JP2000260618A - 電気機器コイル及びその製造方法 - Google Patents
電気機器コイル及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 絶縁材料として有機絶縁材料を用い、特殊な
環境、特にアンモニア等の腐食性物質の存在する環境下
で使用しても、化学的に安定、耐熱性に優れ、且つ耐電
圧等の電気絶縁性に優れ、キャンで絶縁物を含むコイル
を覆う必要がない電気機器コイル及びその製造方法を提
供すること。 【解決手段】 導体線の外表面にポリイミドテープをテ
フロン材で被覆してなる絶縁フィルムを巻回して絶縁電
線7とし、該絶縁電線7を規定の電気機器コイル形状に
形成して電気機器コイル体(モータコイル体9)を形成
し、該電気機器コイル体を鉄心(モータ固定子鉄心1
0)のスロット6に挿入し、鉄心ごと加熱して絶縁フィ
ルムのポリイミドフィルムを覆うテフロン材を溶融する
と共に、該電気機器コイル体9の隣接する絶縁電線7間
の絶縁フィルムのテフロン材を溶融して一体化した。
環境、特にアンモニア等の腐食性物質の存在する環境下
で使用しても、化学的に安定、耐熱性に優れ、且つ耐電
圧等の電気絶縁性に優れ、キャンで絶縁物を含むコイル
を覆う必要がない電気機器コイル及びその製造方法を提
供すること。 【解決手段】 導体線の外表面にポリイミドテープをテ
フロン材で被覆してなる絶縁フィルムを巻回して絶縁電
線7とし、該絶縁電線7を規定の電気機器コイル形状に
形成して電気機器コイル体(モータコイル体9)を形成
し、該電気機器コイル体を鉄心(モータ固定子鉄心1
0)のスロット6に挿入し、鉄心ごと加熱して絶縁フィ
ルムのポリイミドフィルムを覆うテフロン材を溶融する
と共に、該電気機器コイル体9の隣接する絶縁電線7間
の絶縁フィルムのテフロン材を溶融して一体化した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温や高圧力の環
境下、又は高湿度、放射線、化学薬品等、特にアンモニ
ア等の充満する特殊な雰囲気下、即ち通常の大気雰囲気
とは異なる特殊な環境下で使用されるモータ等の電気機
器コイル及びその製造方法に関するものである。
境下、又は高湿度、放射線、化学薬品等、特にアンモニ
ア等の充満する特殊な雰囲気下、即ち通常の大気雰囲気
とは異なる特殊な環境下で使用されるモータ等の電気機
器コイル及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のように通常の大気雰囲気と
は異なる特殊な環境下で使用されるモータとしては、キ
ャンドモータがある。該キャンドモータは絶縁物を含む
コイルが上記特殊な環境に直接曝されることがないよう
に、絶縁物を含むコイルを金属キャンで覆い保護してい
るモータで、使用される特殊な環境で絶縁物が劣化する
ことがないから、使用する絶縁物を該特殊な環境に耐え
得るものとする必要はない。
は異なる特殊な環境下で使用されるモータとしては、キ
ャンドモータがある。該キャンドモータは絶縁物を含む
コイルが上記特殊な環境に直接曝されることがないよう
に、絶縁物を含むコイルを金属キャンで覆い保護してい
るモータで、使用される特殊な環境で絶縁物が劣化する
ことがないから、使用する絶縁物を該特殊な環境に耐え
得るものとする必要はない。
【0003】一方、キャンドモータはキャンを使用する
ことにより短所も多く、例えば絶縁物を含むコイルをキ
ャンで覆っているためコイルの冷却効率が悪くなり、モ
ータとしては大型化するという問題がある。また、キャ
ン材は固定子と回転子の間に介在するため必然的に固定
子と回転子の間のギャップが増大し、該ギャップの増大
に比例して磁気抵抗も増大する。そのためこれを補うた
めにも電流を増やすことが必要となり、モータとしても
大型になるという問題もある。
ことにより短所も多く、例えば絶縁物を含むコイルをキ
ャンで覆っているためコイルの冷却効率が悪くなり、モ
ータとしては大型化するという問題がある。また、キャ
ン材は固定子と回転子の間に介在するため必然的に固定
子と回転子の間のギャップが増大し、該ギャップの増大
に比例して磁気抵抗も増大する。そのためこれを補うた
めにも電流を増やすことが必要となり、モータとしても
大型になるという問題もある。
【0004】また、これとは別に汎用のモータに使用さ
れる有機絶縁材料に替わり無機絶縁材料のみで絶縁した
電気機器コイルが構成できれば、小型化はできる。これ
は無機絶縁材料の多くは化学的に安定で耐環境性に優れ
ており、キャンレスのモータとして構成することも可能
である。しかしながら、無機絶縁材料は有機絶縁材料と
比較して著しく作業性に劣り、現状の技術では無機絶縁
材料のみで汎用モータを製造することは不可能に近い。
れる有機絶縁材料に替わり無機絶縁材料のみで絶縁した
電気機器コイルが構成できれば、小型化はできる。これ
は無機絶縁材料の多くは化学的に安定で耐環境性に優れ
ており、キャンレスのモータとして構成することも可能
である。しかしながら、無機絶縁材料は有機絶縁材料と
比較して著しく作業性に劣り、現状の技術では無機絶縁
材料のみで汎用モータを製造することは不可能に近い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑
みてなされたもので、絶縁材料として有機絶縁材料を用
い、特殊な環境、特にアンモニア等の腐食性物質の存在
する環境下で使用しても、化学的に安定、耐熱性に優
れ、且つ耐電圧等の電気絶縁性に優れ、キャンで絶縁物
を含むコイルを覆う必要がない電気機器コイル及びその
製造方法を提供することを目的とする。
みてなされたもので、絶縁材料として有機絶縁材料を用
い、特殊な環境、特にアンモニア等の腐食性物質の存在
する環境下で使用しても、化学的に安定、耐熱性に優
れ、且つ耐電圧等の電気絶縁性に優れ、キャンで絶縁物
を含むコイルを覆う必要がない電気機器コイル及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、導体線の外表面にポリイ
ミドフィルムをテフロン材で被覆してなる絶縁フィルム
を巻回して絶縁電線とし、該絶縁電線を規定の電気機器
コイル形状に形成して電気機器コイル体を形成し、加熱
により絶縁フィルムのポリイミドフィルムを覆うテフロ
ン材を溶融すると共に、該電気機器コイル体の隣接する
絶縁電線間の絶縁フィルムのテフロン材を溶融して一体
化したことを特徴とする電気機器コイルにある。
め、請求項1に記載の発明は、導体線の外表面にポリイ
ミドフィルムをテフロン材で被覆してなる絶縁フィルム
を巻回して絶縁電線とし、該絶縁電線を規定の電気機器
コイル形状に形成して電気機器コイル体を形成し、加熱
により絶縁フィルムのポリイミドフィルムを覆うテフロ
ン材を溶融すると共に、該電気機器コイル体の隣接する
絶縁電線間の絶縁フィルムのテフロン材を溶融して一体
化したことを特徴とする電気機器コイルにある。
【0007】上記絶縁フィルムを構成するテフロン材は
有機材料であり、化学的に安定、且つ耐熱性に優れたも
のであるが、耐電圧等の電気的特性に難がある。一方、
ポリイミドフィルムは耐電圧等の電気絶縁性に優れてい
るものの耐アルカリ性、特に耐アンモニア性に難があ
る。上記のように電気絶縁性に優れたポリイミドフィル
ムを骨材とし、該ポリイミドフィルムの外表面をテフロ
ン材で被覆して絶縁フィルムとすることにより、該絶縁
フィルムは化学的に安定、耐熱性に優れ、且つ耐電圧等
の電気絶縁性に優れたものとなる。
有機材料であり、化学的に安定、且つ耐熱性に優れたも
のであるが、耐電圧等の電気的特性に難がある。一方、
ポリイミドフィルムは耐電圧等の電気絶縁性に優れてい
るものの耐アルカリ性、特に耐アンモニア性に難があ
る。上記のように電気絶縁性に優れたポリイミドフィル
ムを骨材とし、該ポリイミドフィルムの外表面をテフロ
ン材で被覆して絶縁フィルムとすることにより、該絶縁
フィルムは化学的に安定、耐熱性に優れ、且つ耐電圧等
の電気絶縁性に優れたものとなる。
【0008】従って、上記絶縁フィルムで導体線を被覆
して絶縁電線を構成し、該絶縁電線で電気機器コイル体
を形成し、加熱して絶縁フィルムのポリイミドフィルム
を覆うテフロン材を溶融すると共に、該電気機器コイル
体の隣接する絶縁電線間の絶縁フィルムのテフロン材を
溶融して一体化した上記電気機器コイルは上記特殊な環
境下、特にアンモニアが存在する環境下で使用される電
気機器のコイルとして優れたものとなる。
して絶縁電線を構成し、該絶縁電線で電気機器コイル体
を形成し、加熱して絶縁フィルムのポリイミドフィルム
を覆うテフロン材を溶融すると共に、該電気機器コイル
体の隣接する絶縁電線間の絶縁フィルムのテフロン材を
溶融して一体化した上記電気機器コイルは上記特殊な環
境下、特にアンモニアが存在する環境下で使用される電
気機器のコイルとして優れたものとなる。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、導体線の
外表面にポリイミドフィルムをテフロン材で被覆してな
る絶縁フィルムを巻回して絶縁電線とし、該絶縁電線を
規定の電気機器コイル形状に形成して電気機器コイル体
を形成した後、該電気機器コイル体を電気機器の鉄心ス
ロットに挿入し、該鉄心ごと加熱して絶縁フィルムのポ
リイミドフィルムを覆うテフロン材を溶融すると共に、
該電気機器コイル体の隣接する絶縁電線間の絶縁フィル
ムのテフロン材を溶融して一体化したことを特徴とする
電気機器コイルの製造方法にある。
外表面にポリイミドフィルムをテフロン材で被覆してな
る絶縁フィルムを巻回して絶縁電線とし、該絶縁電線を
規定の電気機器コイル形状に形成して電気機器コイル体
を形成した後、該電気機器コイル体を電気機器の鉄心ス
ロットに挿入し、該鉄心ごと加熱して絶縁フィルムのポ
リイミドフィルムを覆うテフロン材を溶融すると共に、
該電気機器コイル体の隣接する絶縁電線間の絶縁フィル
ムのテフロン材を溶融して一体化したことを特徴とする
電気機器コイルの製造方法にある。
【0010】上記のように、電気機器コイル体を鉄心ス
ロットに挿入し、該鉄心ごと加熱して絶縁フィルムのポ
リイミドフィルムを覆うテフロン材を溶融すると共に、
隣接する絶縁電線間の絶縁フィルムのテフロン材を溶融
して一体化するので、電気機器コイル体を加熱するため
の特別な治具を用いることなく、上記特殊な環境下で使
用するのに適した電気機器コイルを電気機器鉄心に組み
込んだ状態で容易に製造することができる。
ロットに挿入し、該鉄心ごと加熱して絶縁フィルムのポ
リイミドフィルムを覆うテフロン材を溶融すると共に、
隣接する絶縁電線間の絶縁フィルムのテフロン材を溶融
して一体化するので、電気機器コイル体を加熱するため
の特別な治具を用いることなく、上記特殊な環境下で使
用するのに適した電気機器コイルを電気機器鉄心に組み
込んだ状態で容易に製造することができる。
【0011】また、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の電気機器コイルの製造方法において、絶縁フィ
ルムのポリイミドフィルムを覆うテフロン材と同等又は
近似温度で熱溶融するテフロン材の懸濁液を前記電気機
器コイル体に塗布又は浸漬して該ポリイミドフィルムを
覆うテフロン材と該テフロン材の懸濁液とを同時に溶融
して一体化したことを特徴とする。
に記載の電気機器コイルの製造方法において、絶縁フィ
ルムのポリイミドフィルムを覆うテフロン材と同等又は
近似温度で熱溶融するテフロン材の懸濁液を前記電気機
器コイル体に塗布又は浸漬して該ポリイミドフィルムを
覆うテフロン材と該テフロン材の懸濁液とを同時に溶融
して一体化したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例を図
面に基づいて説明する。本発明に係る電気機器コイルと
して、低電圧モータの乱巻きコイルの製造方法について
説明する。直径1.2mmのアルミ線に厚さ0.05m
mのフロリネイテドエチレンプロピレンコーポリマー
(FEP)で外表面を被覆したポリイミドテープ(0.
0125mm厚さのFEP+0.025mm厚さのポリ
イミド+0.0125mm厚さのFEP)からなる絶縁
フィルムテープを1/2重ね巻きで2回施して絶縁電線
を構成した。この絶縁電線を規定の小判形状に形成して
モータコイル体を形成した。
面に基づいて説明する。本発明に係る電気機器コイルと
して、低電圧モータの乱巻きコイルの製造方法について
説明する。直径1.2mmのアルミ線に厚さ0.05m
mのフロリネイテドエチレンプロピレンコーポリマー
(FEP)で外表面を被覆したポリイミドテープ(0.
0125mm厚さのFEP+0.025mm厚さのポリ
イミド+0.0125mm厚さのFEP)からなる絶縁
フィルムテープを1/2重ね巻きで2回施して絶縁電線
を構成した。この絶縁電線を規定の小判形状に形成して
モータコイル体を形成した。
【0013】図1は上記モータコイル体をモータ固定子
鉄心に組み込んだモータ固定子の一部断面図である。図
1に示すモータ固定子鉄心10のスロット6にモータコ
イル体9を挿入するのであるが、該スロット6内面に予
めガラスクロスの両面をテフロンで被覆処理したテフロ
ン両面処理ガラスクロスを短冊状に切断した絶縁材でス
ロット絶縁層4を形成し、該スロット6に上記モータコ
イル体9を納め、スロット6の上部にテフロン材からな
る楔5を挿入して固定する。これにより、スロット6内
はアルミ線1の外表面を上記両面をテフロンで被覆処理
したポリイミドテープからなる絶縁フィルム層2で被覆
された絶縁電線7の束からなるモータコイル体9が埋め
込まれる。
鉄心に組み込んだモータ固定子の一部断面図である。図
1に示すモータ固定子鉄心10のスロット6にモータコ
イル体9を挿入するのであるが、該スロット6内面に予
めガラスクロスの両面をテフロンで被覆処理したテフロ
ン両面処理ガラスクロスを短冊状に切断した絶縁材でス
ロット絶縁層4を形成し、該スロット6に上記モータコ
イル体9を納め、スロット6の上部にテフロン材からな
る楔5を挿入して固定する。これにより、スロット6内
はアルミ線1の外表面を上記両面をテフロンで被覆処理
したポリイミドテープからなる絶縁フィルム層2で被覆
された絶縁電線7の束からなるモータコイル体9が埋め
込まれる。
【0014】この時、1つのスロット6の中に、相の異
なるモータコイル体9が上と下に挿入されるため、上下
のモータコイル体9とモータコイル体9が直接接触する
ことがないように、スロット絶縁層4と同様のテフロン
両面処理ガラスを短冊状に切断した絶縁材で相間絶縁層
3を形成する。
なるモータコイル体9が上と下に挿入されるため、上下
のモータコイル体9とモータコイル体9が直接接触する
ことがないように、スロット絶縁層4と同様のテフロン
両面処理ガラスを短冊状に切断した絶縁材で相間絶縁層
3を形成する。
【0015】これとは別にフロリネイテドエチレンプロ
ピレンコーポリマー(FEP)の25%懸濁液を用意
し、モータコイル体9をモータ固定子鉄心10に納めた
状態でこの懸濁液をモータコイル体9の全体に塗布し
た。
ピレンコーポリマー(FEP)の25%懸濁液を用意
し、モータコイル体9をモータ固定子鉄心10に納めた
状態でこの懸濁液をモータコイル体9の全体に塗布し
た。
【0016】上記のようにモータ固定子鉄心10のスロ
ット6に納めたモータコイル体9を該モータ固定子鉄心
10と共に280℃の恒温槽で3時間加熱し、その後該
恒温槽の熱源を断ち、該モータ固定子鉄心10及びモー
タコイル体9を徐冷してモータ固定子鉄心10とモータ
コイル体9の組立体、即ちモータ固定子を完成させる。
ット6に納めたモータコイル体9を該モータ固定子鉄心
10と共に280℃の恒温槽で3時間加熱し、その後該
恒温槽の熱源を断ち、該モータ固定子鉄心10及びモー
タコイル体9を徐冷してモータ固定子鉄心10とモータ
コイル体9の組立体、即ちモータ固定子を完成させる。
【0017】上記のように加熱することにより、アルミ
線1の外表面を覆った絶縁フィルム層2のテフロンが溶
融して、図2(a)の状態から、図2(b)のようにな
る。ポリイミドテープ8−2の両面をテフロン材8−
1、8−1で被覆処理してなる絶縁フィルム8をアルミ
線1に巻いて絶縁フィルム層2を形成しただけでは、該
絶縁フィルム層2は図2(a)に示すように、重なり合
う絶縁フィルム8はテフロン材8−1及び8−1が重な
り合った状態である。これを加熱することにより隣接す
るテフロン材8−1及び8−1は溶融し、図2(b)に
示すように一体のテフロン層8−3になる。また、図示
は省略するが、モータコイル体9内の隣接する絶縁電線
7の絶縁フィルム層2のテフロン材8−1も溶融して一
体化する。
線1の外表面を覆った絶縁フィルム層2のテフロンが溶
融して、図2(a)の状態から、図2(b)のようにな
る。ポリイミドテープ8−2の両面をテフロン材8−
1、8−1で被覆処理してなる絶縁フィルム8をアルミ
線1に巻いて絶縁フィルム層2を形成しただけでは、該
絶縁フィルム層2は図2(a)に示すように、重なり合
う絶縁フィルム8はテフロン材8−1及び8−1が重な
り合った状態である。これを加熱することにより隣接す
るテフロン材8−1及び8−1は溶融し、図2(b)に
示すように一体のテフロン層8−3になる。また、図示
は省略するが、モータコイル体9内の隣接する絶縁電線
7の絶縁フィルム層2のテフロン材8−1も溶融して一
体化する。
【0018】上記のようにして製造したモータ固定子と
別途製造したモータ回転子を組み合わせモータとして組
み立てる。このモータの内部に80℃の温水を充満させ
ると共に、外部に配置したポンプでこの温水を循環させ
て20日間稼働させたが、大気雰囲気中と同様、正常に
稼働した。また、稼働前後における絶縁特性に大きな変
化は認められなかった。
別途製造したモータ回転子を組み合わせモータとして組
み立てる。このモータの内部に80℃の温水を充満させ
ると共に、外部に配置したポンプでこの温水を循環させ
て20日間稼働させたが、大気雰囲気中と同様、正常に
稼働した。また、稼働前後における絶縁特性に大きな変
化は認められなかった。
【0019】次いで、上記温水の替わりに液体アンモニ
アを充満させ該液体アンモニアを強制的に循環させなが
らモータを稼働させた。なお、循環系統は強制的に冷却
したアンモニアが液体を維持できるように配慮した。し
かし、アンモニアは液体で供給したものの温度の高いモ
ータコイル体9に接触したときガス体、又はモータ外部
に出るときは液体と、その時々によってアンモニアの状
態が変わりモータコイル体9には時には液体、時にはガ
ス体が接触するが、接触した稼働前後における絶縁特性
に変化は認められなかった。試験装置にはモータ内部の
圧力が異常に上昇するのを回避するため10kg/cm
2以上で放圧する放圧弁も設置した。
アを充満させ該液体アンモニアを強制的に循環させなが
らモータを稼働させた。なお、循環系統は強制的に冷却
したアンモニアが液体を維持できるように配慮した。し
かし、アンモニアは液体で供給したものの温度の高いモ
ータコイル体9に接触したときガス体、又はモータ外部
に出るときは液体と、その時々によってアンモニアの状
態が変わりモータコイル体9には時には液体、時にはガ
ス体が接触するが、接触した稼働前後における絶縁特性
に変化は認められなかった。試験装置にはモータ内部の
圧力が異常に上昇するのを回避するため10kg/cm
2以上で放圧する放圧弁も設置した。
【0020】また、上記評価終了後、モータコイル体9
を切断し、顕微鏡で絶縁電線7の絶縁フィルム層2を調
査した。その結果、絶縁フィルム8のポリイミドテープ
8−2は全面が溶融したテフロン材8−1〔図2(b)
参照〕で覆われており、ポリイミドテープ8−2がアン
モニアに触れた形跡は全く認められなかった。また、モ
ータコイル体9の端部、即ちスロット6から出た部分を
切り出し切断部を上にし、端部を水に浸漬してV−t試
験を実施した。試験電圧2KVを印加し、2,000時
間経過しても異常が認められなかった。
を切断し、顕微鏡で絶縁電線7の絶縁フィルム層2を調
査した。その結果、絶縁フィルム8のポリイミドテープ
8−2は全面が溶融したテフロン材8−1〔図2(b)
参照〕で覆われており、ポリイミドテープ8−2がアン
モニアに触れた形跡は全く認められなかった。また、モ
ータコイル体9の端部、即ちスロット6から出た部分を
切り出し切断部を上にし、端部を水に浸漬してV−t試
験を実施した。試験電圧2KVを印加し、2,000時
間経過しても異常が認められなかった。
【0021】ちなみに、直径1.2mmのアルミ線に厚
さ0.05mmのテフロンテープを1/2重ね巻きで2
回施して絶縁電線を構成し、該絶縁電線を上記と同様の
V−t試験を実施した結果、1,000時間以内に10
個の資料の全てが破壊した。
さ0.05mmのテフロンテープを1/2重ね巻きで2
回施して絶縁電線を構成し、該絶縁電線を上記と同様の
V−t試験を実施した結果、1,000時間以内に10
個の資料の全てが破壊した。
【0022】上記のように絶縁電線7の絶縁フィルム層
2を形成する絶縁フィルム8はポリイミドテープ8−2
の両面をテフロン材8−1及び8−1で被覆した構成で
あり、該絶縁フィルム8をアルミ線1に巻回して絶縁フ
ィルム層2を形成した絶縁電線7を用いてモータコイル
体9を形成し、該モータコイル体9をモータ固定子鉄心
10のスロット6に挿入し、そして該モータ固定子鉄心
10ごと加熱している。これにより、アルミ線1に接し
たテフロン材8−1はアルミ線1とポリイミドテープ8
−2を溶着し、ポリイミドテープ8−2の外側のテフロ
ン材8−1は均一に溶融して、ポリイミドテープ8−2
の外表面を覆いポリイミドテープ8−2の表面が直接特
殊な環境下に曝されることがないようになる。
2を形成する絶縁フィルム8はポリイミドテープ8−2
の両面をテフロン材8−1及び8−1で被覆した構成で
あり、該絶縁フィルム8をアルミ線1に巻回して絶縁フ
ィルム層2を形成した絶縁電線7を用いてモータコイル
体9を形成し、該モータコイル体9をモータ固定子鉄心
10のスロット6に挿入し、そして該モータ固定子鉄心
10ごと加熱している。これにより、アルミ線1に接し
たテフロン材8−1はアルミ線1とポリイミドテープ8
−2を溶着し、ポリイミドテープ8−2の外側のテフロ
ン材8−1は均一に溶融して、ポリイミドテープ8−2
の外表面を覆いポリイミドテープ8−2の表面が直接特
殊な環境下に曝されることがないようになる。
【0023】また、溶融時には隣接する絶縁電線7の絶
縁フィルム層2のテフロン材8−1同士も溶着するため
汎用モータで実施しているようなワニス処理等は必要な
い。更に、モータコイル体9はアルミ線1にポリイミド
テープ8−2の両面をテフロン材8−1及び8−1で被
覆した構成の絶縁フィルム8を巻回した構成の絶縁電線
7を構成し、該絶縁電線7を所定形状のモータコイル体
9に形成しているので、絶縁電線7を曲げるときの応力
は絶縁フィルム8のズレによって緩和することが可能で
ある。また、絶縁フィルム8の重なる部分はテフロン材
8−1であるため、非常に滑り易くズレ易い。
縁フィルム層2のテフロン材8−1同士も溶着するため
汎用モータで実施しているようなワニス処理等は必要な
い。更に、モータコイル体9はアルミ線1にポリイミド
テープ8−2の両面をテフロン材8−1及び8−1で被
覆した構成の絶縁フィルム8を巻回した構成の絶縁電線
7を構成し、該絶縁電線7を所定形状のモータコイル体
9に形成しているので、絶縁電線7を曲げるときの応力
は絶縁フィルム8のズレによって緩和することが可能で
ある。また、絶縁フィルム8の重なる部分はテフロン材
8−1であるため、非常に滑り易くズレ易い。
【0024】更に、この後、加熱溶融させて絶縁フィル
ム8を密着させるためモータコイルとなった後の絶縁フ
ィルム8の残留応力は殆ど解除される。従って、クリー
プ等による絶縁フィルム8の劣化は皆無となる。
ム8を密着させるためモータコイルとなった後の絶縁フ
ィルム8の残留応力は殆ど解除される。従って、クリー
プ等による絶縁フィルム8の劣化は皆無となる。
【0025】なお、上記実施形態例では、モータコイル
体9をモータ固定子鉄心10のスロット6に挿入し、モ
ータ固定子鉄心10ごと加熱し、絶縁フィルム8のテフ
ロン材8−1を溶融させて一体化させる例を示したが、
これに限定されるものではなく、モータコイル体9を例
えば他の加熱用治具に装着し、加熱することにより絶縁
フィルム8のテフロン材8−1を溶融させて一体化させ
てもよい。また、上記例では導体線としてアルミ線を用
いたが、導体線はアルミ線に限定されるものでないこと
は当然である。
体9をモータ固定子鉄心10のスロット6に挿入し、モ
ータ固定子鉄心10ごと加熱し、絶縁フィルム8のテフ
ロン材8−1を溶融させて一体化させる例を示したが、
これに限定されるものではなく、モータコイル体9を例
えば他の加熱用治具に装着し、加熱することにより絶縁
フィルム8のテフロン材8−1を溶融させて一体化させ
てもよい。また、上記例では導体線としてアルミ線を用
いたが、導体線はアルミ線に限定されるものでないこと
は当然である。
【0026】また、上記実施形態例では、モータコイル
を例に説明したが、本発明に係る電気機器コイルはモー
タコイルに限定されるものではなく、上記のような特殊
な環境で使用する電気機器のコイルとして広く利用でき
る。
を例に説明したが、本発明に係る電気機器コイルはモー
タコイルに限定されるものではなく、上記のような特殊
な環境で使用する電気機器のコイルとして広く利用でき
る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように各請求項に記載の発
明によれば、下記のような優れた効果が期待できる。
明によれば、下記のような優れた効果が期待できる。
【0028】請求項1に記載の発明によれば、電気的特
性に優れたポリイミドフィルムを骨材とし、該ポリイミ
ドフィルムの外表面を化学的に安定、且つ耐熱性に優れ
たテフロン材で被覆した絶縁フィルムで導体線を被覆し
て絶縁電線を構成し、該絶縁電線で電気機器コイル体を
形成し、加熱により絶縁フィルムのポリイミドフィルム
を覆うテフロン材を溶融すると共に、該電気機器コイル
体の隣接する絶縁電線間の絶縁フィルムのテフロン材も
溶融して一体化した構成とするので、特殊な腐食環境
下、特にアンモニアが存在する環境下で使用するのに好
適な電気機器のコイルを提供できる。
性に優れたポリイミドフィルムを骨材とし、該ポリイミ
ドフィルムの外表面を化学的に安定、且つ耐熱性に優れ
たテフロン材で被覆した絶縁フィルムで導体線を被覆し
て絶縁電線を構成し、該絶縁電線で電気機器コイル体を
形成し、加熱により絶縁フィルムのポリイミドフィルム
を覆うテフロン材を溶融すると共に、該電気機器コイル
体の隣接する絶縁電線間の絶縁フィルムのテフロン材も
溶融して一体化した構成とするので、特殊な腐食環境
下、特にアンモニアが存在する環境下で使用するのに好
適な電気機器のコイルを提供できる。
【0029】請求項2及び3に記載の発明によれば、電
気機器コイル体を鉄心スロットに挿入し、該鉄心ごと加
熱して絶縁フィルムのポリイミドフィルムを覆うテフロ
ン材を溶融すると共に、隣接する絶縁電線間の絶縁フィ
ルムのテフロン材も溶融して一体化するので、電気機器
コイル体を加熱するための特別な治具を用いることな
く、特殊な腐食環境下、特にアンモニアが存在する環境
下で使用するのに好適な電気機器のコイルを鉄心と組立
てた状態で容易に製造することができる。
気機器コイル体を鉄心スロットに挿入し、該鉄心ごと加
熱して絶縁フィルムのポリイミドフィルムを覆うテフロ
ン材を溶融すると共に、隣接する絶縁電線間の絶縁フィ
ルムのテフロン材も溶融して一体化するので、電気機器
コイル体を加熱するための特別な治具を用いることな
く、特殊な腐食環境下、特にアンモニアが存在する環境
下で使用するのに好適な電気機器のコイルを鉄心と組立
てた状態で容易に製造することができる。
【図1】本発明に係る低圧モータの固定子鉄心及びモー
タコイル体の一部断面を示す図である。
タコイル体の一部断面を示す図である。
【図2】本発明に係る電気機器コイルの絶縁フィルム層
の断面形状を示す図で、図2(a)は加熱溶融する前
を、図2(b)は加熱溶融後を示す図である。
の断面形状を示す図で、図2(a)は加熱溶融する前
を、図2(b)は加熱溶融後を示す図である。
1 アルミ線 2 絶縁フィルム層 3 相間絶縁層 4 スロット絶縁層 5 楔 6 スロット 7 絶縁電線 8 絶縁フィルム 8−1 テフロン材 8−2 ポリイミドテープ 8−3 テフロン層 9 モータコイル体 10 モータ固定子鉄心
Claims (3)
- 【請求項1】 導体線の外表面にポリイミドフィルムを
テフロン材で被覆してなる絶縁フィルムを巻回して絶縁
電線とし、該絶縁電線を規定の電気機器コイル形状に形
成して電気機器コイル体を形成し、加熱により前記絶縁
フィルムのポリイミドフィルムを覆うテフロン材を溶融
すると共に、該電気機器コイル体の隣接する絶縁電線間
の絶縁フィルムのテフロン材を溶融して一体化したこと
を特徴とする電気機器コイル。 - 【請求項2】 導体線の外表面にポリイミドフィルムを
テフロン材で被覆してなる絶縁フィルムを巻回して絶縁
電線とし、該絶縁電線を規定の電気機器コイル形状に形
成して電気機器コイル体を形成した後、該電気機器コイ
ル体を電気機器の鉄心スロットに挿入し、該鉄心ごと加
熱して絶縁フィルムのポリイミドフィルムを覆うテフロ
ン材を溶融すると共に、該電気機器コイル体の隣接する
絶縁電線間の絶縁フィルムのテフロン材を溶融して一体
化したことを特徴とする電気機器コイルの製造方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載の電気機器コイルの製造
方法において、 前記絶縁フィルムのポリイミドフィルムを覆うテフロン
材と同等又は近似温度で熱溶融するテフロン材の懸濁液
を前記電気機器コイル体に塗布又は浸漬して該ポリイミ
ドフィルムを覆うテフロン材と該テフロン材の懸濁液と
を同時に溶融して一体化したことを特徴とする電気機器
コイルの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11060512A JP2000260618A (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | 電気機器コイル及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11060512A JP2000260618A (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | 電気機器コイル及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000260618A true JP2000260618A (ja) | 2000-09-22 |
Family
ID=13144453
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11060512A Pending JP2000260618A (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | 電気機器コイル及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000260618A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012209391A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-25 | Uratani Engineering Inc | 配線部品 |
| US8931165B2 (en) | 2011-11-16 | 2015-01-13 | Fujitsu Limited | Method of manufacturing coil device |
| CN104868428A (zh) * | 2015-06-12 | 2015-08-26 | 国网冀北电力有限公司唐山供电公司 | 一种架设中低压架空电力线路的绝缘线连接方法 |
| RU2722659C1 (ru) * | 2019-08-19 | 2020-06-02 | Сергей Александрович Моляков | Трансформатор и способ его изготовления |
-
1999
- 1999-03-08 JP JP11060512A patent/JP2000260618A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012209391A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-25 | Uratani Engineering Inc | 配線部品 |
| US8931165B2 (en) | 2011-11-16 | 2015-01-13 | Fujitsu Limited | Method of manufacturing coil device |
| CN104868428A (zh) * | 2015-06-12 | 2015-08-26 | 国网冀北电力有限公司唐山供电公司 | 一种架设中低压架空电力线路的绝缘线连接方法 |
| RU2722659C1 (ru) * | 2019-08-19 | 2020-06-02 | Сергей Александрович Моляков | Трансформатор и способ его изготовления |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20050915 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050915 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080715 |
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| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081111 |