JP2000248010A - 熱可塑性樹脂の製造方法およびマレイミド系重合体 - Google Patents

熱可塑性樹脂の製造方法およびマレイミド系重合体

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JP2000248010A
JP2000248010A JP5048599A JP5048599A JP2000248010A JP 2000248010 A JP2000248010 A JP 2000248010A JP 5048599 A JP5048599 A JP 5048599A JP 5048599 A JP5048599 A JP 5048599A JP 2000248010 A JP2000248010 A JP 2000248010A
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maleimide
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thermoplastic resin
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Kenichi Ueda
賢一 上田
Minoru Yamaguchi
稔 山口
Kazuchika Fujioka
和親 藤岡
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マレイミド系単量体等の特定の単量体を原料
とする熱可塑性樹脂における未反応単量体の含有量を著
しく低減する方法、および未反応単量体の含有量の著し
く少ないマレイミド系重合体を提供する。 【解決手段】 α,β−不飽和ジカルボン酸無水物また
はその誘導体である化合物(A)を含む単量体成分を重
合して熱可塑性樹脂を製造する方法において、ジエン化
合物および/またはその前駆体から選ばれる少なくとも
一種の化合物(B)を添加することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、未反応単量体の含
有量の少ない熱可塑性樹脂の製造方法および未反応単量
体の含有量の少ないマレイミド系重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル等
の熱可塑性樹脂を製造する方法としては、それらの原料
となるビニル単量体を、溶媒の存在しない状態で重合さ
せる塊状重合法、溶媒を用いて重合させる溶液重合法、
水中に単量体を分散又は乳化させて重合する懸濁重合法
や乳化重合法等が工業的に採用されている。
【0003】これらの方法で得られた熱可塑性樹脂は、
未反応のビニル単量体や溶媒等の揮発性成分を含む混合
物であるため、成形材料として有用な熱可塑性樹脂を得
るためには揮発性成分を除去することが必要である。特
にこれら熱可塑性樹脂の原料であるビニル単量体は反応
性に富み、また低分子量であり、刺激性、臭気、毒性を
有するため、一般にその残留量の低減が必要とされてい
る。重合後の脱溶媒工程でビニル単量体はある程度は除
去されるものの、マレイミド系単量体等の沸点が高いビ
ニル単量体は残留しやすいため、さらなる低減が求めら
れている。また、同様な重合方法で得られた熱可塑性樹
脂を、揮発性成分を分離除去することなくそのまま塗料
や接着剤などに使用することもできるが、この場合には
特にビニル単量体の残留量の低減が要請される。
【0004】これまでたとえば、重合反応において単量
体の添加等が終了した後に重合開始剤を継続添加するこ
とにより未反応単量体の含有量を低減する方法(特開平
2−51514号公報)、共重合体の場合一方の単量体
を過剰に存在させて目的とする単量体の残留量を低減す
る方法(特開昭63−175086号公報)、完全混合
型反応器と層流反応器を組み合わせることによりマレイ
ミド系単量体の残留量を低減する方法(特開平3−20
5411号公報)、メタノール洗浄により未反応単量体
を除去する方法(特開昭61−252211号公報)、
熟成中に禁止剤をいれて未反応単量体を低減する方法
(特開平5−86105号公報)、メタノールやエーテ
ル等の貧溶媒に重合体を析出させることにより未反応単
量体を分離除去する方法(特公昭43−9753号公
報)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平2−51514号公報の方法では、低分子量の重合
体が生成して物性が低下したり、未反応単量体の低減効
果が不十分である。また、上記特開平5−86105号
公報の方法は、低分子量重合体の生成が抑制できる点で
は改良されているが、禁止剤による熱着色の問題があっ
た。また、上記特開昭63−175086号公報、特開
平3−205411号公報の方法のように重合率を特定
の単量体の残存量を低減する方法では組成分布を生じた
り、効果が不十分であるという欠点を有している。さら
に、特開昭61−252211号公報、特公昭43−9
753号公報の方法のように、重合体から未反応単量体
を貧溶媒に抽出する方法では、多量の溶媒を必要とし、
工業的な規模での採用は困難である。また、近年環境問
題がますます重要視されるようになり、また分析手段も
進歩して従来は「検出限界以下」であった少量の残存量
についても定量が可能となったことから、従来の残存量
では問題となる場合が生じてきた。
【0006】特にマレイミド系単量体を用いたマレイミ
ド系重合体は耐熱性熱可塑性樹脂として非常に有用であ
るが、重合体中に残留するマレイミド系単量体は着色の
原因となり、また食品容器として用いられる場合には溶
出して安全性に問題が生じるため、さらなる低減が求め
られている。したがって、本発明はマレイミド系単量体
等の特定の単量体を原料とする熱可塑性樹脂における未
反応単量体の含有量を著しく低減する方法、および未反
応単量体の含有量の著しく少ないマレイミド系重合体を
提供することを課題とする。同様に、α,β−不飽和ジ
カルボン酸無水物やその誘導体を原料とする熱可塑性樹
脂における、未反応単量体の含有量を低減させることも
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、以下の構成を提供する。 α,β−不飽和ジカルボン酸無水物またはその誘導
体である化合物(A)を含む単量体成分を重合して熱可
塑性樹脂を製造する方法において、ジエン化合物および
/またはその前駆体から選ばれる少なくとも一種の化合
物(B)を添加することを特徴とする、熱可塑性樹脂の
製造方法。
【0008】 マレイミド系単量体単位が全単量体単
位の30〜60重量%であるマレイミド系重合体であっ
て、マレイミド系単量体の含有量が30ppm以下であ
ることを特徴とするマレイミド系重合体。
【0009】
【発明の実施の形態】上記先行技術のような未反応単量
体の低減化の方法では、マレイミド系単量体等の単量体
(化合物(A))を含有する重合体では全く効果がなか
ったり、組成や分子量の異なる重合体が重合反応の後半
で生成するために組成や分子量の分布が広がりやすく透
明性や性能が低下しやすい。そこで本発明では、化合物
(A)と非常に反応性の高い化合物(B)を用いて、未
反応の化合物(A)を重合体に悪影響を及ぼさない物質
に変換するものであり、即ち、未反応の化合物(A)を
低減させることを目的とし、そのための手段としてディ
ールスアルダー反応を利用するものである。
【0010】本発明の方法を利用することで、α,β−
不飽和ジカルボン酸無水物やその誘導体を原料とする熱
可塑性樹脂における、未反応単量体の含有量を低減させ
ることができる。特に、マレイミド系単量体を原料にし
たマレイミド系重合体の場合に適応させると、未反応単
量体であるマレイミド単量体を低減させることができる
ので好ましい。
【0011】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
おける熱可塑性樹脂は、化合物(A)を含む単量体成分
を重合して得られるものであり、化合物(A)とこれと
共重合可能な他の単量体との重合体が好ましく用いられ
る。化合物(A)は、α,β−不飽和ジカルボン酸無水
物またはその誘導体であり、マレイミド系単量体;マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、シトフコン酸、メサコ
ン酸、エチルマレイン酸、メチルイタコン酸、クロロマ
レイン酸、ブロモマレイン酸、ジクロロマレイン酸、ジ
ブロモマレイン酸、フェニルマレイン酸等のジカルボン
酸およびそれらの無水物等が挙げられる。
【0012】これらの中で、マレイミド系単量体および
無水マレイン酸が好ましく用いられる。マレイミド系単
量体としては、下式
【0013】
【化1】
【0014】(式中、R1は水素、または、炭素数1〜
15の、アルキル基、シクロアルキル基、置換アルキル
基、アリール基もしくは置換アリール基である。)で示
される化合物を好ましく用いることができる。例えば、
マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイ
ミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレ
イミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイ
ミド、N−ターシャリブチルマレイミド、N−シクロヘ
キシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−クロ
ルフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミ
ド、N−ブロモフェニルマレイミド、N−ナフチルマレ
イミド、N−ラウリルマレイミド、2−ヒドロキシエチ
ルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、N
−メトキシフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニ
ルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド等を挙げ
ることができ、これらのうちの1種または2種以上を使
用することができる。これらの中でN−フェニルマレイ
ミドおよびN−シクロヘキシルマレイミドを用いること
で、透明性と耐熱性に優れたマレイミド系重合体を得る
ことができる。
【0015】化合物(A)と共重合可能な他の単量体と
しては、特に限定されるものではないが、不飽和カルボ
ン酸アルキルエステル系単量体、芳香族ビニル系単量
体、シアン化ビニル系単量体等を挙げることができる。
これら他の単量体は単独で用いてもよいし、2種以上併
用してもよい。不飽和カルボン酸アルキルエステル系単
量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリ
レート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル
(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレー
ト、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチ
ル(メタ)アクリレート、iso-ノニル(メタ)アクリレ
ート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類
が挙げられる。これらの中でも脂肪族アルキル(メタ)
アクリレートが好ましく、メチル(メタ)アクリレート
が特に好ましい。
【0016】芳香族ビニル系単量体としては、例えば、
スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。これら
の中でもスチレンが特に好ましい。シアン化ビニル系単
量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等が挙げられる。これらの中でもアクリロニト
リルが特に好ましい。全単量体成分中における化合物
(A)の使用量は特に限定されるものではないが、5〜
65重量%であることが好ましく、10〜60重量%で
あることがより好ましく、30〜60重量%であること
がさらにより好ましい。化合物(A)は化学構造上、耐
熱性、相溶性に優れており、化合物(A)を含む重合体
は耐熱性の成形材料や耐熱性の改質剤として有用であ
る。したがって、化合物(A)の使用量が少なすぎる場
合は熱可塑性樹脂の耐熱性が低下しやすく、多すぎる場
合は熱可塑性樹脂の耐熱性、透明性等の物性が低下しや
すい。
【0017】本発明において好ましい熱可塑性樹脂は、
マレイミド系重合体である。熱可塑性樹脂を得るために
化合物(A)を含む単量体成分を重合する方法として
は、通常の重合方法を適宜採用すればよい。例えば、溶
液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合などが挙げられ
る。溶液重合や塊状重合では溶媒に溶解した状態で重合
生成物が得られ、懸濁重合や乳化重合では水などの分散
媒体に分散した状態で重合生成物が得られる。重合生成
物が溶媒に溶解した状態である方が化合物(A)と化合
物(B)とが均一に混合されやすいので、溶液重合や塊
状重合によることが好ましい。好ましく用いられる溶媒
としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチ
ルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブ
チルケトン、酢酸エチル等が挙げられる。
【0018】上記重合により得られた重合生成物に含ま
れる未反応の化合物(A)の含有量を低減させるために
本発明では、重合前、重合中、重合後の少なくともいず
れかの段階で化合物(B)を添加する。化合物(B)
は、化合物(A)と高い反応性を有し、系内に残ってい
る未反応の化合物(A)と反応して該熱可塑性樹脂に悪
影響を与えない物質に変換することができれば特に限定
しないが、好ましくは、ジエン化合物および/またはそ
の前駆体から選ばれる化合物である。したがって、化合
物(B)がジエン化合物である場合にはそのまま、化合
物(B)がジエン化合物の前駆体である場合にはジエン
化合物へと変換させることにより、化合物(A)とジエ
ン化合物とをディールスアルダー反応させる。この反応
により得られる物質は、熱可塑性樹脂中に残存しても重
合体に悪影響を及ぼさない物質であったり(具体的に
は、着色が起こらない等)、揮発性成分と共に容易に除
去されて残存しにくいため、透明性や耐熱性に優れた熱
可塑性樹脂を得ることができる。
【0019】化合物(B)は、ジエン化合物および/ま
たはその前駆体から選ばれる化合物であり、具体的に
は、例えば、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエ
ン、シクロヘキサジエン、フラン、フルフリルアルコー
ル、フルベン、シクロペンタジエン、1,2,3,4−
テトラクロロ−5,5−ジメトキシシクロペンタジエン
およびその前駆体が挙げられる。ここで、ジエン化合物
の前駆体とは、加熱によりジエン化合物を生成しうる化
合物である。特に環状ジエン化合物は、化合物(A)に
対して反応性が高いので、重合液に添加することにより
速やかに残存する化合物(A)を低減することができ、
好ましい。化合物(B)として特に好ましいのは、シク
ロペンタジエン、シクロヘキサジエン、フラン、フルフ
リルアルコールおよびその前駆体であり、特にシクロペ
ンタジエンの前駆体であるジシクロペンタジエンが好ま
しい。
【0020】ジエン化合物(B)とα,β−不飽和ジカ
ルボン酸無水物またはその誘導体である化合物(A)の
ディールスアルダー反応は、速やかに進行するために、
その処理温度は特に限定されないが、具体的には、常温
(25℃程度)から重合温度程度±30℃が好ましく、
特に、30〜140℃が好ましい。ジエン化合物(B)
の沸点が、重合温度よりも極めて低い場合には、処理温
度を下げて添加し、ジエン化合物の気相部への揮散を少
なくすることが効果的で好ましい。
【0021】化合物(B)は重合前、重合中、重合後の
少なくともいずれかの段階で添加される。ただし、重合
反応中は大量の化合物(A)が反応系に残留しているの
で、化合物(B)としてジエン化合物を用いる場合や、
化合物(B)としてジエン化合物の前駆体を用いる場合
であっても重合反応条件下で前駆体からジエン化合物へ
の化学反応が起こりやすい場合には、化合物(A)とジ
エン化合物との反応が重合反応中に起こることとなり、
本来の重合反応を阻害するとともに化合物(B)による
化合物(A)の低減効果が得られないので、重合後の重
合生成物に添加することが好ましい。逆に言えば、化合
物(B)として前駆体を用い、かつ重合反応条件下では
前駆体からジエン化合物への化学反応が起こりにくい場
合には、重合前や重合後に該化合物(B)を添加するこ
とができる。
【0022】したがって、重合後に化合物(B)を添加
する場合の重合生成物中の化合物(A)の残留量は、性
能に影響しない範囲で単量体や重合開始剤の添加方法の
工夫、重合温度、溶媒の種類、量、重合方法等により予
め低減しておくことが好ましく、1.0〜0.01重量
%としておくことが好ましい。重合後に化合物(B)を
添加する場合、添加後に重合生成物を攪拌などすること
により化合物(A)と化合物(B)とが混合される。必
要に応じて加熱したり、一定時間の反応時間をとっても
よい。特に化合物(B)がシクロペンタジエンの前駆体
であるジシクロペンタジエンの場合、ジシクロペンタジ
エンはシクロペンタジエンの2量体であり、140〜1
60℃で熱分解により解重合してシクロペンタジエンと
なるため、添加後、上記熱分解温度以上に加熱すること
が好ましく、より好ましくは170℃以上、特に好まし
くは190℃以上である。また、ジシクロペンタジエン
を用いる場合、重合反応を上記熱分解温度以下で行うな
らば重合前や重合中にジシクロペンタジエンを添加して
も重合反応に影響することはなく、重合の後に熱分解温
度以上に加熱して解重合させることでシクロペンタジエ
ンを生成させて化合物(A)と反応せしめることができ
るので、化合物(B)を別途混合する工程が不要とな
る。
【0023】また、あらかじめジシクロペンタジエンを
単蒸留して得られるシクロペンタジエンを常温〜重合温
度の範囲で添加し、化合物(A)と反応させる方法が好
ましい。化合物(B)の添加量としては、重合生成物中
に残留する化合物(A)の含有量にもよるが、重合生成
物に対し、10〜0.01重量%が好ましく、5〜0.
05重量%がより好ましい。0.01重量%よりも少な
い場合には化合物(A)の低減効果が不十分となりやす
く、10重量%よりも多く加えても化合物(A)の低減
効果はそれほど向上せず、逆に未反応の化合物(B)が
多く残留することになり好ましくない。
【0024】本発明の方法により化合物(A)の含有量
を従来と比べて著しく低減することができる。上記した
ようにマレイミド系単量体を用いたマレイミド系重合体
では特に未反応マレイミド系単量体の含有量の低減が求
められているが、本発明によると、マレイミド系単量体
単位が全単量体単位の30〜60重量%であるマレイミ
ド系重合体においてマレイミド系単量体の含有量を30
ppm以下に低減することができ、より好ましくは20
ppm以下、さらに好ましくは15ppm以下、最も好
ましくは10ppm以下に低減することができる。
【0025】マレイミド系単量体と共重合する他の単量
体ごとに見てみると、マレイミド系単量体単位が全単量
体単位の10〜40重量%、メタクリル酸メチル単位が
全単量体単位の90〜50重量%、その他単量体単位が
全単量体単位の0〜40重量%であるメタクリル酸メチ
ル−マレイミド系共重合体では、従来はマレイミド系単
量体の反応性が低くマレイミド系単量体が残留しやすか
ったが、本発明によると100ppm以下にできる。ま
た、マレイミド系単量体単位が全単量体単位の30〜6
0重量%、スチレン単位が全単量体単位の70〜40重
量%、その他共重合可能な単量体単位が全単量体単位の
0〜30重量%であるスチレン−マレイミド系共重合体
では、メタクリル酸メチル−マレイミド共重合体よりは
マレイミド系単量体は残留しにくいものであるが、本発
明によると従来よりもさらに低減でき20ppm以下と
することができる。
【0026】本発明の方法により得られる熱可塑性樹脂
は、用途に応じて、重合生成物から揮発性成分を除去す
ることなく使用される場合と、揮発性成分を除去してか
ら使用される場合とがある。例えば、塗料、接着剤等と
して使用される場合は、その使用工程で揮発性成分が除
去され、必要に応じて架橋剤等が添加されて、目的とさ
れる熱可塑性樹脂として性能を発揮する。一方、成形材
料、フィルム等に使用される場合は予め揮発性成分を除
去した後、加熱され、それぞれの形態で使用される。
【0027】ジエン化合物(B)等を作用させ、あらか
じめ重合液中に残る単量体成分をある程度低減させた本
発明の重合液は、さらに未反応の単量体や有機溶剤等の
揮発成分を除去する場合、一般には、真空フラッシュ
法、薄膜蒸発法、単軸または2軸のベント付き押出機等
の加熱脱揮法、加熱脱揮装置を用いて蒸発除去すること
が好ましい。この時、重合液中に残された化合物(A)
(残存した単量体)は、この蒸発除去工程において更に
低減することができるので好ましい。特に、上記のベン
ト付き押出機を用いて揮発成分を除去した場合、効果的
に残存した化合物(A)を低減することができるのでよ
り好ましい。
【0028】中でも本発明のマレイミド系重合体は、成
形材料として、あるいは各種熱熱可塑性樹脂に配合して
耐熱性等の諸性質を改良するための材料などとして有効
に利用できる。本発明のマレイミド系重合体は残留する
マレイミド系単量体の含有量が少ないので、安全性の求
められる食品容器などにも有効に用いることができる。
【0029】本発明の、マレイミド系重合体や該マレイ
ミド系重合体を含む熱可塑性樹脂組成物は、好ましく
は、化合物(A)と化合物(B)のディールスアルダー
付加体の含有量が、500ppm以下である。好ましく
は、200ppm以下、さらに好ましくは100ppm
以下である。本発明の、ディールスアルダー付加体の含
有量が特定量の重合体や該組成物は、残存する化合物
(A)であるマレイミド系単量体等の量が少ないので、
安全性が良好で、残存単量体等が原因で起こる各種問題
点(着色、材料の経時変色等)の問題がないので好まし
い。
【0030】また、本発明の重合体や組成物に含まれる
ディールスアルダー付加体は、本発明の重合体や熱可塑
性樹脂組成物の物性に悪い影響を与えないので好まし
い。
【0031】
【実施例】以下に実施例によりさらに詳細に本発明を説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実
施例中で「部」、「%」とは特にことわりがない限り、
それぞれ「重量部」、「重量%」を表すものとする。 [残存マレイミド系単量体の含有量の測定法]残存マレ
イミドの測定は、試料のクロロホルム溶液をガスクロマ
トグラフィ(島津製作所社製、GC−14A型)により
定量した。特に、20ppm以下のレベルの測定は、N
−フェニルマレイミドのm/z=173のイオンを選
び、GC−MS(JEOL、日本電子社製)によるマス
クロマトグラム法によって測定した。 [耐熱性の測定法]試料のガラス転移温度をJIS−K
−7121に従い、示差走査熱量測定器(理学電気
(株)社製、DCS−8230)を用い、窒素ガス雰囲
気下、α−アルミナをリファレンスに、常温より250
℃までの昇温速度10℃/分で昇温して測定したDSC
(Differential Scanning Co
lorimetry)曲線から、中点法で算出した。 [荷重たわみ温度]荷重たわみ温度は、試験片812.
5mm×6mm)の中央部に18.5kgf/cm2
応力の相当する荷重を加え、2℃/minの速度で昇温
させ、試験片に0.26mmのたわみを生ずる時の温度
をもって荷重たわみ温度とした。 [光学特性の測定]試験片を、色差計(日本電色工業株
式会社製、商品名:SZ−Σ80 COLOR MEA
SURING SYSTEM)を用いて、ASTMD1
003に準じて、全光線透過率および濁度を測定した。 [ポリマー組成の測定法]重合液を希釈した後、メタノ
ール中に投入し、重合体分を分離して濾過した後に乾燥
した。試料のクロロホルム3%溶液の赤外分光分析(赤
外吸収法)および元素分析による窒素の含有量より計算
した。 [ディールスアルダー反応付加体の分析]本発明の化合
物(A)であるマレイミド単量体と使用したジエン化合
物(B)に相当するディールスアルダー反応付加体の構
造は、GC−MS(JEOL、日本電子社製)によるマ
スクロマトグラム法によって検出して決定した。また、
その量はガスクロマトグラフィ(島津製作所社製、GC
−14A型)や、微量であればGC−MSを用いて測定
した。 [実施例1]まず、内容量20Lの攪拌機付きステンレ
ス製重合槽に滴下槽を取り付け、44.5部のメタクリ
ル酸メチル、5.0部のN−フェニルマレイミド、0.
5部のアクリル酸メチル、50部のトルエン、および
0.02部のn−ドデシルメルカプタンを用い、窒素で
置換した後、重合開始剤として0.1部のt−ブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネートを加えて、沸点条件
下100〜110℃で、3.5時間重合を行った。その
後、110℃で5.5時間保持したのち冷却して重合反
応を終了した。この時の重合液の残存N−フェニルマレ
イミドの含有量は510ppmであった。また、得られ
たマレイミド系共重合体は、N−フェニルマレイミド単
位10.5%、メチルメタクリレート単位88.5%、
アクリル酸メチル単位1.0%を含有しており、ガラス
転移温度は130℃であった。
【0032】重合後、この重合液に1.5部のジシクロ
ペンタジエンを添加した後、200℃に昇温し、20分
間保持した。この時の圧力は3kg/cm2 であった。
冷却後の重合液は無色透明であり、この重合液に含まれ
るN−フェニルマレイミドは40ppmであった。ま
た、ディールスアルダー反応付加体の量は450ppm
であった。さらに、共重合体の組成、Tgには変動はな
かった。 [比較例1]実施例1において、重合後にジシクロペン
タジエンの添加を行わなかった以外は全く同様の操作を
行い、重合液を得た。冷却後の重合液は淡黄色透明で、
この重合液中に含まれるN−フェニルマレイミドは42
0ppmであり、共重合体組成、Tgに変動はなかっ
た。 [比較例2]実施例1において、重合後にジシクロペン
タジエンを添加するかわりに、重合開始剤であるt−ブ
チルパーオキシイソプロピルカーボネート0.2部を添
加し、同様の操作を行った。冷却後の重合液は淡黄色透
明であり、この重合液には、N−フェニルマレイミドは
280ppm含まれており、また、共重合体の組成は、
N−フェニルマレイミド単位10.1%、メチルメタク
リレート単位89.9%であり、Tgは131℃であっ
た。 [実施例2]実施例1と同様の装置を用い、20.0部
のスチレン、6.0部のアクリロニトリル、58.0部
のトルエン、16.0部のN−フェニルマレイミドを原
料として、開始剤として0.25部のt−ブチルパーオ
キシイソプロピルカーボネートを加えて、沸点条件下1
00〜115℃の温度で3.5時間重合した。その後、
110℃で5.5時間保持したのち冷却して重合反応を
終了した。この時の残存N−フェニルマレイミドの含有
量は180ppmであった。また、得られたマレイミド
系共重合体は、スチレン単位49%、アクリロニトリル
単位13%、N−フェニルマレイミド単位38%を含有
しており、ガラス転移温度は169℃であった。
【0033】重合後、この重合液に、あらかじめジシク
ロペンタジエンを170℃において単蒸留することによ
って得られたシクロペンタジエンを0.3部添加した
後、2時間、重合温度と同じ110℃で熟成攪拌を継続
した。この後の重合液には、N−フェニルマレイミドは
28ppm含まれていた。また、ディールスアルダー反
応付加体の量は130ppmであった。 [実施例3]実施例2において、シクロペンタジエンを
1.5部に変更する以外は同様の操作を行った。残存N
−フェニルマレイミドの含有量は18ppmであった。
また、ディールスアルダー反応付加体の量は110pp
mであった。 [実施例4]実施例3におけるシクロペンタジエン1.
5部添加後の重合反応液を、シリンダー温度250℃に
コントロールしたベント付きの30mmφの2軸押出機
に供給し、ベント口より真空脱揮して押し出されたスト
ランドをペレット化してマレイミド系共重合体を得た。
この時2軸押出機内の重合反応液温度は200〜250
℃であった。得られたマレイミド系共重合体に含まれる
残存N−フェニルマレイミドの含有量は8ppmであっ
た。また、ディールスアルダー反応付加体の量は90p
pmであった。
【0034】このマレイミド系共重合体を用いて射出成
形により、厚み3mmの試験片を作成した。得られた試
験片は、HDT151℃、全光線89%、量価1.6%
であった。 [比較例3]実施例2において、重合後にシクロペンタ
ジエンの添加を行わなかった以外は全く同様にして重合
液を得た。得られた重合液に含まれる残存N−フェニル
マレイミドの含有量は175ppmであった。 [比較例4]実施例4において、重合後にシクロペンタ
ジエンの添加を行わなかった以外は全く同様にしてマレ
イミド系共重合体を得た。得られたマレイミド系共重合
体に含まれる残存N−フェニルマレイミドの含有量は1
10ppmであった。 [実施例5]実施例2と同様の操作により、3.5時間
重合反応を行い、110℃で5.5時間保持するまでは
同じ操作を行ったのち、10部のスチレンと0.1部の
重合開始剤を添加し、さらに、2.0時間同温度で反応
を継続したのち重合反応を終了した。この時の残存N−
フェニルマレイミドの含有量は60ppmであった。ま
た、得られたマレイミド系共重合体は、スチレン単位5
2%、アクリロニトリル単位12%、N−フェニルマレ
イミド単位36%を含有しており、ガラス転移温度は1
67℃であった。
【0035】重合後、この重合液に、あらかじめジシク
ロペンタジエンを170℃において単蒸留することによ
って得られたシクロペンタジエンを1.0部添加した
後、2時間、重合温度と同じ、110℃で熟成攪拌を継
続した。この後の重合液には、N−フェニルマレイミド
は12ppm含まれていた。また、ディールスアルダー
反応付加体の量は40ppmであった。 [実施例6]実施例5におけるシクロペンタジエン1.
0部添加後の重合反応液を、シリンダー温度250℃に
コントロールしたベント付きの30mmφの2軸押出機
に供給し、ベント口より真空脱揮して押し出されたスト
ランドをペレット化してマレイミド系共重合体を得た。
得られたマレイミド系共重合体に含まれる残存N−フェ
ニルマレイミドの含有量は7ppmであった。この時2
軸押出機内の重合反応液温度は200〜250℃であっ
た。また、ディールスアルダー反応付加体の量は40p
pmであった。
【0036】このマレイミド系共重合体を用いて射出成
形により、厚み3mmの試験片を作成した。得られた試
験片は、HDT145℃、全光線84%、量価5.3%
であった。
【0037】
【表1】
【0038】表1に見るように、ジシクロペンタジエン
またはシクロペンタジエンを添加した実施例では残存マ
レイミド系単量体の含有量が低減されている。しかもマ
レイミド系共重合体の透明性や耐熱性はジシクロペンタ
ジエンを添加しない場合と比べて変わりがないか、むし
ろ改善されており、マレイミド系単量体とジシクロペン
タジエンとのディールスアルダー反応物は共重合体の透
明性や耐熱性に悪影響を及ぼす物質ではないことがわか
る。
【0039】
【発明の効果】本発明によると、透明性や耐熱性に悪影
響を及ぼすことなく、マレイミド系単量体等の特定の単
量体を原料とする熱可塑性樹脂における未反応単量体の
含有量を著しく低減することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 和親 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4J011 AA02 PA23 PB40 PC03 PC08 4J100 AJ08P AJ09P AJ10P AK31P AK32P AK33P AM43P AM45P AM47P AM48P AM49P CA01 FA02 GB01 JA01 JA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α,β−不飽和ジカルボン酸無水物または
    その誘導体である化合物(A)を含む単量体成分を重合
    して熱可塑性樹脂を製造する方法において、ジエン化合
    物および/またはその前駆体から選ばれる少なくとも一
    種の化合物(B)を添加することを特徴とする、熱可塑
    性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】化合物(B)が、環状ジエン化合物であ
    る、請求項1に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】化合物(A)が、マレイミド系単量体また
    は無水マレイン酸のいずれかである、請求項1または2
    のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】熱可塑性樹脂に含まれる未反応の化合物
    (A)の含有量が20ppm以下である、請求項1から
    3までのいずれかに記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】マレイミド系単量体単位が全単量体単位の
    30〜60重量%であるマレイミド系重合体であって、
    マレイミド系単量体の含有量が30ppm以下であるこ
    とを特徴とするマレイミド系重合体。
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JP2017538018A (ja) * 2014-12-18 2017-12-21 ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ エルエルシーRohm and Haas Electronic Materials LLC 負の光弾性定数を有するポリマー材料

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