,亜鉛,アルミニウムとが結合し
てCu 2 O,ZnO,Al2 O3 となり、その酸素増分
により重量が増加するのである。したがって、この増加
重量の程度(酸化増量)が小さい程、耐高温酸化性に優
れているということができ、表5に示す結果となった。
【0026】表5に示す酸化試験の結果から明らかなよ
うに、発明合金No.1〜No.21の酸化増量は、5
00℃及び550℃の何れにおいても、同一温度では比
較合金No.31〜No.37より大幅に少なくなって
いる。また、発明合金No.1〜No.21の550℃
における酸化増量は、比較合金No.31〜No.37
の500℃における酸化増量と同等である。
【0027】ところで、Cu−Zn合金においては、こ
れを高温で酸化させると、合金中の亜鉛成分が選択的に
酸化されて、合金表面に酸化物層が形成されることにな
る。この層は極めて薄いものであるから、顕微鏡によっ
ても層厚を測定することは困難である。しかし、当該酸
化物層中の亜鉛は、合金における表面近傍部のマトリッ
クスに存在していた亜鉛が酸化により拡散したものであ
り、酸化により合金表面近傍部の亜鉛は減少することに
なる。すなわち、亜鉛成分が減少すると、亜鉛リッチな
β相は消滅し、α単相に相変化することになる。したが
って、かかるα単相領域の厚みつまりα単相層の厚みに
よって、高温酸化の程度を判定することが可能となる。
そこで、高温酸化性をより正確に確認するために、電気
炉で加熱した各第5試験片について、上記した如く酸化
増量を測定した上、更にα単相層の厚みを測定した。
【0028】すなわち、酸化後重量を測定した後の各第
5試験片(500℃に加熱した保持したもの及び550
℃に加熱した保持したもの)について、適当箇所を切断
して、その切断面においてα単相層の厚み(μm)を測
定した。その結果は、表5に示す通りであった。
【0029】表5に示すα単相層の厚みについての測定
結果から明らかなように、比較合金No.31〜No.
37については、500℃に加熱保持したものでもα単
相層が極めて厚くなっているが、発明合金No.1〜N
o.21のα単相層の厚みは、500℃に加熱保持した
ものについてはすべて5μm未満であり、550℃に加
熱保持したものについても、大半が5μm以下であり、
最大のものでも20μmにすぎない。特に、クロム,チ
タン,燐を添加した発明合金No.9〜No.21につ
いては、酸化増量及びα単相層の厚みの何れもが極めて
小さくなっている。
【0030】これら酸化増量及びα単相層の厚みの測定
結果から、本発明の銅基合金は、耐高温酸化性に極めて
優れるものであり、冒頭で述べた如き高温使用の傾向に
ある気化器ノズル等の各種部品,製品の構成材料として
極めて好適に使用できるものであることが理解される。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解されるよう
に、本発明の銅基合金は、熱間鍛造性,切削加工性のみ
ならず、耐高温酸化性,高温変形強さ等の耐熱特性に優
れるものであり、高温条件下で使用される各種部品,製
品(例えば、石油・ガス温風ヒータの石油気化器ノズ
ル、ガスコンロ、バーナヘッド等)の構成材料として極
めて好適するものであり、その実用的価値極めて大なる
ものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅61.0〜67.0重量%、アルミニ
    ウム0.3〜2.0重量%及び鉛0.5〜2.5重量%
    を含有し、且つ残部が亜鉛からなる合金組成をなす銅基
    合金。
  2. 【請求項2】 クロム0.02〜0.5重量%、チタン
    0.02〜0.5重量%及び燐0.01〜0.2重量%
    から選択された1種以上の元素を更に含有する、請求項
    1に記載する銅基合金。
  3. 【請求項3】 銅含有量(W1 重量%)とアルミニウム
    含有量(W2 重量%)及び鉛含有量(W3 重量%)との
    間に、60.0≦W1 −3・W2 +0.6・W3 ≦6
    2.0の関係を有することを特徴とする、請求項1又は
    請求項2に記載する銅基合金。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6933054B2 (en) * 2001-12-06 2005-08-23 Weiland-Werke Ag Bearing material for the manufacture of wear-resistant slide bearings made of a copper-aluminum-alloy with defined cover layers
CN113862506A (zh) * 2021-10-15 2021-12-31 吉林大学 一种提高金属铜抗氧化能力的方法

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