JP2000254260A - 金属製ゴルフクラブヘッド及びその製造方法 - Google Patents

金属製ゴルフクラブヘッド及びその製造方法

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JP2000254260A
JP2000254260A JP11065720A JP6572099A JP2000254260A JP 2000254260 A JP2000254260 A JP 2000254260A JP 11065720 A JP11065720 A JP 11065720A JP 6572099 A JP6572099 A JP 6572099A JP 2000254260 A JP2000254260 A JP 2000254260A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボール打撃時に発生する金属特有の高い打球
音を抑制し、ゴルファーの癖に応じた適切な質量配分も
できる金属製ゴルフクラブヘッド、及び、前記金属製ゴ
ルフクラブヘッドを容易に短時間で製造する方法を提供
する。 【解決手段】 ソール部外殻2aに、厚みが0.1mm
〜1.0mmの金属板4をスポット溶接により接合する
に際し、金属板4の周縁部5より内側の部分で略等間隔
に万遍なくスポット溶接して固着することにより、金属
板4とソール部外殻2aとの間にナゲット8を形成し、
ナゲット8が生成する時に金属板4が浮き上がることに
より、0.02〜0.20mmの隙間9を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製ゴルフクラ
ブヘッド及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、中空部を有する金属製ゴルフ
クラブヘッドは多数見られる。このような、中空部を有
する金属製ゴルフクラブヘッドによってボールを打撃す
ると、金属特有の高い打球音が響きわたり、プレーヤー
に不快感を与えるおそれがあった。そこで、中空部に、
発泡性ポリウレタン等の充填材を充填し、ボール打撃時
に発生する金属特有の高い打球音を抑えた金属製ゴルフ
クラブヘッドが公知である。
【0003】また、そのほかにも、金属特有の打球音を
抑制する手段として、例えば、実用新案登録公報第25
26923号には、中空室部を有する金属製のゴルフク
ラブヘッドであって、制振特性のあるシート体又は塗料
を、上記中空室部を形成する包囲壁の肉厚の薄い部位の
内面に、部分的に付着したことを特徴とするゴルフクラ
ブヘッドが開示されている。
【0004】一方、ゴルフクラブヘッドは、例えば、
「球が上がらない」ゴルファーには、打球を上がり易く
するために、ソール部の内面に質量を付加して重心位置
を低く設定したり、「球が吹き上がる」ゴルファーに
は、打球が吹き上がるのを抑制するために、クラウン部
の内面に質量を付加して重心位置を高く設定する等、ゴ
ルファーの癖に応じた適切な質量配分設定が重要であ
る。従来、前記したように質量配分設定をするために
は、ヘッド本体内に、前記ヘッド本体と同じ材質からな
る金属片を所望位置に配置し、前記金属片の周縁部全周
をヘッド本体内面にTIG溶接されてなるゴルフクラブ
ヘッドが公知である。
【0005】また、比重が小さく強度に優れた純チタン
又はチタン合金からなるゴルフクラブヘッドにおいて
は、ヘッド体積の大型化がなされてきているため、比重
の大きい、本体とは異なる金属を質量調整体として使用
することで、小さな体積で大きな質量が得られるため、
より効果的な質量配分設定が可能となることが知られて
いるが、純チタン又はチタン合金と、比重の大きい異種
金属とは、従来のTIG溶接では溶接性が悪く、充分な
接合強度が得られないことも知られている。純チタン又
はチタン合金からなるゴルフクラブヘッドに、異種金属
からなる質量調整体を固定する方法としては、例えば、
特開平6−335540号に開示されているような、ね
じ止めする方法や、特開平10−94623号に開示さ
れているような、圧入する方法等の機械的締結手段によ
って固定する方法が一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ボール
打撃時に発生する金属特有の高い打球音を抑制すること
と、ゴルファーの癖に応じた適切な質量配分設定を行う
ことを同時に可能とした金属製ゴルフクラブヘッド、及
び前記金属製ゴルフクラブヘッドを容易に製造する方法
は、従来には見られない。
【0007】例えば、前記したボール打撃時に発生する
金属特有の高い打球音を抑えるために、中空部に発泡性
ポリウレタン等の充填材を充填した金属製ゴルフクラブ
ヘッドは、充填材が中空部全体に充填されているため、
ヘッドの質量配分が周辺側から中心側へと移動すること
になり、そのため、慣性モーメントが小さくなり、スイ
ートエリアが狭いゴルフクラブヘッドになってしまうと
いった問題点があった。
【0008】同様に、前記実用新案登録公報第2526
923号に開示された制振特性のあるシート体は、熱硬
化性樹脂又はゴムに金属箔を積層したものであるため、
質量が小さく、質量配分設定の効果が得られないといっ
た問題点があった。更に、前記シート体を付着したヘッ
ドの製造方法においても、前記シート体を前記包囲壁の
内面に固定する方法として、貼着剤や接着剤による貼着
又は接着を用いているが、貼着剤や接着剤は、高熱がか
かると劣化してしまい、充分な接合強度を保つことがで
きないといった欠点がある。従って、前記シート体を前
記包囲壁の内面に貼着又は接着した後、前記包囲壁を形
成する部材同士をTIG溶接して接合したり、前記包囲
壁の表面、即ち、ゴルフクラブヘッドの表面を研磨加工
したりする製造方法は、高熱が発生するため、用いるこ
とができないといった問題点があった。
【0009】制振特性のある塗料を、中空室部を形成す
る包囲壁の肉厚の薄い部位の内面に付着している場合も
同様に、前記塗料の質量が小さいため、質量配分設定の
効果が得られないうえ、溶接や研磨加工を伴う製造方法
は、高熱で前記塗料が劣化するために用いることができ
ないといった問題点があった。
【0010】一方、適切な質量配分設定をするために、
ヘッド本体内に、前記ヘッド本体と同じ材質からなる金
属片を所望位置に配置し、前記金属片の周縁部全周をT
IG溶接されてなる金属製ゴルフクラブヘッドは、前記
金属片自体に制振特性等の音を吸収する機能がないう
え、前記金属片は、周縁部全周が前記ヘッド本体とTI
G溶接されて一体化しているため、構造上からも音を吸
収することはできないといった問題点があった。また、
製造方法においても、従来は、前記金属片が角柱形状を
しているため、角柱形状をした金属片の一面を、あらか
じめヘッド本体の内面形状と略同一の湾曲面に加工し、
前記ヘッド本体の内面に隙間なく当接させてから前記金
属片の周縁部全周をTIG溶接しなければならず、高精
度な加工技術が必要となり、短時間加工が困難であると
いった問題点があった。
【0011】そして、特開平6−335540号や特開
平10−94623号に開示された、比重の小さい純チ
タン又はチタン合金からなるゴルフクラブヘッドに、比
重の大きい金属からなる質量調整体を、ねじ止めや圧入
等の機械的締結手段によって固定されてなるゴルフクラ
ブヘッドは、前述した場合と同様に、比重の大きい金属
からなる質量調整体自体に音を吸収する機能がないう
え、ねじ止めや圧入等の機械的締結手段によってヘッド
本体の内面に質量調整体をしっかりと固定するために、
前記質量調整体の接合しようとする面を、前記ヘッド本
体の内面に隙間なく当接させているため、構造上からも
音を吸収することはできないといった問題点があった。
また、製造方法においても、ねじ止めの場合には、質量
調整体にねじ加工を施したり、圧入の場合には、ヘッド
内面に、質量調整体との嵌め合わせ精度の高い圧入嵌合
部を加工したりしなければならず、手間がかかり、短時
間加工が困難で、加工コストが高くなるといった問題点
があった。
【0012】このような従来の金属製ゴルフクラブヘッ
ド及びその製造方法の欠点に鑑み、ボール打撃時に発生
する金属特有の高い打球音を抑制することができると共
に、ゴルファーの癖に応じた適切な質量配分設定をも同
時に行った金属製ゴルフクラブヘッド、及び、前記金属
製ゴルフクラブヘッドを容易に短時間で製造する方法を
提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するためになされたものであり、請求項1の発明は、
中空部を有する金属製ゴルフクラブヘッドを構成する外
殻の内面に、厚みが0.1mm〜1.0mmの金属板を
スポット溶接により接合するに際し、前記金属板の周縁
部より内側の部分をスポット溶接するようにしたことを
特徴とする金属製ゴルフクラブヘッドである。
【0014】請求項2の発明は、前記金属製ゴルフクラ
ブヘッドは、純チタン又はチタン合金からなり、且つ、
前記金属板は、比重が17〜19のタングステン合金か
らなることを特徴とする請求項1記載の金属製ゴルフク
ラブヘッドである。
【0015】請求項3の発明は、中空部を有する金属製
ゴルフクラブヘッドを構成する複数の外殻部材のうち、
少なくとも一つの外殻部材の内面に、厚みが0.1mm
〜1.0mmの金属板をスポット溶接により接合するに
際し、前記金属板の周縁部より内側の部分でスポット溶
接した後、各々の外殻部材を相互に接合一体化するとと
もに、スポット溶接によって外殻部材表面に生じた窪み
が無くなるまで前記外殻部材の表面を研磨加工すること
を特徴とする金属製ゴルフクラブヘッドの製造方法であ
る。
【0016】請求項4の発明は、前記金属製ゴルフクラ
ブヘッドは、スポット溶接1個所当たりの面積を、前記
金属板の面積の0.2〜1.0%とし、スポット溶接の
総面積を、前記金属板の面積の3〜12%とすることを
特徴とする請求項3記載の金属製ゴルフクラブヘッドの
製造方法である。
【0017】請求項5の発明は、前記金属製ゴルフクラ
ブヘッドは、純チタン又はチタン合金からなり、且つ、
前記金属板は、比重が17〜19のタングステン合金か
らなることを特徴とする請求項3又は4記載の金属製ゴ
ルフクラブヘッドの製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施例の
金属製ゴルフクラブヘッド1を示した斜視図、図2は、
図1のA−A線切断断面図、図3は、図2の要部拡大説
明図である。図1に示した金属製ゴルフクラブヘッド1
は、中空部を有する金属製ゴルフクラブヘッドであり、
図2に示すように、前記金属製ゴルフクラブヘッド1を
構成する外殻2のうち、ソール部外殻2aの内面3に
は、ソール面稜線13aに沿って所定形状の金属板4を
スポット溶接により接合するに際し、前記金属板4の周
縁部5より内側の部分で、略等間隔に万遍なくスポット
溶接して固着すると同時に、前記金属板4の表面のスポ
ット溶接が施された個所には、スポット溶接の跡である
窪み6が形成される。そして、図3に示すように、金属
板4とソール部外殻2aの内面3との間には、スポット
溶接することにより生じる、前記金属板4と前記ソール
部外殻2aとが溶融一体化した部分であるナゲット8が
形成されると共に、前記ナゲット8が生成する時に前記
金属板4が浮き上がって生じる0.02〜0.20mm
の隙間9が形成される。
【0019】従って、本発明の金属製ゴルフクラブヘッ
ド1は、ソール部外殻2aの内面3に金属板4をスポッ
ト溶接して重心位置を低く設定し、打球を上がり易くす
ると共に、ボールを打撃した際に中空部7内に発生する
反響音が、前記金属板4と前記ソール部外殻2aの間の
隙間9に進入して、前記金属板4及び前記ソール部外殻
2a及び前記ナゲット8に衝突して乱反射を繰り返すう
ちに、前記反響音の一部は前記ナゲット8から前記ソー
ル部外殻2aの表面に透過されて金属音として発音され
るものの、前記反響音のほとんどが熱エネルギーに変換
され、消音されるのである。
【0020】尚、前記金属板4は、厚みを0.1mm〜
1.0mm、好ましくは0.2〜0.5mmとすること
により、質量配分設定が可能な質量を有し、且つ、可撓
性が付与され容易に腑形ができるので、前記ソール部外
殻2aの内面3に沿わせやすくなる。厚みが0.1mm
以下では、質量が小さくなってしまい、質量配分設定の
効果が得られないし、厚みが1.0mm以上では、撓み
にくい剛直な板となってしまい、前記ソール部外殻2a
の内面3に沿わせにくくなってしまう。
【0021】また、本発明の金属製ゴルフクラブヘッド
1は、前記金属板4をスポット溶接により接合するに際
し、前記金属板の周縁部5より内側の部分においてスポ
ット溶接することによって、前記反響音の、前記金属板
4と前記ソール部外殻2aとの間の隙間9への進入を容
易にすることができる。
【0022】また、スポット溶接1個所当たりの面積
を、前記金属板4の面積の0.2〜1.0%とし、前記
金属板4の表面を略等間隔に万遍なくスポット溶接する
ことによりスポット溶接の総面積を、前記金属板4の面
積の3〜12%とすることで、前記金属板4と前記ソー
ル部外殻2aとが強固に接合されると共に、スポット溶
接することにより形成される前記ナゲット8の数が多く
なり、反響音が前記ナゲット8に衝突、乱反射する回数
が増えるので望ましい。
【0023】また、スポット溶接することにより、前記
ナゲット8が生成する時に前記金属板4が浮き上がって
生じる隙間9の間隔は、0.02〜0.20mm、好ま
しくは0.05〜0.10mmとすることにより、前記
金属板4と前記ソール部外殻2aとの間隔を狭くできる
ので、前記反響音の衝突、乱反射する回数を増やすこと
ができるで望ましい。
【0024】本発明の金属製ゴルフクラブヘッド1の素
材としては、純チタン、チタン合金、ステンレス、軟鉄
等を用いることができ、また、前記金属板4の素材とし
ては、純チタン、チタン合金、ステンレス、軟鉄、タン
グステン合金、タンタル合金等の中から、前記金属製ゴ
ルフクラブヘッド1の素材との質量配分設定の条件及び
スポット溶接性の良し悪しにより選定できるが、前記金
属製ゴルフクラブヘッド1の素材を純チタン又はチタン
合金とし、且つ、前記金属板4の素材を比重が17〜1
9のタングステン合金とすれば、より効果的な質量配分
設定が可能となるため好ましい。前記構成のヘッドとし
た場合には、前記タングステン合金の比重が17以下で
は、質量配分設定の効果が薄くなってしまい、19以上
では、タングステン成分が多くなるために純チタン又は
チタン合金とのスポット溶接性が悪くなってしまう。
【0025】更にまた、前記金属製ゴルフクラブヘッド
1の素材を純チタン又はチタン合金とし、且つ、前記金
属板4の素材を比重が17〜19のタングステン合金の
うち、厚みが0.1〜0.5mmで伸びが10%以上の
もの、例えば、質量比でFe:1.0〜3.0%、N
i:3.0〜5.0%、W:残部および不可避的不純
物、なる組成を有する、厚みが0.1〜0.5mmのタ
ングステン合金を用いることで、より効果的な質量配分
設定が可能な質量を有し、且つ、可撓性が付与され容易
に腑形ができるうえ、鋏等の簡便な道具を用いて切断で
き、質量の微調整ができるため、好ましい。厚みが0.
1mm以下では、質量が小さくなってしまい、質量配分
設定の効果が得られないし、厚みが0.5mm以上で
は、鋏等の簡便な道具を用いての切断ができなくなるた
め、好ましくない。また、伸びが10%未満では、曲率
の小さい内面形状に沿わすことが困難になるため、好ま
しくない。
【0026】次に、本発明の金属製ゴルフクラブヘッド
1の製造方法について説明する。本発明の金属製ゴルフ
クラブヘッド1は、図4に示すように、ソール面13と
ヘッドの周辺部が一体に成形されているソール部外殻2
aの内面3に、ソール面稜線13aに沿って所定形状の
金属板4を、前記金属板4の周縁部5より内側の部分で
略等間隔に万遍なくスポット溶接した後、前記ソール部
外殻2aと、シャフトを連結するネック部10とフェイ
ス面11が一体に成形されているフェイス部外殻2b
と、クラウン面12とその周辺部が一体に成形されてい
るクラウン部外殻2cとを、相互にTIG溶接して組み
立てられると共に、図5に示すように、 スポット溶接
することにより前記ソール部外殻2aのソール面13の
表面には、深さが0.1〜0.3mmの窪み22が生じ
るが、前記窪み22が無くなるまで前記ソール部外殻2
aの表面を均一に研磨加工することにより、更には、T
IG溶接により生じた溶接ビード23が無くなるまで金
属製ゴルフクラブヘッド1の表面を研磨加工することに
より、仕上げられる。
【0027】前記金属板4は、図6(a)〜(d)に示
すように、金型14、15の注入口16から、厚みが
0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.5mmの
キャビティ17内に粉末状の金属を充填して加熱加圧す
る粉末焼結法により、もしくは、所望する金属板4より
面積の広い、厚みが0.1〜1.0mm、好ましくは
0.2〜0.5mmの金属平板18を打ち抜き加工する
ことにより、平面状の金属板中間体19を作製し、前記
金属板中間体19を、前記ソール部外殻2aの内面3
の、金属板4を配置する部位の湾曲面形状に曲げ加工す
ることにより作製される。
【0028】尚、前記金属板4は、厚みを0.1mm〜
1.0mm、好ましくは0.2〜0.5mmとすること
により、質量配分設定が可能な質量を有し、且つ、可撓
性が付与され容易に腑形ができるので、前記金属板4
が、前記ソール部外殻2aの内面3の金属板4を配置す
る予定の部位から多少ずれても、又は、前記ソール部外
殻2aの内面3の金属板4を配置する予定の部位の湾曲
面形状が量産誤差で多少狂っていても、指圧等で簡単に
沿わすことができる。従って、高精度な加工技術が不要
となり、短時間加工が可能となる。厚みが0.1mm以
下では、質量が小さくなってしまい、質量配分設定の効
果が得られないし、厚みが1.0mm以上では、撓みに
くい剛直な板となってしまい、前記ソール部外殻2aの
内面3に沿わせにくくなってしまう。
【0029】前記金属板4と、前記ソール部外殻2aと
のスポット溶接は、図7及び図8に示すように、前記金
属板4と前記ソール部外殻2aとを重ねて固定し、接合
したい箇所を一対の電極20、21で加圧し、加圧力が
安定してから溶接電流を通電し、抵抗熱を発生させる。
すると、前記金属板4と前記ソール部外殻2aとが溶融
一体化してナゲット8が形成されると共に、前記ナゲッ
ト8が生成する時に前記金属板4が浮き上がって生じる
0.02〜0.20mmの隙間9が形成される。その
後、前記電極20、21での加圧を開放して1箇所のス
ポット溶接が完了する。スポット溶接後の前記金属板4
と前記ソール部外殻2aには、電極20、21が押し込
まれた箇所に、深さが0.1〜0.3mmの、窪み6、
22が形成される。
【0030】前述した作業を繰り返し、前記金属板4表
面の周縁部より内側の部分に、略等間隔に万遍なくスポ
ット溶接することにより、前記金属板4の有する質量を
ソール部外殻2aの内面3に付加して重心位置を低く設
定すると共に、前記金属板4と前記ソール部外殻2aと
の間に多数のナゲット8と隙間9を有する構造、即ち、
ボールを打撃した際に発生する反響音が、前記金属板4
と前記ソール部外殻2aの間の隙間9に進入して、前記
金属板4及び前記ソール部外殻2a及び前記ナゲット8
に衝突して乱反射を繰り返すうちに、前記反響音のほと
んどを熱エネルギーに変換、消音できるという、音を吸
収する機能を有した構造とすることができる。
【0031】尚、前記金属板4の周縁部5より内側の部
分においてスポット溶接することにより、前記反響音
の、前記金属板4と前記ソール部外殻2aの間の隙間9
への進入を容易にすることができる。
【0032】また、スポット溶接1個所当たりの面積
を、前記金属板4の面積の0.2〜1.0%とし、前記
金属板4の表面を略等間隔に万遍なくスポット溶接する
ことによりスポット溶接の総面積を、前記金属板4の面
積の3〜12%とすることで、前記金属板4と前記ソー
ル部外殻2aとを強固に接合すると共に、スポット溶接
することにより形成される前記ナゲット8の数が多くな
り、反響音が前記ナゲット8に衝突、乱反射する回数が
増えるので望ましい。スポット溶接1個所当たりの面積
が、前記金属板4の面積の0.2%以下では、充分な接
合強度を保つことができないし、1.0%以上では、ス
ポット溶接することにより形成される前記ナゲット8が
大きくなる分、前記ナゲット8の数が少なくなるため、
反響音が前記ナゲット8に衝突、乱反射する回数が減っ
てしまう。スポット溶接総面積が、前記金属板4の面積
の3%以下では、充分な接合強度を保つことができない
うえ、前記ナゲット8の数が少なくなるため、反響音が
衝突、乱反射する回数が減ってしまうし、12%以上で
は、スポット溶接する回数が増えるため、作業に時間が
かかってしまう。
【0033】尚、スポット溶接時の加圧力、溶接電流の
大きさ、通電時間を調整することで、前記隙間9の間隔
及び前記窪み6、22の深さを、ある程度調整すること
ができる。前記隙間9の間隔は、0.02〜0.20m
m、好ましくは0.05〜0.10mmとすることによ
り、前記金属板4と前記ソール部外殻2aとの間隔を狭
くできるので、前記反響音の衝突、乱反射する回数を増
やすことができるで望ましい。前記隙間9の間隔が0.
02mm以下では、狭すぎて前記反響音の進入量が少な
くなってしまうし、0.20mm以上では、広すぎて前
記反響音が衝突、乱反射する回数が減ってしまう。
【0034】前記窪み6、22において、前記金属板4
の表面に形成される前記窪み6の深さは、前記金属板4
の厚みの範囲内であれば特に制約はないが、前記ソール
部外殻2aの表面に形成される前記窪み22の深さは、
0.1〜0.3mmとすることにより、前記ソール部外
殻2aの表面を均一に研磨加工する際の目印となるた
め、好ましい。前記窪み22の深さが0.1mm以下で
は、前記ソール部外殻2aの表面に存在する傷や凹凸の
方が深いため、前記窪み22が無くなるまで前記ソール
部外殻2aの表面を均一に研磨加工しても、前記傷や前
記凹凸が残ってしまう。また、前記窪み22の深さが
0.3mm以上では、前記窪み22を目印に前記ソール
部外殻2aの表面を均一に研磨加工すると、研磨量が多
くなり過ぎて質量の軽い金属製ゴルフクラブヘッド1に
なってしまう。
【0035】また、スポット溶接は、前述したように、
圧力を加えながら加熱して被接合金属同士を接合するた
め、接合面間に金属原子の拡散が生じるので、前記被接
合金属同士が異種金属であっても接合することができ
る。従って、本発明の金属製ゴルフクラブヘッド1の素
材としては、純チタン、チタン合金、ステンレス、軟鉄
等を用いることができ、また、前記金属板4の素材とし
ては、純チタン、チタン合金、ステンレス、軟鉄、タン
グステン合金、タンタル合金等の中から、前記金属製ゴ
ルフクラブヘッド1の素材との質量配分設定の条件及び
スポット溶接性の良し悪しにより選定できるが、前記金
属製ゴルフクラブヘッド1の素材を純チタン又はチタン
合金とし、且つ、前記金属板4の素材を比重が17〜1
9のタングステン合金とすれば、より効果的な質量配分
設定が可能となるうえ、従来のねじ止めや圧入といった
機械的締結手段に比べて、手間がかからず、短時間に安
く加工することができる。尚、前記構成のヘッドとした
場合には、前記タングステン合金の比重が17以下で
は、質量配分設定の効果が薄くなってしまい、19以上
では、タングステン成分が多くなるために純チタン又は
チタン合金とのスポット溶接性が悪くなってしまう。
【0036】更にまた、前記金属製ゴルフクラブヘッド
1の素材を純チタン又はチタン合金とし、且つ、前記金
属板4の素材を比重が17〜19のタングステン合金の
うち、厚みが0.1〜0.5mmで伸びが10%以上の
もの、例えば、質量質量比でFe:1.0〜3.0%、
Ni:3.0〜5.0%、W:残部および不可避的不純
物、なる組成を有する、厚みが0.1〜0.5mmのタ
ングステン合金を用いることで、より効果的な質量配分
設定が可能な質量を有し、且つ、可撓性が付与され容易
に腑形ができるうえ、鋏等の簡便な道具を用いて切断で
き、質量の微調整ができるため、好ましい。厚みが0.
1mm以下では、質量が小さくなってしまい、質量配分
設定の効果が得られないし、厚みが0.5mm以上で
は、鋏等の簡便な道具を用いての切断ができなくなるた
め、好ましくない。また、伸びが10%未満では、曲率
の小さい内面形状に沿わすことが困難になるため、好ま
しくない。
【0037】尚、本実施例においては、中空部を有する
金属製ゴルフクラブヘッド1を構成する外殻2のうち、
ソール部外殻2aの内面3に、ソール面稜線13aに沿
って所定形状の金属板4をスポット溶接して重心位置を
低く設定し、打球を上がり易くした金属製ゴルフクラブ
ヘッド1としているが、前記金属板4は、厚みが0.1
mm〜1.0mmであれば、形状や使用する枚数は、金
属製ゴルフクラブヘッド1全体の質量とスポット溶接作
業の効率を鑑みて、自由に設計することができる。ま
た、前記金属板4の配置位置は、必ずしもソール部外殻
2aの内面3でなくても良く、例えば、図示はしない
が、前記金属板4をクラウン部外殻2cの内面に配置し
てスポット溶接すれば、重心位置を高く設定でき、打球
が吹き上がるのを抑制することができる。
【0038】また、前記金属製ゴルフクラブヘッド1の
外殻2の構成要素としては、必ずしも図4に示すよう
な、ソール部外殻2aと、フェイス部外殻2bと、クラ
ウン部外殻2cの3つの外殻部材に限定されるものでは
なく、例えば、図示はしないが、前記フェイス部外殻2
bと、前記ソール部外殻2aとクラウン部外殻2cが一
体に成形されている外殻部材との、2つの部材から構成
されていても良いし、シャフトを連結するネック部とフ
ェイス面とクラウン面とその周辺部が一体に成形されて
いる外殻部材と、ソール面を有する外殻部材との、2つ
の部材から構成されていても良い。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る金属
製ゴルフクラブヘッドは、中空部を有する金属製ゴルフ
クラブヘッドを構成する外殻の内面に、厚みが0.1m
m〜1.0mmの金属板をスポット溶接により接合する
に際し、前記金属板の周縁部より内側の部分においてス
ポット溶接したことを特徴とする金属製ゴルフクラブヘ
ッドであるから、ボール打撃時に発生する金属特有の高
い打球音を抑制することができると共に、ゴルファーの
癖に応じた適切な質量配分設定をも同時に行うことがで
きる。
【0040】また、前記金属製ゴルフクラブヘッドは、
純チタン又はチタン合金からなり、且つ、前記金属板
は、比重が17〜19のタングステン合金からなること
としたから、前記金属板は、前記金属製ゴルフクラブヘ
ッドと同じ材質の純チタン又はチタン合金からなる場合
よりも、小さな体積で大きな質量が得られるため、より
効果的な質量配分設定が可能となる。
【0041】そして、本発明に係る金属製ゴルフクラブ
ヘッドの製造方法は、中空部を有する金属製ゴルフクラ
ブヘッドを構成する複数の外殻部材のうち、少なくとも
一つの外殻部材の内面に、厚みが0.1mm〜1.0m
mの金属板をスポット溶接により接合するに際し、前記
金属板の周縁部より内側の部分でスポット溶接した後、
各々の外殻部材を相互に接合一体化するとともに、スポ
ット溶接することにより外殻部材表面に生じた窪みが無
くなるまで前記外殻部材の表面を研磨加工することを特
徴とする金属製ゴルフクラブヘッドの製造方法であるか
ら、ボール打撃時に発生する金属特有の高い打球音を抑
制することができると共に、ゴルファーの癖に応じた適
切な質量配分設定をも同時に行うことができる金属製ゴ
ルフクラブヘッドを、容易に短時間で製造することがで
きる。
【0042】尚、一連のスポット溶接作業は、1箇所の
スポット溶接に1〜2秒、全箇所で15〜30秒で完了
することができ、短時間で加工できるうえ、スポット溶
接部分は熱で劣化することがないので、金属製ゴルフク
ラブヘッドを構成する外殻部材同士をTIG溶接して接
合したり、前記ソール部外殻の表面、更には、前記金属
製ゴルフクラブヘッドの表面を研磨加工したりすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の金属製ゴルフクラブヘッドを示す斜
視図。
【図2】図1のA−A線切断断面図。
【図3】図2の要部拡大説明図。
【図4】本実施例の金属製ゴルフクラブヘッドの組み立
て前の状態を示す斜視図。
【図5】本実施例の金属製ゴルフクラブヘッドの組み立
て後の状態を示す底面図。
【図6】本実施例の金属板の製造工程を示す説明図。
【図7】本実施例のスポット溶接の製造工程を示す説明
図。
【図8】本実施例のスポット溶接の製造工程を示す説明
図。
【符号の説明】
1 金属製ゴルフクラブヘッド 2 外殻 2a ソール部外殻 2b フェイス部外殻 2c クラウン部外殻 3 内面 4 金属板 5 周縁部 6 窪み 7 中空部 8 ナゲット 9 隙間 10 ネック部 11 フェイス面 12 クラウン面 13 ソール面 13a ソール面稜線 14 金型 15 金型 16 注入口 17 キャビティ 18 金属平板 19 金属板中間体 20 電極 21 電極 22 窪み 23 溶接ビード

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空部を有する金属製ゴルフクラブヘッ
    ドを構成する外殻の内面に、厚みが0.1mm〜1.0
    mmの金属板をスポット溶接により接合するに際し、前
    記金属板の周縁部より内側の部分をスポット溶接するよ
    うにしたことを特徴とする金属製ゴルフクラブヘッド。
  2. 【請求項2】 前記金属製ゴルフクラブヘッドは、純チ
    タン又はチタン合金からなり、且つ、前記金属板は、比
    重が17〜19のタングステン合金からなることを特徴
    とする請求項1記載の金属製ゴルフクラブヘッド。
  3. 【請求項3】 中空部を有する金属製ゴルフクラブヘッ
    ドを構成する複数の外殻部材のうち、少なくとも一つの
    外殻部材の内面に、厚みが0.1mm〜1.0mmの金
    属板をスポット溶接により接合するに際し、前記金属板
    の周縁部より内側の部分でスポット溶接した後、各々の
    外殻部材を相互に接合一体化するとともに、スポット溶
    接によって外殻部材表面に生じた窪みが無くなるまで前
    記外殻部材の表面を研磨加工することを特徴とする金属
    製ゴルフクラブヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属製ゴルフクラブヘッドは、スポ
    ット溶接1個所当たりの面積を、前記金属板の面積の
    0.2〜1.0%とし、スポット溶接の総面積を、前記
    金属板の面積の3〜12%とすることを特徴とする請求
    項3記載の金属製ゴルフクラブヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属製ゴルフクラブヘッドは、純チ
    タン又はチタン合金からなり、且つ、前記金属板は、比
    重が17〜19のタングステン合金からなることを特徴
    とする請求項3又は4記載の金属製ゴルフクラブヘッド
    の製造方法。
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