JP2000246322A - 酸洗性に優れた圧延線材およびその製造方法 - Google Patents

酸洗性に優れた圧延線材およびその製造方法

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feo
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less
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Masaki Shimotsusa
正貴 下津佐
Yoshinori Yamamoto
義則 山本
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸洗性に優れた圧延線材、及び該圧延線材を
効率よく製造することのできる方法を提供する。 【解決手段】 線材横断面におけるスケール中、Fe系
酸化物全体に占めるFeOの比率が厚さ比で70%以上
を満足する圧延線材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸洗性に優れた圧延
線材および該圧延線材を効率よく製造することのできる
方法に関する。本発明の圧延線材は、冷間ヘッダーによ
り製造されるボルト,ナット等の部品を製造するために
好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】ボルトやナット等、冷間ヘッダーにより
製造される部品は通常、炭素鋼や合金鋼を熱間圧延によ
り線材とした後、酸洗処理または機械的にデスケール
し、必要に応じて焼鈍処理を施してから伸線加工し、冷
間ヘッダーにより所定の形状に成形している。更に必要
に応じて、冷間ヘッダー前に球状化焼鈍等の軟化処理を
行った後、スキンパスする場合もある。
【0003】この様に炭素鋼や合金鋼を伸線加工する
際、酸洗したり、必要に応じて軟化焼鈍を行っている
が、特に軟化焼鈍するに当たっては、スケール厚さが厚
い場合、焼鈍炉の雰囲気調整を目的として焼鈍前に酸洗
を行う場合が多い。酸洗時における洗い時間や使用する
酸の寿命はスケール厚さによって変化するが、従来の線
材は該スケール厚さが厚い為、酸洗時の洗い時間が長
い、酸の寿命が短いといった問題を抱えており、生産性
が著しく損なわれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであり、その目的は、酸洗性に優れ
た圧延線材、及び該圧延線材を効率よく製造することの
できる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明に係る酸洗性に優れた圧延線材は、線材横断面にお
けるスケール中、Fe系酸化物全体に占めるFeOの比
率が厚さ比で70%以上を満足するところに要旨を有す
る。ここで、線材横断面におけるスケール厚さが10μ
m以下であるものは本発明の好ましい態様である。
【0006】また本発明の圧延線材は、鋼中の化学成分
をC :0.01〜0.5%(質量%,以下同じ),S
i:0.5%以下(0%を含まない),Mn:2.0%
以下 (0%を含まない),残部:鉄および不可避的不
純物とすることが好ましく、更に、Al:0.05%以
下(0%を含まない)及びB :0.01%以下(0%
を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種
を含有することが推奨される。
【0007】更に上記課題を解決し得た本発明に係る酸
洗性に優れた圧延線材の製造方法は、600〜400℃
の温度範囲を平均冷却速度0.5℃/sec以上で冷却
するところに要旨を有するものである。ここで、熱間圧
延線材を仕上圧延温度900℃以下、巻取温度800℃
以下で巻取った後、600〜400℃の温度範囲を平均
冷却速度0.5℃/sec以上で冷却することは本発明
の好ましい態様である。
【0008】
【発明の実施の形態】酸洗時における酸洗い時間の短縮
および酸寿命の向上を図り、酸洗性に優れた圧延線材を
得る為には、一般にスケール厚さを薄くすれば良いと言
われている。ところが、本発明者らが検討したところ、
圧延線材のスケール厚さを薄くするだけでは所望の効果
は得られないことが分かった。そこで、スケール組成を
種々変化させ、酸洗性との関係について鋭意検討した。
スケール中には、上記FeO以外にFe3O4やFe2O3
等のFe系酸化物等が含まれているが、本発明者らが検
討したところ、FeOは酸に比較的可溶性であるのに対
し、FeO以外のFe系酸化物は酸に難溶性のものが多
いことが分かった。従って、Fe系酸化物中に占めるF
eOの比率を高めてやれば酸洗性が向上するという観点
に立ち、更に検討を進めた結果、上記Fe系酸化物中に
占めるFeOの比率を70%以上に制御すれば酸洗性に
優れた圧延線材が得られること;この様なスケール組成
に制御する為には、熱間圧延における冷却過程中、60
0〜400℃の温度範囲を平均冷却速度0.5℃/se
c以上で冷却することが必要であることを見出し、本発
明を完成したのである。
【0009】この様に本発明に係る酸洗性に優れた圧延
線材は、スケール中、Fe系酸化物全体に占めるFeO
の比率が厚さ比で70%以上を満足するところに特徴を
有する。Fe系酸化物中に占めるFeOの比率が70%
未満の場合、酸に難溶性であるFe系酸化物(Fe
3O4,Fe2O3等)の比率が高くなり、たとえスケール
厚さを10μm以下に薄くしたとしても酸洗性が劣化し
てしまう。尚、良好な酸洗性をより安定して発揮させる
為には、Fe系酸化物中に占めるFeOの比率を80%
以上にすることが好ましい。
【0010】なお、より優れた酸洗性を得る為には、ス
ケール厚さを10μm以下に制御することが好ましい。
前述した様に、従来は焼鈍時における雰囲気制御を目的
として、焼鈍前に酸洗してスケールを除去しているが、
酸洗による歩留まりのロスが大きい等の不具合が指摘さ
れていた。これに対し、スケール厚さを10μm以下に
薄くしておけば、焼鈍等の熱処理する際予め酸洗処理す
る必要もなくなることが期待されるからである。より好
ましくは5μm以下である。
【0011】また、本発明圧延線材における鋼中の化学
成分は特に限定されず、通常用いられる圧延線材の鋼成
分を適用できるが、例えばC:0.01〜0.5%,S
i:0.5%以下(0%を含まない),Mn:2.0%
以下(0%を含まない),残部:鉄および不可避的不純
物である圧延線材の使用が推奨される。更に、Al:
0.05%以下(0%を含まない)及び/又はB:0.
01%以下(0%を含まない)を積極的に添加しても良
い。
【0012】次に、上述した本発明の圧延線材を製造す
る方法について説明する。スケール中、Fe系酸化物全
体に占めるFeOの比率を厚さ比で70%以上に制御す
るためには、特に600〜400℃の温度範囲を0.5
℃/sec以上の平均冷却速度で冷却することが必要で
ある。0.5℃/sec未満の平均冷却速度で冷却する
と、所望のスケール組成が得られない。好ましくは60
0〜400℃の平均冷却速度を1℃/sec以上、より
好ましくは1.5℃/sec以上とすることが推奨され
る。尚、その上限は特に限定されないが、強度の上昇防
止を考慮すれば10℃/sec以下、より好ましくは5
℃/sec以下に制御することが推奨される。
【0013】尚、本発明の圧延線材において、更にスケ
ール厚さを10μm以下に調整する為には、仕上圧延温
度900℃以下(より好ましくは850℃以下)、巻取
温度を800℃以下(より好ましくは775℃以下)に
制御することが好ましい。仕上圧延温度:900℃超、
巻取温度:800℃超の場合はスケール厚さが厚くな
り、好ましい上限値である10μmを超えてしまうから
である。従って、スケール組成およびスケール厚さが本
発明の要件を満足する圧延線材を製造する為には、90
0℃以下で仕上圧延した後、800℃以下の温度で巻取
ってから、該巻取温度〜600℃の温度範囲をコンベア
上で適宜通常採用される冷却速度(約0.5〜10℃/
sec)で冷却した後、600〜400℃の温度範囲を
平均冷却速度0.5℃/sec以上で冷却することが推
奨される。ここで、仕上げ圧延温度と、コンベア上で冷
却するときの巻取温度(冷却開始温度に等しい)との差
を200℃以下(より好ましくは100℃以下)に調整
することは、酸洗性を一層高めることができるので極め
て有用である。
【0014】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述
べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものでは
なく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施する
ことは全て本発明の技術範囲に包含される。
【0015】
【実施例】JIS規格の低炭素鋼(SWRCH12
K)、中炭素鋼(SWRCH45K),Mn−B鋼(S
WRCHB223)を用い、表1に示す如く熱間圧延条
件(巻取温度、巻取温度〜600℃までの平均冷却速
度、600〜400℃の平均冷却速度)を種々変化させ
て各圧延線材を製造した(線径6mm)。この様にして
得られた圧延線材の横断面を観察することによりスケー
ル厚さを測定すると共に、実験室レベルにて、カットサ
ンプルを用いた酸洗実験(15%塩酸,40℃で3分間
浸漬→水洗→乾燥)を行い、残留スケールの有無を観察
することにより酸洗性を評価した。また、スケール中、
Fe系酸化物中に占めるFeOの比率は光学顕微鏡で横
断面を観察することにより測定した。
【0016】これらの結果を表1にまとめて示す。
【0017】
【表1】
【0018】表中、No.1〜10は低炭素鋼,No.11
〜20は中炭素鋼,No.21〜30はMn−B鋼を用い
た例であるが、表1の結果より以下の様に考察すること
ができる。
【0019】まず、No.1,11,21は、600〜4
00℃の温度範囲における平均冷却速度が0.5℃/s
ec未満である為、スケール中に占めるFeOの比率が
本発明の要件を満足しない例であり、いずれも残留スケ
ールが発生し、酸洗性に劣ることが分かる。
【0020】また、No.6〜7,16〜17,26〜2
7は、仕上温度が900℃を超える為、スケール厚さが
10μmを超える/スケール中に占めるFeOの比率が
低くなる例;No.8〜9,18〜19,28〜29は、
巻取温度が800℃を超える為、スケール厚さが10μ
mを超える例;No.10,20,30は、仕上温度が1
000℃を超え、且つ巻取温度が800℃を超える為、
スケール厚さが10mを超える/更にスケール中に占め
るFeOの比率が70%未満と低くなる例であり、いず
れも残留スケールが発生し、酸洗性に劣っている。
【0021】これに対し、本発明の要件を満足するNo.
2〜5,12〜15,22〜25はいずれも残留スケー
ルが発生せず、酸洗性に極めて優れている。
【0022】
【発明の効果】本発明の圧延線材は上記の様に構成され
ているので、酸洗性に極めて優れている。従って、従来
の圧延線材に見られた、酸洗時の洗い時間が長いとか、
使用する酸の寿命が短い等の不具合を解消することがで
き、生産性を著しく向上させることができるので非常に
有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線材横断面におけるスケール中、Fe系
    酸化物全体に占めるFeOの比率が厚さ比で70%以上
    を満足することを特徴とする酸洗性に優れた圧延線材。
  2. 【請求項2】 線材横断面におけるスケール厚さが10
    μm以下である請求項1に記載の圧延線材。
  3. 【請求項3】 鋼中の化学成分が、 C :0.01〜0.5%(質量%,以下同じ),S
    i:0.5%以下(0%を含まない),Mn:2.0%
    以下 (0%を含まない),残部:鉄および不可避的不
    純物からなるものである請求項2に記載の圧延線材。
  4. 【請求項4】 更に、 Al:0.05%以下(0%を含まない)及びB :
    0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選択
    される少なくとも1種を含有するものである請求項2ま
    たは3に記載の圧延線材。
  5. 【請求項5】 600〜400℃の温度範囲を平均冷却
    速度0.5℃/sec以上で冷却することを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の圧延線材の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱間圧延線材を仕上圧延温度900℃以
    下、巻取温度800℃以下で巻取った後、600〜40
    0℃の温度範囲を平均冷却速度0.5℃/sec以上で
    冷却するものである請求項5に記載の圧延線材の製造方
    法。
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