JP2000271675A - 2部材の接合方法 - Google Patents

2部材の接合方法

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JP2000271675A JP11237303A JP23730399A JP2000271675A JP 2000271675 A JP2000271675 A JP 2000271675A JP 11237303 A JP11237303 A JP 11237303A JP 23730399 A JP23730399 A JP 23730399A JP 2000271675 A JP2000271675 A JP 2000271675A
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    • B21KMAKING FORGED OR PRESSED METAL PRODUCTS, e.g. HORSE-SHOES, RIVETS, BOLTS OR WHEELS
    • B21K25/00Uniting components to form integral members, e.g. turbine wheels and shafts, caulks with inserts, with or without shaping of the components

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板厚方向に貫通する切欠きまたは穴を有する
板状の第1部材10と、穴11に挿入される第2部材2
0とを接合させる場合に、接合面の密着性を確保するこ
とができ、充分な接合強度を得ることのできる接合方法
を提供する。 【解決手段】 第1部材10の穴11の側壁面を凸状ま
たは凹状の接合面12として造形し、挿入した第2部材
20を加圧してカシメることにより変形させ、第1部材
10の接合面12に嵌合させた後、ろう付けあるいは第
1部材10の穴11近傍を加圧するカシメにより、嵌合
部40に残存する隙間を密着させる。また、第1部材1
0と第2部材20との間に、第3部材を介し、該第3部
材を加圧して変形させるカシメを行った後、ろう付け、
拡散接合あるいは第1部材10をカシメることによって
嵌合部の隙間を密着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つの部材を接合
する方法に関し、特に、板状部材とその板状部材を貫通
して挿入される部材とを接合する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種機器を構成する部品の中には、2つ
以上の部材を接合し一体として形成されている部品が多
種存在する。これらの部品に対する接合方法として、接
合部の強度を高く保てるといった理由から、例えば金属
材料部材の接合の場合には、溶接という方法が広く採用
されている。
【0003】ところが、金属材料でない場合、金属材料
であっても異種材料である場合等、溶接による接合が困
難な場合もある。また、溶接は、接合部を一旦溶融した
後凝固させるものであるため、残留応力による接合後の
歪み等が発生し、接合された部品に悪影響を与える場合
もある。
【0004】溶接が困難な場合に一般的に採用されてい
る接合方法として、ろう付け(ろう接)、カシメがあ
る。例えば、貫通孔のある板状部材(図32(a)参
照)に棒状部材(図32(b)参照)をこの貫通孔に挿
入して接合する場合(図32(c)参照)を例にとって
説明すれば、ろう付けを行う場合は、接合面間に存在す
る隙間に、加熱溶融したろう材を流し込み、ろう材を凝
固させて接合する(図33参照)。したがって、接合面
が密着または金属的に結合されて、両部材にがたつきを
生じることなく接合される。ところが、このようなろう
付けでは、棒状の部材にかかる板状部材の板厚方向(図
33の矢印方向)の力に対しては、充分な接合強度を発
揮できない場合がある。
【0005】また、カシメによる接合方法を採用する場
合は、例えば、板状部材の貫通孔壁面を凸状に形成し、
(図34(a)参照)、この貫通孔に挿入した棒状部材
に対し挟み付けるように加圧し、棒状部材を塑性変形さ
せて貫通孔壁面に嵌合させるようにして接合を行う(図
34(b)参照)。このようなカシメによる接合は、溶
融させるほどの高熱を必要とせず、迅速に接合できると
いうメリットを有し、効果的な接合方法である。ところ
が、このような1工程のカシメでは、接合面を充分に密
着させることができず、両部材間にがたつきが生じやす
く、特に、繰り返される負荷がかかるような場合には、
接合強度が不充分であった。この場合、変形させる棒状
部材を加熱軟化させて接合面の密着性を高めることもで
きるが、冷却による部材の収縮等が原因し、充分に密着
された接合面を得ることは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解決すべくなされたものであり、2つの部材を接
合する場合、特に、板状部材とその板状部材を貫通する
部材との2つの部材を接合する場合に、接合面の密着性
等を確保することができ、充分な接合強度を得ることの
できる接合方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の2部材の接合方
法の1つは、板厚方向に貫通する切欠きまたは穴を有す
る板状の第1部材と、該切欠きまたは穴に挿入される第
2部材とを接合させる2部材の接合方法であって、前記
第1部材の前記切欠きまたは穴を区画する壁面の板厚方
向の中間部の少なくとも一部を凸状または凹状に形成し
て第1部材の接合面を造形する第1部材接合面造形工程
と、該第1部材の該切欠きまたは穴に前記第2部材を挿
入し、該第2部材を加圧して変形させ、該第1部材の接
合面に嵌合させるカシメ工程と、該第1部材と該第2部
材との嵌合部の隙間にろう材を流入させ、該嵌合部を密
着させるろう付け工程とを含んでなることを特徴とする
(以下、この方法を「第1接合方法」という)。
【0008】つまり、本接合方法は、基材となる板状部
材の接合面に、凸状部または凹状部を形成させ、この板
状部材の接合面にもう一つの部材の接合面を嵌合させる
カシメ工程を行った後、両接合面により形成される嵌合
部に残存する隙間を充てんするようにろう付けを行うも
のである。このようにカシメ工程とろう付け工程とを組
み合わせることにより、本接合方法は、接合面が充分に
密着し、かつ充分な接合強度の得られる接合方法とな
る。
【0009】また本発明の2部材の接合方法の別の1つ
は、板厚方向に貫通する切欠きまたは穴を有する板状の
第1部材と、該切欠きまたは穴に挿入される第2部材と
を接合させる2部材の接合方法であって、前記第1部材
の前記切欠きまたは穴を区画する壁面の板厚方向の中間
部の少なくとも一部を凹状に形成して第1部材の接合面
を造形する第1部材接合面造形工程と、該第1部材の該
切欠きまたは穴に前記第2部材を挿入し、該第2部材を
加圧して変形させ、該第1部材の接合面に嵌合させる第
1のカシメ工程と、該第1部材の該切欠きまたは穴の近
傍を加圧し、該第1部材の接合面を変形させ、該第1部
材と該第2部材との嵌合部を密着させる第2のカシメ工
程とを含んでなることを特徴とする(以下、この方法を
「第2接合方法」という)。
【0010】つまり、本接合方法は、板状部材の接合面
を凹状に形成することを前提とし、第1接合方法におけ
るろう付け工程の代わりに、板状部材の接合部近傍を加
圧して変形させる第2のカシメ工程を付加するものであ
る。挿入される部材を加圧してカシメる第1のカシメ工
程によっても残存する接合面の隙間を、この第2のカシ
メ工程によって充分に密着させることで、繰り返される
負荷がかかるような場合にも、充分な接合強度の得られ
る接合方法となる。なお、本接合方法は、ろう付け工程
を含んでいないため、接合に要する時間を大幅に短縮で
きる接合方法となっている。
【0011】さらに、本発明の2部材の接合方法では、
上記の第1接合方法および第2接合方法を応用し、基材
となる板状部材と挿入して接合される部材とを、両部材
の間に第3の部材を介して接合する態様のものを採用す
ることもできる。
【0012】その接合方法の1つは、板厚方向に貫通す
る切欠きまたは穴を有する板状の第1部材と、該切欠き
または穴に挿入される第2部材とを、該第1部材と該第
2部材との間に位置させる第3部材を介して接合させる
2部材の接合方法であって、前記第1部材の前記切欠き
または穴を区画する壁面の板厚方向の中間部の少なくと
も一部を凸状または凹状に形成して第1部材の接合面を
造形する第1部材接合面造形工程と、前記第2部材の該
第1部材の接合面に対向する部位を、該第1部材の接合
面に対して凸状または凹状に形成して第2部材の接合面
を造形する第2部材接合面造形工程と、該第1部材の該
切欠きまたは穴に該第2部材を前記第3部材を介して挿
入し、該第3部材を加圧して変形させ、該第1部材の接
合面および該第2部材の接合面に嵌合させるカシメ工程
と、該第1部材と該第3部材との嵌合部の隙間および該
第2部材と該第3部材との嵌合部の隙間にろう材を流入
させ、該2つの嵌合部を密着させるろう付け工程とを含
んでなることを特徴とするものである(以下、この方法
を「第3接合方法」という)。
【0013】この方法は、介入させる第3の部材のみを
変形させることによって行うものであり、基材となる板
状部材と挿入されて接合される部材とのいずれもが、加
圧による塑性変形を生じない材料であっても、この両部
材を接合できる方法となる。また、本接合方法では、挿
入されて接合される部材が、例えば、長い棒状の部材で
あるような場合には以下の利点をも有する。棒状の部材
を接合させる場合、先の第1接合方法および第2接合方
法では、カシメ工程の加圧のために接合部のみを、他の
部分より太く形成する必要がある。このため、太い棒状
の素材から、接合部以外の部分を機械加工等の切除手段
によって細くしなければならない(図11参照)。本接
合方法では、挿入されて接合される部材が長い棒状の部
材であっても、接合面となる部分を凹状に形成すればよ
く、挿入されて接合される部材を作製する際の材料の歩
留りが改善できることなる。
【0014】また、第3の部材を介して行う接合方法の
もう1つの方法は、板厚方向に貫通する切欠きまたは穴
を有する板状の第1部材と、該切欠きまたは穴に挿入さ
れる第2部材とを、該第1部材と該第2部材との間に位
置させる第3部材を介して接合させる2部材の接合方法
であって、前記第1部材の前記切欠きまたは穴を区画す
る壁面の板厚方向の中間部の少なくとも一部を凹状に形
成して第1部材の接合面を造形する第1部材接合面造形
工程と、前記第2部材の該第1部材の接合面に対向する
部位を、該第1部材の接合面に対して凸状または凹状に
形成して第2部材の接合面を造形する第2部材接合面造
形工程と、該第1部材の該切欠きまたは穴に該第2部材
を前記第3部材を介して挿入し、該第3部材を加圧して
変形させ、該第1部材の接合面および該第2部材の接合
面に嵌合させる第1のカシメ工程と、該第1部材の該切
欠きまたは穴の近傍を加圧し、該第1部材の接合面を変
形させ、該第1部材と該第3部材との嵌合部を密着させ
る第2のカシメ工程と、該第2部材と該第3部材との嵌
合部の隙間にろう材を流入させ、該嵌合部を密着させる
ろう付け工程とを含んでなることを特徴とするものであ
る(以下、この方法を「第4接合方法」という)。
【0015】本接合方法は、先に示した第2接合方法と
同様、板状部材と介入させた部材とをろう付けする代わ
りに、板状部材の接合部近傍を加圧して変形させる第2
のカシメ工程を付加したものである。本接合方法によれ
ば、先の第3接合方法と同様、挿入されて接合される部
材が塑性変形性のない材料である場合の接合にも適用で
き、また、当該部材の材料歩留りを向上させることがで
きる。さらに、ろう付け工程を短縮できるため、より迅
速な接合加工が実現される。
【0016】さらに、本発明の2部材の接合方法では、
上記第3接合方法および第4接合方法と同様に第3の部
材を介して接合する場合に、挿入する第2部材と介在さ
せる第3部材との接合を拡散接合とする態様のものとす
ることもできる。
【0017】拡散接合を採用する接合方法の一つは、板
厚方向に貫通する切欠きまたは穴を有する板状の第1部
材と、該切欠きまたは穴に挿入される第2部材とを、該
第1部材と該第2部材との間に位置させる第3部材を介
して接合させる2部材の接合方法であって、前記第1部
材の前記切欠きまたは穴を区画する壁面の板厚方向の中
間部の少なくとも一部を凸状または凹状に形成して第1
部材の接合面を造形する第1部材接合面造形工程と、該
第1部材の該切欠きまたは穴に前記第2部材を前記第3
部材を介して挿入し、該第3部材を加圧して変形させ、
該第1部材の接合面に嵌合させかつ該第2部材の該第1
部材の接合面に対向する部位に付着させるカシメ工程
と、該第2部材および該第3部材を加熱し、該第2部材
と該第3部材との付着部を拡散接合させる拡散接合工程
と、該第1部材と該第3部材との嵌合部の隙間にろう材
を流入させ、該嵌合部を密着させるろう付け工程とを含
んでなることを特徴とするものである(以下、この方法
を「第5接合方法」という)。
【0018】つまり、この第5接合方法は、上記第3接
合方法の第2部材と第3部材の接合を、ろう付けに代え
て拡散接合で行うものである。拡散接合は、それぞれの
部材を構成する原子が、両部材の界面において相互に拡
散することにより、接合するものであり、同種の金属材
料からなる部材の接合に有効な接合方法である。この拡
散接合によれば、カシメ工程で付着させた第2部材と第
3部材との付着部に存在するわずかな空隙(ボイド)も
消失し、即ち接合する部材の界面が消失することで、接
合強度において優れたものとなる。したがって、本第5
接合方法は、第1部材に挿入する第2部材と、第1部材
と第2部材との間に介在させる第3部材が、同種の金属
材料からなる場合に特に有効な方法となる。
【0019】第2部材の歩留りについては、第3接合方
法および第4接合方法と同様に優れたものとなり、第2
部材が長い棒状のものである場合、また第2部材が高価
な材料である場合等に特に有効となる。また、本第5接
合方法は、第3接合方法および第4接合方法と異なり、
第2部材の接合面を特別な形状に造形する工程を必要と
しないことから、この点でも迅速、簡便かつ加工コスト
が低減された接合方法となる。さらに、第3接合方法と
比較すればろう付けの箇所が少なくてすみ、ろう材の使
用量の低減を図れる点でも低コストな接合方法となる。
【0020】また、拡散接合を採用するもう一つの接合
方法は、板厚方向に貫通する切欠きまたは穴を有する板
状の第1部材と、該切欠きまたは穴に挿入される第2部
材とを、該第1部材と該第2部材との間に位置させる第
3部材を介して接合させる2部材の接合方法であって、
前記第1部材の前記切欠きまたは穴を区画する壁面の板
厚方向の中間部の少なくとも一部を凹状に形成して第1
部材の接合面を造形する第1部材接合面造形工程と、該
第1部材の該切欠きまたは穴に前記第2部材を前記第3
部材を介して挿入し、該第3部材を加圧して変形させ、
該第1部材の接合面に嵌合させかつ該第2部材の該第1
部材の接合面に対向する部位に付着させる第1のカシメ
工程と、該第2部材および該第3部材を加熱し、該第2
部材と該第3部材との付着部を拡散接合させる拡散接合
工程と、該第1部材の該切欠きまたは穴の近傍を加圧
し、該第1部材の接合面を変形させ、該第1部材と該第
3部材との嵌合部を密着させる第2のカシメ工程とを含
んでなることを特徴とする(以下、この方法を「第6接
合方法」という)。
【0021】本第6接合方法は、上記第5接合方法にお
ける第1部材と第3部材との接合を、ろう付けに代え
て、カシメにて行う態様の接合方法であり、また言い換
えれば、上記第4接合方法における第2部材と第3部材
との接合を、ろう付けに代えて、拡散接合で行う態様の
接合方法である。上記拡散接合の利点に加え、ろう付け
をまったく施さないことで、ろう材コストの削減が可能
となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の2部材の接合方
法の実施形態について、図を参照しつつ、詳しく説明す
る。
【0023】〈第1接合方法〉本接合方法が適用される
部材は、板厚方向に貫通する切欠きまたは穴を有する板
状の第1部材と、該切欠きまたは穴に挿入される第2部
材との2つの部材である。
【0024】第1部材の形状については、板状の部材で
あれば特に限定されず、円形のもの、方形のもの等いず
れの外形をもつものであってもよい。第2部材が挿入さ
れる部分は、図1(a)に示すように、中央部に貫通さ
れた穴でもよく、またその穴は円形に限られず、図1
(b)示すように方形の穴でもよく、穴の形状は特に限
定されない。さらに、例えば挿入される第2部材が第1
部材の板厚方向にのみ力を受けるような場合にあって
は、第2部材の挿入される部分は、図1(c)に示すよ
うに切欠きの形状をしているものであってもよい。この
第1部材の形状については、本接合方法だけでなく、後
に説明する第2〜6接合方法についても同様であるた
め、以下の接合方法の説明では省略する。
【0025】本接合方法が適用される第2部材の形状
は、第1部材の切欠きまたは穴に挿通することができる
ものであればよく、その長さは、第1部材の板厚と同程
度の長さであってもよく、また、第1部材の板厚を超え
る長い棒状のものであってもよい。接合強度を考慮すれ
ば、第2部材の接合部となる部分が第1部材の切欠きま
たは穴の形状に合致し、この第2部材の全周において接
合部となることが望ましい。ただし、所望の接合強度を
得ることができる場合には、必ずしも全周にわたって接
合部である必要はなく、外周のうち対向する2箇所ある
いはそれ以上の複数の箇所が接合部となるような形状で
あってもよい。接合部は、カシメによって第1部材の切
欠きまたは穴の壁面に接することができるものであれば
よく、接合強度、カシメ工程による加工性等を考慮すれ
ば、接合部となる部分において、第1部材との間に存在
する隙間ができるだけ小さいことが望ましい。
【0026】上述したように、様々な形状の第1部材お
よび第2部材の組み合わせが考えられる。これらのすべ
てを説明することは難解なものとなるため、以下の実施
形態の説明においては、図2に示すような、中央部に円
形の穴11を有する円盤状の第1部材10と、この穴1
1に挿入され、接合部となる大径部21と、大径部21
の両側に大径部21と同軸的に形成された小径部22と
を有する段付き円柱棒状の第2部材20との接合形態を
中心に説明する。
【0027】本接合方法が適用される第1部材10の材
質については、鋼、アルミニウム、チタン、銅、黄銅等
の金属を始めとして、第2部材の加圧によるカシメ、第
2部材とのろう付けに支障をきたさない限り、セラミッ
ク、ガラス、硬質樹脂等様々なものであってよい。また
第2部材10の材質は、接合部となる大径部21が、圧
縮によって塑性変形するものであればよく、第1部材1
0と同種のものでもよく、また、第1部材10と異種の
ものであってもよい。
【0028】本接合方法においての第1部材接合面造形
工程は、基材となる第1部材に設けられた切欠きまたは
穴を区画する壁面のうち、接合部となる部分の板厚方向
の中間部を凸状または凹状に形成することによって行
う。図2に示す第1部材と第2部材との組み合わせにお
いては、円形穴の側壁面を全周にわたって凸状または凹
状に形成することによって、第1部材の接合面を造形す
ればよい。
【0029】板厚方向の中間部が凸状または凹状に形成
された接合面は、図3に示すように、種々の形状のもの
とすることができる。例えば、図3(a)および(b)
で示されるような、断面において2本の直線で区画され
るような凸部13あるいは凹部14をもつ形状、図3
(c)および(d)で示されるような、断面において曲
線で区画される凸部13あるいは凹部14をもつ形状、
図3(e)および(f)で示されるような同一断面で2
以上の凸部または凹部をもつ形状などである。ただし、
必ずしもすべての接合部において同じ形状を有する接合
面12となるように造形する必要はない。凸部13また
は凹部14の突出代または凹み代については、得ようと
する接合強度、挿入される第2部材の材質、第1部材1
0の加工性等を総合的に勘案して決定すればよい。
【0030】接合面12の造形、つまり凸部13または
凹部14の形成方法は、特に限定されるものではない。
第1部材10に切欠きまたは穴11を形成させた後、凸
部13または凹部14を形成するのでもよく、また、切
欠きまたは穴11の形成と同時に凸部13または凹部1
4を形成させるものであってもよい。例えば、第1部材
10が鋼等の金属材料からなるものである場合には、ボ
ール盤、フライス盤、旋盤等の加工装置を用いて、切削
加工によって接合面12を造形することができる。
【0031】次に、接合面が造形された第1部材の切欠
きまたは穴に第2部材を挿入し、カシメ工程を行う。図
2に示す第1部材と第2部材との組み合わせの場合のカ
シメ工程の様子を、図4に示す。この実施形態は、第1
部材10の穴11の側壁面である接合面12は凸状に形
成されている。挿入される第2部材20は、接合部とな
る大径部21と、その上下に同軸的に設けられた小径部
22とからなり、カシメるための加圧は、大径部のフラ
ンジ面23を上下方向に大径部21を押しつぶすように
行う。本実施形態の場合は、小径部22の変形を防止す
べく、小径部22の外径より若干大きな内径を有する1
対の筒状の押圧治具50によって加圧を行う。加圧の方
法は、特に限定されず、プレス、打撃等、種々の方法を
用いて行うことができる。
【0032】加圧により、第2部材20の大径部21
は、塑性変形し第1部材10の接合面12に嵌合するこ
ととなり、第1部材10の接合面12と第2部材20の
接合面24(大径部21の円柱側面であった面)とで嵌
合部40を構成することとなる。しかし、このようなカ
シメ工程だけでは、嵌合部40には隙間が残存すること
になり、第1部材10と第2部材20とのいずれかに繰
り返し荷重が加えられるような場合は、両者の間にがた
つきを生じることも考えられる。
【0033】加圧して変形させる部材、本実施形態の場
合は第2部材20の大径部21が、例えば金属材料のよ
うに、加熱することにより軟化する材料からなる場合
は、カシメ工程は、この第2部材の大径部21を加熱し
て行うことが望ましい。第2部材20を軟化させること
により、上記嵌合部40に残存する隙間が減少し、両部
材に生じるがたつきを軽減させることができ、また、カ
シメのための加圧力を小さくすることができ、カシメ装
置自体の小型化が達成できるからである。
【0034】上記加熱の方法は、第2部材20を加熱炉
中に存置させる方法、直火を当てて加熱する方法等、種
々の方法を採用することができる。また、第2部材20
を第1部材10に挿入する前に第2部材を単独で加熱す
るのでもよく、また、挿入後加熱するものであってもよ
い。第2部材20が電気伝導性のある材料である場合、
高周波コイルを用いて高周波誘導加熱を行うこともでき
る。高周波誘導加熱は、迅速かつ均一に加熱できるとい
うメリットを有する。また、第2部材20が電気伝導性
のある材料からなる場合には、加圧するための1対の押
圧治具50の間に高電圧をかけ、その通電抵抗によって
発熱させる抵抗加熱を行うのがより望ましい。この抵抗
加熱によれば、加熱と加圧が同時にできることから、よ
り迅速かつ簡便な、カシメ工程となる。
【0035】カシメ工程終了後、嵌合部40の隙間にろ
う材を流入させ、この嵌合部40を密着させるろう付け
工程に移る。ろう付け後の様子を、図5に示す。ろう付
け工程により、ろう材は嵌合部40の隙間に入り込み、
第1部材10と第2部材20との嵌合部40は密着され
た状態となり、接合強度が大きく、繰り返される荷重に
対してもがたつきの発生しない2部材の接合が実現され
る。
【0036】ろう付けは、例えば第1部材および第2部
材が鋼、チタン等の場合は銀ろう付けを行うといった具
合に、公知の方法にて行えばよく、ろう材の種類、フラ
ックスの種類、加熱方法等、ろう付けの材料および条件
については、接合に供される第1部材10および第2部
材20の材質、大きさ、嵌合部40の隙間量および形状
等に応じて、適切なものを選定すればよい。なお、第1
部材10がセラミック材料で、第2部材20が金属材料
であるような場合は、セラミックの第1部材10の接合
面12に、Mo系物質をメタライジングする等の特殊な
前処理を行って、接合性を向上させるといった工夫も考
えられる。
【0037】また、ろう付け時におけるろう材の流入を
スムーズに行うことに配慮して、嵌合部40の第1部材
10あるいは第2部材20のろう材を流入させる箇所に
ろう材導入部を形成させることも望ましい実施態様とな
る。例えば、図6に示すものは、第1部材10の板表面
と接合面24との境界部に面取り15を施すことによ
り、ろう材導入部を設けた態様のものである。このよう
なろう材導入部の存在により、ろう付け工程が簡便かつ
確実に実施でき、嵌合部40のより均一な密着が担保さ
れることとなる。
【0038】〈第2接合方法〉第2接合方法は、上記第
1接合方法のろう付け工程に代え、挿入される第2部材
を加圧するカシメ工程によっても残存する嵌合部の隙間
を、第1部材の切欠きまたは穴の近傍を加圧して押しつ
ぶす第2のカシメ工程を行う方法である。この第2のカ
シメ工程により、嵌合部が密着した接合を行うことがで
きる接合方法となる。
【0039】この第2接合方法は基材となる第1部材を
も加圧して塑性変形させるものであることから、第1部
材は、例えば、鋼、アルミニウム、チタン、銅等の金属
材料のように、塑性変形性のある材料からなる必要があ
る。また、第2接合方法における第1部材接合面造形工
程では、第1部材を加圧によって押しつぶして嵌合部の
隙間を密着させるものであることから、第1部材の切欠
きまたは穴の側壁面を凹状に形成する必要がある。より
具体的には、例えば、図3(b)、(d)に示すような
形状の凹部を形成する必要がある。凹状の壁面を形成し
て接合面を造形する方法としては、上記第1接合方法に
おける場合と同様の方法を用いればよい。
【0040】次に、第1部材の切欠きまたは穴に挿入し
た第2部材を加圧する第1のカシメ工程を行う。第1の
カシメ工程を図7に示す。第1接合方法と同様の方法に
てカシメを行えばよい。この第1カシメ工程によって、
第2部材20の大径部21は塑性変形し、大径部21の
円筒側面が第1部材10の穴11の側壁面である接合面
12に嵌合して接合面24となる。上記第1接合方法の
場合と同様、第1部材10の接合面12と第2部材20
の接合面24とから構成される嵌合部40は、この時点
では密着されたものとなっておらず、隙間を有するもの
となってている。なお、第2部材が加熱することにより
軟化する部材である場合には、この第1カシメ工程にお
いて第2部材20を加熱してカシメを行うことも、ま
た、その加熱を抵抗加熱にて行うこともでき、それらの
利点についても上記第1接合方法の場合と同様である。
【0041】次いで、第1部材10の切欠きまたは穴1
1の近傍を加圧し、第1部材10の接合面12を変形さ
せて嵌合部40を密着させる第2のカシメ工程に供す
る。第2のカシメ工程の様子を図8に示す。押圧治具5
0によって第1部材10の穴11の周りを第1部材10
を挟み付けるように加圧することで、嵌合部40が密着
させられる。第1部材10が加熱により軟化する材料か
らなる場合は、この第2のカシメ工程において、第1部
材10を加熱して行うことは、嵌合部40をより緊密に
密着させることとなる。つまり、軟化することにより第
1部材10の変形性が良好となるばかりでなく、加熱カ
シメ後の冷却によって、第1部材10の穴11が収縮
し、第2部材20を締め付けるように作用するからであ
る。なお、この加熱の方法についても種々の方法を採用
できるが、押圧治具50を介して通電させ、第1部材1
0の通電抵抗により発熱させる抵抗加熱によれば、カシ
メと加熱が同時に行えることから、迅速なカシメ工程と
なる。
【0042】このように、第1部材および第2部材の両
者が加圧によって塑性変形する材料からなる場合、第2
接合方法は、第1接合方法と異なりろう付けを必要とせ
ず、簡便でかつ迅速な2部材の接合方法となる。
【0043】〈第3接合方法〉本接合方法は、上記第1
接合方法および第2接合方法と異なり、板状の第1部材
と第1部材の切欠きまたは穴に挿入される第2部材と
を、両者の接合面の間に第3の部材を介して接合するも
のである。第1部材、第2部材および第3部材の形状
は、種々選択して組み合わせることができるが、ここで
は便宜上、図9に示すような、中央部に貫通した円形の
穴11が設けられた円盤状の第1部材10と、円柱棒状
の第2部材20と、第1部材10の穴11の内径より若
干小さい外径をもちかつ第2部材20の外径より若干大
きな内径をもつ筒状の第3部材30との組み合わせの実
施形態を中心に説明する。以後の第4〜第6接合方法に
ついても同様である。
【0044】本接合方法では、第3部材30を加圧して
変形させるため、この第3部材は、例えば金属材料のよ
うな塑性変形性がある材料からなる必要がある。これに
対して、第1部材10および第2部材については、加圧
変形させないことから、金属材料のみならず、例えばセ
ラミック、ガラス等の塑性変形性のない材料であっても
構わない。
【0045】第1部材の造形工程は、第1接合方法の場
合と同様、第1部材に設けられた切欠きまたは穴を区画
する壁面のうち、接合部となる部分の板厚方向の中間部
を凸状または凹状に形成することによって行う。凸状ま
たは凹状の形状については第1接合方法の場合と同様、
例えば、図3に示すような種々の形状を採用することが
できる。また、凸部あるいは凹部の形成方法、突出代ま
たは凹み代等についても、第1接合方法と同様の考え方
に従えばよい。
【0046】本接合方法では、第2部材の第1部材の接
合面に対向する部位を、第1部材の接合面に対して凸状
または凹状に形成して第2部材の接合面を造形する第2
部材接合面造形工程をも必要とする。図9に示す組み合
わせの実施形態の場合においては、図10に示すような
断面形状に、第2部材20の接合面を造形すればよい。
例えば、図10(a)および(d)で示されるような、
断面において2本の直線で区画されるような凸部25あ
るいは凹部26をもつ形状、図10(b)および(e)
で示されるような、断面において曲線で区画される凸部
25あるいは凹部26をもつ形状、図10(c)および
(f)で示されるような同一断面で2以上の凸部25ま
たは凹部26をもつ形状などである。凸部25または凹
部26の形成方法は、第2部材20の材質等に応じて、
任意の方法を採用できる。
【0047】なお、例えば、図10(d)、(e)、
(f)のように凹部26を形成させて第2部材20の接
合面を造形する場合には、第2部材の材料歩留りがよい
という利点をも有する。つまり、棒状の長い第2部材に
ついて上記の第1接合方法および第2接合方法を適用し
ようとする場合であって、第2部材を切削加工等によっ
て所定の形状に造形する場合は、例えば図11(a)に
示すように、斜線部分を切除しなければならない。これ
に対して、本接合方法の第2部材では、図11(b)に
示すように、凹部を形成するように接合面を造形すれば
よく、切除される材料が少なくてすみ、第2部材の材料
歩留りがよいものとなる。したがって、第2部材が棒状
の長いものであって、しかも高価な材料からなる場合
は、本接合方法はコスト的にも優れた接合方法となる。
【0048】次に、接合面が造形された第1部材の切欠
きまたは穴に、第3部材とともに第2部材を挿入し、カ
シメ工程を行う。図9に示す第1部材、第2部材、第3
部材との組み合わせの場合のカシメ工程の様子を、図1
2(a)および(b)に示す。この実施形態では、第1
部材10の穴11の側壁面である接合面12は凸状に形
成されている。挿入される第2部材20の接合面24も
凸状に形成されている。カシメは、第3部材30のみを
加圧すべく、押圧治具50によって行う。加圧の方法
は、第1接合方法の場合と同様、特に限定されず、プレ
ス、打撃等、種々の方法を用いて行うことができる。
【0049】加圧により、第3部材30は、塑性変形し
て第1部材10の接合面12および第2部材20の接合
面24に嵌合することとなり、それぞれの接合面12、
24と第3部材30の接合面31とで嵌合部40を構成
することとなる。第1接合方法の場合と同様、このよう
なカシメ工程だけでは、嵌合部40には隙間が残存する
ことになり、第1部材10と第2部材20とはがたつき
が発生する可能性を残す。
【0050】第3部材30が、例えば金属材料のよう
に、加熱することにより軟化する材料からなる場合は、
第1接合方法の場合と同様、カシメ工程は、この第3部
材30を加熱して行うことが望ましい。第3部材30を
軟化させることにより、上記嵌合部40に残存する隙間
が減少し、両部材間に生じる可能性があるがたつきを軽
減させることができ、また、カシメのための加圧力を小
さくすることができ、カシメ装置自体の小型化が達成で
きるからである。加熱によるこれらの効果は、第1接合
方法の場合と同様である。
【0051】上記加熱の方法は、第1接合方法の場合と
同様、第3部材30を加熱炉中に存置させる方法、直火
を当てて加熱する方法、高周波誘導加熱法等、種々の方
法を採用することができる。また、第3部材20を第1
部材10に挿入する前に第3部材を単独で加熱するので
もよく、また、挿入後加熱するものであってもよい。ま
た、第3部材30が電気伝導性のある材料からなる場合
には、通電抵抗によって発熱させる抵抗加熱を行うのが
望ましい。この抵抗加熱によれば、加熱と加圧が同時に
できることから、より迅速かつ簡便な、カシメ工程とな
る。この抵抗加熱による効果も、上記第1接合方法の場
合と同様である。
【0052】カシメ工程終了後、第1部材10と第3部
材30との嵌合部40および第2部材20と第3部材3
0との嵌合部40の隙間にろう材を流入させ、この嵌合
部40を密着させるろう付け工程に移る。ろう付け後の
様子を、図12(c)に示す。ろう付け工程により、ろ
う材41は嵌合部40の隙間に入り込み、2つの嵌合部
40は密着された状態となり、接合強度が大きく、第1
部材と第2部材との間にがたつきのない2部材の接合が
実現される。なお、第3部材を加熱して変形させること
による熱収縮で第2部材と第3部材が充分に密着する場
合には、第2部材20と第3部材30とのろう付けは必
要ない。
【0053】ろう付けは、第1接合方法の場合と同様
に、公知の方法にて行えばよく、ろう材の種類、フラッ
クスの種類、加熱方法等、ろう付けの材料および条件に
ついては、第1部材10、第2部材20、第3部材30
の材質、大きさ、嵌合部40の隙間量および形状等に応
じて、適切なものを選定すればよい。また、ろう付け時
におけるろう材の流入をスムーズに行うべく、嵌合部4
0の第1部材10あるいは第2部材20のろう材流入箇
所にろう材導入部を設ける等の配慮をすることも望まし
い。この点についても、第1接合方法の場合と同様であ
る。
【0054】〈第4接合方法〉本接合方法は、上記第3
の接合方法における第1部材と第3部材との嵌合部を密
着する手段として、ろう付けの代わりに、第1部材の切
欠きまたは穴の近傍を加圧して行うカシメによる手段を
採用したものである。つまり、本接合方法は、第3接合
方法と第2接合方法とをミックスさせた方法である。
【0055】したがって、本接合方法が適用できる第1
部材は、例えば金属材料等のように、塑性変形性のある
材料からなる必要がある。また、本接合方法における第
1部材接合面造形工程では、第2接合方法と同様、第1
部材と第3部材との嵌合部の隙間を第1部材を加圧する
ことによって押しつぶし、密着させるものであることか
ら、第1部材の切欠きまたは穴の側壁面を凹状に形成す
る必要があり、例えば、図3(b)、(d)に示すよう
な形状の凹部を形成する必要がある。なお、第2部材の
接合面の造形は、第3接合方法の場合と同様に行えばよ
い。
【0056】接合面が造形された第1部材および第2部
材は、両者の間に第3部材を介して、まず第1のカシメ
工程に供される。図9に示す第1部材、第2部材、第3
部材との組み合わせの場合の第1のカシメ工程の様子
を、図13に示す。この実施形態では、第1部材10の
穴11の側壁面である接合面12および挿入される第2
部材20の接合面24ともに凹状に形成されている。カ
シメは、第3接合方法と同様の方法にて行えばよい。ま
た、第3部材30を加熱してカシメ行うこと、およびこ
の加熱の方法についても第3接合方法に従う。
【0057】第1のカシメ工程により、第3部材30
は、塑性変形し第1部材10の接合面12および第2部
材20の接合面24に嵌合することとなり、それぞれの
接合面12、24と第3部材30の接合面31とで嵌合
部40を構成することとなる。第3接合方法の場合と同
様、このようなカシメ工程だけでは、嵌合部40には隙
間が残存することになる。
【0058】次いで、嵌合部の隙間を密着させるため
に、第2のカシメ工程に供される。第2のカシメ工程の
様子を、図14に示す。第2のカシメ工程では、第1部
材10の穴11の近傍を板厚方向に挟み付けるように加
圧し、第1部材10の接合面12を変形させて、第1部
材と第3部材との嵌合部40を密着させる。加圧は、押
圧治具50によって第1部材10の穴11の周りを第1
部材10を挟み付けるようにして行う。第1部材10が
加熱により軟化する材料からなる場合は、この第2のカ
シメ工程において、第1部材10を加熱して行うこと、
および、加熱を抵抗加熱によって行うことの効果は、第
2接合方法の場合と共通するものとなる。
【0059】カシメ工程終了後、第2部材20と第3部
材30との嵌合部40の隙間にろう材を流入させ、この
嵌合部40を密着させるろう付け工程に移る。ろう付け
後の様子を、図15に示す。ろう付け工程により、ろう
材は嵌合部40の隙間に入り込み、第2部材20と第3
部材30とのの嵌合部40は密着された状態となる。ろ
う付けの方法については、上記第1接合方法および第3
接合方法の場合と同様に、公知の方法を採用すればよ
い。なお、第3接合方法の場合と同様、第3部材を加熱
して変形させることによる熱収縮で第2部材と第3部材
が充分に密着する場合には、第2部材20と第3部材3
0とのろう付けは必要ない。
【0060】本接合方法は、上記第2のカシメ工程とろ
う付け工程の2工程で、それぞれの嵌合部が密着され、
接合強度が大きく、第1部材と第2部材との間にがたつ
きのない2部材の接合が実現される。なお、第2のカシ
メ工程と、ろう付け工程については、いずれの工程を先
に行ってもよい。本接合方法は、ろう付けを行う箇所が
少ないため、上記第3接合方法に比べて短時間で2部材
を接合できる方法となる。
【0061】〈第5接合方法〉本接合方法は、上記第3
接合方法と同様、第3部材を介して接合する方法である
が、上記第3接合方法と異なり、第2部材と第3部材と
の接合をろう付けに代えて拡散接合にて行う方法であ
る。したがって、第3部材は、塑性変形性が要求される
とともに、第2部材と拡散接合可能な材料、例えば同種
の材料からなることが要求される。なお、第1部材は、
塑性変形性のない材料であっても構わない。
【0062】第1部材の造形工程は、第1接合方法およ
び第3接合方法の場合と同様、第1部材に設けられた切
欠きまたは穴を区画する壁面のうち、接合部となる部分
の板厚方向の中間部を凸状または凹状に形成することに
よって行う。凸状または凹状の形状については第1接合
方法および第3接合方法の場合と同様、例えば、図3に
示すような種々の形状を採用することができる。また、
凸部あるいは凹部の形成方法、突出代または凹み代等に
ついても、第1接合方法および第3接合方法と同様の考
え方に従えばよい。
【0063】本接合方法においては、第3接合方法と異
なり、第2部材の第1部材の接合面に対向する部位を造
形すること、つまり第2部材の接合面を造形すること
を、特に必要としない。第2部材の接合面を造形しない
場合は、その造形工程を省略できる分だけ2部材の接合
の工数を削減できる。また、本接合方法は、第3接合方
法および第4接合方法と同様、第2部材の材料の歩留り
を向上させることができ、第2部材が棒状の長いもので
あって、しかも高価な材料からなる場合は、本接合方法
は材料コスト的にも優れた接合方法となる。なお、第2
部材と第3部材との接合面を大きくするために、第2部
材の接合面を例えば図10に示したような断面形状に造
形するものであってもよい。
【0064】次に、接合面が造形された第1部材の切欠
きまたは穴に、第3部材とともに第2部材を挿入し、カ
シメ工程を行う。カシメ工程の様子を、図16に示す。
この実施形態では、第1部材10の穴11の側壁面であ
る接合面12は凸状に形成されており、挿入される第2
部材20の接合面24(第1部材の接合面12に対向す
る部位)は造形されず丸棒の有する円柱面のままであ
る。カシメは、第3部材30のみを加圧すべく、押圧治
具50によって行う。加圧の方法は、上記第3接合方法
等の場合と同様、特に限定されず、プレス、打撃等、種
々の方法を用いて行うことができる。
【0065】加圧により、第3部材30は、塑性変形し
て、第1部材10の接合面12に嵌合すると同時に、第
2部材20の接合面24に付着することとなる。そして
第1部材10の接合面12と第3部材30の接合面31
とで嵌合部40を構成し、第2部材の接合面24と第3
部材の接合面32とで付着部45を構成することとな
る。第3接合方法の場合と同様、このようなカシメ工程
だけでは、嵌合部40には隙間が残存することになり、
第1部材10と第2部材20とはがたつきが発生する可
能性を残す。また、付着部45についても、多少の空隙
が存在するとともに、凹状または凸状に形成されていな
いため、第2部材20に対してその長手方向に大きな力
を加えた場合に、第2部材20が位置ズレを生じる状態
(第3部材から抜ける状態)となっている。
【0066】第3部材30が、例えば金属材料のよう
に、加熱することにより軟化する材料からなる場合は、
第3接合方法の場合と同様、カシメ工程は、この第3部
材30を加熱して行うことが望ましい。第3部材30を
軟化させることにより、上記嵌合部40に残存する隙間
および上記付着部45に残存する多少の空隙が減少させ
ることができ、また、カシメのための加圧力を小さくで
きることでカシメ装置自体の小型化が達成できるからで
ある。加熱によるこれらの効果は、上記第1接合方法に
おいて説明した効果と同様である。加熱方法については
上記第1接合方法に説明した方法に従えばよく、抵抗加
熱によるのが望ましいことについても同様である。
【0067】なお、第3部材30を加熱してカシメ工程
を行う場合、一般には、第3部材30はカシメ工程後熱
収縮によって縮径する。したがって、第1部材10と第
3部材30との嵌合面40は、その間隙がより大きくな
る傾向にあり、がたつきは大きくなる。これと逆に第2
部材20と第3部材30との付着部45は密着しようと
するが、空隙が完全になくなることはなく、このままで
は、やはり長期の繰り返し負荷等によっては、がたつき
が生じ、さらに第2部材20が第3部材30から容易に
抜け得る状態となる。
【0068】本接合方法では、カシメ工程終了後、第2
部材20と第3部材30との付着部45を拡散接合させ
る拡散接合工程を行う。拡散接合工程後の様子を図17
に示す。拡散接合は、加熱することにより、付着部45
において、第2部材20および第3部材30を形成する
材料が、固相の状態で相互に相手部材に原子レベルで拡
散していく現象を利用したものであり、両部材の界面が
消失し、あたかも1つの部材となるように強固な接合を
可能にしている。
【0069】拡散接合の方法は、特に限定するものでは
なく、第2部材20および第3部材30を加熱すること
のできる方法であって、一般的に行われる公知の方法を
採用すればよい。例えば、カシメ工程を終了して一体化
された第1〜第3部材を、加熱炉中で、非酸化性雰囲気
下、それぞれの部材の融点より低い温度で加熱すればよ
い。拡散接合が完了した状態は、上記第1接合方法にお
いてカシメ工程が完了した状態に極めて近い状態となっ
ている。
【0070】拡散接合工程終了後、第1部材10と第3
部材30との嵌合部40の隙間にろう材を流入させ、こ
の嵌合部40を密着させるろう付け工程に移る。ろう付
け後の様子を、図18に示す。ろう付け工程により、ろ
う材41は嵌合部40の隙間に入り込み、嵌合部40は
密着された状態となり、接合強度が大きく、第1部材と
第2部材との間にがたつきのない2部材の接合が実現さ
れる。
【0071】ろう付けは、第1接合方法の場合と同様
に、公知の方法にて行えばよく、ろう材の種類、フラッ
クスの種類、加熱方法等、ろう付けの材料および条件に
ついては、第1部材10、第2部材20、第3部材30
の材質、大きさ、嵌合部40の隙間量および形状等に応
じて、適切なものを選定すればよい。また、ろう付け時
におけるろう材の流入をスムーズに行うべく、嵌合部4
0の第1部材10のろう材流入箇所にろう材導入部を設
ける等の配慮をすることも望ましい。この点について
も、第1接合方法の場合と同様である。
【0072】本接合方法では、上記拡散接合工程とろう
付け工程とを、同時に行う、つまり、1工程で行う態様
ものとすることもできる。例えば、加熱炉中で拡散接合
工程を行う場合、予め第1部材10と第3部材30との
嵌合部40のろう材材流入箇所にろう材を設置し、拡散
接合を行う加熱の最中にろう材が溶融して嵌合部40に
流入するようにすればよい。拡散接合工程とろう付け工
程を同時に行う場合は、ろう付け工程にかかる時間を削
減することができ、より迅速で低コストな2部材の接合
方法となる。
【0073】〈第6接合方法〉本接合方法は、第1部材
と第3部材との嵌合部を密着する手段として、上記第5
接合方法におけるろう付けの代わりに、第1部材の切欠
きまたは穴の近傍を加圧して行うカシメによる手段を採
用したものである。つまり、本接合方法は、第5接合方
法と第2接合方法とをミックスさせた方法である。言い
換えれば、第4接合方法の第2部材と第3部材との接合
を、拡散接合に置き換えたものである。
【0074】したがって、本接合方法が適用できる第1
部材は、例えば金属材料等のように、塑性変形性のある
材料からなる必要がある。また、本接合方法における第
1部材接合面造形工程では、第2接合方法および第4接
合方法と同様、第1部材と第3部材との嵌合部の隙間を
第1部材を加圧することによって押しつぶし、密着させ
るものであることから、第1部材の切欠きまたは穴の側
壁面を凹状に形成する必要があり、例えば、図3
(b)、(d)に示すような形状の凹部を形成する必要
がある。第1部材の接合面の造形は、第2接合方法およ
び第4接合方法と同様の考え方、方法に従えばよい。な
お、第2部材の接合面の造形を特に必要としないのは、
上記第5接合方法の場合と同様である。
【0075】次に、接合面が造形された第1部材の切欠
きまたは穴に、第3部材とともに第2部材を挿入し、第
1のカシメ工程を行う。第1のカシメ工程の様子を、図
19に示す。カシメの方法等については、上記第5接合
方法の場合と同様とすればよい。加圧により、第3部材
30は、塑性変形して、図3(b)に示すような凹状に
造形されている第1部材10の接合面12に嵌合すると
同時に、第2部材20の接合面24に付着することとな
る。そして第1部材10の接合面12と第3部材30の
接合面31とで嵌合部40を構成し、第2部材の接合面
24と第3部材の接合面32とで付着部45を構成する
こととなる。つまり、第1のカシメ工程を終了した状態
は、上記第5接合方法のカシメ工程を終了した場合と、
同様の状態となっている。なお、第3部材30が加熱す
ることにより軟化する材料からなる場合は、第1のカシ
メ工程は、この第3部材30を加熱して行うことが望ま
しく、また、その加熱を抵抗加熱によって行うのが望ま
しいことについても、上記第5接合方法の場合と同様で
ある。
【0076】第1のカシメ工程終了後、第2部材20と
第3部材30との付着部45を拡散接合させる拡散接合
工程を行う。拡散接合工程後の様子を図20に示す。拡
散接合の方法は、特に限定するものではなく、上記第5
接合方法と同様、一般的に行われる公知の方法を採用す
ればよい。拡散接合を完了したした状態は、上記第2接
合方法において第1のカシメ工程が完了した状態に極め
て近い状態となっており、拡散接合によって第2部材と
第3部材とは強固な接合がなされている。
【0077】次いで、第1部材と第3部材との嵌合部4
0の隙間を密着させるために、第2のカシメ工程に供さ
れる。第2のカシメ工程の様子を、図21に示す。第2
のカシメ工程では、第1部材10の穴11の近傍を板厚
方向に挟み付けるように加圧し、第1部材10の接合面
12を変形させて、第1部材と第3部材との嵌合部40
を密着させる。加圧は、押圧治具50によって第1部材
10の穴11の周りを第1部材10を挟み付けるように
して行う。第1部材10が加熱により軟化する材料から
なる場合は、この第2のカシメ工程において、第1部材
10を加熱して行うこと、および、加熱を抵抗加熱によ
って行うことの効果は、第2接合方法の場合と共通する
ものとなる。
【0078】本接合方法は、ろう付けを必要としないこ
とから、より迅速な2部材の接合方法となる。また、ろ
う材をも全く必要としないことは、高価なろう材を使用
しなければならない材料からなる2部材を接合する際
に、特にコスト低減効果が大きい接合方法となる。
【0079】
【実施例】上記実施形態に基づき、鋼製の第1部材とチ
タン合金製の第2部材との接合を、第1接合方法、第2
接合方法および第5接合方法にて実施し、接合部の評価
をした。以下に、これらを実施例として説明する。
【0080】〈実施例1〉本実施例では、第1部材の材
料にFe−Al−Si合金を用い、第2部材の材料にT
i−Al−V合金を用いた。第1部材は、図2に示すよ
うな形状で、厚さ6mm、直径36mmφの円盤状で、
中央部に直径10.6mmφの円形の貫通穴11が設け
られている。また第2部材も、図2に示す形状であり、
大径部21の直径は10.5mmφ、小径部の直径は6
mmφ、大径部の長さは10mmとした。
【0081】まず、第1部材10の穴11の側壁面を、
フライス盤にて切削加工し、図3(a)に示すような凸
部13を形成させて、接合面12を造形した。凸部13
は、板厚のちょうど中間部にあり、穴の中心線(板表面
に対して垂直な線)に対して25°の角度をなす接合面
とした。なお、接合面と板表面との境界には、後のろう
付けにおいてろう材が流入しやすいように、ろう材導入
部として、板表面から1mmの深さまで面取り部を形成
させた。
【0082】次に、第2部材20を第1部材10の穴1
1に挿入し、図4に示すように、上下方向に、第2部材
20の大径部21のフランジ面23を押圧治具50で挟
み付けるようにして押し当てた。それぞれの押圧治具5
0の間には電圧がかけられ第2部材20に通電されるよ
うになっており、通電させることで、第2部材20の大
径部21を抵抗加熱した。通電と同時に、押圧治具50
にて加圧し、第2部材20の大径部21を変形させ、そ
の円筒側面を第1部材の造形された接合面12に嵌合さ
せて、カシメ工程を終了した。
【0083】次いで、図6に示すように、嵌合部40を
真空中で850℃に加熱し、ろう材導入部15から、ろ
う材であるBAg−8aを、嵌合面40に残存する隙間
に流入させてろう付けを行った。窒素ガス冷却により室
温まで冷却させて、第1部材と第2部材との接合を完了
した。
【0084】接合が完了したものを、切断し接合の様子
を観察した。接合断面の拡大写真を図22に示す。この
写真からも明らかなように、本第1接合方法によれば、
第1部材と第2部材との接合部は完全に密着しており、
良好な接合状態となっていることが確認できた。
【0085】接合強度を比較するために、ろう付けを行
わず、カシメ工程だけで接合を終了させたサンプルをも
作製した。また、ろう付けだけで接合したサンプルも作
製した。ろう付けだけのものは、第1部材の穴の側壁面
に凸部を形成させずに、ろう付けしたものである(図3
3参照)。
【0086】本第1接合方法によるものと、上記2種の
サンプルとの接合強度を比較をした。まず、余盛りとな
っている部分の影響を排除すべく、各々の接合部を第1
部材の表面から1.3mm切削して、厚さ3.4mmの
平板状とした。次いで、第1部材を固定した上で第2部
材の中心を第1部材の板厚方向に付勢し、いくらの力で
第2部材が第1部材から接合部で分離するかを試験し
て、強度を比較するものとした。試験の結果を、図23
に示す。
【0087】図23は、ろう付けだけを行ったものが接
合部で分離するときの力を100%とした場合の比較で
あり、カシメ工程のみを行ったものは、127%の値と
なった。これに対して本第1接合方法によるものは、1
50%と高い値を示すものとなっている。この結果か
ら、本実施例の材料の組み合わせの場合、ろう付けだけ
よりもカシメだけを行った場合のほうが接合強度が強
く、さらに、カシメ工程を行った場合に残存する嵌合部
の隙間にろう材を流入させ、この嵌合部を密着させるこ
とが、接合強度の向上に大きな効果があると確認でき
る。
【0088】〈実施例2〉本実施例は、第2接合方法に
関するものである。本実施例においても、第1部材の材
料にFe−Al−Si合金を用い、第2部材の材料にT
i−Al−V合金を用いた。第1部材は、図2に示すよ
うな形状で、厚さ6mm、直径36mmφの円盤状で、
中央部に直径9.2mmφの円形の貫通穴11が設けら
れている。また第2部材も、図2に示す形状であり、大
径部21の直径は8.4mmφ、小径部の直径は6.2
mmφ、大径部の長さは10mmとした。
【0089】まず、第1部材10の穴11の側壁面を、
フライス盤にて切削加工し、図3(b)に示すような凹
部14を形成させて、接合面12を造形した。凹部14
は、板厚のちょうど中間部にあり、穴の中心線(板表面
に対して垂直な線)に対して25°の角度をなす接合面
とした。なお、凹部の凹み代は1mmとした。
【0090】次に、第2部材20を第1部材10の穴1
1に挿入し、第1のカシメ工程を行った。図7に示すよ
うに、上下方向に、第2部材20の大径部21のフラン
ジ面23を押圧治具50で挟み付けるようにして押し当
てた。それぞれの押圧治具50の間には電圧がかけられ
第2部材20に通電されるようになっており、通電させ
ることで、第2部材20の大径部21を抵抗加熱した。
通電と同時に、押圧治具50にて加圧し、第2部材20
の大径部21を変形させ、その円筒側面を第1部材の造
形された接合面12に嵌合させて、第1のカシメ工程を
終了した。第1のカシメ工程後の、接合部断面の様子
を、拡大写真として、図24に示す。この写真からわか
るように、両部材の嵌合部40は、完全には密着されて
おらず、不完全な接合状態となっている。
【0091】次いで、第1のカシメ工程が終了したもの
を、第2のカシメ工程に供した。第2のカシメ工程は、
図8に示すような方法で行った。第1のカシメ工程と同
様に、押圧治具50には第1部材10通電させるように
なっており、通電させることで第1部材10の接合部近
傍を抵抗加熱した。通電と同時に、押圧治具50にて加
圧し、第1部材10の接合面12を変形させ、第2部材
24の接合面24と密着させ、第2のカシメ工程を終了
した。第2のカシメ工程後の、接合部断面の様子を、拡
大写真として、図25に示す。この写真からわかるよう
に、両部材の嵌合部40は、充分に密着されており、良
好な接合状態となっていることが確認できた。
【0092】〈実施例3〉本実施例は、第3部材を介し
て第1部材と第2部材とを接合する第5接合方法に関す
るものである。本実施例では、第1部材の材料にFe−
Al−Si合金を用い、第2部材の材料にTi−Al−
V合金を用い、第3部材の材料には第2部材の材料と同
じ組成のTi−Al−V合金を用いた。それぞれの部材
は図9に示すような形状をしている。より具体的には、
第1部材10は、厚さ6mm、直径36mmφの円盤状
で、中央部に直径9.6mmφの円形の貫通穴11が設
けられている。また第2部材20は、直径は6.2mm
φ、長さ95mm丸棒であり、第3部材30は、外形
9.5mmφ、内径6.5mmφ、長さ10mmの円筒
状をなしている。
【0093】まず、実施例1の場合と同様、第1部材1
0の穴11の側壁面を、フライス盤にて切削加工し、図
3(a)に示すような凸部13を形成させて、接合面1
2を造形した。凸部13は、板厚のちょうど中間部にあ
り、穴の中心線(板表面に対して垂直な線)に対して2
5°の角度をなす接合面とした。
【0094】次に、第2部材20を第3部材30を介し
て第1部材10の穴11に挿入し(第2部材20を第3
部材30に挿入し、第3部材30ごと第1部材10の穴
11に挿入し)、図16に示すように、上下方向に、第
3部材30を押圧治具50で挟み付けるようにして押し
当てた。それぞれの押圧治具50の間には電圧がかけら
れ第3部材30に7kAの電流が通電されるようになっ
ており、通電させることで、第3部材を抵抗加熱した。
通電と同時に、押圧治具50にて10kNの圧力で加圧
し(実際には通電開始から押圧完了まで約0.5秒)、
第3部材30を変形させ、その円筒外側面を第1部材1
0の造形された接合面12に嵌合さると同時に、その円
筒内側面を第2部材の接合面24に付着させ、第1部材
10、第2部材20、第3部材30を一体化させてカシ
メ工程を終了した。
【0095】次いで、第1部材10と第3部材30との
嵌合部40にろう材を流入させるべく、ろう材(BAg
−8a)を嵌合部40の上部に配置した(図18参
照)。ろう材が配置され一体化された部材を、10-5
orrに減圧した非酸化性雰囲気の加熱炉中に納置し、
850℃の温度で0.5時間加熱した。この結果、図1
8に示すように、第1部材10と第3部材30との嵌合
部40の隙間にはろう材41が流入してろう付けが完了
し、図17に示すように、第2部材20と第3部材30
との付着部45は拡散接合が完了した。
【0096】拡散接合された部分の様子を確認すべく、
断面観察をした。図26および図27に、拡散接合され
る前の付着部の断面の拡大写真を示す。図26は中央部
(第1部材の板厚方向においてほぼ中心に位置する部
分)であり、図27は、下部(第1部材の板厚方向にお
いて下端に位置する部分)である。また、拡散接合後の
付着部の断面の拡大写真を、図28および図29に示
す。同様に28は中央部、図29は下部である。なお図
26〜図29に示すいずれの写真も、中心から左側が第
2部材20であり、中心から右側が第3部材である。
【0097】写真から明らかなように、拡散接合される
前の付着部45は、第2部材20と第3部材30との界
面が明確に確認でき、その界面にはいくつかの空隙が観
察できる。これに対して、拡散接合された付着部45
は、空隙はなく、また、両部材の界面も消失している。
このことから判るように、拡散接合を行えば、第2部材
20と第3部材30とが、あたかも1つの部材のような
状態となっている。したがって、その部分の接合強度は
極めて高いものとなっていることが確認できる。
【0098】拡散接合部の接合強度を確認するため、疲
労試験を行った。疲労試験は、本実施例(第5接合方
法)のものと先の実施例1(第1接合方法)のものの2
つについて行い、比較した。疲労試験に供するサンプル
は、余盛りとなっている部分の影響を排除すべく、各々
の接合部を第1部材の表面から1.3mm切削して、第
1部材を厚さ3.4mmの平板状とした。疲労試験の条
件(疲労試験を行うための治具形状とその治具を用いた
試験の様子、およびサンプルに負荷される試験応力)を
図30に示す。サンプルに対しては、応力比0.1の片
振り圧縮応力を、50Hzの周波数で負荷するものとし
た。
【0099】疲労試験の結果として、応力の繰り返し数
と接合部の最大せん断応力との関係を、図31に示す。
この図から判るように、第3部材を介して拡散接合を行
う第5接合方法によるものと、上記第1接合方法による
ものとを比較しても、その疲労限度はほとんど同じ値を
示す。このことは、第5接合方法における第2部材と第
3部材の拡散接合部の強度は、極めて高く、接合部全体
の強度を決定付けるものではないことが確認できる。
【0100】
【発明の効果】本発明は、板状の部材と、この板状部材
に設けられた切欠きまたは穴に挿入される部材との接合
方法において、カシメ工程だけでは隙間が残存する嵌合
部を、ろう付け工程によって密着または金属的に結合さ
せる、別のカシメ工程によって密着させる、あるいは、
拡散接合によって接合するようにしたものである。した
がって、このような構成の本発明の2部材の接合方法を
採用することにより、2部材が密着あるいは金属的に結
合、一体化され、接合強度の点で優れた接合部を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の接合方法が適用できる板状の第1部
材の例を示す。
【図2】 本発明の第1接合方法および第2接合方法が
適用できる第1部材および第2部材の組み合わせの一例
を示す。
【図3】 第1部材の切欠きまたは穴の側壁面を造形す
るにあたって、採用できる凸状または凹状の形状の例を
示す。
【図4】 本発明の第1接合方法におけるカシメ工程の
一実施形態を示す。
【図5】 本発明の第1接合方法において、ろう付け工
程終了後の様子を示す。
【図6】 第1部材にろう材導入部となる面取り部を設
けた様子を示す。
【図7】 本発明の第2接合方法における第1のカシメ
工程の一実施形態を示す。
【図8】 本発明の第2接合方法における第2のカシメ
工程の一実施形態を示す。
【図9】 本発明の第3接合方法、第4接合方法、第5
接合方法または第6接合方法が適用できる第1部材、第
2部材および第3部材の組み合わせの一例を示す。
【図10】 第2部材の接合面を造形するにあたって、
採用できる凸状または凹状の形状の例を示す。
【図11】 本発明の第1および第2接合方法における
第2部材の材料歩留まりと、第3、第4接合方法におけ
る第2部材の材料歩留まりとの比較を示す。
【図12】 本発明の第3接合方法におけるカシメ工程
およびろう付け工程の一実施形態を示す。
【図13】 本発明の第4接合方法における第1のカシ
メ工程の一実施形態を示す。
【図14】 本発明の第4接合方法における第2のカシ
メ工程の一実施形態を示す。
【図15】 本発明の第4接合方法において、ろう付け
工程終了後の様子を示す。
【図16】 本発明の第5接合方法におけるカシメ工程
の一実施形態を示す。
【図17】 本発明の第5接合方法において、拡散接合
工程終了後の様子を示す。
【図18】 本発明の第5接合方法において、ろう付け
工程終了後の様子を示す。
【図19】 本発明の第6接合方法における第1のカシ
メ工程の一実施形態を示す。
【図20】 本発明の第6接合方法において、拡散接合
工程終了後の様子を示す。
【図21】 本発明の第6接合方法における第2のカシ
メ工程の一実施形態を示す。
【図22】 本発明の第1接合方法の実施例において、
接合されたものの接合部断面写真を示す。
【図23】 本発明の第1接合方法による場合の接合強
度と、カシメ工程だけおよびろう付け工程だけの場合の
接合強度との比較を示す。
【図24】 本発明の第2接合方法の実施例において、
第1のカシメ工程終了後のものの接合部断面写真を示
す。
【図25】 本発明の第2接合方法の実施例において、
第2のカシメ工程終了後のものの接合部断面写真を示
す。
【図26】 本発明の第5接合方法の実施例において、
拡散接合前の第2部材と第3部材との付着部(中央部)
の断面写真を示す。
【図27】 本発明の第5接合方法の実施例において、
拡散接合前の第2部材と第3部材との付着部(下部)の
断面写真を示す。
【図28】 本発明の第5接合方法の実施例において、
拡散接合後の第2部材と第3部材との付着部(中央部)
の断面写真を示す。
【図29】 本発明の第5接合方法の実施例において、
拡散接合後の第2部材と第3部材との付着部(下部)の
断面写真を示す。
【図30】 本発明の第1方法の実施例および第5接合
方法の実施例において、接合したサンプルに施した疲労
試験の条件を示す。
【図31】 疲労試験の結果であって、第5接合方法に
よるサンプルおよび第1接合方法によるサンプルの応力
繰り返し数と接合部の最大せん断応力との関係を示す。
【図32】 本発明が適用される一般的な接合の例を示
す。
【図33】 従来行っていたろう付けによる接合の概念
を示す。
【図34】 従来行っていたカシメによる接合の概念を
示す。
【符号の説明】
10:第1部材 11:穴 12:接合面 13:凸部 14:凹部 15:ろう材導入部 20:第2部材 21:大径部 22:小径部 23:フランジ面 24:接合面 30:第3部材 31:接合面 40:嵌合部 41:ろう材 45:付着部 50:押圧治具
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月20日(1999.12.
20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図22
【補正方法】変更
【補正内容】
【図22】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図24
【補正方法】変更
【補正内容】
【図24】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図25
【補正方法】変更
【補正内容】
【図25】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図26
【補正方法】変更
【補正内容】
【図26】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図27
【補正方法】変更
【補正内容】
【図27】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図28
【補正方法】変更
【補正内容】
【図28】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図29
【補正方法】変更
【補正内容】
【図29】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板厚方向に貫通する切欠きまたは穴を有
    する板状の第1部材と、該切欠きまたは穴に挿入される
    第2部材とを接合させる2部材の接合方法であって、 前記第1部材の前記切欠きまたは穴を区画する壁面の板
    厚方向の中間部の少なくとも一部を凸状または凹状に形
    成して第1部材の接合面を造形する第1部材接合面造形
    工程と、 該第1部材の該切欠きまたは穴に前記第2部材を挿入
    し、該第2部材を加圧して変形させ、該第1部材の接合
    面に嵌合させるカシメ工程と、 該第1部材と該第2部材との嵌合部の隙間にろう材を流
    入させ、該嵌合部を密着させるろう付け工程と、を含ん
    でなる2部材の接合方法。
  2. 【請求項2】 板厚方向に貫通する切欠きまたは穴を有
    する板状の第1部材と、該切欠きまたは穴に挿入される
    第2部材とを接合させる2部材の接合方法であって、 前記第1部材の前記切欠きまたは穴を区画する壁面の板
    厚方向の中間部の少なくとも一部を凹状に形成して第1
    部材の接合面を造形する第1部材接合面造形工程と、 該第1部材の該切欠きまたは穴に前記第2部材を挿入
    し、該第2部材を加圧して変形させ、該第1部材の接合
    面に嵌合させる第1のカシメ工程と、 該第1部材の該切欠きまたは穴の近傍を加圧し、該第1
    部材の接合面を変形させ、該第1部材と該第2部材との
    嵌合部を密着させる第2のカシメ工程と、を含んでなる
    2部材の接合方法。
  3. 【請求項3】 板厚方向に貫通する切欠きまたは穴を有
    する板状の第1部材と、該切欠きまたは穴に挿入される
    第2部材とを、該第1部材と該第2部材との間に位置さ
    せる第3部材を介して接合させる2部材の接合方法であ
    って、 前記第1部材の前記切欠きまたは穴を区画する壁面の板
    厚方向の中間部の少なくとも一部を凸状または凹状に形
    成して第1部材の接合面を造形する第1部材接合面造形
    工程と、 前記第2部材の該第1部材の接合面に対向する部位を、
    該第1部材の接合面に対して凸状または凹状に形成して
    第2部材の接合面を造形する第2部材接合面造形工程
    と、 該第1部材の該切欠きまたは穴に該第2部材を前記第3
    部材を介して挿入し、該第3部材を加圧して変形させ、
    該第1部材の接合面および該第2部材の接合面に嵌合さ
    せるカシメ工程と、 該第1部材と該第3部材との嵌合部の隙間および該第2
    部材と該第3部材との嵌合部の隙間にろう材を流入さ
    せ、該2つの嵌合部を密着させるろう付け工程と、を含
    んでなる2部材の接合方法。
  4. 【請求項4】 板厚方向に貫通する切欠きまたは穴を有
    する板状の第1部材と、該切欠きまたは穴に挿入される
    第2部材とを、該第1部材と該第2部材との間に位置さ
    せる第3部材を介して接合させる2部材の接合方法であ
    って、 前記第1部材の前記切欠きまたは穴を区画する壁面の板
    厚方向の中間部の少なくとも一部を凹状に形成して第1
    部材の接合面を造形する第1部材接合面造形工程と、 前記第2部材の該第1部材の接合面に対向する部位を、
    該第1部材の接合面に対して凸状または凹状に形成して
    第2部材の接合面を造形する第2部材接合面造形工程
    と、 該第1部材の該切欠きまたは穴に該第2部材を前記第3
    部材を介して挿入し、該第3部材を加圧して変形させ、
    該第1部材の接合面および該第2部材の接合面に嵌合さ
    せる第1のカシメ工程と、 該第1部材の該切欠きまたは穴の近傍を加圧し、該第1
    部材の接合面を変形させ、該第1部材と該第3部材との
    嵌合部を密着させる第2のカシメ工程と、 該第2部材と該第3部材との嵌合部の隙間にろう材を流
    入させ、該嵌合部を密着させるろう付け工程と、を含ん
    でなる2部材の接合方法。
  5. 【請求項5】 板厚方向に貫通する切欠きまたは穴を有
    する板状の第1部材と、該切欠きまたは穴に挿入される
    第2部材とを、該第1部材と該第2部材との間に位置さ
    せる第3部材を介して接合させる2部材の接合方法であ
    って、 前記第1部材の前記切欠きまたは穴を区画する壁面の板
    厚方向の中間部の少なくとも一部を凸状または凹状に形
    成して第1部材の接合面を造形する第1部材接合面造形
    工程と、 該第1部材の該切欠きまたは穴に前記第2部材を前記第
    3部材を介して挿入し、該第3部材を加圧して変形さ
    せ、該第1部材の接合面に嵌合させかつ該第2部材の該
    第1部材の接合面に対向する部位に付着させるカシメ工
    程と、 該第2部材および該第3部材を加熱し、該第2部材と該
    第3部材との付着部を拡散接合させる拡散接合工程と、 該第1部材と該第3部材との嵌合部の隙間にろう材を流
    入させ、該嵌合部を密着させるろう付け工程と、を含ん
    でなる2部材の接合方法。
  6. 【請求項6】 前記拡散接合工程と前記ろう付け工程と
    を同時に行う請求項5に記載の2部材の接合方法。
  7. 【請求項7】 板厚方向に貫通する切欠きまたは穴を有
    する板状の第1部材と、該切欠きまたは穴に挿入される
    第2部材とを、該第1部材と該第2部材との間に位置さ
    せる第3部材を介して接合させる2部材の接合方法であ
    って、 前記第1部材の前記切欠きまたは穴を区画する壁面の板
    厚方向の中間部の少なくとも一部を凹状に形成して第1
    部材の接合面を造形する第1部材接合面造形工程と、 該第1部材の該切欠きまたは穴に前記第2部材を前記第
    3部材を介して挿入し、該第3部材を加圧して変形さ
    せ、該第1部材の接合面に嵌合させかつ該第2部材の該
    第1部材の接合面に対向する部位に付着させる第1のカ
    シメ工程と、 該第2部材および該第3部材を加熱し、該第2部材と該
    第3部材との付着部を拡散接合させる拡散接合工程と、 該第1部材の該切欠きまたは穴の近傍を加圧し、該第1
    部材の接合面を変形させ、該第1部材と該第3部材との
    嵌合部を密着させる第2のカシメ工程と、 を含んでなる2部材の接合方法。
  8. 【請求項8】 前記カシメ工程は、加圧して変形させる
    部材を加熱して行う請求項1、請求項3、請求項5、請
    求項6のいずれかに記載の2部材の接合方法。
  9. 【請求項9】 前記第1のカシメ工程および前記第2の
    カシメ工程の少なくとも一方は、加圧して変形させる部
    材を加熱して行う請求項2、請求項4、請求項7のいず
    れかに記載の2部材の接合方法。
  10. 【請求項10】 前記加圧して変形させる部材の加熱
    は、通電抵抗により発熱させる抵抗加熱によって行う請
    求項8または請求項9に記載の2部材の接合方法。
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