JP2000284032A - Squid磁束計 - Google Patents

Squid磁束計

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JP2000284032A JP11090330A JP9033099A JP2000284032A JP 2000284032 A JP2000284032 A JP 2000284032A JP 11090330 A JP11090330 A JP 11090330A JP 9033099 A JP9033099 A JP 9033099A JP 2000284032 A JP2000284032 A JP 2000284032A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温超伝導SQUIDにも適用でき、参照用マ
グネットメータを必要とせず、補償電流の調整を頻繁に
行なう必要が無く、且つ、環境磁場の高い除去率を実現
する高次微分グラジオメータを成すSQUID磁束計を
提供する。 【解決手段】3個以上のSQUIDと、そのSQUID
夫々を独立して駆動する駆動回路と、SQUID夫々に
駆動回路夫々の出力に比例した大きさの磁束をフィード
バックさせるフィードバックコイルとを備える。3個以
上のSQUIDの内の少なくとも1個のSQUIDに、
他の1個のSQUIDの駆動回路の出力に比例した大き
さのフィードバック磁束をフィードバックコイルを介し
て印加する。これらのSQUID以外の他のSQUID
の駆動回路の出力に比例した大きさのフィードバック磁
束を前記少なくとも1個のSQUIDにフィードバック
コイルを介して加法的に印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SQUID(超伝
導量子干渉素子:Superconducting Q
Uantum Interference Devic
e)と呼ばれる高感度な磁気センサを用いたSQUID
磁束計に関わり、とくに、SQUIDとして高温超伝導
SQUIDを用いて、外来磁気雑音の除去に有効なグラ
ジオメータの構成を採るSQUID磁束計に関する。こ
のSQUID磁束計は主に生体磁気計測装置に好適であ
る。
【0002】
【従来の技術】現在、SQUIDを多数用いたマルチチ
ャネル型SQUID磁束計が盛んに開発されており、こ
の磁束計を用いた脳磁図、心磁図などの生体磁気計測が
研究されている。この生体磁気計測は、既に、大脳生理
学の研究及び虚血性心疾患や不整脈の診断に有効である
ことが見出されている。
【0003】極低音で動作するSQUIDは大掛かりな
冷却機構を必要とするため、どうしても、生体磁気計測
装置の全体構成も大形化し、かつ、運用コストも高いと
いう問題が付きまとう。
【0004】このような中、近年、高温超伝導材料を用
いたSQUIDが実用化に近づいている。高温超伝導S
QUIDは取り扱いが容易な液体窒素により冷却でき
る。このため、高温超伝導SQUIDを生体磁気計測装
置に組み込むことにより、ことさら大規模な冷却機構は
必要なくなり、装置全体の大形化も回避でき、且つ、運
用コストも低減できるものと、期待されている。
【0005】ところで、SQUID磁束計を用いて生体
磁気を計測するには、生体から発生する磁場は非常に微
弱であることから、生体以外から発生する磁場(以下、
これを「環境磁場」を呼ぶことにする)を除去しない限
り、有効な計測は期待できない。このため、環境磁場を
除去する技術が生体磁気計測の主要な分野の1つを形成
している。
【0006】図13に、環境磁場を除去するための従来
法のいくつかを示す。同図(a)はSQUID磁束計に
用いられる磁束検出用の1次微分型ピックアップ(検
出)コイルと呼ばれている。このピックアップコイル
は、主に液体ヘリウム温度で動作するSQUID磁束計
に採用されるコイルであり、超伝導線によって2つのル
ープが互いに逆向きに巻装されている。この1次微分型
ピックアップコイルは、心臓や脳など、このコイルの近
傍から発生する磁場に対しては感度の良い検出特性を示
す一方で、遠方で発生した環境磁場に対しては2つのコ
イルにほぽ同じ大きさの磁束が鎖交するためことからキ
ャンセルするようになっている。
【0007】また、同図(b)は、上述した1次微分型
ピックアップコイルを2つ用いて、その中心軸方向にお
いて逆向きに重ねた状態で接続した構成のピックアップ
コイルを示す。このピックアップコイルは2次微分型ピ
ックアップコイルと呼ばれており、1次微分型よりも更
に高い環境磁場の除去能力を発揮できる。これらの微分
型ピックアップコイルを備え、磁場の勾配成分を計測す
る磁束計は「グラジオメータ」と呼ばれている。
【0008】このグラジオメータを電気的あるいはソフ
トウェア的に実現する手法が、例えば、米国特許第5,
122,744号、特開平4−264281号、特開平
5−232202号、特開平6−138197号などに
よる提案として知られている。これらの電気的あるいは
ソフトウェア的な手法は、極低温用のSQUID磁束計
にも適用可能であるが、図13(a),(b)のような
ビックアップコイルを形成することが難しい高温超伝導
SQUID磁束計に好適にも適用できる。
【0009】この内、とくに、特開平5−232202
号にはソフトウェア的に2次微分のグラジオメータを構
成する例が開示されており、これを図13(c)に模式
的に示す。同図によれば、4個のマグネットメータを用
い、その中の2個ずつのマグネットメータ同士の出力の
差分を演算して1次微分の出力を求め、さらに、その差
分出力同士の差分を再度演算することにより、2次微分
の出力を得ている。加えて、参照用のマグネットメータ
を別に用意し、この参照用マグネットメータの計測値に
比例する電流を補償電流として、他の4つのマグネット
メータに供給することにより、4つのマグネットメータ
に共通に入力される大きな値を持つ空間的に一様な環境
磁場を予め各検出値から差し引く構成になっている。
【0010】このように2次微分型のグラジオメータ構
成することで、1次微分グラジオメータよりも環境磁場
の除去能力を上げることができる。当然に、3次以上な
ど、高次の微分次数を持つグラジオメータを構成するほ
ど、環境磁場をその高次成分まで除去できることにな
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平5−2
32202号記載の2次微分グラジオメータは、大きな
値を持つ環境磁場の一様成分を予め除去した後、差分を
演算するようにしているため、各マグネットメータのダ
イナミックレンジは小さくても、1段目の差分演算の出
力である1次微分出力値は、高い精度の計測値を得るこ
とができる。
【0012】しかし、同公開公報記載の2次微分グラジ
オメータにあっては、環境磁場に同様に含まれている、
大きな値を持つ磁場の1次勾配成分に対する除去能力が
極めて低いという問題がある。
【0013】すなわち、この1次勾配成分はその殆どが
2つの1次微分出力に混入している。そのため、2段目
の差分演算により、大きな環境磁場の1次勾配成分の中
に含まれる小さな2次勾配成分を取り出さなければなら
ない。したがって、2次微分出力値を高精度に得ようと
すれば、1次微分出力値に大きなダイナミックレンジと
厳密なゲイン設定が必要になる。そして、1次微分出力
値に大きなダイナミックレンジと厳密なゲイン設定を確
保するには、結局、各マグネットメータのダイナミック
レンジを大きくする必要がある。したがって、SQUI
D駆動回路や各増幅器の厳密なゲイン設定が要求され
る。
【0014】例えば、環境磁場の一様成分のピーク値を
約10nT、1次勾配成分のビーク値を約100pΤ、
2次勾配成分のビーク値をlpΤ、単位周波数当たりの
環境磁場は一様成分で100pT/√Hz、1次勾配成
分で1pT/√Hz、2次勾配成分で10fT/√Hz
とし、10fT/√Hzの最小分解能で計測したいとす
る。
【0015】この場合、各マグネットメータの出力およ
び1次微分出力にはピーク時に100pTの信号が出力
されるので、1次微分出力の最小分解能は、少なくとも
10fT/√Hz以下を維持しつつ、100pTのピー
ク値で振り切れることの無いように設計しなければなら
ない。また、1次微分出力の信号値は単位周波数当たり
1pT/√Hzであり、この中から10fT/√Hzの
信号を取り出す必要があるので、各マグネットメータや
増幅器、差分演算器のゲインの設定精度および1段目の
差分演算および2段目の差分演算の同相信号除去比は少
なくとも40dΒ以上である必要がある。さらに、環境
磁場の一様成分100pT/√Hzが含まれる中から最
小分解能10fT/√Hzの1次微分出力を差分演算に
より取り出す必要があるから、参照用のマグネットメー
タによって磁場の一様成分を除去するために各々のマグ
ネットメータに与える補償の量は80dBの精度で一致
させること必要がある。
【0016】かかる公報記載の従来例の場合、各々のマ
グネットメータに与える補償の量を80dBの精度で一
致させようとして、補償電流の調整回路(可変抵抗)が
備えられ、各マグネットメータのばらつき分を補正する
構成となっている。
【0017】しかし、全てのマグネットメータのばらつ
きを人手で調整するのは手間が掛かる。加えて、調整を
完了した後であっても、調整抵抗や配線抵抗の温度変化
などに因る抵抗値の時間的な揺らぎは発生するので、か
かる調整を頻繁に行なわなければならないという問題が
あった。
【0018】また、4つのマグネットメータの他に、参
照用としてマグネットメータを別途付加しなければなら
ないという問題もあつた。
【0019】本発明は、上述した特開平5−23220
2号記載の2次微分グラジオメータなどに見られる従来
の問題を考慮してなされたもので、空間的に立体的なビ
ックアップコイルの形成が困難な高温超伝導SQUID
にも適用できるとともに、参照用のマグネットメータを
必要とせず、補償電流の調整を頻繁に行なう必要が無
く、且つ、環境磁場の高い除去率を実現することができ
る高次微分グラジオメータを成すSQUID磁束計を提
供することを、その目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るSQUID磁束計によれば、3個以上
のSQUIDと、この3個以上のSQUID夫々を独立
して駆動する駆動回路と、前記3個以上のSQUID夫
々に対して取り付けられ且つ前記駆動回路夫々の出力に
比例した大きさの磁束をフィードバックさせるフィード
バックコイルとを備える。そして、前記3個以上のSQ
UIDの内の少なくとも1個のSQUIDに、他の1個
のSQUIDの駆動回路の出力に比例した大きさのフィ
ードバック磁束を当該SQUIDのフィードバックコイ
ルを介して印加する手段と、これらのSQUID以外の
他のSQUIDの駆動回路の出力に比例した大きさのフ
ィードバック磁束を前記少なくとも1個のSQUIDに
当該SQUIDのフィードバックコイルを介して加法的
に印加する手段とを備えたことを特徴とする。これによ
り、2次以上のグラジオメータが構成される。
【0021】さらに、このように構成したグラジオメー
タの各々の駆動回路にフィードバックゲインの微調整回
路を設けることにより、各々のSQUIDの微妙なばら
つきによる出力精度の劣化を防止する。
【0022】また、本発明の別の態様によれば、複数の
SQUIDと、この複数のSQUID夫々を独立して駆
動する駆動回路と、前記複数のSQUID夫々に対して
取り付けられたフィードバックコイルとを備えたSQU
ID磁束計において、前記複数のSQUID夫々にその
SQUIDの駆動回路の出力に比例した大きさのフィー
ドバック磁束をそのSQUIDのフィードバックコイル
を介して印加する手段と、前記複数のSQUIDの内の
複数個のSQUID夫々のフィードバックコイルに、他
の1個のSQUIDに供給されるフィードバック電流を
加法的に印加する手段と、前記フィードバック電流が加
法的に印加される複数個のSQUIDの内の少なくとも
1個のSQUIDのフィードバックコイルに、その複数
個のSQUIDの内の他のSQUIDの駆動回路の出力
電圧に比例した大きさのフィードバック電流を更に加法
的に印加する手段と、前記出力電圧から電流への変換係
数を変更可能な手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】このように、本発明により、2次以上の電
気的差分グラジオメータを持つSQUID磁束計が構成
される。この構成の1つの態様を要約すると、マグネッ
トメータで2個の電気的1次微分グラジオメータをそれ
ぞれ構成し、片方の1次微分グラジオメータのフィード
バック電流を、もう片方の1次微分グラジオメータに加
算して印加する構成である。本構成により一様磁場除去
用の余分なマグネットメータを備える必要がなくなると
共に、広いダイナミックレンジを持つ特性の良い高次微
分グラジオメータを容易に構成することができる。
【0024】さらに、本発明の別の態様によれば、複数
のSQUIDと、この複数のSQUIDを個別に駆動す
る複数の駆動回路とを備えたSQUID磁束計におい
て、前記複数のSQUID夫々に正負に交番するバイア
ス電流と正負に交番する変調磁束との内の少なくとも一
方を与える手段と、前記複数の駆動回路の内の少なくと
も2個の駆動回路には共通の発振器により生成された変
調信号及びバイアス信号の内の少なくとも一方を供給す
る手段とを備え、前記少なくとも2個の駆動回路は前記
共通の発振器の発振出力に基づく参照信号を用いて前記
SQUIDの出力を復調する手段を有することを特徴と
する。
【0025】例えば、前記複数のSQUIDの内の少な
くとも2個のSQUIDのフィードバックコイルを相互
に直列に接続する一方で、前記共通の発振器の発振出力
に基づく変調電流をその直列接続したフィードバックコ
イルに共通に供給する手段を備える。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、添付
図面を参照して説明する。
【0027】(第1の実施形態)第1の実施形態に係る
SQUID磁束計を図2に基づき説明する。この実施形
態は、本発明を実施する原理的な構成を示す。
【0028】このSQUID磁束計は、マグネットメー
タを用いて電気的な2次微分グラジオメータとして構成
してある。各マグネットメータに組み込んだSQUID
は、高温超伝導材料で形成されている。
【0029】この2次微分グラジオメータ1は、図2に
示す如く、第1〜第4の4つのマグネットメータ11〜
14から構成される。各マグネットメータ11(〜1
4)は、高温超伝導材料で形成されたSQUID(超伝
導リング)11a(〜14a)、このSQUIDを駆動
するFLL(flux locked loop)回路
11b(〜14b)、SQUIDに磁束をフィードバッ
クするフィードバックコイル11c(〜14c)、およ
びフィードバックコイルに接続されたフィードバックル
ープに挿入されたフィードバックアンプ11d(〜14
d)を備える。フィードバックアンプ11d〜14dの
ゲインはそれぞれβ〜βである。
【0030】4個のマグネットメータの内、第2および
第4のマグネットメータ12および14は加算回路15
および16を夫々備える。加算回路15および16の夫
々は、フィードバックループ内のフィードバックコイル
12b(14b)およびアンプ12d(14d)の間に
挿入されいる。この加算回路15および16は、本来の
フィードバックループを1入力とするほか、他のマグネ
ットメータからの入力を受け、それらの合成入力をSQ
UIDにフィードバックするようになっている。
【0031】第2のマグネットメータ12の加算回路1
5には、第1のマグネットメータ11のFLL回路11
cの出力端から分岐した分岐路が接続される。この分岐
路にはゲインβ′のアンプ17が挿入されている。
【0032】また、第4のマグネットメータ14の加算
回路16には、第2および第3のマグネットメータ11
のFLL回路12cおよび13cの出力端から分岐した
分岐路が接続される。これらの分岐路にはゲインβ′
およびβ′のアンプ18および19が夫々挿入されて
いる。
【0033】第1〜第4のマグネットメータ11〜14
のSQUID11a〜14aには、それぞれ、図示しな
いバイアス電流供給回路によりバイアス電流が供給され
る。また、このSQUID11〜14には、FLL回路
11c〜14c内の図示しない変調回路から変調磁束が
印加されている。SQUID11a〜14aの出力は夫
々、FLL回路11c〜14c内の増幅器により増幅さ
れ、検波回路により検波・復調され、積分器によって積
分され、さらに必要に応じて再度増幅されて出力電圧V
1と供給される(増幅器、検波回路、積分器などは図示
せず)。
【0034】第1のSQUID11において、フィード
バック回路(ループ)は、出力電圧V1に比例する「β
・V」なる大きさのフィードバック磁束をフィード
バックコイル11bを経由してSQUID11aに印可
する。FLL回路11cは外部からSQUID11aに
印加される、すなわち生体から検出する磁束Φとフィ
ードバック磁束β・Vが等しくなるように動作する
ことから、
【数1】Φ=β・V となり、出力電圧V
【数2】V=Φ/β となる。すなわち、第1のマグネットメータ11は入力
される磁束Φに比例した出力電圧Vを出力する。
【0035】また、第2のマグネットメータ12のSQ
UID12aには、その出力電圧V に比例する「β
・V」なる大きさのフィードバック磁束と、第1のマ
グネットメータ11の出力電圧Vに比例する「β′
・V」なる大きさのフィードバック磁束との和の磁束
が印可される。すなわち、
【数3】Φ=β′+β であり、出力電圧V
【数4】V=(Φ−(β′/β)Φ)/β となる。従って、ゲインβ′とβが一致していれ
ば、第2のマグネットメータ12は、第1のマグネット
メ一夕11で検出される磁束Φと第2のマグネットメ
ータ12検出される磁束Φとの差、すなわち磁束の1
階差分値に比例する電圧V(=(Φ−Φ)/
β)を出力する。
【0036】第3のマグネットメータ13のSQUID
13aには、その出力電圧Vに比例する「β
」なる大きさのフィードバック磁束が印加される。
すなわち、
【数5】Φ=β となり、その出力電圧V
【数6】V=Φ/β となる。従って、第3のマグネットメータ13は、その
検出する磁束Φに比例した電圧Vを出力する。
【0037】第4のマグネットメータ14のSQUID
14aには、第2のマグネットメータ12の出力電圧V
に比例するβ′なる大きさのフィードバック磁
束と、第3のマグネットメータ13の出力電圧Vに比
例するβ′なる大きさのフィードバック磁束と、
第4のマグネットメータ14の出力電圧Vに比例する
βなる大きさのフィードバック磁束との和の磁束
が印加される。すなわち、
【数7】Φ=β′+β′+β となり、その出力電圧V
【数8】 となる。従つて、ゲインβ′とβ、β′とβ
β′とβがそれぞれ一致していれば、第4のマグネ
ットメータ14は、第1および第2のマグネットメータ
11および12で検出される磁束ΦおよびΦの差
と、第3および第4のマグネットメータ13および14
で検出される磁束ΦおよびΦの差とを更に差分した
値、すなわち磁束の2階差分値に比例する電圧Vを出
力する。
【0038】このように、第1〜第4までマグネットメ
ータ11〜14を4個使用し、第1のマグネットメータ
11の出力値Vをゲイン倍して第2のマグネットメー
タ12のフィードバック信号に加算するとともに、第3
のマグネットメータ13の出力値Vをゲイン倍して第
4のマグネットメータ14のフィードバック信号に加算
する。さらに、第2のマグネットメータ12の1階差分
出力Vをゲイン倍して第4のマグネットメータ14の
フィードバック信号に更に加算する。これにより、第4
のマグネットメータ14から2階差分された電圧V
得られる。
【0039】本実施形態の2階微分グラジオメータは、
立体的なピックアップコイルを必要としないので高温超
伝導SQUIDにも適用可能であり、しかも参照用のマ
グネットメータを別途備えなけばならないという構成を
採る必要がないため、製造コストの低減化も可能にな
る。
【0040】(第2の実施形態)ところで、上述した第
1の実施形態において、2階微分グラジオメータ1によ
り検出された出力に含まれる環境磁場成分は、各々のマ
グネットメータ11〜14で検出された磁場の一様成分
の約「1−(2)1/2β′/β」倍、または、環境磁
場の1次勾配成分の「1−β′/β」倍の内、大き
い方の値程度まで低下する。ここで、「β′/β」は、
「β′/β」および「β′/β」の典型的な値
である。例えば、磁場の一様成分の大きさを約100p
T/√Ηz、必要な磁場分解能を10fT/√Ηzとす
ると、1−2β′/βは、10−4程度以下の大きさに
する必要がある。つまり、βおよびβの各ゲインの
ぺアは10−4の半分程度の誤差で一致させる必要があ
る。また、環境磁場の1次勾配成分の大きさを約1pT
/√Hzとすると、1−β′/βは10−2程度以
下の大きさにする必要があり、βのゲインのぺアは1
−2程度の精度で一致させる必要がある。
【0041】これを実現するための具体的な実施形態
を、本第2の実施形態として図2に基づき説明する。な
お、これ以降の実施形態において、それまでに説明した
実施形態のSQUID磁束計と同一または同等の構成要
素には同一符号を付して、その説明を省略または簡略化
する。
【0042】図2に示すSQUID磁束計は、第1の実
施形態のものと同様に、4個のマグネットメータ11〜
14を電気的に接続することで、SQUID磁束計とし
ての2次微分グラジオメータ1を構成したものである。
【0043】同図に示す如く、マグネットメータ11〜
14のフィードバックアンプとして抵抗素子R〜R
を夫々用いている。さらに、第2および第4のマグネッ
トメータ12および14のSQUID12aおよび14
aには、夫々、2個のフィードバックコイル12b′及
び12b"、および、14b′及び14b"が備えられて
いる。
【0044】第1のマグネットメータ11のフィードバ
ックループの抵抗素子Rはその自身のフィードバック
コイル11bに接続された後、このコイル11bは第2
のマグネットメータ12の2つのフィードバックコイル
の内の一方のコイル12b'に直列に接続されている。
第2のマグネットメータ12のフィードバックループの
抵抗素子Rは、もう一方のフィードバックコイル12
b"に接続されている。同様にして、第3のマグネット
メータ11のフィードバックループの抵抗素子Rはそ
の自身のフィードバックコイル13bに接続された後、
このコイル13bは第4のマグネットメータ14の2つ
のフィードバックコイルの内の一方のコイル14b'に
直列に接続されている。第4のマグネットメータ14の
フィードバックループの抵抗素子Rは、もう一方のフ
ィードバックコイル14b"に接続されている。
【0045】この2次微分型グラジオメータ1は、第2
及び第4のマグネットメータ12および14に2つのフ
ィードバックコイルを備えることで、フィードバックゲ
インβとβ′、および、βとβ′の一致度を夫
々上げることができる。以下、本実施形態のフィードバ
ックゲインの一致度および出力信号の精度に関して説明
する。
【0046】フィードバックゲインβ、β′は、夫
々、
【数9】β=Μ/R, β′=Μ/R である。Μは第1のマグネットメータメータ11にお
けるフィードバックコイル11bとSQUID11aと
の間の相互インダクタンスであり、ΜおよびM′
第2のマグネットメータ12におけるフィードバックコ
イル12b′および12b"とSQUID12aとの間
の夫々の相互インダクタンスであり、SQUIDとコイ
ルを薄膜で形成する場合、10−4より高い精度で形成
可能である。
【0047】第3および第4のマグネットメータ13お
よび14に関しても同様である。Μ は第3のマグネッ
トメータメータ13におけるフィードバックコイル13
bとSQUID13aとの間の相互インダクタンスであ
り、ΜおよびM′は第4のマグネットメータ14に
おけるフィードバックコイル14b′および14b"と
SQUID14aとの間の夫々の相互インダクタンスで
ある。従って、「1−21/2β′/β」を10程度
以下の大きさに設定できる。
【0048】また、フィードバックゲインβおよび
β′は、夫々、
【数10】 であり、Μ′とΜ′は10−2よりも高い精度で容
易に形成でき、RとR′も10−2より高い精度で
一致させることができるため、「1−β′/β 」に
関しても10−2程度以下の大きさにする設定すること
ができる。
【0049】2次微分型グラジオメータ1としての差分
値検出機能は第1の実施形態のものと同様である。すな
わち、第4のマグネットメータ14から出力される2次
微分の出力電圧Vは、
【数11】 である。
【0050】本実施形態では従来例のような差分演算器
を必要とせずに、2階微分グラジオメータが構成され
る。従って、従来例のように2つのマグネットメータ間
のゲインの違いや差分演算器の同相信号除去比によっ
て、2階微分出力の精度が制限されるということがな
く、環境磁場を高い精度で除去することができる。ま
た、補償電流を調整する調整抵抗無しに必要な高精度な
環境磁場の除去能を得ることができるため、補償電流の
調整を頻繁に行なう必要も無い。
【0051】(第3の実施形態)第3の実施形態を図3
および4に示す。
【0052】この実施形態のSQUID磁束計も、4個
のマグネットメータ11〜14を用いて電気的2次微分
型グラジオメータ1として構成されている。
【0053】マグネットメータ11〜14の各フィード
バックループには、フィードバック電流を供給する回路
として定電流回路11e〜14e(ゲインα〜α
をそれぞれ採用している。図中、M1〜M4は、それぞ
れ、各SQUIDとフィードバックコイルとの間の相互
インダクタンスである。
【0054】また、第1のマグネットメータ11のフィ
ードバックコイル11bと第2のマグネットメータ12
のフィードバックコイル12bとを直列に接続し、一
方、第3のマグネットメータ13のフィードバックコイ
ル13bと第4のマグネットメータ14のフィードバッ
クコィル14bとを直列に接続し、これにより、第2の
実施形態で説明したと同様に、フィードバックゲインβ
とβ′、および、β とβ′の一致度を向上させ
ている。
【0055】さらに、第2のマグネットメータ12の出
力電圧Vを、別の定電流回路21(ゲインα′)を
介して第4のマグネットメータ14のフィードバックコ
イル14bに加えている。
【0056】本実施形態で使用している定電流回路11
e〜14eの一例を図4に示す。この定電流回路は電圧
−電流変換回路として構成されている。この回路におい
て、図示した各抵抗素子は以下の関係を保つ値のものを
用いている。
【0057】
【数12】R/R=(R+R)/R これにより、この定電流回路の出力電流Iは、下記式
で表されるように、入力電圧Vに比例した値となる。
【0058】
【数13】I=(R/(R))V 本実施形態における2次微分型グラジオメータ1として
の差分値検出機能は第1の実施形態のものと同様であ
る。すなわち、第4のマグネットメータ14から出力さ
れる2次微分の出力電圧Vは、
【数14】 である。
【0059】このように、第1の実施形態と同様に差分
演算器を用いることなく、2次微分グラジオメータが構
成される。従来例のように、差分演算器の同相信号除去
比によって2階微分出力の精度が制限されることなく、
環境磁場を高い精度で除去できる2次微分グラジオメー
タを提供できる。さらに、補償電流を調整する調整抵抗
無しに必要な精度を得ることができるため、補償電流の
調整を頻繁に行なう必要のない2次微分グラジオメータ
を提供できる。さらにまた、第1の実施形態で示したよ
うな、第2、第4のマグネットメータそれぞれにフィー
ドバックコイルを2個設ける必要がないため、構成が簡
単化されると共に、それらのコイル間のクロストークに
よる歪みの発生も解消される。
【0060】(第4の実施形態)第4の実施形態を図5
に基づき説明する。この実施形態のSQUID磁束計
も、4個のマグネットメータ11〜14を用いて電気的
2次微分型グラジオメータ1として構成されている。
【0061】この2次微分型グラジオメータ1は、第3
の実施形態と同様に、フィードバック電流を供給する回
路として定電流回路11e〜14eを各マグネットメー
タに採用している。その一方で、第1のマグネットメー
タ11のフィードバックコイル11bと第2のマグネッ
トメータ12のフィードバックコイル12bとを直列に
接続し、同様に、第3のマグネットメータ13のフィー
ドバックコイル13bと第4のマグネットメータ14の
フィードバックコイル14bとを直列に接続し、これに
より、フィードバックゲインβとβ′、及び、β
とβ′の一致度を向上させている。
【0062】とくに、第3の実施形態のグラジオメータ
と異なるのは、第1および第3のマグネットメータ11
および13の出力電圧に比例する電流を、新たに付加し
た定電流回路により第2および第4のマグネットメータ
12および14に夫々供給する回路が加えられた点であ
る。すなわち、第1のマグネットメータ11の出力電圧
は定電流回路22(ゲインγ)を介して第2のマ
グネットメータ12のフィードコイル12bに加えら
れ、また、第3のマグネットメータ13の出力電圧V
は定電流回路23(ゲインγ)を介して第4のマグネ
ットメータ14のフィードコイル14bに加えられてい
る。
【0063】本実施形態における2次微分型グラジオメ
ータ1としての差分値検出機能は第1の実施形態のもの
と同様である。すなわち、第4のマグネットメータ14
から出力される2次微分の出力電圧Vは、
【数15】 である。
【0064】上述した新たに加えられた定電流回路2
2,23は、第3の実施形態において相互インダクタン
スΜ,Μ間およびM,M間の値が僅かに異なっ
ていた場合、βとβ′、及び、βとβ′に要求
される高い一致度を確保できなくなる点を改善するため
のものである。具体的には、第1と第2(及び第3と第
4)のマグネットメータ11,12(及び13、14)
のフィードバックコイル11b,12b(及び13b,
14b)に共通に供給される電流Ι=α(及び
Ι=α)に比べて、小さい電流I′=γ
(及びΙ′=γ)を第2のマグネットメータ
12のフィードバックコイル12b(及び第4のマグネ
ットメータ14のフィードバックコイル14b)に供給
することにより、相互インダクタンスM,Μ(及び
,M)の値の僅かな違いを補正するものである。
【0065】この新たに加えられた定電流回路22,2
3はそのゲインが可変になっている。このため、各マグ
ネットメータに一様な磁場を与えたとき、第2及び第4
のマグネットメータ12、14の出力が最も小さくなる
ように調整される。この定電流回路22,23のゲイン
調整は、例えば、前述した図4の抵抗Rの値を調整す
ることで達成される。理想的に調整されたときのゲイン
は、
【数16】γ=α(M/M−1) 及び
【数17】γ=α(M/M−1) という値になる。これらのゲインは、相互インダクタン
スM,Mが互いに高精度に一致していればα、α
よりも相当小さな値となるため、これらの値が出力値
の精度に与える影響は小さく、従来の方法に比べて調整
が容易である。
【0066】また、相互インダクタンスM,Μ,Μ
,Μのばらつきは主に製造時に発生するものであっ
て、時問的な変化は極めて小さいため、一度調整を行な
った後は、長期間にわたって調整する必要は無い。
【0067】本実施形態によれば、第2の実施形態と同
様の効果に加え、SQUIDのフィードバックコイルと
超伝導リングとの間の相互インダクタンスの僅かなばら
つきに因る2階微分グラジオメータの出力精度の劣化
を、ゲイン調整可能な定電流回路によって補償すること
ができる。このため、2階微分の出力精度をさらに上げ
ることができる。また、そのための調整作業も頻繁に行
なう必要がないという利点がある。
【0068】(第5の実施形態)第5の実施形態を図6
及び7に基づき説明する。この実施形態のSQUID磁
束計も、4個のマグネットメータ11〜14を用いて電
気的2次微分型グラジオメータ1として構成されてい
る。
【0069】この2次微分型グラジオメータ1は、第3
の実施形態と同様に、フィードバック電流を供給する回
路として定電流回路11e〜14eを採用している。第
1のマグネットメータ11のフィードバックコイル11
bと第2のマグネットメータ12のフィードバックコイ
ル12bとを直列に接続するとともに、第3のマグネッ
トメータ13のフィードバックコイル13bと第4のマ
グネットメータ14のフィードバックコイル14bとを
直列に接続することにより、フィードバックゲインβ
とβ′の一致度、及び、βとβ′の一致度を上げ
ている。
【0070】また、第3の実施形態の構成に加えて、第
2のマグネットメータ12の出力電圧Vを増幅回路3
2(ゲインγ)で増幅して加算回路33を介して第4
のマグネットメータ34の出力に加えるようになってい
る。
【0071】さらに、第1のマグネットメータ11の出
力電圧Vに比例する電圧を、新たに加えた増幅回路3
0(ゲインγ)により生成し、この電圧を加算回路3
1により第2のマグネットメータ12の出力電圧に加算
する構成が新たに設けられている。第3のマグネットメ
ータ13の出力電圧Vに比例する電圧を、新たに加え
た増幅回路34(ゲインγ)により生成し、この電圧
を加算回路35により第4のマグネットメータ14の出
力電圧に加算する構成が新たに設けられている。
【0072】本実施形態における2次微分型グラジオメ
ータ1としての差分値検出機能は上述した実施形態と同
様である。すなわち、第4のマグネットメータ14から
出力される2次微分の出力電圧Vは、
【数18】 である。
【0073】この新たに加えられた増幅回路30、34
および加算回路31、35は、第3の実施形態において
相互インダクタンスM,M、Μ,Mおよびα
とα′が僅かに異なっていた場合、2次微分成分のみ
を出力すべき出力値に一様成分や1次勾配成分が混入す
る問題を改善することができる。
【0074】増幅回路30、32、34はそのゲインを
変更可能に構成されており、各マグネットメータに一様
な磁場を加えたときに第2、第4のマグネットメータの
微分出力が0となるようにゲインγ、γを調整し、
各マグネットメータに一様な勾配磁場を加えたときに第
4のマグネットメータの出力が0になるようにγを調
整する。
【0075】図7にゲインを調整するための具体的な回
路構成を示す。コンピュータ40内のゲイン制御部41
からゲイン値がデジタル信号として出力されると、この
ゲイン値はD/Α変換回路44によって対応するアナロ
グ電圧に変換される。各マグネットメータのから出力さ
れた出力電圧(入力信号1)とアナログ電圧に変換され
たゲイン信号とが乗算回路45に入力され、両者の積信
号が演算される。この積信号は、他のマグネットメータ
のFLL回路からの出力電圧(入力信号2)に加算回路
46で加算される。この加算信号は、信号処理回路47
により、ゲイン調整、フィルタ処理などの信号処理が施
された後、コンピュータ40の信号収集部43に送られ
る。この信号収集部43によってデジタル信号に変換さ
れ、ゲイン制御部41でのゲイン制御に供せられる。ま
た、コンピュータ40は磁場発生コイル制御部42を備
えており、この制御部がSQUIDセンサ付近に設置し
た参照用の磁場発生コイル48からの磁場発生を制御で
きるようになっている。本構成によれば、コンビュータ
40からの指令に応じて増幅回路30、32、34のゲ
インを任意に変更することができる。
【0076】なお、このコンピュータ40は、この2次
微分型グラジオメータ1の検出出力(少なくとも第4の
マグネットメータの出力電圧V)を受けて磁場源など
を解析する装置と兼用することができる。
【0077】次にゲイン調整の手順を説明する。ゲイン
制御部41は全ての増幅回路30、32、34のゲイン
をまず一度、零に設定する。次いで、磁場発生コイル制
御部42は、SQUIDセンサ付近に設置された複数の
磁場発生コイル48に予め決められたパターンの磁場を
発生させる。信号収集部43ではその時の各磁束計の出
力を収集し、コンピュータ内のメモリに記憶する。次い
で、図示されてない演算部により、例えば特開平9−2
06626号に記載されている方法を用いて各増幅回路
のゲインを決定し、ゲイン制御部41はこの決定したゲ
イン値を元に各増幅回路のゲインを制御する。
【0078】本実施形態によれば、Μ,Μ,Μ
のばらつきによる出力精度の劣化を防止することが
できる。相互インダクタンスΜ,M,M,M
ばらつきは主に製造時に発生するものであり、時問的な
変化は極めて小さいため、一度調整を行なうと、その
後、長期間にわたり再調整することは殆ど必要無くな
る。
【0079】本実施形態によれば、第3の実施形態と同
様の効果に加え、SQUIDのフィードバックコイルと
超伝導リングとの間の相互インダクタンスのわずかなば
らつきに因って2階微分グラジオメータの出力精度が劣
化するような場合であっても、ゲイン調整可能な増幅回
路および加算回路により、これを補償することが可能に
なる。したがって、2階微分の出力精度をさらに高くす
ることができ、そのための調整作業も頻繁には行なう必
要が無いという特徴がある。
【0080】なお、本実施形態では、新たに追加した増
幅回路および加算回路が電気的に構成されている場合を
例示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。
他の構成例として、ソフトウェア処理によるものであつ
てもよい。ソフトウェア処理により増幅及び加算を行な
うと、増幅のためのゲイン調整がソフトウェア処理によ
り容易に行なえるため、図7に示したような特別なゲイ
ン調整手段が不要になり、回路構成が大幅に簡単化でき
るという効果がある。
【0081】(第6の実施形態)第6の実施形態を図8
に基づき説明する。この実施形態のSQUID磁束計
は、3個のマグネットメータを用いて電気的2次微分型
グラジオメータ1として構成されている。このグラジオ
メータは、本発明に係る2次微分グラジオメータのほか
の基本的な構成を成す。
【0082】2次微分グラジオメータ1は3個のマグネ
ットメータ11〜13から成り、各マグネットメータは
3つのSQUID11a(〜13c)と駆動回路として
のFLL回路11c(〜13c)から成っている。ま
た、各マグネットメータにおいて、ゲインβ(〜
β)のフィードバックアンプ11c(〜13c)によ
り、出力電圧に比例した電流が夫々のフィードバックコ
イル11b(〜13b)に戻されるようになっている。
【0083】これに加えて、第1のマグネットメータ1
1の出力電圧Vがゲインβ′のフィードバックアン
プ51により増幅されて、第2のマグネットメータ12
のフィードバックループに挿入されている加算器52に
印加される。また、第3のマグネットメータ13の出力
電圧Vがゲインβ′のフィードバックアンプ53に
より増幅されて加算回路52に印加される。加算器52
で加算された第1〜第3のマグネットメータの出力電圧
は第2のマグネットメータ12のフィードバックコイル
12bに与えられる。
【0084】この結果、第1と第3のマグネットメータ
11、13は通常のマグネットメータとして動作し、そ
の一方で、それらの出力電圧V、Vを夫々β、β
倍した大きさの磁束が第2のマグネットメータ12の
SQUID12aに、第2のマグネットメータ自体の出
力に比例した磁束と共に印加される。このため、第2の
マグネットメータ12の出力電圧V
【数19】 のように表される。
【0085】そこで、β′/β、β′/βを夫
々1/2にすることにより、2次微分に相当する出力を
得ることができる。この回路構成の場合、1次微分の出
力を得るには、第1と第3のマグネットメータの出力電
圧の差分演算を行なう必要はあるが、その一方で、従来
5組必要であったSQUID及び駆動回路の組が3組で
済むため、構成が非常に簡素化されるという容易になる
という利点がある。
【0086】上述した図8の原理的な2次微分グラジオ
メータ1を更に具体的に構成した例を図9に示す。この
構成は、上述した各実施形態と同様の手法を用いること
ができ、1次微分出力を直接得ることができない点を除
いて、上述のものと同等のの効果を得ることができる。
【0087】具体的には、マグネットメータ11〜13
のフィードバックループには定電流回路11e〜13e
(ゲインα〜α)が夫々挿入されている。また、マ
グネットメータ11〜13の夫々において、SQUID
11a(〜13a)に対するフィードバックコイルは2
個ずつ備えられている。
【0088】第1のマグネットメータ11のフィードバ
ックコイル11b'および11"(相互インダクタンスは
、M')は互いに直列に接続されて、自分の出力
のフィードバック電流を受けるとともに、その直列接続
のコイルは更に第2のマグネットメータ12の2個のフ
ィードバックコイル12b'および12"(相互インダク
タンスはM、M')の内の一方12b'に接続されて
いる。同様に、第3のマグネットメータ13のフィード
バックコイル13b'および13"(相互インダクタンス
はM、M')は互いに直列に接続されて、自分の出
力のフィードバック電流を受けるとともに、その直列接
続のコイルは更に第2のマグネットメータ12の一方の
フィードバックコイル12b'に接続されている。第2
のマグネットメータ12では、残りの一方のフィードバ
ックコイル12b"に自分の検出出力に比例した電流が
フィードバックされている。
【0089】このグラジオメータ1の出力は第2のマグ
ネットメータ12から与えられ、その値は、
【数20】 で表される。1個のSQUIDに対して2個備えられて
いるフィードバックコイルの超伝導リングヘの相互イン
ダクタンスMが全て同一になるように構成すると、2次
微分に相当する出力を得ることができる。
【0090】第2の実施形態と同様に、2次微分出力を
得るために減算回路などを使用しないので、高精度に磁
場の2次勾配成分を計測することが可能になる。
【0091】(第7の実施形態)第7の実施形態を図1
0に基づき説明する。この実施形態のSQUID磁束計
は、3次以上のグラジオメータとして、電気的3次微分
型グラジオメータとし構成したものである。
【0092】図10には、3次微分型グラジオメータ1
の1つの基本的な構成を示す。このグラジオメータ1
は、8個のマグネットメータ11〜14、61〜64を
備える。この内、図面左側に表した4個のマグネットメ
ータ11〜14は前述した第1の実施形態のものと同一
に構成されている。図面右側に記載した残り4個のマグ
ネットメータ61〜64も左側の4個のマグネットメー
タ11〜14と同様に構成されている。さらに、第4の
マグネットメータ14の検出出力Vがフィードバック
アンプ70を介して第8のマグネットメータ64のフィ
ードバックループに供給されている。
【0093】したがって、第1、第3、第5及び第7の
マグネットメータ11,13,61及び63にマグネッ
トメータ出力V,V,V及びV、第2及び第6
のマグネットメータ12及び62に1次微分出力V
びV、第4のマグネットメータ14に2次微分出力V
、並びに第8のマグネットメータ64に3次微分出力
を得ることができる。
【0094】(第8の実施形態)第8の実施形態を図1
1に基づき説明する。この実施形態のSQUID磁束計
も、3次以上のグラジオメータとして、電気的3次微分
型グラジオメータとし構成したものである。
【0095】図11には、3次微分型グラジオメータ1
の別の基本的な構成を示す。このグラジオメータ1は、
4個のマグネットメータ11〜14を備える。このマグ
ネットメータ11〜14のSQUID、フィードバック
コイル、FLL回路及びフィードバックアンプによる基
本回路は今まで説明したものと同様である。
【0096】これに加えて、第3のマグネットメータ1
3のフィードバックループには、加算回路71が挿入さ
れており、この加算回路71には自前の検出出力V
加えて、第2のマグネットメータ12の検出出力V
フィードバックアンプ72(ゲインβ′)を介して、
また第4のマグネットメータ14の検出出力Vをフィ
ードバックアンプ73(ゲインβ′)を介して加える
ようになっている。さらに、第4のマグネットメータ1
4のフィードバックループには別の加算回路75が挿入
されて、自前の検出出力Vをゲイン倍した電流と第1
のマグネットメータ11の検出出力Vをフィードバッ
クアンプ(ゲインβ′)でゲイン倍した電流とを加算
してフィードバックコイル14bに与えるようになって
いる。
【0097】したがって、ゲインに関して、β′/β
とβ′/βを1、β′/β を1/2や1/3
などのある定数に設定することで、第3のマグネットメ
ータ13から3次微分出力V
【数21】 が得られる。このようにして、4組のマグネットメータ
だけで3次微分出力を得ることができる。
【0098】同様にして、本発明に係る4次以上の微分
型グラジオメータも構成することができる。
【0099】(第9の実施形態)第9の実施形態を図1
2に基づき説明する。この実施形態のSQUID磁束計
は、フィードバック回路の改善に関する。
【0100】高温超伝導SQUIDを用いたSQUID
磁束計では、低周波雑音を低減することを意図して、交
流バィアス回路を採用し、フィードバック電流に加えた
変調信号をフィードバックコイルに入力させる構成を採
ることが多い。このような回路の構成例は特公平6−3
8103に詳細に記述されている。
【0101】図12は、かかる回路構成を用いたSQU
ID磁束計の好ましい実施形態を示す。SQUID磁束
計1は、複数のマグネットメータ91、92、…を有
し、各マグネットメータは高温超伝導リング91a(9
2a)、フィードバックコイル91b(92b)、駆動
回路91c(92c)、及びフィードバック系に挿入さ
れた電圧・電流変換用の定電流回路91d(92d)を
備える。駆動回路91c及び92cは夫々、増幅器D
a、復調器Db、積分器Dcを入力側からこの順に備え
る。超伝導リング91a,92aのフィードバックコイ
ル91b,92bは、自己のフィードバックループに夫
々、直列に接続されながらも、相互に直列に接続されて
いる。
【0102】複数のマグネットメータ91、92、…に
は共通の交流バイアス回路93が装備されている。この
交流バイアス回路93は、発信器94、分周器95、排
他的論理和回路96、および定電流回路97を備える。
【0103】この交流バイアス回路93は、フィードバ
ックコイル91b、92b、…が直列に接続された複数
のマグネットメータ91、92、…に対して、変調信号
を発生する発振器94を1台だけ設け、その変調信号を
定電流回路97で電圧・電流変換し、変換した電流を直
列接続のフィードバックコイル91b、92b、…に共
通に供給するという特徴を有する。また、駆動回路91
c,92cの夫々は、SQUID91a,92a,…の
夫々の出力電圧を増幅器Daで増幅した後、共通の発振
器94を起源とする参照信号を用いて復調器Dbで復調
することを特徴とする。この回路構成は、前述した第1
〜第8の実施形態の各々に対して適用され、フィードバ
ック電流は第1〜第8の実施形態の各々に記されている
方法で生成される。
【0104】本実施形態によれば、高温超伝導SQUI
Dに顕著な低周波雑音を効果的に抑制することができる
ため、高温超伝導SQUIDに対して好適に適用できる
ようになる。さらに、駆動回路夫々に共通の発振器によ
り生成された変調信号が供給され、共通の発振器に基づ
く参照信号により復調されるので、チャンネル間の意図
しない相互作用に因って、出力電圧に歪みが発生して
も、その歪みはチャンネル間に常に一定に作用するの
で、この相互作用は各チャンネルのばらつきと同様の歪
みとして現れる。このため、第5の実施形態で説明した
手法によって測定及び、補正することが可能である。し
たがって、第5の実施形態と組み合わせて実施すること
によってチャンネル問の相互作用の影響を排除して、磁
場勾配をさらに高精度に計測できるという効果がある。
【0105】上述した実施形態では、電気的な回路によ
るグラジオメータを例に説明したが、本発明の主要な構
成要素はソフトウェア的にも実行可能なものであり、そ
の場合にも電気的に構成されたのと同様の効果が得られ
る。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のSQUI
D磁束計によれば、参照用の余分なマグネットメータを
設ける必要がなく、2次以上のグラジオメータを電気的
に又はソフトウェア的に構成できる。このため、空間的
に立体的なピックアップコイルが構成困難な高温超伝導
SQUIDを用いて、補償電流の調整を頻繁に行なう必
要が無く、且つ環境磁場の高い除去率を実現する高次微
分グラジオメータを提供することができる。したがっ
て、安価で運用の容易な生体磁気計測装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係るSQU
ID磁束計としての2次微分型グラジオメータの概略を
示す構成図。
【図2】図2は、本発明の第2の実施形態に係るSQU
ID磁束計としての2次微分型グラジオメータの概略を
示す構成図。
【図3】図3は、本発明の第3の実施形態に係るSQU
ID磁束計としての2次微分型グラジオメータの概略を
示す構成図。
【図4】図4は、フィードバック回路に用いる定電流回
路の回路図。
【図5】図5は、本発明の第4の実施形態に係るSQU
ID磁束計としての2次微分型グラジオメータの概略を
示す構成図。
【図6】図6は、本発明の第5の実施形態に係るSQU
ID磁束計としての2次微分型グラジオメータの概略を
示す構成図。
【図7】ゲイン調整法を説明する回路図。
【図8】図8は、本発明の第6の実施形態に係るSQU
ID磁束計としての2次微分型グラジオメータの別の基
本形を示す構成図。
【図9】図8の2次微分型グラジオメータを具体例を示
す構成図。
【図10】図10は、本発明の第7の実施形態に係るS
QUID磁束計としての3次微分型グラジオメータの一
例を示す構成図。
【図11】図11は、本発明の第8の実施形態に係るS
QUID磁束計としての3次微分型グラジオメータの別
の例を示す構成図。
【図12】図12は、本発明の第9の実施形態に係るS
QUID磁束計の概略構成を示すブロック図。
【図13】従来技術を説明するために用いピックアップ
コイルおよびグラジオメータの構成図。
【符号の説明】
1 2次微分型グラジオメータ(SQUID磁束計) 11〜14 マグネットメータ 11a〜14a SQUID(超伝導リング) 11b〜14b フィードバックコイル 11c〜14c FLL回路 11d〜14d フィードバックアンプ 11e〜14e 定電流回路 11′b,11"b,12′b,12"b,14′b,1
4"b フィードバックコイル 17〜19 フィードバックアンプ 21 定電流回路 22,23 定電流回路 30、32、34 増幅回路 31、33、35 加算回路 40 コンピュータ 44 D/A変換回路 45 乗算回路 46 加算回路 47 信号処理回路 48 磁場発生コイル 51,53 フィードバックアンプ 52 加算回路 61〜64 マグネットメータ 71,75 加算回路 72,73,74 フィードバックアンプ 91,92 マグネットメータ 91a,92b 高温超伝導リング 91a,92b フィードバック回路 93 交流バイアス回路

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3個以上のSQUIDと、この3個以上
    のSQUID夫々を独立して駆動する駆動回路と、前記
    3個以上のSQUID夫々に対して取り付けられ且つ前
    記駆動回路夫々の出力に比例した大きさの磁束をフィー
    ドバックさせるフィードバックコイルとを備えたSQU
    ID磁束計において、 前記3個以上のSQUIDの内の少なくとも1個のSQ
    UIDに、他の1個のSQUIDの駆動回路の出力に比
    例した大きさのフィードバック磁束を当該SQUIDの
    フィードバックコイルを介して印加する手段と、これら
    のSQUID以外の他のSQUIDの駆動回路の出力に
    比例した大きさのフィードバック磁束を前記少なくとも
    1個のSQUIDに当該SQUIDのフィードバックコ
    イルを介して加法的に印加する手段とを備えたことを特
    徴とするSQUID磁束計。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のSQUID磁束計におい
    て、 前記少なくとも1個のSQUIDに対してフィードバッ
    クコイルを複数個備え、その内の少なくとも1個のフィ
    ードバックコイルは前記他のSQUIDのフィードバッ
    クコイルと直列に接続したことを特徴とするSQUID
    磁束計。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のSQUID磁束計におい
    て、 前記3個以上のSQUIDのフィードバックコイルの夫
    々には当該SQUID夫々の駆動回路の出力端を定電流
    回路を介して接続するとともに、その複数のフィードバ
    ックコイルの内、特定のフィードバックコイルを他の1
    つのSQUIDのフィードバックコイルと直列に接続
    し、この直列接続の接続点に、他の直列接続されたフィ
    ードバックコイル対の内の一方のSQUIDに接続され
    た駆動回路の出力端を別の定電流回路を介して接続した
    ことを特徴とするSQUID磁束計。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のSQUID磁束計におい
    て、 前記接続点に接続した前記別の定電流回路は前記駆動回
    路の出力電圧に比例した電流を供給する回路であること
    を特徴とするSQUID磁束計。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のSQUID磁束計におい
    て、 前記接続点には他のSQUIDのフィードバックコイル
    を接続したことを特徴とするSQUID磁束計。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のSQUID磁束計におい
    て、 前記複数個の駆動回路の内、ある1つの駆動回路の出力
    に他の複数個の駆動回路の出力値に比例した大きさの信
    号を加える加算演算器を備え、前記変換係数はそれぞれ
    個別に変更可能であることを特徴とするSQUID磁束
    計。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のSQUID磁束計におい
    て、 前記複数個の駆動回路の出力信号をデジタル値に変換す
    る手段と、デジタル値に変換された各駆動回路の出力信
    号を相互に重み付け加算する演算手段とを備え、その重
    み係数が変更可能であることを特徴とするSQUID磁
    束計。
  8. 【請求項8】 複数のSQUIDと、この複数のSQU
    ID夫々を独立して駆動する駆動回路と、前記複数のS
    QUID夫々に対して取り付けられたフィードバックコ
    イルとを備えたSQUID磁束計において、 前記複数のSQUID夫々にそのSQUIDの駆動回路
    の出力に比例した大きさのフィードバック磁束をそのS
    QUIDのフィードバックコイルを介して印加する手段
    と、前記複数のSQUIDの内の複数個のSQUID夫
    々のフィードバックコイルに、他の1個のSQUIDに
    供給されるフィードバック電流を加法的に印加する手段
    と、前記フィードバック電流が加法的に印加される複数
    個のSQUIDの内の少なくとも1個のSQUIDのフ
    ィードバックコイルに、その複数個のSQUIDの内の
    他のSQUIDの駆動回路の出力電圧に比例した大きさ
    のフィードバック電流を更に加法的に印加する手段と、
    前記出力電圧から電流への変換係数を変更可能な手段と
    を備えたことを特徴とするSQUID磁束計。
  9. 【請求項9】 請求項6乃至8の何れか一項に記載のS
    QUID磁束計において、 磁場発生コイルを備え、この磁場発生コイルが発生した
    磁場の計測値に基づいて前記変更可能な変換係数を決定
    する手段を備えたことを特徴とするSQUID磁束計。
  10. 【請求項10】 複数のSQUIDと、この複数のSQ
    UIDを個別に駆動する複数の駆動回路とを備えたSQ
    UID磁束計において、 前記複数のSQUID夫々に正負に交番するバイアス電
    流と正負に交番する変調磁束との内の少なくとも一方を
    与える手段と、前記複数の駆動回路の内の少なくとも2
    個の駆動回路には共通の発振器により生成された変調信
    号及びバイアス信号の内の少なくとも一方を供給する手
    段とを備え、前記少なくとも2個の駆動回路は前記共通
    の発振器の発振出力に基づく参照信号を用いて前記SQ
    UIDの出力を復調する手段を有することを特徴とする
    SQUID磁束計。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のSQUID磁束計に
    おいて、 前記複数のSQUIDの内の少なくとも2個のSQUI
    Dのフィードバックコイルを相互に直列に接続する一方
    で、前記共通の発振器の発振出力に基づく変調電流をそ
    の直列接続したフィードバックコイルに共通に供給する
    手段を備えたことを特徴とするSQUID磁束計。
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CN116224413A (zh) * 2023-02-14 2023-06-06 中国原子能科学研究院 一种用于金属磁量热计的芯片信号耦合系统
US11927646B2 (en) 2018-12-26 2024-03-12 Asahi Kasei Microdevices Corporation Magnetic field measuring apparatus
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