JP2000248473A - 皮革様シートおよびその製造方法 - Google Patents

皮革様シートおよびその製造方法

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JP2000248473A JP11056691A JP5669199A JP2000248473A JP 2000248473 A JP2000248473 A JP 2000248473A JP 11056691 A JP11056691 A JP 11056691A JP 5669199 A JP5669199 A JP 5669199A JP 2000248473 A JP2000248473 A JP 2000248473A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】時間が経過してもエナメル感を保ち、色調、風
合いおよび表面耐摩耗性に優れ、またエナメル調以外の
製品においても銀面層表面の色調変化を抑制した皮革様
シートを提供する。 【解決手段】基材層が不織布と多孔質ポリウレタンから
なり、少なくとも片面に銀面層を有する皮革様シートを
製造する方法において、該基材層として、主鎖または側
鎖の一部がポリウレタン化されたシリコン重合体を含有
するポリウレタンの溶液を不織布に含浸したのち該溶液
を湿式凝固させたシートを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は靴や鞄などに使用され
る、表面がエナメル感を有しかつ表面の艶感の変化が少
ない銀面付皮革様シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、艶のある銀面付皮革様シート
が高級感を有することから靴や鞄に用いられてきた。こ
の銀面付皮革様シートの製造方法として、基材表面に表
皮層を一般に乾式法と呼ばれる方法により付与する方法
が得られる皮革様シートの風合いが柔軟であり、工程が
簡略であることから用いられている。皮革様シートの中
でも、高級感を表現するため表皮層に平滑感および透明
感をもたせて表面の艶や光沢を多くしたものはエナメル
調と呼ばれ、高付加価値を持ったものとして評価されて
いる。このような銀面付皮革様シートを構成する基材層
の製造方法としては、従来、不織布や織編物などの布帛
にポリウレタン溶液を含浸し、湿式凝固させてポリウレ
タンを多孔質なスポンジ状態とする方法が一般に用いら
れている。そしてこの方法において、多孔質ポリウレタ
ンは、物理的強度、風合いの調節のため湿式凝固の際の
速度等を調節し、生じるスポンジの孔径を調節する必要
があり、その調節剤としてシリコーン系の調節剤が小量
で効果があるため一般的に用いられている。
【0003】しかし、シリコーン系の凝固調節剤を用い
て基材層を作製し、その表面に銀面層を付与した後にエ
ナメル調に仕上げた場合、基材層を構成するポリウレタ
ン層から経時的にポリウレタンオリゴマーがマイグレー
ションにより銀面層表面に現れ、それによりくもりが発
生し、透明感を損ない、さらに色調の深みが失われて高
級感を失うという問題点があった。また、表面に艶感を
有しない、通常の銀面付皮革様シートの場合において
も、マイグレーションによりくもりを引き起こし、色調
が白っぽく変化し面感の変化が起こるという問題を生じ
ることになる。
【0004】
【発明が解決しようする課題】本発明は上記の問題点を
解決すること、すなわち得られたエナメル調原反が時間
が経過してもエナメル感を保ち、色調、風合いおよび表
面耐摩耗性に優れ、また、エナメル調皮革様シート以外
の場合においても銀面層表面の色調変化を抑制した皮革
様シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段・方法】本発明者らは前記
の目的を達するため鋭意検討した結果本発明に至った。
すなわち本発明は、基材層が不織布と多孔質ポリウレタ
ンからなり、少なくとも片面に銀面層を有する皮革様シ
ートにおいて、該多孔質ポリウレタンがウレタン変性さ
れたシリコーン重合体が混合されているポリウレタンか
らなることを特徴とする皮革様シートであり、また本発
明は、基材層が不織布と多孔質ポリウレタンからなり、
少なくとも片面に銀面層を有する皮革様シートの製造方
法において、主鎖または側鎖の一部がポリウレタン化さ
れているシリコーン重合体を含有するポリウレタン溶液
を不織布に含浸したのち該溶液を湿式凝固することを特
徴とする皮革様シートの製造方法である。
【0006】以下に本発明の実施態様について詳細に説
明する。本発明に用いられる不織布としては皮革様の風
合いを発現させるため反発感および強力、厚みを有して
いれば特に限定されないが、好ましくは繊維を3次元的
に絡合させて得られる不織布である。不織布に用いられ
る繊維を構成するポリマーとしては、6−ナイロン、
6,6−ナイロンをはじめとする溶融紡糸可能なポリア
ミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、カチオン可染型変性ポリエチレンテレフ
タレートをはじめとする溶融紡糸可能なポリエステル
類、ポリオレフィン類などから選ばれた少なくとも1種
類のポリマーが挙げられる。また、複数のポリマーを組
み合わせて得られる繊維断面が海島状態となっている、
いわゆる海島型繊維や分割性複合繊維を用いても構わな
い。また不織布は複数の種類の繊維から構成されても構
わない。風合いの点からは上記海島型の繊維の使用が好
ましいが、引張強力、銀付層付与後の賦型性およびコス
トの点を重視する場合にはポリエステルやナイロン等の
単独ポリマーからなる繊維を使用しても良い。好ましく
は皮革様の風合いを得る点から繊維不織布は、極細繊維
束から構成される不織布であることが好ましい。この極
細繊維束は上記海島型繊維から海成分ポリマーを溶解ま
たは分解して除去することにより得られる。
【0007】不織布の作製方法としては、公知の方法が
用いられる。好ましくはカーディングしてウェブを得
て、ウェブを積層後ニードルパンチ方法により絡合し不
織布を得る方法が好ましい。不織布の積層方法としては
タテ、ヨコの強力、伸度のバランスから斜め方向に折り
返すクロスラップ方法が好ましい。また絡合方法も、水
流、気流による絡合など公知の方法を用いて構わない
が、ニードルのバーブにより繊維同士を絡ませて絡合を
進める方法が好ましい。基材層シート表面の平滑性を向
上させるために得られた不織布に面出し処理を行っても
よい。面出し処理方法としては、高熱のカレンダーロー
ルでプレスする方法、不織布を加熱後冷却した鏡面ロー
ルでプレスする方法などあるが、好ましくは不織布が熱
による面積変化が起こらないよう把持された状態で加熱
し、押圧して所定の厚みに調節する方法がポリウレタン
層の表面感、繊維不織布の面感、風合いの点から好まし
い。特に不織布が海島型繊維から構成されている場合に
は、面出処理により海成分ポリマーが一部溶融して不織
布の形態を固定するようにすることが表面の平滑性やよ
り一層のエナメル感を達成する上で好ましい。
【0008】上記の処理により得られた不織布にポリウ
レタン溶液を含浸し、ポリウレタンを多孔質状に凝固さ
せて基材層を得る。含浸する方法は、高分子弾性体を含
む溶液を塗布し、内部まで浸透させる方法、あるいは不
織布に高分子弾性体溶液を直接に含浸させる方法などあ
るが、不織布の構成する空間内にポリウレタンが存在す
るような方法であれば特に限定されない。含浸するポリ
ウレタンは耐アルカリ性、耐加水分解性、耐熱水性を備
え、かつ貧溶媒中で凝固時に多孔質層を形成するポリウ
レタンであれば特に限定されないが、ソフトセグメント
として、炭素数6以上10以下のアルカンジオールとジ
カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とを反応さ
せて得られるポリエステルジオール類、ポリラクトンジ
オール類、ポリカーボネートジオール類、ポリエーテル
ジオール類等からなる群より選ばれ、かつ1分子中に2
個以上の一級水酸基を有した、数平均分子量が500〜
5000の少なくとも1種の高分子ポリオールを使用
し、これと、ジイソシアネートと、必要により分子量5
00未満の鎖伸長剤を反応せしめて得られる。特に炭素
数6以上10以下のアルカンジオールとジカルボン酸ま
たはそのエステル形成性誘導体とを反応させて得られる
ポリエステルジオール類が本発明の効果を高度に達成す
る上で好ましい。
【0009】炭素数6以上10以下のアルカンジオール
としては3−メチル−1,5―ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタン
ジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカン
ジオールなどがあげられる。アルカンジオールにおいて
炭素数が6より小さいと、ポリウレタンとした場合に本
発明の効果が若干低下することの他に、耐久性、特に耐
加水分解性が悪くなってしまう場合がある。また、炭素
数が10より大きいとポリウレタンとした場合に硬くな
り、得られたシートの風合いが悪くなったり、目的とす
る多孔質構造が得られない場合がある。ジカルボン酸の
代表例としてはコハク酸、フタル酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの脂肪族ジカル
ボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカ
ルボン酸などがあげられる。ポリマージオールの数平均
分子量は500〜5000にあるものが好ましい。
【0010】ポリマージオールはポリエステル、ポリラ
クトン、ポリカーボネート、ポリエーテルの単独または
任意の割合で混合して用いることができる。ポリマーポ
リオールの数平均分子量が500未満の場合には、ポリ
ウレタン溶液を含浸して表面に多孔質層を有する繊維質
シートを得た場合、基材層が硬く、風合いのバランスに
欠けるため好ましくない。また、ポリマーポリオールの
数平均分子量が5000を越えたポリウレタン溶液を含
浸し、さらに表面に多孔質層を有する皮革様シートを得
た場合、ウレタン基濃度が減少するため耐摩耗性が低下
し、耐久性、耐加水分解性にも劣り、バランスの取れた
皮革様シートが得られにくい。ポリウレタンは鎖伸長剤
によりポリマー化されたものでも良く、低分子鎖伸長剤
としては例えばエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブタンジオール、ヘキサンジオールなどがあげら
れる。
【0011】また、ジイソシアネートとして芳香族系、
脂肪族系が挙げられるが、風合い、耐久性の点から芳香
族系のものが好ましい。芳香族イソシアネートとして、
たとえば4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート、
トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0012】好適なポリウレタンとしては、ポリオール
として、ポリエステルジオール、例えばポリカプロラク
タムジオール、ポリメチルペンタンアジペートジオー
ル、ポリブチレンアジペートジオールから選ばれる1種
と他のポリマージオール、例えばポリエチレングリコー
ルにて代表されるポリエーテル系ジオールとを組み合わ
せて使用することが風合い、スポンジ形成性および繊維
不織布のポリウレタンを含浸した繊維質シートの引張強
力、引裂強力の点から好ましい。本発明ではポリウレタ
ンを溶剤あるいは分散剤に溶解あるいは分散させて得た
ポリウレタン溶液にポリウレタン変性されたシリコーン
重合体を混合し、この混合液を不織布に含浸したのち凝
固させて、基材層を得る。含浸するポリウレタン溶液に
着色剤、耐光剤、分散剤などの添加剤を目的に応じて添
加する。
【0013】本発明では、前記したように、凝固後の多
孔質の孔径の制御のため凝固調節剤を添加する。本発明
で使用する凝固調節剤は、シリコーン主鎖または側鎖の
一部がポリウレタン化されている凝固調節剤を添加す
る。また他の凝固調節剤と混合して添加しても構わない
が、その凝固調節剤が時間の経過にしたがって皮革様シ
ートの銀面表面にマイグレーションするような化合物で
ある場合には、本発明の効果が低下する。従来一般に用
いられているシリコーン系凝固調節剤は、多孔質ポリウ
レタン層中に存在していると、多孔質ポリウレタン層が
完全に固化していてもシリコーン系凝固調節剤が経時的
に多孔質ポリウレタン層表面にブリードしてくる。同時
にシリコーン系凝固調節剤は、ポリウレタンのオリゴマ
ーを表面にブリードさせ、ポリウレタンオリゴマーが微
細な結晶となり、色調が白っぽくなるため高級感を損な
う原因となる。本発明者らはシリコーン系凝固調節剤
を、シリコーン主鎖または側鎖の一部がポリウレタン化
されている化合物に代替することにより、凝固調節能を
有し、かつ多孔質ポリウレタン層内に凝固調節剤をとど
め、更にポリウレタンオリゴマーが多孔質表面にほとん
どブリードしなくなることを見出し、その結果、色調変
化の少ない皮革様シートが得られることを見いだした。
【0014】シリコーン主鎖または側鎖の一部をポリウ
レタン化するには、反応性有機官能基を有するシリコー
ン化合物と有機ポリイソシアネートをイソシアネート基
が1個以上過剰となる条件で反応させ、残存するイソシ
アネート基に有機溶媒下で活性水素基を1個以上有する
ポリオールを反応させる方法が好ましい。また、凝固調
節剤中の残存するイソシアネート基と表面に塗布するポ
リウレタン溶液中のイソシアネート基を反応させ、凝固
調節剤をポリウレタン層中に固着させるため、凝固調節
剤中のイソシアネート基はポリオールと反応したのちも
残存することが好ましい。シリコーン主鎖または側鎖の
一部がポリウレタン化されたシリコーン系凝固調節剤
は、反応性有機官能基を有するシリコーン化合物と有機
ポリイソシアネートを反応性官能基とイソシアネート基
とが1分子中でイソシアネート基が1個以上過剰になる
官能基比で反応させることにより容易に得ることができ
る。
【0015】凝固調節剤の添加量はポリウレタン固形分
100重量部に対し、0.1〜30重量部の範囲にある
ことが好ましい。0.1重量部未満では添加量として少
ないためポリウレタンの湿式スポンジの孔径の制御が不
十分であるため風合いの良好な皮革様シートが得られな
い。また、30重量部を越える量で添加した場合には、
湿式スポンジ中にシリコーン化合物が多量に存在するた
め表面タッチがシリコーンゴムライクになり好ましくな
い。更に好ましくは0.2重量部〜5重量部の範囲であ
る。
【0016】反応性有機官能基を有するシリコーン化合
物としては、公知のシリコーンオイルを使用できる。具
体的な例としては、下記のような化学式で表されるシリ
コーンオイルが挙げられるが、目的とする効果が得られ
れば下記式に限定されるものではない。
【0017】アミノ変性シリコーンオイル
【化1】
【化2】
【0018】エポキシ変性シリコーンオイル
【化3】
【0019】アルコール変性シリコーンオイル
【化4】
【0020】メルカプト変性シリコーンオイル
【化5】
【0021】カルボキシル変性シリコーンオイル
【化6】
【0022】これらシリコーン化合物と反応させる有機
ポリイソシアネートの具体例としては、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネ
ート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート等の芳香族系や脂肪族系、脂環族系のものが
挙げられる。上記シリコーン化合物と有機ポリイソシア
ネートを反応させた後、得られるイソシアネート基含有
化合物を活性水素基を1個以上有するポリオールと反応
させるのが好ましいが、このような活性水素基を1個以
上有するポリオールの具体例としては例えば、3−メチ
ル−1,5―ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9
−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどが挙
げられる。この反応は有機ポリイソシアネート基の反応
性などの理由から有機溶媒中で行うことが好ましく、こ
れに用いられる好ましい有機溶媒としてはジメチルホル
ムアミドが挙げられるが、これ以外の公知の有機溶剤を
用いてもよい。
【0023】このようにして得られたウレタン変性され
たシリコーン重合体は、不織布に含浸されるポリウレタ
ン溶液に混合される。混合される量としては、上記した
ように、含浸されるポリウレタン固形分100重量部に
対して0.1〜30重量部の範囲内である。0.1重量
部未満の場合には、シリコーン含有量が少なく、凝固調
節能が低く、ポリウレタンの凝固速度を制御することが
できない。よって好適な多孔質ポリウレタンスポンジを
得ることができにくく、得られる皮革様シートの風合い
も硬く、皮革様シートとして好ましくない。また30重
量部を越える場合には、シリコーン含有基の量が多くな
り、表面に基材層表面にシリコーン基が多く存在するよ
うになり銀面層を形成する高分子弾性体層との接着性が
低下するため好ましくない。より好ましくは0.2〜5
重量部の範囲内である。
【0024】本発明においてポリウレタンの溶媒として
使用する有機溶剤は、それぞれの反応原料に対して不活
性な有機溶剤であれば特に限定されないが、例えばアセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、シクロヘ
キサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、エチルセルソルブ、ヘ
キサン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0025】基材層に占めるポリウレタンの比率は、基
材層に柔軟な風合いと弾性回復性を持たせるために、固
形分として重量比で10%以上、好ましくは30〜70
%の範囲である。ポリウレタンの比率が10%未満の場
合には平滑な面感が得られず、緻密なポリウレタン多孔
質層の孔が形成されず風合いも硬くなるので好ましくな
い。またポリウレタン比率が70%を越える場合ではポ
リウレタンの反発力のため目的とする皮革様の風合いと
ならないため好ましくない。
【0026】不織布にポリウレタン溶液を含浸したシー
トをポリウレタンの非溶媒液中にて凝固、固化して多孔
質ポリウレタンを充填した繊維質基体を得る。該非溶媒
としては水が用いられるが、多孔質ポリウレタン層の孔
径を小さくするため水にポリウレタンの溶媒を3〜50
重量%の範囲で混合した溶液中にて凝固、固化を行って
も構わない。より好ましい条件としては、濃度管理およ
び凝固速度の点から水に5〜20%の溶媒、特にジメチ
ルホルムアミド(DMFと略す)を混合した場合であ
る。
【0027】また、ポリウレタン溶液を含浸する際にそ
の表面にポリウレタンの溶液層を塗布して存在させ、含
浸させたポリウレタン溶液と塗布したポリウレタン溶液
を同時に湿式凝固させて、ポリウレタン多孔質被覆層を
有する基材とする方法を用いても良い。さらに含浸させ
たポリウレタンを湿式凝固させた後、表面にポリウレタ
ンの溶液を塗布し湿式凝固させてポリウレタン多孔質被
覆層を有する基材とする方法を用いても良い。さらにポ
リウレタン多孔質被覆層を別に形成しておき、基材表面
に貼り合わせる方法を用いても良い。このポリウレタン
多孔質被覆層を構成するポリウレタンには基材層に用い
られるポリウレタンと同様にウレタン変性されたシリコ
ーン重合体が添加されていることが銀面層表面のくもり
を防ぐ点で好ましい。その際のウレタン変性されたシリ
コーン重合体の好適な化合物、添加量等は前記したもの
と同一である。もちろん上記多孔質被覆層を基材表面に
形成しなくても良い。
【0028】得られた繊維質シートは、表面に着色、艶
調整、賦型等の処理を行い、皮革様シートを得る。着色
剤、艶調整剤等としては公知のものが使用できるが、好
ましくは基材表面が多孔質ポリウレタンであるため密着
性の点から、着色剤、艶調整材等はポリウレタンと混合
された状態で使用されることが好ましい。また、表面を
賦型する方法としてはコスト、簡便さの点から離型紙上
に高分子弾性体溶液を塗布し、固化した皮膜を該シート
と貼り合わせる方法が好ましい。鏡面を有する加熱され
た金属表面に皮革様シートの表面を圧着し表面を鏡面化
しエナメル調にする方法を用いても良い。また、表面に
皮革様の凹凸を有した加熱エンボスロールにより表面に
皮革様の凹凸模様を賦型する方法を用いても良い。
【0029】
【発明の効果】本発明により得られる皮革様シートは、
天然皮革に類似の風合い、面感、および表面物性に優
れ、かつ経時変化による面感の変化が少ない特長をも
つ。本発明の皮革様シートは靴、鞄、インテリア用資材
のほか各種小物用副資材として使用できる。
【0030】
【実施例】次に本発明の実施態様を実施例で具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例中の部及び%は断わりのない限り
重量に関するものである。
【0031】実施例1 ナイロン/ポリエチレンをチップで50/50の量率で
混合して、押出機にて紡糸を行い海島状繊維(ナイロン
が島成分、ポリエチレンが海成分)を紡糸し、延伸、カ
ットした4デニールの短繊維を得た。この繊維をカーデ
ィングし、クロスラップ方式によりウェブを積層したの
ちニードルパンチングにより絡合不織布を得た。次に不
織布に熱による面積変化が起こらないように把持した状
態で加熱し、繊維中のポリエチレン成分を接着剤として
押圧して厚みを処理前の47%に調節した。得られた不
織布の目付は400g/m2であった。次にアミノ基を反応
性官能基として有する末端アミノプロピルポリメチルシ
ロキサンを、有機ポリイソシアネートとしてテトラメチ
レンジイソシアネート、ポリオールとしてポリプロピレ
ングリコールを用い、ポリシロキサン分子内のアミノ基
とポリオール分子内の水酸基との合計基数とイソシアネ
ート成分のイソシアネート基数とが1:1の比となる官
能基比で反応させて凝固調節剤Aを得た。得られた凝固
調節在中のポリウレタン成分とポリシロキサン成分の重
量比率は1:1であった。
【0032】ポリメチルペンタンアジペートとポリエチ
レングリコールからなる平均分子量2000のポリマー
ジオール、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
トおよびブタンジオールからなるポリウレタンのDMF
溶液に、添加剤として前記凝固調節剤A、および黒色顔
料をポリウレタン固形分に対し凝固調節剤Aが3部、黒
色顔料が10部となる比率で混合し、その溶液を該繊維
質シートに含浸し、DMFを15%含有する水により湿
式凝固させた。得られた繊維質シートを、繊維中の島成
分は溶解しないが海成分は溶解することのできる熱トル
エンにて処理して、繊維中のポリエチレン成分を抽出除
去し、目付450g/m2、厚み1.3mm、ポリウレ
タンと繊維の比率が55/45の基体層を得た。得られ
た繊維質基体のナイロン極細繊維の単繊維の繊度は0.
06デニールであり、かつ柔軟な風合いを有していた。
そののち、ポリエステル系ポリウレタンの厚み15ミク
ロンの皮膜を該繊維質シートの片面にポリウレタン系接
着剤をもって貼り合わせた。この皮革様シートをくもり
の促進のため90℃の状態で10日間表面の経時変化を
測定したが艶感の変化はみられなかった。
【0033】実施例2 実施例1にて用いた繊維不織布を用い、ポリシロキサン
主鎖の反応性有機官能基としてをアルコール基を有する
末端アルコールプロピルポリメチルシロキサンを、有機
ポリイソシアネートとしてテトラメチレンジイソシアネ
ート、ポリオールとしてポリプロピレングリコールを用
い、ポリシロキサン分子内のアミノ基とポリオール内の
水酸基との合計基数とイソシアネート成分のイソシアネ
ート基とが1:1の比となる官能基比で反応させて凝固
調節剤Bを得た。該不織布にポリウレタン(ポリメチル
ペンタンアジペートとポリエチレングリコールからなる
平均分子量2000のポリマージオール、4、4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネートおよびブタンジオール
からなるポリウレタン)のDMF溶液に凝固調節剤Bを
ポリウレタン固形分100部に対して3部、黒色顔料を
ポリウレタン固形分100部に対して10部添加した溶
液を作成した。得られたポリウレタン溶液を繊維不織布
に含浸、実施例1と同様の凝固浴にて凝固したのち、繊
維を構成するポリエチレンを熱トルエンで除去した。該
繊維質基材の表面にポリウレタンをグラビア方式にて塗
布し、艶感をあたえるためカレンダーロールにて180
℃で表面を熱処理し、表面に銀面層を有した皮革様シー
トを得た。この皮革様シートをくもりの促進のため90
℃の状態で10日間表面の経時変化を測定したが艶感の
変化はみられなかった。
【0034】比較例1 実施例1にて得られた該不織布にポリウレタン(ポリメ
チルペンタンアジペートとポリエチレングリコールから
なる平均分子量2000のポリマージオール、4、4’
−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびブタンジオ
ールからなるポリウレタンのDMF溶液に、ポリシロキ
サン成分を主とするシリコン系凝固調節剤および黒色顔
料を混合し、35℃のDMF/水=15/85の混合溶
液に投入しポリウレタンを凝固させた。表面を実施例1
と同じくポリウレタン皮膜を表面に貼り合わせ、つや出
しのためグラビア、カレンダー処理を行いくもり発生に
ついて90℃の状態で表面状態を観察した。その結果3
日後に表面が白っぽくなり、表面を布で拭いて確認した
ところ、拭き取ったところと拭き取ってないところで明
らかに艶感の差がみられ、マイグレーションによるくも
りが発生していることが確認された。
【0035】比較例2 実施例1にて得られた該不織布にポリウレタン(ポリメ
チルペンタンアジペートとポリエチレングリコールから
なる平均分子量2000のポリマージオール、4、4’
−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびブタンジオ
ールからなるポリウレタン)のジメチルホルムアミド
(以下DMF)溶液に黒色顔料のみを混合し、35℃のD
MF/水=15/85の混合溶液に投入しポリウレタン
を凝固させた。得られたシートの風合いは天然皮革およ
び実施例1で得られたシートに比べて硬く、表面もとこ
ろどころに直径1mm程度の凹みが見られ、面感が悪く
なり皮革様シートとして評価の悪いものとなった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材層が不織布と多孔質ポリウレタンから
    なり、少なくとも片面に銀面層を有する皮革様シートに
    おいて、該多孔質ポリウレタンが、ウレタン変性された
    シリコーン重合体が混合されている多孔質ポリウレタン
    からなることを特徴とする皮革様シート。
  2. 【請求項2】基材層が不織布と多孔質ポリウレタンから
    なり、少なくとも片面に銀面層を有する皮革様シートを
    製造する方法において、主鎖または側鎖の一部がポリウ
    レタン化されたシリコン重合体を含有するポリウレタン
    の溶液を不織布に含浸したのち、該溶液を湿式凝固する
    ことを特徴とする皮革様シートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012229515A (ja) * 2012-04-19 2012-11-22 Sosu International Co Ltd エナメル革製品の製造方法
WO2026004643A1 (ja) * 2024-06-24 2026-01-02 株式会社クラレ 人工皮革基材、立毛人工皮革及び銀付調人工皮革

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