JP2000256968A - ゴム補強用ポリエステル繊維の製造法 - Google Patents

ゴム補強用ポリエステル繊維の製造法

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JP2000256968A
JP2000256968A JP6497699A JP6497699A JP2000256968A JP 2000256968 A JP2000256968 A JP 2000256968A JP 6497699 A JP6497699 A JP 6497699A JP 6497699 A JP6497699 A JP 6497699A JP 2000256968 A JP2000256968 A JP 2000256968A
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rubber
ethylene oxide
propylene oxide
polyester fiber
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Takeshi Kitahara
武司 北原
Shuji Miyazaki
修二 宮崎
Naohiro Matsuo
直弘 松尾
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムとの接着性が良好で、かつ、安定したポ
リエステル繊維を、製糸性よく、長期安定して製造でき
るゴム補強用ポリエステル繊維の製造法を提供する。 【解決手段】 ポリエステル繊維を製造するに際し、溶
融紡出した未延伸糸に脂肪族アミン化合物のエチレンオ
キシド及び/又はプロピレンオキシド付加物を含有した
紡糸油剤を付与し、熱延伸する。次いで、1分子中にエ
ポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物の一種又は二
種以上の混合物、ブロックドイソシアネート化合物及び
脂肪酸アミド化合物のエチレンオキシド及び/又はプロ
ピレンオキシド付加物を含有した仕上油剤を付与した
後、35〜60℃の温度で72時間以上の加温処理を施
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴムとの接着性が
改良されたゴム補強用ポリエステル繊維の製造法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート及びこれを
主体とするポリエステル繊維は、優れた物理的、化学的
性質を有し、工業的に大量生産され、各方面に多用され
ている極めて有用な繊維であり、ゴムの補強材料として
も非常に好適な素材である。しかしながら、ポリエステ
ル繊維は、ゴムとの接着性が良好でないという欠点を有
しており、従来、ポリエステル繊維とゴムとの接着性を
改良する方法が種々提案されている。
【0003】その代表的な方法として、生コード又はそ
の織物を、レゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合
物及びゴムラテックスを混合して熟成させた液(RF
L)で処理する、いわゆるディップ処理に際し、その前
処理としてエポキシ化合物、イソシアネート化合物、エ
チレン尿素化合物等の接着性向上剤で処理した後に、R
FL処理する方法(特公昭60-24226号) 、2,6−ビス
(2’,4’−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−ク
ロロフェノール等の縮合フェノール化合物を配合したR
FLで処理する方法(特公昭46-11251号、特開昭63−24
9784号)がある。しかし、この方法では、ある程度目的
とする接着性能は得られるものの、接着性向上剤の使用
量が多い、処理方法が煩雑である等の問題から、結果的
にコストの増大化を招くという欠点を有している。
【0004】また、糸条の段階で接着性向上剤としてエ
ポキシ化合物を付与した、いわゆるプレコート糸をRF
L処理する方法が特公平1− 37514号や特開平9−1580
53号等で提案されている。前者の方法は、ポリエステル
繊維の製造工程において、紡糸油剤としてエポキシ化合
物を含有した油剤を付与し、延伸工程の熱を利用して熱
処理を行うことにより接着性を向上させるものである。
しかし、この方法では、延伸ローラや熱処理ローラ等に
エポキシ化合物の硬化物や熱劣化物等が付着し、ポリエ
ステル繊維の性能が変わったり、頻繁に操業を止めてロ
ーラに付着したエポキシ硬化物や熱劣化物を除去しなけ
ればならないという問題があった。
【0005】また、後者の方法は、ポリエステル繊維の
製造工程において、紡糸油剤として脂肪族アミン化合物
のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加
物を含有した紡糸油剤を付与し、熱延伸した後、1分子
中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物、ブロ
ックドイソシアネート化合物、シランカップリング剤及
び脂肪酸アミド化合物のエチレンオキシド及び/又はプ
ロピレンオキシド付加物を含有した仕上油剤を付与する
ことにより、接着性を向上させるものである。しかし、
この方法では、夏場の暑い時期に製造したものは接着性
が良好であるものの、冬場の寒い時期に製造したものは
接着性が劣り、季節によるバラツキがあるので品質が安
定しないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、繊維製造工程における延伸ローラや熱処理
ローラ等を汚さずに、後工程でRFL処理を行うだけ
で、季節によるバラツキの少ないゴムとの良好な接着性
を示す品質の安定したポリエステル繊維を得ることので
きるゴム補強用ポリエステル繊維の製造法を提供しよう
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、その要旨は、ポリエステル繊維を製造
するに際し、溶融紡出した未延伸糸に脂肪族アミン化合
物のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付
加物を含有した紡糸油剤を付与し、熱延伸した後、1分
子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物の一
種又は二種以上の混合物、ブロックドイソシアネート化
合物及び脂肪酸アミド化合物のエチレンオキシド及び/
又はプロピレンオキシド付加物を含有した仕上油剤を付
与し、次いで35〜60℃の温度で72時間以上の加温処理を
施すことを特徴とするゴム補強用ポリエステル繊維の製
造法にある。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】本発明においてポリエステル繊維とは、ポ
リエチレンテレフタレート及びこれを主体とするポリエ
ステルからなるマルチフィラメントであり、ポリエステ
ル繊維の分子量、デニール、フィラメント数、断面形
状、糸質物性、微細構造、添加剤含有の有無、ポリマー
性状(末端カルボキシル基濃度)は何等限定されるもの
ではない。
【0010】本発明においては、溶融紡出したポリエス
テル未延伸糸を冷却固化した後、まず、紡糸油剤を付与
する。
【0011】本発明における紡糸油剤に添加される脂肪
族アミン化合物のエチレンオキシド及び/又はプロピレ
ンオキシド付加物としては、炭素数 4〜22の脂肪族アミ
ンにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドが
2〜20モル付加したものが好ましい。
【0012】脂肪族アミンのエチレンオキシド及び/又
はプロピレンオキシド付加物の具体例としては、POE(4
〜20)ラウリルアミノエーテル、POE(2〜20)ステアリ
ルアミノエーテル、POE(4〜20)オレイルアミノエーテ
ル、EO(5) /PO(4) モノブチルアミノエーテル、POE(2
〜20)ラウリルエタノールアミン、POE(2〜20)ラウリ
ルジエタノールアミン等が挙げられる。
【0013】なお、POE はポリオキシエチレン化、EOは
エチレンオキシド、POはプロピレンオキシドを意味し、
かっこ内の数値はエチレンオキシド又はプロピレンオキ
シドの付加モル数を示す。
【0014】紡糸油剤には、脂肪族アミン化合物のエチ
レンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物の他
に、エポキシ化合物やブロックドイソシアネート化合物
及び脂肪酸アミド化合物のエチレンオキシド及び/又は
プロピレンオキシド付加物を含有しない、通常のポリエ
ステル繊維用紡糸油剤が使用される。例えば、鉱物油、
ヤシ油、ナタネ油、マッコウ油等の天然油、高級アルコ
ールもしくは多価アルコールと高級脂肪酸とのエステ
ル、アルキルポリエーテル等の合成油、このような合成
油の硫黄付加物等の平滑剤、さらにその平滑剤を乳化、
分散するに足る界面活性剤と、さらに必要に応じて帯電
防止剤、耐熱剤、着色剤等を配合したものが使用され
る。乳化、分散剤としての界面活性剤の使用は必ずしも
必要ではないが、一般にはヒマシ油や高級アルコールに
アルキレンオキシドを付加した化合物もしくはポリエチ
レンオキシドやポリエチレングリコールと高級脂肪酸と
のエステル等が好ましく用いられる。
【0015】紡糸油剤の各成分の割合は、脂肪族アミン
化合物のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシ
ド付加物3〜20重量%、平滑剤30〜80重量%、乳化剤20
〜70重量%、その他の添加剤適量で 100重量%になるよ
うな組み合わせが好ましい。この範囲であれば、紡糸油
剤本来の平滑性、集束性の機能が失われず、またローラ
汚れもなく、目的とする接着性を向上させる効果が好ま
しく発揮される。
【0016】紡糸油剤は、通常のローラ式給油法やノズ
ル式給油法により、溶融紡出された未延伸糸に付与され
るが、その付与量は0.05〜1重量%、好ましくは 0.1〜
0.5重量%である。紡糸油剤は、通常、低粘度鉱物油等
で希釈したストレート油剤の形で付与されるが、水性エ
マルジョンの形で付与してもよい。
【0017】紡糸油剤が付与された未延伸糸は、常法に
よって熱延伸された後、1分子中にエポキシ基を2個以
上有するエポキシ化合物一種又は二種以上の混合物、ブ
ロックドイソシアネート化合物及び脂肪酸アミド化合物
のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加
物を含有した仕上げ油剤が付与される。
【0018】本発明における仕上油剤に添加されるエポ
キシ化合物は、1分子内にエポキシ基を2個以上有する
もので、通常、ハロゲン含有のエポキシ類、例えばエピ
クロルヒドリンと多価アルコール又は多価フェノールと
の反応によって合成される。この種の多価アルコール又
は多価フェノールの例としては、グリセロール、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、トリ
メチロールプロパンあるいはこれらの誘導体等の多価ア
ルコール、レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノ
ンあるいはこれらの誘導体等の多価フェノールがある。
また、不飽和結合を過酢酸等で酸化して得られるシクロ
ヘキサンエポキシド、ジグリシジルエーテル等も使用で
きる。
【0019】エポキシ化合物の具体例としては、次のよ
うな化合物が挙げられる。(かっこ内はナガセ化成工業
社から市販されている製品の商品名を示す。) グリセロールポリグリシジルエーテル(「デナコールEX
− 313」、「デナコールEX− 314」) ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(「デナコー
ルEX− 512」、「デナコールEX− 521」) ジグリセロールポリグリシジルエーテル(「デナコール
EX− 421」) レゾルシンジグリシジルエーテル(「デナコールEX− 2
01」) ソルビトールポリグリシジルエーテル(「デナコールEX
− 611」、「デナコールEX− 614」) エチレングリコールジグリジルエーテル(「デナコール
EX− 811」)
【0020】また、本発明における仕上油剤に添加され
るブロックドイソシアネート化合物は、ポリエステルポ
リオール、ポリエーテルポリオール、又は特殊ポリオー
ル化合物にポリイソシアネートを反応させた化合物にカ
ルバモイ・スルホネート基をブロック化剤としたブロッ
クドイソシアネート化合物、又は、脂肪族系ポリイソシ
アネート化合物や芳香族ポリイソシアネート化合物にメ
チルエチルケトオキシムをブロック剤としたブロックド
イソシアネート化合物で、水溶性又は水乳化性に変性し
たものが望ましい。
【0021】ブロックドイソシアネート化合物の具体例
としては、次のような化合物が挙げられる。(かっこ内
は製品の商品名及び製造会社名を示す。) ポリエステル系ブロックドイソシアネート(「エラスト
ロン E−37」:第一製薬工業社) ポリエーテル系ブロックドイソシアネート(「エラスト
ロン C− 9」、「エラストロン F−29」:第一製薬工業
社) 特殊ポリオール系ブロックドイソシアネート(「エラス
トロン S−24」、「エラストロンBN−04」:第一製薬工
業社) クルード MDIメチルエチルケトオキシムブロック体
(「FS−9000」:明成化学工業社) HMDIメチルエチルケトオキシムブロック体(「BP−10M
」、「 NBP−755 」、「 NBP−521 」、「 NBP−531
」「 NBP−231 」、「 NBP−871 」、「 NBP−873
」:明成化学工業社)
【0022】また、本発明における仕上油剤に添加され
る脂肪酸アミド化合物のエチレンオキシド及び/又はプ
ロピレンオキシド付加物としては、炭素数 4〜22の脂肪
酸アミド化合物にエチレンオキシド及び/又はプロピレ
ンオキシドが 2〜20モル付加したものが好ましい。
【0023】脂肪酸アミド化合物のエチレンオキシド及
び/又はプロピレンオキシド付加物の具体例としては、
POE(2〜20)ラウリル酸アミド、POE(2〜20)ラウリル
酸エタノールアミド、POE(2〜20)ラウリル酸ジエタノ
ールアミド、POE(2〜20)オレイン酸アミド、POE(2〜
20)オレイン酸エタノールアミド、POE(2〜20)オレイ
ン酸ジエタノールアミド、POE(2〜20)ステアリン酸ア
ミド、POE(2〜20)ステアリン酸エタノールアミド、PO
E(2〜20)ステアリン酸ジエタノールアミド等が挙げら
れる。
【0024】仕上油剤には、エポキシ化合物の一種又は
二種以上の混合物及びブロックドイソシアネート化合物
及び脂肪酸アミド化合物のエチレンオキシド及び/又は
プロピレンオキシド付加物の他に、鉱物油、ヤシ油、ナ
タネ油、マッコウ油等の天然油、高級アルコールもしく
は多価アルコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキル
ポリエーテル等の合成油、このような合成油の硫黄付加
物等の平滑剤、さらにその平滑剤を乳化、分散するに足
る界面活性剤と、さらに必要に応じて帯電防止剤、耐熱
剤、着色剤等が配合される。乳化、分散剤としての界面
活性剤は、一般にはヒマシ油や高級アルコールにアルキ
レンオキシドを付加した付加物もしくはポリエチレンオ
キシドやポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエス
テル等が好ましく用いられる。
【0025】仕上油剤の各成分の割合は、エポキシ化合
物の一種又は二種以上の混合物15〜50重量%、ブロック
ドイソシアネート化合物5〜30重量%、脂肪酸アミド化
合物のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド
付加物1〜10重量%、その他の添加剤適量で全体で 100
重量%になるような組み合わせが好ましい。この範囲で
あれば、仕上油剤本来の平滑性、集束性の機能を失わ
ず、目的とする連続操業が可能となり、かつ、接着性能
向上効果が好ましく発揮される。
【0026】仕上油剤は、通常のローラ式給油法やノズ
ル式給油法により熱延伸後の繊維に付与されるが、その
付与量は 0.2〜2重量%、好ましくは 0.4〜1重量%で
ある。仕上油剤は、通常、水性エマルジョンの形で使用
さる。
【0027】前記の紡糸油剤が付与され、熱延伸された
繊維は、上記の仕上げ油剤が付与され、巻取られた後、
35〜60℃、好ましくは40〜50℃の温度で72時間以上の加
温処理が施される。35℃より低い温度では、長時間処理
してもゴムとの良好な接着力は得られず、60℃より高い
温度ではゴムとの良好な接着力は得られるものの、ポリ
エステル繊維の性能が変化したり、エポキシ化合物やイ
ソシアネート化合物の硬化によりポリエステル繊維が固
くなり、作業性が低下する。
【0028】また、上記範囲の温度で加温処理しても、
72時間未満の処理では安定したゴムとの接着力は得られ
ないことがある。安定したゴムとの接着力を得るために
は、72時間以上、好ましくは 120時間以上の加温処理が
必要である。
【0029】本発明によって得られるポリエステル繊維
は、常法により撚糸してコードとし、コードの状態又は
それを製織してコード織物とした状態で、通常のRFL
処理を施すだけで、季節的な要因に関係なくゴムとの接
着性が著しく良好で、かつ、安定したものとなる。この
ような接着性能の向上は、ポリエステル繊維自身の改良
にとどまらず、補強の対象であるゴム製品の品質向上に
直結するものであり、大きな実用効果をもたらすもので
ある。
【0030】
【作用】本発明において、35〜60℃で加温処理されるこ
とにより紡糸油剤と仕上げ油剤の均一化が促進されると
共に、紡糸油剤に配合される脂肪族アミン化合物のエチ
レンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物は、
仕上げ油剤に配合されるエポキシ化合物の硬化を促進
し、仕上げ油剤に配合された脂肪族アミド化合物のエチ
レンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物やブ
ロックドイソシアネート化合物との相乗効果でこれらが
ポリエステル繊維と強固に接着すると共に、RFLとも
強固に接着し、さらには、ゴムとも季節的な要因にとら
われず強固で安定した接着をするようになる。
【0031】また、本発明においては、紡糸工程で付与
される紡糸油剤は、エポキシ化合物、ブロックドイソシ
アネート化合物及び脂肪酸アミド化合物のエチレンオキ
シド及び/又はプロピレンオキシド付加物を含まず、こ
れらを含む仕上油剤は、最高周速で回転する熱延伸ロー
ラより下流で付与されることから、これらの硬化物や熱
劣化物が最高周速で回転する延伸ローラまでの各段の延
伸ローラ上に堆積することを回避できる。その結果、熱
延伸の長期連続操業が可能になると共に、製品品質の均
一化が達成でき、大きな実用効果がもたらされる。
【0032】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、「部」は重量部を意味し、測定や評価は、次
の方法により行った。 (1) 製糸性 延伸ローラ、熱処理ローラ及び巻取り機のタッチローラ
に、油剤の成分である脂肪族アミン化合物のエチレンオ
キシド及び/又はプロピレンオキシド付加物、脂肪酸ア
ミド化合物のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオ
キシド付加物、エポキシ化合物、ブロックドイソシアネ
ート化合物等の固化物や硬化物が堆積し、延伸や巻取り
が困難となり、清掃を行うことが必要となるまでの時間
により、次の3段階で評価した。 ○:2日以上、△:8時間〜2日、×:8時間未満 (2) 接着力 処理コードを自動車タイヤ用カーカス配合ゴム中に、コ
ード密度35本/2.5cmになるように埋め込んだプライ2
枚を重ね合せ、20kg/cm2 の加圧下で、150 ℃で30分間
加硫した後、取り出し、温度20〜23℃で、オートグラフ
を使用して、引張速度5cm/分で剥離に要する剥離強力
を測定した。 (3) 加温熱処理後の繊維の固さ 加温熱処理されたパッケージをクリルスタンドに乗せて
手で触れた時の感触と、10〜 200m/分で引き出した時
の繊維の状態を、次の3段階で評価した。 ○:加温熱処理しないものと同程度。 △:パッケージが若干固くなるが、繊維の引き出しには
問題はない。 ×:パッケージ全体が固くなり、繊維の引き出しが困難
である。
【0033】実施例1〜5及び比較例1〜13 (a) 紡糸油剤A〜Dの調製 低粘度鉱物油50部を40℃に加温し、表1に示す組成
(部)の油剤組成物の50℃に加温した混合液50部をゆっ
くり添加しながら撹拌した後、室温に冷却した。
【0034】
【表1】
【0035】(b) 仕上油剤イ〜ヘの調整 水80部を40℃に加温し、表2に示す組成(部)の油剤組
成物を40℃に加温した液20部をゆっくり添加しながら撹
拌した後、室温に冷却した。
【0036】
【表2】
【0037】(c) RFLの調製 水 125部に10%水酸化ナトリウム水溶液19部を加えた
後、レゾルシン17部を添加し、撹拌溶解した。次いで、
37%ホルムアルデヒド水溶液30部を加え、撹拌し、25℃
で30分間反応させた。得られた反応液を固形分濃度41%
のVPラテックス:「ピラテックスJ-1904」(住友ダウ
社商品名) 186部と固形分濃度40%のSBRラテック
ス:「JSR-2108」(日本合成ゴム社商品名) 190部との
混合液に撹拌しながら加え、さらに、水431部を撹拌し
ながら加え、10分間撹拌混合した後、25℃で24時間熟成
させた。
【0038】(d) ポリエステル繊維の製造 固有粘度(フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物
を溶媒とし、温度20℃で測定)が0.97のポリエチレンテ
レフタレートチップを用い、溶融紡糸法により下記の要
領で1500d /192fのポリエステル繊維を得た。紡糸口金
より紡出され、冷却固化した未延伸糸に、上記の方法で
調製した紡糸油剤を繊維 100部に対して油剤付着分 0.3
部となるようにローラ給油法で付与した後、70℃の第1
ローラで引取り、第1ローラと 120℃の第2ローラとの
間で 3.5倍に第1段延伸し、さらに、第2ローラと 220
℃の第3ローラとの間で合計延伸倍率が 6.1倍になるよ
うに第2段延伸し、引き続き第3ローラと 180℃の第4
ローラとの間で4%のリラックスを与え、第4ローラと
巻取機との間で、上記の方法で調製した仕上油剤を繊維
100部に対して油剤付着分 0.7部となるように計量ノズ
ル式給油法で付与し、 2500m/分の速度で各10Kgを巻取
った。
【0039】(e) ポリエステル繊維の加温熱処理 巻取られた繊維をパッケージのまま20℃、30℃、45℃、
60℃、80℃に調節された恒温槽に入れ、24時間、48時
間、72時間、 120時間、 240時間の加温熱処理を施し
た。
【0040】(f) コードの処理 上記の方法で得られた1500d/192fの繊維2本を、下撚
40回/10cm、上撚40回/10cmの撚数で撚糸してコードと
し、リッツラー社製コンピュートリーターを用いて、上
記の方法で調整したRFL浴に浸漬し、RFLを固形分
付着量が 4.5〜5.5 重量%となるように付与し、 120℃
で 120秒間乾燥した後、 200℃で 120秒間熱処理した。
【0041】実施例1、2及び比較例1〜7の製糸性及
び処理コードの接着力を評価した結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】表3から明かなように、実施例1〜2で
は、製糸性、処理コードの接着力とも良好であった。こ
れに対して、比較例1〜2では、製糸性は良好であるも
のの、処理コードの接着力が劣り、比較例3〜7では、
製糸性に問題があり、満足できるものではなかった。そ
の中でも、特に比較例7では、熱処理ローラに繊維が巻
きつき、ワインダーに巻取ることもできなかった。次
に、実施例1、3〜5及び比較例8〜13の処理コードの
接着力及び加温熱処理後のコードの固さを表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】表4から明かなように、実施例1、3〜4
では、接着力、繊維の固さとも良好であった。またパッ
ケージの表層部分、内層部分、最内層部分においても接
着力、繊維の固さに差はなく、強力、伸度、乾熱収縮率
も変わるものではなかった。これに対して、比較例8〜
9は接着力が劣り、比較例10、12〜13では、繊維の固さ
に問題ないものの、接着性において満足できるものでは
なかった。また、比較例11では繊維の固さに問題があ
り、繊維の引き出しにおいても時々毛羽立ちが発生し
た。
【0046】比較例14 仕上油剤の付与位置を延伸工程の最高周速ローラである
第3ローラの前に移した以外は、実施例1と同一条件で
試験を繰返した。製糸時間の経過とともに第3ローラ上
に樹脂皮膜の堆積が発生し、1時間後には糸条の毛羽が
発生し、ローラの清掃を必要とした。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステル繊維の製
造工程における延伸ローラや熱処理ローラの汚れが著し
く少なくなり、長期連続した安定操業が可能となり、季
節的要因によるゴムとの接着力の差のない、作業性の良
好なゴム補強用ポリエステル繊維を得ることができる。
また、本発明によって得られるゴム補強用ポリエステル
繊維は、常法どおり撚糸してコードとし、コードの状態
又はそれを製織してコード織物とした状態で、通常のR
FL処理を施すだけでゴムとの接着性が良好となるもの
であり、大きな実用効果を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D02G 3/48 D02G 3/48 D06M 101:32 Fターム(参考) 4J038 BA201 BA202 DB021 DB022 DB031 DB032 DB041 DB042 DB261 DB262 DF021 DF022 DG111 DG112 DG301 DG302 DH011 DH012 GA09 JA23 JA57 KA09 PB03 PC08 4L033 AA07 AB01 AC11 BA14 BA39 BA69 BA71 BA99 CA34 CA49 CA50 CA68 CA70 4L036 MA05 MA25 MA33 PA01 PA03 PA18 PA26 PA49 UA25

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維を製造するに際し、溶
    融紡出した未延伸糸に脂肪族アミン化合物のエチレンオ
    キシド及び/又はプロピレンオキシド付加物を含有した
    紡糸油剤を付与し、熱延伸した後、1分子中にエポキシ
    基を2個以上有するエポキシ化合物の一種又は二種以上
    の混合物、ブロックドイソシアネート化合物及び脂肪酸
    アミド化合物のエチレンオキシド及び/又はプロピレン
    オキシド付加物を含有した仕上油剤を付与し、次いで35
    〜60℃の温度で72時間以上の加温処理を施すことを特徴
    とするゴム補強用ポリエステル繊維の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006265755A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Teijin Techno Products Ltd ゴム補強用繊維の製造方法

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