JP2000256115A - リン酸カルシウムセメント粉体及びリン酸カルシウムセメント組成物 - Google Patents
リン酸カルシウムセメント粉体及びリン酸カルシウムセメント組成物Info
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Abstract
く、操作性に優れ、且つ硬化体の強度も大きいリン酸カ
ルシウムセメント粉体及び組成物を提供する。 【解決手段】 リン酸カルシウム粉末と尿素とを含有
し、粉末を100重量部とした場合に、尿素が0.1〜
10重量部であるリン酸カルシウムセメント粉体を得
る。また、リン酸カルシウム粉末を含む粉体と、尿素を
含む混練液とを含有し、混練液を100重量部とした場
合に、尿素が0.1〜20重量部であるリン酸カルシウ
ムセメント組成物を得る。この粉末或いは混練液には、
デキストラン及びその硫酸塩等の多糖類を配合すること
もできる。リン酸カルシウム粉末としては、特に、リン
酸四カルシウムとリン酸水素カルシウムの粉末を等モル
程度の量比で併用することが好ましい。この他、α−リ
ン酸三カルシウム及びβ−リン酸三カルシウム等の粉末
を使用することもできる。
Description
用のリン酸カルシウムセメント粉体及びリン酸カルシウ
ムセメント組成物に関する。特に、尿素を含有するセメ
ント粉体及び尿素を含む混練液を含有するセメント組成
物に関する。本発明のセメント粉体及びセメント組成物
は、優れた強度と生体活性とを併せ有する人工骨、人工
関節及び人工歯根等を形成するための生体用セメントと
して用いることができる。
は、現在までに各種の組成のものが数多く提案されてい
る。特に、リン酸カルシウム系の生体用セメントでは、
このセメントが硬化とともに生体活性な水酸アパタイト
に転化するため、生体親和性に優れた硬化体を得ること
ができる。
としては、リン酸四カルシウムを用いたものが多く、米
国特許明細書第4612053号等には、リン酸四カル
シウムとリン酸水素カルシウムとを主成分とするセメン
トが開示されている。また、このようなリン酸カルシウ
ムセメントの硬化特性は混練時の液量に大きく左右さ
れ、混練液が少ないほど硬化時間が短くなり、且つ強度
の大きい硬化体が得られることが知られている(1990, O
rthopaedic Ceramic Implant Vol. 10 p43-47)。
粘度が高くなって操作性が低下し、また、骨欠損部等へ
充填した場合に、クラック或いは空隙を生じ、硬化体の
強度の低下を招く結果となる。そのため、実用的には、
十分な操作性を有する混練体を得るための最小限の混練
液が必要となる。一方、工業用セメントの分野において
は、操作性の低下を抑えつつ混練液を少なくするための
添加剤として減水剤、AE減水剤などを用いることが知
られている。しかし、これらは生体内における安全性に
ついては考慮されておらず、生体用セメントにおいて使
用することは好ましくない。
点を解決するものであり、リン酸カルシウムセメント粉
体に対する混練液の量比、或いはリン酸カルシウムセメ
ント組成物における混練液の量比が低くても、混練時の
粘度の上昇が抑えられ、操作性に優れた混練体を得るこ
とができるリン酸カルシウムセメント粉体及びリン酸カ
ルシウムセメント組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、硬化時間が短く、且つ強度の大きい硬
化体が得られるセメント粉体及びセメント組成物を提供
することを目的とする。
ウムセメント粉体は、リン酸カルシウム粉末と尿素とを
含有することを特徴とする。また、第6発明のリン酸カ
ルシウムセメント組成物は、リン酸カルシウム粉末を含
む粉体と、尿素を含む混練液とを含有することを特徴と
する。
は、医薬品の添加剤として使用されているものであり、
生体に対する安全性、無毒性が既に保証されている。
ムセメント粉末」を100重量部とした場合に、尿素の
含有量は、第2発明のように、「0.1〜10重量部」
とすることが好ましい。また、第6発明において、上記
「混練液」を100重量部とした場合に、尿素の含有量
は、第7発明のように、「0.1〜20重量部」とする
ことが好ましい。尿素の含有量が、それぞれ下限未満の
場合は、混練液として一般に用いられている水の量比
を、尿素を含まない場合に比べて低くすると、十分に操
作性に優れる混練体を得ることができず、成形型に充填
した混練体に空隙を生ずることがある。一方、尿素の含
有量が、それぞれ上限を越える場合は、混練体の硬化時
間を十分に短くすることができず、硬化体の強度も向上
しないため好ましくない。
5〜8重量部、更には1〜5重量部とすることが好まし
い。また、第7発明では、特に0.5〜10重量部、更
には1〜5重量部とすることが好ましい。この範囲の尿
素を含有するリン酸カルシウム粉末、或いは混練液であ
れば、混練時の操作性に優れ、混練体は短時間で硬化
し、且つ強度の大きい硬化体を得ることができる。尚、
混練液として多用される水としては、特に純水を用いる
ことが好ましく、また、水には、この種の混練液に従来
より添加されている有機酸等を配合することもできる。
明のように、上記「多糖類」を含むものとすることがで
きる。また、第8発明のように、この多糖類を混練液に
添加することもできる。このように、尿素と多糖類とを
併用すれば、より少量の混練液によって、適度な粘性を
有する混練体を得ることができ、その形態付与性を容易
に向上させることができる。また、硬化時間を短縮する
こともでき、且つ強度の大きい硬化体とすることができ
る。この多糖類としては、各種の単糖類がポリグリコシ
ル化し、高分子化したものを用いることができる。多糖
類としては、特に、第4及び第9発明のように、上記
「デキストラン」及び/又は上記「デキストラン硫酸
塩」が好ましい。このデキストラン硫酸塩としては、デ
キストラン硫酸ナトリウム及びデキストラン硫酸カリウ
ム等が特に好ましく、これらは1種のみを使用してもよ
いし、2種以上を併用することもできる。また、デキス
トランとその硫酸塩とを併用することもできる。このデ
キストラン及びその硫酸塩は、尿素と同様に水に易溶性
であるため、混練液の主成分である水に容易に溶解し、
均質な混練体とすることができる。
ては、リン酸カルシウム粉末を100重量部とした場合
に、デキストランでは1〜10重量部、特に2〜8重量
部とすることが好ましく、デキストラン硫酸塩では5〜
25重量部、特に10〜20重量部とすることが好まし
い。また、第8発明においては、混練液を100重量部
とした場合に、デキストランでは5〜30重量部、特に
10〜25重量部とすることが好ましく、デキストラン
硫酸塩では30〜60重量部、特に35〜55重量部と
することが好ましい。多糖類の含有量がこれらの範囲を
下回る場合には、混練体が粘性に乏しく、形態付与が困
難であり、多糖類を含有することによる特有の作用、効
果が十分に得られない。また、これらの範囲を超える場
合は、混練体の粘度が高くなりすぎる傾向にあり、形態
付与が容易ではない
練液を使用することもできる。この多糖類を含む混練液
と、第3発明のように、尿素及び多糖類を含有するセメ
ント粉体とを用いる場合は、混練体の粘度及び形態付与
性等を勘案し、多糖類の合計量を適量に調整する必要が
ある。また、第6発明においては、多糖類を含む粉体を
使用することもできる。この多糖類を含む粉体と、第8
発明のように、尿素及び多糖類を含む混練液とを用いる
場合も、混練体の粘度及び形態付与性等を勘案し、多糖
類の合計量を適量に調整する必要がある。
メント組成物において、上記「リン酸カルシウム粉末」
としては、リン酸四カルシウム、リン酸水素カルシウ
ム、水酸アパタイト、α−リン酸三カルシウム及びβ−
リン酸三カルシウム等の粉末を使用することができる。
これらの粉末は1種のみを用いてもよいし、2種以上を
併用してもよい。また、この粉末には、硫酸バリウム、
次炭酸ビスマス等のX線造影剤を配合することができ
る。更に、硬化時間を短縮するためにフッ化物等を種結
晶として添加することもできる。
メント組成物において、上記「リン酸カルシウム粉末」
としては、第5及び第10発明のように、「リン酸四カ
ルシウム及びリン酸水素カルシウム」の粉末を主成分と
するものが好適である。これら2種類の粉末の量比は特
に限定されないが、モル比で8/2〜2/8、特に6/
4〜4/6、さらには等量程度を使用することが好まし
い。尚、この「主成分」とは、リン酸カルシウム粉末の
全量を100重量部とした場合に、上記の2種類の粉末
の合計量が60重量部以上、特に好ましくは80重量部
以上であることを意味する。
特に限定されず、どのような方法によって製造した粉末
も使用することができる。例えば、炭酸カルシウムとリ
ン酸水素カルシウムとの等モル混合物を所定形状に成形
した後、1450〜1550℃の温度範囲で焼成し、こ
れを粉砕したものなどを使用することができる。また、
リン酸水素カルシウム粉末としては、リン酸水素カルシ
ウム二水和物或いは無水物として市販されているものを
そのまま使用することができる。更に、この市販の二水
和物を120℃程度の温度で加熱し、脱水したものを用
いることもできるが、特に、これらに限定されるもので
はない。
は、尿素を含有し、また、本発明のリン酸カルシウムセ
メント組成物においては、その混練液は尿素を含む。こ
れらのセメント粉体或いはセメント組成物を混練する
際、尿素は、水とともに凝集したリン酸カルシウム粉末
の粒子間に浸透し、粒子を分散させる作用を有する。こ
のように粉末粒子がより容易に分散するため、混練液の
量比を低くしても、混練体の粘度はそれほど高くはなら
ず、混練時の操作性に優れる。また、混練液の量比を少
し高くすることによって、混練体の粘度をより低くする
ことができ、骨欠損部或いは骨折部等への注射器による
補填が容易となる。それによって患者への負担を軽減す
ることができる。更に、炎症を起こすこともなく、良好
な治癒が可能となる。
セメントの場合、及び尿素を含まない混練液とした場合
と同程度の粘度の混練体とするための混練液の量比を低
くすることができる。そのため、より硬化時間を短くす
ることができ、且つ強度の大きい硬化体とすることがで
きる。JIS T 6602に従って測定した硬化時間
は10〜25分、特に10〜20分とすることができ、
濡れ圧縮強度は500〜700kg/cm2、特に60
0〜700kg/cm2とすることができる。
に、適量のデキストラン及び/又はその硫酸塩等を併用
したセメント粉体とすることによって、或いはデキスト
ラン及び/又はその硫酸塩等を含む混練液を使用するこ
とによって、水に溶解した多糖類がリン酸カルシウム粉
末の粒子間を接合する作用を有するため、混練体が適度
な粘性を有するものとなる。それによって、より少ない
混練液で十分に形態付与性に優れた混練体とすることが
できる。尚、本発明において、形態の付与とは、初期形
状の付与及び補填後などにおける形状の修正、調整を併
せ意味する。
混練液との量比によって調整することもできるが、本発
明では、尿素を使用しない場合と同程度の粘度の混練体
を得るための混練液の量比を低くすることができる。こ
の粉末と混練液との量比は、粉末100重量部に対して
混練液を10〜25重量部程度とすることが好ましい。
更に、この量比は、15〜25重量部、特に20重量部
程度とすることがより好ましい。このように、本発明で
は、混練液の量比を低くすることができるが、混練液の
量比が低すぎる場合は、混練体の粘度が高くなり、所定
の形態を付与することが難しくなる。また、混練液の量
比が高くなりすぎると、混練体の粘度が低くなって取り
扱い易くはなるが、混練体が、体液との接触によって崩
壊し易くなるため好ましくない。
いはリン酸カルシウムセメント組成物を用いた混練体
は、これのみを生体内に補填して人工骨、人工歯根等の
用途に用いることができる。また、混練時に、骨形成因
子、抗ガン剤及び抗生物質等を添加し、薬物徐放のため
の担体として利用することもできる。
しく説明する。以下の実験例において、リン酸カルシウ
ム粉末としては、リン酸四カルシウム粉末と、リン酸水
素カルシウム無水物の粉末との等モル量を混合したもの
を用いた。また、尿素としては和光純薬株式会社製のも
のを使用した。更に、多糖類としては、デキストラン4
0(平均分子量;40000、名糖産業株式会社製、以
下、「DEX」という。)及びデキストラン硫酸ナトリ
ウム イオウ5(平均分子量;2000、名糖産業株式
会社製、以下、「DSS」という。)を用いた。
の検討 実験例1(セメント粉体が尿素を含有しない例) リン酸カルシウム粉末をセメント粉体とし、これに混練
液として純水を配合し、混練して混練体を得た。純水と
粉体との重量比(この混練液とセメント粉体との量比
を、以下、「L/P」と表す。)は0.21とした。し
かし、混練体の粘度が高く、これを成形型に充填し、硬
化させて得られた硬化体には多数の空隙が認められた。
尚、この実験例において混練液を減量し、L/Pを0.
19とした場合は混練することができなかった。
有する例) リン酸カルシウム粉末と、0.05重量部の尿素とをボ
ールミルによって混合して調製されたリン酸カルシウム
セメント粉体を用いた他は実験例1と同様にして混練
し、混練体を得た。しかし、尿素が少ないため、この混
練体の粘度は十分に低くはならず、これを成形型に充填
し、硬化させて得られた硬化体には空隙が認められた。
また、L/Pを0.19とした場合は混練が容易ではな
かった。
有する例) 0.1重量部の尿素を含有するセメント粉体を便用し、
L/Pを0.19とした他は実験例2と同様にして混練
し、混練体を得た。この混練体は、実験例2に比べてL
/Pが低いにもかかわらず、成形型に容易に充填するこ
とができ、操作性に優れ、得られた硬化体に空隙は認め
られなかった。
を含有する例) 2重量部(実験例4)及び5重量部(実験例5)の尿素
をそれぞれ含有するセメント粉体を使用し、L/Pを
0.17とした他は実験例2と同様にして混練し、混練
体を得た。これらの混練体は、L/Pが実験例3よりも
さらに低いにもかかわらず、いずれも成形型に容易に充
填することができ、操作性に優れ、得られた硬化体に空
隙は認められなかった。
た尿素を含有する例) 尿素の含有量を第2発明の上限を超えて12重量部とし
た他は実験例4と同様にして混練し、混練体を得た。こ
の混練体は、L/Pが低いにもかかわらず、成形型に容
易に充填することができ、操作性に慢れ、得られた硬化
体に空隙は認められなかった。但し、硬化時間が長くな
り、圧縮強度も低下する傾向にあった。
ず、L/Pが高い例) L/Pを0.29と高くした他は実験例1と同様にして
混練し、混練体を得た。このようにL/Pを高くすれ
ぱ、純水のみからなる混練液であっても、混練体を成形
型に容易に充填することができ、操作性に優れ、得られ
た硬化体に空隙は認められなかった。また、この混練体
は粘度が低く、18ゲージの注射器によって押し出すこ
とができた。しかし、この実験例7では、硬化時間が長
く、且つ得られる硬化体の圧縮強度も大きく低下した。
また、L/Pを0.25とした場合は、18ゲージの注
射器によって押し出すことはできなかった。
有し、L/Pがやや高い例) 4重量部の尿素を含有するセメント粉体を使用し、L/
Pを0.25とした他は実験例2と同様にして混練し、
混練体を得た。この混練体は、成形型に容易に充填する
ことができ、操作性に優れ、得られた硬化体に空隙は認
められなかった。また、この混練体は粘度が低く、18
ゲージの注射器から押し出すことができた。但し、L/
Pが高いため、硬化時間がやや長くなり、圧縮強度も低
下する傾向にあった。
素を含有し、且つ純水にDEX又はDSSが添加された
混練液を用いた例) 実験例5のセメント粉体と、DEXを純水に3重量部
(実験例9)、25重量部(実験例10)及び35重量
部(実験例11)それぞれ溶解させた混練液、並びにD
SSを純水に50重量部溶解させた混練液と、を各々用
い、L/Pを0.19とした他は実験例2と同様にして
混練し、混練体を得た。これらの混練体は、適度な粘度
を有し、形態付与が容易であった。また、成形型への充
填も容易であって、得られた硬化体に空隙は認められな
かった。
DSSとを含有する例) 10重量部の尿素、及び10重量部のDSSを含有する
セメント粉体を使用した他は実験例2と同様にして混練
し、混練体を得た。この混練体は、適度な粘度を有し、
形態付与が容易であった。また、成形型への充填も容易
であって、得られた硬化体に空隙は認められなかった。
性の評価) 実験例1〜13において調製した混練体を、内径6m
m、高さ5mmの成形型に充填して成形し、得られた成
形体を型から取り出し、直ちに37℃の擬似体液に浸漬
した。その結果、実験例3〜6及び8〜13では、成形
体は崩壊することなく形状を維待したまま硬化すること
が確認された。一方、リン酸カルシウム粉末のみからな
るセメントを使用した実験例1及び7では、成形体が崩
壊し、形状が維持されなかった。また、尿素の含有量が
第2発明の下限値末満である実験例2でも、成形体が崩
壊する傾向にあった。
温度37℃、相対湿度100%の雰囲気において硬化さ
せた。硬化の時間は混練開始から1時間とした。得られ
た硬化体を37℃の擬似体液に23時間浸潰した後、X
線回析法によって硬化体の結晶構成相を確認した。その
結果、いずれの実験例においても水酸アパタイトとリン
酸四カルシウムの回析ピークが確認された。図1に、実
験例5の混練体を硬化させて得られた硬化体のX線回析
のチャートを示す。
価) 実験例1〜13において調製した混練体の硬化時間及び
濡れ圧縮強度をJIST 6602に従って測定した。
表1に結果を示す。尚、表1おいて「PW」は純水を意
味する。また、表1には、実験例1〜13の操作性及び
充填性、並びに実験例9〜13の形態付与性を併せて示
す。
量の尿素を含有するセメント粉体を便用した実験例3〜
5では、硬化時間は17分以下と短く、且つ圧縮強度は
600kg/cm2以上と大きい。一方、リン酸カルシ
ウム粉末のみからなるセメント粉体を便用した実験例1
及び7、及び尿素の含有量が第2発明の下限値未満であ
る実験例2では、硬化時間が長くなる傾向にあり、圧縮
強度も低いことが分かる。特に、セメント粉体が尿素を
含有せず、L/Pが高い実験例7では、より硬化時間が
長く、圧縮強度も大きく低下している。また、尿素の含
有量が第2発明の上限値を超える実験例6でも、硬化時
間が長くなり、圧縮強度も低下している。更に、混練液
として純水にDEX又はDSSを添加したものを用いた
実験例9〜12、及びリン酸カルシウム粉末に尿素及び
DSSを添加した実験例13では、いずれも硬化時間が
短く、得られる硬化体は十分な圧縮強度を有しており、
形態付与性にも優れていることが分かる。
液を、セメント粉体に配合して混練し、混練体を得た。
L/Pは0.21とした。この混練体は粘度が高く、操
作性にやや劣り、これを成形型に充填し、硬化させて得
られた硬化体には空隙が認められた。
例) 0.1重量部の尿素を含む混練液を便用した他は実験例
17と同様にしてセメント粉体を混練し、混練体を得
た。この混練体は粘度が低く、操作性は良好であった。
また、成形型に容易に充填することができ、得られた硬
化体に空隙は認められなかった。
有する例) それぞれ1重量部(実験例19)及び10重量部(実験
例20)の尿素を含む混練液を使用し、L/Pを0.1
9とした他は実験例17と同様にしてセメント粉体を混
練し、混練体を得た。この混練体は粘度が低く、操作性
は度好であった。また、成形型に容易に充填することが
でき、得られた硬化体に空隙は認められなかった。
を含有する例) 25重量部の尿素を含む混練液を便用し、L/Pを0.
17とした他は実験例17と同様にしてセメント粉体を
混練し、混練体を得た。この混練体は、操作性が良好で
あり、成形型への充填も客易であった。恒し、硬化時間
が長くなり、圧縮強度も低下する傾向にあった。
L/Pがやや高い例) 20重量部の尿素を含む混練液を使用し、L/Pを0.
23とした他は実験例17と同様にしてセメント粉体を
混練し、混練体を得た。この混練体は粘度が低く、18
ゲージの注射器によって押し出すことができた。但し、
硬化時間がやや長くなり、圧縮強度も低下する傾向にあ
った。
EX又はDSSとを含有する例) 15重量部の尿素、並びにそれぞれ2重量部(実験例2
3)、20重量部(実験例24)及び33重量部(実験
例25)のDEX、又は40重量部のDSS(実験例2
6)を含む混練液を使用し、L/Pを0.19とした他
は実験例17と同様にしてセメント粉体を混練し、混練
体を得た。これらの混練体はパテ状であり、操作性は良
好であって、形態付与性に優れていた。また、成形型へ
の充填も容易であって、得られた硬化体に空隙は認めら
れなかった。
性の評価) 実験例17〜26において調製した混練体を、内径6m
m、高さ5mmの成形型に充填して成形し、得られた成
形体を型から取り出し、直ちに37℃の擬似体液に浸潰
した。その結果、実験例18〜26では、成形体は崩壌
することなく形状を維待したまま硬化することが確認さ
れた。一方、尿素の含有量が第2発明の下限値末満であ
る実験例17では、成形体が崩壊する傾向にあった。
℃、相対湿度100%の雰囲気において硬化させた。硬
化の時間は混練開始から1時間とした。得られた硬化体
を37℃の擬似体液に23時間浸潰した後、X線回析法
によって硬化体の結品構成相を確認した。その結果、実
験例17〜26のいずれにおいても水酸アパタイトとリ
ン酸四カルシウムの回析ピークが確認された。図2に、
実験例20の混練体を硬化させて得られた硬化体のX線
回析のチャートを示す。
価) 実験例17〜26において調製した混練体の硬化時間及
び濡れ圧縮強度をJIS T 6602に従って測定し
た。表2に結果を示す。尚、表2には、実験例17〜2
6の操作性及び充填性、並びに実験例23〜26の形態
付与性を併せて示す。
含有量の尿素を含む混練液を使用した実験例18〜20
及び22では、硬化時間は23分以下と短く、且つ圧縮
強度は530kg/cm2以上と大きい。一方、尿素の
含有量が第7発明の下限値末満である実験例17では、
硬化時間が長く、圧縮強度も低いことが分かる。また、
尿素の含有量が第7発明の上限値を越える実験例21で
は、硬化時間が長くなり、圧縮強度も低下している。更
に、混練液として純水に尿素及びDEX又はDSSを添
加したものを用いた実験例23〜26では、いずれも硬
化時間が短く、得られる硬化体は十分な圧縮強度を有し
ており、形態付与性にも優れていることが分かる。
体、及び第6発明のリン酸カルシウムセメント組成物で
は、粉体に対する混練液の配合量が少なくても、混練時
の粘度が低く、混練が容易であり、比較的短時間のうち
に硬化させることができ、且つ得られる硬化体の強度も
大きい。また、混練後、直ちに擬似体液と接触させても
崩壊することがなく、形状が維持される。更に、第3及
び第4発明、並びに第8及び第9発明のように、デキス
トラン及びその硫酸塩等の多糖類を併用することによ
り、より形態付与性に優れた混練体とすることができ
る。
硬化させて得られた硬化体のX線回折のチャートであ
る。
て硬化させて得られた硬化体のX線回折のチャートであ
る。
Claims (10)
- 【請求項1】 リン酸カルシウム粉末と尿素とを含有す
ることを特徴とするリン酸カルシウムセメント粉体。 - 【請求項2】 上記リン酸カルシウムセメント粉末を1
00重量部とした場合に、上記尿素が0.1〜10重量
部である請求項1記載のリン酸カルシウムセメント粉
体。 - 【請求項3】 多糖類を含有する請求項1又は2記載の
リン酸カルシウムセメント粉体。 - 【請求項4】 上記多糖類が、デキストラン及びデキス
トラン硫酸塩のうちの少なくとも一方である請求項3記
載のリン酸カルシウムセメント粉体。 - 【請求項5】 上記リン酸カルシウム粉末の主成分が、
リン酸四カルシウム及びリン酸水素カルシウムである請
求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載のリン酸カル
シウムセメント粉体。 - 【請求項6】 リン酸カルシウム粉末を含む粉体と、尿
素を含む混練液とを含有することを特徴とするリン酸カ
ルシウムセメント組成物。 - 【請求項7】 上記混練液を100重量部とした場合
に、上記尿素が0.1〜20重量部である請求項6記載
のリン酸カルシウムセメント組成物。 - 【請求項8】 上記混練液が多糖類を含む請求項6又は
7記載のリン酸カルシウムセメント組成物。 - 【請求項9】 上記多糖類が、デキストラン及びデキス
トラン硫酸塩のうちの少なくとも一方である請求項8記
載のリン酸カルシウムセメント組成物。 - 【請求項10】 上記リン酸カルシウム粉末の主成分
が、リン酸四カルシウム及びリン酸水素カルシウムであ
る請求項6乃至9のうちのいずれか1項に記載のリン酸
カルシウムセメント組成物。
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