JP2000247981A - ケイ素化合物の製造方法 - Google Patents

ケイ素化合物の製造方法

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JP2000247981A JP11050159A JP5015999A JP2000247981A JP 2000247981 A JP2000247981 A JP 2000247981A JP 11050159 A JP11050159 A JP 11050159A JP 5015999 A JP5015999 A JP 5015999A JP 2000247981 A JP2000247981 A JP 2000247981A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 暴走反応を抑制して安定した状態で反応を行
うことができるとともに、効率良くケイ素化合物を得る
ことができるケイ素化合物の製造方法を提供する。 【解決手段】 下記式(III) に示すケイ素化合物は、下
記式(I)に示す化合物のアリル基と、下記式(II)に示
すヒドロシリル基とを、触媒の存在下にヒドロシリレー
ション反応させることにより製造される。このとき、反
応温度が70℃を越えて100℃以下の温度範囲内に制
御される。また、ヒドロシリレーション反応は、反応開
始から反応終了に至るまで前記式(I)に示す化合物の
量が、式(II)に示す化合物の量に対して過剰となる条件
下で行われる。 (但し、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基であ
る。) (但し、R′はアルコキシ基、アリールオキシ基、アル
キル基、シクロアルキル基又はアリール基である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子部品等に対
するコーティング剤、シランカップリング剤等として利
用される光カチオン硬化性樹脂組成物の原料となるケイ
素化合物の製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、光カチオン重合性官能基を有する、シリコーン化合
物、シルセスキオキサン化合物、シリカ化合物等のケイ
素化合物を含有する光カチオン硬化性樹脂組成物の原料
となるケイ素化合物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紫外線(UV)開始重合又は紫外線開始
硬化の分野においては、多官能アクリレート及び不飽和
ポリエステル等を用いた光開始ラジカル重合が広く検討
され、また工業的に利用されている。
【0003】しかし、このラジカル重合は空気中等の酸
素によって阻害されるという問題がある。特に、コーテ
ィング剤組成物をラジカル重合によって硬化させる場
合、この組成物の膜厚が薄くなるほど酸素による重合阻
害の影響は顕著となり、組成物を速やかにかつ完全に硬
化させるためには不活性雰囲気下で硬化させなければな
らないという制限がある。
【0004】これに対して光開始カチオン重合は、上記
光開始ラジカル重合とは異なり酸素による重合阻害を受
けないため、空気中においても完全に重合させることが
可能である。特に、シリコーン系のエポキシド又はオキ
セタン化合物をモノマーとした組成物によると、耐熱性
及び耐薬品性が良く、接着力に優れ、かつ耐汚染性の良
好な硬化物を得ることが可能である。この種の技術とし
て、特開平6−16804号公報には、上記モノマーの
うちシリコーンの両末端にオキセタニル基を導入した化
合物などが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、オキセタニ
ル基(オキセタン環)を有するカチオン硬化性のシルセ
スキオキサン化合物を合成するときの重要モノマーとし
て、例えば〔3−(トリエトキシシリル)プロピロキシ
メチル〕オキセタン(以下、Oxe−TRIESとい
う)がある。このOxe−TRIESは、例えば3−エ
チル−3−(アリルオキシメチル)オキセタン(以下、
アリルオキセタンという)とトリエトキシシラン(以
下、TRIESという)とのヒドロシリレーション反応
によって製造される。具体的には、アリルオキセタン中
にTRIESを徐々に供給する方法又はTRIES中に
アリルオキセタンを徐々に供給する方法が考えられる。
【0006】ところが、アリルオキセタン中にTRIE
Sを徐々に供給する方法では、反応が始まるまでの誘導
期間が長く、しかもある程度の量のTRIESを供給し
なければ反応は開始しない。また、一旦反応が開始する
と急激な発熱を伴って反応が暴走し、系内の温度が10
0℃を越えることもあり、取扱いが困難になるととも
に、オキセタン環が開環重合するおそれもあるという問
題がある。
【0007】一方、TRIES中にアリルオキセタンを
徐々に供給する方法では、反応系内にTRIESが過剰
に存在することから、テトラエトキシシランやTRIE
Sに由来するケイ素オリゴマー等の副生物が多量に生成
するという問題がある。加えて、反応系内にTRIES
が過剰に存在すると、ヒドロシリレーション反応の途中
で触媒が失活し、それ以上アリルオキセタンを供給して
もOxe−TRIESが生成しない場合があり、効率が
悪いという問題があった。
【0008】この発明は、以上のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、暴走反応を抑制して安定した状態で反応
を行うことができるとともに、副反応を抑えて効率良く
ケイ素化合物を得ることができるケイ素化合物の製造方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、この発明を完成
した。
【0010】すなわち、第1の発明のケイ素化合物の製
造方法は、下記式(I)に示す構造式で表される化合物
のアリル基と、下記式(II)に示す構造式で表される化合
物のヒドロシリル基とを、触媒の存在下に、反応温度を
70℃を越えて100℃以下の範囲内に保持しつつ、ヒ
ドロシリレーション反応させて下記式(III) に示す構造
式で表されるケイ素化合物を得ることを特徴とするもの
である。
【0011】
【化4】 (但し、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基であ
る。)
【0012】
【化5】 (但し、R′はアルコキシ基、アリールオキシ基、アル
キル基、シクロアルキル基又はアリール基である。)
【0013】
【化6】 (但し、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基であ
り、R′はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
基、シクロアルキル基又はアリール基である。) また、第2の発明のケイ素化合物の製造方法は、第1の
発明において、反応開始から反応終了に至るまで、前記
式(I)に示す構造式で表される化合物の量が、式(II)
に示す構造式で表される化合物の量に対して過剰となる
条件下でヒドロシリレーション反応を行うことを特徴と
するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て詳細に説明する。ケイ素化合物は下記式(III) に示す
構造式で表され、オキセタニル基を有するカチオン硬化
性のシルセスキオキサン化合物を合成するときの重要モ
ノマーとして使用される。
【0015】
【化7】 (但し、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基であ
り、R′はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
基、シクロアルキル基又はアリール基である。) このケイ素化合物〔以下、ケイ素化合物(III) という〕
は、下記式(I)に示す構造式で表される化合物〔以
下、化合物(I)という〕のアリル基と、下記式(II)に
示す構造式で表される化合物〔以下、化合物(II)とい
う〕のヒドロシリル基とをヒドロシリレーション反応さ
せることにより製造される。具体的には、ヒドロシリレ
ーション反応は所定の触媒の存在下に、暴走反応が引き
起こされないように温度を制御することによって行われ
る。
【0016】
【化8】 (但し、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基であ
る。)
【0017】
【化9】 (但し、R′はアルコキシ基、アリールオキシ基、アル
キル基、シクロアルキル基又はアリール基である。) 前記化合物(I)はオキセタニル基を有する有機官能基
であり、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基であ
る。特に、これらのうち、入手又は合成が容易である点
から、Rがエチル基であることが望ましい。
【0018】また、化合物(II)におけるR′はアルコキ
シ基、アリールオキシ基、アルキル基、シクロアルキル
基又はアリール基である。この「アルコキシ基」の例と
してはメトキシ基、エトキシ基、n−及びi−プロポキ
シ基、n−,i−及びt−ブトキシ基等が挙げられ、
「アリールオキシ基」の例としてはフェノキシ基等が挙
げられる。また、「アルキル基」の例としてはメチル
基、エチル基、n−及びi−プロピル基、n−,i−及
びt−ブチル基等が挙げられ、「シクロアルキル基」の
例としてはシクロヘキシル基等が挙げられ、「アリール
基」の例としてはフェニル基等が挙げられる。この化合
物(II)の一分子中には三つのR′が含まれるが、これら
は同じ基であってもよく、二種以上の異なる基であって
もよい。
【0019】化合物(II)におけるR′は、得られる硬化
性樹脂又は硬化性樹脂組成物の要求性能に応じて適当な
ものを選択すればよい。例えば、一分子中に存在する三
つのR′のうち、二つがアルコキシ基又はアリールオキ
シ基で、残りの一つがアルキル基、シクロアルキル基又
はアリール基のものを原料とすれば、光カチオン重合官
能基を有するシリコーン化合物用のモノマーが製造でき
る。また、三つのR′が全てアルコキシ基又はアリール
オキシ基である場合には、シルセスキオキサン化合物用
のモノマーが製造できる。このうち、アルコキシ基とし
ては、製造又は入手が容易である点から、メトキシ基又
はエトキシ基が好ましい。
【0020】化合物(I)と化合物(II)とのヒドロシリ
レーションの開始反応は、所定モル比を有する化合物
(I)と化合物(II)とよりなる反応系に、化合物(I)
と化合物(II)との一定モル比の混合物が供給されるか、
又は化合物(I)と化合物(II)とが別々に同時に供給さ
れることによって行われる。反応系における化合物(II)
に対する化合物(I)のモル比は1を越えて20以下が
好ましく、1.02〜10がさらに好ましい。また、反
応系に供給される化合物(II)に対する化合物(I)の混
合物のモル比は1〜3が好ましく、1〜2がさらに好ま
しい。化合物(I)と化合物(II)のモル比をこれらの範
囲に設定することにより、化合物(I)と化合物(II)と
のヒドロシリレーション反応で暴走反応が引き起こされ
るのを防止することができるとともに触媒を失活させる
ことなく、反応を効率よく円滑に進行させることができ
る。
【0021】前記化合物(I)と化合物(II)とのヒドロ
シリレーション反応は触媒の存在下に行われるが、その
触媒としては塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H
2 O)、cis−PtCl2 (PhCN)2 等が使用さ
れる。なお、Phはフェニル基を表す。この触媒は、反
応系に予め存在させておくか、又は化合物(I)若しく
は化合物(II)に添加して反応系に供給される。この場
合、触媒との反応を避けるために、触媒を化合物(I)
に混合して供給するのが望ましい。触媒の使用量は、化
合物(I)と化合物(II)の合計量に対して10-5M(モ
ル濃度)以下であることが好ましい。触媒の使用量をこ
のような少量に設定することにより、反応終了後の生成
物が着色するのを防止することができるので、触媒を除
去する工程を省略することも可能となる。
【0022】また、ケイ素化合物(III) の製造は、化合
物(I)のアリル基と化合物(II)のヒドロシリル基との
ヒドロシリレーション反応が暴走反応を引き起こさない
ように温度を制御して行われる。この温度制御は、反応
温度を70℃を越えて100℃以下の範囲内に保持する
ことにより行われる。この温度が70℃以下ではヒドロ
シリレーション反応が円滑に継続されず、100℃を越
えると暴走反応が引き起こされるおそれがあるととも
に、オキセタニル基の開環反応が起こるおそれがある。
【0023】さらに、ケイ素化合物(III) の製造は、反
応開始から反応終了に至るまで化合物(I)の量が、化
合物(II)の量に対して過剰となる条件でヒドロシリレー
ション反応させることにより行われる。具体的には、化
合物(I)と化合物(II)のモル比が5:4の前後に設定
される。これにより、触媒の失活及び副生成物の抑制が
できるとともに、ヒドロシリレーション反応の開始及び
進行が円滑に行われる。
【0024】また、化合物(I)と化合物(II)とのヒド
ロシリレーション反応が温和に開始され、急激に進行す
るのを抑制するために、反応を溶媒中で行うことが望ま
しい。そのような溶媒としては、トルエン、キシレン、
ヘキサン、シクロヘキサン、リグロイン、テトラヒドロ
フラン等が使用される。この溶媒の使用量は、反応終了
時における化合物(I)と化合物(II)の総重量に対して
20重量%以下であることが好ましい。溶媒の使用量を
このように設定することで、溶媒の除去工程が簡単で短
時間で済むとともに、ヒドロシリレーション反応の開始
と進行を安定した状態で確実に行うことができる。
【0025】以上のような条件の下にヒドロシリレーシ
ョン反応を行うことにより、化合物(I)はほとんど全
て消費され、反応はほぼ定量的に進行する。そして、副
生物の生成が抑制され、目的とするケイ素化合物(III)
を例えば純度95%以上という高純度で、かつ収率85
%以上という高収率で得ることができる。
【0026】得られたケイ素化合物(III) は、シランカ
ップリング剤や光カチオン重合性モノマーとして有用で
ある他、加水分解等の反応により、光カチオン硬化性樹
脂組成物が生成される。この樹脂組成物は、カチオン性
光重合開始剤により空気中においても容易にカチオン重
合する。従って、この樹脂組成物は、耐汚染性塗料、保
護コーティング剤、樹脂改質剤、レジスト材料等として
有用である。
【0027】以上に述べた実施形態により発揮される効
果について以下に記載する。 ・ 実施形態のケイ素化合物(III) の製造方法によれ
ば、化合物(I)のアリル基と化合物(II)のヒドロシリ
ル基とのヒドロシリレーション反応における温度を70
℃を越えて100℃以下の範囲内に制御することによ
り、暴走反応を確実に抑制して安定した状態で反応を行
い、目的とするケイ素化合物(III) を得ることができ
る。
【0028】・ 実施形態のケイ素化合物(III) の製造
方法によれば、化合物(I)のアリル基と化合物(II)の
ヒドロシリル基とのヒドロシリレーション反応を温和に
開始させ、安定した状態で進行させることができること
から、触媒の失活及び副反応を抑えて目的とするケイ素
化合物(III) を得ることができる。
【0029】・ 実施形態のケイ素化合物(III) の製造
方法によれば、暴走反応や副反応を抑えることができる
ことから、純度や収率を向上させて効率良くケイ素化合
物(III) を得ることができる。
【0030】・ 実施形態のケイ素化合物(III) の製造
方法によれば、ヒドロシリレーション反応の温度を例え
ば70℃を越えて100℃以下の範囲内に制御するとと
もに、化合物(I)の供給量を化合物(II)の供給量に対
して過剰となる条件に設定することにより、簡易な装置
及び工程で連続的にケイ素化合物(III) を製造すること
ができる。
【0031】・ 実施形態のケイ素化合物(III) の製造
方法によれば、得られるケイ素化合物(III) は、シラン
カップリッグ剤やオキセタニル基を有する光開始カチオ
ン重合性モノマーとして有用である他、光開始カチオン
高速硬化性のケイ素樹脂組成物(シリコーン、シルセス
キオキサン等)の製造原料として有用である。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて、前記実施形態をさら
に具体的に説明する。 (実施例1) (1) ケイ素化合物(III) の製造 以下の1)〜4)に示す反応操作に従ってケイ素化合物
(III) を合成した。 1) 窒素置換した3000ml反応器に、トルエン1
00g、アリルオキセタン 78.1g(0.5mo
l)及びTRIES 65.7g(0.4mol)を仕
込んで80℃に昇温した。
【0033】2) 触媒として、塩化白金酸(H2 Pt
Cl6 ・6H2 O)の0.05Mのベンゾニトリル溶液
200μlを注射器により一気に加えた。このとき、
系内の温度は89℃まで上昇した。
【0034】3) アリルオキセタンとTRIESをモ
ル比5/4に混合(4.5mol/3.6mol=70
3.0g/591.4g)したものを3ml/minの
速度で上記反応系に供給した。
【0035】4) アリルオキセタンとTRIESの混
合物の供給終了後、80〜85℃の温度で2時間加熱保
持することにより、反応を完結させた。 5) 反応終了後、減圧蒸留により、トルエンなどの揮
発性化合物を除去することによって、純度95%以上の
ケイ素化合物(Oxe−TRIES)を1434gの収
量(収率86%)で得た。
【0036】なお、ケイ素化合物の純度の測定は、ガス
クロマトグラフ(GC)により行った。以下の各例につ
いても同様である。 (実施例2)実施例1の反応操作3)において、アリル
オキセタンとTRIESを別々に供給した他は、実施例
1と同様にしてケイ素化合物(III) を製造した。
【0037】その結果、純度95%以上のケイ素化合物
(Oxe−TRIES)を1440gの収量(収率8
6.4%)で得た。 (実施例3)実施例1において、触媒としてH2 PtC
6 ・6H2 Oをアリルオキセタンに添加した他は、実
施例1と同様にしてケイ素化合物(III) を製造した。
【0038】その結果、純度95%以上のケイ素化合物
(Oxe−TRIES)を1417gの収量(収率8
5.5%)で得た。 (実施例4)実施例1において、TRIESの代わりに
下記式(IV)に示すジメチルエトキシシランを用い、そ
の他は実施例1と同様にしてケイ素化合物(III) を製造
した。
【0039】
【化10】 その結果、純度95%以上のケイ素化合物を1225g
の収量(収率90.5%)で得た。 (実施例5)実施例1において、TRIESの代わりに
下記式(V)に示すフェニルジエトキシシランを用い、
その他は実施例1と同様にしてケイ素化合物(III) を製
造した。
【0040】
【化11】 その結果、純度95%以上のケイ素化合物を1477g
の収量(収率80.6%)で得た。 (比較例1)100mlの反応器にアリルオキセタン
1.64g(10mmol)、TRIES 6.57g
(40mmol)及びトルエン 20.0gを仕込ん
だ。そして、80℃に加熱した後、cis−PtCl2
(PhCN)2 のPhCN溶液(0.05M)を0.1
ml(5×10-3mmol)加え、ヒドロシリレーショ
ン反応を開始した。反応終了後、溶液をガスクロマトグ
ラフで分析した。
【0041】その結果、TRIESをアリルオキセタン
に対して4倍当量仕込んだにもかかわらず、反応終了時
点においてアリルオキセタンは100%消費されなかっ
た。また、目的物であるOxe−TRIES以外にも、
テトラエトキシシランや多くの副生成物のピーク(TR
IESの2量体やTRIESオリゴマー)が観測され
た。
【0042】これはTRIESのSi−Hが、白金触媒
の存在下に反応系内の不純物である酸素と反応(酸化)
することが原因であると考えられる。また、反応終了時
点にアリルオキセタンをさらに20mmol追加したが
(最終的な反応比はTRIES:アリルオキセタン=4
0:30)、TRIES及びアリルオキセタンの消費は
ほとんど観測されず、すでに触媒は失活していた。
【0043】なお、前記実施形態より把握される技術的
思想について以下に記載する。 (1) 前記式(I)に示す構造式で表される化合物の
アリル基と式(II)に示す構造式で表される化合物のヒド
ロシリル基とのヒドロシリレーション反応を溶媒の存在
下で行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
のケイ素化合物の製造方法。
【0044】このように構成した場合、ヒドロシリレー
ション反応を温和に開始させることができるとともに、
その反応を安定した状態で進行させることができる。 (2) 前記溶媒の使用量は、反応終了時における式
(I)に示す構造式で表される化合物と式(II)に示す構
造式で表される化合物の総重量に対して20重量%以下
である上記(1)に記載のケイ素化合物の製造方法。
【0045】このように構成した場合、ヒドロシリレー
ション反応の開始と進行を安定した状態で確実に行うこ
とができる。 (3) 前記式(I)におけるRがエチル基であり、式
(II)におけるR′がメトキシ基又はエトキシ基である請
求項1又は請求項2に記載のケイ素化合物の製造方法。
【0046】このように構成した場合、式(I)に示す
構造式で表される化合物と式(II)に示す構造式で表され
る化合物の製造又は入手が容易である。 (4) 前記ヒドロシリレーション反応は、式(I)に
示す構造式で表される化合物と式(II)に示す構造式で表
される化合物とから反応系を形成し、その反応系に式
(I)に示す構造式で表される化合物と式(II)に示す構
造式で表される化合物との混合物を供給して又は双方を
実質的に同時に供給して行われるものであり、前記反応
系における式(II)に示す構造式で表される化合物に対す
る式(I)に示す構造式で表される化合物のモル比は1
を越えて20以下、反応系に供給される式(II)に示す構
造式で表される化合物に対する式(I)に示す構造式で
表される化合物のモル比は1〜3である請求項1又は請
求項2に記載のケイ素化合物の製造方法。
【0047】このように構成した場合、式(I)に示す
構造式で表される化合物のアリル基と式(II)に示す構造
式で表される化合物のヒドロシリル基とのヒドロシリレ
ーション反応で暴走反応が引き起こされるのを防止する
ことができ、反応を安定した状態で進行させることがで
きる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば
次のような効果が発揮される。第1の発明のケイ素化合
物の製造方法によれば、反応温度を70℃を越えて10
0℃以下の範囲内に保持することにより、暴走反応を抑
制して安定した状態で反応を行うことができるととも
に、副反応を抑えて効率良くケイ素化合物を得ることが
できる。
【0049】第2の発明のケイ素化合物の製造方法によ
れば、反応開始から反応終了に至るまで前記式(I)に
示す化合物の量が、式(II)に示す化合物の量に対して過
剰となる条件下でヒドロシリレーション反応が行われ
る。このため、第1の発明の効果に加え、反応を温和に
開始できるとともに、安定した状態で進行させることが
できる。
フロントページの続き (72)発明者 鷲見 章 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成 株式会社名古屋総合研究所内 Fターム(参考) 4H049 VN01 VP01 VQ02 VQ19 VQ20 VQ58 VR21 VR23 VR24 VR41 VR43 VS11 VS23 VS41 VS43 VT17 VU20 VU21 VU22 VV02 VV16 VW32 4J005 AA07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)に示す構造式で表される化
    合物のアリル基と、下記式(II)に示す構造式で表される
    化合物のヒドロシリル基とを、触媒の存在下に、反応温
    度を70℃を越えて100℃以下の範囲内に保持しつ
    つ、ヒドロシリレーション反応させて下記式(III) に示
    す構造式で表されるケイ素化合物を得ることを特徴とす
    るケイ素化合物の製造方法。 【化1】 (但し、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基であ
    る。) 【化2】 (但し、R′はアルコキシ基、アリールオキシ基、アル
    キル基、シクロアルキル基又はアリール基である。) 【化3】 (但し、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基であ
    り、R′はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
    基、シクロアルキル基又はアリール基である。)
  2. 【請求項2】 反応開始から反応終了に至るまで、前記
    式(I)に示す構造式で表される化合物の量が、式(II)
    に示す構造式で表される化合物の量に対して過剰となる
    条件下でヒドロシリレーション反応を行うことを特徴と
    する請求項1に記載のケイ素化合物の製造方法。
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