JP2000252878A - スペクトラム拡散送受信システム - Google Patents

スペクトラム拡散送受信システム

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JP2000252878A
JP2000252878A JP9674899A JP9674899A JP2000252878A JP 2000252878 A JP2000252878 A JP 2000252878A JP 9674899 A JP9674899 A JP 9674899A JP 9674899 A JP9674899 A JP 9674899A JP 2000252878 A JP2000252878 A JP 2000252878A
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Takashi Ushita
隆史 丑田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信側でのPN同期回路を不要とし、低域外
乱に対しても良好なデータ送受信を可能とするスペクト
ラム拡散送受信システムを提供すること。 【手段】 本発明のよるスペクトラム拡散送受信システ
ムは、送信ユニット(1)は、データ発生部(10
1)、拡散符号発生器(PN発生器)(102)、乗算
器(103)、直交変調器(11)、送出部(109)
および送信アンテナ(110)を備えている。また、直
交変調器(11)は、発信器(104)、90度移相器
(105)、I相変調器(106)、Q相変調器(10
7)および合波器(108)を備え、受信ユニット
(2)は受信アンテナ(201)、帯域阻止フィルタ
(206)、自乗器(202)、検波器(204)およ
びデータ再生部(205)を備えており、拡散信号と拡
散符号とを直交多重して送出し、受信側では、データ帯
域の通過を阻止した後自乗処理を行うことによって自動
的に逆拡散処理が行われるよう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データ通信に用い
られるスペクトラム拡散送受信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来実用化されている狭帯域変調方式の
データ通信システムは、その受信システムが比較的小型
で安価に実現できるという利点を持つ反面、マルチパス
や狭帯域妨害波に弱いという欠点を持っていた。これの
欠点を解消しうるシステムとして、スペクトラム拡散通
信システムが注目されている。
【0003】かかるスペクトラム拡散通信システムは、
伝送すべきデータに拡散符号を乗じて、スペクトラムを
拡散して送出し、受信した信号に同じ拡散符号を乗じて
逆拡散を行うものであり、現実には、受信側での逆拡散
に際して、いかにして送信側で拡散変調に用いられた拡
散符号と同等の参照用拡散符号を得るかが大きな課題と
なる。
【0004】この課題を解決するために、従来のスペク
トラム拡散通信システムにおいては、受信側で新たに同
系列の参照用拡散符号を発生させ、これを拡散符号同期
回路によって受信信号中の拡散符号と同期させて逆拡散
を行うという方法が用いられている。以下、この同期回
路について図面を用いて説明する。
【0005】図1は、従来用いられている同期回路の原
理的な1例を示す構成図である。同図において、受信信
号(S)と、同期回路(60)から得られる参照用拡散
符号(PNr)とを、乗算器(50)によって乗算して
逆拡散が行われ、データ再生手段(205)によってデ
ータが再生される。ここで、同期回路(60)は同期捕
捉部(61)と同期保持部(62)から成り、まず同期
捕捉部(61)で、拡散符号の自己相関特性を利用した
マッチドフィルタ等によって、受信信号(S)中の拡散
符号の同期情報を抽出し、次いで同期保持部(62)
で、前記同期情報によって拡散符号発生器の粗同期を行
うと同時に、2つの相関器を用いた遅延ロックループに
よって絶えず精密な同期追跡・保持が行われる。このよ
うに複雑なプロセスを経てはじめて正しい参照用拡散符
号(PNr)が得られるのである。
【0006】しかしながら、現実には受信信号(s)に
は多くの妨害波・外乱ノイズやマルチパスによる遅延歪
等が含まれるため、上記同期確保は容易ではなく、ます
ます回路が複雑になると同時に、例えば、信学技報「S
ST97−48」にSAWコンボルバ、信学技報「SS
T97−50」にSIマッチドフィルタ、信学技報「S
ST97−51」にCCD相関器の例が報告されている
ように、コンボルバや相関素子等高度な特殊部品が用い
られている。
【0007】また、第2の従来技術としては、送信側
で、拡散符号を遅延して拡散信号に重畳して送出し、受
信側では、受信信号を2系統に分波し、一方を送信側と
等量遅延して他方と乗算することによって、同期回路不
要として逆拡散信号を得る方式が、信学論文誌「Vo
l.J74B−II No.5」のP225−233に
開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スペクトラム拡散通信システムでは、参照用拡散符号を
受信機側で新たに発生させているので、回路規模が増大
し、コストも高額なものになるという問題点を有してい
た。
【0009】また、第2の従来技術においては、受信側
での逆拡散処理において参照用拡散符号として用いる信
号に、拡散信号自体も重畳されているため逆拡散処理の
S/Nが悪くなる。低周波数領域の外乱信号が、形を変
えて逆拡散信号に残留するので、データ再生精度を悪化
させる。遅延量のみが識別情報となるので、大遅延量の
遅延素子を多種類用意する必要があり、コストが増大す
る等の諸問題を有していた。
【0010】本発明は、かかる問題点を解決し、受信側
で不可欠であった参照用拡散符号発生器およびその同期
回路を不要もしくは極めて簡素化することを可能とし、
さらに低周波数領域の外乱信号の影響を排除し、しかも
特殊な遅延素子を必要としない、簡単で安価なスペクト
ラム拡散送受信システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るために、本発明請求項1に記載のスペクトラム拡散送
受信システムでは、データを所定の形態に処理して送出
する送信ユニットと、前記送信ユニットから送出された
信号を受信して、所定の復調処理によって前記データを
取り出す受信ユニットとを備え、前記送信ユニットは、
拡散符号を発生する拡散符号発生手段と、前記データと
前記拡散符号とを乗算して拡散信号を発生する乗算手段
と、前記拡散信号と前記拡散符号とを直交変調して合波
し、所定周波数fcの合波信号を発生する直交変調手段
と、前記合波信号を所定の形態の送信信号として送出す
る送出手段を備え、前記受信ユニットは、前記合波信号
を自乗演算して自乗信号を発生する自乗手段と、前記自
乗信号から前記所定周波数fcの2倍の周波数近傍の成
分を抽出し、2fc信号を発生する帯域通過手段と、前
記2fc信号を検波してベースバンド信号を取り出す検
波手段と、前記ベースバンド信号より2値データを再生
するデータ再生手段とを備えて成るよう構成している。
【0012】また、本発明請求項2に記載のスペクトラ
ム拡散送受信システムでは、データを所定の形態に処理
して送出する送信ユニットと、前記送信ユニットから送
出された信号を受信して、所定の復調処理によって前記
データを取り出す受信ユニットとを備え、前記送信ユニ
ットは、拡散符号を発生する拡散符号発生手段と、前記
データと前記拡散符号とを乗算して拡散信号を発生する
乗算手段と、前記拡散信号と前記拡散符号とを直交変調
して合波し、所定周波数fcの合波信号を発生する直交
変調手段と、前記合波信号を所定の形態の送信信号とし
て送出する送出手段を備え、前記受信ユニットは、受信
した前記合波信号の所定の周波数帯域を減衰させる帯域
阻止手段と、前記帯域阻止手段の出力信号を自乗演算し
て自乗信号を発生する自乗手段と、前記自乗信号から前
記所定周波数fcの2倍の周波数近傍の成分を抽出し、
2fc信号を発生する帯域通過手段と、前記2fc信号
を検波してベースバンド信号を取り出す検波手段と、前
記ベースバンド信号より2値データを再生するデータ再
生手段とを備え、なおかつ前記拡散符号の符号周期は、
前記データの1ビット時間と同等以下とし、前記帯域阻
止手段は、(前記所定周波数fc)±(前記データの1
ビット時間の逆数)の周波数帯域を阻止する特性を有す
ることを特徴とする。
【0013】本発明請求項3に記載のスペクトラム拡散
送受信システムでは、請求項1または2のいずれか1項
に記載のスペクトラム拡散送受信システムにおいて、送
信ユニットは、第2の拡散符号を発生する第2の拡散符
号発生手段と、第2の乗算手段とをさらに備え、前記乗
算手段が、前記第2の乗算手段によって前記データと、
前記第2の拡散符号とが乗算された信号を受けるように
構成され、前記受信ユニットは、前記第2の拡散符号に
同期した参照用拡散符号を発生する同期手段と、前記ベ
ースバンド信号と、前記参照用拡散符号とを乗算して逆
拡散信号を発生する第3の乗算手段とをさらに備え、前
記第3の乗算手段は、前記検波手段と、前記データ再生
手段の中間に配置されることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるスペクトラム
拡散送受信システムについて、図面を参照しながら説明
する。
【0015】(請求項1の実施の形態)図2は、本発明
請求項1によるスペクトラム拡散送受信システムの実施
の形態を示す原理ブロック構成図である。
【0016】図2において、送信ユニット(1)は、デ
ータ発生部(101)、拡散符号発生器(PN発生器)
(102)、乗算器(103)、直交変調器(11)、
送出部(109)および送信アンテナ(110)を備え
ている。また、直交変調器(11)は、発信器(10
4)、90度移相器(105)、I相変調器(10
6)、Q相変調器(107)および合波器(108)で
構成される。また、受信ユニット(2)は受信アンテナ
(201)、自乗器(202)、検波器(204)およ
びデータ再生部(205)を備えている。
【0017】送信ユニット(1)では、データ発生部
(101)で発生されたデータと、拡散符号発生器で発
生された拡散符号とは、乗算器(103)で乗積されて
スペクトルを拡散された拡散信号となる。一方、直交変
調器(11)内の発信器(104)からは所定周波数f
cのI相キャリアが発生され、90度移相器(105)
によってQ相キャリアとなる。ここで、拡散信号はI相
変調器(106)で、拡散符号はQ相変調器で変調さ
れ、合波器(108)で合波されるた後、送信部(10
9)によって送信アンテナ(110)から送信される。
【0018】受信ユニット(2)では、受信アンテナ
(201)で受信された信号を、図示しないバンドパス
フィルタによって不要帯域をカットした後、自乗器(2
02)によって自乗演算して自乗信号を得る。この自乗
信号には、拡散信号と拡散符号の積、すなわち逆拡散信
号がキャリア周波数fcの2倍の周波数で変調された形
で現れるので、これをバンドパスフィルタ(203)で
取り出し、検波器(204)で検波することによって、
ベースバンドに復調された逆拡散信号が得られるのであ
る。かくして得られた逆拡散信号を、データ再生部で整
形処理して再生データ得ている。
【0019】ここで、自乗器(202)における動作を
より詳細に説明する。ここで、データをd(t)、拡散
符号をp(t)、キャリア角周波数をω、外乱信号(入
力BPF後)をg(t)、自乗器入力信号をsi
(t)、自乗信号をsq(t)とすれば、自乗器(20
2)においては次のような演算が行われる。 si(t)=d(t)・p(t)・cos(ωt) + p(t)・sin(ωt) + g(t) sq(t)=d(t)・sin(2・ωt) +2・d(t)・p(t)・cos(ωt)・g(t) +2・p(t)・sin(ωt)・g(t) +g(t)・g(t) +1 ・・・・・・・・数式1
【0020】数式1において、第1項は直交成分同士の
積であり、逆拡散信号を2fcでPSK変調し信号であ
ることを示している。さらに、常数項を除く他の全ての
項は、外乱信号によって発生している成分であるので、
逆拡散処理自体は理想的に行われることを示している。
【0021】第2項、第3項はI相信号、Q相信号が、
キャリア周波数fcを中心にバンドパスフィルタを通過
したガウス雑音によって拡散されることを示しており、
2fc帯にノイズ成分として混入するが、I相、Q相の
ベース自体が拡散符号成分であるのでデータ帯域への影
響は少ない。
【0022】第4項は外乱信号自体の自乗成分であり、
ガウス雑音は自己拡散されて、2fcを中心に2倍の帯
域幅に広がるので、バンドパスフィルタ(204)通過
後の雑音成分は概ね1/2に軽減される。
【0023】以上のように、本実施形態においては、送
信側で拡散信号と拡散符号とを直交多重して送出し、受
信側で、これを自乗処理するのみで、自動的に逆拡散処
理を行わせているのである。
【0024】その結果、受信側で拡散符号同期回路も不
要となり、極めて簡単な構成でスペクトラム拡散送受信
が可能になる。
【0025】さらに、拡散信号と拡散符号とが互いに独
立しているので、逆拡散処理におけるS/Nは劣化せ
ず、質のよい復調が可能になる。
【0026】さらに、マルチパスや伝送歪み等によって
も、拡散信号と拡散符号の同期関係は崩れることがない
ので、これらに対する特別な対策を不要にでき、安定し
た通信が可能になる。
【0027】(請求項2の実施の形態)図3は、本発明
請求項2によるスペクトラム拡散受信システムを示す原
理ブロック構成図である。同図において、受信ユニット
(2)は、自乗器(202)の前段に帯域阻止フィルタ
(206)を備えていることが特徴であり、他の構成は
請求項1の実施の形態と同等である。従って重複する部
分の説明は省略する。
【0028】ここでは、拡散符号の符号周期を、データ
のビットタイムTbに等しく設定し、帯域阻止フィルタ
(206)の阻止帯域幅をfc±(1/Tb)に設定し
ている。すなわち、帯域阻止フィルタ(206)は受信
アンテナ(201)で受信した信号の内、データの基本
帯域幅に相当する帯域幅の通過を阻止しているのであ
る。
【0029】このような帯域阻止フィルタは、従来の狭
帯域変調方式のシステムではあり得ないものであるが、
拡散符号を上記設定にすることによって、拡散信号およ
び拡散符号のスペクトラム分布のうち、1/Tb以下の
スペクトラム成分を著しく減少させて、実際の伝送にお
ける1/Tb以下の帯域の寄与度を低くできるのであ
る。
【0030】ここで再び数式1を参照する。第2項から
第4項の外乱信号に関係する項に着目すると、第2項お
よび第3項には拡散符号p(t)が含まれているので、
たとえ外乱信号g(t)に狭帯域の近接妨害波が含まれ
ていても、これらは拡散されて影響が軽減されることを
意味するが、第4項に関しては、ガウス性ノイズは自己
拡散されものの、上記狭帯域の近接妨害波は拡散される
ことなく、2fc近傍に現れることを意味している。結
果として、逆拡散信号に重畳して干渉を与えることにな
り、特に1/Tb以下のデータ帯域内に干渉が及ぶと、
データ再生部でもその影響を取り除くことが困難にな
る。
【0031】しかるに、本実施形態においては、拡散符
号の設定を上記の設定とすることによって、伝送品質を
損なうことなく、帯域阻止フィルタ(202)で1/T
b以下の帯域に干渉する妨害波を除去することが可能と
なる。
【0032】その結果、本実施形態においては、請求項
1の実施形態の効果に加えて、近接妨害波の影響を排除
し、通信品質のさらなる向上が可能となるのである。
【0033】(請求項3の実施の形態−1)図4は、本
発明請求項3によるスペクトラム拡散送受信システムの
第1の実施の形態を示す原理ブロック構成図である。
【0034】なお、本実施の形態は請求項2をベースと
しているが、請求項1をベースにした実施の形態も当然
可能であるが、帯域阻止フィルタ(206)を除いて説
明が重複するので、ここでは省略した。
【0035】図4を参照するに、送信ユニット(1)
は、乗算器(103)の前段に第2の乗算器(112)
と、第2の拡散符号(以下、PN2と呼ぶ)を発生する
PN2発生器(111)とを備え、また、受信ユニット
(2)は、検波部(204)の後段に第3の乗算器(2
08)とPN2同期部を備えることが特徴であり、他の
構成は請求項2の実施形態である図3と同等である。従
って、以下の説明では重複する部分の説明は省略する。
【0036】送信ユニット(1)では、データ発生部
(101)で発生されたデータを、まず第2の乗算器
(112)でPN2を乗積した後、乗算器(103)で
第1の拡散符号(以下PN1と呼ぶ)を乗積して2重に
拡散変調を行う。
【0037】このとき、PN2、PN1の符号周期は、
ともにデータビットタイムTbに等しく設定し、PN2
のチップタイムTc2は、PN1のチップタイムTc1
より大きく設定する。
【0038】乗算器(103)以降は、図3と同等のプ
ロセスによって送信アンテナ(110)から送出する。
この過程を言い換えれば、PN2を識別用キー符号とし
て、乗算器(112)でキー変調されたデータを図3の
プロセスで送出することと等価となる。
【0039】受信ユニット(2)では、検波部(20
4)までは図3と同等のプロセスである。ただし、図4
においては検波部(204)の出力ベースバンド信号
は、PN2で拡散(キー変調)された信号となる。PN
2同期部(207)は検波出力信号から同期情報を抽出
して、それに同期したPN2参照符号を発生し、乗算器
(208)は、検波出力信号とPN2参照符号とを乗積
して、最終的な逆拡散信号(キー解除信号)を発生す
る。このあとは図3と同じプロセスとなり、データ再生
部で2値整形されたデータを再生する。
【0040】ここで注目すべきは、PN2同期部(20
7)に加わる信号は、乗算器(202)によるPN1系
での自動逆拡散処理によって、外乱ノイズが排除された
信号であるので、同期情報の抽出が容易となり、同期回
路にかかる負荷が著しく軽減されることである。以下、
この様子を図5を用いて詳細に説明する。
【0041】図5は、本実施形態を示す図4の各部の動
作波形例を示したものである。同図の(a)から(k)
の付番は、図4の段間に付した記号と対応している。こ
こで、波形(a)は原データを、波形(b)はPN2で
変調されたデータを、波形(c)はさらにPN1によっ
て拡散変調された信号を示している。また、波形(d)
は図示しない伝送経路中で、近接周波数および同一周波
数の2種類の狭帯域PSK妨害波による同レベルでの干
渉を受けた状態を示している。また、波形(e)は、波
形(d)にさらにガウス性ノイズが加わった状態であ
り、ノイズレベル大きさを示すために波形(d)を白抜
きで重ねて表示してある。この波形(e)が受信ユニッ
ト(2)の入力となり、自乗処理(f)、2fc抽出
(g)の後、検波処理された信号が波形(h)である。
【0042】波形(h)を見ると、波形(b)の情報が
よく再現されており、ここからPN2の同期情報を抽出
することは容易である。従ってPN2同期部(207)
は極めて簡単になる。従来のスペクトラム拡散方式で
は、波形(e)から同期情報を得る必要があったので、
その同期回路には膨大な負担がかかっていたのである。
【0043】波形(i)は、PN2同期部(207)で
発生されたPN2参照符号と波形(h)とを、乗算器
(208)で乗積した信号を示しており、PN2逆拡散
が正しく行われている。また、波形(j)はデータ再生
部(205)内のLPF出力波形であり、これを2値整
形して再生データ(k)を得ている。
【0044】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、請求項1および請求項2の実施形態による効果に加
えて、極めて簡単な構成で識別情報の付加および識別用
同期再生が可能となる。
【0045】その結果、従来高額であったセキュリティ
システムやCDMAシステム等を、安価に、手軽に構築
できるようになるのである。
【0046】(請求項3の実施の形態−2)図6は、本
発明請求項3によるスペクトラム拡散送受信システムの
第2の実施の形態を示す原理ブロック構成図である。
【0047】図6において、送信ユニット(1)は、デ
ータ発生部(101)、変調器(106)、発信器(1
04)、90度移相器(105)、弾性表面波素子
(3)、送出部(109)および送信アンテナ(11
0)を備えている。また、受信ユニット(2)は図4に
おける受信ユニットと同等である。
【0048】送信ユニット(1)において、発信器(1
04)は所定周波数fcのキャリア(I相)を発生す
る。90度移相器(105)は、I相キャリアからQ相
キャリアを発生する。また、変調器(106)は、デー
タ発生部から発生されたデータをI相キャリアで変調
し、I相信号を発生する。
【0049】弾性表面波素子(3)は2系統の電極を有
し、その第1の系統は第2の拡散符号(PN2)を形成
する電極と、第1の拡散符号(PN1)を形成する電極
の従属配置から成り、第2の系統はPN2電極の遅延量
に相当する遅延電極とPN1を形成する電極の従属配置
から成っている。この電極構成を図4と対比して機能を
説明すれば、第1の系統のPN2電極には、PN2発生
器(111)および乗算器(112)の機能を持たせ、
第1系統のPN1電極にはPN1発生器(102)およ
び乗算器(103)の機能を持たせている。また、第2
の系統のPN1電極にはPN1発生器(101)および
変調器(107)の機能を持たせている。
【0050】このような弾性表面波素子(3)の第1の
系統の入力電極に上記I相信号を、また第2の系統の入
力電極にQ相キャリアを加えることによって、図4と処
理順序は異なるものの同等の処理を行わせているのであ
る。これら2系統の表面弾性波は受端電極で合波され
て、再び電気信号となり、送出部(109)によって送
信アンテナ(110)から送信される。
【0051】受信ユニットについては、請求項3の第1
の実施形態と同等であるので、ここでは説明を省略す
る。
【0052】このように、請求項3の第2の実施形態に
おいては、送信ユニット(1)内の大半の機能を表面弾
性波素子内の電極構造で実現させているので、送信ユニ
ットを極めて小型化することができるのである。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるスペ
クトラム拡散送受信システムによれば、種々のランダム
ノイズや近接妨害波等の外乱を排除して、高い通信品質
を得ながら、通信装置の小型化、簡素化、低コスト化が
可能となるという効果を奏することができる。
【0053】さらに、従来の通信システムで大きな問題
となっていた、伝送歪みやマルチパス等が発生する環境
下でも、同期間系が崩れることはないので、安定した通
信が可能に成るという効果も有する。
【0054】さらに、多種類の識別符号を付加できるの
で、小型で安価なセキュリティシステムやCDMAシス
テムを構築できる。
【0055】さらに視野を広げれば、従来、スペクトラ
ム拡散を渇望しながらも、狭帯域変調方式に甘んじてい
た分野にも、手軽にスペクトラム拡散システムの導入を
可能にするという、極めて大きな効果を奏するのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の拡散符号同期回路の例を示す原理構成図
である。
【図2】請求項1の実施の形態によるスペクトラム拡散
送受信システムの原理ブロック構成図である。
【図3】請求項2の実施の形態によるスペクトラム拡散
送受信システムの原理ブロック構成図である。
【図4】請求項3の第1の実施の形態によるスペクトラ
ム拡散送受信システムの原理ブロック構成図である。
【図5】請求項3の第1の実施形態によるスペクトラム
拡散送受信システムの動作波形例を示す図である。
【図6】請求項3の第2の実施形態によるスペクトラム
拡散送受信システムの原理ブロック構成図である。
【符号の説明】
1 送信ユニット 2 受信ユニット 3 弾性表面波素子 11 直交変調器 101 データ発生器 102 拡散符号発生器 103 乗算器 104 発信器 105 90度移相器 106 変調器 107 変調器 108 合波器 109 送出部 110 送信アンテナ 111 第2の拡散符号発生器 112 第2の乗算器 201 受信アンテナ 202 自乗器 203 バンドパスフィルタ 204 検波部 205 データ再生部 206 帯域阻止フィルタ 207 第3の乗算器 208 PN2同期部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データを所定の形態に処理して送出する
    送信ユニットと、前記送信ユニットから送出された信号
    を受信して、所定の復調処理によって前記データを取り
    出す受信ユニットとを備え、 前記送信ユニットは、拡散符号を発生する拡散符号発生
    手段と、前記データと前記拡散符号とを乗算して拡散信
    号を発生する乗算手段と、前記拡散信号と前記拡散符号
    とを直交変調して合波し、所定周波数fcの合波信号を
    発生する直交変調手段と、前記合波信号を所定の送信信
    号として送出する送出手段を備え、 前記受信ユニットは、前記合波信号を自乗演算して自乗
    信号を発生する自乗手段と、前記自乗信号から前記所定
    周波数fcの2倍の周波数近傍の成分を抽出し、2fc
    信号を発生する帯域通過手段と、前記2fc信号を検波
    してベースバンド信号を取り出す検波手段と、前記ベー
    スバンド信号より2値データを再生するデータ再生手段
    とを備えて成るスペクトラム拡散送受信システム。
  2. 【請求項2】 データを所定の形態に処理して送出する
    送信ユニットと、前記送信ユニットから送出された信号
    を受信して、所定の復調処理によって前記データを取り
    出す受信ユニットとを備え、 前記送信ユニットは、拡散符号を発生する拡散符号発生
    手段と、前記データと前記拡散符号とを乗算して拡散信
    号を発生する乗算手段と、前記拡散信号と前記拡散符号
    とを直交変調して合波し、所定周波数fcの合波信号を
    発生する直交変調手段と、前記合波信号を所定の送信信
    号として送出する送出手段を備え、 前記受信ユニットは、受信した前記合波信号の所定の周
    波数帯域を減衰させる帯域阻止手段と、前記帯域阻止手
    段の出力信号を自乗演算して自乗信号を発生する自乗手
    段と、前記自乗信号から前記所定周波数fcの2倍の周
    波数近傍の成分を抽出し、2fc信号を発生する帯域通
    過手段と、前記2fc信号を検波してベースバンド信号
    を取り出す検波手段と、前記ベースバンド信号より2値
    データを再生するデータ再生手段とを備え、 前記拡散符号の符号周期は、前記データの1ビット時間
    と同等以下とし、前記帯域阻止手段は、(前記所定周波
    数fc)±(前記データの1ビット時間の逆数)の周波
    数帯域を阻止する特性を有する、スペクトラム拡散送受
    信システム。
  3. 【請求項3】 前記送信ユニットは、第2の拡散符号を
    発生する第2の拡散符号発生手段と、第2の乗算手段と
    をさらに備え、前記乗算手段が、前記第2の乗算手段に
    よって前記データと、前記第2の拡散符号とが乗算され
    た信号を受けるように構成され、 前記受信ユニットは、前記第2の拡散符号に同期した参
    照用拡散符号を発生する同期手段と、前記ベースバンド
    信号と、前記参照用拡散符号とを乗算して逆拡散信号を
    発生する第3の乗算手段とをさらに備え、前記第3の乗
    算手段は、前記検波手段と、前記データ再生手段の中間
    に配置される、請求項1または2のいずれか1項に記載
    のスペクトラム拡散送受信システム。
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