JP2000262607A - 創傷被覆材 - Google Patents
創傷被覆材Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 創傷面から多量の浸出液を吸収してゲル化す
ることにより創傷を保護し、適度に水分を保持・蒸散し
て創傷治癒に適した湿潤環境を形成し、かつ材料由来の
残留物が少なく、安全性に優れる創傷被覆材を提供す
る。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系重合体を有機溶
剤から主としてなる溶媒または分散媒に溶解または分散
してなる紡糸原液を固化浴中に湿式ゲル紡糸または乾湿
式ゲル紡糸することにより得られる繊維からなる創傷被
覆材により上記の課題が解決される。
ることにより創傷を保護し、適度に水分を保持・蒸散し
て創傷治癒に適した湿潤環境を形成し、かつ材料由来の
残留物が少なく、安全性に優れる創傷被覆材を提供す
る。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系重合体を有機溶
剤から主としてなる溶媒または分散媒に溶解または分散
してなる紡糸原液を固化浴中に湿式ゲル紡糸または乾湿
式ゲル紡糸することにより得られる繊維からなる創傷被
覆材により上記の課題が解決される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は創傷被覆材に関す
る。本発明の創傷被覆材は、浸出液の吸収性、湿潤環境
保持能および安全性に優れる。
る。本発明の創傷被覆材は、浸出液の吸収性、湿潤環境
保持能および安全性に優れる。
【0002】
【従来の技術】従来、創傷の治療は、放置するかガーゼ
等で保護することにより自然治癒を待つのが主流であっ
たが、1960年頃より創傷面を膜などで密閉して体液
の蒸散および外来の微生物による感染を防止するととも
に、湿潤環境を形成して生体由来の創傷治癒因子を保持
することが創傷治癒に有効であることが認められるよう
になった。
等で保護することにより自然治癒を待つのが主流であっ
たが、1960年頃より創傷面を膜などで密閉して体液
の蒸散および外来の微生物による感染を防止するととも
に、湿潤環境を形成して生体由来の創傷治癒因子を保持
することが創傷治癒に有効であることが認められるよう
になった。
【0003】この目的のため、フィルム状被覆材、吸水
性ハイドロコロイド状被覆材、多孔性被覆材、ハイドロ
ゲル状被覆材などが提案されている。しかしながら、フ
ィルム状被覆材、多孔性被覆材、ハイドロゲル状被覆材
は浸出液の保持性能が低く、浸出液が多い創の治療には
適さない。また、ハイドロコロイド状被覆材は新生皮膚
が過度に膨潤したり、粒子状の吸水剤が創面に残留し、
炎症反応を引き起こすなどの問題点があった。
性ハイドロコロイド状被覆材、多孔性被覆材、ハイドロ
ゲル状被覆材などが提案されている。しかしながら、フ
ィルム状被覆材、多孔性被覆材、ハイドロゲル状被覆材
は浸出液の保持性能が低く、浸出液が多い創の治療には
適さない。また、ハイドロコロイド状被覆材は新生皮膚
が過度に膨潤したり、粒子状の吸水剤が創面に残留し、
炎症反応を引き起こすなどの問題点があった。
【0004】また、多糖類のアルギン酸塩をカルシウム
により架橋して不織布とした創傷被覆材も使用されてい
るが、天然物由来であるために品質を一定に保持するこ
とが難しく、また繊維が組織内に残留して炎症を起こす
場合があり、またカルシウムの細胞毒性のために治癒が
遅延するという問題点があった。
により架橋して不織布とした創傷被覆材も使用されてい
るが、天然物由来であるために品質を一定に保持するこ
とが難しく、また繊維が組織内に残留して炎症を起こす
場合があり、またカルシウムの細胞毒性のために治癒が
遅延するという問題点があった。
【0005】そして、ポリビニルアルコール系重合体の
水系原液と他の水溶性ポリマー原液を複合紡糸して得た
含水繊維に、凍結処理、解凍処理、水溶性ポリマーの除
去処理を施すことにより得られる極細ゲル繊維が知られ
ている(特開平2−145809号)が、このゲル繊維
は凍結・融解を繰り返すことにより製造されていること
から、強度は高くなるが、吸水率が小さく、創傷被覆材
の材料には適さない。
水系原液と他の水溶性ポリマー原液を複合紡糸して得た
含水繊維に、凍結処理、解凍処理、水溶性ポリマーの除
去処理を施すことにより得られる極細ゲル繊維が知られ
ている(特開平2−145809号)が、このゲル繊維
は凍結・融解を繰り返すことにより製造されていること
から、強度は高くなるが、吸水率が小さく、創傷被覆材
の材料には適さない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかして、本発明の目
的は、創傷面から多量の浸出液を吸収してゲル化するこ
とにより創傷を保護し、適度に水分を保持・蒸散して創
傷治癒に適した湿潤環境を形成し、かつ材料由来の残留
物が少なく、安全性に優れる創傷被覆材を提供すること
にある。
的は、創傷面から多量の浸出液を吸収してゲル化するこ
とにより創傷を保護し、適度に水分を保持・蒸散して創
傷治癒に適した湿潤環境を形成し、かつ材料由来の残留
物が少なく、安全性に優れる創傷被覆材を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、ポリビニルアルコール系重合体(以下、これを
PVA系重合体と称することがある)を有機溶剤から主
としてなる溶媒または分散媒に溶解または分散してなる
紡糸原液を固化浴中に湿式ゲル紡糸または乾湿式ゲル紡
糸することにより得られる繊維(以下、これをPVA系
繊維と称することがある)からなる創傷被覆材を提供す
ることにより達成される。
目的は、ポリビニルアルコール系重合体(以下、これを
PVA系重合体と称することがある)を有機溶剤から主
としてなる溶媒または分散媒に溶解または分散してなる
紡糸原液を固化浴中に湿式ゲル紡糸または乾湿式ゲル紡
糸することにより得られる繊維(以下、これをPVA系
繊維と称することがある)からなる創傷被覆材を提供す
ることにより達成される。
【0008】本発明におけるPVA系重合体は、ビニル
アルコール単位から主としてなる重合体であり、酢酸ビ
ニル、ピバリン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、トリフ
ルオロ酢酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステルの重合体
(以下、これをポリ脂肪酸ビニルと称することがある)
をケン化することにより得られる。上記の脂肪酸ビニル
エステルとしては、ケン化反応の容易性、入手の容易性
の観点から、酢酸ビニルが好ましい。該PVA系重合体
は、30モル%以下であれば、エチレン、アリルアルコ
ール、イタコン酸、アクリル酸、無水マレイン酸、マレ
イン酸、アリールスルホン酸、ビニルピロリドン等から
誘導される構造単位を含んでいてもよい。
アルコール単位から主としてなる重合体であり、酢酸ビ
ニル、ピバリン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、トリフ
ルオロ酢酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステルの重合体
(以下、これをポリ脂肪酸ビニルと称することがある)
をケン化することにより得られる。上記の脂肪酸ビニル
エステルとしては、ケン化反応の容易性、入手の容易性
の観点から、酢酸ビニルが好ましい。該PVA系重合体
は、30モル%以下であれば、エチレン、アリルアルコ
ール、イタコン酸、アクリル酸、無水マレイン酸、マレ
イン酸、アリールスルホン酸、ビニルピロリドン等から
誘導される構造単位を含んでいてもよい。
【0009】PVA系重合体のケン化度(原料物質であ
るポリ脂肪酸ビニルのケン化度)が低すぎると、水溶性
が高くなりすぎて、創傷被覆材として創傷に適用した場
合、浸出液を吸収して溶解し易くなることから、該PV
A系重合体のケン化度は、94〜99.99モル%の範
囲内であるのが好ましい。また、PVA系重合体の重合
度は、強度および工業的生産性の観点から、500〜2
4,000の範囲内であるのが好ましく、1,500〜
4,000の範囲内であるのがより好ましい。このよう
なPVA系重合体から製造される繊維は、機械的絡合に
より創傷被覆材を形成するのに適している。
るポリ脂肪酸ビニルのケン化度)が低すぎると、水溶性
が高くなりすぎて、創傷被覆材として創傷に適用した場
合、浸出液を吸収して溶解し易くなることから、該PV
A系重合体のケン化度は、94〜99.99モル%の範
囲内であるのが好ましい。また、PVA系重合体の重合
度は、強度および工業的生産性の観点から、500〜2
4,000の範囲内であるのが好ましく、1,500〜
4,000の範囲内であるのがより好ましい。このよう
なPVA系重合体から製造される繊維は、機械的絡合に
より創傷被覆材を形成するのに適している。
【0010】一方、熱圧着によりPVA系繊維を創傷被
覆材とする場合には、PVA系繊維として、融点が19
0℃以上のPVA系重合体(以下、これを高融点PVA
系重合体ということがある)からなる連続相および融点
または融着温度が連続相の融点または融着温度より20
℃以上低いPVA系重合体(以下、これを低融点PVA
系重合体ということがある)からなる分散相から構成さ
れる相分離構造を有する繊維を用いるのが好ましい。か
かる構成のPVA系繊維を熱圧着することにより、繊維
最表層の高融点PVA系重合体の相が破れ、表層近くの
分散相を形成している低融点ポリマー相が繊維表面に押
出され、別の繊維の分散相と融着したり、表面の高融点
ポリマーと接着することにより、接着剤を使用せずに創
傷被覆材とすることができる。
覆材とする場合には、PVA系繊維として、融点が19
0℃以上のPVA系重合体(以下、これを高融点PVA
系重合体ということがある)からなる連続相および融点
または融着温度が連続相の融点または融着温度より20
℃以上低いPVA系重合体(以下、これを低融点PVA
系重合体ということがある)からなる分散相から構成さ
れる相分離構造を有する繊維を用いるのが好ましい。か
かる構成のPVA系繊維を熱圧着することにより、繊維
最表層の高融点PVA系重合体の相が破れ、表層近くの
分散相を形成している低融点ポリマー相が繊維表面に押
出され、別の繊維の分散相と融着したり、表面の高融点
ポリマーと接着することにより、接着剤を使用せずに創
傷被覆材とすることができる。
【0011】上記の連続相を形成する高融点PVA系重
合体の融点が190℃未満の場合には、それから得られ
る創傷被覆材の耐熱性、耐水性、強度が低下する傾向が
ある。また高融点PVA系重合体の融点の上限は特に制
限されないが、通常、PVA系重合体の融点は260℃
以下である。
合体の融点が190℃未満の場合には、それから得られ
る創傷被覆材の耐熱性、耐水性、強度が低下する傾向が
ある。また高融点PVA系重合体の融点の上限は特に制
限されないが、通常、PVA系重合体の融点は260℃
以下である。
【0012】高融点PVA系重合体の重合度としては、
強度および工業的生産性の観点から、500〜24,0
00の範囲内であるのが好ましく、1,500〜4,0
00の範囲内であるのがより好ましい。また、耐水性お
よび熱圧着性の観点から、高融点PVAのケン化度とし
ては、94〜99.99モル%の範囲内であるのが好ま
しい。
強度および工業的生産性の観点から、500〜24,0
00の範囲内であるのが好ましく、1,500〜4,0
00の範囲内であるのがより好ましい。また、耐水性お
よび熱圧着性の観点から、高融点PVAのケン化度とし
ては、94〜99.99モル%の範囲内であるのが好ま
しい。
【0013】上記の分散相を形成する低融点PVA系重
合体の融点または融着温度が高融点PVA系重合体の融
点または融着温度より20℃以上低くない場合には、熱
圧着時に連続相を形成する高融点PVA系重合体の配向
性がくずれたり、結晶性が低下する傾向がある。
合体の融点または融着温度が高融点PVA系重合体の融
点または融着温度より20℃以上低くない場合には、熱
圧着時に連続相を形成する高融点PVA系重合体の配向
性がくずれたり、結晶性が低下する傾向がある。
【0014】分散相を形成する低融点PVA系重合体と
しては、後述する相分離混合紡糸のため、高融点PVA
系重合体との適度な相溶性を有するものを用いるのが好
ましく、この目的のためには、低重合度、低ケン化度の
PVA系重合体が適している。かかるPVA系重合体の
重合度としては、50〜4,000の範囲内が好まし
く、200〜2,500の範囲内がより好ましく、ケン
化度としては、60〜96モル%の範囲内が好ましく、
70〜90モル%の範囲内がより好ましい。
しては、後述する相分離混合紡糸のため、高融点PVA
系重合体との適度な相溶性を有するものを用いるのが好
ましく、この目的のためには、低重合度、低ケン化度の
PVA系重合体が適している。かかるPVA系重合体の
重合度としては、50〜4,000の範囲内が好まし
く、200〜2,500の範囲内がより好ましく、ケン
化度としては、60〜96モル%の範囲内が好ましく、
70〜90モル%の範囲内がより好ましい。
【0015】上記の相分離構造を有するPVA系繊維に
おいては、分散相を形成する低融点PVA系重合体が繊
維最表層近くに存在するのが好ましい。このようにする
ことにより、熱圧着時に最表層の高融点PVA系重合体
の相が破れ、分散相の低融点PVAが表層に押し出さ
れ、繊維同士の十分な接着力が得られる。したがって、
繊維最表層より0.01〜2μmの範囲内の位置に低融
点PVA系重合体から形成される分散相の少なくとも一
部を存在させるのが好ましい。分散相は繊維断面方向に
均一に分布させてもよいが、繊維最表層近くにより集中
して分布させるのが好ましい。また分散相は繊維軸方向
に連続であってもよいが、球状または断続した細長い棒
状もしくはラグビーボール状であってもよい。分散相が
繊維最表層に存在すると、繊維間の膠着が生じ易くな
る。
おいては、分散相を形成する低融点PVA系重合体が繊
維最表層近くに存在するのが好ましい。このようにする
ことにより、熱圧着時に最表層の高融点PVA系重合体
の相が破れ、分散相の低融点PVAが表層に押し出さ
れ、繊維同士の十分な接着力が得られる。したがって、
繊維最表層より0.01〜2μmの範囲内の位置に低融
点PVA系重合体から形成される分散相の少なくとも一
部を存在させるのが好ましい。分散相は繊維断面方向に
均一に分布させてもよいが、繊維最表層近くにより集中
して分布させるのが好ましい。また分散相は繊維軸方向
に連続であってもよいが、球状または断続した細長い棒
状もしくはラグビーボール状であってもよい。分散相が
繊維最表層に存在すると、繊維間の膠着が生じ易くな
る。
【0016】上記したポリビニルアルコール系重合体を
有機溶剤から主としてなる溶媒または分散媒に溶解また
は分散してなる紡糸原液を固化浴中に湿式ゲル紡糸また
は乾湿式ゲル紡糸することによりPVA系繊維を製造す
ることができる。上記の有機溶剤としては、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド、N−
メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等の極性
有機溶媒;グリセリン、エチレングリコール等の多価ア
ルコール類およびこれらの混合液などが挙げられ、低温
溶解性、低毒性、低腐食性の点から、DMSOが好まし
い。また、上記の溶媒または分散媒は、40重量%以下
であれば水を含んでいてもよく、該溶媒または分散媒に
おける有機溶剤の含有量は、60重量%以上であるのが
好ましく、90重量%以上であるのがより好ましい。P
VA系重合体と溶媒または分散媒との重量比としては、
3:97〜35:65の範囲内であるのが好ましく、
8:92〜25:75の範囲内であるのがより好まし
い。
有機溶剤から主としてなる溶媒または分散媒に溶解また
は分散してなる紡糸原液を固化浴中に湿式ゲル紡糸また
は乾湿式ゲル紡糸することによりPVA系繊維を製造す
ることができる。上記の有機溶剤としては、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド、N−
メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等の極性
有機溶媒;グリセリン、エチレングリコール等の多価ア
ルコール類およびこれらの混合液などが挙げられ、低温
溶解性、低毒性、低腐食性の点から、DMSOが好まし
い。また、上記の溶媒または分散媒は、40重量%以下
であれば水を含んでいてもよく、該溶媒または分散媒に
おける有機溶剤の含有量は、60重量%以上であるのが
好ましく、90重量%以上であるのがより好ましい。P
VA系重合体と溶媒または分散媒との重量比としては、
3:97〜35:65の範囲内であるのが好ましく、
8:92〜25:75の範囲内であるのがより好まし
い。
【0017】高融点PVA系重合体と低融点PVA系重
合体からなる相分離構造を有する繊維を製造する相分離
混合紡糸においては、少なくとも高融点PVA系重合体
を溶解し、低融点PVA系重合体を溶解するかまたは少
なくとも分散できる溶媒を用いるのが好ましく、かかる
溶媒としては、DMSOが好ましい。また、高融点PV
A系重合体を連続相とし、低融点PVA系重合体を分散
相とするために、高融点PVA系重合体の割合を両者の
総重量の50%以上にするのが好ましく、高融点PVA
系重合体と低融点PVA系重合体の重量比を98:2〜
55:45の範囲内とするのがより好ましい。
合体からなる相分離構造を有する繊維を製造する相分離
混合紡糸においては、少なくとも高融点PVA系重合体
を溶解し、低融点PVA系重合体を溶解するかまたは少
なくとも分散できる溶媒を用いるのが好ましく、かかる
溶媒としては、DMSOが好ましい。また、高融点PV
A系重合体を連続相とし、低融点PVA系重合体を分散
相とするために、高融点PVA系重合体の割合を両者の
総重量の50%以上にするのが好ましく、高融点PVA
系重合体と低融点PVA系重合体の重量比を98:2〜
55:45の範囲内とするのがより好ましい。
【0018】次に紡糸原液を固化浴に押出すことにより
ゲル紡糸する。固化浴に用いる溶剤としては、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等の
脂肪酸エステル類、これらの溶剤と紡糸原液の溶剤との
混合溶剤などが好ましく、メタノール、メタノールとジ
メチルスルホキシドの混合溶剤がより好ましい。かかる
溶剤を用いると紡糸原液が均一に固化し、これにより糸
断面がほぼ円形になり、湿延伸および乾延伸により配向
し、不織布の形態の創傷被覆材を得るのに適した強度を
有する繊維が得られる。
ゲル紡糸する。固化浴に用いる溶剤としては、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等の
脂肪酸エステル類、これらの溶剤と紡糸原液の溶剤との
混合溶剤などが好ましく、メタノール、メタノールとジ
メチルスルホキシドの混合溶剤がより好ましい。かかる
溶剤を用いると紡糸原液が均一に固化し、これにより糸
断面がほぼ円形になり、湿延伸および乾延伸により配向
し、不織布の形態の創傷被覆材を得るのに適した強度を
有する繊維が得られる。
【0019】一方、固化浴として従来からPVA系重合
体の紡糸に用いられている濃厚硫酸ナトリウム水溶液を
用いると、紡糸原液が不均一に固化するため、繊維の断
面がまゆ状となり、延伸配向が充分に行えなくなる傾向
がある。また紡糸原液に硼酸を添加し、固化浴としてア
ルカリ水溶液を用いた場合は、アルカリによりPVA系
重合体がケン化され、上記した連続相と分散相との区別
がつきにくくなり、熱圧着性が低下する傾向がある。
体の紡糸に用いられている濃厚硫酸ナトリウム水溶液を
用いると、紡糸原液が不均一に固化するため、繊維の断
面がまゆ状となり、延伸配向が充分に行えなくなる傾向
がある。また紡糸原液に硼酸を添加し、固化浴としてア
ルカリ水溶液を用いた場合は、アルカリによりPVA系
重合体がケン化され、上記した連続相と分散相との区別
がつきにくくなり、熱圧着性が低下する傾向がある。
【0020】より均一な繊維を得る観点から、固化浴の
温度を25℃以下にするのが好ましく、0〜10℃の範
囲内にするのがより好ましい。なお、固化浴は分散相で
ある低融点PVA系重合体に対しては必ずしも固化能を
有する必要はなく、低融点PVA系重合体を溶解する溶
剤からなっていてもよい。この場合には低融点PVA系
重合体が繊維の表面方向に移動する傾向があり、後述の
熱圧着には好都合である。また、上記のゲル紡糸におけ
る固化時に、凍結操作を行うと紡糸性が著しく悪化し、
円滑に繊維を得ることができなくなることから、凍結操
作は行わない。
温度を25℃以下にするのが好ましく、0〜10℃の範
囲内にするのがより好ましい。なお、固化浴は分散相で
ある低融点PVA系重合体に対しては必ずしも固化能を
有する必要はなく、低融点PVA系重合体を溶解する溶
剤からなっていてもよい。この場合には低融点PVA系
重合体が繊維の表面方向に移動する傾向があり、後述の
熱圧着には好都合である。また、上記のゲル紡糸におけ
る固化時に、凍結操作を行うと紡糸性が著しく悪化し、
円滑に繊維を得ることができなくなることから、凍結操
作は行わない。
【0021】このようにして得られたPVA系繊維に、
必要に応じて湿延伸、洗浄、乾熱延伸、捲縮等の操作を
行うことにより、創傷被覆材を構成するPVA系繊維が
得られる。この繊維を不織布、織物、編み物等の形態に
することにより本発明の創傷被覆材を製造することがで
きる。これらの不織布、織物、編み物等は、創面に貼付
すると浸出液を吸収してゲル状となって創面を保護する
ことから、そのまま創傷被覆材として用いることができ
る。また、上記の不織布、織物、編み物等と適度な通気
性を有する通気層および/または外来の微生物を防御す
るカバー層とを組合せて創傷被覆材とすることもでき
る。通気層としては、繊維製の織布および不織布、通気
性フィルムなどが用いられ、カバー層としてはフィルム
が用いられる。創傷被覆材の形態としては、多量の浸出
液を保持できることから、不織布が好ましい。
必要に応じて湿延伸、洗浄、乾熱延伸、捲縮等の操作を
行うことにより、創傷被覆材を構成するPVA系繊維が
得られる。この繊維を不織布、織物、編み物等の形態に
することにより本発明の創傷被覆材を製造することがで
きる。これらの不織布、織物、編み物等は、創面に貼付
すると浸出液を吸収してゲル状となって創面を保護する
ことから、そのまま創傷被覆材として用いることができ
る。また、上記の不織布、織物、編み物等と適度な通気
性を有する通気層および/または外来の微生物を防御す
るカバー層とを組合せて創傷被覆材とすることもでき
る。通気層としては、繊維製の織布および不織布、通気
性フィルムなどが用いられ、カバー層としてはフィルム
が用いられる。創傷被覆材の形態としては、多量の浸出
液を保持できることから、不織布が好ましい。
【0022】以下に不織布の形態の創傷被覆材を例に本
発明の創傷被覆材を製造する方法を説明する。上記のP
VA系繊維から接着剤を使用せずに目付が低く柔軟でし
かも充分な強度を有する不織布の形態の創傷被覆材を製
造するには、長繊維のまま熱圧着するのが好ましい。長
繊維不織布は短繊維不織布に比べて繊維端から毛羽が出
にくいため、創傷被覆材として用いるのに適している。
長繊維から不織布の形態の創傷被覆材を作成する方法と
しては、繊維束を熱風で処理してウェッブ(繊維の交絡
物)とし、さらに熱カレンダーロール、熱プレスなどに
より熱圧着する方法が好ましい。この操作により、連続
相の高融点PVA系重合体の相が破れ、分散相の低融点
PVA系重合体が繊維表面に押出されて接着する。
発明の創傷被覆材を製造する方法を説明する。上記のP
VA系繊維から接着剤を使用せずに目付が低く柔軟でし
かも充分な強度を有する不織布の形態の創傷被覆材を製
造するには、長繊維のまま熱圧着するのが好ましい。長
繊維不織布は短繊維不織布に比べて繊維端から毛羽が出
にくいため、創傷被覆材として用いるのに適している。
長繊維から不織布の形態の創傷被覆材を作成する方法と
しては、繊維束を熱風で処理してウェッブ(繊維の交絡
物)とし、さらに熱カレンダーロール、熱プレスなどに
より熱圧着する方法が好ましい。この操作により、連続
相の高融点PVA系重合体の相が破れ、分散相の低融点
PVA系重合体が繊維表面に押出されて接着する。
【0023】上記の熱圧着は、温度80〜220℃、線
圧1kg/cm以上の条件下に行うのが好ましい。この温度
および圧力はそれぞれ設定温度および設定圧力ではな
く、ウェッブに実際にかかる温度および圧力であり、サ
ーモラベルや圧力インジケータにより測定することがで
きる。上記の熱圧着における温度が80℃未満の場合お
よび線圧が1kg/cm未満の場合には、熱圧着による接着
力が低下する傾向があり、圧着温度が220℃を超える
場合には、配向結晶化した繊維構造が壊れ易くなり、繊
維強度の低下や収縮を招く傾向がある。上記の熱圧着に
おける温度としては、接着性と不織布の強度の点から、
100〜220℃の範囲内がより好ましい。同様の観点
から、熱圧着における線圧としては、2〜100kg/cm
の範囲内がより好ましく、25〜50kg/cmの範囲内が
さらに好ましい。
圧1kg/cm以上の条件下に行うのが好ましい。この温度
および圧力はそれぞれ設定温度および設定圧力ではな
く、ウェッブに実際にかかる温度および圧力であり、サ
ーモラベルや圧力インジケータにより測定することがで
きる。上記の熱圧着における温度が80℃未満の場合お
よび線圧が1kg/cm未満の場合には、熱圧着による接着
力が低下する傾向があり、圧着温度が220℃を超える
場合には、配向結晶化した繊維構造が壊れ易くなり、繊
維強度の低下や収縮を招く傾向がある。上記の熱圧着に
おける温度としては、接着性と不織布の強度の点から、
100〜220℃の範囲内がより好ましい。同様の観点
から、熱圧着における線圧としては、2〜100kg/cm
の範囲内がより好ましく、25〜50kg/cmの範囲内が
さらに好ましい。
【0024】また、上記のPVA系繊維から機械的絡合
により不織布の形態の創傷被覆材を製造することもでき
る。具体的な方法としては、繊維を一旦カットして得ら
れた短繊維をカードまたはランダムウェッバーにかけ、
得られたウェッブ(繊維の交絡物)をニードルパンチ法
により不織布の形態の創傷被覆材とする方法が挙げられ
る。この場合には、PVA系繊維が上記した相分離構造
を有していなくてもよい。ニードルパンチ処理数として
は、ウェッブの両面からの処理数の合計で150〜10
00回/cm2の範囲内が好ましく、300〜700回/c
m2の範囲内がより好ましい。この単位面積当たりのニー
ドルパンチ処理数は、ウェッブが実際にニードルによっ
てウェッブの両面から絡合処理される回数である。ニー
ドルパンチ処理数は、ニードルの密度、単位時間当たり
のパンチ回数およびウェッブの処理速度により求めるこ
とができる。ニードルパンチ処理回数が150回/cm
2未満の場合には、ウェッブ中の繊維の絡合が不足する
傾向があり、1000回/cm2を超える場合には、PV
A系繊維がニードルとの摩擦により損傷を受け易くな
る。
により不織布の形態の創傷被覆材を製造することもでき
る。具体的な方法としては、繊維を一旦カットして得ら
れた短繊維をカードまたはランダムウェッバーにかけ、
得られたウェッブ(繊維の交絡物)をニードルパンチ法
により不織布の形態の創傷被覆材とする方法が挙げられ
る。この場合には、PVA系繊維が上記した相分離構造
を有していなくてもよい。ニードルパンチ処理数として
は、ウェッブの両面からの処理数の合計で150〜10
00回/cm2の範囲内が好ましく、300〜700回/c
m2の範囲内がより好ましい。この単位面積当たりのニー
ドルパンチ処理数は、ウェッブが実際にニードルによっ
てウェッブの両面から絡合処理される回数である。ニー
ドルパンチ処理数は、ニードルの密度、単位時間当たり
のパンチ回数およびウェッブの処理速度により求めるこ
とができる。ニードルパンチ処理回数が150回/cm
2未満の場合には、ウェッブ中の繊維の絡合が不足する
傾向があり、1000回/cm2を超える場合には、PV
A系繊維がニードルとの摩擦により損傷を受け易くな
る。
【0025】また、PVA系繊維として親水性基を有す
る架橋PVA系重合体からなる繊維を用いることによ
り、非水溶性でかつ吸水性がより高い創傷被覆材を得る
ことができる。親水性基としては、水酸基;カルボキシ
ル基、スルホン酸基、リン酸基、これらのアルカリ金属
塩、アンモニウム塩等のアニオン性基;アミノ基、アル
キル置換アミノ基、これらの4級塩等のカチオン性基な
どが挙げられる。PVA系重合体に含まれる親水性基
は、1種のみであっても、2種以上であってもよく、ア
ニオン性基とカチオン性基の両方を有する双イオン型の
PVA系重合体を用いることもできる。また、異なる親
水性基を有する2種以上のPVA系重合体を用いること
もできる。上記した親水性基のうちでも、イオン解離性
が高く、繊維に効率よく親水性を付与できる点から、ス
ルホン酸基、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩が好
ましい。
る架橋PVA系重合体からなる繊維を用いることによ
り、非水溶性でかつ吸水性がより高い創傷被覆材を得る
ことができる。親水性基としては、水酸基;カルボキシ
ル基、スルホン酸基、リン酸基、これらのアルカリ金属
塩、アンモニウム塩等のアニオン性基;アミノ基、アル
キル置換アミノ基、これらの4級塩等のカチオン性基な
どが挙げられる。PVA系重合体に含まれる親水性基
は、1種のみであっても、2種以上であってもよく、ア
ニオン性基とカチオン性基の両方を有する双イオン型の
PVA系重合体を用いることもできる。また、異なる親
水性基を有する2種以上のPVA系重合体を用いること
もできる。上記した親水性基のうちでも、イオン解離性
が高く、繊維に効率よく親水性を付与できる点から、ス
ルホン酸基、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩が好
ましい。
【0026】PVA系重合体に親水性基を導入する方法
としては、PVA系重合体の前駆体であるポリ脂肪酸ビ
ニルの製造時に、親水性基を有するビニル系単量体を共
重合させ、親水性基を有するビニル系単量体単位を有す
る脂肪酸ビニル共重合体を製造し、これをケン化する方
法が挙げられる。親水性基を有するビニル系単量体とし
ては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
フタル酸、イタコン酸、トリメリット酸等のカルボン
酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリル
スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸(AMPS)、2−メタクリロイルオキシエ
タンスルホン酸等のスルホン酸およびこれらのアルカリ
金属塩;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルア
ミドおよびこれらの4級塩などを挙げることができ、親
水性の観点から、スルホン酸、そのアルカリ金属塩が好
ましく、共重合性の観点から、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)がより好まし
い。これらビニル系単量体は、1種のみを用いても、2
種以上を組合せて用いてもよい。
としては、PVA系重合体の前駆体であるポリ脂肪酸ビ
ニルの製造時に、親水性基を有するビニル系単量体を共
重合させ、親水性基を有するビニル系単量体単位を有す
る脂肪酸ビニル共重合体を製造し、これをケン化する方
法が挙げられる。親水性基を有するビニル系単量体とし
ては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
フタル酸、イタコン酸、トリメリット酸等のカルボン
酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリル
スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸(AMPS)、2−メタクリロイルオキシエ
タンスルホン酸等のスルホン酸およびこれらのアルカリ
金属塩;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルア
ミドおよびこれらの4級塩などを挙げることができ、親
水性の観点から、スルホン酸、そのアルカリ金属塩が好
ましく、共重合性の観点から、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)がより好まし
い。これらビニル系単量体は、1種のみを用いても、2
種以上を組合せて用いてもよい。
【0027】PVA系重合体に親水性基を導入する他の
方法としては、PVA系重合体に親水性基を有しかつP
VA系重合体の水酸基と反応し得る官能基を有する化合
物を反応させることにより、アセタール結合、エーテル
結合、エステル結合、ウレタン結合などを介して親水性
基を導入する方法が挙げられる。このような化合物は種
々知られているが、PVA系重合体の水酸基との反応率
の点から、PVA系重合体にアセタール結合を介して親
水性基を導入することができる化合物が好ましい。かか
る化合物としては、例えばオルト−カルボキシベンズア
ルデヒド、パラ−カルボキシベンズアルデヒド等のアル
デヒド基を有するカルボン酸、オルト−ベンズアルデヒ
ドスルホン酸、オルト,パラ−ベンズアルデヒドジスル
ホン酸、7−ホルミル−1−ヘプタンスルホン酸等のア
ルデヒド基を有するスルホン酸、7−ホルミル−1−ヘ
プタンスルホン酸エチレンアセタール等のアセタール基
を有するスルホン酸およびそれらのアルカリ金属塩など
を挙げることができ、親水性の観点から、アルデヒド基
を有するスルホン酸、アセタール基を有するスルホン
酸、それらのアルカリ金属塩が好ましい。これらの化合
物を、紡糸原液中で適当な酸触媒を用いてPVA系重合
体と反応させるか、紡糸後、生成したPVA系繊維に後
述する架橋剤および酸触媒とともに含浸して反応させる
ことにより、PVA系重合体中にアセタール結合を介し
て親水性基を導入することができる。これらの化合物
は、1種のみを用いても、2種以上を組合せて用いても
よい。
方法としては、PVA系重合体に親水性基を有しかつP
VA系重合体の水酸基と反応し得る官能基を有する化合
物を反応させることにより、アセタール結合、エーテル
結合、エステル結合、ウレタン結合などを介して親水性
基を導入する方法が挙げられる。このような化合物は種
々知られているが、PVA系重合体の水酸基との反応率
の点から、PVA系重合体にアセタール結合を介して親
水性基を導入することができる化合物が好ましい。かか
る化合物としては、例えばオルト−カルボキシベンズア
ルデヒド、パラ−カルボキシベンズアルデヒド等のアル
デヒド基を有するカルボン酸、オルト−ベンズアルデヒ
ドスルホン酸、オルト,パラ−ベンズアルデヒドジスル
ホン酸、7−ホルミル−1−ヘプタンスルホン酸等のア
ルデヒド基を有するスルホン酸、7−ホルミル−1−ヘ
プタンスルホン酸エチレンアセタール等のアセタール基
を有するスルホン酸およびそれらのアルカリ金属塩など
を挙げることができ、親水性の観点から、アルデヒド基
を有するスルホン酸、アセタール基を有するスルホン
酸、それらのアルカリ金属塩が好ましい。これらの化合
物を、紡糸原液中で適当な酸触媒を用いてPVA系重合
体と反応させるか、紡糸後、生成したPVA系繊維に後
述する架橋剤および酸触媒とともに含浸して反応させる
ことにより、PVA系重合体中にアセタール結合を介し
て親水性基を導入することができる。これらの化合物
は、1種のみを用いても、2種以上を組合せて用いても
よい。
【0028】PVA系重合体に親水性基を導入する場
合、上記のいずれの方法による場合にも、親水性基を有
する化合物の導入量は、PVA系重合体の紡糸性、PV
A系繊維の融点に影響を及ぼさない範囲内で変化させる
ことが可能であり、通常、0.01〜20モル%の範囲
内であり、0.5〜15モル%の範囲内であるのが好ま
しい。
合、上記のいずれの方法による場合にも、親水性基を有
する化合物の導入量は、PVA系重合体の紡糸性、PV
A系繊維の融点に影響を及ぼさない範囲内で変化させる
ことが可能であり、通常、0.01〜20モル%の範囲
内であり、0.5〜15モル%の範囲内であるのが好ま
しい。
【0029】上記の親水性基を有するPVA系重合体と
架橋剤を紡糸中または紡糸後に反応させることにより親
水性基を有する架橋PVA系重合体からなる繊維を製造
することができる。架橋剤としては、PVA系重合体の
水酸基との反応性の観点から、グルタルアルデヒド、ノ
ナンジアール、1,1,9,9−テトラメトキシノナ
ン、1,1;9,9−ビス(エチレンジオキシ)ノナ
ン、1,1,4,4−テトラメトキシブタン、1,1,
5,5−テトラメトキシペンタン、ジメトキシテトラヒ
ドロフランなどのジアルデヒドおよびこれらのジアセタ
ールが好ましい。
架橋剤を紡糸中または紡糸後に反応させることにより親
水性基を有する架橋PVA系重合体からなる繊維を製造
することができる。架橋剤としては、PVA系重合体の
水酸基との反応性の観点から、グルタルアルデヒド、ノ
ナンジアール、1,1,9,9−テトラメトキシノナ
ン、1,1;9,9−ビス(エチレンジオキシ)ノナ
ン、1,1,4,4−テトラメトキシブタン、1,1,
5,5−テトラメトキシペンタン、ジメトキシテトラヒ
ドロフランなどのジアルデヒドおよびこれらのジアセタ
ールが好ましい。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらにより何ら制限されない。繊維物
性の測定法は下記のとおりである。 [強度]繊維の強度はJIS−L−1095−7.5.
1に準じて測定した。 [捲縮数、捲縮率および捲縮弾性率]繊維の捲縮数、捲
縮率および捲縮弾性率は、それぞれJIS−L−101
5−7.12.1、JIS−L−1015−7.12.
2およびJIS−L−1−15−7.12.3に準じて
測定した。 [不織布の強度および伸度]不織布の縦方向(生産方
向)および横方向(生産方向に対して直角の方向)のそ
れぞれについて、JIS−L−1912−6.4に準じ
て不織布の引張り強度および伸度を測定した。 [不織布裂断長]乾燥時の不織布裂断長は、次式により
求めた。 縦裂断長(Km)=不織布縦強力(g)/目付(g/m2)/
測定巾(mm) 横裂断長(Km)=不織布横強力(g)/目付(g/m2)/
測定巾(mm)
るが、本発明はこれらにより何ら制限されない。繊維物
性の測定法は下記のとおりである。 [強度]繊維の強度はJIS−L−1095−7.5.
1に準じて測定した。 [捲縮数、捲縮率および捲縮弾性率]繊維の捲縮数、捲
縮率および捲縮弾性率は、それぞれJIS−L−101
5−7.12.1、JIS−L−1015−7.12.
2およびJIS−L−1−15−7.12.3に準じて
測定した。 [不織布の強度および伸度]不織布の縦方向(生産方
向)および横方向(生産方向に対して直角の方向)のそ
れぞれについて、JIS−L−1912−6.4に準じ
て不織布の引張り強度および伸度を測定した。 [不織布裂断長]乾燥時の不織布裂断長は、次式により
求めた。 縦裂断長(Km)=不織布縦強力(g)/目付(g/m2)/
測定巾(mm) 横裂断長(Km)=不織布横強力(g)/目付(g/m2)/
測定巾(mm)
【0031】参考例1 高融点PVA系重合体および低融点PVA系重合体から
なる相分離構造を有する繊維およびをそれぞれ次の
ようにして製造した。 繊維 高融点PVA系重合体:重合度1800、ケン化度9
5.1モル%、融点214℃。低融点PVA系重合体:
重合度500、ケン化度75モル%、融点158℃。高
融点PVA系重合体(連続相)と低融点PVA系重合体
(分散相)の重量比:90/10。 紡糸原液:DMSO溶液。 PVA20重量%のDMSO溶液を紡糸原液とし、4℃
のメタノール/DMSO混合液(7:3)を固化浴とし
てホール数3000のノズルから吐出紡糸し、4倍に湿
延伸した後乾燥して繊維を製造した。次いで繊維を熱ロ
ーラーを用いて110℃に加熱し、捲縮を付与した後に
繊維長51mmに切断して原綿とした。得られた原綿
は、繊度2.0デニール、強度5.0g/デニール、伸
度20%、捲縮数9.1個/25mm、捲縮率8.6
%、捲縮弾性率3.0%であった。 繊維 高融点PVA系重合体:重合度1800、ケン化度8
7.9モル%、融点196℃。低融点PVA系重合体:
重合度500、ケン化度75モル%、融点158℃。高
融点PVA系重合体(連続相)と低融点PVA系重合体
(分散相)の重量比:90/10。 紡糸原液:DMSO溶液。 PVA20重量%のDMSO溶液を紡糸原液とし、4℃
のメタノール/DMSO混合液(7:3)を固化浴とし
てホール数3000のノズルから吐出紡糸し、4倍に湿
延伸した後乾燥して繊維を製造した。次いで繊維を熱ロ
ーラーを用いて105℃に加熱し、捲縮を付与した後に
繊維長51mmに切断して原綿とした。得られた原綿
は、繊度2.0デニール、強度4.5g/デニール、伸
度25%、捲縮数9.8個/25mm、捲縮率8.9
%、捲縮弾性率2.8%であった。
なる相分離構造を有する繊維およびをそれぞれ次の
ようにして製造した。 繊維 高融点PVA系重合体:重合度1800、ケン化度9
5.1モル%、融点214℃。低融点PVA系重合体:
重合度500、ケン化度75モル%、融点158℃。高
融点PVA系重合体(連続相)と低融点PVA系重合体
(分散相)の重量比:90/10。 紡糸原液:DMSO溶液。 PVA20重量%のDMSO溶液を紡糸原液とし、4℃
のメタノール/DMSO混合液(7:3)を固化浴とし
てホール数3000のノズルから吐出紡糸し、4倍に湿
延伸した後乾燥して繊維を製造した。次いで繊維を熱ロ
ーラーを用いて110℃に加熱し、捲縮を付与した後に
繊維長51mmに切断して原綿とした。得られた原綿
は、繊度2.0デニール、強度5.0g/デニール、伸
度20%、捲縮数9.1個/25mm、捲縮率8.6
%、捲縮弾性率3.0%であった。 繊維 高融点PVA系重合体:重合度1800、ケン化度8
7.9モル%、融点196℃。低融点PVA系重合体:
重合度500、ケン化度75モル%、融点158℃。高
融点PVA系重合体(連続相)と低融点PVA系重合体
(分散相)の重量比:90/10。 紡糸原液:DMSO溶液。 PVA20重量%のDMSO溶液を紡糸原液とし、4℃
のメタノール/DMSO混合液(7:3)を固化浴とし
てホール数3000のノズルから吐出紡糸し、4倍に湿
延伸した後乾燥して繊維を製造した。次いで繊維を熱ロ
ーラーを用いて105℃に加熱し、捲縮を付与した後に
繊維長51mmに切断して原綿とした。得られた原綿
は、繊度2.0デニール、強度4.5g/デニール、伸
度25%、捲縮数9.8個/25mm、捲縮率8.9
%、捲縮弾性率2.8%であった。
【0032】実施例1 参考例1で得られた原綿およびを重量比75/25
で混合して、パラレルカード工程および熱圧着工程に供
して下記の条件で不織布を製造した。工程通過性は良好
であった。 パラレルカード工程:テーカイン350rpm、シリン
ダー180rpm、ドッファー10rpm 熱圧着工程:温度210℃、圧力40kg/cm、速度
8m/min、圧着率25%、目付50g/m2 原綿およびを重量比75/25で混合し、熱圧着後
に得られた不織布の縦方向の強度は3.8kg/25m
m、伸度は25%、裂断長は3.1kmであり、また横
方向の強度は1.2kg/25mm、伸度は39%、裂
断長は1.0kmであり、均質で高品位の不織布であっ
た。得られた不織布を創傷被覆材として、試験例1およ
び2に記載した試験を行った。
で混合して、パラレルカード工程および熱圧着工程に供
して下記の条件で不織布を製造した。工程通過性は良好
であった。 パラレルカード工程:テーカイン350rpm、シリン
ダー180rpm、ドッファー10rpm 熱圧着工程:温度210℃、圧力40kg/cm、速度
8m/min、圧着率25%、目付50g/m2 原綿およびを重量比75/25で混合し、熱圧着後
に得られた不織布の縦方向の強度は3.8kg/25m
m、伸度は25%、裂断長は3.1kmであり、また横
方向の強度は1.2kg/25mm、伸度は39%、裂
断長は1.0kmであり、均質で高品位の不織布であっ
た。得られた不織布を創傷被覆材として、試験例1およ
び2に記載した試験を行った。
【0033】実施例2 参考例1で得られた原綿およびを重量比50/50
で混合する以外は、実施例1と同様にして不織布を得
た。得られた不織布の縦方向の強度は3.5kg/25
mm、伸度は27%であり、裂断長は2.8km、また
横方向の強度は1.1kg/25mm、伸度は40%、
裂断長は0.9kmであり、均質で高品位の不織布であ
った。得られた不織布を創傷被覆材として、試験例1お
よび2に記載した試験を行った。
で混合する以外は、実施例1と同様にして不織布を得
た。得られた不織布の縦方向の強度は3.5kg/25
mm、伸度は27%であり、裂断長は2.8km、また
横方向の強度は1.1kg/25mm、伸度は40%、
裂断長は0.9kmであり、均質で高品位の不織布であ
った。得られた不織布を創傷被覆材として、試験例1お
よび2に記載した試験を行った。
【0034】実施例3 参考例1で得られた原綿およびを重量比75/25
で混合して、パラレルカード工程およびニードルパンチ
工程に供して下記の条件で不織布を製造した。工程通過
性は良好であった。 パラレルカード工程:テーカイン150rpm、シリン
ダー250rpm、ドッファー7rpm ニードルパンチ工程:ニードルバーブ数9、キック無、
パンチ数350/cm2、目付150g/m2 原綿およびを重量比75/25で混合し、カードウ
ェッブの表側および裏側からニードルパンチ処理して得
られた不織布の縦方向の強度は4.5kg/25mm、
伸度は35%、裂断長は1.2kmであり、また横方向
の強度は2.6kg/25mm、伸度は51%、裂断長
は0.7kmであり、均質で高品位の不織布が得られ
た。得られた不織布を創傷被覆材として、試験例1およ
び2に記載した試験を行った。
で混合して、パラレルカード工程およびニードルパンチ
工程に供して下記の条件で不織布を製造した。工程通過
性は良好であった。 パラレルカード工程:テーカイン150rpm、シリン
ダー250rpm、ドッファー7rpm ニードルパンチ工程:ニードルバーブ数9、キック無、
パンチ数350/cm2、目付150g/m2 原綿およびを重量比75/25で混合し、カードウ
ェッブの表側および裏側からニードルパンチ処理して得
られた不織布の縦方向の強度は4.5kg/25mm、
伸度は35%、裂断長は1.2kmであり、また横方向
の強度は2.6kg/25mm、伸度は51%、裂断長
は0.7kmであり、均質で高品位の不織布が得られ
た。得られた不織布を創傷被覆材として、試験例1およ
び2に記載した試験を行った。
【0035】実施例4 参考例1で得られた原綿およびを重量比50/50
で混合する以外は、実施例1と同様にして不織布を得
た。得られた不織布の縦方向の強度は4.3kg/25
mm、伸度は35%、裂断長は1.1km、また横方向
の強度は0.75kg/25mm、伸度は51%、裂断
長は0.6kmであり、均質で高品位の不織布であっ
た。得られた不織布を創傷被覆材として、試験例1およ
び2に記載した試験を行った。
で混合する以外は、実施例1と同様にして不織布を得
た。得られた不織布の縦方向の強度は4.3kg/25
mm、伸度は35%、裂断長は1.1km、また横方向
の強度は0.75kg/25mm、伸度は51%、裂断
長は0.6kmであり、均質で高品位の不織布であっ
た。得られた不織布を創傷被覆材として、試験例1およ
び2に記載した試験を行った。
【0036】参考例2 粘度平均重合度が4000でケン化度が99.8モル%
であり、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸ナトリウムを2.3モル%共重合したPVAを濃
度10重量%になるようにジメチルスルホキシド(DM
SO)に90℃で溶解し、得られた溶液を2000ホー
ルのノズルより吐出させ、メタノール/DMSO=7/
3(重量比)、5℃の凝固浴で湿式紡糸した。さらに4
0℃のメタノール浴で3倍湿延伸したあと、繊維を2段
のメタノール抽出浴を順次通過させることによりジメチ
ルスルホキシドを全部除去した。最後のメタノール抽出
浴に架橋剤として1,1;9,9−ビス(エチレンジオ
キシ)ノナンを浴に対して0.002モル/リットルの
割合で添加し、均一溶液とした後、繊維を1.5分間滞
留させてメタノール含有繊維の内部および表面に該架橋
剤を含有させ、次いで100℃にて乾燥した。得られた
紡糸原糸を120℃、120℃、140℃の3セクショ
ンからなる熱風炉で総延伸倍率4.5倍になるように延
伸した。次いで延伸糸を硫酸8重量%の水溶液中で75
℃、30分浸漬してアセタール化反応を行った後、アル
カリ中和、水洗を行い、80℃熱風乾燥機中で乾燥し
た。最終的に得られた繊維の単糸デニールは2.8dr
であった。該繊維を熱ローラーを用いて160℃に加熱
し、捲縮を付与した後に繊維長51mmに切断して、原
綿とした。得られた原綿は繊度2.8デニール、強
度11.5g/デニール、伸度12%、捲縮数8.7個
/25mm、捲縮率8.1%、捲縮弾性率2.8%であ
った。
であり、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸ナトリウムを2.3モル%共重合したPVAを濃
度10重量%になるようにジメチルスルホキシド(DM
SO)に90℃で溶解し、得られた溶液を2000ホー
ルのノズルより吐出させ、メタノール/DMSO=7/
3(重量比)、5℃の凝固浴で湿式紡糸した。さらに4
0℃のメタノール浴で3倍湿延伸したあと、繊維を2段
のメタノール抽出浴を順次通過させることによりジメチ
ルスルホキシドを全部除去した。最後のメタノール抽出
浴に架橋剤として1,1;9,9−ビス(エチレンジオ
キシ)ノナンを浴に対して0.002モル/リットルの
割合で添加し、均一溶液とした後、繊維を1.5分間滞
留させてメタノール含有繊維の内部および表面に該架橋
剤を含有させ、次いで100℃にて乾燥した。得られた
紡糸原糸を120℃、120℃、140℃の3セクショ
ンからなる熱風炉で総延伸倍率4.5倍になるように延
伸した。次いで延伸糸を硫酸8重量%の水溶液中で75
℃、30分浸漬してアセタール化反応を行った後、アル
カリ中和、水洗を行い、80℃熱風乾燥機中で乾燥し
た。最終的に得られた繊維の単糸デニールは2.8dr
であった。該繊維を熱ローラーを用いて160℃に加熱
し、捲縮を付与した後に繊維長51mmに切断して、原
綿とした。得られた原綿は繊度2.8デニール、強
度11.5g/デニール、伸度12%、捲縮数8.7個
/25mm、捲縮率8.1%、捲縮弾性率2.8%であ
った。
【0037】実施例5 参考例2で得られた原綿を下記の条件のパラレルカー
ド工程およびニードルパンチ工程に供して目付け90g
/cm2の不織布を製造した。 パラレルカード工程:テーカイン130rpm、シリン
ダー220rpm、ドッファー5rpm ニードルパンチ工程:ニードルバーブ数6、キック無、
パンチ数210/cm2、カードウェッブの表側および
裏側からニードルパンチ処理 得られた不織布の縦方向の強度は5.3kg/25m
m、伸度は29%、裂断長は1.4kmであり、横方向
の強度は2.9kg/25mm、伸度は46%、裂断長
は0.7kmであり、均質で高品位のものであった。得
られた不織布を創傷被覆材として、試験例1および2に
記載した試験を行った。
ド工程およびニードルパンチ工程に供して目付け90g
/cm2の不織布を製造した。 パラレルカード工程:テーカイン130rpm、シリン
ダー220rpm、ドッファー5rpm ニードルパンチ工程:ニードルバーブ数6、キック無、
パンチ数210/cm2、カードウェッブの表側および
裏側からニードルパンチ処理 得られた不織布の縦方向の強度は5.3kg/25m
m、伸度は29%、裂断長は1.4kmであり、横方向
の強度は2.9kg/25mm、伸度は46%、裂断長
は0.7kmであり、均質で高品位のものであった。得
られた不織布を創傷被覆材として、試験例1および2に
記載した試験を行った。
【0038】実施例6 参考例2で得られた原綿を下記の条件のパラレルカー
ド工程およびニードルパンチ工程に供して目付け45g
/cm2の不織布を製造した。 パラレルカード工程:テーカイン350rpm、シリン
ダー180rpm、ドッファー10rpm ニードルパンチ工程:ニードルバーブ数6、キック無、
パンチ数150/cm2、カードウェッブの表側および
裏側からニードルパンチ処理 得られた不織布の縦方向の強度は1.01kg/25m
m、伸度は36%、裂断長は0.9kmであり、横方向
の強度は0.66kg/25mm、伸度は52%、裂断
長は0.6kmであり、均質で高品位のものであった。
得られた不織布を創傷被覆材として、試験例1および2
に記載した試験を行った。
ド工程およびニードルパンチ工程に供して目付け45g
/cm2の不織布を製造した。 パラレルカード工程:テーカイン350rpm、シリン
ダー180rpm、ドッファー10rpm ニードルパンチ工程:ニードルバーブ数6、キック無、
パンチ数150/cm2、カードウェッブの表側および
裏側からニードルパンチ処理 得られた不織布の縦方向の強度は1.01kg/25m
m、伸度は36%、裂断長は0.9kmであり、横方向
の強度は0.66kg/25mm、伸度は52%、裂断
長は0.6kmであり、均質で高品位のものであった。
得られた不織布を創傷被覆材として、試験例1および2
に記載した試験を行った。
【0039】試験例1 (吸水倍率の測定)実施例1〜6で得られた創傷被覆材
を乾燥状態でそれぞれ0.2g計り取り(乾燥重量)、
これを生理食塩水(大塚製薬社製)を吸水した10cm
×10cmのセルロースフィルター(孔径0.45μ
m、ミリポア社製)の上に置き、さらに生理食塩水を大
量に含ませたペーパータオルの上に乗せて、密閉容器の
中に入れ、37℃の恒温槽内で3時間静置した。3時間
後に、創傷被覆材とセルロースフィルターの重量を測定
し、セルロースフィルターの重量を差し引いて吸水した
創傷被覆材の重量(湿重量)を測定した。下式により、
吸水倍率を計算した。結果を表1に示す。 吸水倍率=(湿重量−乾燥重量)/乾燥重量
を乾燥状態でそれぞれ0.2g計り取り(乾燥重量)、
これを生理食塩水(大塚製薬社製)を吸水した10cm
×10cmのセルロースフィルター(孔径0.45μ
m、ミリポア社製)の上に置き、さらに生理食塩水を大
量に含ませたペーパータオルの上に乗せて、密閉容器の
中に入れ、37℃の恒温槽内で3時間静置した。3時間
後に、創傷被覆材とセルロースフィルターの重量を測定
し、セルロースフィルターの重量を差し引いて吸水した
創傷被覆材の重量(湿重量)を測定した。下式により、
吸水倍率を計算した。結果を表1に示す。 吸水倍率=(湿重量−乾燥重量)/乾燥重量
【0040】
【表1】
【0041】比較例1 アルギン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、50
0〜600cp)の1重量%水溶液30mlを12cm
×8cmのポリスチレン製トレイに流延し、1%塩化カ
ルシウム水溶液を重層後、室温で1日静置して半透明シ
ート状水膨潤性高分子ゲルからなる創傷被覆材を得た。
0〜600cp)の1重量%水溶液30mlを12cm
×8cmのポリスチレン製トレイに流延し、1%塩化カ
ルシウム水溶液を重層後、室温で1日静置して半透明シ
ート状水膨潤性高分子ゲルからなる創傷被覆材を得た。
【0042】比較例2 キトサン(和光純薬工業株式会社製)の0.01N塩酸
溶液30mlに47mgのN−ヒドロキシスクシンイミ
ドを溶解した後、74mgのt−ブチルオキシカルボニ
ル−L−グルタミン酸(株式会社ペプチド研究所製)と
0.96gの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)−カルボジイミド塩酸塩を加えて12cm×8
cmのポリスチレン製トレイに流延し、室温で1日静置
して、水膨潤性高分子ゲルからなる創傷被覆材を得た。
溶液30mlに47mgのN−ヒドロキシスクシンイミ
ドを溶解した後、74mgのt−ブチルオキシカルボニ
ル−L−グルタミン酸(株式会社ペプチド研究所製)と
0.96gの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)−カルボジイミド塩酸塩を加えて12cm×8
cmのポリスチレン製トレイに流延し、室温で1日静置
して、水膨潤性高分子ゲルからなる創傷被覆材を得た。
【0043】試験例2 (ウサギ皮膚欠損創における評価結果)体重3kgのウ
サギに、ケタラール/セラクタール混合液(ケタラー
ル:セラクタール=4:1)を体重1kg当たり1.5
mlの割合で臀部に筋肉注射し、麻酔した後、両耳の毛
を電気バリカンで除去した。剃毛部分をイソジン消毒し
た後、耳介基部より4cmの部位に円形(直径6mm)に
切り込みを入れた。切り込み部分の内側の表皮組織を軟
骨膜上部まで除去し、人工的な皮膚欠損部を形成した。
右側の耳に形成した皮膚欠損部分の上部を、実施例1〜
6、比較例1または2の創傷被覆材で被覆した後、さら
にその上部をポリウレタン製被覆材(バイオクルーシ
ブ、ジョンソン&ジョンソン社製)で覆い、周囲4箇所
を縫合した。同様にして、左側の耳に形成した皮膚欠損
部をポリウレタン製被覆材で覆い、周囲4箇所を縫合し
た。実施例1〜6の創傷被覆材を用いた場合は、良好な
創傷の治癒状態が認められた。また、これらの創傷被覆
材は透明であり、該創傷被覆材を通して創傷面を観察す
ることができた。これに対して、比較例1および2の創
傷被覆材を用いた場合は、創傷被覆材が創部に貼付中に
溶解する傾向を示し、創傷保護効果が充分ではなかっ
た。
サギに、ケタラール/セラクタール混合液(ケタラー
ル:セラクタール=4:1)を体重1kg当たり1.5
mlの割合で臀部に筋肉注射し、麻酔した後、両耳の毛
を電気バリカンで除去した。剃毛部分をイソジン消毒し
た後、耳介基部より4cmの部位に円形(直径6mm)に
切り込みを入れた。切り込み部分の内側の表皮組織を軟
骨膜上部まで除去し、人工的な皮膚欠損部を形成した。
右側の耳に形成した皮膚欠損部分の上部を、実施例1〜
6、比較例1または2の創傷被覆材で被覆した後、さら
にその上部をポリウレタン製被覆材(バイオクルーシ
ブ、ジョンソン&ジョンソン社製)で覆い、周囲4箇所
を縫合した。同様にして、左側の耳に形成した皮膚欠損
部をポリウレタン製被覆材で覆い、周囲4箇所を縫合し
た。実施例1〜6の創傷被覆材を用いた場合は、良好な
創傷の治癒状態が認められた。また、これらの創傷被覆
材は透明であり、該創傷被覆材を通して創傷面を観察す
ることができた。これに対して、比較例1および2の創
傷被覆材を用いた場合は、創傷被覆材が創部に貼付中に
溶解する傾向を示し、創傷保護効果が充分ではなかっ
た。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、創傷面から多量の浸出
液を吸収してゲル化することにより創傷を保護し、適度
に水分を保持・蒸散して創傷治癒に適した湿潤環境を形
成し、かつ材料由来の残留物が少なく、安全性に優れる
創傷被覆材が提供される。さらに、本発明の創傷被覆材
は、浸出液を吸収して透明かつ柔軟な含水ゲル状とな
り、創面に密着して良好な創傷保護効果を発揮する。
液を吸収してゲル化することにより創傷を保護し、適度
に水分を保持・蒸散して創傷治癒に適した湿潤環境を形
成し、かつ材料由来の残留物が少なく、安全性に優れる
創傷被覆材が提供される。さらに、本発明の創傷被覆材
は、浸出液を吸収して透明かつ柔軟な含水ゲル状とな
り、創面に密着して良好な創傷保護効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上原 剛毅 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内 (72)発明者 松田 一男 岡山県岡山市海岸通1−2−1 株式会社 クラレ内 (72)発明者 佐藤 政弘 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 大森 昭夫 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 Fターム(参考) 4C081 AA02 AA12 BB01 BB02 CA051 CC01 DA05 4L035 BB02 BB03 BB05 BB06 BB77 BB89 CC20 DD19 DD20 EE01 HH10 4L047 AA16 AB10 BA03 BA08 CB07 CC03
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコール系重合体を有機溶
剤から主としてなる溶媒または分散媒に溶解または分散
してなる紡糸原液を固化浴中に湿式ゲル紡糸または乾湿
式ゲル紡糸することにより得られる繊維からなる創傷被
覆材。 - 【請求項2】 溶媒または分散媒が60重量%以上の有
機溶剤からなるものであることを特徴とする請求項1に
記載の創傷被覆材。 - 【請求項3】 有機溶剤がジメチルスルホキシドである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の創傷被覆
材。 - 【請求項4】 繊維が、(A)融点190℃以上のポリ
ビニルアルコール系重合体からなる連続相および(B)
融点または融着温度が連続相の融点または融着温度より
20℃以上低いポリビニルアルコール系重合体からなる
分散相から構成される相分離構造を有する繊維であるこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の創
傷被覆材。 - 【請求項5】 繊維の不織布からなることを特徴とする
請求項1〜4のいずれか1項に記載の創傷被覆材。 - 【請求項6】 不織布が、ウェッブを温度80〜220
℃、線圧1kg/cm以上の条件下に熱圧着して得られ
る不織布であることを特徴とする請求項5に記載の創傷
被覆材。 - 【請求項7】 不織布が、ウェッブを150〜1000
回/cm2の割合でニードルパンチ処理して得られる不
織布であることを特徴とする請求項5に記載の創傷被覆
材。 - 【請求項8】 固化浴の温度が25℃以下であることを
特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の創傷被
覆材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11068120A JP2000262607A (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 創傷被覆材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11068120A JP2000262607A (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 創傷被覆材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000262607A true JP2000262607A (ja) | 2000-09-26 |
Family
ID=13364579
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11068120A Pending JP2000262607A (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 創傷被覆材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000262607A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005120527A (ja) * | 2003-10-17 | 2005-05-12 | Ryohei Fukae | ゼラチン繊維の製造方法 |
| CN102031572A (zh) * | 2009-09-30 | 2011-04-27 | 中国石油化工集团公司 | 一种水溶性聚乙烯醇纤维的制备工艺及其应用 |
| CN115992398A (zh) * | 2021-10-20 | 2023-04-21 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种水溶性聚乙烯醇的制备方法与应用 |
| CN116059440A (zh) * | 2023-02-14 | 2023-05-05 | 厦门大学 | 一种具有各向异性的仿生肌肉材料及其制备方法 |
-
1999
- 1999-03-15 JP JP11068120A patent/JP2000262607A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005120527A (ja) * | 2003-10-17 | 2005-05-12 | Ryohei Fukae | ゼラチン繊維の製造方法 |
| CN102031572A (zh) * | 2009-09-30 | 2011-04-27 | 中国石油化工集团公司 | 一种水溶性聚乙烯醇纤维的制备工艺及其应用 |
| CN115992398A (zh) * | 2021-10-20 | 2023-04-21 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种水溶性聚乙烯醇的制备方法与应用 |
| CN116059440A (zh) * | 2023-02-14 | 2023-05-05 | 厦门大学 | 一种具有各向异性的仿生肌肉材料及其制备方法 |
| CN116059440B (zh) * | 2023-02-14 | 2023-12-19 | 厦门大学 | 一种具有各向异性的仿生肌肉材料及其制备方法 |
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