JP2000248105A - 発泡性マイクロカプセルウェットケーキの分散化方法 - Google Patents

発泡性マイクロカプセルウェットケーキの分散化方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂の外殻内に揮発性物質を内包し
た発泡性マイクロカプセルは、一般にウェットケーキ状
で流通されており、使用に際してウェットケーキを水に
再分散させているが、良好な発泡性を保持したままの均
一な微粒子状に再分散させることは困難であり、また非
水系溶媒中に再分散させることは更に困難であった。 【解決手段】 本発明の発泡性マイクロカプセルウェッ
トケーキの分散化方法は、発泡性マイクロカプセルのウ
ェットケーキを、該ウェットケーキ中の含水率が5%以
下となるように乾燥処理した後、石臼式粉砕機の砥石間
の間隙を通過させ、ウェットケーキを解離、分散化して
発泡性微小粒子とすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂外殻
内に揮発性物質を内包した発泡性マイクロカプセルのウ
ェットケーキを解離、分散化して発泡性微粒子とするこ
とのできる発泡性マイクロカプセルウェットケーキの分
散化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂外殻内に揮発性物質を内包
した発泡性マイクロカプセルは、加熱によって容易に発
泡して微小な発泡粒子を形成する性質を有するため、種
々の用途に利用されている。例えば、軽量化を目的とし
た塗料添加剤、プラスチック充填剤等としての利用や、
発泡によって体積膨張することを利用してシーリング剤
の添加剤、あるいは発泡によって表面凹凸が形成される
ことを利用して発泡性インク、壁紙等の添加剤や、繊維
製品加工剤の添加剤等、各種の分野に広く利用されてい
る。
【0003】この種の発泡性マイクロカプセルは、特公
昭42−26524号公報に記載されているように、熱
可塑性樹脂として重合し得るモノマーと、熱可塑性樹脂
に対しては溶剤作用をほとんど有さない液状の揮発性物
質(発泡剤)と、分散安定剤とを含む懸濁液を調整し、
懸濁液中のモノマーを重合させる方法(懸濁重合法)等
により得られる。
【0004】上記したような懸濁重合法によれば、粒径
10〜100μ程度の微小な発泡性マイクロカプセルが
得られ、得られた発泡性マイクロカプセルは、ポリ袋や
コンテナバック等に収納されて流通されている。懸濁重
合法で得られた発泡性マイクロカプセルは、通常、20
〜40%程度の水分を含むウェットな状態であるため、
微小な発泡性マイクロカプセルは凝集して巨大なウェッ
トケーキとなっている。
【0005】このような巨大なウェットケーキとなった
発泡性マイクロカプセルは、上記したような塗料やプラ
スチック、シーリング剤、発泡性インク等の添加剤とし
て利用する際に、微小な発泡性粒子に解離、分散化する
必要があり、このため従来は、ウェットケーキに水を添
加し、ホモミキサー、ディスパー、プロペラ攪拌機、超
音波等により撹拌して、2〜30%程度の水分散液を
得、この水分散液を各種用途への添加用として利用して
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発泡性
マイクロカプセルのウェットケーキを、再度発泡性粒子
状態に分散させることは容易なことではなく、上記した
ような方法で再分散を試みても、凝集した粒子がほぐれ
難く粒度のバラツキが非常に大きくなる。このような粒
度のバラツキが非常に大きい発泡性粒子を、各種用途に
利用しても良好な結果が得られないという問題があっ
た。また分散性を高めるために強度に撹拌したりする
と、撹拌時に発生する熱や機械的衝撃によって、発泡性
マイクロカプセルが発泡したり破壊され、発泡性が低下
したりなくなってしまうという問題があった。
【0007】更に、上記したような従来行われている方
法は、20〜40%もの水分を含むウェットケーキに更
に水を添加して水分散液とするものであるから、水系へ
の添加を目的とする場合には利用できても、非水系への
添加を目的とする場合には利用し得ない。非水系への添
加を目的とする場合には、ウェットケーキを乾燥処理し
て水分を除去した後、非水系溶媒中に分散させることが
必要となるが、ウェットケーキを乾燥処理すると更に強
固な凝集体となり、前記したようなホモミキサー、ディ
スパー、プロペラ攪拌機、超音波等を利用したとして
も、均一な発泡性粒子状態に解離、分散化させることは
きわめて困難となるという問題があった。
【0008】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
発泡性マイクロカプセルのウェットケーキを、マイクロ
カプセルを発泡させたり破壊することなく、均一な発泡
性微小粒子状態に解離、分散化させることのできる、発
泡性マイクロカプセルウェットケーキの分散化方法を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の発泡性マイ
クロカプセルウェットケーキの分散化方法は、熱可塑性
樹脂外殻内に揮発性物質を内包した発泡性マイクロカプ
セルのウェットケーキを、該ウェットケーキ中の含水率
が5%以下となるように乾燥処理した後、石臼式粉砕機
の砥石間の間隙を通過させ、ウェットケーキを解離、分
散化して発泡性微小粒子とすることを特徴とする。
【0010】本発明方法において、発泡性マイクロカプ
セルウェットケーキの乾燥処理は、常圧乃至100mm
Hg以上の減圧下で行うことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において発泡性マイクロカ
プセルの外殻を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば
アクリロニトリル、塩化ビニル、メタクリレート、塩化
ビニリデン、スチレン等の単量体から得られるホモポリ
マーやコポリマー等が挙げられるが、揮発性物質を内包
する外殻を形成し得るものであればこれらに限定される
ものではない。
【0012】一方、上記熱可塑性樹脂の外殻内に内包さ
れる揮発性物質としては、熱可塑性樹脂を実質的に溶解
せず、加熱によって膨張して熱可塑性外殻を発泡させる
ことのできる化合物が用いられる。このような化合物と
しては例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の炭化水
素類の如く、通常、熱可塑性樹脂の発泡剤として用いら
れている化合物と同様の化合物を用いることができる。
このような揮発性物質を熱可塑性樹脂の外殻内に内包す
る発泡性マイクロカプセルは、前記した特公昭42−2
6524号公報等に記載の方法により得ることができる
が、マツモトマイクロスフェアー(松本油脂製薬株式会
社製)、エクスパンセル(エクスパンセル社製)等の商
品名で、15〜40%程度の水分を含むウェットケーキ
が製品として市販されている。
【0013】本発明方法では、まず、上記した特公昭4
2−26524号公報等に記載の方法で得られる発泡性
マイクロカプセルや市販の発泡性マイクロカプセルのウ
ェットケーキを、ウェットケーキの含水率が5%以下と
なるように乾燥処理する。乾燥処理を行うための乾燥機
器は特に限定されないが、例えば熱風循環方式、湯温加
熱方式等の箱型棚段式乾燥機を使用することができる。
ウェットケーキの乾燥処理に際し、乾燥機器内の温度が
低すぎるとウェットケーキ中の含水率が5%以下となる
までに長時間を要し、また温度が高すぎると発泡性マイ
クロカプセルが発泡してしまう虞れがあるため、乾燥機
器内の温度は、30℃以上、発泡性マイクロカプセルの
発泡開始温度−30℃以下に設定することが好ましい。
ウェットケーキの乾燥処理は、常圧乃至減圧下で行うこ
とが好ましいが、100mmHg未満に減圧すると、発
泡性マイクロカプセル内の揮発性物質がマイクロカプセ
ル内から揮散し、マイクロカプセルを均一に発泡させる
ことができなくなるため、減圧する場合には100mm
Hg以上、特に200mmHg以上とすることが好まし
い。
【0014】発泡性マイクロカプセルのウェットケーキ
の含水率が5%以下となるように乾燥処理した後、石臼
式粉砕機の砥石間の間隙を通過させることにより、ウェ
ットケーキを解離、分散化させることができるが、砥石
間の間隙が200μ未満となると発泡性マイクロカプセ
ルが破壊されやすくなるため、砥石間の間隙は200μ
以上に設定することが好ましい。乾燥処理したウェット
ケーキを石臼式粉砕機の砥石間隙を通過させることによ
り、略もとの発泡性マイクロカプセル単位にまで解離、
分散化されるが、発泡性マイクロカプセルが複数凝集し
た凝集体がわずかに含まれていても良い。
【0015】上記石臼式粉砕機としては市販の、マスコ
ロイダー、セレンディピター(いずれも増幸産業株式会
社製)等を用いることができる。目的とする平均粒子径
が1〜100μの発泡性微小粒子を得るために、石臼式
粉砕機の砥石は粒度が16〜120メッシュの範囲のも
のを単独又は組み合わせて使用することが好ましいが、
砥石の粒度が24メッシュ未満の場合、解離後の粒子の
粒径が荒くなり易く、80メッシュを超える場合には、
発泡性マイクロカプセルの破壊されたものが生じる虞れ
があるため、特に24〜80メッシュのものを用いるこ
とがより好ましい。またマイクロカプセルのウェットケ
ーキを、目的とする発泡性微小粒子に効果的に解離、分
散化させるために、砥石の回転数は500〜5000r.
p.m.、特に、2000〜4000r.p.m.とすることが好
ましい。
【0016】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1 アクリロニトリル系共重合体を外殻とする発泡性マイク
ロカプセル(マツモトマイクロスフェアーF−80S:
松本油脂製薬社製、平均粒径26.7μ)のウェットケ
ーキ(含水率30%)20kgを、縦100cm×横1
00cm×高さ7cmのトレイに入れ、トレイ中のケー
キの厚さが均一になるようにトレイ内に広げた。このト
レイを、60℃の熱風を循環させる構造の箱型乾燥機中
にて、55時間乾燥処理した。乾燥後のケーキは含水率
0.9%であった。乾燥後のケーキは、大きなものでは
3cm×4cm×3cm程度のブロック状や、直径2〜
3cm程度の塊状のものから、小さいものでは500μ
程度の凝集体の混在したものであった。
【0017】上記乾燥処理後のケーキを、石臼式粉砕機
(セレンディピター:増幸産業株式会社製)の砥石間の
間隙を連続的に通過させた。石臼式粉砕機は、粒度46
メッシュの砥石を備えたものを用い、砥石間隙1000
μ、砥石回転数2800r.p.m.とし、上記乾燥処理後の
ウェットケーキを30kg/hrで連続的に砥石間隙を
通過させて、ウェットケーキを微小粒子に解離した。得
られた微小粒子をイオン交換水に添加して分散させ、分
散粒子の大きさをレーザー解析式粒度測定装置(島津製
作所製)で測定したところ、平均粒径26.88μの微
小粒子に分散していた。またこの微小粒子の1%ジオク
チルフタレート分散液を調製し、170±2℃に調製さ
れた乾燥機内で2分間加熱した後、顕微鏡で発泡状態を
観察したところ、粒径40〜100μのほぼ真球状に発
泡しており、発泡不能に破壊されたものや、凝集状粒子
が発泡したものは殆ど認められなかった。更に、得られ
た微小粒子2kgをポリエチレン内装の紙袋に詰め、湿
度65%、温度40℃の恒温恒湿室内に40日間放置し
たが、微粒子の再凝集は認められず、易流動性を有して
いた。
【0018】実施例2 塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体を外殻とする発
泡性マイクロカプセル(エクスパンセル054:エクス
パンセル社製、平均粒径10.9μ)のウェットケーキ
(含水率30%)10kgを、実施例1と同様にトレー
内に広げて38℃、400mmHgで10時間、減圧乾
燥処理した。乾燥後のケーキは実施例1の場合と同様の
塊状物、凝集物が混在したものであった。乾燥処理後の
ケーキを実施例1と同様の石臼式粉砕機の砥石の間隙
を、同様にして通過させて微小粒子に解離した。解離後
の微小粒子の粒径を実施例1と同様にして測定した結
果、平均粒径10.91μであった。得られた微小粒子
の1%エチレングリコール分散液を調製し、110±2
℃に調製された乾燥機内で2分間加熱した後、顕微鏡で
発泡状態を観察したところ、粒径25〜50μのほぼ真
球状に発泡しており、発泡不能に破壊されたものや、凝
集状粒子が発泡したものは殆ど認められなかった。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法は、発泡
性マイクロカプセルのウェットケーキを、該ウェットケ
ーキ中の含水率が5%以下となるように乾燥処理した
後、石臼式粉砕機の砥石間の間隙を通過させて解離、分
散化するようにしたことにより、発泡性マイクロカプセ
ルを破壊することなく、ウェットケーキを確実且つ容易
に解離、分散化して発泡性微小粒子とすることができ
る。また、ウェットケーキを常圧乃至100mmHg以
上の減圧下で、含水率5%以下となるように乾燥処理す
ることにより、マイクロカプセルの発泡性を低下させる
ことなく、効率よく乾燥処理することができる。本発明
方法により発泡性マイクロカプセルウェットケーキを分
散化して得た発泡性微小粒子は、軽量化を目的とした塗
料添加剤、プラスチック充填剤、発泡によって体積膨張
することを利用したシーリング剤への添加剤、発泡によ
って表面凹凸が形成されることを利用した発泡性イン
ク、壁紙等の添加剤や、繊維製品加工剤の添加剤等とし
て好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守屋 雅文 東京都葛飾区堀切4丁目66番1号 ミヨシ 油脂株式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA32A AA35A AA37A AA48A AA49A BA37 BA39 BA40 BA91 CB62 CB72 CC22X CC28X DA59

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂外殻内に揮発性物質を内包
    した発泡性マイクロカプセルのウェットケーキを、該ウ
    ェットケーキ中の含水率が5%以下となるように乾燥処
    理した後、石臼式粉砕機の砥石間の間隙を通過させ、ウ
    ェットケーキを解離、分散化し、発泡性微小粒子を得る
    ことを特徴とする発泡性マイクロカプセルウェットケー
    キの分散化方法。
  2. 【請求項2】 発泡性マイクロカプセルのウェットケー
    キを、常圧乃至100mmHg以上の減圧下で、含水率
    5%以下となるように乾燥処理する請求項1記載の発泡
    性マイクロカプセルウェットケーキの分散化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111347742A (zh) * 2018-12-21 2020-06-30 卡西欧计算机株式会社 成形薄片、成形薄片的制造方法以及造形物制造方法
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