JP2000247679A - 紫外線赤外線吸収低透過ガラス - Google Patents

紫外線赤外線吸収低透過ガラス

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JP2000247679A
JP2000247679A JP11057341A JP5734199A JP2000247679A JP 2000247679 A JP2000247679 A JP 2000247679A JP 11057341 A JP11057341 A JP 11057341A JP 5734199 A JP5734199 A JP 5734199A JP 2000247679 A JP2000247679 A JP 2000247679A
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ultraviolet
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less
ray
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Hiromitsu Seto
啓充 瀬戸
Yasukimi Nagashima
廉仁 長嶋
Narikazu Yoshii
成和 吉井
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中性色に近い緑灰系の色調と、低い可視光透
過率と低い全太陽光透過率及び低い紫外光透過率を有
し、自動車や建物等の窓ガラス、特に、乗用車のプライ
バシー保護用ガラスの薄板、軽量化に有用なガラスを提
供する。 【解決手段】 重量%で、65〜80%のSiO2、0
〜5%のAl23、0〜10%のMgO、5〜15%の
CaO(MgO+CaO=5〜15%)、10〜18%
のNa2O、0〜5%のK2O(Na2O+K2O=10〜
20%)、及び0〜5%のB23からなる基礎ガラス組
成と、着色成分として、1.0%を超え1.9%以下の
Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23)、0.0
2%を超え0.05%以下のCoO、0〜0.003%
のSe、0.7〜2.0%のTiO2、及び0〜0.2
%のNiOからなり、4mm厚みに換算したガラスの、
A光源を用いて測定した可視光透過率が18%以下、全
太陽光透過率が25%以下、ISO紫外線透過率が7%
以下である紫外線赤外線吸収低透過ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線赤外線吸収
低透過ガラスに関するものである。詳しくは、中性色に
近い緑灰系の色調を有すると共に、低い可視光透過率と
低い全太陽光透過率及び低い紫外光透過率を有するた
め、自動車や建物等の窓ガラスとして、特に、乗用車の
プライバシー保護用ガラスとして、とりわけ、その薄
板、軽量化に有用な紫外線赤外線吸収低透過ガラスに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の室内内装材の高級化に伴
う内装材の劣化防止の要請や冷房負荷低減の観点から、
自動車用窓ガラスとして紫外線赤外線吸収能を付与した
様々なガラスが提案されている。そのうち自動車後部窓
ガラスには、プライバシー保護の見地から比較的可視光
透過率の低いガラスが好んで用いられる。このようなガ
ラスには次のようなものがある。
【0003】例えば、特公平7−29813号に開示さ
れた暗灰色赤外線吸収ガラスはソーダ・石灰・シリカガ
ラス中に重量%で表して1.00〜1.7%のFe23
(全鉄)、少なくとも0.27%のFeO、0.002
〜0.005%のSe、0.01〜0.02%のCoO
からなる着色剤を含有している。このガラスは3.9m
mの厚さで32%以下の光透過率及び15%より小さな
全太陽赤外線透過率を有する。
【0004】また、特開平8−157232号に開示さ
れた濃グレー色ガラスは、ソーダ・石灰・シリカガラス
中に重量%で表して、0.8〜1.4%のFe23(全
鉄分)、0.21%以下のFeO、0.05〜1.0%
のTiO2、0.02〜0.05%のCoO、0.00
05〜0.015%のSeからなる着色剤を含有してい
る。
【0005】米国特許第5,393,593号のクレーム
25に開示された中性暗灰色ガラスは、重量%で表して
SiO266〜75%、Na2O10〜20%、CaO5
〜15%、MgO0〜5%、Al230〜5%、K2
0〜5%よりなる基礎ガラス成分と、1.00〜2.2
%のFe23(全鉄)、少なくとも0.20%のFe
O、0.0005〜0.005%のSe、0.010〜
0.030%のCoOからなる着色剤とを含有してな
る。このガラスは3.9mmの厚さで35%以下の光透
過率及び20%より小さな全太陽赤外線透過率を有す
る。
【0006】特表平8−506314号に開示されたガ
ラスは、ソーダ・石灰・シリカガラス中に以下の方程式
で計算される第一鉄含有量を有し、FeO(重量%)≧
0.007+(光学濃度−0.036)/2.3重量%
で表して0.25〜1.75%のFe23を含み、S
e,Co34,Nd23,NiO,MnO,V25,C
eO2,TiO2,CuO及びSnOからなる群の中から
一つ以上を選択することにより中間色に着色される。こ
のガラスは4mmの厚さで32%以上の可視光透過率を
有し、紫外線透過率は25%以下、太陽直射熱透過率は
可視光透過率よりも少なくとも7%低く、主波長は好ま
しくは570nm未満である。この実施例のうちの一部
はプライバシー保護用ガラスとして用いることができ
る。
【0007】前記特公平7−29813号に開示された
暗灰色赤外線吸収ガラス、及び前記特開平8−1572
32号に開示された濃グレー色ガラスは、いずれも好ま
しい色調を得るために多量のSeを使用している。Se
は毒性を持っておりかつ非常に揮散し易いことから、多
量のSeの使用はその環境に及ぼす影響が大きいことか
ら好ましくない。
【0008】また、前記米国特許第5, 393, 593
号に開示された中性暗灰色ガラスも、Se含有量が多
く、環境保護の観点から好ましくない。また、FeO含
有量が多いことは熱線吸収性の観点からは好ましいが、
FeOは1000〜1200nmの波長域の赤外線を選
択的に吸収するため、通常の溶融窯で生産する場合には
火炎の輝度分布で最も効率の良い部分を吸収することに
なり窯底の素地温度を低下させ、様々な欠点の原因とな
るため好ましくない。
【0009】前述した低可視光透過率を有するガラスは
プライバシー保護の点で優れるが、乗用車の室内からガ
ラスを通して外の景色を見難いという不具合がある。一
方で中程度の透過率を有するガラスはプライバシー保護
と安全の両者をある程度まで満足できる。現在ではこれ
ら2種類のガラスは乗用車の使用部位と状況によって使
い分けられている。
【0010】前述のガラスは、いずれも本質的にNiを
含まず、高い濃度のSeを含有することで所望の光学特
性を得ている。
【0011】前記特表平8−506314号に開示され
たガラスのうち、プライバシー保護用に使用できるガラ
スは本文中に説明されているように、Ni、Se、Co
の着色剤を全て含むことで中間色調を得ているが、Ni
含有量が少ないため、多量のSeを添加する必要があ
る。
【0012】上記した従来技術の問題点を解決し、Se
を従来必要とされてきた量よりもはるかに少なく含有さ
せるか、或いは全く使用せずとも所望の中性色に近い青
緑色系ないし深緑色系の色調を得ることができ、低〜中
程度の可視光透過率と低い紫外線透過率及び低い全太陽
光透過率を有する紫外線赤外線吸収低透過ガラスを提供
するべく、本出願人は先に、重量%で表示して、65〜
80%のSiO2、0〜5%のAl23、0〜10%の
MgO、5〜15%のCaO(ただし、MgOとCaO
との合量は5〜15%)、10〜18%のNa2O、0
〜5%のK2O(ただし、Na2OとK2Oとの合量は1
0〜20%)、及び0〜5%のB23からなる基礎ガラ
ス組成と、着色成分として、1.2〜2.2%のFe2
3に換算した全酸化鉄(T−Fe23)、0.001
〜0.03%のCoO、0〜0.0008%のSe、及
び0〜0.2%のNiOからなる紫外線赤外線吸収低透
過ガラスを提案した(特開平10−114540号公
報)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】特開平10−1145
40号公報に記載される紫外線赤外線吸収低透過ガラス
であれば、比較的低い可視光透過率と、低い全太陽光透
過率及び低い紫外線透過率を有する紫外線赤外線吸収低
透過ガラスが提供されるが、この紫外線赤外線吸収低透
過ガラスで達成される可視光透過率及び全太陽光透過率
は、4mm厚みに換算したガラスの、A光源を用いて測
定した可視光透過率(YA)が23〜50%程度、全太
陽光透過率(TG)が20〜35%程度である。
【0014】一方で、近年、自動車による環境負荷の低
減のために、低燃費なシステムの開発や車体の軽量化等
が進められている。従来において、車体の軽量化は主に
ボディの鋼板を薄くして強度を上げることで進められて
きたが、更には、窓ガラスの薄板化によって少しでも車
体を軽くすることが望まれるようになってきた。しか
し、ガラスを薄板化すれば、可視光透過率や全太陽光透
過率が高くなってしまうため、自動車用窓ガラスの薄
板、軽量化のためには、板厚を薄くしても十分に低い可
視光透過率と全太陽光透過率を得ることができる紫外線
赤外線吸収低透過ガラスが望まれる。
【0015】特開平10−114540号公報に開示さ
れる紫外線赤外線吸収低透過ガラスでは、3.1〜5m
mのいずれかの厚みにおけるガラスの可視光透過率が1
0〜25%であり、かつ全太陽光透過率が10〜35%
である紫外線赤外線吸収低透過ガラスが実現できるが、
上記自動車用窓ガラスの薄板、軽量化のためには、最近
では更に薄い、例えば、2.8mmといった厚みで上述
のように可視光透過率10〜25%、全太陽光透過率1
0〜35%が達成される低可視光透過率及び低全太陽光
透過率の紫外線赤外線吸収低透過ガラスが求められる。
【0016】このように2.8mm厚みにおいて可視光
透過率が10〜25%、全太陽光透過率が10〜35%
となるガラスとするためには、4mm厚みに換算したと
きの可視光透過率が5〜15%,全太陽光透過率が5〜
25%である必要がある。
【0017】本発明は上記従来の実状に鑑みてなされた
ものであって、中性色に近い緑灰系の色調を有すると共
に、低い可視光透過率と低い全太陽光透過率及び低い紫
外光透過率を有するため、自動車や建物等の窓ガラスと
して、特に、乗用車のプライバシー保護用ガラスとし
て、とりわけ、その薄板、軽量化に有用な紫外線赤外線
吸収低透過ガラスを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の紫外線赤外線吸
収低透過ガラスは、重量%で表示して、65〜80%の
SiO2、0〜5%のAl23、0〜10%のMgO、
5〜15%のCaO(ただし、MgOとCaOとの合量
は5〜15%)、10〜18%のNa2O、0〜5%の
2O(ただし、Na2OとK2Oとの合量は10〜20
%)、及び0〜5%のB23からなる基礎ガラス組成
と、着色成分として、1.0%を超え1.9%以下のF
23に換算した全酸化鉄(T−Fe23)、0.02
%を超え0.05%以下のCoO、0〜0.003%の
Se、0.7〜2.0%のTiO2、及び0〜0.2%
のNiOからなり、かつ、4mm厚みに換算したガラス
の、A光源を用いて測定した可視光透過率(YA)が1
8%以下、全太陽光透過率(TG)が25%以下であ
り、さらにISOに規定される紫外線透過率(TUV)
が7%以下であることを特徴とする。
【0019】本発明の紫外線赤外線吸収低透過ガラスで
は、特開平10−114540号公報に記載されるガラ
ス組成の着色成分のうち、CoO含有量を多くすること
により可視光透過率を下げ、また、このようにCoO含
有量を多くすることにより生じる青みを消すために、T
iO2を添加することにより、4mm厚みに換算したガ
ラスの可視光透過率(YA)が18%以下、全太陽光透
過率(TG)が25%以下、ISOに規定される紫外線
透過率(TUV)が7%以下の低可視光透過率、低全太
陽光透過率及び低紫外線透過率のガラスを実現する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の紫外線赤外線吸収低透過
ガラス組成の限定理由について説明する。但し、以下の
組成は重量%で表示したものである。
【0021】SiO2(シリカ)はガラスの骨格を形成
する主成分である。SiO2が65%未満ではガラスの
耐久性が低下し、80%を越えるとガラスの溶解が困難
になる。
【0022】Al23はガラスの耐久性を向上させる成
分であるが、5%を越えるとガラスの溶解が困難にな
る。Al23の好ましい範囲は0.1〜2%である。
【0023】MgOとCaOはガラスの耐久性を向上さ
せるとともに、成形時の失透温度、粘度を調整するのに
用いられる。MgOが10%を越えると失透温度が上昇
する。CaOが5%未満または15%を越えると失透温
度が上昇する。MgOとCaOの合計が5%未満ではガ
ラスの耐久性が低下し、15%を越えると失透温度が上
昇する。
【0024】Na2OとK2Oはガラスの溶解を促進させ
る。Na2Oが10%未満あるいはNa2OとK2Oとの
合計が10%未満では溶解促進効果が乏しく、Na2
が18%を越えるか、またはNa2OとK2Oの合計が2
0%を越えるとガラスの耐久性が低下する。K2O量が
多いとコストが高くなるため、K2Oは5%以下に留め
ることが望ましい。
【0025】B23はガラスの耐久性向上のため、ある
いは溶解助剤としても使用される成分であるが、紫外線
の吸収を強める働きもある。5%を越えると紫外域の透
過率の低下が可視域まで及ぶようになり、色調が黄色味
を帯び易くなると共に、B23の揮発等による成形時の
不都合が生じるので5%を上限とする。
【0026】酸化鉄は、ガラス中ではFe23とFeO
の状態で存在する。Fe23は紫外線吸収能を高める成
分であり、FeOは熱線吸収能を高める成分である。
【0027】Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe2
3)1.0%以下では紫外線及び赤外線の吸収効果が
小さく、所望の光学特性が得られない。他方、T−Fe
23が1.9%を超えると酸化第1鉄の有する熱線吸収
効果により、その輻射熱により溶融時に熔解槽天井部の
温度が耐熱温度以上になる恐れがあり好ましくない。さ
らに、T−Fe23が1.9%よりも多いとガラス溶融
窯で連続的に生産を行う場合、異組成ガラス素地との組
成変更に時間を要するため好ましくない。なお、より好
ましい範囲は1.2%以上1.8%未満(とりわけ1.
25〜1.35%)である。
【0028】T−Fe23が1.2%以上1.8%未満
の場合は、T−Fe23が少な目であるため溶解時の窯
槽への負担が小さく、ガラス溶融窯で連続的に生産する
際、ガラス素地の組成変更に要する時間が比較的短かく
て済むというメリットがある。とりわけT−Fe23
1.25〜1.35%の場合は、前述したメリットが大
きい。
【0029】なお、Fe23は、ガラスが風冷強化処理
される場合、特に紫外域における吸収を著しく増大させ
る作用を有する。T−Fe23の範囲を上記の通りとし
た場合、風冷強化処理による変色後のガラスの色調が目
標色調となる。
【0030】FeO/T−Fe23の比(Fe23に換
算したFeOのFe23に対する重量比)は0.1〜
0.6であることが好ましい。この比が0.1よりも小
さいとFeO量が少ないため充分な熱線吸収能が得られ
ない。
【0031】FeO/T−Fe23の比が0.6よりも
大きいと可視光透過率が低下し色調は青みを帯び、ま
た、溶融ガラス中における還元性を有したFe2+の量が
多いところから、ガラス溶融液中に硫化ニッケル石を発
生することがある。さらに、この比が0.6よりも大き
いと、シリカ分に富んだ筋状部が発生したり、シリカス
カムが発生する原因になることもある。このFeO/T
−Fe23の比を0.1〜0.6に設定することによ
り、高い紫外線吸収能と熱線吸収能を有した中性色に近
い緑色系色調のガラスが得られる。この場合のFeOの
量としてはFe23に換算した数値を用いる。
【0032】CoOは、Se及び/またはNiO、及び
Fe23と共存させることにより中性色に近い緑灰色系
の色調を得るための成分であり、また可視光透過率をコ
ントロールする成分でもあるが、0.02%以下では所
望の色調が得られず可視光透過率も高すぎる。また、
0.05%を越えると色調は青味が強くなり過ぎ、可視
光透過率も低下する。特に、CoO量は0.03%を超
え、0.05%以下とするのが好ましい。
【0033】Seは、ピンクの発色によりCoOの補色
と相俟って刺激純度を低減するための成分である。な
お、NiOが含まれる場合、Seは必ずしも含まれなく
ても良い。Se量が0.003%を超えると可視光透過
率が低下する。Seを使用する場合は、0.0001〜
0.003%とりわけ0.0001〜0.002%の範
囲が好ましい。このように、Seを従来必要とされてき
た量よりもはるかに少なく含有させるか、或いは全く使
用せずとも所望の色調を得ることができる。なお、T−
Fe23及びFeO/T−Fe23を上記の範囲とする
ことにより、ガラス中のSe残存量を増大させることが
できる。
【0034】TiO2は、特にFeOとの相互作用によ
り紫外線吸収能を高めると共に、CoOによる青みの増
強を打ち消すための成分である。TiO2量が0.7%
未満では、CoOによる青みを打ち消すことができず、
中性色に近い緑灰色系の中間色調を得ることができな
い。TiO2量が2.0%よりも多いと目的とする色調
が損なわれる上に、高価なTiO2を多く使用するとコ
ストを押し上げることになり好ましくない。TiO2
は特に0.8〜1.2%とするのが好ましい。
【0035】NiOは、CoOとともに可視光透過率を
調整し、刺激純度を低減するための成分である。なお、
Seが含まれる場合NiOは必ずしも含まれなくても良
い。NiO量が0.2%を越えると製品中に硫化ニッケ
ル石を生じることがあり、かつ可視光透過率が低下す
る。色調も褐色が強くなりすぎ好ましくない。NiOを
含む場合、より低い可視光透過率のためには、NiOは
0.001〜0.2%、特に0.055〜0.2%の範
囲で含有されていることが好ましい。
【0036】ガラス中のNiO濃度が過度に高いとNi
Oは凝集し硫化ニッケル石を形成する可能性があるが、
本発明の組成範囲内であれば硫化ニッケル石を生ぜしめ
ることなく所望の色調を得ることが可能となる。
【0037】NiOはガラスの冷却速度によって配位数
が変化し、発色の状態が異なることが知られている。こ
れは冷却処理によってNi2+周りの酸素配位数が6から
4に変化し、光の吸収特性が変化することによるもので
ある。6配位Ni2+の吸収が430nm付近に存在し、
ガラスに黄色の着色を生じるのに対し、4配位Ni2+
吸収は500〜640nmにかけて存在するため、4配
位Ni2+を用いることで刺激純度を低減し好ましい色調
を得ることができる。乗用車の窓ガラスは、通常、安全
のため風冷強化処理を施される。NiOはガラスのこの
風冷強化処理によっても発色の状態が変化する。本発明
では、風冷強化処理による変色を利用することにより、
Seを添加することなく、ガラスの色調を目標色調とす
ることができる。
【0038】CeO2は紫外線吸収能を高める成分であ
り、ガラス中ではCe3+またはCe4+の形で存在し、特
にCe3+が可視域に吸収が少なく紫外線吸収に有効であ
る。なお、本発明では、Ce3+の酸化物もCeO2に換
算してCeO2に含めるものとする。ただし、高価なC
eO2を2%より多く使用するとコストを押し上げるこ
とになり、好ましくない。従って、CeO2を含む場
合、CeO2量は2%以下とする。
【0039】Mn23は赤から黄褐色の色調を付与する
ことで青味を打ち消すための成分であるが、0.05%
を超えて添加することは褐色が強くなりすぎ色調の面で
好ましくないため、0.05%以下の範囲で必要に応じ
て含有させることができる。
【0040】本発明の組成範囲のガラスに、着色剤とし
て、V25、MoO3、CuO、Cr23等の1種また
は2種以上、あるいは還元剤としてSnO2 を合計量で
0〜1%の範囲で、本発明が目的とする中程度の透過率
及び中性色に近い緑灰色系の色調を損なわない範囲で添
加しても良い。また硫化ニッケル石の発生をさらに確実
に防ぐために、ZnOを0〜1%の範囲で添加しても良
い。
【0041】ところで、本発明の紫外線赤外線吸収低透
過ガラスでは、前述の如く風冷強化処理が施されている
ことが好ましく、このような風冷強化処理において、特
に本発明のNiO、Fe23組成を採用することによ
り、良好な色調ないし光学特性を得ることができる。
【0042】この風冷強化処理は、常法に従ってガラス
素地から製造したガラス板を600〜750℃に2〜5
分程度再加熱し、その後、10〜30℃の空気を吹き付
けて冷却することにより行われる。この冷却に当り、降
温速度は100〜300℃/秒程度とするのが好まし
い。
【0043】このような風冷強化処理により、ガラス中
に含まれるNiO及びFe23の存在で、色調は中性色
に近い緑がかった灰色となり、光学特性の面において熱
線吸収能を維持したまま、可視光透過率と紫外線透過率
を下げることができるという効果が奏される。
【0044】このような本発明の紫外線赤外線吸収低透
過ガラスは、4mm厚みに換算した該ガラスの、A光源
を用いて測定した可視光透過率(YA)が18%以下、
好ましくは5〜15%、全太陽光透過率(TG)が25
%以下、好ましくは5〜15%であり、かつ、ISOで
規定される紫外線透過率(TUV)が7%以下である。
【0045】また、ガラス色調の、L***表色系を
用いてa*,b*で表される色度がそれぞれ、−10≦a
*≦1,−3≦b*≦1の範囲内であることが好ましい。
【0046】とりわけ乗用車後方窓のプライバシー保護
用ガラスとして用いる場合、特に中性色に近い色調が好
まれるため、前記a*,b*で表される色度が、|a*
−|b*|≦5(即ち、a*,b*の絶対値の差が5以
下)の範囲内であることがより好ましい。
【0047】また、本発明のガラスは、4mm厚みに換
算したガラスのC光源を用いて380〜770nmの波
長域で測定した主波長(λd)が480〜525nm、
刺激純度(Pe)が17%以下の光学特性を有すること
が好ましい。
【0048】
【実施例】以下、本発明の実施形態を具体的な実施例を
挙げて説明する。
【0049】実施例1〜10、比較例1〜3 典型的なソーダ石灰シリカガラスバッチ成分に、酸化第
二鉄、酸化チタン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化
セリウム及び酸化マンガンと金属セレンのうちの一部又
はすべてを添加すると共に、さらに炭素系還元剤(具体
的にはコークス粉末等)をガラス原料100重量部に対
し約0.01重量部の割合で加えて混合し、この原料を
電気炉中で1500℃に加熱、溶融した。4時間溶融し
た後、ステンレス板上にガラス素地を流し出し、16H
rかけて室温まで徐冷して厚さ約6mmのガラス板を得
た。次いで、このガラス板を厚さが4mmになるように
研磨した後、700℃、5分再加熱後、20℃の空気を
風圧3.2〜2.1kgf/mm2、風量0.7〜0.
6Nm3/分で吹付けて200℃/秒の降温速度で冷却
することで風冷強化処理を施した。この風冷強化処理前
後のサンプルについてA光源を用いて可視光透過率(Y
A)、全太陽光透過率(TG)、ISO 9050に規
定した紫外線透過率(TUV)を測定すると共に、C光
源を用いて主波長(λd)、刺激純度(Pe)を測定
し、更に、CIE色度図によるL*,a*,b*値を測定
した。
【0050】表1に、得られたサンプルの基礎ガラス組
成を示す。また、表2〜4に、各サンプルのT−Fe2
3濃度、FeO(Fe23換算)/T−Fe23
(重量%)、CoO濃度、NiO濃度、TiO2濃度、
CeO2濃度、Mn23濃度及びSe濃度と風冷強化処
理後の光学特性値を示した。表1〜4中の濃度を示す数
字は重量%表示であるが、CoO濃度、NiO濃度、S
e濃度、Mn23濃度はppm単位で表示した。また、
表1中のSiO2の重量%には小数点以下の数値が表示
されていないが、これはSiO2 の小数点以下を四捨五
入したためである。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】上記の結果から明らかなように、本発明に
よれば、厚さ4mmでA光源を用いて測定した可視光透
過率(YA)が18%以下、全太陽光透過率(TG)が
25%以下、ISO 9050に規定された紫外線透過
率(TUV)が7%以下の光学特性を有するガラスが得
られることがわかる。
【0056】一方、比較例1〜3は特開平10−114
540号公報に記載される実施例33〜35の結果を示
すものであるが、CoOが少ないため、可視光透過率
(YA)、全太陽光透過率(TG)がいずれも本発明の
ガラスに比べて大きい。
【0057】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、低
い可視光透過率と低い全太陽光透過率及び低い紫外線透
過率を持ち、中性色に近い緑灰色系の色調を有する紫外
線赤外線吸収低透過ガラスが提供される。
【0058】本発明の紫外線赤外線吸収低透過ガラス
は、自動車用等の後方窓ガラスや、建築用窓ガラス等に
適用された場合には、優れた室内内装材の劣化防止効果
や褪色防止効果を示すとともにプライバシー保護効果を
示すものであるが、特に、本発明の紫外線赤外線吸収低
透過ガラスは、薄板状であっても十分に低い可視光透過
率と低い全太陽光透過率、更には低い紫外線透過率を有
するため、窓ガラスの薄板化が可能であり、これにより
自動車の軽量化を図ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 吉井 成和 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 3D127 AA14 BB01 CC05 DD03 DD29 4G062 AA01 BB01 DA06 DA07 DB01 DB02 DB03 DC01 DD01 DE01 DF01 EA01 EB04 EC01 EC02 EC03 ED01 ED02 ED03 EE03 EE04 EF01 EG01 FA01 FB02 FB03 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GC02 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH10 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM01 NN05 NN07 NN12 NN13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で表示して、65〜80%のSi
    2、0〜5%のAl23、0〜10%のMgO、5〜
    15%のCaO(ただし、MgOとCaOとの合量は5
    〜15%)、10〜18%のNa2O、0〜5%のK2
    (ただし、Na2OとK2Oとの合量は10〜20%)、
    及び0〜5%のB23からなる基礎ガラス組成と、着色
    成分として、1.0%を超え1.9%以下のFe23
    換算した全酸化鉄(T−Fe23)、0.02%を超え
    0.05%以下のCoO、0〜0.003%のSe、
    0.7〜2.0%のTiO2、及び0〜0.2%のNi
    Oからなり、かつ、4mm厚みに換算したガラスの、A
    光源を用いて測定した可視光透過率(YA)が18%以
    下、全太陽光透過率(TG)が25%以下であり、さら
    にISOに規定される紫外線透過率(TUV)が7%以
    下であることを特徴とする紫外線赤外線吸収低透過ガラ
    ス。
  2. 【請求項2】 請求項1において、Fe23に換算した
    FeOがT−Fe23の10〜60%である紫外線赤外
    線吸収低透過ガラス。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、4mm厚みに
    換算したガラスの、C光源を用いて測定した主波長(λ
    d)が480〜525nmであり、刺激純度(Pe)が
    17%以下である紫外線赤外線吸収低透過ガラス。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、2.0%以下のCeO2を含む紫外線赤外線吸収低
    透過ガラス。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、0.05%以下のMn23を含む紫外線赤外線吸収
    低透過ガラス。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
    て、0.0001〜0.003%のSe及び/又は0.
    001〜0.2%のNiOを含む紫外線赤外線吸収低透
    過ガラス。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項におい
    て、0.003〜0.2%のNiOを含む紫外線赤外線
    吸収低透過ガラス。
  8. 【請求項8】 請求項7において、0.055〜0.2
    %のNiOを含む紫外線赤外線吸収低透過ガラス。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項におい
    て、0.03%を超え0.05%以下のCoOを含む紫
    外線赤外線吸収低透過ガラス。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項にお
    いて、風冷強化処理が施されている紫外線赤外線吸収低
    透過ガラス。
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