JP2000268358A - 記録媒体の製造方法 - Google Patents

記録媒体の製造方法

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JP2000268358A
JP2000268358A JP11072666A JP7266699A JP2000268358A JP 2000268358 A JP2000268358 A JP 2000268358A JP 11072666 A JP11072666 A JP 11072666A JP 7266699 A JP7266699 A JP 7266699A JP 2000268358 A JP2000268358 A JP 2000268358A
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protective film
lubricating film
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Taku Toyoguchi
卓 豊口
Tomoaki Okuyama
智明 奥山
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Fujitsu Ltd
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    • G11B5/725Protective coatings, e.g. anti-static or antifriction containing a lubricant, e.g. organic compounds
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  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】記録媒体の潤滑か膜から飛散するモービル層を
低減した製造法を提供する。 【解決手段】基板上に下地膜、磁性膜、アモルファスカ
ーボン系保護膜、フッ素系潤滑膜を順次積層して磁気記
録媒体を製造する記録媒体の製造方法において、上記ア
モルファスカーボン系保護膜の表面にUV照射を施した
後に、上記フッ素系潤滑膜を塗布し、上記保護膜表面に
強固に結合した上記潤滑膜の層であるボンディング層の
割合が塗布直後の潤滑膜の80%以上であるように形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータの外
部記憶装置である磁気記憶再生装置において、情報を記
録するハードディスク等の記録媒体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】コンピュータに使用されるハードディス
ク装置等の磁気記憶装置の高密度化への要請は近年急速
に高まっている。かかる要請に対しては、ハードディス
ク装置本体側の磁気ヘッドと、その内部に配される記録
媒体としてのハードディスクとの間の磁気スペーシング
を低減、すなわち可能な限りその間隔狭くする必要があ
る。最近では50nm程度の磁気スペーシングが実現さ
れ始めている。
【0003】図1は従来のハードディスク装置100 内の
上記磁気ヘッド20と回転中のハードディスク10と関係を
示す図であり、該ハードディスク10の層構成と磁気スペ
ーシングS の様子が分かるように要部を拡大して示して
いる。ハードディスク10は基板11上に、下地膜13、磁性
膜15が下から順に積層された基本構成を有しており、そ
の上にアモルファスカーボン系の保護膜17、この保護膜
17上に形成されるフッ素系の潤滑膜19から成っている。
ここで、上記した磁気スペーシングS の低減には磁気ヘ
ッド20の浮上量の低減、これに伴って増加してくる磁気
ヘッド20とハードディスク10の接触確率の増加を抑制す
るためのハードディスク10表面の平滑化、更に、ハード
ディスク10自体の薄膜化等の技術的な改善が必要不可欠
になってきている。
【0004】ところで、上記ハードディスク装置100 で
は、一般にハードディスク10の回転起動・停止時に磁気
ヘッド20の浮上面20a がハードディスク10の表面と接触
・摺動するコンタクトスタートストップ(CSS )方式が
採用されている。このため、ハードディスク10表面の上
記保護膜17及び潤滑膜19はその摩擦・磨耗特性を大きく
左右するので、ハードディスク装置100 の信頼性を確保
する上で重要な役割を担っている。特に, 最近は上述の
ように低スペーシング化への要請に応じての薄膜化が著
しく、潤滑膜により長期間安定な摩擦・磨耗特性を保つ
ことがより一層重要になってきている。
【0005】図2は従来のハードディスク10の製造工程
を示しており、NiP メッキを施したAL等から成る非磁性
基板11を作成し(a)、この上にテクスチャと呼ばれる
微小凹凸を形成した後(b)、Cr合金系の下地膜13、Co
合金系の磁性膜15及びアモルファスカーボン系の保護膜
17がスパッタ法等により順次積層され(c)、その後、
前熱処理がなされる(d)。その後更に、ディップ(浸
漬)法によりフッ素系の潤滑膜19を保護膜17表面に均一
に塗布するようにしている(e)。そして更に、この潤
滑膜19の形成後には加熱又はUV(紫外線)照射の工程
(f)があり、これにより潤滑膜19の保護膜17表面への
結合力を高める処置を行って一連の製造工程が完了す
る。この最後の工程は保護膜17表面に確実に結合してい
る層(以下、ボンディング層という)の割合を増加させ
る為のものである。
【0006】なお、上記潤滑膜19は、ハードディスク10
表面の平滑化に伴う磁気ヘッド20との接触面積増加に起
因する吸着の発生を防止する為に、1 から2nm 程度の非
常に薄い膜厚で形成されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ハー
ドディスク10の実質的な表面となる潤滑膜19について、
潤滑膜19の薄膜化や保護膜17との結合力の改善強化等が
なされてきている。ところが、上述した高記録密度化に
伴い記録情報の転送速度も高速化してきており、ハード
ディスク10の回転速度は7200から10000 rpm以上の高
速となってきている。そのため、この高速回転による遠
心力も増大するため、上述した従来の潤滑膜19にあって
は保護膜17の表面に結合していない層(以下、モービル
層という)が未だ約50〜70%と多く存在しており、これ
が飛散(スピンオフとも称される)してしまい数Åまで
過度に薄膜化する事態を招き、長期間安定な潤滑特性を
保証できないという問題が発生してきている。
【0008】また、最近、上記ハードディスク10に対す
る磁気ヘッド20の摩擦力低減のために、磁気ヘッドの浮
上面20a 又はハードディスク10のCSS領域(図示せ
ず)に微小の突起を形成する技術が実用化されてきてい
る。この様な技術を使用している場合には、その接触部
分の面圧が、平坦であった場合に比較して高くなる為に
従来のハードディスク10の潤滑膜19では磁気ヘッド20と
の接触・摺動で潤滑材の膜切れが起こり易く、短期で上
記突起が磨耗してしまい、摩擦の増加を招くといった問
題も生じていた。
【0009】なお、上記問題に対して、潤滑膜19を厚め
に形成して対応するということも考えられる。しかし、
上記従来の加熱又はUV処理(図2(f))によって保
護膜17上に結合するボンディング層の増加の度合いは未
だ不充分である。したがって、モービル層が多く存在し
ている為にハードディスク10の高速回転によりこのモー
ビル層が飛散し、時間と共に潤滑膜19が過度に薄膜化し
てしまい、結局上述した問題が生じることになってしま
う。
【0010】その一方で、当初は潤滑膜が厚めの状態に
形成されているので、磁気ヘッド20の浮上面20a への潤
滑剤の移着や、磁気ヘッド20とハードディスク10表面
(潤滑膜19)との接触時にモービル層が凝集するといっ
た別の問題を招来することにもなっている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、発明にあっては、基板上に下地膜、磁性膜、アモル
ファスカーボン系保護膜、フッ素系潤滑膜を順次積層し
て磁気記録媒体を製造する記録媒体の製造方法におい
て、上記アモルファスカーボン系保護膜の表面にUV照
射を施した後に、上記フッ素系潤滑膜を塗布し、上記保
護膜表面に強固に結合した上記潤滑膜の層であるボンデ
ィング層の割合を増加させた記録媒体の製造方法として
構成される。
【0012】かかる発明では、上記アモルファスカーボ
ン系保護膜の表面にUV照射を施してその表面を活性化
する前処理を行った後に、フッ素系潤滑膜を塗布するの
で上記保護膜表面に強固に結合した上記潤滑膜の層であ
るボンディング層の割合(ボンディング率)を塗布後の
潤滑膜に対して80%以上まで高めることが可能とな
る。ここでいうボンディング率とは、フッ素系潤滑剤の
塗布後の膜厚に対する、フッ素系溶媒に浸してモービル
層を除去した時の残存膜厚の割合である。そして、この
フッ素系溶媒により除去されるモービル層の膜厚は、記
録媒体の使用により減じる膜厚と等価であると予想され
るものである。
【0013】さらに、前記UV照射の前に、上記アモル
ファスカーボン系保護膜の表面に水素プラズマ処理を予
め施すと、保護膜表面の平面状態の均一化及び均質化が
図られるので、より好ましい状態でボンディング層の形
成を促進することができる。また上記製造法は、前記ア
モルファスカーボン系保護膜の表面のうちCSS領域の
みに前記UV照射を施す形態で行ってもよい。上述した
ようにかかるCSS領域で、磁気ヘッドと磁気記録媒体
の接触・摺動がなされるため、この領域のボンディング
層が実質的に重要な機能を果たすからである。
【0014】かかるCSS領域のみに前記UV照射を施
す形態の場合にも、上記UV照射の前に、上記アモルフ
ァスカーボン系保護膜の表面に水素プラズマ処理を施し
ておくことが好ましい。さらに、フッ素系潤滑膜を塗布
した後、後処理として加熱又はUV照射を施すことが好
ましい。この後処理を付加することにより、上記のよう
に前処理を施すことによって増加したボンディング層を
さらに増加させることができる。すなわち、この後処理
はフッ素系潤滑膜塗布後に残存する20%以下のモービル
層の一部をボンディング層へと移行させ、更にボンディ
ング率を高めることができる。
【0015】上述の製造法について、前記フッ素系潤滑
膜を塗布した後に、前記アモルファスカーボン系保護膜
の表面に強固に結合していない上記潤滑膜の層であるモ
ービル層を除去する工程を、更に付加してもよい。この
様な工程を追加すると、残存していたモービル層を除去
することになり、磁気記憶装置の使用開始当初から実質
的にボンディング層のみから成る潤滑膜とすることがで
き、安定的な使用環境が保証されることになる。
【0016】すなわち、上記潤滑膜はボンディング層の
割合が高く、かつ保護表面に強固に吸着、結合している
ので、記録媒体の回転に伴う膜厚の減少を極少量に抑制
できる。また、磁気ヘッドと記録媒体との接触・摺動に
よる膜切れも抑制される。さらに、磁気ヘッドの浮上面
への潤滑剤の移着問題、接触中の磁気ヘッド浮上面と潤
滑膜間での吸着の問題を合わせて抑制することができ
る。これにより、長期間安定に磁気ヘッドと記録媒体の
良好な摩擦特性を維持できることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施の形態につ
いて、図3から図5を参照して説明する。図3 は本発明
の磁気記録媒体の製造法について示した図である。ここ
で、従来の製造法について説明した図2との関係では、
図2(c)の保護膜を積層するするまでは同様であり、
以降の処理が異っている。したがって、ここでは重複し
た説明を避け、本発明の特徴的部分を中心に説明するこ
ととする。また、本発明により製造される磁気記録媒体
の各層の基本構成は、図1に示した従来のハードディス
ク10と同様であるので、重複した説明を省略し、必要な
場合はその符号を流用することがある。
【0018】まず、図3で示される、本発明の特徴はア
モルファスカーボン系保護膜まで積層して成膜した後
で、フッ素系潤滑膜19の塗布前に前処理としてUV照射
を行うところにある(D)。かかる前処理を施すこと
で、ボンディング率を80%以上にすることができる。こ
こでアモルファスカーボン系保護膜としては例えば、水
素化カーボン(水素含有カーボン)膜、窒素化カーボン
(窒素含有カーボン)膜などを採用できる。そして、上
記UV照射は例えば、波長185 〜254 nmで数秒から60
0 秒程度、例えば234 nm、600 秒の条件で行われる。
【0019】なお、所望により上記アモルファスカーボ
ン系保護膜を膜厚10nm以下の超薄膜とする場合には、
プラズマCVD法により形成した水素カーボン膜を用い
ることが望ましい。上述のスパッタ法ではターゲットか
ら叩き出されたスパッタ粒子の基板上への堆積のみによ
り保護膜が形成されるため10nm以下の膜厚では充分な
緻密性や硬度が得られないからである。これに対し、プ
ラズマCVD法によれば原料ガス分子をプラズマ化して
解離し、気相中又は基板上で再結合等を起こして堆積さ
せるために、薄い膜厚でも緻密で硬い膜を得ることがで
きるからである。このプラズマCVD法による保護膜は
下部の磁性膜表面に対する被覆性が良いので、結果とし
てこの保護膜上に形成する潤滑膜とも均一な付着性を得
ることができる。
【0020】さらに、保護膜の材料として保護膜の成膜
中にスッパタガス又はプラズマCVD法における原料ガ
スにN2 ガスを混入させて成膜し、耐磨耗性に優れた窒
素化カーボン膜を採用することもできる。上記UV照射
後に施される潤滑剤の塗布について、塗布の方法は従来
から公知のディップ法、スピンコート法を採用して行え
る(E)。ここで使用されるフッ素系潤滑剤としては例
えば、商品名:フォンブリンAM3001(商品名:ア
ウジモント社製)等がある。膜厚としては1 nm弱から
3 nm程度に塗布することが好ましい。例えば、上記U
V照射を234 nmで10分の条件で行い、潤滑剤フォンブ
リンAM3001をフッ素系溶媒(例えば、商品名:フ
ロリナートFC-77(住友3M社製)で0.05wt%に希
釈して30秒浸漬する条件で塗布すると、約1.3 nmの潤
滑膜を80%以上の高いボンディング率で得ることができ
る。
【0021】ここで更に、上記UV照射を行う前に、水
素プラズマによる表面処理を行うと、アモルファスカー
ボン系の上記保護膜表面のダングリングボンド(dangli
ng bond )が終端化されて表面の状態を平均・均質化す
ることができる。この状態で上記UV照射をすれば均一
な保護膜表面が活性化されることになり、潤滑剤を塗布
した時にボンディング層の割合を確実に高め、その層厚
についても均一な状態で形成させることができる。な
お、水素プラズマの条件としては、例えばイオンガスを
用いる場合はH2 ガス圧20m Torr、加速電圧1000V で数
分程度の処理がなされる。
【0022】さらに、図3の(F)で示されるように従
来の製造方法と同様に、上述した潤滑剤塗布後において
後処理として加熱又はUV照射の処理を追加すると、最
高3nm 程度の厚い膜厚のボンディング層を得ることがで
きる。ここで、後述する図6(B)から潤滑膜厚がある
程度厚い方が摩擦が少ないことは明らかである。また摺
動耐久性が向上するの点からもある程度膜厚が厚い方が
好ましい。しかし、従来はモービル層が多い為に潤滑膜
厚を厚くすると磁気ヘッドへの移着という問題を生じて
しまうために2nm 程度の塗膜厚に抑えられていた。一
方、スピンオフにより膜厚が薄くなることを考慮すると
下限は1nm 以上必要であった。本発明ではボンディング
率が向上するので移着の問題がなく、上限を3nm 程度ま
で上げることができ、下限を1nm 以下とすることも可能
である。従って、本発明により潤滑膜厚の許容範囲が広
がったことが分かる。
【0023】また、本発明の潤滑剤塗布前のアモルファ
スカーボン系保護膜の表面へのUV照射を施すことで、
潤滑剤塗布後のボンディング率は顕著に向上する。しか
し、ボンディング率はより高い方が好ましい。そこで、
この塗布前処理に追加して塗布後の後処理を行って、ボ
ンディング率を更に増加させることができる。すなわ
ち、塗布前処理を施しても潤滑剤分子末端にある官能基
がアモルファスカーボン系保護膜の表面全体と結合した
状態、つまり表面を強固な結合で覆い尽くした状態まで
には至らず、保護膜表面に乗った状態のモービル層が残
存している。ここで、潤滑剤塗布後の後処理を行うと、
このモービル層の一部をさらにボンディング層に移行さ
せることができ、ボンディング率をより向上させること
ができる。
【0024】次に、図4に基づいて他の実施形態につい
て説明する。本例は上記潤滑剤塗布前の前処理につい
て、かかるUV処理をCSS領域のみに行う例について
示している。図4(A)に示されるように、円盤状のハ
ードディスク10の中心部に存在しているCSS領域以外
の部分を遮蔽板50で覆った後でUV照射を行っている。
その後、図4(B)のように例えば、ディップ法で潤滑
剤が塗布される。これによりCSS領域のみ高いボンデ
ィング率になるので、同図で円内に拡大して示している
ように、CSS領域のボンディング層Bが厚めに形成さ
れることになる。このCSS領域で磁気ヘッド20の接触
・摺動が行われるので、外側の記録領域Dより厚くに形
成することで摩擦・磨耗の問題が抑制されることにな
る。
【0025】一方, このCSS領域以外の外側の記録領
域Dではスピンオフによりモービル層Mが飛散し膜厚の
減少が生じてくるが、これは実際に磁気記録・再生の観
点からは図1にて説明した磁気スペーシングSが低減さ
れることになり好ましいことである。また、磁気記憶再
生装置の駆動時に磁気ヘッド20は浮上しており、スピン
オフによりモービル層Mが飛散し膜厚の減少が生じて
も、特に問題が生じることはない。
【0026】なお、本例においても図3(F)に示され
た、潤滑剤塗布後の後処理としてCSS領域のみにUV
照射を行うと、より一層効果的である。更に、図5に基
づき他の例を説明する。本例は上述したボンディング層
の率を高める処理を施した後に、残存するモービル層を
積極的に除去する工程を付加するものである。
【0027】すなわち、本例では図5に示されるよう
に、ハードディスク10の製造工程で、潤滑剤塗布前にU
V照射を行い(図5(A))、潤滑剤を塗布し(図5
(B))、好ましくは更に塗布後のUV照射を行ってボ
ンディング層を高い割合に形成する。その後、フッ素系
溶媒に浸漬等してハードディスク10上のモービル層Mを
除去して、実質的にボンディング層Bのみと(図5
(C))するものである。なお、図5(B)及び5
(C)中の円内には、図4(B)と同様にハードディス
ク10の潤滑膜19部分を拡大して示している。
【0028】本例の製造法は、先に示した図4 のCSS
領域のみに高率のボンディング層を形成させる例にも適
用でき、図4(B)の状態からモービル層Mが除去され
るので、当初から実質的にボンディング層Mのみとな
り、しかも潤滑膜19はCSS領域の膜厚が厚く、それ以
外は薄い膜厚となる。このように製造されたハードディ
スクはCSS領域に対する高耐久性を備え、また、記録
領域を浮上中の磁気ヘッドが偶発的にハードディスクと
接触した時にモービル層への移着による吸着発生という
問題も同時に抑制でき、信頼性の高い記録媒体となる。
【0029】最後に、図6は本発明の製造方法により形
成された記録媒体の潤滑層と従来製造法によるものとの
比較を示している。同図(A)は実際に記録媒体が磁気
記憶再生装置にセットされて時間経過によるスピンオフ
の様子を比較したものである。本発明の製造方法による
記録媒体はボンディング層が多く、従来のものに比較し
て潤滑膜厚の減少が少ないことが分かる。同図(B)は
潤滑膜の膜厚の違いによる摩擦力について示している。
本発明によるものは1nm の薄膜になっても摩擦力の上昇
は少ない。これはボンディング層の割合が高く使用によ
ってもその結合が維持される為と考察される。一方、従
来のものは1nm では急激に摩擦力が増加している。これ
は元々薄膜状態であるところからモービル層が多く飛散
したために生じた問題と考えられる。また、同図には潤
滑膜が厚いほど摩擦力が低下することが示されており、
厚い膜厚を維持できる本発明の製造方法が極めて有効で
あることが容易に理解できる。
【0030】以上から明らかなように、本発明の製造方
法によればモービル層を極力少なくした好ましい形態の
記録媒体を得ることができる。潤滑膜のモービル層は磁
気ヘッドの浮上面に移着して汚れとなったり、磁気ヘッ
ドとハードディスクの接触・停止時にその間に凝集して
吸着等の問題を引き起こす原因となっているが本発明に
よれば係る問題は生じない。
【0031】また、本発明の製造法による記録媒体は、
ボンディング層の割合が従来よりも高く、また、所望の
領域のみを膜厚のボンディング層を有すように形成でき
る。したがって、浮上面に吸着低減のために微小突起を
形成した磁気ヘッドと組合される記録媒体として、或い
は摩擦・磨耗低減及び吸着防止のためにCSS領域に微
小突起を設けたゾーンテクスチャのある記録媒体として
形成することができる。この微小突起の構造を採用する
場合に、従来では磁気ヘッド浮上面と記録媒体表面の接
触面積が小さいので、面圧がが大きくなり摺動による潤
滑膜切れが問題となっていた。しかし、本発明の製造に
係る磁気記録媒体はスピンオフによる潤滑膜厚の低減を
防止しでき、また、CSS領域のボンディング層を当初
から高く維持できるので係る突起構造で特に有効であ
る。
【0032】以上、本発明の好ましい例について説明を
したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の
範囲内において、様々な変形・変更が可能である。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したことから明らかなように、
アモルファスカーボン系保護膜の表面にUV照射を施し
た後に、フッ素系潤滑膜を塗布することで保護膜表面に
強固に結合した潤滑膜の層であるボンディング層の割合
を80%以上に高めることができる。その際、アモルフ
ァスカーボン系保護膜の表面に水素プラズマ処理を施し
てから、上記UV照射をすれば保護膜表面を均一化した
後、その表面を活性化することになりより確実にボンデ
ィング層を形成できる。
【0034】磁気ヘッドとの接触があるCSS領域のみ
に上記UV照射又は水素プラズマ処理と共にUV照射を
施せば、CSS領域での耐摩擦・磨耗性の向上と記録領
域での低スペーシングを備えた記録媒体を製造できる。
さらに、高割合のボンディング層を形成後、積極的にモ
ービル層を除去する固定を付加した場合には、実質的に
ボンディング層からなる記録媒体となり、使用の前後で
潤滑膜の膜厚変化が微小になり、従来のモービル層によ
る問題を生じることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のハードディスク装置の記磁気ヘッドと回
転中のハードディスクとの関係を示す図である。
【図2】従来のハードディスクの製造工程を示してお
り、(a)から(f)それぞれはNiP メッキを施したAL
等から成る非磁性基板を作成する工程から潤滑膜形成後
の加熱又はUV照射の工程までを順に示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るハードディスクの製
造工程を示しており、(D)から(F)それぞれは前処
理から潤滑膜形成後の加熱又はUV照射の工程までを順
に示す図である。
【図4】UV処理をCSS領域のみに行う例について示
し、(A)はCSS領域へのUV照射する様子を示す
図、(B)は潤滑剤を塗布する様子を示す図である。
【図5】モービル層を除去する例について示し、(A)
はUV照射する様子を示す図、(B)は潤滑剤を塗布す
る様子を示す図、(C)はモービル層を除去する様子を
示す図である。
【図6】本発明の製造方法による記録媒体の潤滑層と従
来製造法によるものとの比較で、(A)時間経過による
スピンオフの様子を示す図、(B)は潤滑膜の膜厚の違
いによる摩擦力の様子を示す図である。
【符号の説明】 10 記録媒体(ハードディスク) 11 基板 13 下地膜 15 磁性膜 17 保護膜 19 潤滑膜(B ボンディング層 M モービル層) 20 磁気ヘッド
フロントページの続き Fターム(参考) 4H104 BD01A BD05A CD01A CD04A PA16 QA12 5D112 AA07 AA11 AA24 BC02 BC05 GA02 GA19 GA22 GB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に下地膜、磁性膜、アモルファス
    カーボン系保護膜、フッ素系潤滑膜を順次積層して磁気
    記録媒体を製造する記録媒体の製造方法において、 上記アモルファスカーボン系保護膜の表面にUV照射を
    施した後に、上記フッ素系潤滑膜を塗布し、上記保護膜
    表面に強固に結合した上記潤滑膜の層であるボンディン
    グ層の割合を増加させた記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記UV照射の前に、上記アモルファス
    カーボン系保護膜の表面に水素プラズマ処理を施す、こ
    とを特徴する請求項1に記載の記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記アモルファスカーボン系保護膜の表
    面のうちCSS領域のみに前記UV照射を施す、ことを
    特徴する請求項1に記載の記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記UV照射の前に、上記アモルファス
    カーボン系保護膜の表面に水素プラズマ処理を施す、こ
    とを特徴する請求項3に記載の記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記フッ素系潤滑膜を塗布した後、後処
    理として加熱又はUV照射を施す、ことを特徴とする請
    求項1 から4のいずれかに記載の記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記フッ素系潤滑膜を塗布した後に、前
    記アモルファスカーボン系保護膜の表面に強固に結合し
    ていない上記潤滑膜の層であるモービル層を除去する工
    程を付加した、請求項1から5のいずれかに記載の記録
    媒体の製造方法。
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