JP2000273052A - 溶媒の回収方法 - Google Patents
溶媒の回収方法Info
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Abstract
化水素ガスを発生する3級クロル末端を有する塩素化有
機化合物を含有した溶媒をステンレスのような一般的な
材質の蒸留塔による蒸留でリサイクル可能にする。 【解決手段】ピリジン、メチルピリジンのような塩基性
の有機溶媒あるいは水酸化ナトリウム水溶液のようなア
ルカリ水溶液を共存させ、あるいは蒸留前に処理槽を設
け、あるいは蒸留缶を用いる等して蒸留に先だって上記
のような塩基性の有機溶媒あるいはアルカリ水溶液を用
いて塩素化物の分解、すなわち塩化水素ガスを発生させ
る操作をおこなった上で蒸留をおこなう方法によって塩
化水素ガスの発生を抑え、ステンレスのような一般的な
材質の利用を可能にし、工業的に安価で実用的な方法を
提供するに至った。
Description
炭素−塩素結合を有する化合物を含有する有機溶媒か
ら、蒸留により有機溶媒を回収する方法に関する。
要求等により、反応、晶析、抽出等に用いた溶媒を廃棄
することなく、蒸留等の回収操作によってリサイクル使
用することが広くおこなわれるようになっている。通常
の場合、一旦反応、晶析、抽出等に用いた溶媒は反応原
料や副生成物、あるいは少量の製品(以下、これらをま
とめて不純物という)を含有しており、特に晶析、抽出
に用いた溶媒は一般的に多くの不純物を含有している。
これら不純物が残留したままの溶媒を再使用すると反応
が阻害される場合もあり、そのような場合、溶媒回収、
精製をおこなう蒸留塔のような装置の設計については細
心の注意を払う必要がある。塩素化反応プロセスに用い
た溶媒のリサイクルは、一旦使用した溶媒が多くの副
生成物(すなわち種々の塩素化物等)や場合によっては
溶媒自体の塩素化物からなる不純物を含有しているこ
と、さらにその不純物(塩素化物)が不安定な物質で
ある場合が多いことから、装置設計が特に困難である。
不安定な塩素化物は、溶媒の蒸留回収の際に、例えば蒸
留装置のリボイラー内で加熱された時などに分解し、塩
化水素ガスを発生して装置の腐食をひきおこしたり、ガ
スの発生量が多い場合には蒸留塔内を上昇する蒸気量が
大幅に減少し、蒸留操作そのものができなくなることも
ある。この場合、蒸留塔の腐蝕防止のために例えばグラ
スライニングのような耐腐蝕材料を使用することも考え
られるが、その場合設備自体が非常に高価なものとな
り、溶媒のリサイクルによるコスト面でのメリットは失
われてしまう。本発明者らは今回実際に3級炭素−塩素
結合を有する芳香族炭化水素の晶析操作に使用した溶媒
のリサイクルを試みて、上記のような問題に遭遇し、そ
の解決のための検討をおこなったものである。
合を有する化合物を含有する有機溶媒の蒸留操作をおこ
なうことにより、再利用可能な有機溶媒を回収する方法
に関するものである。さらに具体的に言えば、不純物を
含有する溶媒から再利用可能な溶媒を蒸留により回収す
る際、不純物である3級炭素−塩素結合を有する化合物
の加熱による熱分解または縮合反応等により発生する塩
化水素を、中和により除去することによって、塩化水素
の発生に伴うプロセス面での問題を解決する方法に関す
る。塩化水素ガスの発生により、例えば安全性の確保の
ため単位操作が煩雑になる、あるいは蒸留装置の材質を
耐腐食性のものにする必要があるといった問題が発生す
る。
応等により、容易に塩化水素を発生する3級炭素−塩素
結合を有する化合物を含有する溶媒を、ステンレス等の
一般的な材質で製作した蒸留塔によって回収、リサイク
ルすることを可能にする方法を提供するものである。
水素の発生による操作上あるいは材質上の悪影響を防
ぎ、蒸留による溶媒の回収・リサイクルを容易にするこ
とにある。
結果、3級炭素−塩素結合を有する化合物等の不純物を
含有する溶媒中に塩基を加え、塩化水素を中和により除
去することによって、実質的に塩化水素ガスを出さずに
溶媒を蒸留回収できることを見いだし、本発明をなすに
至った。
有する化合物を含有する溶媒を塩基と接触させた後、蒸
留をおこなうことを特徴とする溶媒の回収方法に関す
る。
物は、従来公知の化合物であれば特に制限はないが、通
常、一般式2: −C(R1)(R2)2Cl (2) (式中、R1、R2は炭素数20以下の炭化水素基を示
す。)で表される基を有する化合物であり、好ましくは
−C(CH3)2Clで表される基を有する化合物であ
り、さらに好ましくは式1: C6H6-n〔C(CH3)2Cl〕n (1) (式中、nは1以上4以下の整数である。)で表される
化合物である。
物は、カチオン重合開始剤として優れるものである。
あれば特に制限はなく、例えば炭化水素、ハロゲン化炭
化水素、エーテル類、エステル類、アミド類等を使用す
ることができる。この中でも炭化水素、ハロゲン化炭化
水素が好ましく、さらに炭化水素としてはペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、トルエン等
が好ましく、ハロゲン化炭化水素としては、塩化ブチ
ル、クロロベンゼンが好ましい。溶媒としてはヘキサン
又はヘプタンが特に好ましい。
来公知の塩基を特に制限無く使用することが出来るが、
通常使用するものとしては、例えばピリジン、メチルピ
リジン及びトリエチルアミン等の塩基性の有機化合物、
ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、カ
リウムメトキサイド及びカリウムt−ブトキサイド等の
金属アルコキシド、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウム等
のカルボン酸の金属塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化カルシウム及び水酸化リチウム等の金属水
酸化物、水素化ナトリウム及び水素化カルシウム等の金
属ハイドライド等を挙げることが出来る。また、本発明
の塩基は水溶液(すなわち塩基性の水溶液)の状態で用
いることも可能であり、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化カルシウム及び水酸化リチウム等の
金属水酸化物については、水溶液として使用することが
好ましい。これらの中でも、水酸化ナトリウムの水溶液
又は水酸化カリウムの水溶液がより好ましい。また本発
明の塩基が金属アルコキシドである場合は、アルコール
溶液として使用することが好ましい。
は、3級炭素−塩素結合を有する化合物を含有する溶媒
を蒸留回収するにあたって、塩基存在下で中和反応を
おこないながら溶媒を蒸留する方法と、蒸留前に処理
槽を設け、あるいは蒸留缶を用いる等して蒸留に先だっ
て塩素化物の加熱分解、すなわち塩化水素を発生させ、
それを塩基により中和する方法が実施可能である。その
うち好ましい方法としては蒸留に先立って塩基存在下で
加熱処理をおこない、その後蒸留する方式があげられ、
もっとも好ましい方法として蒸留前に処理槽を設け、あ
るいは蒸留缶を用いる等して蒸留に先立って塩素化物の
加熱分解、すなわち塩化水素を発生させる操作およびア
ルカリ水溶液による中和をおこない、大部分の塩素化物
を分解した上で分液等の操作をおこなわずに同じ液組成
のまま引き続き蒸留をおこなう方法があげられる。この
場合、回収すべき溶媒が水との共沸点を持つとその組成
以上には精製できないが、非水溶性の溶媒であれば簡単
な静置分離等により水と分けて回収することができる。
本発明において、大部分の塩素化物を分解する際の温度
は、通常0〜250℃であり、好ましくは10〜180
℃で、より好ましくは20〜150℃である。
度は、通常30〜300℃であり、好ましくは40〜2
00℃で、より好ましくは50〜180℃である。
発生せず、蒸留塔はステンレスのような一般的な材質の
もので問題なく使用できる。なお、静置分離等では回収
された溶媒はその中に飽和水分量に相当する水分を含有
するので、必要があれば、溶媒を再使用する前に脱水操
作をおこなうことが好ましい。
るが、本発明はこれらの実施例によって制限されるもの
ではない。
耐圧容器に3級炭素−塩素結合を有する芳香族炭化水素
である1,4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼ
ン(以下p−DCCという)の晶析に使用したヘキサン
(p−DCC及びその副生成物、クロロベンゼンを含
む)200g、10%水酸化ナトリウム水溶液90gを
仕込み、密閉状態で100℃に加温し4時間攪拌混合し
て分解をおこなった。その後一旦冷却し、全量を500
ミリリットルの蒸留缶容器に移して内径20mm、高さ
1400mm、理論段数10段のガラス製充填塔で蒸留
し、ヘキサンを回収した。回収したヘキサンをガスクロ
マトグラフにより分析したところ、不純物はみられなか
った。また共沸回収された水のpHをpH試験紙で調べ
たところ、中性を示し、塩化水素は発生していないこと
がわかった。 (比較例1)p−DCCの晶析に使用したヘキサン(p
−DCC及びその副生成物、クロロベンゼンを含む)2
00gを500ミリリットルの蒸留缶容器に仕込み、内
径20mm、高さ1400mm、理論段数10段のガラ
ス製充填塔で蒸留し、ヘキサンを回収した。回収途中よ
り塔頂に取り付けた水酸化ナトリウム水溶液入りトラッ
プ管へ白色のガスが流れ込む様子が見られ、トラップ管
が激しく発熱した。塩化水素ガスの流入により中和熱の
ためと考えられる。その後さらにトラップ管へ流れ込む
ガスの量は多くなり、蒸留缶温度を上げても塔頂温度は
上がらなくなり、ヘキサンが還流しなくなって回収はス
トップした。冷却後、装置を分解したところ塩化水素の
激しい刺激臭がした。
有する化合物を含有した溶媒から再利用可能な溶媒を蒸
留により回収する際、不純物である3級炭素−塩素結合
を有する化合物の加熱による熱分解または縮合反応等に
より発生する塩化水素を、中和により除去することによ
って、塩化水素の発生に伴うプロセス面での問題を解決
することができる。
例えば安全性の確保のため単位操作が煩雑になる、ある
いは蒸留装置の材質を耐腐食性のものにする必要がある
といった問題を解決することが出来る。
的な材質の蒸留塔を用いて溶媒を回収すること、すなわ
ち簡便な設備により溶媒を回収することが可能である。
これまでは、塩化水素等の腐食性ガスを発生する不純物
を多く含む溶媒は、使い捨てるか、あるいは高価な耐腐
食性材質を用いた蒸留塔を設置する必要があったが、本
発明の方法によれば、簡便な設備でしかも腐食性ガスを
ほとんど発生させることなく容易に溶媒のリサイクルを
おこなうことができ、製造プロセスとして実用的な方法
を提供するものである。また、本発明のさらなる効果と
して、腐食性ガスから作業者を保護するための保護具も
比較的簡便なもので済むということも挙げることができ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】3級炭素−塩素結合を有する化合物を含有
する溶媒を塩基と接触させた後、蒸留をおこなうことを
特徴とする溶媒の回収方法。 - 【請求項2】3級炭素−塩素結合を有する化合物を含有
する溶媒を塩基と接触させた後に、3級炭素−塩素結合
を有する化合物の分解により発生する塩化水素を、塩基
により中和することを特徴とする請求項1記載の溶媒の
回収方法。 - 【請求項3】3級炭素−塩素結合を有する化合物が、−
C(CH3)2Clで表される基を有することを特徴とす
る請求項1又は2記載の溶媒の回収方法。 - 【請求項4】3級炭素−塩素結合を有する化合物が式
1: C6H6-n〔C(CH3)2Cl〕n (1) (式中、nは1以上4以下の整数である。)で表される
ことを特徴とする請求項3記載の溶媒の回収方法。 - 【請求項5】塩基が、金属水酸化物又は金属アルコキシ
ドであることを特徴とする請求項1、2、3、4記載の
溶媒の回収方法。 - 【請求項6】塩基として、金属水酸化物の水溶液を用い
ることを特徴とする請求項5記載の溶媒の回収方法。 - 【請求項7】溶媒が炭化水素であることを特徴とする請
求項1、2、3、4、5、6記載の溶媒の回収方法。 - 【請求項8】溶媒が水との共沸点を持つものであり、溶
媒と水との共沸混合物を凝縮回収することを特徴とする
請求項1、2、3、4、5、6、7記載の溶媒の回収方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07508899A JP3916794B2 (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 溶媒の回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07508899A JP3916794B2 (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 溶媒の回収方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000273052A true JP2000273052A (ja) | 2000-10-03 |
| JP3916794B2 JP3916794B2 (ja) | 2007-05-23 |
Family
ID=13566077
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP07508899A Expired - Fee Related JP3916794B2 (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 溶媒の回収方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3916794B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN116332720A (zh) * | 2022-07-28 | 2023-06-27 | 四川熔增环保科技有限公司 | 一种废溶剂的回收提纯方法 |
-
1999
- 1999-03-19 JP JP07508899A patent/JP3916794B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| CN116332720A (zh) * | 2022-07-28 | 2023-06-27 | 四川熔增环保科技有限公司 | 一种废溶剂的回收提纯方法 |
| CN116332720B (zh) * | 2022-07-28 | 2024-03-12 | 四川熔增环保科技有限公司 | 一种废溶剂的回收提纯方法 |
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|---|---|
| JP3916794B2 (ja) | 2007-05-23 |
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