JPH10248915A - リン酸カルシウムセメント硬化液及びリン酸カルシウムセメント硬化体用組成物 - Google Patents

リン酸カルシウムセメント硬化液及びリン酸カルシウムセメント硬化体用組成物

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JPH10248915A
JPH10248915A JP9082355A JP8235597A JPH10248915A JP H10248915 A JPH10248915 A JP H10248915A JP 9082355 A JP9082355 A JP 9082355A JP 8235597 A JP8235597 A JP 8235597A JP H10248915 A JPH10248915 A JP H10248915A
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phosphate
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澤村武憲
Masaaki Hattori
服部昌晃
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉剤と混練した後、直ちに補填しても硬化体
用組成物が崩壊し難いリン酸カルシウムセメント硬化
液、及び硬化体組成物を提供する。 【解決手段】 ペクチン、ペクチン酸、ペクチニン酸等
のペクチン質を0.5〜10重量%、特に0.8〜5重
量%、更には1〜4重量%含有する水溶液からなるリン
酸カルシウムセメント硬化液を得る。この硬化液のpH
は3〜5、特に3.2〜3.6とすることが好ましい。
また、硬化液の粘度は200dPa・s以下、特に20
dPa・s以下、 更には0.5〜5dPa・sとする
ことが好ましい。粉剤としては、リン酸四カルシウム、
リン酸水素カルシウム、α−リン酸三カルシウム、β−
リン酸三カルシウム及び水酸アパタイト等を使用するこ
とができる。この粉剤としては、特に、リン酸四カルシ
ウムとリン酸水素カルシウムとを等モル程度の量比で併
用することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医科用或いは歯科
用として好適なリン酸カルシウムセメント硬化液及びリ
ン酸カルシウムセメント硬化体用組成物に関する。本発
明のリン酸カルシウムセメント硬化体用組成物は、特
に、優れた強度と生体活性とを併せ有する人工骨、人工
歯根及び人工関節等を形成するために用いることができ
る。
【0002】
【従来の技術】生体に用いられる医療用セメントとして
は、現在までに各種の組成のものが数多く提案されてい
る。特に、リン酸カルシウム系の生体用セメントでは、
粉剤が硬化とともに生体活性な水酸アパタイトに転化す
るため、生体親和性に優れた硬化体を得ることができ
る。
【0003】このリン酸カルシウム系の生体用セメント
に純水を加えて混練したものは、空気中では10〜20
分間で硬化する。しかし、混練後、直ちに水中に浸漬す
ると、硬化する前に粉剤が水中に分散し、塊状としたセ
メントが崩壊してしまう。そのため、体液が多量に存在
する生体内に補填する場合、混練後、直ちに補填せず、
ある程度硬化したものを補填するか、或いは補填部の体
液を除去し、止血等をした後、補填するなどの方法が採
られている。
【0004】しかし、ある程度硬化したものは取り扱い
難く、作業性に劣り、また、体液の除去、止血等は人手
と時間とを要する。これらを解決するため、粉剤に特定
の硬化液を配合したものなどが提案されている。例え
ば、米国特許明細書第4612053号には、崩壊をよ
り少なくするため、硬化液に酸を添加し、硬化時間の短
縮を図ったものが開示されている。また、特開平2−7
7261号公報には、硬化液にキトサン等を添加するこ
とにより、粉剤の分散、セメントの崩壊を更に抑制する
方法が記載されている。しかし、硬化液に酸を添加し、
混練したものを生体内に補填した場合、酸による生体刺
激が強く、補填部の周囲に炎症反応等を生ずることがあ
る。また、キトサンを溶解させるためには水溶液のpH
を1〜2にする必要があり、硬化液に酸を添加すること
が避けられないため、上記と同様、炎症反応を生ずる等
の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するものであり、粉剤と硬化液を含む水溶液とを
混練した後、直ちに補填しても、粉剤の分散、セメント
の崩壊が抑制されるリン酸カルシウムセメント硬化液を
提供することを目的とする。また、この硬化液と粉剤と
からなり、体液の除去、止血等を要することなく、所定
の形状が維持されるリン酸カルシウムセメント硬化体用
組成物を提供することを目的とする。尚、本発明の硬化
液では、酸を添加する必要がなく、炎症反応等の問題を
生ずることもない。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1発明のリン酸カルシ
ウムセメント硬化液は、ペクチン質を含む水溶液からな
るリン酸カルシウムセメント硬化液において、該硬化液
を100重量%とした場合に、上記ペクチン質は0.5
〜10重量%であることを特徴とする。
【0007】また、第3発明のリン酸カルシウムセメン
ト硬化体用組成物は、粉剤と、ペクチン質を含む水溶液
からなる硬化液とにより構成されるリン酸カルシウムセ
メント硬化体用組成物において、上記硬化液を100重
量%とした場合に、上記ペクチン質は0.5〜10重量
%であることを特徴とする。
【0008】上記「ペクチン質」としては、ペクチン、
ペクチン酸、ペクチニン酸等を使用することができる。
リン酸カルシウムセメント硬化液に含まれるペクチン質
は、体液中のカルシウムイオン、マグネシウムイオン等
と結合してゲルを形成する。そのため、この硬化液をリ
ン酸カルシウム系の粉剤に配合して混練した場合、得ら
れるリン酸カルシウムセメント硬化体組成物は、体液に
接触しても崩壊し難く、所定の形状を維持したまま補填
部に留めることができる。
【0009】また、ペクチン質は水に溶解し易く、酸を
添加する必要がない。そのため、本発明では、硬化液の
pHを炎症反応を生ずるほどに低くする必要はなく、第
2発明のように、pHを3〜5とすることができる。こ
のpHは特に3.2〜3.6とすることができ、このよ
うなpH域において反応させ、硬化させれば、硬化過程
において炎症反応を生ずることがない。更に、生成する
硬化体が生体組織に悪影響を及ぼすこともない。また、
ペクチン質を含む硬化液は適度な粘性を有するため、こ
の硬化液とリン酸カルシウム系の粉剤とを混練して得ら
れる硬化体用組成物は、適度な粘度を有するものとな
り、操作性に優れ、所定の形態を容易に付与することが
できる。尚、この形態の付与とは、補填後などにおける
形状の修正、調整等を意味する。
【0010】硬化液のペクチン質の含有量は、硬化液を
100重量%とした場合に「0.5〜10重量%」であ
る。この含有量は、特に0.8〜5重量%、更には1〜
4重量%とすることが好ましい。ペクチン質の含有量が
0.5重量%未満では、硬化体用組成物が体液と接触し
た場合に、粉剤が分散し、組成物が崩壊してしまって、
所定の形状が維持されない。また、10重量%を越える
場合は硬化液の粘度が高くなり、その結果、硬化体用組
成物の粘度も高くなって、形態の付与が難しくなる。
尚、硬化液の粘度は200dPa・s以下とすることが
好ましく、特に20dPa・s以下、更には0.5〜5
dPa・sとすることが好ましい。硬化液の粘度がこの
好ましい範囲であれば、得られる硬化体用組成物の粘度
を適度な範囲に調整することができる。
【0011】上記「粉剤」としては、リン酸四カルシウ
ム、リン酸水素カルシウム、α−リン酸三カルシウム、
β−リン酸三カルシウム及び水酸アパタイト等を使用す
ることができる。これら粉剤は1種のみを用いてもよい
し、2種以上を併用することもできる。この粉剤として
は、第4発明のように、「リン酸四カルシウム及びリン
酸水素カルシウム」を主成分とするものが特に好まし
い。これら2種類の粉剤を併用することによって、より
崩壊し難く、所定の形状が容易に維持される硬化体用組
成物を得ることができる。第4発明において、上記2種
類の粉剤は、全粉剤100重量%のうちの40重量%以
上、特に80以上とすることが好ましい。また、このリ
ン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウムとの量比は特
定されないが、等モル程度とすることが好ましい。更
に、硫酸バリウムや次炭酸ビスマス等のX線造影剤や硬
化時間短縮のためにマグネシウムやナトリウム等のフッ
化物を種結晶として添加することもできる。
【0012】上記のリン酸四カルシウムは、その製法に
ついては特に限定はされず、例えば、炭酸カルシウムと
リン酸水素カルシウムの等モル混合物を成形した後、1
450〜1550Cで焼成し、約100μmに整粒した
もの等を用いることができる。また、リン酸水素カルシ
ウムとしては2水和物及び無水物を使用することがで
き、これらは市販品及びこれを120°C程度で脱水し
たものを用いることができるが、これに限定されるもの
でない。
【0013】硬化体用組成物の粘度は、粉剤と硬化液と
の量比によって調整することもできる。この粉剤と硬化
液との量比は、粉剤100重量部に対して硬化液を15
〜40重量部、特に15〜35重量部、更には20〜3
0重量部とすることができる。硬化液の量比が低すぎる
場合は硬化体用組成物の粘度が高くなりすぎて、所定の
形態を付与することが難しくなる。また、硬化液の量比
が高くなりすぎると、硬化体用組成物の粘度が低くなっ
て取り扱い易くはなるが、体液との接触によって粉剤が
分散し、組成物が崩壊し易くなり好ましくない。尚、こ
の硬化液の量比を適度に高くして硬化体用組成物の粘度
を下げることにより、骨欠損部或いは骨折部等への注射
器による補填が可能となり、それによって患者への負担
を軽減することができる。
【0014】更に、本発明の硬化体用組成物は、これの
みを生体内に補填して人工骨、人工歯根等の用途に用い
ることができるが、粉剤と硬化液とを混練する際に、骨
形成因子、抗ガン剤及び抗生物質等を添加し、薬物徐放
のための担体として利用することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
参考例 純水に、表1に示す濃度となるようにペクチンを配合
し、攪拌、混合して硬化液を調製し、この硬化液のpH
及び粘度を測定した。結果を表1に示す。また、リン酸
四カルシウムとリン酸水素カルシウム無水物との等モル
混合物1gに対し、これらの硬化液をそれぞれ0.25
g加えて5分間混練し、硬化体用組成物を調製した。そ
して、これらの硬化体用組成物の取り扱い易さ、形態付
与性及び疑似体液に浸漬した場合の粉剤の分散、組成物
の崩壊の有無を評価した。尚、pHはガラス電極式水素
イオン濃度計(HORIBA社製、F−15型)によっ
て測定した。また、粘度はリオン社製のビスコテスター
VT−04型によって測定した25℃における値であ
る。更に、硬化体用組成物を疑似体液に浸漬した場合の
粉剤の分散、組成物の崩壊の有無は、目視により確認し
た。
【0016】
【表1】
【0017】表1の結果によれば、ペクチンの配合量が
15重量%の場合は、pHは3.2と第2発明の範囲内
である。しかし、非常に高粘度となって、取り扱い難
く、更には硬化体用組成物の補填後の形態の付与もでき
なかった。また、ペクチンの配合量が0.3重量%で
は、硬化液の粘度は非常に低くなって取り扱い易く、硬
化体用組成物の形態の付与も容易であった。しかし、こ
の硬化体用組成物を疑似体液に浸漬したところ、粉剤が
容易に分散し、組成物が崩壊してしまって実用に供し得
ないものであることが分かった。これらの結果から、好
ましいペクチン質の配合量を0.5〜10重量%とし
た。
【0018】実施例1 リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウム無水物との
等モル混合物1gに対し、ペクチンの4重量%水溶液
0.21gを加えて5分間混練した。得られた硬化体用
組成物はパテ状となり、容易に形態を付与することがで
きた。また、この硬化体用組成物を内径6mm×深さ1
5mmのキャビティを有する金型に充填して成形した
後、この成形体を金型より取り出して疑似体液中に浸漬
した。その結果、粉剤の分散、成形体の崩壊はまったく
みられず、成形体の形状はそのまま維持された。尚、こ
の硬化体用組成物のJIS T6602により測定した
硬化時間は7分30秒であった。
【0019】比較例1 リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウム無水物との
等モル混合物1gに対し、純水0.25gを加えて5分
間混練した。得られた組成物を実施例1と同様の金型に
充填して成形した後、成形体を疑似体液中に浸漬した。
その結果、浸漬後、直ちに成形体表面から崩壊が起こ
り、形状が維持されなかった。また、この組成物はほと
んど粘性がなく形態を付与することもできなかった。
【0020】実施例2 リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウム無水物との
等モル混合物1gに対し、ペクチンの4重量%水溶液
0.21gを加えて5分間混練した。得られた硬化体用
組成物を実施例1と同様の金型に充填して成形した後、
成形体を疑似体液中に24時間浸漬して硬化体とした。
X線回折によって確認したところ、この硬化体には水酸
アパタイトとリン酸四カルシウムが含まれていることが
分かった。
【0021】実施例3 リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウム無水物との
等モル混合物1gに対し、ペクチンの1重量%水溶液
0.3gを加えて5分間混練した。得られた硬化体用組
成物は14ゲ−ジの注射器により注出することができ
た。また、注出されたものを疑似体液中に24時間浸漬
して硬化体とした。X線回折により確認したところ、こ
の硬化体には水酸アパタイトとリン酸四カルシウムが含
まれていることが分かった。
【0022】
【発明の効果】第1発明によれば、適度な粘度を有し、
粉剤との混練、混合が容易であり、pHも低すぎず、硬
化反応の過程において炎症反応等、生体への悪影響のな
い硬化液を得ることができる。また、第3発明によれ
ば、取り扱い性及び形態の付与性等に優れ、調製後、直
ちに体液と接触させてもほとんど崩壊することのない硬
化体用組成物を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペクチン質を含む水溶液からなるリン酸
    カルシウムセメント硬化液において、該硬化液を100
    重量%とした場合に、上記ペクチン質は0.5〜10重
    量%であることを特徴とするリン酸カルシウムセメント
    硬化液。
  2. 【請求項2】 上記硬化液のpHが3〜5である請求項
    1記載のリン酸カルシウムセメント硬化液。
  3. 【請求項3】 粉剤と、ペクチン質を含む水溶液からな
    る硬化液とにより構成されるリン酸カルシウムセメント
    硬化体用組成物において、上記硬化液を100重量%と
    した場合に、上記ペクチン質は0.5〜10重量%であ
    ることを特徴とするリン酸カルシウムセメント硬化体用
    組成物。
  4. 【請求項4】 上記粉剤は、リン酸四カルシウム及びリ
    ン酸水素カルシウムを主成分とする請求項3記載のリン
    酸カルシウムセメント硬化体用組成物。
JP9082355A 1997-03-13 1997-03-13 リン酸カルシウムセメント硬化液及びリン酸カルシウムセメント硬化体用組成物 Pending JPH10248915A (ja)

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