JP2000256372A - ヒドロシリル化反応による脂肪族クロロシラン化合物の製造方法 - Google Patents

ヒドロシリル化反応による脂肪族クロロシラン化合物の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白金又は白金化合物の触媒作用により、不飽
和結合を有する脂肪族化合物をヒドロクロロシラン化合
物を用いてヒドロシリル化することにより、脂肪族クロ
ロシラン化合物を製造する際に、ヒドロシリル化反応の
反応速度を損ねることなく、反応の選択性あるいはその
反応の位置選択性を改善する方法を提供する。 【解決手段】 上記ヒドロシリル化の反応において、反
応混合物中にカルボン酸化合物を存在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシランカップリング
剤、変性シリコーンの原料として工業的に重要な有機官
能性クロロシラン化合物をヒドロクロロシラン化合物か
ら効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】白金触媒の存在下に不飽和基含有有機化
合物とヒドロクロロシラン化合物との反応によって有機
官能性クロロシラン化合物を製造する方法はケイ素化学
工業において多岐にわたり実施されている。
【0003】工業的に実施されているヒドロシリル化反
応においては、通常触媒活性と反応選択性が問題とな
る。一般に、ヒドロシリル化反応での白金の触媒活性は
非常に高く、ゆえに、しばしば、反応選択性の制御が重
要な課題となる。たとえば、有機官能性シランの原料と
して重要な3−クロロプロピルシラン化合物を得る方法
として、塩化アリルのヒドロクロロシランによるヒドロ
シリル化反応が用いられるが、この反応では選択性の制
御が重要な課題となっている。
【0004】選択性を改善する方法としては、ホスフィ
ン添加(特開平9−157276号公報、特開昭55−
145693号公報)により選択性を改善する方法が提
案されている。これは、配位性の高い化合物により触媒
中心を修飾し、触媒活性を低下させることによる位置選
択性の改善であり、生産性を犠牲にしている。特定のア
ミン(特開平9−192494号公報)あるいはアミノ
アルコールの添加(特開平10−072474号公報)
についても報告がある。これらの方法も前述のホスフィ
ンによる修飾と同様触媒活性を犠牲にした選択性の改善
であり、同じ問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の有機
不飽和化合物のヒドロハロシラン化合物を用いるヒドロ
シリル化反応の反応速度を損ねることなく、反応の選択
性あるいはその反応の付加の位置選択性を改善すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、白金触媒
によるヒドロハロシラン化合物を用いる有機不飽和化合
物のヒドロシリル化反応において、反応系中に微量のカ
ルボン酸化合物を共存させることにより、反応の選択性
あるいはヒドロシリル化反応における付加の位置選択性
を大幅に改善できることを見いだした。
【0007】本発明はカルボン酸化合物の存在下に白金
の触媒作用により末端に不飽和結合を有する脂肪族化合
物をヒドロクロロシラン化合物を用いてヒドロシリル化
する脂肪族クロロシラン化合物の製造方法である。
【0008】前記末端に不飽和結合を有する脂肪族化合
物は次のからのうちから選ばれるものである。尚、
これらは、ヒドロクロロシラン化合物との反応性を著し
く低下させるもので無い限り、その構造中に炭素原子及
び水素原子の他にO,N,F,Cl,Br,Siまたは
Sから選ばれる原子を含んでいても構わない。 CH2 =CHCH2 Xで示されるアリル化合物(こ
こに、XはCl,Br,Iから選ばれるハロゲン原子、
アルコキシ基またはアシルオキシ基を表す。) ジエン化合物 末端にビニル基を有するオレフィン化合物 ,又はの誘導体
【0009】前記CH2 =CHCH2 Xで示されるアリ
ル化合物の例としては、塩化アリル、アリルメタクリレ
ートを挙げることができる。前記ジエン化合物としては
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,5−ヘキサジエ
ン、および1,3−オクタジエンを挙げることができ
る。
【0010】前記末端にビニル基を有するオレフィン化
合物は、直鎖状または分岐状のいずれでも構わない。直
鎖の末端不飽和オレフィン化合物の例としては、プロピ
レン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1及びオ
クタデセン−1を挙げることができる。末端不飽和基を
有する分岐オレフィン化合物の例としては、イソブチレ
ン、3−メチルブテン−1,3,5−ジメチルヘキセン
−1及び4−エチルオクテン−1を挙げることができ
る。
【0011】本発明で用いるヒドロクロロシラン化合物
は、好ましくは下記一般式(1)で示されるものであ
り、ケイ素原子に直接結合した1個又は2個の水素原子
とこのケイ素原子に結合する少なくとも1個の塩素を有
するケイ素化合物である。
【0012】 Hn SiRm Cl(4-n-m) (1) (式中、nは1又は2であり、mは0,1又は2であ
り、4−n−m≧1であり、Rはそれぞれ独立に炭素数
1から10の有機基を表し、Clは塩素原子を表す。)
【0013】ケイ素原子上の置換基、Rは炭素原子数1
から10の有機基であるが、好ましくは炭化水素基、並
びに酸素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素及びケイ素から
選ばれる少なくとも1つの原子を有する炭化水素基から
選ばれる。その例として次のものをあげることができ
る。炭化水素基の例としては、アルキル基、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
オクチル基、デシル基等;アルケニル基、例えば2−プ
ロペニル基、ヘキセニル基、オクテニル基等;アラルキ
ル基、例えばベンジル基、フェネチル基等;及びアリー
ル基、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基等、を
挙げることができる。少なくとも1個の酸素、ハロゲ
ン、ケイ素から選ばれる原子を有する炭素数1から10
の炭化水素基としては、クロロメチル基、4−クロロフ
ェニル基、トリメチルシリルメチル基、2−メトキシエ
チル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を例示
することが出来る。
【0014】具体的には、ケイ素原子に結合した水素原
子が1個のものの例としては、3個の塩素原子を有する
トリクロロシランがあり、2個の塩素原子を有するもの
の例としてメチルジクロロシラン、エチルジクロロシラ
ン、n−プロピルジクロロシラン、イソプロピルジクロ
ロシラン、n−ヘキシルジクロロシラン、n−オクチル
ジクロロシラン、フェニルジクロロシラン、(トリフル
オロプロピル)ジクロロシラン、(クロロメチル)ジク
ロロシラン、(トリメチルシリルメチル)ジクロロシラ
ン、ベンジルジクロロシラン、ビニルジクロロシラン等
が例示でき、1個の塩素原子を有するものとしてジメチ
ルクロロシラン、ジエチルクロロシラン、n−プロピル
メチルクロロシラン、イソプロピルメチルクロロシラ
ン、n−ヘキシルメチルクロロシラン、n−オクチルメ
チルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、トリフル
オロプロピルメチルクロロシラン、(クロロメチル)メ
チルクロロシラン、(トリメチルシリルメチル)メチル
クロロシラン、ベンジルメチルクロロシラン、ビニルメ
チルクロロシラン等を挙げることができる。
【0015】ケイ素原子に結合した水素原子が2個のも
のとしては2個の塩素原子を有するジクロロシランがあ
り、1個の塩素原子を有するものとしてメチルクロロシ
ラン、エチルクロロシラン、n−プロピルクロロシラ
ン、イソプロピルクロロシラン、n−ヘキシルクロロシ
ラン、n−オクチルクロロシラン、フェニルクロロシラ
ン、トリフルオロプロピルクロロシラン、(クロロメチ
ル)クロロシラン、(トリメチルシリルメチル)クロロ
シラン、ベンジルクロロシラン、ビニルクロロシラン等
が例示できる。本発明製造方法においては、前記一般式
(1)においてn=1の場合が好ましく、具体的にはト
リクロロシラン、アルキルジクロロシラン、ジアルキル
クロロシランなどがあげられる。
【0016】本発明におけるカルボン酸化合物は、次の
aからgのいずれかである。 a.カルボン酸(カルボキシル基を有するものであれば
特に限定されるものではない。例えば、飽和カルボン
酸、不飽和カルボン酸、モノカルボン酸、ジカルボン
酸、等が挙げられる。これらのカルボン酸におけるカル
ボキシル基以外の部分としては通常、飽和又は不飽和脂
肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ハロゲン化炭化水
素基あるいは水素原子等が選択される。また、これらの
炭化水素基にはアミノ基、シリル基、水酸基等の置換基
が結合していても勿論構わない。) b.カルボン酸の酸無水物 c.カルボン酸のシリル化物 d.カルボン酸のアンモニウム塩 e.カルボン酸のアルカリ金属塩 f.カルボン酸のアルカリ土類金属塩 g.本発明製造方法におけるヒドロシリル化反応の際に
反応系中で分解又は反応により上記aからfまでのカル
ボン酸化合物を生じるもの。 本発明の製造方法において、カルボン酸化合物はヒドロ
シリル化反応が生じる際に反応系中に存在していること
が必要なので、ヒドロシリル化反応開始前ないしは該反
応の初期段階までに系中に添加する必要がある。
【0017】本発明のヒドロシリル化反応で用いるカル
ボン酸化合物としては、上述のようにカルボン酸、カル
ボン酸のシリル化物、カルボン酸の酸無水物、カルボン
酸のアンモニウム塩、カルボン酸のアルカリ金属塩及び
カルボン酸のアルカリ土類金属塩が適当であるが、これ
ら以外にも反応系中での分解、あるいは反応により上記
のカルボン酸化合物を生じるものも含まれる。具体的に
は、カルボン酸としては、飽和モノカルボン酸、例えば
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、ヘキ
サン酸、シクロヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン
酸;飽和ジカルボン酸、例えばシュウ酸、アジピン酸;
芳香族カルボン酸、例えば安息香酸、パラ−フタル酸;
これらのカルボン酸の炭化水素基の水素原子がハロゲン
原子又はオルガノシリル基で置換されたクロロ酢酸、ジ
クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、パラ−クロロ安息香
酸、トリメチルシリル酢酸等のカルボン酸;不飽和脂肪
酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸;カ
ルボキシル基の他にヒドロキシル基、カルボニル基又は
アミノ基をも有するもの、すなわちヒドロキシ酸、例え
ば乳酸、ケト酸、例えばアセト酢酸、アルデヒド酸、例
えばグリオキシル酸、アミノ酸、例えばグルタミン酸等
の化合物を挙げることができる。
【0018】カルボン酸のシリル化物としては、具体的
にはカルボン酸のトリアルキルシリル化物、例えばギ酸
トリメチルシリル、酢酸トリメチルシリル、プロピオン
酸トリエチルシリル、安息香酸トリメチルシリル、トリ
フルオロ酢酸トリメチルシリル;ジ−、トリ−又はテト
ラカルボキシシリレート、例えばジメチルジアセトキシ
シラン、ジフェニルジアセトキシシラン、メチルトリア
セトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、シリコ
ンテトラベンゾエートを例示できる。カルボン酸のシリ
ル化物としては、更に一般式HSiR1 n(O(C=
O)R 2 3-n (ここに、n=0,1または2,R1
それぞれ独立に有機基、シロキシ基又はシロキサノキシ
基、R2 はそれぞれ独立に水素原子または有機基から選
ばれる。)で表される化合物も例示することができる。
【0019】カルボン酸の酸無水物としては、無水酢
酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸等を例示できる。
【0020】カルボン酸のアンモニウム塩、アルカリ金
属塩及びカルボン酸のアルカリ土類金属塩としてはギ酸
アンモニウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸リチウム、ギ酸カ
リウム、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸リチ
ウム、酢酸カルシウム、酢酸カリウム、安息香酸アンモ
ニウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息
香酸リチウム、安息香酸セシウム、ラウリン酸アンモニ
ウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ラ
ウリン酸リチウム、ステアリン酸アンモニウム、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン
酸リチウムを例示できる。
【0021】反応系中での分解、あるいは反応により上
記のカルボン酸化合物を生じるものとしては、カルボン
酸のハロゲン化物、例えば塩化アセチル、塩化ブチリ
ル、塩化ベンゾイル等;光又は熱分解性のカルボン酸エ
ステル、例えば、酢酸(2−ニトロベンジル)等;ケイ
素に結合したハロゲンと反応して上記のカルボン酸化合
物を生じるカルボン酸エステル、例えば酢酸メチル等;
及び同じくケイ素に結合したハロゲンと反応して上記の
カルボン酸化合物を生じるカルボン酸塩、例えば酢酸タ
リウム等を挙げることが出来る。
【0022】これらカルボン酸化合物は反応系中に0.
001重量%から20重量%の範囲で添加して有効に使
用することができるが、十分な効果を上げ、かつ効率的
に使用する目的では0.01重量%から10重量%の間
で添加することが好ましい。ここで反応系とは、本発明
製造方法に用いられるヒドロクロロシラン化合物、末端
に不飽和結合を有する脂肪族化合物、白金触媒及び前記
カルボン酸化合物からなる混合物のことを指す。
【0023】触媒はヒドロシリル化触媒として通常用い
られる白金または白金化合物であれば格別限定されな
い。通常は、担持白金微粒子、白金コロイド、マイナス
の電荷を帯びた錯体等、0価、2価、4価の白金化合物
から選ばれる。具体的には担持白金微粒子としては活性
炭担持白金、アルミナ担持白金、シリカ担持白金等があ
り、マイナスの電荷を帯びた錯体としては〔Pt3 (C
O)6 2-,〔Pt3 (CO)6 22- ,〔Pt3 (C
O)5 42- に代表される白金カルボニルクラスターア
ニオン化合物(J. Amer. Chem. Soc., 1976, 98 7225)
を、0価の白金化合物としては、白金(0)ジビニルテ
トラメチルジシロキサン錯体、白金(0)テトラビニル
テトラメチルシクロテトラシロキサン錯体、白金(0)
エチレン錯体、白金(0)スチレン錯体を、2価の白金
化合物としてはPt(II)Cl2 ,Pt(II)Br2
ビス(エチレン)Pt(II)Cl2 ,(1,5−シクロ
オクタジエン)Pt(II)Cl2 、白金(II)アセチル
アセトナート、ビス(ベンゾニトリル)Pt(II)Cl
2 等を、4価の白金化合物としてはPt(IV)Cl4
2 Pt(IV)Cl6 ,Na2 Pt(IV)Cl6 ,K2
Pt(IV)Cl6 、等の化合物を例示できる。
【0024】これらのうち、有機溶媒への溶解性、触媒
溶液の安定性等の使用上の観点から、特に好ましいもの
としては、白金(0)ジビニルテトラメチルジシロキサ
ン錯体と塩化白金酸のアルコール溶液を挙げることがで
きる。一定量の基質のヒドロシリル化反応に要する白金
の量は基質の種類、反応温度、反応時間等の要素とも関
連し、一律に決めることはできないが、一般に、基質1
モルに対して白金10 -3モルから10-8モルの範囲で使
用でき、触媒の経済性及び反応時間の観点からは10-4
モルから10-7モルの範囲で使用するのが適当である。
反応温度は0℃以上300℃以下でよいが、適当な反応
速度を達成出来ること、及び反応に関与する基質及び生
成物が安定に存在しうるという点からは30℃から25
0℃が最適である。
【0025】本発明方法では本質的には溶媒を用いる必
要はないが、基質を溶解させる目的で、また反応系の温
度の制御及び触媒成分の添加を容易にするため炭化水素
系化合物を反応溶媒あるいは触媒成分の溶媒として用い
ることができる。この目的のために最適な溶媒として
は、飽和あるいは不飽和の炭化水素化合物、例えばヘキ
サン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ドデシルベンゼ
ン;ハロゲン化炭化水素化合物、例えばクロロホルム、
塩化メチレン、クロロベンゼン、オルト−ジクロロベン
ゼン;含酸素有機化合物、例えばエーテル、テトラヒド
ロフラン;及びシリコーン化合物、例えばヘキサメチル
ジシロキサン、ジメチルシリコーンを挙げることが出来
る。
【0026】また、反応雰囲気は、空気下でも、窒素、
アルゴン等の不活性雰囲気下でもよい。本発明製造方法
により得られる脂肪族クロロシラン化合物は、末端に不
飽和結合を有する脂肪族化合物の末端の不飽和結合にお
ける外側の炭素原子とヒドロクロロシラン化合物に由来
するケイ素原子とが結合した構造を有するものである。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下に示す例中の生成物の分析はガスクロマトグラ
フ及びガスクロマトグラフ一質量分析を用い、標準試料
との比較でおこなった。転化率はオレフィン仕込み原料
に対する反応率を、収率は、同じくオレフィン仕込み量
に対する生成物の生成割合を意味する。以下の実施例で
用いたカルボン酸化合物、ヒドロクロロシラン化合物お
よび不飽和化合物は市販のものをそのまま用いた。
【0028】(実施例1) (酢酸存在下での白金触媒による塩化アリルとトリクロ
ロシランの反応)ガラス製反応管に0.44gの塩化ア
リルと1.16gのトリクロロシシランをとり、これに
0.0175mlの酢酸をマイクロシリンジで加えた。こ
れにジビニルシロキサンの0価白金錯体のトルエン溶液
(白金含量4.0wt%)を0.7マイクロリットル加え
た。反応管を封管し、これを50℃のオイルバスにいれ
2時間加熱した。冷却後、内容物をガスクロマトグラフ
を用いて分析すると3−クロロプロピルトリクロロシラ
ンは11%の収率で生成しており、3−クロロプロピル
トリクロロシランとプロピルトリクロロシランの比は、
1.11:1であった。また20時間後の塩化アリルの
転化率は95%であり、3−クロロプロピルトリクロロ
シランは50%の収率で生成しており、3−クロロプロ
ピルトリクロロシランとプロピルトリクロロシランの比
は、1.16:1であった。
【0029】(実施例2) (エチルトリアセトキシシラン存在下での白金触媒によ
る塩化アリルとトリクロロシランの反応)ガラス製反応
管に0.44gの塩化アリルと1.16gのトリクロロ
シランをとり、これに0.0225mlのエチルトリアセ
トキシシランをマイクロシリンジで加えた。これにジビ
ニルシロキサンの0価白金錯体のトルエン溶液(白金含
量4.0wt%)を0.7マイクロリットル加えた。反応
管を封管し、これを50℃のオイルバスにいれ2時間加
熱した。冷却後、内容物をガスクロマトグラフを用いて
分析すると3−クロロプロピルトリクロロシランは17
%の収率で生成しており、3−クロロプロピルトリクロ
ロシランとプロピルトリクロロシランの比は、0.9
2:1であった。また20時間後の塩化アリルの転化率
は99%であり、3−クロロプロピルトリクロロシラン
は61%の収率で生成していた。
【0030】(比較例1) (白金触媒による塩化アリルとトリクロロシランの反応
(カルボン酸化合物を添加しない場合))ガラス製反応
管に0.44gの塩化アリルと1.16gのトリクロロ
シランをとり、これにジビニルシロキサンの0価白金錯
体のトルエン溶液(白金含量4.0wt%)を0.7マイ
クロリットル加えた。反応管を封管し、これを50℃の
オイルバスにいれ2時間加熱した。冷却後、内容物をガ
スクロマトグラフを用いて分析すると3−クロロプロピ
ルトリクロロシランは10%の収率で生成しており、3
−クロロプロピルトリクロロシランとプロピルトリクロ
ロシランの比は、0.58:1であった。また20時間
後の塩化アリルの転化率は99%であり、3−クロロプ
ロピルトリクロロシランは32%の収率で生成してお
り、3−クロロプロピルトリクロロシランとプロピルト
リクロロシランの比は、0.53:1であった。
【0031】(実施例3) (エチルトリアセトキシシラン存在下での白金触媒によ
る塩化アリルとメチルジクロロシランの反応)ガラス製
反応管に344mgの塩化アリルと786mgのメチルジク
ロロシランをとり、これに0.035mlのエチルトリア
セトキシシランをマイクロシリンジで加えた。これにジ
ビニルシロキサンの0価白金錯体のトルエン溶液(白金
含量0.2wt%)を11マイクロリットル加えた。反応
管をテフロンテープとラバーセプタムでシールし、これ
を50℃のオイルバスにいれ2時間加熱した。冷却後、
内容物をガスクロマトグラフを用いて分析すると3−ク
ロロプロピルメチルジクロロシランは50%の収率で生
成していた。また同じ組成の溶液を入れた反応管を封管
し、これを50℃のオイルバスにいれ20時間加熱した
後の塩化アリルの転化率は98%であり、3−クロロプ
ロピルメチルジクロロシランは77%の収率で生成して
いた。
【0032】(比較例2) (白金触媒による塩化アリルとメチルジクロロシランの
反応(カルボン酸化合物を添加しない場合))ガラス製
反応管に344mgの塩化アリルと786mgのメチルジク
ロロシランをとり、これにジビニルシロキサンの0価白
金錯体のトルエン溶液(白金含量0.2wt%)を11マ
イクロリットル加えた。反応管をテフロンテープとラバ
ーセプタムでシールし、これを50℃のオイルバスにい
れ2時間加熱した。冷却後、内容物をガスクロマトグラ
フを用いて分析すると3−クロロプロピルメチルジクロ
ロシランは5.7%の収率で生成していた。また同じ組
成の溶液を入れた反応管を封管し、これを50℃のオイ
ルバスにいれ20時間加熱した後の塩化アリルの転化率
は98%であり、3−クロロプロピルメチルジクロロシ
ランは62%の収率で生成していた。
【0033】(実施例4) (エチルトリアセトキシシラン存在下での白金触媒によ
る塩化アリルとジメチルクロロシランの反応)ガラス製
反応管に702mgの塩化アリルと1298mgのジメチル
クロロシランをとり、これに0.072mlのエチルトリ
アセトキシシランをマイクロシリンジで加えた。これに
ジビニルシロキサンの0価白金錯体のトルエン溶液(白
金含量4.0wt%)を0.5マイクロリットル加えた。
反応管を封管し、これを50℃のオイルバスにいれ20
時間加熱した後の塩化アリルの転化率は99%であり、
3−クロロプロピルジメチルクロロシランは71%の収
率で生成していた。
【0034】(比較例3) (白金触媒による塩化アリルとジメチルクロロシランの
反応(カルボン酸化合物を添加しない場合))ガラス製
反応管に702mgの塩化アリルと1298mgのジメチル
クロロシランをとり、これにジビニルシロキサンの0価
白金錯体のトルエン溶液(白金含量4.0wt%)を0.
5マイクロリットル加えた。反応管を封管し、これを5
0℃のオイルバスにいれ20時間加熱した後の塩化アリ
ルの転化率は98%であり、3−クロロプロピルジメチ
ルクロロシランは54%の収率で生成していた。
【0035】(実施例5) (エチルトリアセトキシシラン存在下での白金触媒によ
る1−オクテンとメチルジクロロシランの反応)ガラス
製反応管に460mgの1−オクテンと470mgのメチル
ジクロロシランをいれ、これに0.01mlのエチルトリ
アセトキシシランをマイクロシリンジで加えた。これに
ジビニルテトラメチルジシロキサンの0価白金錯体のト
ルエン溶液(白金含量0.04wt%)を0.005ml加
えた。反応管をテフロンテープとラバーセプタムでシー
ルし、これを60℃のオイルバスにいれ3時間加熱し
た。冷却後、内容物をガスクロマトグラフを用いて分析
すると1−オクテンの転化率は99%であり、ヒドロシ
リル化物が85%の収率で生成していた。末端シリル化
物(n−オクチルメチルジクロロシラン)と内部シリル
化物(2−(メチルジクロロシリル)オクタン)の比は
198:1であった。
【0036】(比較例4) (白金触媒による1−オクテンとメチルジクロロシラン
の反応(カルボン酸化合物を添加しない場合))ガラス
製反応管に460mgの1−オクテンと470mgのメチル
ジクロロシランをいれ、これにジビニルテトラメチルジ
シロキサンの0価白金錯体のトルエン溶液(白金含量
0.04wt%)を0.005ml加えた。反応管をテフロ
ンテープとラバーセプタムでシールし、これを60℃の
オイルバスにいれ3時間加熱した。冷却後、内容物をガ
スクロマトグラフを用いて分析すると1−オクテンの転
化率は99%であり、ヒドロシリル化物が86%の収率
で生成していた。末端シリル化物(n−オクチルメチル
ジクロロシラン)と内部シリル化物(2−(メチルジク
ロロシリル)オクタン)の比は63:1であった。
【0037】(実施例6) (エチルトリアセトキシシラン存在下での白金触媒によ
る1,5−ヘキサジエンとジメチルクロロシランの反
応)ガラス製反応管に490mgの1,5−ヘキサジエン
と343mgのジメチルクロロシランをいれ、これに0.
005mlのエチルトリアセトキシシランをマイクロシリ
ンジで加えた。これにジビニルテトラメチルジシロキサ
ンの0価白金錯体のトルエン溶液(白金含量0.04wt
%)を0.001ml加えた。反応管をテフロンテープと
ラバーセプタムでシールし、これを65℃のオイルバス
にいれ1時間加熱した。冷却後、内容物をガスクロマト
グラフを用いて分析すると1,5−ヘキサジエンの転化
率は42%であり、ヘキセニルジメチルクロロシランが
35%の収率で生成していた。全ヘキセニルジメチルク
ロロシランに対する4−ヘキセニルジメチルクロロシラ
ンの割合は2.0%であり、残りは5−ヘキセニルジメ
チルクロロシランであった。
【0038】(実施例7) (ジメチルアセトキシシラン存在下での白金触媒による
1,5−ヘキサジエンとジメチルクロロシランの反応)
ガラス製反応管に490mgの1,5−ヘキサジエンと3
43mgのジメチルクロロシランをいれ、これに0.01
mlのエチルトリアセトキシシランをマイクロシリンジで
加えた。これにジビニルテトラメチルジシロキサンの0
価白金錯体のトルエン溶液(白金含量0.04wt%)を
0.001ml加えた。反応管をテフロンテープとラバー
セプタムでシールし、これを65℃のオイルバスにいれ
1時間加熱した。冷却後、内容物をガスクロマトグラフ
を用いて分析すると1,5−ヘキサジエンの転化率は4
4%であり、ヘキセニルジメチルクロロシランが36%
の収率で生成していた。全ヘキセニルジメチルクロロシ
ランに対する4−ヘキセニルジメチルクロロシランの割
合は1.3%であり、残りは5−ヘキセニルジメチルク
ロロシランであった。
【0039】(比較例5) (白金触媒による1,5−ヘキサジエンとジメチルクロ
ロシランの反応(カルボン酸化合物を添加しない場
合))ガラス製反応管に490mgの1,5−ヘキサジエ
ンと343mgのジメチルクロロシランをいれ、これにジ
ビニルテトラメチルジシロキサンの0価白金錯体のトル
エン溶液(白金含量0.04wt%)を0.001ml加え
た。反応管をテフロンテープとラバーセプタムでシール
し、これを65℃のオイルバスにいれ1時間加熱した。
冷却後、内容物をガスクロマトグラフを用いて分析する
と1,5−ヘキサジエンの転化率は46%であり、ヘキ
セニルジメチルクロロシランが38%の収率で生成して
いた。全ヘキセニルジメチルクロロシランに対する4−
ヘキセニルジメチルクロロシランの割合は3.8%であ
り、残りは5−ヘキセニルジメチルクロロシランであっ
た。
【0040】(実施例8) (エチルトリアセトキシシラン存在下での白金触媒によ
るアリルメタクリレートとトリクロロシランの反応)ガ
ラス製反応管に0.693gのアリルメタクリレートと
1.103gのトリクロロシランをとり、これに0.0
22mlのエチルトリアセトキシシランをマイクロシリン
ジで加えた。これにジビニルシロキサンの0価白金錯体
のトルエン溶液(白金含量4.0wt%)を0.7マイク
ロリットル加えた。反応管を封管し、これを50℃のオ
イルバスにいれ45時間加熱した。冷却後、内容物をガ
スクロマトグラフを用いて分析するとアリルメタクリレ
ートの転化率は98%であり、3−メタクリルオキシプ
ロピルトリクロロシラン〔H2 C=C(CH3)−C(=
O)−O−(CH2)3 −SiCl3 〕は76%の収率で
生成していた。
【0041】
【発明の効果】以上の実施例、比較例の結果から本発明
の効果として次のことがわかる。 塩化アリル等とヒドロクロロシラン化合物との反応
では、例えば塩化アリルのClとヒドロクロロシランの
Si−Hとの交換反応を抑制する結果副生物の生成をお
さえるので、クロロプロピルクロロシラン化合物等が高
収率で得られる。 1−オクテン等とヒドロクロロシラン化合物との反
応ではシリル基の1−オクテン等への内部付加が抑制さ
れるので、1−オクテン等の末端での反応が進む。 1,5−ヘキサジエン等とヒドリドクロロシラン化
合物との反応では1,5−ヘキサジエン等の内部異性化
が抑えられるため、5−ヘキセニルクロロシラン等の収
率が高まる。
【0042】本発明により、シランカップリング剤、同
じく変性シリコーン原料として重要な有機官能性ハロシ
ラン化合物をSiH官能基を有するハロシランと不飽和
結合含有化合物のヒドロシリル化反応でより選択的に製
造することが可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H039 CA19 CA52 CA92 CF10 4H049 VN01 VP01 VQ12 VQ30 VR20 VR30 VS12 VT03 VT05 VT10 VT17 VT19 VT21 VT26 VT40 VT42 VT43 VT44 VT45 VT47 VU20 VU22 VU33 VU36 VW02 VW32

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸化合物の存在下に白金または
    白金化合物の触媒作用により末端に不飽和結合を有する
    脂肪族化合物をヒドロクロロシラン化合物を用いてヒド
    ロシリル化する脂肪族クロロシラン化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記末端に不飽和結合を有する脂肪族化
    合物が、CH2 =CHCH2 Xで示されるアリル化合
    物(Xは、Cl,Br,Iから選ばれるハロゲン原子、
    アルコキシ基またはアシルオキシ基を表す。)、ジエ
    ン化合物、末端にビニル基を有するオレフィン化合物
    及びこれらの誘導体から選ばれるものであり、前記ヒ
    ドロクロロシラン化合物が下記一般式(1) Hn SiRm Cl(4-n-m) (1) (式中nは1又は2であり、mは0,1又は2であり、
    4−n−m≧1であり、Rはそれぞれ独立に炭素数1か
    ら10の有機基であり、Clは塩素原子を表す。)で示
    されるヒドロクロロシラン化合物である請求項1の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記カルボン酸化合物がカルボン酸、カ
    ルボン酸のシリル化物、カルボン酸の酸無水物、カルボ
    ン酸のアンモニウム塩、カルボン酸のアルカリ金属塩及
    びカルボン酸のアルカリ土類金属塩より選ばれるもので
    あり、これが、反応系中に0.01重量%から20重量
    %の範囲で含まれる請求項1又は2の製造方法。
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