JP2000247886A - 軟膏剤 - Google Patents

軟膏剤

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JP2000247886A
JP2000247886A JP11047304A JP4730499A JP2000247886A JP 2000247886 A JP2000247886 A JP 2000247886A JP 11047304 A JP11047304 A JP 11047304A JP 4730499 A JP4730499 A JP 4730499A JP 2000247886 A JP2000247886 A JP 2000247886A
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Kazuo Ootsuki
和男 大朏
Chikara Komuro
主税 小室
Yukio Aoda
幸雄 粟生田
Yukio Irie
幸夫 入江
Kyoko Shiitani
恭子 椎谷
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抗ウイルス薬として有用な9−[(1R,2
R,3S)−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロ
ブタン−1−イル]−グアニンを、軟膏剤とし、例えば
局所適用剤としての使用を可能にすること。 【解決手段】9−[(1R,2R,3S)−2,3−ビ
ス(ヒドロキシメチル)シクロブタン−1−イル]−グ
アニン、油脂性基剤及びカルボキシメチルセルロ−ス、
その架橋ポリマ−又はこれらのアルカリ金属塩を必須成
分とし、9−[(1R,2R,3S)−2,3−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロブタン−1−イル]−グア
ニンの粉末が軟膏基剤に均一に分散していることを特徴
とする軟膏剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗ウイルス薬等とし
て有用な9−[(1R,2R,3S)−2,3−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロブタン−1−イル]−グア
ニン(以下、A化合物と略す)を含有する軟膏剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】A化合物は合成により得られる既知化合
物であり、抗ウイルス薬、抗腫瘍薬としての有用性が期
待されているシクロブタン誘導体の内の1化合物であ
る。シクロブタン誘導体が局所投与用として軟膏、クリ
ーム、エアゾール、ゲル剤、粉剤、ローション、懸濁液
又は溶液などの剤形で投与しうることが記載されている
(特開平2−6478、同3−95165)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ウイルス感染症の治療
において、皮膚、口、目等の外的組織の感染の場合は全
身的投与よりも患者の患部に対する局所的投与が望まれ
ている。しかしA化合物は、水に溶けにくく、他の溶剤
には極めて溶けにくいので局所投与用の製剤とした場合
には懸濁状態となる。懸濁状態の製剤では添加剤により
治療効果発現に差が生じやすいので、治療効果の高い製
剤が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々の研究
の結果、A化合物の粉末が油脂性基剤及びカルボキシメ
チルセルロ−ス、その架橋ポリマ−又はこれらのアルカ
リ金属塩を含む軟膏に均一に分散している製剤がこれら
を含まない軟膏の製剤に比し治療効果が高いことを見出
し本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は (1)9−[(1R,2R,3S)−2,3−ビス(ヒ
ドロキシメチル)シクロブタン−1−イル]−グアニ
ン、油脂性基剤及びカルボキシメチルセルロ−ス、その
架橋ポリマ−及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる
少なくとも一種を必須成分とし、9−[(1R,2R,
3S)−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロブタ
ン−1−イル]−グアニンの粉末が軟膏基剤に均一に分
散していることを特徴とする軟膏剤。 (2)軟膏剤中の9−[(1R,2R,3S)−2,3
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロブタン−1−イル]
−グアニン含量が0.05〜10%である(1)の軟膏
剤。 (3)軟膏剤中の9−[(1R,2R,3S)−2,3
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロブタン−1−イル]
−グアニン含量が0.1〜3%である(1)の軟膏剤。 (4)軟膏剤中の9−[(1R,2R,3S)−2,3
−ビス(ヒドロキシメチル)シクロブタン−1−イル]
−グアニン含量が0.3〜3%である(1)の軟膏剤。 (5)カルボキシメチルセルロ−ス、その架橋ポリマ−
及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも一
種の含量が2〜50%である(1)〜(4)のいずれか
の軟膏剤。 (6)カルボキシメチルセルロ−ス、その架橋ポリマ−
及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも一
種の含量が5〜30%である(1)〜(4)のいずれか
の軟膏剤。
【0006】(7)カルボキシメチルセルロ−スの架橋
ポリマ−がクロスカルメロ−スである(1)〜(6)の
いずれかの軟膏剤。 (8)油脂性基剤がゲル化炭化水素及び/又は、流動パ
ラフィンとワセリンの混合物である(1)〜(7)のい
ずれかの軟膏剤。 (9)水を含み、水の含有量が軟膏剤中50%以下であ
る(1)〜(8)のいずれかの軟膏剤。 (10)9−[(1R,2R,3S)−2,3−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロブタン−1−イル]−グア
ニン(A化合物)、油脂性基剤、カルボキシメチルセル
ロ−ス、その架橋ポリマ−及びこれらのアルカリ金属塩
から選ばれる少なくとも一種及び任意に水を含み、これ
らの含有量が軟膏剤全体に対して次の通りである軟膏
剤。 A化合物 0.05〜10% 油脂性基剤 97.95〜40% カルボキシメチルセルロ−ス、その架橋ポリマ−及びこ
れらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも一種 2
〜50% 水 0〜50% (11)各成分の含有量が軟膏剤全体に対して次の通り
である(10)の軟膏剤。 A化合物 0.1〜3% 油脂性基剤 94.9〜50% カルボキシメチルセルロ−ス、その架橋ポリマ−及びこ
れらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも一種 5
〜30% 水 0〜30%、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明につき詳細に説明す
る。なお、本明細書において「%」は、特にことわりの
ない限り重量%を示す。A化合物は結晶状態のものであ
っても非晶状態のものであってもよい。A化合物の軟膏
剤中の含量は一般的には0.05%以上、好ましくは
0.1%以上、より好ましくは0.3%以上、特に好ま
しくは0.5%以上であり、その上限は一般的には10
%、好ましくは5%、より好ましくは3%である。従っ
て、A化合物の軟膏剤中の含量は、一般的には0.05
〜10%、好ましくは0.1〜3%、より好ましくは
0.3〜3%、特に好ましくは0.5〜3%である。
【0008】油脂性基剤としては炭化水素類、脂肪類、
ロウ類、シリコン油類等があげられ、炭化水素類が好ま
しい。炭化水素類としてはゲル化炭化水素(分子量35
00以上のポリエチレンを含有する流動パラフィン、好
ましくは、分子量3500〜35000のポリエチレン
を2〜8%含有する流動パラフィン)、重質流動パラフ
ィン、軽質流動パラフィン、白色ワセリン、黄色ワセリ
ン、スクワレン等があげられ、脂肪類としては中鎖脂肪
酸トリグリセリド、ハードファット等の合成油、オリブ
油、ダイズ油、ラッカセイ油、ベニバナ油、ヌカ油、ゴ
マ油、ツバキ油、トウモロコシ油、メンジツ油、ヤシ油
等の植物油、豚脂、牛脂等の動物油及びこれらの硬化油
等があげられ、ロウ類としてはミツロウ、カルナバロ
ウ、鯨ロウ等の天然ロウ、パラフィン、微晶ワックス等
の石油ロウ、モンタンロウ等の鉱物ロウ、合成ロウ等が
あげられる。また、これらのいくつかを混合して使用し
てもよい。油脂性基剤のうち好ましいものとしてはゲル
化炭化水素等及び、流動パラフィンとワセリンの混合物
が挙げられる。流動パラフィンとワセリンの混合物中の
ワセリンの含量は99.95〜40%が好ましく、特に
90〜60%が好ましい。
【0009】カルボキシメチルセルロ−ス、その架橋ポ
リマ−(例えば、クロスカルメロ−ス)及びこれらのア
ルカリ金属塩においてアルカリ金属塩としてはナトリウ
ム塩、カリウム塩等が挙げられる。カルボキシメチルセ
ルロ−ス、その架橋ポリマ−及びこれらのアルカリ金属
塩の粘度は通常7〜16000cpsであり、好ましく
は1000〜16000cpsである。また、軟膏の皮
膚に対する親和性をあげるために本発明の軟膏剤は界面
活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、非イオン
性界面活性剤及び/又は陰イオン性界面活性剤があげら
れる。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレングリコール類、脂肪アルコー
ル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸
エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル類等があげられ、陰イオン性界面活性剤としては脂
肪酸類、硫酸エステル類、ポリアクリル酸類、カルボキ
シビニルポリマー類等が挙げられる。界面活性剤を用い
る場合、その含有量は軟膏剤中に通常50%以下、好ま
しくは30%以下であり、例えば通常2〜50%、好ま
しくは5〜30%である。
【0010】界面活性剤の他に更に水を含むエマルショ
ンとしてもよい。エマルションの形態としてはW/O
型、O/W型どちらでもよいが、油脂性基剤が皮膚と接
触しやすいW/O型が好ましい。水を用いる場合、その
量としては軟膏剤中通常50%以下、好ましくは30%
以下であり、例えば通常5〜50%、好ましくは10〜
30%である。
【0011】本発明の軟膏剤にはその他の添加剤として
トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒ
ドロキシアニソ−ル等の酸化防止剤、安息香酸類等の保
存剤を加えてもよい。加える場合、その量は軟膏剤中通
常0.01〜1%となる量である。
【0012】本発明の軟膏剤はそのまま患部に塗布して
もよく、又、該軟膏剤を塗布したパップ剤、プラスター
剤等の貼付剤としてもよい。
【0013】本発明の軟膏剤において、A化合物、油脂
性基剤、カルボキシメチルセルロ−ス、その架橋ポリマ
−及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも
一種、任意成分である水の含有量は軟膏剤全体に対して
好ましくは次の通りである。 A化合物 0.05%以上、好ましくは0.1%以
上、より好ましくは0.3%以上、特に好ましくは0.
5%以上であり、その上限は一般的には10%、好まし
くは5%、より好ましくは3%。従って一般的には0.
05〜10%、好ましくは0.1〜3%、より好ましく
は0.3〜3%、特に好ましくは0.5〜3%。 油脂性基剤 97.95〜40%、好ましくは94.9
〜50%。 カルボキシメチルセルロ−ス、その架橋ポリマ−及びこ
れらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも一種 50%以下、好ましくは30%以下、例えば2〜50
%、好ましくは5〜30%。 水 無添加でもよいが、50%以下、好ましく
は30%以下、例えば0〜50%、好ましくは0〜30
%。 酸化防止剤、保存剤 無添加でもよいが、用いる場合は
0.01〜1%。
【0014】本発明の油脂性軟膏剤は常法に従って調製
される。即ち、A化合物を前記油脂性基剤及びカルボキ
シメチルセルロ−ス、その架橋ポリマ−又はこれらのア
ルカリ金属塩、必要により、界面活性剤、水、その他の
添加剤のような他の成分に混和し、均一に分散させ、粘
度が高い場合は加熱する。水を用いる場合は水を最後に
加え混和する。A化合物は粉砕しておいてもよく、混和
分散工程にて粉砕してもよい。A化合物の粒度が大きい
場合、液状炭化水素類とともに粉砕して配合するのが好
ましい。軟膏剤中のA化合物の粒度は顕微鏡による粒径
測定において円相当径として通常平均粒径60μm以
下、好ましくは30μm以下であり、少なくともその粒
子数の80%が1〜100μmの範囲であることが好ま
しく、特に好ましくは2〜50μmの範囲である。
【0015】
【作用】本発明等の作用効果を試験例によって具体的に
示す。 試験例1(参考試験例).in vivo 抗ヘルペス
ウイルス効果 1.試料 油脂性基剤品:参考例1のA化合物1%の軟膏剤 陽性対照:対照例1のA化合物1%のマクロゴール軟膏
剤 陰性対照:無処置
【0016】2.試験方法 マウスの背部を化学的脱毛剤を用いて脱毛し、26G皮
内針で5×5mmの皮膚を10回乱切した。単純ヘル
ペスウイルス(HSV−2、186株)、2.8×10
個/20μlの液を滴下し接種した。ウイルス接種
3時間後より、初日は1回、その後は1日2回を5日
間、油脂性基剤品の軟膏剤又はマクロゴール軟膏剤を接
種部位に1 匹あたり約20mg塗布した。各投与群及び
無処置群のマウスはそれぞれ10匹とし、ウイルス接種
後14日間皮膚病変の進展を毎日観察して表1のように
数値化して評価した。
【0017】
【表1】
【0018】3.試験結果 油脂性基剤品と対照の抗ヘルペスウイルス効果を皮膚病
変により図1に対照例と比較して示した。油脂性基剤品
のA化合物の軟膏剤は、皮膚病変の進展を顕著に抑制
し、抗ヘルペスウイルス効果が認められた。又、対照の
A化合物1%のマクロゴール軟膏剤に比し、油脂性基剤
品のA化合物1%の軟膏剤は、顕著に皮膚病変の進展を
抑制し、油脂性基剤品の抗ヘルペスウイルス効果が認め
られた。なお、図1において、1は油脂性基剤品のA化
合物1%の軟膏剤を塗布した群、Aは無処置群、BはA
化合物1%のマクロゴール軟膏剤を塗布した群を示し、
感染後日数に対する皮膚病変の平均スコアの変化を示
す。
【0019】試験例2(参考試験例).in vivo
抗ヘルペスウイルス効果 単純ヘルペスウイルスとしてHSV−2(186株)の
代りにHSV−1(KOS株)、3.8×10 個/
20μlの液を滴下し接種し、ウイルス接種3時間後よ
り,初日は1回、その後は1日2回を7日間、油脂性基
剤品の軟膏剤(参考例1のA化合物1%の軟膏剤又は参
考例7のA化合物3%の軟膏剤)を病変発現予想部位
(右側腹部)に一匹あたり約30mg塗布した以外は、
試験例1と同一の方法で試験及び評価を行なった。結果
を表2に示した。
【0020】
【表2】
【0021】表2から明らかなように、油脂性基剤品の
A化合物の軟膏剤は、皮膚病変の進展を顕著に抑制す
る。
【0022】試験例 3.in vitro 薬物放出性
改善効果 1.試料 本発明品:A化合物0.03、0.1、0.3又は1%、
CMCNa(カルボキシメチルセルロ−スのナトリウム
塩)10%を添加したプラスチベ−ス軟膏剤対照品 :
A化合物1%のプラスチベ−ス軟膏剤
【0023】2.試験方法 合成膜(ポリカ−ボネ−ト、孔径8.0μm、野村サイ
エンス社製)を改良縦型フランツセル(有効面積3.1
4cm)に装着した。レシ−バ−相(膜下)側に20
%ポリエチレングリコ−ル400−リン酸緩衝生理食塩
液(20%PEG−PBS、pH7.4)を満たし、3
2℃の恒温とした。試料約0.6gをドナ−相(膜上)
側に適用した。経時的にレシ−バ−相より0.8mL採
取し、直ちに同量の20%PEG−PBSを補充した。
レシ−バ−相中のA化合物の濃度はHPLC法にて定量
した。 3.試験結果 本発明のA化合物の皮膚透過性を表3及び図2に対照と
比較して示した。本発明品の軟膏剤は、A化合物の放出
性改善効果が認められ、24時間後のCMCNa添加プ
ラスチベ−ス軟膏剤の累積透過量はプラスチベ−ス軟膏
剤の約1/30濃度でほぼ同量となった。なお、表3の
累積透過量は24時間後の3回の平均値を示した。
【0024】
【表3】
【0025】試験例 4.in vitro 薬物放出性
改善効果 1.試料 本発明品又は比較品 :A化合物1%、表4に示した各
種セルロ−ス誘導体10%を添加したプラスチベ−ス軟
膏剤 対照品 :A化合物1%のプラスチベ−ス軟膏剤 2.試験方法 試験例3と同様にして行った。 3.試験結果 表4及び図3に示した。
【0026】
【表4】添加剤を10%入れたプラスチベ−ス軟膏のN
NU−023の放出性 *1:10%流動パラフィン添加 *2:23hr値 *3:累積透過量:単位面積当たりに薬物の透過する量 *4:透過速度=累積透過量(0.25hrから1又は
6hr)を縦軸に、時間(0.25hr−1又は6h
r)の回帰直線を描いたときの傾き HPC−L:ヒドロキシプロピルセルロ−ス−L HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス
【0027】試験例 5.in vivo 角質剥離皮膚
からの薬物放出性改善効果 1.試料 本発明品:A化合物0.03、0.1又は1%、CMCN
a10%添加プラスチベ−ス軟膏剤 対照品 :A化合物1%のプラスチベ−ス軟膏剤 2.試験方法 ヘアレスラットを仰向けに固定し、腹部に体表面積の5
%に相当する皮膚の角質層をクリアテ−プ(コクヨ、
2.4cm)で約20回脱着を繰り返して剥離し、40
0mgの試料を塗布した。経時的に採血し、A化合物の
血漿中濃度をHPLC法により定量し、血漿中濃度下面
積(AUC)を算出した。 3.試験結果 本発明品のA化合物の皮膚透過性を表5及び図4に対照
と比較して示した。本発明の軟膏剤は、A化合物の薬物
吸収性の改善効果が認められ、CMCNa添加プラスチ
ベ−ス軟膏剤のAUC(0→t)はプラスチベ−ス軟膏
剤の約1/30濃度でほぼ同量となり、A化合物濃度1
%では約15倍の薬物吸収性を示した。なお、表5及び
図4のAUC値はヘアレスラット2匹の平均で示した。
【0028】
【表5】
【0029】試験例 6.in vivo 抗ヘルペスウ
イルス効果 1.試料 本発明品:A化合物0.1%、0.3%又は1%、CMC
Na10%添加プラス チベ−ス軟膏剤 陽性対照:A化合物0.3%及び1%のプラスチベ−ス
軟膏剤 陰性対照:無処置 2.試験方法 マウスの背部を化学的脱毛剤を用いて脱毛し、26G皮
内針で1×1cmの皮膚を10回乱切した。単純ヘル
ペスウイルス(HSV−1、KOS株)、3.8×10
個/20μLの液を滴下し接種した。ウイルス接種4
時間後より、初日は1回、その後は1日2回を5日間、
本発明の軟膏を接種部位に1匹あたり約20mg塗布し
た。投与群及び無処置群のマウスはそれぞれ10匹と
し、ウイルス接種後10日間皮膚病変の進展を毎日観察
して表6のように数値化して評価した。
【0030】
【表6】
【0031】3.試験結果 本発明の抗ヘルペスウイルス効果を皮膚病変により図5
に対照と比較して示した。本発明のA化合物の軟膏剤は
陽性対照基剤に比べ皮膚病変の進展を1/3濃度で抑制
し、抗ヘルペスウイルス効果が認められた。なお、図5
は、感染後日数に対する皮膚病変の10匹の平均スコア
を示した。このように、本発明の軟膏剤は、抗ウイルス
薬等として使用でき、特に、単純ヘルペスウイルス1型
(HSV−1)及び単純ヘルペスウイルス2型(HSV
−2)に起因する単純疱疹、例えば口唇・顔面ヘルペ
ス、性器ヘルペス、臀部ヘルペス、カポジ−水痘様発疹
症、ヘルペス性ひょう疽、その他の皮膚単純ヘルペス並
びに水痘、帯状疱疹ウイルス(VZV)に起因する帯状
疱疹等において局所療法に使用できる。
【0032】
【実施例】
【0033】実施例 1 カルボキシメチルセルロ−スナトリウム(ダイセル)1
gとゲル炭化水素(プラスチベ−ス)9gを混合し、軟
膏基剤とした。A化合物0.1gを軟膏基剤9.9gに加
え、混和し、均一に分散させた。この軟膏をプラスチッ
ク容器に充填し、A化合物1%軟膏製剤とした。又、同
様にして、A化合物0.03%、0.1%及び0.3%
を含む軟膏製剤を得た。
【0034】実施例 2 クロスカルメロ−スナトリウム(旭化成)1g、流動パ
ラフィン(小堺製薬)1g及びゲル炭化水素(プラスチ
ベ−ス)8gを混合し、軟膏基剤とした。A化合物0.
1gを軟膏基剤9.9gに加え、混和し、均一に分散さ
せた。この軟膏をプラスチック容器に充填し、A化合物
1%軟膏製剤とした。又、比較品として、クロスカルメ
ロ−スナトリウムの代わりにメチルセルロ−ス1g又は
ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス1gを用い、同様
にして、A化合物1%軟膏製剤を得た。
【0035】比較例 1 ヒドロキシプロピルセルロ−ス−L(日本曹達)1gと
ゲル炭化水素(プラスチベ−ス)9gを混合し、軟膏基
剤とした。A化合物0.1gを軟膏基剤9.9gに加え、
混和し、均一に分散させた。この軟膏をプラスチック容
器に充填し、A化合物1%軟膏製剤とした。
【0036】参考例 1 A化合物0.3g及び流動パラフィン(宮沢薬品)0.
3gを乳鉢にとり粉砕した。ゲル化炭化水素(プラスチ
ベース:ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社)29.
4gを加え混和し、均一に分散させた。この軟膏をアル
ミチューブに充填し、A化合物1%軟膏製剤とした。な
お、軟膏製剤中のA化合物の粒度は顕微鏡による画像解
析装置(×L500,オリンパス社)での粒径測定にお
いて円相当径として平均粒径13μm、その粒子数の8
0%が3〜16μmの範囲であった。
【0037】参考例 2 A化合物0.09g及び流動パラフィン0.3gを乳鉢
にとり粉砕した。ゲル化炭化水素29.61gを加え混
和し、均一に分散させた。この軟膏をアルミチューブに
充填し、A化合物0.3%軟膏製剤とした。
【0038】参考例 3 A化合物0.03g及び流動パラフィン0.3gを乳鉢
にとり粉砕した。ゲル化炭化水素29.67gを加え混
和し、均一に分散させた。この軟膏をアルミチューブに
充填し、A化合物0.1%軟膏製剤とした。
【0039】参考例 4 A化合物0.3g及び流動パラフィン0.3gを乳鉢に
とり粉砕した。ゲル化炭化水素26.4g及びポリオキ
シエチレン[160]ポリオキシプロピレン[30]グ
リコール(プルロニックF68、旭電化工業)3gを加
え70℃に加熱、混和し、均一に分散させた。この軟膏
をアルミチューブに充填し、A化合物1%軟膏製剤とし
た。
【0040】参考例 5 A化合物0.3g及び流動パラフィン0.3gを乳鉢に
とり粉砕した。ゲル化炭化水素23.4g及びポリオキ
シエチレン[160]ポリオキシプロピレン[30]グ
リコール(プルロニックF68、旭電化工業)3gを加
え70℃に加熱、混和し、均一に分散させた。精製水6
gを加え混和した。この軟膏をアルミチューブに充填
し、A化合物1%軟膏製剤とした。
【0041】参考例 6 A化合物0.3gを乳鉢にとり粉砕した。吸水軟膏(主
成分として白色ワセリン、セタノールを含有)(保栄薬
工)29.7gを加え混和し、均一に分散させた。この
軟膏をアルミチューブに充填し、A化合物1%軟膏製剤
とした。
【0042】参考例 7 A化合物0.9g及び流動パラフィン(宮沢薬品)0.
9gを乳鉢により粉砕した。ゲル化炭化水素(プラスチ
ベース)28.2gを加え混和し、均一に分散させた。
この軟膏をアルミチューブに充填し、A化合物3%軟膏
製剤とした。
【0043】対照例 1 A化合物0.3g及びマクロゴール400(日本油脂)
(水溶性基剤)0.3gを乳鉢にとり粉砕した。マクロ
ゴール軟膏(吉田製薬)(水溶性基剤)29.4gを加
え混和し、均一に分散させた。この軟膏をアルミチュー
ブに充填し、A化合物1%軟膏製剤とした。なお軟膏製
剤中のA化合物の粒度は顕微鏡による画像解析装置(×
L500,オリンパス社)での粒径測定において円相当
径として平均粒径15μm、その粒子数の80%が3〜
18μmの範囲であった。
【0044】
【発明の効果】本発明の油脂性軟膏剤は、他の基剤を用
いた軟膏に比し治療効果が高く、抗ウイルス剤として有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】単純ヘルペスウイルスを背部皮膚に接種したマ
ウスの感染後日数に対する皮膚病変の平均スコアの変化
を示す。
【図2】カルボキシメチルセルロ−スのナトリウム塩を
添加した場合と添加しない場合の、薬物放出性を示す。
【図3】各種カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、
クロスカルメロ−スナトリウム、ヒドロキシプロピルセ
ルロ−ス−Lを添加した場合と添加しない場合の、薬物
の膜透過量を示す。
【図4】カルボキシメチルセルロ−スナトリウムを添加
した場合と添加しない場合の、角質剥離皮膚からの薬物
吸収性を示す。
【図5】カルボキシメチルセルロ−スナトリウムを添加
した場合と添加しない場合の、抗ヘルペスウイルス効果
を示す。
【符号の説明】
1……本発明品のA化合物1%の軟膏剤を塗布した群 A……陰性対照の無処置群 B……陽性対照のマクロゴール軟膏剤を塗布した群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA06 BB31 CC35 DD34 EE32 4C086 AA01 AA02 CB07 MA03 MA05 MA28 NA05 ZB33

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】9−[(1R,2R,3S)−2,3−ビ
    ス(ヒドロキシメチル)シクロブタン−1−イル]−グ
    アニン、油脂性基剤及びカルボキシメチルセルロ−ス、
    その架橋ポリマ−及びこれらのアルカリ金属塩から選ば
    れる少なくとも一種を必須成分とし、9−[(1R,2
    R,3S)−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロ
    ブタン−1−イル]−グアニンの粉末が軟膏基剤に均一
    に分散していることを特徴とする軟膏剤。
  2. 【請求項2】軟膏剤中の9−[(1R,2R,3S)−
    2,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロブタン−1−
    イル]−グアニン含量が0.05〜10%である請求項
    1の軟膏剤。
  3. 【請求項3】軟膏剤中の9−[(1R,2R,3S)−
    2,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロブタン−1−
    イル]−グアニン含量が0.1〜3%である請求項1の
    軟膏剤。
  4. 【請求項4】軟膏剤中の9−[(1R,2R,3S)−
    2,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロブタン−1−
    イル]−グアニン含量が0.3〜3%である請求項1の
    軟膏剤。
  5. 【請求項5】カルボキシメチルセルロ−ス、その架橋ポ
    リマ−及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる少なく
    とも一種の含量が2〜50%である請求項1〜4のいず
    れかの軟膏剤。
  6. 【請求項6】カルボキシメチルセルロ−ス、その架橋ポ
    リマ−及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる少なく
    とも一種の含量が5〜30%である請求項1〜4のいず
    れかの軟膏剤。
  7. 【請求項7】カルボキシメチルセルロ−スの架橋ポリマ
    −がクロスカルメロ−スである請求項1〜6のいずれか
    の軟膏剤。
  8. 【請求項8】油脂性基剤がゲル化炭化水素及び/又は、
    流動パラフィンとワセリンの混合物である請求項1〜7
    のいずれかの軟膏剤。
  9. 【請求項9】水を含み、水の含有量が軟膏剤中50%以
    下である請求項1〜8のいずれかの軟膏剤。
  10. 【請求項10】9−[(1R,2R,3S)−2,3−
    ビス(ヒドロキシメチル)シクロブタン−1−イル]−
    グアニン(A化合物)、油脂性基剤、カルボキシメチル
    セルロ−ス、その架橋ポリマ−及びこれらのアルカリ金
    属塩から選ばれる少なくとも一種及び任意に水を含み、
    これらの含有量が軟膏剤全体に対して次の通りである軟
    膏剤。 A化合物 0.05〜10% 油脂性基剤 97.95〜40% カルボキシメチルセルロ−ス、その架橋ポリマ−及びこ
    れらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも一種 2
    〜50% 水 0〜50%
  11. 【請求項11】各成分の含有量が軟膏剤全体に対して次
    の通りである請求項10の軟膏剤。 A化合物 0.1〜3% 油脂性基剤 94.9〜50% カルボキシメチルセルロ−ス、その架橋ポリマ−及びこ
    れらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも一種 5
    〜30% 水 0〜30%
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011116754A (ja) * 2009-11-06 2011-06-16 Lion Corp 非イオン性薬物含有組成物

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