JP2000268653A - 高電圧用磁器がいし - Google Patents

高電圧用磁器がいし

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JP2000268653A
JP2000268653A JP11068221A JP6822199A JP2000268653A JP 2000268653 A JP2000268653 A JP 2000268653A JP 11068221 A JP11068221 A JP 11068221A JP 6822199 A JP6822199 A JP 6822199A JP 2000268653 A JP2000268653 A JP 2000268653A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機械的強度を低下させることなく絶縁破壊強度
すなわち急峻波強度を向上させた高電圧用磁器がいしを
提供する。 【解決手段】磁器がいし本体1と、磁器がいし本体1の
表面に設けた高誘電率結晶を含有する主として磁器質原
料からなる第1のコーティング層2と、第1のコーティ
ング層2の表面に設けた釉薬からなる第2のコーティン
グ層3とから高電圧用磁器がいしを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高電圧用磁器がいし
に関するものであり、特に、機械的強度と絶縁破壊強度
すなわち急峻波強度に優れた高電圧用磁器がいしに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、架空送電線等の電気絶縁と機
械的支持を行う構成部材として、中実がいしや懸垂がい
し等の磁器がいしが知られている。これらの磁器がいし
は、アルミナ、粘土等の原料を混合、成形して成形体を
作製し、作製した成形体の表面に釉薬を塗布した後、釉
薬を塗布した成形体を焼成することで作製している。磁
器がいしの素地固有の絶縁破壊強度を得るためには、無
釉とすることが必要であるが、釉薬を使用することで、
素地表面の微小欠陥を埋めること、および、素地との熱
膨張率差により内部応力を生じさせることで、磁器がい
しの引張強度を発現させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来から知ら
れている磁器がいしは、通常の電圧や汚損雰囲気下での
使用には十分耐えることができる。しかしながら、より
高い電圧が加わる状態、すなわち天然雷の放電による急
峻雷インパルス電圧が加わった場合には、これらの従来
知られている磁器がいしでは不十分であり、絶縁破壊強
さを抜本的に改善する必要があった。
【0004】また、急峻波強度特性を高める技術とし
て、本出願人は、釉薬に所定量のMnOなどを加える技
術(特開昭63−211525号公報)、懸垂がいしに
おけるサンドと釉薬の誘電率を規定する技術(特開平9
−63379号公報)、磁器にコランダム結晶を含有さ
せる技術(特開平10−228818号公報)等を提案
しているが、いずれも磁器がいし本体の表面に釉薬を塗
布した構造であるため、急峻波強度はある程度改善され
るものの、急峻波強度の抜本的な改善を達成することが
できなかった。
【0005】ここで、釉薬は、磁器がいしの原料である
長石、アルミナ、坏土のうち長石の配合比率を高め、ガ
ラス相のみを生成するようにしたものである。そのた
め、釉薬は本質的にはガラスと同等の高い絶縁破壊強度
を有するはずであるが、気孔が内在するためその強さは
磁器を下回っている。気孔(空気)の誘電率が、周囲の
ガラス相に比べて小さいので、電位が加わった場合は、
気孔に電界が集中するためと考えられる。また、釉薬の
誘電率が磁器がいし本体の誘電率よりも低いため、例え
ば、釉薬が急峻波パルスを印加した時の弱点となってい
た。そのため、磁器がいし本体の表面に釉薬を塗布した
従来の磁器がいしの構造では、抜本的な改善が難しいこ
とが判明した。
【0006】さらに、磁器がいしの構造について、本出
願人は、特開平7−262854号公報において、磁器
がいし本体の表面に釉薬を塗布し、その釉薬の上に釉薬
よりも絶縁破壊強度の高いコーティング層を設ける技術
を開示している。しかし、この例でも、磁器がいし本体
の表面には気孔の存在する釉薬を使用するため、上記釉
薬の問題を解消することはできなかった。
【0007】本発明の目的は上述した課題を解消して、
機械的強度を低下させることなく絶縁破壊強度すなわち
急峻波強度を向上させた高電圧用磁器がいしを提供しよ
うとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の高電圧用磁器が
いしは、磁器がいし本体と、磁器がいし本体の表面に設
けた高誘電率結晶を含有する主として磁器質原料からな
る第1のコーティング層と、第1のコーティング層の表
面に設けた釉薬からなる第2のコーティング層とからな
ることを特徴とするものである。
【0009】本発明では、磁器がいし本体の表面に高誘
電率結晶を含有する主として磁器質原料からなる第1の
コーティング層を設けることで、釉薬と等価もしくはそ
れ以上の圧縮ストレスを磁器がいし本体に与えることが
できるほか、釉薬の欠点である気孔量を減少させ、機械
的、電気的両面より素地の高い固有強度を発現させるこ
とができる。また、第1のコーティング層が、好ましく
は酸化チタンおよび/またはチタン酸化合物からなる比
誘電率が10以上の高誘電率結晶を含む。これにより、
第1のコーティング層の見かけの比誘電率を好ましくは
4以上とでき、第1のコーティング層と磁器がいし本体
との誘電率の差を小さくでき、第1のコーティング層が
急峻波パルス印加時の弱点とならない。さらに、第1の
コーティング層の気孔率を第2のコーティング層の気孔
率よりも小さくすることで、このことでも第1のコーテ
ィング層が急峻波パルス印加時の弱点とならず、好まし
い。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の磁器がいしの例と
して懸垂がいしの一例の構成を示す部分断面図である。
図1に示す例において、1は磁器からなる懸垂がいし本
体、2は磁器がいし本体1の表面に設けた高誘電率結晶
を含有する主として磁器質原料からなる第1のコーティ
ング層、3は第1のコーティング層2の表面に設けた釉
薬からなる第2のコーティング層、4は第2のコーティ
ング層3に付着させた不定形のサンド、5はキャップ金
具、6はピン金具、7はキャップ金具5とサンド4との
間およびピン金具6とサンド4との間を接合するセメン
トである。図1に示す懸垂がいしの構成において、本発
明の特徴は、懸垂がいし本体1の表面に所定の第1のコ
ーティング層2を設けた点である。
【0011】第1のコーティング層2の原料としては、
主として磁器質原料、好ましくは、SiO2 :50〜6
0wt%、Ai23 :20〜30wt%、その他Mg
O、CaO、K2 O+Na2 Oからなる原料を用いる。
この磁器質原料は、従来から釉薬として知られている原
料に比べて、SiO2 およびAl23 の添加量におい
て明らかに異なっている。また、上記磁器質原料に対し
て添加する高誘電率結晶としては、好ましくは1MHz
における比誘電率が10以上の結晶、さらに好ましくは
酸化チタンおよび/またはチタン酸化合物(MgTiO
3 、CaTiO3 、BaTiO3 、MgO・Al23
・3TiO2 )からなる結晶を使用する。そして、第1
のコーティング層2全体の比誘電率は4以上であること
が好ましい。これらの構成は急峻波強度向上に寄与す
る。さらに、第1のコーティング層2の厚さについては
特に限定しないが、0.1mm以上であることが、急峻
波特性向上の観点で好ましい。さらにまた、第1のコー
ティング層2と懸垂がいし本体1との熱膨張率の差につ
いても特に限定しないが、650℃において0.1〜
0.2%であると機械的強度が向上するため好ましい。
【0012】第2のコーティング層3としては、従来か
ら知られている釉薬を使用する。釉薬組成の一例として
は、SiO2 :60〜70wt%、Al23 :10〜
20wt%、釉薬気泡を除去するため好ましくはMn
O:1wt%以上の組成があげられる。また、気孔率に
ついても特に限定しないが、第1のコーティング層2の
気孔率よりも大きい気孔率をして、第1のコーティング
層2が急峻波パルス印加時における弱点とならないよう
構成することが好ましい。さらに、厚さについても特に
限定しないが、0.5mmを超えると釉薬中に気孔が内
在するようになるので、0.5mm以下とすることが急
峻波強度向上の観点から好ましい。図1に示す例のよう
に、懸垂がいしの例では、第2のコーティング層3がサ
ンド4を磁器がいし本体1の頭部の外周面および内周面
に接着するために使用される。
【0013】第1のコーティング層2は、従来の施釉方
法と同様に、磁器がいし本体1上に、磁器がいし本体1
と同様の素地を主成分とする原料を泥奨状態にしてディ
ッピングすることで形成される。そのため、第1のコー
ティング層2の気孔率は真空土連記で押し出した素地の
気孔率よりも高くなる。このため、第1のコーティング
層2の絶縁破壊強さは素地よりも低下することが避けら
れない。その結果可能な限り気孔率を減少し、これを補
う必要がある。また、磁器がいし本体1を構成する素地
の絶縁破壊強さは相当に高いレベルにあることにより、
素地と第1のコーティング層2の複合層を考えれば、素
地側の分担割合を増大し第1のコーティング層2に加わ
る電界を、少しでも緩和させることが必要である。この
ため、第1のコーティング層2には、誘電率が高いこと
が要求される。
【0014】一方、誘電率を高めるために、本発明で
は、第1のコーティング層2に好ましくは比誘電率10
以上の高誘電率結晶を含有させている。そのような高誘
電率結晶としては、酸化チタンの結晶相(比誘電率:ε
=100)、酸化チタンの焼成により得られる結晶相
(MgO・Al23 ・3TiO2 、比誘電率:ε=2
0〜100)があげられる。
【0015】ここで、問題となる誘電率やその他の電気
的性状の測定について解析する。従来、釉薬の誘電率は
流し込みにより成形された試料片を、所定の寸法に加工
することにより、その特性を測定している。本発明で
は、この方法に従って第1のコーティング層2の誘電率
を測定すると、その比誘電率が非現実的な値を示すケー
スが度々あり、実際に、磁器がいし本体1のピンホール
に施された第1のコーティング層2の性状を把握するこ
とが困難であることを見い出した。そこで、試料片にコ
ーティングされた第1のコーティング層2の誘電率を求
めるため、以下に示す方法を用いた。
【0016】まず、図2に示す素地の表面にコーティン
グ層を形成したモデルに基づき、第1のコーティング層
2の静電容量(C1 )を、素地・コーティング複合層の
静電容量(C)と素地の静電容量(C2 )を個別に測定
し、以下の(1)式より算出する。C1 が求まれば、第
1のコーティング層2の誘電率は以下の(2)式によっ
て求まる。本例では、素地の厚さを出来るだけ薄くし、
2 の値を大きくすることにより、Cの値との差を大き
くし、第1のコーティング層2の誘電率の測定精度を上
げた。具体的には、素地の厚さを1mmとし、C2 の値
を61.5pFとした。
【数1】
【0017】実際に、磁器がいし本体1の表面に第1の
コーティング層および第2のコーティング層を形成した
本発明の磁器がいしであって第1のコーティング層の誘
電率を変えた磁器がいしを準備し、峻度2500kV/
μsの急峻雷インパルス電圧(Vf=375kV)を2
0回印加したときの貫通率(貫通個数/供試数)から急
峻波強度を調べた。ここで、実際のがいしの貫通率は非
常に小さく、試験的にこれを検証するため、絶縁距離を
短くし貫通率が約10倍となるような試験用がいしを本
発明の磁器がいしとして使用した。結果を図3に示す。
また、基準として、磁器がいし本体1の表面に釉薬層の
みを設けた従来技術で製作した磁器がいしであって、上
述した本発明の試験がいしと同様に絶縁距離を短くし貫
通率が約10倍になるような試験用がいしを準備し、上
述した本発明の試験がいしと同様の試験を行ったとこ
ろ、貫通率は30%であった。図3の結果から、この貫
通率30%以下を満たすものは、第1のコーティング層
の比誘電率が4.0以上であり、第1のコーティング層
の比誘電率は4.0以上であることが、絶縁破壊強さの
点で好ましいことがわかった。
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、磁器がいし本体の表面に高誘電率結晶を含有
する主として磁器質原料からなる第1のコーティング層
を設けているため、釉薬と等価もしくはそれ以上の圧縮
ストレスを磁器がいし本体に与えることができるほか、
釉薬の欠点である気孔量を減少させ、機械的、電気的両
面より素地の高い固有強度を発現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁器がいしの例として懸垂がいしの一
例の構成を示す部分断面図である。
【図2】第1のコーティング層の見かけの比誘電率を求
めるのに使用したモデルの一例を示す図である。
【図3】第1のコーティング層の比誘電率と製品の貫通
率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 磁器がいし本体、2 第1のコーティング層、3
第2のコーティング層、4 サンド、5 キャップ金
具、6 ピン金具、7 セメント
フロントページの続き Fターム(参考) 5G331 AA01 AA02 BA03 BC08 CA02 CC02 DA01 5G333 AA11 AB01 BA06 CA01 CC08 DA01 DA28 FB11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁器がいし本体と、磁器がいし本体の表面
    に設けた高誘電率結晶を含有する主として磁器質原料か
    らなる第1のコーティング層と、第1のコーティング層
    の表面に設けた釉薬からなる第2のコーティング層とか
    らなることを特徴とする高電圧用磁器がいし。
  2. 【請求項2】前記高誘電率結晶が比誘電率10以上であ
    る請求項1記載の高電圧用磁器がいし。
  3. 【請求項3】前記高誘電率結晶が、酸化チタンおよび/
    またはチタン酸化合物である請求項1記載の高電圧用磁
    器がいし。
  4. 【請求項4】前記第1のコーティング層の見かけの比誘
    電率が4以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の高電圧用磁器がいし。
  5. 【請求項5】前記第1のコーティング層の気孔率が、前
    記第2のコーティング層の気孔率よりも小さい請求項1
    記載の高電圧用磁器がいし。
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