JP2000256571A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JP2000256571A JP11063381A JP6338199A JP2000256571A JP 2000256571 A JP2000256571 A JP 2000256571A JP 11063381 A JP11063381 A JP 11063381A JP 6338199 A JP6338199 A JP 6338199A JP 2000256571 A JP2000256571 A JP 2000256571A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱硬化性および含有樹脂の貯蔵安定性にすぐ
れた熱硬化性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)一般式(I): 【化5】 (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原
子または直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜18のア
ルキル基、Aは主鎖に酸素を含有していてもよい2価の
炭化水素基を示す)で表わされるオキセタン環含有官能
基を有し、同一分子内にカルボキシル基を有しない樹
脂、(B)架橋性官能基を有する架橋剤および(C)硬
化触媒を含有してなる熱硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱硬化性樹脂組成物
に関する。さらに詳しくは、熱硬化性および含有された
オキセタン環含有官能基を有する樹脂(含有樹脂)の貯
蔵安定性にすぐれ、かつ含有樹脂が目的に応じてその分
子量が容易に制御されたものであり、熱硬化後に所望の
特性を容易に発現し、塗料、印刷インキ、着色剤などに
好適に使用し得る樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ基およびカルボキシル基
を同一分子内に含有した樹脂が加熱によって架橋硬化す
ることは既知であり、かかる樹脂は、たとえば塗料など
に利用されていた。
【0003】しかしながら、前記のごときエポキシ基お
よびカルボキシル基を同一分子内に含有した樹脂は、こ
れらエポキシ基とカルボキシル基とのあいだでの分子内
架橋反応性が高いため、樹脂の合成の際にゲル化した
り、生成した樹脂が貯蔵安定性にいちじるしく劣るとい
った欠点を有していた。
【0004】そこで、前記欠点を改善する目的で、たと
えば前記エポキシ基のかわりにオキセタン官能基が導入
された、オキセタン官能基およびカルボキシル基を同一
分子内に含有する樹脂からなる樹脂組成物や(特開平9
−221602号公報)、オキセタン官能基含有樹脂、
ポリエポキシド、反応性ケイ素を含有する化合物および
有機金属化合物を含有してなる樹脂組成物(特開平9−
208674号公報)が提案されている。
【0005】しかしながら、前記オキセタン官能基およ
びカルボキシル基を同一分子内に含有する樹脂からなる
樹脂組成物は、やはりこれらオキセタン官能基とカルボ
キシル基とのあいだで分子内架橋反応を起こしてしまう
ことから、樹脂の貯蔵安定性、とくに高温下での貯蔵安
定性が不充分であるとともに、樹脂の分子量が所望の範
囲内に制御され難いという欠点を有する。また前記オキ
セタン官能基含有樹脂、ポリエポキシドなどからなる樹
脂組成物も、オキセタン官能基とエポキシ基および/ま
たは反応性ケイ素とを同一分子内に含有することから、
樹脂の貯蔵安定性が不充分であり、樹脂の分子量が制御
され難いという欠点を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、熱硬化性および含有樹
脂の貯蔵安定性にすぐれ、含有樹脂が目的に応じてその
分子量が容易に制御された樹脂組成物を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)一般式
(I):
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独
立して水素原子または直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数
1〜18のアルキル基、Aは主鎖に酸素を含有していて
もよい2価の炭化水素基を示す)で表わされるオキセタ
ン環含有官能基を有し、同一分子内にカルボキシル基を
有しない樹脂、(B)架橋性官能基を有する架橋剤およ
び(C)硬化触媒を含有してなる熱硬化性樹脂組成物に
関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、
前記したように、一般式(I)で表わされるオキセタン
環含有官能基を有し、同一分子内にカルボキシル基を有
しない樹脂(A)、架橋性官能基を有する架橋剤(B)
および硬化触媒(C)を含有したものである。
【0011】樹脂(A)は、その分子内に一般式(I)
で表わされるオキセタン環含有官能基を有するが、同一
分子内にカルボキシル基を有しない樹脂であるので、分
子内架橋がおこるおそれがない。
【0012】前記オキセタン環含有官能基を表わす一般
式(I)において、R1、R2およびR3はそれぞれ独立
して水素原子または直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1
〜18のアルキル基であり、かかるアルキル基の例とし
ては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec
−ブチル基、n−ヘキシル基などがあげられる。これら
のなかでも、安価で、より汎用性に富むという点から、
とくにメチル基、エチル基などの炭素数1〜4の低級ア
ルキル基が好ましい。またAは主鎖に酸素を含有してい
てもよい2価の炭化水素基であるが、かかる2価の炭化
水素基としては、たとえば
【0013】
【化3】
【0014】などの炭素数1〜20の炭化水素基があげ
られ、好ましくは炭素数1〜6で、酸素数0〜6、なか
んづく0〜2の炭化水素基があげられる。
【0015】熱硬化性樹脂組成物に充分な熱硬化性を付
与するには、オキセタン環含有官能基は樹脂(A)の1
分子内に平均20個以上、好ましくは平均50〜500
個含まれることが望ましい。
【0016】本発明に用いられる樹脂(A)としては、
樹脂組成物から形成される硬化物の耐久性が低下しない
ようにするには、その数平均分子量が3000以上、好
ましくは10000以上のものが望ましく、また塗装作
業性が劣らないようにするには、その数平均分子量が2
00000以下、好ましくは50000以下のものが望
ましい。
【0017】樹脂(A)は、同一分子内にオキセタン環
含有官能基と反応するカルボキシル基などの官能基を有
していないので、その数平均分子量を容易に制御するこ
とができる。
【0018】樹脂(A)の種類にはとくに限定がなく、
前記オキセタン環含有官能基が側鎖および/または主鎖
に結合したものであればよい。たとえばオキセタン環を
有するアクリル系樹脂が好ましいが、同様にポリエステ
ル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂や、これら
の変性樹脂なども用いることができる。
【0019】前記アクリル系樹脂としては、たとえば同
一分子内にエチレン性不飽和基とオキセタン環とを有す
るオキセタン環含有(メタ)アクリレート類と、その他
のエチレン性不飽和モノマー、たとえばメチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレ
ート、イソオクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アク
リレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレート類;ベンジル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの芳香族基含
有(メタ)アクリレート類;グリシジル(メタ)アクリ
レートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレート類;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフル
オロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオ
ロデシル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メ
タ)アクリレート類;スチレン、スチレン誘導体;(メ
タ)アクリルアミドなどの重合性アミド類とを、共重合
させたポリマーなどがあげられる。
【0020】前記オキセタン環含有(メタ)アクリレー
ト類の代表例としては、たとえば3−メチル−3−オキ
セタンメチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−
オキセタンメチル(メタ)アクリレート、3−n−プロ
ピルメチル−3−オキセタンメチル(メタ)アクリレー
ト、3−イソプロピル−3−オキセタンメチル(メタ)
アクリレート、3−メチル−3−オキセタンエチル(メ
タ)アクリレート、3−エチル−3−オキセタンエチル
(メタ)アクリレート、3−n−プロピル−3−オキセ
タンエチル(メタ)アクリレート、3−イソプロピル−
3−オキセタンエチル(メタ)アクリレート、2−メチ
ル−3−オキセタンメチル(メタ)アクリレート、2,
3−ジメチル−3−オキセタンメチル(メタ)アクリレ
ート、2,4−ジメチル−3−オキセタンメチル(メ
タ)アクリレート、2,3,4−トリメチル−3−オキ
セタンメチル(メタ)アクリレート、3−エチル−2−
メチル−3−オキセタンメチル(メタ)アクリレート、
3−エチル−2,4−ジメチル−3−オキセタンメチル
(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらのなか
では、安価であるという点から、3−メチル−3−オキ
セタンメチル(メタ)アクリレートおよび3−エチル−
3−オキセタンメチル(メタ)アクリレートがとくに好
ましい。
【0021】本発明に用いられる架橋剤(B)は架橋性
官能基を有するものであり、この架橋性官能基が前記樹
脂(A)中のオキセタン環含有官能基と架橋反応(熱硬
化反応)するようなものであればとくに限定はない。本
発明では、分子内架橋ではなく、樹脂(A)がかかる架
橋剤(B)によって架橋されることから、その熱硬化性
のみならず、含有樹脂の貯蔵安定性、とくに高温下での
貯蔵安定性にすぐれた樹脂組成物となるのである。
【0022】前記架橋剤(B)としては、たとえばシュ
ウ酸、フマル酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸など
の二官能性カルボン酸、クエン酸などの三官能性カルボ
ン酸、モノマーとしてカルボキシル基を含有するものの
ポリマーであるポリカルボン酸や、グルコン酸などのカ
ルボン酸以外の官能基を有する多官能性有機酸;ハイド
ロキノン、カテコール、ピロガロール、イソプロピリデ
ンビスジクロロフェノール、ポリヒドロキシスチレン、
フェノール樹脂、ビスフェノール類などの多官能性フェ
ノール;チオビスベンゼンチオール、チオグリコール
酸、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペ
ンタエリスリトールテトラチオグリコレート、トリメチ
ロールプロパントリチオプロピオネート、ペンタエリス
リトールテトラチオプロピオネートなどの多官能性チオ
ールなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。樹脂(A)との架橋反応
の進行しやすさを考慮すると、これら多官能性有機酸、
多官能性フェノールおよび多官能性チオールの少なくと
も1種を用いることが好ましい。
【0023】本発明に用いられる硬化触媒(C)は前記
樹脂(A)中のオキセタン環含有官能基と架橋剤(B)
中の架橋性官能基との架橋反応を促進するものであれば
よく、とくに限定はない。
【0024】前記硬化触媒(C)としては、たとえばテ
トラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアン
モニウムブロマイド、テトラエチルホスホニウムブロマ
イド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラフ
ェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルベンジル
ホスホニウムクロライドなどのオニウム塩;トリエチル
アミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕ウンデセン−7(商品名:DBU、サン
アプロ社製)などのアミン類;クラウンエーテル錯体;
トリフェニルホスフィンなどがあげられ、これらは単独
でまたは2種以上を混合して用いることができる。これ
らのなかでは、架橋反応をより促進しやすいという点か
ら、オニウム塩、クラウンエーテル錯体、1,8−ジア
ザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7およびトリフ
ェニルホスフィンが好ましく、これらのなかでもとくに
オニウム塩が好ましい。
【0025】樹脂組成物の硬化物の架橋不足により塗膜
の強度が低下しないようにするという点を考慮すると、
架橋剤(B)中の架橋性官能基の量は樹脂(A)中のオ
キセタン環含有官能基1モルに対して0.1モル以上、
好ましくは0.5モル以上であることが望ましく、また
硬化物の耐水性が低下しないようにするという点を考慮
すると、架橋性官能基の量は、オキセタン環含有官能基
1モルに対して5モル以下、好ましくは2モル以下であ
ることが望ましい。
【0026】硬化触媒(C)の量は、樹脂組成物の熱硬
化性が低下しないようにするには、樹脂(A)の固形分
100重量部(以下、部という)に対して0.1部以
上、好ましくは0.5部以上であることが望ましく、ま
た樹脂組成物から形成される塗膜の耐水性が低下しない
ようにするには、硬化触媒(C)の量は樹脂(A)の固
形分100部に対して20部以下、好ましくは15部以
下であることが望ましい。
【0027】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、さらに
必要に応じて、たとえば溶剤、顔料、体質顔料、分散
剤、紫外線吸収剤や、その他の添加剤を配合することが
できる。これらの配合量は、本発明の目的を阻害しない
程度に適宜調整すればよい。
【0028】とくに、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、
たとえば各種基材に塗布して用いる場合には、前記溶剤
を添加することが作業性の点から好ましい。該溶剤とし
ては、たとえばアセトン、メチルエチルケトンなどのケ
トン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類な
どがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合し
て用いることができる。また、溶剤の添加量は樹脂組成
物の使用目的や塗布方法などによって異なるが、通常熱
硬化性樹脂組成物の固形分濃度が10〜70重量%程度
となるようにすることが好ましい。
【0029】熱硬化性樹脂組成物の調製方法にはとくに
限定がなく、たとえば樹脂(A)を必要に応じて適当量
の溶剤に溶解または分散させたのち、適宜配合量を調整
した架橋剤(B)および硬化触媒(C)を添加し、撹拌
混合すればよい。なお、これら樹脂(A)、架橋剤
(B)および硬化触媒(C)の添加順序にはとくに限定
がない。
【0030】つぎに、本発明の熱硬化性樹脂組成物を基
材に塗布し、硬化させる方法について説明する。
【0031】熱硬化性樹脂組成物を塗布することができ
る基材の種類にはとくに限定はないが、たとえば鉄、ア
ルミニウムなどの金属材料、プラスチック、紙、木材な
どの有機系材料、ガラス、石材などの無機系材料などが
あげられる。
【0032】基材に塗布する方法としては通常の方法を
採用することができるが、たとえばスプレー塗装法、浸
漬法、フローコーティング法、ロールコート法、静電塗
装法、スクリーン印刷などがあげられる。なお、調製後
の熱硬化性樹脂組成物を、塗布方法に適した粘度に調節
するために、さらに溶剤で希釈することもできる。
【0033】ついで、熱硬化性樹脂組成物が塗布された
基材を80〜200℃程度で10〜300分間程度加熱
することにより、基材との密着性にすぐれた塗膜が形成
される。塗膜の厚さはかかる塗膜が形成される基材の種
類や用途などによって異なるため、一概には決定するこ
とができないが、通常1〜300μm程度、なかんづく
5〜100μm程度となるように調節されることが好ま
しい。
【0034】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性
および含有樹脂の貯蔵安定性にすぐれ、かつ含有樹脂が
目的に応じてその分子量が容易に制御されたものである
ので、たとえば塗料、印刷インキ、着色剤などに好適に
使用することができる。
【0035】
【実施例】つぎに、本発明の熱硬化性樹脂組成物を実施
例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる
実施例のみに限定されるものではない。
【0036】製造例1(樹脂(A)の製造) 撹拌機および冷却器を取り付けた100ml容の三つ口
フラスコに、3−エチル−3−オキセタンメチルメタク
リレート3部とメタクリル酸メチル1.63部とを計り
取り、乾燥トルエン28.26部を加えてチッ素ガスで
1時間置換したのち、これにアゾビスイソブチロニトリ
ル0.0535部を加え、チッ素ガス気流下にて、60
℃で5時間、80℃で3時間撹拌して重合させた。重合
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却したのち、n−ヘ
キサンに注ぎ込み、沈殿物を回収した。
【0037】つぎに、良溶媒としてアセトン、貧溶媒と
してエーテルを用い、2回再沈殿精製を行ない、樹脂
(A)を得た。収量は3.34g、収率は72%であっ
た。
【0038】得られた樹脂(A)のゲル透過クロマトグ
ラフィ測定による数平均分子量は2.0×104であ
り、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は
1.77(ポリスチレン換算)であった。
【0039】樹脂(A)の構造解析は、IRスペクトル
および1H−NMRスペクトルを測定して行なった。そ
の結果を以下に示す。
【0040】IR(film)ν(cm-1):1730
(C=O、エステル)、1150(C−O−C、エーテ
ル)、984,926(C−O−C、環状エーテル)1 H−NMR(200MHz、CDCl3、TMS)δ
(ppm):0.91〜1.26(br,9H(以下の
式中、b,d,g))、1.66〜2.19(br,
5.9H(以下の式中、a,c,f))、3.42〜
3.87(br,3H(以下の式中、h))、3.95
〜4.22(br,2H(以下の式中、e))、4.3
1〜4.96(br,4H,オキシラン環H) これらの結果から、樹脂(A)は以下に示す繰返し単位
を有し、1分子内に平均125個のオキセタン環含有官
能基を有する樹脂であることが確認された。
【0041】
【化4】
【0042】実施例1 樹脂(A)10部と架橋剤(B)のアジピン酸4部と硬
化触媒(C)としてテトラフェニルホスホニウムブロマ
イド1部とを計り取り(オキセタン環含有官能基1モル
に対して架橋性官能基1.5モル、樹脂(A)の固形分
100部に対して硬化触媒(C)10部)、アセトンに
溶解させて固形分濃度が約20重量%の熱硬化性樹脂組
成物を得た。
【0043】この樹脂組成物をKBr板に塗布し、室温
で30分間減圧乾燥を行なったのち、150℃で60分
間または170℃で60分間加熱して厚さ約50μmの
ポリマーフィルムを形成させた。このときのオキセタン
環の変化をIRスペクトル測定にて追跡した。基準ピー
クとしてはC−H結合に起因する波数2963cm-1
ピークを、オキセタン環のピークとしては波数926c
-1のピークをそれぞれ用いた。その結果を図1に示
す。なお、図1中、符号αで示すグラフは150℃で加
熱した場合のものであり、符号βで示すグラフは170
℃で加熱した場合のものである。
【0044】図1に示されるように、樹脂組成物中の樹
脂(A)のオキセタン環の反応率(転化率)は、150
℃で加熱した場合が約72モル%、170℃で加熱した
場合が約89モル%であり、いずれのポリマーフィルム
もクロロホルム、テトラヒドロフランおよびアセトンに
不溶であった。
【0045】このことから、樹脂(A)とアジピン酸と
の架橋反応が効率よく進行し、樹脂組成物が熱硬化性に
すぐれたものであることがわかる。
【0046】実施例2 樹脂(A)10部と架橋剤(B)のチオビスベンゼンチ
オール7部と硬化触媒(C)としてテトラフェニルホス
ホニウムブロマイド1部とを計り取り(オキセタン環含
有官能基1モルに対して架橋性官能基1.5モル、樹脂
(A)の固形分100部に対して硬化触媒(C)10
部)、アセトンに溶解させて固形分濃度が約20重量%
の熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0047】この樹脂組成物をKBr板に塗布し、室温
で30分間減圧乾燥を行なったのち、150℃で180
分間加熱して厚さ約50μmのポリマーフィルムを形成
させた。このときのオキセタン環の変化をIRスペクト
ル測定にて追跡した。基準ピークとしてはカルボニル結
合に起因する波数1728cm-1のピークを、オキセタ
ン環のピークとしては波数926cm-1のピークをそれ
ぞれ用いた。その結果を図2に示す。
【0048】図2に示されるように、樹脂組成物中の樹
脂(A)のオキセタン環の反応率(転化率)は約67モ
ル%であり、ポリマーフィルムはクロロホルム、テトラ
ヒドロフランおよびアセトンに不溶であった。
【0049】このことから、樹脂(A)とチオビスベン
ゼンチオールとの架橋反応が効率よく進行し、樹脂組成
物が熱硬化性にすぐれたものであることがわかる。
【0050】実施例3 樹脂(A)10部と架橋剤(B)のイソプロピリデンビ
スジクロロフェノール20部と硬化触媒(C)としてテ
トラフェニルホスホニウムブロマイド1部とを計り取り
(オキセタン環含有官能基1モルに対して架橋性官能基
1.5モル、樹脂(A)の固形分100部に対して硬化
触媒(C)10部)、アセトンに溶解させて固形分濃度
が約20重量%の熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0051】この樹脂組成物をKBr板に塗布し、室温
で30分間減圧乾燥を行なったのち、170℃で270
分間加熱して厚さ約50μmのポリマーフィルムを形成
させた。このときのオキセタン環の変化をIRスペクト
ル測定にて追跡した。基準ピークとしてはカルボニル基
に起因する波数1728cm-1のピークを、オキセタン
環のピークとしては波数926cm-1のピークをそれぞ
れ用いた。その結果を図3に示す。
【0052】図3に示されるように、樹脂組成物中の樹
脂(A)のオキセタン環の反応率(転化率)は約96モ
ル%であり、ポリマーフィルムはクロロホルム、テトラ
ヒドロフランおよびアセトンに不溶であった。
【0053】このことから、樹脂(A)とイソプロピリ
デンビスジクロロフェノールとの架橋反応が効率よく進
行し、樹脂組成物が熱硬化性にすぐれたものであること
がわかる。
【0054】比較例1 撹拌機、冷却器および滴下ロートを取り付けた1リット
ル容の四つ口フラスコに、キシレン100部およびn−
ブタノール35部を加えて120℃に加熱したのち、滴
下ロートから3−エチル−3−オキセタンメチルメタク
リレート17部、メタクリル酸9部、n−ブチルメタク
リレート74部およびn−ブチルアクリレート67部の
混合物にアゾビスイソブチロニトリル5部を溶解させた
溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後30分間エー
ジングを行ない、ついでアゾビスジメチルバレロニトリ
ル1.7部をキシレン17部に溶解させた溶液を1時間
かけて滴下した。滴下終了後30分間エージングを行な
い、樹脂固形分濃度が50重量%の樹脂(A′)溶液
(同一分子内に平均22個のオキセタン環含有官能基お
よび平均25個のカルボキシル基を有する樹脂(A′)
の溶液)を得た。
【0055】試験例1 製造例1で得られた樹脂(A)にアセトンを添加して樹
脂固形分濃度を50重量%に調整した樹脂(A)溶液
と、比較例1で得られた樹脂(A′)溶液とを、それぞ
れ225ml容の広口ガラス瓶に充填し、密閉状態で7
0℃にて4週間放置したのち、樹脂溶液の状態を調べ
た。
【0056】その結果、製造例1の樹脂(A)溶液は、
放置前と比べてまったく変化がなかったのに対し、比較
例1の樹脂(A′)溶液は、ゲル化していた。
【0057】このことから、本発明の熱硬化性樹脂組成
物中の含有樹脂は、高温下であっても貯蔵安定性にすぐ
れることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化
性にすぐれるとともに、含有樹脂と架橋剤とのモル比を
適宜調整することにより、樹脂の分子量(架橋度)が所
望の範囲内に、目的に応じて、任意に容易に制御された
ものである。さらにこの含有樹脂は、とくに高温下での
貯蔵安定性にもすぐれたものである。
【0059】したがって、本発明の熱硬化性樹脂組成物
は、熱硬化後に所望の特性を容易に発現し、たとえば塗
料、印刷インキ、着色剤などに好適に使用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた熱硬化性樹脂組成物につい
て、加熱時間に対する樹脂(A)のオキセタン環の反応
率(転化率)を表わすグラフである。
【図2】実施例2で得られた熱硬化性樹脂組成物につい
て、加熱時間に対する樹脂(A)のオキセタン環の反応
率(転化率)を表わすグラフである。
【図3】実施例3で得られた熱硬化性樹脂組成物につい
て、加熱時間に対する樹脂(A)のオキセタン環の反応
率(転化率)を表わすグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀山 敦 神奈川県横浜市保土ケ谷区西久保町60−2 佐藤ハイツ102 (72)発明者 田中 幸夫 大阪府柏原市片山町18−8 大阪有機化学 工業株式会社内 (72)発明者 渡辺 哲也 大阪府柏原市片山町18−8 大阪有機化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BC122 BG041 BG051 BG071 CC032 EE056 EF066 EJ016 EJ036 EJ056 EL096 EL117 EN027 EN137 EU137 EV066 EW147 EW177 FD142 FD146 FD157 GH01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(I): 【化1】 (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原
    子または直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜18のア
    ルキル基、Aは主鎖に酸素を含有していてもよい2価の
    炭化水素基を示す)で表わされるオキセタン環含有官能
    基を有し、同一分子内にカルボキシル基を有しない樹
    脂、(B)架橋性官能基を有する架橋剤および(C)硬
    化触媒を含有してなる熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 架橋剤(B)が多官能性有機酸、多官能
    性フェノールおよび多官能性チオールの少なくとも1種
    である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 硬化触媒(C)がオニウム塩、クラウン
    エーテル錯体、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕
    ウンデセン−7またはトリフェニルホスフィンである請
    求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 架橋剤(B)中の架橋性官能基の量が樹
    脂(A)中のオキセタン環含有官能基1モルに対して
    0.1〜5モルである請求項1記載の熱硬化性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 硬化触媒(C)の量が樹脂(A)の固形
    分100重量部に対して0.1〜20重量部である請求
    項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
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