JP2000249997A - ファラデー回転角可変装置 - Google Patents
ファラデー回転角可変装置Info
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Abstract
さくする。 【解決手段】 ファラデー効果を有するガーネット単結
晶に2方向以上から外部磁界を印加して、それらの合成
磁界を可変することにより、ガーネット単結晶を透過す
る光線のファラデー回転角を制御するファラデー回転角
可変装置である。合成磁界の可変によりファラデー回転
角が変化するガーネット単結晶基本膜46の他に、ファ
ラデー回転角がほぼ一定のガーネット単結晶補償膜48
を配置し、基本膜と補償膜にはファラデー回転角の波長
係数の符号が異なるものを用い、補償膜により基本膜の
ファラデー回転角の波長変化分を減少させる。例えば、
永久磁石40,42によって光線方向に対して平行方向
の固定磁界を印加し、電磁石44によって直交方向の可
変磁界を印加する。
Description
有するガーネット単結晶に2方向以上から外部磁界を印
加し、それらの合成磁界を可変することにより、ガーネ
ット単結晶を透過する光線のファラデー回転角を制御す
る装置に関するものである。更に詳しく述べると本発明
は、合成磁界の可変によりファラデー回転角が変化する
ガーネット単結晶基本膜と、ファラデー回転角がほぼ一
定のガーネット単結晶補償膜とを組み合わせ、基本膜と
補償膜のファラデー回転角の波長係数の符号が異なるよ
うにして、補償膜により基本膜のファラデー回転角の波
長変化分を減少させるようにしたファラデー回転角可変
装置に関するものである。この装置は、光アッテネータ
などの光デバイスに有用である。
御するための光アッテネータ、あるいは偏光方向を連続
的且つ周期的に可変する偏波スクランブラ等が必要であ
り、それにはファラデー回転角可変装置が組み込まれて
いる。このファラデー回転角可変装置は、ファラデー効
果を有するガーネット単結晶に2方向以上から外部磁界
を印加し、それらの合成磁界を可変することにより、ガ
ーネット単結晶を透過する光線のファラデー回転角を制
御するように構成されている。
的な光デバイスである光アッテネータの典型的な例を図
1に示す。ここでAは光アッテネータの全体構成を、B
はファラデー回転角可変装置の構造を、それぞれ示して
いる。偏光子10、ファラデー回転角可変装置12、検
光子14が、その順序で配列されている。入力ファイバ
16からの入射光は、コリメートレンズ18で平行光と
なって偏光子10、ファラデー回転角可変装置のガーネ
ット単結晶20、検光子14の順に通過し、コリメート
レンズ22で集光されて出力ファイバ24に結合する。
ガーネット単結晶20には永久磁石26,28によって
光線方向に平行な固定磁界が印加され、電磁石30によ
って光線方向に直交する可変磁界が印加される。合成磁
界を変えてガーネット単結晶20の磁化方向を変える
と、ファラデー回転角が可変され、それによって検光子
14を通過する光量を制御できる。
する光の偏光面のなす角が105度になるように設置さ
れており、電磁石磁界がゼロの時、ガーネット単結晶の
ファラデー回転角は最大となり96度である。偏光子と
検光子での偏光面のなす角が105度なので、検光子を
通過する光量(出射光量)は角度ずれにより減少する
が、その値はごく僅かである。それに対して、電磁石に
磁界を印加してファラデー回転角が減少していくと、角
度ずれが大きくなり減衰量が大きくなる(出射光量が少
なくなる)。そして、ファラデー回転角が15度の時、
検光子とクロスニコル状態になり減衰量は最大になる。
重通信が実用化され始めたことにより、光デバイスには
波長依存性が小さいことが求められている。そのため、
ファラデー回転角可変装置も波長依存性を小さくしなけ
れはならない。
がゼロの時、波長変化によりファラデー回転角が多少変
動しても、検光子を通過する光量(出射光量)は殆ど変
化しない。電磁石に磁界を印加して角度ずれを大きくす
ると減衰量が大きくなる(出射光量が少なくなる)が、
その時の減衰量D(dB)は次式で表される。 D=−10*log(10(-k0/10)+sin2(Δθ)) 但し、k0 :ガーネット単結晶の消光比 Δθ:クロスニコル状態からの角度ずれ この式から、大きな減衰量が得られるクロスニコル状態
付近では、減衰量はずれ角のsin 関数の2乗に依存して
おり、角度に対して非常に敏感である。つまり、この領
域では、波長変化によるファラデー回転角の変動によ
り、減衰量が大きく変動してしまう問題がある。
するファラデー回転子については、波長依存性を小さく
するための種々の構成が案出されている(例えば特開平
2−256018号、特開平10−273397号など
参照)。しかし、ファラデー回転角が変化するファラデ
ー回転角可変装置に関しては、波長依存性低減の報告は
見当たらない。そのため、波長多重通信で使用する光ア
ッテネータについて、使用状態に応じて特に必要とする
減衰量の近傍(とりわけ減衰量が大きい領域)で、波長
依存性を低減することが強く求められている。
るファラデー回転角可変装置を提供することである。本
発明の他の目的は、波長依存性が小さく、且つ温度依存
性も小さくできるファラデー回転角可変装置を提供する
ことである。
回転角可変装置は、基本的には、ファラデー効果を有す
るガーネット単結晶に2方向以上から外部磁界を印加し
て、それらの合成磁界を可変することにより、該ガーネ
ット単結晶を透過する光線のファラデー回転角を制御す
る構成である。本発明では、合成磁界の可変によりファ
ラデー回転角が変化するガーネット単結晶基本膜の他
に、ファラデー回転角がほぼ一定のガーネット単結晶補
償膜を配置し、前記基本膜と補償膜にはファラデー回転
角の波長係数の符号が異なるものを用いる。つまり、基
本膜がファラデー回転角を可変するという主たる機能を
果たし、補償膜によって基本膜のファラデー回転角の波
長変化分を減少させるようにしている。
方向と直交方向の2方向から印加する。その場合、光線
方向に対して平行方向の磁界は永久磁石による固定磁界
として、その強さは基本膜が磁気飽和する大きさとし、
直交方向の磁界は電磁石による可変磁界とするのが好ま
しい。
印加されるが、補償膜はその磁気的特性に応じて外部磁
界との関係を調整する。例えば、補償膜の垂直磁気異方
性が大きい場合には、基本膜と同様、固定磁界と可変磁
界の両方が印加される位置に配置しても特に問題はな
い。補償膜の垂直磁気異方性が小さい場合には、固定磁
界は印加されるが可変磁界は印加され難い位置に配置す
る。垂直磁気異方性が大きくて且つ保磁力が大きいため
外部磁界無しで磁化方向が垂直方向に揃っている補償膜
は、外部磁界が印加されない位置に配置しても良い。但
し、いずれの場合においても、例えば光アッテネータに
組み込むような場合には、偏光子と検光子の間に基本膜
と補償膜が挿入されるようにする。基本膜及び補償膜そ
れぞれの個数は任意である。
いる構成は、基本膜と補償膜を一緒に合成磁界の内部に
組み込んでよいため、組み立て易く、従来の永久磁石や
電磁石をそのまま使用しても大型化することはない。そ
の場合の概略構成を図2に示す。永久磁石40,42に
よる光線方向に平行な磁界と、電磁石44による光線方
向に直交する磁界の中に、基本膜46と補償膜48を組
み込む。電磁石44による磁界がゼロの時、基本膜46
と補償膜48の磁化方向は光線方向である(図2のA参
照)。電磁石44による磁界を印加すると、基本膜46
の磁化方向は回転するが、補償膜48の磁化方向は回転
しない(図2のB参照)。このように、本発明では、基
本膜46によって所望の範囲でファラデー回転角が可変
し、補償膜48によって波長依存性が低減するのであ
る。
す。これは後述する実施例1と同じである。 〔基本膜〕 組成:Tb1.00Y0.65Bi1.35Fe4.05Ga0.95O12 電磁石磁界がゼロの時のファラデー回転角:96度(3
2度×3) 波長変化率:−0.15%/nm 〔補償膜〕 組成:Gd1.00Y0.75Bi1.25Fe4.00Ga1.00O12 電磁石磁界がゼロの時のファラデー回転角:−19.7
度 波長変化率:+0.15%/nm
磁界中に挿入し、ファラデー回転角の電磁石磁界依存性
を測定すると、図3に示す結果が得られる。なお使用波
長は1550nmであり、25℃の定温状態での測定値
である。基本膜は電磁石磁界が大きくなるとファラデー
回転角が減少しているが、補償膜のファラデー回転角は
ほぼ一定である。これは、上記のように、補償膜の磁化
方向が電磁石による磁界印加時でも光線方向を向いたま
まであるためと考えられる。
膜を組み合わせた場合について、ファラデー回転角の波
長依存性を測定した結果を図4のA〜Cに示す。電磁石
磁界がゼロの時(図4のA)、基本膜+補償膜の方がフ
ァラデー回転角の波長依存性が少し小さくなっている。
基本膜+補償膜の場合は、電磁石磁界が505Oeの時
(図4のB)には、かなり波長依存性が小さくなってお
り、更に電磁石磁界が939Oeの時(図4のC)に
は、波長依存性は極めて小さく波長変化に対してほぼフ
ラットになっている。
石磁界ゼロの時は基本膜のファラデー回転角の絶対値が
96度であるのに対し、補償膜は約1/5の19.7度
であるため、基本膜の波長変化分を1/5程度までしか
低減できない。これに対し、電磁石磁界が大きいところ
では基本膜のファラデー回転角が減少し補償膜のファラ
デー回転角は変わらないので、ファラデー回転角の絶対
値の差が小さくなり、波長変化分の補償効果が大きくな
る。電磁石磁界939Oeの時はほぼ同じファラデー回
転角なので、波長変化分はほぼ完全に相殺され、波長依
存性はゼロになる。この場合、基本膜と補償膜の合計の
ファラデー回転角もゼロになるが、ファラデー回転角の
可変幅には影響がないので、ファラデー回転角可変装置
としては全く問題がない。この点は、ファラデー回転角
固定のファラデー回転子と全く異なる点である。補償膜
のファラデー回転角がほぼ一定であるから、ファラデー
回転角の可変幅は、基本膜のファラデー回転角の最大値
と最小値の差で決まり、補償膜が加わった場合は最大値
も最小値も同程度大きくなったり小さくなったりするだ
けで、可変幅としては変わらないのである。
転角がほぼ一定」とは、基本膜のファラデー回転角の可
変範囲に対して補償膜のファラデー回転角がほぼ一定と
見なしううると言うことである。具体的には、基本膜の
ファラデー回転角の可変範囲に対して補償膜のファラデ
ー回転角の変動範囲が5%以内、より好ましくは3%以
内とすることである。勿論、1%以内とすることが最良
である。補償膜のファラデー回転角が変動しても波長依
存性は低減できるが、基本膜と補償膜との合計のファラ
デー回転角可変範囲は狭くなり、それを広げようとする
と基本膜の厚みを厚くするか、個数を多くしなければな
らなくし、あるいは必要な電磁石の磁界を大きくしなけ
ればならなくなり、いずれにしても好ましくないからで
ある。
値をFamax、補償膜のファラデー回転角の絶対値をFb
とした時、Famax>Fb 、特に基本膜のファラデー回転
角の絶対値の最小値をFaminとした時、Famax>Fb >
Faminとするのが好ましい。このようにすると、Famax
とFaminの中間の任意のファラデー回転角の時(その時
のファラデー回転角の絶対値=Fb )の波長依存性を最
小にすることが可能となる。なお、補償膜のファラデー
回転角の絶対値Fb は、補償膜の膜厚を調整することで
任意の値に設定できる。
長依存性を低減できる。特に、光アッテネータで必要な
電磁石磁界が大きい領域での波長依存性をかなり小さく
できるため有効である。そのためには、補償膜のファラ
デー回転角の絶対値Fb を、基本膜のファラデー回転角
の絶対値の最小値Faminの近傍寄りの値に設定すればよ
い。
eM)5 O12で表される組成の材料を用いる。補償膜と
しては、例えばR3 Fe5 O12、又は補償温度が最高使
用温度よりも高い(RBi)3 (FeM)5 O12で表さ
れる組成の材料を用いる。但し、Rはイットリウムを含
む希土類元素から選ばれた1種以上の元素、Mは鉄と置
換できる1種以上の元素である。これらの膜はLPE
(液相エピタキシャル)法により効率よく成膜できる。
なお、補償温度とは、その温度を境として磁気モーメン
トが反転する温度を言い、現象的にはその温度を境とし
てファラデー回転角の符号が反転する。
界の合成磁界ベクトルの変位経路を特定して、波長依存
性と温度依存性の両方を低減する構成もある。この場合
も、合成磁界の可変によりファラデー回転角が変化する
ガーネット単結晶基本膜の他に、ファラデー回転角がほ
ぼ一定のガーネット単結晶補償膜を配置する。但し、基
本膜と補償膜にはファラデー回転角の波長係数及び温度
係数の符号が異なるものを用いる。基本膜と補償膜は、
共に(111)面で研磨されていて、光線は、(11
1)面に垂直な〈111〉方向に透過するように作製す
る。そして、基本膜に印加される外部磁界の合成ベクト
ルの変位経路が、ガーネット単結晶の(111)面を中
心としたステレオ投影図における中心の(111)面
と、最外周円上の(110)面と等価な面から左右に5
度の位置を結んだ線で囲まれた扇形範囲(図5で斜線を
付した領域)に入るようにする。最外周円上の(11
0)面と等価な面とは、(-101)、(-110)、(0
1-1)、(10-1)、(1-10)、(0-11)のことで
ある。(なお、結晶の面を表す表記法では、負の指数に
ついてはその数値の上に横棒を引いて表すが、本明細書
ではそれができないために指数にマイナス符号を付して
表記している。)
心円は互いに10度ずつ異なっている面を意味し、隣り
合う径方向の線は互いに10度ずつ異なっている面を意
味する。従って、ガーネット単結晶の任意の面は、この
ステレオ投影図内の点として示すことができる。基本膜
には永久磁石により図5の紙面垂直方向の磁界が印加さ
れ、電磁石により紙面中心から径方向へ磁界が印加され
る。
ルの変位経路は、ガーネット単結晶の(111)面を中
心としたステレオ投影図における中心の(111)面
と、最外周円上の(110)面と等価な面を結んだ線と
することが最も好ましいが、製作上の誤差も考慮し、上
記扇形範囲に入っていれば、特性の劣化は最小限に止め
ることができるからである。
デー回転角の波長及び温度依存性は次式で示される。 θF (λ,T)=θFmax(λ,T)×cosα(T) ここでθFmaxはファラデー効果によるファラデー回転角
であり、それには波長及び温度依存性がある。図6に示
すように、αは、ガーネット単結晶の磁化方向と光線方
向とのなす角度であり、これはガーネット単結晶の磁気
異方性に起因するもので温度依存性がある。上式より、
θF の波長依存性を低減するには、θFmaxの波長依存性
を小さくすればよいことが分かる。これに対し、θF の
温度依存性はθFmaxの温度依存性とαの温度依存性によ
って決まるので、θF の温度依存性を小さくするには、
両者を相殺させるか、両方共にゼロに近づけなければな
らない。本発明は、両方共にゼロに近づける構造であ
る。
異なる補償膜とを組み合わせることで、θFmaxの温度依
存性を小さくできる。また、基本膜に印加する外部磁界
方向を上記特定の範囲内とすることで、異方性の寄与が
低減され、αの温度依存性が小さくなる。磁気異方性の
要因である磁化容易軸、磁化困難軸が、ステレオ投影図
の中心の(111)面と最外円周上の(110)面を結
んだ線を対称軸として存在しているため、それらの影響
が、線上では相殺され、その付近では低減されている。
これによって、αの温度依存性が低減される。また、本
発明では波長係数も異なるので、波長依存性も低減され
る。基本膜に印加する外部磁界を上記特定の範囲内にす
れば、αの項が小さくなるので、温度依存性はθFmaxの
寄与が主になり、その場合は、θFmaxの温度依存性を低
減すれれば、θF の温度依存性を低減できることにな
る。
変装置は、前述したように、光アッテネータや偏波スク
ランブラなどに組み込まれる。光アッテネータでは、フ
ァラデー回転角可変装置の前後に偏光子と検光子を設置
する。偏光子と検光子は、原理的には図1に示したよう
な複合偏光プリズムを用いてもよいが、楔形複屈折結晶
を用いて偏波無依存型とする方が実際的である。その例
を図7に示す。
トレンズ50,51を有する入力ファイバ52と出力フ
ァイバ53との間に、楔形複屈折結晶(例えばルチル)
からなる偏光子54と、ファラデー回転角可変装置55
と、楔形複屈折結晶(例えばルチル)からなる検光子5
6を、この順序で光軸上に配置する。ファラデー回転角
可変装置55は、図7のBに示すように、基本膜57と
補償膜58、それらに90度異なる2方向から磁界を印
加する永久磁石59と電磁石60との組み合わせからな
る。基本膜57は、永久磁石59による固定磁界と電磁
石60による可変磁界の合成磁界の変化によりその磁化
方向が変わり、それに応じてファラデー回転角が変化す
る。
ら両複屈折結晶の光学軸が互いに平行となるように配置
した場合、次のように動作する。入力ファイバ52から
出射しコリメートレンズ50で平行ビームとなった光
は、偏光子54により常光oと異常光eに分離する。常
光oと異常光eの偏光方向は互いに直交している。そし
て、各々の光はファラデー回転角可変装置55を通過す
る際、光軸に平行方向の磁化の大きさに応じて偏光方向
が回転し、それぞれ検光子56により常光o1 と異常光
e1 、常光o2 と異常光e2 とに分離する。検光子56
から出射する常光o1 と異常光e2 とは互いに平行で、
コリメートレンズ51によって出力ファイバ53に結合
する(実線で示す)が、検光子56から出射する異常光
e1 と常光o2 は互いに平行ではなく広がるために、コ
リメートレンズ51を通っても出力ファイバ53には結
合しない(破線で示す)。
ァラデー回転角は90度(磁化が光軸と平行)であり、
偏光子54から出射した常光oは検光子16から異常光
e1として出射し、偏光子54から出射した異常光eは
検光子から常光o2 として出射するために、コリメート
レンズ51を通っても出力ファイバ53には結合しな
い。それに対して電磁石による印加磁界が十分大きい
と、ファラデー回転角は0度に近づき、偏光子54から
出射した常光oは殆どそのまま検光子16から常光o2
として出射し偏光子54から出射した異常光eは殆どそ
のまま検光子16から異常光e2 として出射するため、
両光は平行で全てコリメートレンズ51によって出力フ
ァイバ53に結合する。このようにして電磁石60によ
る印加磁界の強さに応じて、基本膜57の磁化が回転し
てファラデー回転角は約90度から約0度までの範囲で
変化し、それに応じて出力ファイバ53に結合する光量
が異なることになり、光アッテネータとして機能するこ
とになる。
合上、ファラデー回転角は、基本膜の磁化が光線方向を
向いているとき90度以上になるようにし、且つ90度
よりも小さな角度範囲で変化させる。例えば、磁化が光
線方向を向いたときファラデー回転角が96度となり、
電磁石の磁界を印加して15度まで低減させる。その場
合、偏光子、検光子である両複屈折結晶の光学軸のなす
角度を105度に設定すれば、ファラデー回転角15度
の時、クロスニコル状態になり、大きな減衰量が得られ
る。従って、このような場合でも、動作原理は上記と同
様である。
3 −Bi2 O3 を融剤とし、LPE法により、格子定数
が12.496Å、組成が(CaGd)3 (MgZrG
a)5 O12である直径3インチ、厚み1170μmの非
磁性ガーネット基板70の(111)面上に、Bi置換
希土類鉄ガーネット単結晶72(LPE膜、組成Tb
1.00Y0.65Bi1.35Fe4.05Ga0.95O12、膜厚450
μm)を育成した(図8のA参照)。基板には大小二つ
のフラット面(オリエンテーションフラット)が付けら
れており、大きなフラット面は(-110)面、小さなフ
ラット面は(11-2)面である。得られたLPE膜を
7.6×5.0mmに切断し(切断線を図8のBで破線で
示す)、研磨により基板を除去した後、大気中で110
0℃、8時間熱処理した。熱処理したのは、as-grownの
(育成したままの)LPE膜は成長誘導による一軸磁気
異方性が大きく、それを低減するためである。その後、
再度研磨して、7.6×5.0×0.33mmの形状に鏡
面仕上げをし、表裏両面の(111)面に反射防止膜を
蒸着した(図8のC)。そして、1.0×1.2×0.
33mmに切断し(切断線を図8のCで破線で示す)、最
後に(111)面と(-110)面と(-1-12)面の交点
の角を少し削って方位マーカーとした(図8のD)。こ
のようにして作製した基本膜74は、磁化方向が光線方
向と平行方向を向いた時、32度のファラデー回転角を
有する。
て、LPE法により、格子定数が12.496Å、組成
が(CaGd)3 (MgZrGa)5 O12である直径3
インチ、厚み1170μmの非磁性ガーネット基板の
(111)面上に、Bi置換希土類鉄ガーネット単結晶
(LPE膜、組成Gd1.00Y0.75Bi1.25Fe4.00Ga
1.00O12、膜厚350μm)を育成した。得られたLP
E膜を7.6mm角に切断し、研磨により基板を除去し
た。その後、再度研磨して、7.6×7.6×0.22
mmの形状に鏡面仕上げし、表裏両面の(111)面に反
射防止膜を蒸着した。そして、1.2×1.2×0.2
2mmに切断した。振動試料型磁力計(VSM)を用いて
この膜の飽和磁化の温度依存性を測定したところ、補償
温度は136℃であり、その温度以下では、ファラデー
回転角の回転方向が基本膜とは反対であった。また、磁
化方向が光線方向と平行方向を向いた時、ファラデー回
転角は−19.7度であった。
個、方位を指定して並べ、一番手前の基本膜の角を切除
した側の(-1-12)面を電磁石のS極側に、後ろの2個
の基本膜の角を切除した側の(-1-12)面を電磁石のN
極側に配置した。補償膜は基本膜に隣接して配置した。
基本膜、補償膜とも、光は(111)面にほぼ垂直に入
射する。基本膜を3個使用しているのは、育成したガー
ネット単結晶の膜厚が450μmであり、それを加工す
るため膜厚は更に薄くなり、1個当たりのファラデー回
転角が小さいためである。現時点では、LPE法による
ガーネット単結晶育成は、膜厚が500μmを超える
と、欠陥や割れが生じて育成が困難である。しかし、結
晶育成技術の進歩により500μmを超える厚い膜の育
成が可能になり、加工後のガーネット単結晶1個当たり
の厚みを大きくしてファラデー回転角を大きくできれ
ば、使用する基本膜の個数は2個以下でもかまわない。
ラデー回転角可変装置の前後に、偏光子と検光子を配置
し、波長可変光源を用いて直交偏光子法によりファラデ
ー回転角の波長依存性を、任意の電磁石磁界のとき測定
した。測定結果は前述した図4のA〜Cに示す通りであ
り、波長依存性は低減された。
3度に固定し、減衰量(透過光量)の波長依存性を測定
した。これは、基本的に光アッテネータと同じ構成であ
る。まず、波長1550nmで電磁石磁界に対する減衰量
を求めた(図10)。そして図10から減衰量が0,
5,10,20dBになる電磁石磁界を求め、電磁石の
磁界をそれらの磁界に固定し、波長を変えたときの減衰
量の変化量を測定した。その結果を図11のAに示す。
比較のため、補償膜を取り除いて基本膜だけにして、偏
光子と検光子の角度を105度に固定し、同様の方法で
減衰量を測定した(比較例1)。測定結果を図11のB
に示す。図10より、実施例1のファラデー回転角可変
装置を用いても、光アッテネータの動作が正常に行われ
ることが分かる。また、図11のAとBの比較により、
実施例1のファラデー回転角可変装置を用いると、減衰
量の波長特性を低減できることが分かる。
デー回転角は、電磁石磁界がゼロの時96度、電磁石磁
界を印加し減衰量20dBの時15度である。それに対
して補償膜のファラデー回転角は、電磁石磁界がゼロの
時−19.7度、電磁石磁界を印加し減衰量20dBの
時−19.4度である。従って、基本膜のファラデー回
転角可変範囲に対する補償膜のファラデー回転角の変化
は約0.4%と極めて小さく、補償膜のファラデー回転
角は一定である。
み合わせは、測定してみると、上記のようにファラデー
回転角の波長依存性を低減できるのみならず、温度依存
性も低減できることが判明した。基本膜の0〜60℃で
の変化率は、25℃のファラデー回転角を基準として−
0.22%/℃であり、補償膜の0〜60℃での変化率
は、25℃のファラデー回転角を基準として+0.25
%/℃である。
光子と検光子を配置し、1550nmの光源を用いて直交
偏光子法によりファラデー回転角の温度特性を、任意の
電磁石磁界強度のとき測定した。測定結果を図12のA
に示す。比較のため、補償膜を取り除き基本膜だけにし
てファラデー回転角を測定した結果を図12のBに示
す。
3度に固定し、減衰量の温度特性を測定した。これは、
基本的に光アッテネータと同じ構成である。測定結果を
図13のAに示す。比較のため、補償膜を取り除き基本
膜だけにして、偏光子と検光子の角度を105度に固定
して減衰量を測定した結果を図13のBに示す。
組み合わせることにより、ファラデー回転角と減衰量の
両方とも温度依存性も小さくなることが分かる。
膜74を方位を揃えて並べて、角を切除した側の(-1-1
2)面を電磁石のN極側に配置して同様に測定したとこ
ろ、上記(実施例1)の温度特性よりは劣るが、補償膜
を組み合わせた場合と基本膜だけの場合を比較すると、
補償膜を組み合わせることによって温度特性が改善され
ていることが確認できた。つまり、基本膜の方位に対す
る印加磁界経路にかかわらず、補償膜を組み合わせるこ
とは温度特性の改善に有効であった。
したLPE膜(研磨により基板を除去した状態のもの)
を、大気中で1100℃、2時間熱処理し、その後、実
施例1の場合と同様に加工して、1.2×1.2×0.
11mmに仕上げた。この補償膜は、磁化方向が光線方向
と平行方向を向いたとき、−10度のファラデー回転角
を有するものであった。この補償膜を用いて、実施例1
と同様に、ファラデー回転角、減衰量の電磁石磁界依存
性と波長依存性を測定した。減衰量を測定したときの、
偏光子と検光子のなす角度は95度とした。なお、補償
膜、及び偏光子と検光子のなす角度以外は全て実施例1
と同じとした。測定結果を図14〜図17に示す。
転角の電磁石磁界依存性をしめしている。電磁石の磁界
が大きくなると、補償膜のファラデー回転角の絶対値が
多少小さくなるように変化していることが分かる。これ
は、補償膜の磁化方向が若干光線方向から傾いたためと
考えられる。しかし、その変化量は十分小さい。3個の
基本膜のファラデー回転角は、電磁石磁界がゼロの時9
6度、電磁石磁界を印加し減衰量20dBの時15度で
ある。それに対して補償膜のファラデー回転角は、電磁
石磁界がゼロの時−10度、電磁石磁界を印加し減衰量
20dBの時−7.8度である。従って、基本膜のファ
ラデー回転角可変範囲に対する補償膜のファラデー回転
角の変化は約2.7%であり、補償膜のファラデー回転
角はほぼ一定と見なせる。
長依存性を示す。比較のため、基本膜のみの場合も記載
した。補償膜を組み合わせることにより、ファラデー回
転角の波長依存性が小さくなっていることが分かる。図
16は、減衰量の電磁石依存性である。電磁石磁界が大
きくなると減衰量も大きくなっており、光アッテネータ
として正常に動作することが分かる。図17は減衰量の
波長依存性を示したものである。図11のBとの比較に
より、波長依存性が低減されていることが分かる。この
ように、補償膜のファラデー回転角が完全に一定ではな
く多少変化する場合でも、波長依存性の効果は生じる。
で作製したのと同じものを使用する。実施例1との違い
は、基本膜の並べ方と電磁石による磁界の印加方向のみ
である。図9のBに示すように、3個の基本膜を方位を
揃えて並べ、(-110)面を電磁石のN極側に配置し
た。比較のため基本膜のみの場合も作製した。光線は基
本膜及び補償膜の(111)面に垂直方向に通過し、基
本膜に印加される外部磁界の合成磁界ベクトルの変位経
路が、ガーネット単結晶の(111)面を中心としたス
テレオ投影図における中心の(111)面と、最外周円
上の(1-10)面を結ぶ線上に設定する。その状態で、
ファラデー回転角、減衰量の波長及び温度特性を測定し
た。図18はファラデー回転角の波長特性、図19は減
衰量の波長特性を示し、図20はファラデー回転角の温
度特性、図21は減衰量の温度特性を示す。各図におい
て、Aは補償膜を組み合わせた実施例3であり、Bは基
本膜のみの比較例3である。これらの測定結果から、実
施例3では、波長依存性、温度依存性が共に小さくなっ
ていることが分かる。
高温(136℃)のものを用いて、基本膜のファラデー
回転角とその波長依存性の符号と反対になるようにした
が、それ以外でも、例えばY3 Fe5 O12やTb3 Fe
5 O12等のビスマスが置換されていない希土類鉄ガーネ
ット単結晶は、ビスマスを0.3程度以上置換されたも
ののファラデー回転角、波長係数と符号が異なるため、
それらを用いても同様の効果が得られる。
よりファラデー回転角が可変するガーネット単結晶基本
膜の他に、ファラデー回転角がほぼ一定のガーネット単
結晶補償膜を配置し、前記基本膜と補償膜にはファラデ
ー回転角の波長係数の符号が異なるものを用いるように
構成したことにより、前記補償膜により基本膜のファラ
デー回転角の波長変化分を減少させ、ファラデー回転角
可変装置の波長依存性を低減することができる。そのた
め、ファラデー回転角可変装置を用いる特に波長多重通
信用の各種光デバイスの実用化、高性能化に有用であ
る。
ァラデー回転角を変えれば、基本膜と補償膜のファラデ
ー回転角の絶対値が同じになった時にファラデー回転角
の波長依存性をほぼゼロにできるため、どのファラデー
回転角で波長依存性をゼロにするか設計の自由度があ
る。つまり、補償膜のファラデー回転角が、基本膜のフ
ァラデー回転角の最大値と最小値の間にあれば、その中
の任意のファラデー回転角の時の波長依存性をゼロにで
きる。特に光アッテネータに組み込んだ場合に、波長変
化に敏感な減衰量が大きい領域で波長依存性を低減でき
るため、その効果は非常に大きい。
の波長係数と温度係数の符号の両方が異なるものを用い
るように構成すると、前記補償膜により基本膜のファラ
デー回転角の波長変化分及び温度変化分を減少させ、フ
ァラデー回転角可変装置の波長依存性と温度依存性の両
方を低減することができる。
外部磁界の合成ベクトルの変位経路を特定することによ
っても、補償膜により基本膜のファラデー回転角の波長
変化分及び温度変化分を減少させることができる。
と動作の説明図。
を示すグラフ。
性を示すグラフ。
ステレオ投影図。
図。
グラフ。
示すグラフ。
度特性を示すグラフ。
すグラフ。
性を示すグラフ。
存性を示すグラフ。
グラフ。
フ。
長特性を示すグラフ。
すグラフ。
度特性を示すグラフ。
すグラフ。
Claims (13)
- 【請求項1】 ファラデー効果を有するガーネット単結
晶に2方向以上から外部磁界を印加して、それらの合成
磁界を可変することにより、該ガーネット単結晶を透過
する光線のファラデー回転角を制御するファラデー回転
角可変装置において、 合成磁界の可変によりファラデー回転角が変化するガー
ネット単結晶基本膜の他に、ファラデー回転角がほぼ一
定のガーネット単結晶補償膜を配置し、前記基本膜と補
償膜にはファラデー回転角の波長係数の符号が異なるも
のを用い、前記補償膜により基本膜のファラデー回転角
の波長変化分を減少させるようにしたことを特徴とする
ファラデー回転角可変装置。 - 【請求項2】 基本膜と補償膜にはファラデー回転角の
波長係数及び温度係数の符号が異なるものを用い、それ
らは共に(111)面で研磨されていて、光線は(11
1)面に垂直な〈111〉方向に透過し、基本膜に印加
される外部磁界の合成ベクトルの変位経路が、ガーネッ
ト単結晶の(111)面を中心としたステレオ投影図に
おける中心の(111)面と、最外周円上の(110)
面と等価な面から左右に5度の位置を結んだ線で囲まれ
た扇形範囲に入っており、それによって前記補償膜によ
り基本膜のファラデー回転角の波長変化分及び温度変化
分を減少させるようにした請求項1記載のファラデー回
転角可変装置。 - 【請求項3】 基本膜のファラデー回転角の絶対値の最
大値をFamax、補償膜のファラデー回転角の絶対値をF
b とした時、Famax>Fb である請求項1又は2記載の
ファラデー回転角可変装置。 - 【請求項4】 基本膜のファラデー回転角の絶対値の最
大値をFamax、基本膜のファラデー回転角の絶対値の最
小値をFamin、補償膜のファラデー回転角の絶対値をF
b とした時、Famax>Fb >Faminである請求項3記載
のファラデー回転角可変装置。 - 【請求項5】 光線方向に対して平行方向と直交方向の
2方向から磁界を印加する請求項1乃至4のいずれかに
記載のファラデー回転角可変装置。 - 【請求項6】 光線方向に対して平行方向の磁界は永久
磁石による固定磁界であり、直交方向の磁界は電磁石に
よる可変磁界である請求項5記載のファラデー回転角可
変装置。 - 【請求項7】 基本膜と補償膜の両方に2方向の磁界を
印加する請求項5又は6記載のファラデー回転角可変装
置。 - 【請求項8】 基本膜には2方向から磁界を印加し、補
償膜には光線方向に対して平行方向の永久磁界による固
定磁界のみを印加する請求項5又は6記載のファラデー
回転角可変装置。 - 【請求項9】 基本膜には2方向から磁界を印加し、補
償膜には外部磁界を印加しない請求項5又は6記載のフ
ァラデー回転角可変装置。 - 【請求項10】 基本膜には垂直磁気異方性が小さい材
料を、補償膜には垂直磁気異方性が大きい材料を使用
し、それらを並べて2方向以上から外部磁界が印加され
る位置に設置する請求項7記載のファラデー回転角可変
装置。 - 【請求項11】 基本膜が、(RBi)3 (FeM)5
O12であり、補償膜が、R3 Fe5 O12又は補償温度が
最高使用温度よりも高い(RBi)3 (FeM)5 O12
(但しRはイットリウムを含む希土類元素から選ばれた
1種以上の元素、Mは鉄と置換できる1種以上の元素)
である請求項1乃至10のいずれかに記載のファラデー
回転角可変装置。 - 【請求項12】 基本膜は、組成がTb1.00Y0.65Bi
1.35Fe4.05Ga0. 95O12で、大気中1100℃で8時
間熱処理されたものであり、補償膜は、組成がGd1.00
Y0.75Bi1.25Fe4.00Ga1.00O12で熱処理されてい
ないものであり、それら基本膜と補償膜に光線と平行方
向に永久磁石により210エルステッドの磁界を印加
し、光線と直交方向に電磁石による可変磁界を印加する
請求項5記載のファラデー回転角可変装置。 - 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれかに記載の
ファラデー回転角可変装置を、偏光子と検光子の間に組
み込んだ光アッテネータ。
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