JP2000291710A - 積層ラバーダンパーとその製造方法 - Google Patents

積層ラバーダンパーとその製造方法

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JP2000291710A
JP2000291710A JP11094825A JP9482599A JP2000291710A JP 2000291710 A JP2000291710 A JP 2000291710A JP 11094825 A JP11094825 A JP 11094825A JP 9482599 A JP9482599 A JP 9482599A JP 2000291710 A JP2000291710 A JP 2000291710A
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adhesive
damper
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rubber
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Yukio Sone
幸雄 曽根
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粘弾性シートの厚さ精度が高く、積層ラバーダ
ンパー内部の物性が極めて均質で、剪断特性に優れる積
層ラバーダンパー、および、一連の製造工程が簡便で、
性能の精度が高く均一な積層ラバーダンパー製品の製造
が可能で、製品間の性能にバラツキがなく、さらに積層
ラバーダンパーの多様化に対応しやすく設計自由度を大
きくすることのできる積層ラバーダンパーの製造方法の
提供。 【解決手段】複数の鋼板と粘弾性シートとを積層した長
尺の積層部を有する積層ラバーダンパーにおいて、前記
積層部が複数の鋼板と粘弾性シートとを交互に積層し常
温硬化型接着剤を介して接着されていることを特徴とす
る積層ラバーダンパー、および、その製造方法により、
上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層ラバーダンパ
ーとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中、高層建築物では、地震や風等
の水平力による振動エネルギーを減衰させるために、ブ
レース構造を用いた建物架構が広く用いられている。近
年になって、ブレース構造に、粘弾性体と鋼板とを積層
したサンドウィッチ構造の積層体であって、粘弾性体の
特性を利用した積層ラバーダンパーを組み込み振動エネ
ルギーを減衰させる方法が用いられるようになってき
た。積層ラバーダンパーは、粘弾性体が変形すること
で、振動エネルギーを熱エネルギーに変換してエネルギ
ーを消散して制振効果を得る。従来の積層ラバーダンパ
ーの製造方法では、未加硫ゴムのシートと、加硫接着剤
を塗布した鋼板を積層した積層体を、大型モールド内に
組み込み、加硫プレス(加硫設備)で長時間かけて加熱
加硫し、ゴムの加硫反応と、ゴム/金属の接着反応を同
時に行なっている。このような製造方法であると、モー
ルドの体積が大きくゴム中の熱伝導が悪くなり、加硫中
の上記積層体内に大きな温度分布が生じ、その結果とし
て得られる積層ラバーダンパー内部に物性分布が生じ、
得られる積層ラバーダンパーごとに性能のバラツキが大
きいという問題があった。また、加硫プレスの上下の熱
盤により加圧、加熱するため、積層体の最上層と最下層
のゴムが先に軟化して流れ、厚みが薄くなっていた。そ
のため、得られる積層ラバーダンパーの大変形時におけ
る剪断性能が低下するという問題があった。さらに、積
層ラバーダンパーの形状に合わせた複雑で大型のモール
ドが必要であり、大型のモールドは高価であるため製造
コストがかかると共に、積層体を大型のモールドで加硫
するため、大型の加硫設備(プレス)が必要であった。
製品の多様化にもモールドの増加を伴うため対応するこ
とが難しかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粘弾
性シートの厚さ精度が高く、積層ラバーダンパー内部の
物性が極めて均質で、剪断特性に優れる積層ラバーダン
パー、および、一連の製造工程が簡便で、性能の精度が
高く均一な積層ラバーダンパー製品の製造が可能で、製
品間の性能にバラツキがなく、さらに積層ラバーダンパ
ーの多様化に対応しやすく設計自由度を大きくすること
のできる積層ラバーダンパーの製造方法を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、複
数の鋼板と粘弾性シートとを積層した長尺の積層部を含
む長尺物の両端に、柱梁架構に固定するためのブラケッ
トを有する積層ラバーダンパーにおいて、前記積層部が
複数の鋼板と粘弾性シートとを交互に積層し常温硬化型
接着剤を介して接着されていることを特徴とする積層ラ
バーダンパーを提供する。
【0005】また、本発明は、複数の鋼板と粘弾性シー
トとを交互に積層した長尺の積層部を含む長尺物の両端
に、柱梁架構に固定するためのブラケットを有する積層
ラバーダンパーの製造方法であって、前記鋼板と粘弾性
シートとを常温硬化型接着剤を介して互いに積層して接
着することを特徴とする積層ラバーダンパーの製造方法
を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の積層ラバーダンパ
ーおよびその製造方法について図示例の好適実施例に基
づいて詳細に説明する。
【0007】一般に、積層ラバーダンパーは、中、高層
建築物に耐震性を与えるために、建築物の架構の層間に
設けられるゴムと鋼板との積層体であり、例えば、建築
構造物の補強部材として斜方向に張設され、安定板とし
て鋼板等を用い、これとゴムシートを強固に積層した建
築部材である。その形状や構造は施工される建築物の大
きさや形状、施工場所に応じて種々のものが考えられ、
特に限定されない。図2は、積層ラバーダンパー(以
下、ダンパーと記す)40の好適例を用いたブレース構
造を示す正面図である。この例では、ダンパー40は、
長手方向の両末端にブラケット11、12が溶接されて
いる。ダンパー40は、柱31と梁32で囲む面内に、
柱31や梁32に取り付けられたガセットプレート33
にブラケット11、12を高力ボルト・ナット(ボルト
とナット)22で固定して取り付けられる。なお、図2
に示す一例では、ダンパー40は、高力ボルト・ナット
22により固定されているが、固定手段はクランプ等の
手段であっても構わない。また、図2に示す一例では、
ガセットプレート33は、梁32の中心近傍と、柱31
と梁32の交点近傍に設置されているが、柱31と梁3
2の隣合わない2つの交点近傍に設置され、ダンパー4
0が対角線上に設置されても構わない。このようにダン
パー40を取り付けることにより、建築物の梁等に伝わ
る地震や風等の応力のダンパー40方向の分力が減衰さ
れ、その結果、建築物が受ける応力による振動エネルギ
ーが減衰される。尚、ダンパー40は、既存の建築物に
外付けすることができ、耐震補強が必要となった時点
で、取り付けることも出来る。
【0008】本発明の積層ラバーダンパーは、複数の鋼
板と粘弾性シートとを積層した長尺の積層体である。本
発明の積層ラバーダンパーは、好ましくは、積層体の両
端に柱梁架構に固定されるためのブラケットを有する構
造をとる。本発明の積層ラバーダンパーは、前記積層体
が鋼板と粘弾性シートとを交互に積層し常温硬化型接着
剤を介して接着されていることを特徴とするものであ
る。図3は、図2に示すダンパー40の1好適実施例の
平面図である。図3に示す1好適実施例に基づいて、ダ
ンパー40の構造についてさらに説明する。この好適実
施例に例示されるダンパー40では、ブラケット11と
12との間に、鋼板と粘弾性シートとを積層した積層部
25からなる長尺物が固定されている。ブラケット1
1、12と積層部25との間には、それぞれ空間23、
24が設けられている。ブラケット11は、積層部25
の中央に設けられる積層部25より延在する鋼板1と一
体として形成される平面13と、それに直角に固着され
た平面14とにより構成される。積層部25の最外層の
両表面は端部鋼板8、9でカバーされ、これらの平面
は、積層部25の積層枚数に応じたスペーサー17、1
8を介してブラケット11の平面13にボルト・ナット
21により固定される。端部鋼板8、9と鋼板1に囲ま
れた、スペーサー17、18と積層部25の間の空間
が、前述の空間23である。積層部25の中央の鋼板1
は粘弾性シート4、5と、常温硬化型接着剤を介して積
層され接着されている。さらに、粘弾性シート4、5は
鋼板2、3と、鋼板2、3は粘弾性シート6、7と、常
温硬化型接着剤を介して積層され接着されている。さら
に粘弾性シート6、7は、端部鋼板8、9と常温硬化型
接着剤を介して積層され接着されていてもよいし、単
に、端部鋼板8、9が積層部25の両表面にボルト・ナ
ット等で固定されていてもよい。積層部25における鋼
板1の厚さに対し、平面13と一体となっている部分の
鋼板1の厚さは3倍程度厚い。この部分は、柱梁架構に
ダンパー40を接合する部分であるため、十分に大きい
構造強度を確保するためである。鋼板1の厚くなってい
る平面13には、端部鋼板8、9がスペーサー17、1
8を介してボルト・ナット21で固定されている。積層
部25のブラケット11と反対の端部から鋼板2、3が
延在し、鋼板2、3の端部はスペーサー19、20を介
してブラケット12にボルト・ナット21により固定さ
れている。このブラケット12は、鋼板2、3を固定す
る平面15と、それに直角に固着された平面16とによ
り構成されている。積層部25とブラケット12の間に
は空間24が設けられている。この空間24と、前述の
空間23は、共に、積層部25の中央の鋼板1と他の鋼
板2、3と粘弾性シート4、5、6、7との剪断変形を
許容するために設けられている。このように、積層部2
5の鋼板1と2、3は、積層部25から交互にそれぞれ
異なる側に延在し、ブラケット11、12にそれぞれ固
定され、ブラケット11、12それぞれの動きに応じて
振動することで、有効に振動のエネルギーを粘弾性シー
ト4〜7に伝えて、振動エネルギーを吸収、消散する。
【0009】図1に、図2の積層ラバーダンパーの鋼板
1〜3と粘弾性シート4〜7との積層部を拡大して示
す。本発明のダンパーは、鋼板と粘弾性シートとを交互
に積層して常温硬化型接着剤10を介して接着したもの
である。図1の例では、鋼板1〜3と粘弾性シート4〜
7のみならず、ダンパー40の積層部の最外層の2枚の
粘弾性シート6、7にそれぞれ端部鋼板8、9を常温硬
化型接着剤10を介して接着・積層している。ダンパー
40の積層部は、鋼板1〜3と粘弾性シート4〜7と
が、常温硬化型接着剤10を介して接着されていること
が特徴である。鋼板1〜3と粘弾性シート4〜7との接
着面は、物理的、化学的な表面処理を行ってから常温硬
化型接着剤10を介して接着されていてもよい。鋼板1
〜3と粘弾性シート4〜7とが常温硬化型接着剤10に
より確実に接着されているので、鋼板1〜3を通して粘
弾性シート4〜7に伝えられる、建築物に入力された地
震、風等による振動のエネルギーが粘弾性シート4〜7
の剪断変形により熱エネルギーに変換され、これにより
安定した振動の減衰効果が得られる。鋼板1〜3と粘弾
性シート4〜7の厚さ、および、大きさは、ダンパー4
0が適用される用途に応じて適宜決定されるものであ
り、特に限定されない。また、ダンパーとしては、図3
に示す好適実施例のように、鋼板として、積層部の中央
に設けられる鋼板1と、鋼板2、3を有していてもよい
し、その枚数は、それぞれ1枚と2枚に限定されず、例
えば、それぞれ2枚と3枚とする等、任意の枚数にする
ことができる。複数枚の鋼板を挿入することによりダン
パー40の振動の減衰特性を任意に設定することができ
る。
【0010】鋼板1〜3は、ダンパー40内に安定板と
して用いるもので、従来公知の各種鋼板等が使用でき、
特に限定されるものではないが、例えば、一般構造用鋼
板、冷間圧延鋼板等が挙げられる。
【0011】粘弾性シート4〜7としては、粘弾性を示
すものであれば特に限定はなく、粘弾性と共に、高減衰
性を有する公知の組成物、例えば、加硫ゴム、未加硫ゴ
ム、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマーのい
ずれかを用いればよい。加硫ゴムに原料として用いる未
加硫ゴムとしては、天然ゴム(NR)系、イソプレンゴ
ム(IR)系、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SB
R)系、天然ゴム/スチレン・ブタジエン共重合ゴム
(NR/SBR)系、天然ゴム/ブタジエンゴム(NR
/BR)系、天然ゴム/アクリロニトリルブタジエンゴ
ム(NR/NBR)系等が好適に例示される。この未加
硫ゴムには、必要に応じて、充填剤、可塑剤、老化防止
剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤等の種々の添加剤を
配合することができる。充填剤としては、HAFカーボ
ン、SAFカーボン等のカーボンブラック等が、可塑剤
としては、アロマオイル、ワックス等が、加硫剤として
は、硫黄、亜鉛華等が、加硫促進剤としては、N−シク
ロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
(CBS)、ジベンゾチアジルジスルフィド(DM)等
が、加硫助剤としては、ステアリン酸等が挙げられる。
また、加硫せず、未加硫であっても、粘弾性と共に高減
衰性を有するという要求特性を満たす剪断特性を持つも
のであれば使用可能である。
【0012】一方、熱可塑性エラストマーとしては、エ
ステル系、アミド系、ウレタン系、スチレン系、オレフ
ィン系、塩化ビニル系のエラストマー、さらにはこれら
にゴムを分散させたエラストマー等が挙げられる。
【0013】常温硬化型接着剤10としては、1液型で
も2液型でもよいが、フェノール系接着剤、ウレタン系
接着剤、変性シリコーン接着剤、ゴム系接着剤、シアノ
アクリレート系接着剤、エポキシ系接着剤が挙げられ
る。使用する接着剤の種類は、用いる粘弾性シートおよ
び鋼板の種類、必要とされる接着力等に応じて適宜決定
すればよく、積層ラバーダンパーとして破壊試験をした
時にゴム破壊となる程度の接着力とするのが好ましい。
また、これらを単独で用いても、二種以上を併用しても
よい。
【0014】フェノール系接着剤としては、ビニルフェ
ノリック型、エポキシフェノリック型、ニトリルフェノ
リック型等が挙げられ、他の接着剤と併用して用いられ
る。ウレタン系接着剤としては、ポリイソシアネートと
ポリエーテルあるいはポリエステルポリオールを主原料
とするプレポリマーをベースに、炭酸カルシウム、カー
ボンブラック等のフィラーと三級アミン、錫触媒等の添
加剤を配合したものを用いればよい。また、ポリオール
としてエポキシ変性体、ゴム変性体、ゴムの端や内部に
水酸基を付加したもの、フェノール樹脂等も接着向上の
ために好適に用いられる。
【0015】変性シリコーン系接着剤は、ポリオールの
末端をアルコキシシリル化したポリマーであり、一般的
には鐘淵化学工業のMSポリマーが好適に用いられる。
上記同様にフィラー、触媒等の添加剤を配合したもの、
また、ポリオールは変性したものを用いることが好まし
い。ゴム系接着剤は、塩素化天然ゴム、クロロプレン、
ポリブタジエン等のゴムと、テトラメチルチウラムジス
ルフィド(TT)やテトラメチルチウラムモノスルフィ
ド(TS)等の低温硬化剤、フェノール樹脂、レゾール
樹脂、また必要に応じて、イソシアネート等が添加され
た溶液タイプのものを用いればよい。また、フィラーと
してカーボンブラック、チタン、炭酸カルシウム等を加
えるのが好ましい。
【0016】シアノアクリレート系接着剤は、いわゆる
瞬間接着剤と呼ばれるもので、東亜合成化学(株)等か
ら市販されている2−シアノアクリレート並びにその誘
導体をベースとしたものを用いればよいが、単独ではな
く、他と併用することが好ましい。エポキシ系接着剤
は、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グ
リシジルアミン型、脂環型等のエポキシ樹脂と、ポリア
ミドアミン、ポリチオール、酸無水物等の硬化剤、触
媒、フィラー等から構成されるものを用いればよい。エ
ポキシ樹脂は、フェノールノボラック型やオルソクレゾ
ールノボラック型に変性、あるいはゴム変性したもの、
またアミン硬化剤もゴム変性したものを必要に応じて用
いる。これらの接着剤は被着体である粘弾性シート種に
対応して、単独もしくは複数用いられる。
【0017】以上説明した図示例のダンパー40の積層
部を用いて、本発明の積層ラバーダンパーの製造方法の
一例について説明する。まず、未加硫ゴムに適宜添加剤
を添加して、混練し、所定の厚さに圧延した後、所定の
形状に打ち抜いて、未加硫ゴムシートを得、これを加熱
加硫して加硫ゴムよりなる粘弾性シート4〜7を形成す
る。一方、鋼板1〜3は、サンドブラストにより表面処
理した後、脱脂しする。鋼板1の両表面に常温硬化型接
着剤10を塗布し、粘弾性シート4、5をそれぞれ積層
し、さらに常温硬化型接着剤10を塗布した鋼板2、3
を積層する。鋼板2、3の表面に常温硬化型接着剤10
を塗布し、さらに粘弾性シート6、7をそれぞれ積層
し、このようにして、複数枚の鋼板と粘弾性シートを交
互に積層することにより、ダンパー40の積層部を作製
する。鋼板1〜3の、粘弾性シート4〜7との接着面
は、予めバフ処理等の機械的処理、塩素化処理または酸
化処理等の化学的処理、あるいは段差や凹凸を設ける等
の機械的加工を施してもよい。また、プライマーを塗布
してもよい。このような接着面を有するので、鋼板1〜
3と粘弾性シート4〜7は常温硬化型接着10を介して
高い接着力で積層することができ好ましい。例えばバフ
処理としては、研磨機等でゴムあるいは硬質板の表面を
荒らすことにより、塩素化処理としては、次亜塩素酸ナ
トリウムと塩酸の溶液でゴムを塩素化することにより、
酸化処理としては、プラズマ処理、UV処理、あるいは
コロナ放電処理により行うが、これらの方法に限定され
ない。なお、これらの処理、工程を複数併用してもよ
い。鋼板は交互に異なる側に突出するように積層する。
中央の鋼板1の突出している端部にブラケット11を溶
接等の方法で固着する。あるいは、既にブラケット11
を固着した鋼板1を用いて積層部を上記方法によって製
造してもよい。端部鋼板8、9と鋼板1の間にスペーサ
ー17、18を挟み、ボルト・ナット21により端部鋼
板8、9を鋼板1に固着し、ブラケット11と一体化す
る。一方、鋼板2、3とブラケット12の突設した平面
15の間にスペーサー19、20を挟み、鋼板2、3と
ブラケット12を、ボルト・ナット21により固着す
る。端部鋼板8、9により被覆されていないダンパー4
0の積層部の長手方向の2側面に鋼板をそれぞれボルト
・ナットにより固着し、ケースを形成する。
【0018】本発明によれば、鋼板と粘弾性シート間の
接着を常温硬化型接着剤を用いて行うので、粘弾性シー
トと鋼板とを積層して加硫接着する必要がなく、粘弾性
シート単位で加硫あるいは成型を行うことができる。こ
のため、加硫あるいは成型の工程が短時間ですむ。ま
た、粘弾性シート内の熱伝導がよいため、温度分布が均
一となり、このようにして得られる粘弾性シートを用い
るので、内部物性のほぼ均一な積層ラバーダンパーが製
造でき、得られる積層ラバーダンパー製品間の製品性能
にバラツキがない。特に、粘弾性シートの厚さ精度を高
くすることができ、大変形時の振動エネルギー吸収性能
が高い積層ラバーダンパーが製造できる。さらに、積層
ラバーダンパー製品の最終形状に合わせた大型のモール
ド(金型)を必要とすることなく、積層ラバーダンパー
の製造が可能となる。大型のモールドに合わせた大型の
加硫プレスも必要としない。積層ラバーダンパーの最終
組み立ての際には、鋼板と粘弾性シート間の接着を常温
硬化型接着剤を用いて行うことにより、最終組み立てに
要する時間も短くて済む。従って、一連の製造工程が簡
便である。また、従来は、建物や橋梁の構造や要求特性
に応じて、様々な形状や大きさの積層ラバーダンパーを
製造するために、個々のモールドが必要であったが、本
発明によれば、このようなモールドが不要で、積層ラバ
ーダンパーの多様化に対応しやすく、設計自由度が高
い。また、容易に厚さ精度の高い積層ラバーダンパーが
製造できるので、最終製品の性能をほぼ確実に予測した
製品設計が可能である。本発明の積層ラバーダンパーの
製造方法では、積層ラバーダンパーの予定した規格に外
れる製品が製造される頻度が極めて低く、製造コストを
抑えることができる。
【0019】このような本発明の積層ラバーダンパー
は、粘弾性シートと鋼板を積層後に、加圧加熱による加
硫工程を経ないため、最外層の粘弾性シートが加硫時の
加熱により軟化、流失し粘弾性シートの層厚が薄くなる
ということがなく、このため、内層と最外層の粘弾性シ
ートの層厚が等しく、粘弾性シートの厚さ精度が高い。
また、粘弾性シート作成と、鋼板との接着とを別工程で
実施するので、積層ラバーダンパー内部の物性が極めて
均質で、剪断特性に優れ、安定した振動の減衰効果を発
揮する。また、加硫工程が必要ないので、ダンパー全体
を十分に加熱できる大きさに制限する必要がなく、粘弾
性シートの厚さを、従来のラバーダンパーよりも厚くす
ることができ、さらに高い減衰効果を得ることができ
る。従ってこのような本発明の積層ラバーダンパーは、
中、高層建築物等のブレース構造等に好適に使用可能で
ある。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 (実施例1)高減衰性を有する未加硫ゴム組成物を混練
し、圧延した後、所定の形状に打ち抜いて得られた未加
硫ゴムシートを、2MPa、130℃×120分の条件
で加硫することにより、加硫ゴムシート(厚さ10mm
×10cm角)を4枚作製した。脱脂およびサンドブラ
ストにより表面処理を施し、常温硬化型のエポキシ系接
着剤を塗布した鋼板(厚さ3.2mm×10cm角)5
枚と加硫ゴムシートとを交互に積層して積層ラバーダン
パーの積層部を作製した。
【0021】(比較例1)脱脂およびサンドブラストに
より表面処理を施し、加硫接着剤を塗布した鋼板(厚さ
3.2mm×10cm角)5枚と、高減衰組成の未加硫
ゴムシート4枚とを交互に積層し、130℃×720分
の条件で加硫して、積層ラバーダンパーの積層部を作製
した。
【0022】(評価)実施例、比較例で作製した積層ラ
バーダンパーの積層部の鋼板間の加硫ゴム厚を測定し、
比較した。その結果、実施例1で得られた本発明の積層
ラバーダンパーの各層のゴム層厚のバラツキは、表1に
示すとおり小さく良好であることが確認された。比較例
1で得られた従来製法の積層ラバーダンパーでは、表1
に示すとおり、バラツキが大きく、特に上下の第1層目
と第4層目の厚さのバラツキが顕著であることが確認さ
れた。
【0023】
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、積層ラバーダンパーの
形状に合わせた大型のモールド(金型)や大型の加硫プ
レスを必要とすることなく積層ラバーダンパーの製造が
可能である。従って、一連の製造工程が極めて簡便であ
る。大型のモールドを必要としないので、積層ラバーダ
ンパーの多様化に対応しやすく、設計自由度が高い。ま
た、本発明により得られる積層ラバーダンパー間の性能
精度は極めて均一で、積層ラバーダンパーによる性能の
バラツキがない。
【0025】また、このような積層ラバーダンパーは、
粘弾性シートの厚みが均一で精度が高く、また、内部物
性が均一で、優れた剪断特性と振動エネルギー吸収によ
る制振効果を示す。従って、本発明の積層ラバーダンパ
ーは、中、高層建築物のブレース架構等に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の積層ラバーダンパーの一実施例を示
す断面図である。
【図2】 本発明の積層ラバーダンパーのケース、ブラ
ケットを設けた一実施例を用いたブレース構造の1例を
示す正面図である。
【図3】 図2に示す本発明の積層ラバーダンパーの1
実施例の平面図である。
【符号の説明】
1〜3 鋼板 4〜7 粘弾性シート 8、9 端部鋼板 10 常温硬化型接着剤 11、12 ブラケット 13〜16 平面 17〜20 スペーサー 21 ボルト・ナット(ボルトとナット) 22 高力ボルト・ナット(ボルトとナット) 23、24 空間 25 積層部 31 柱 32 梁 33 ガセットプレート 40 ダンパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J048 AA02 AC05 BA17 BD07 BD08 EA38 3J066 AA01 AA26 BA10 BB04 BD10 BE06 4F100 AB03A AB03C AB03E AK01B AK01D AK01E AK53G AN00 BA08 BA10A BA10E EJ06 GB07 JB12G JK07B JK07D JK07E JK20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の鋼板と粘弾性シートとを積層した長
    尺の積層部を有する積層ラバーダンパーにおいて、前記
    積層部が複数の鋼板と粘弾性シートとを交互に積層し常
    温硬化型接着剤を介して接着されていることを特徴とす
    る積層ラバーダンパー。
  2. 【請求項2】複数の鋼板と粘弾性シートとを交互に積層
    した長尺の積層部を有する積層ラバーダンパーの製造方
    法であって、前記鋼板と粘弾性シートとを常温硬化型接
    着剤を介して互いに積層して接着することを特徴とする
    積層ラバーダンパーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006234250A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Ferrotec Corp 加熱冷却装置及びその製造方法
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CN111746066A (zh) * 2020-06-30 2020-10-09 嘉峪关天源新材料有限责任公司 一种适应于较宽频域段的减振板及制备方法

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