JP2000302896A - 芳香族ポリアミドフィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体および感熱転写記録媒体 - Google Patents
芳香族ポリアミドフィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体および感熱転写記録媒体Info
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Abstract
も優れた磁気記録媒体や感熱転写記録媒体用ベースフィ
ルムとして好適な芳香族ポリアミドフィルムを提供す
る。 【解決手段】 特定構造の芳香族ポリアミドを用い、少
なくとも一方向の引っ張りヤング率として7.3GPa
以上のフィルムとして製造する。
Description
簡便にフィルムとして製造することができ、かつ、高ヤ
ング率を有した芳香族ポリアミドフィルム、およびそれ
を用いた磁気記録媒体および感熱転写記録媒体に関する
ものである。
気絶縁性から工業材料として有用な高分子体である。特
に、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(以下、PP
TAと略称することもある。)に代表されるようなパラ
配向性芳香核からなる芳香族ポリアミドは、その剛直性
から上記特性に加え強度、弾性率に優れた成形体を与え
るのでその利用価値は高い。
性芳香族ポリアミドは高い弾性率を有しているので、薄
物としても十分な剛性を有したフィルムとして得ること
ができる期待があるものの、溶媒に対する溶解性が低
く、硫酸等の極めて限定された溶媒にしか溶解しないた
めにフィルムを生産するプロセスにおいて使用可能な素
材の限定、厳しい工程管理、作業上の問題などプロセス
上の制約が大きく労働衛生、経済的に好ましくない。ま
た、PPTAはその溶液が光学異方性を与えるので、特
殊な製膜法を採らなければ裂けやすく脆いフィルムしか
得られないので極めてプロセス上の制約が強く、十分に
その特徴を発揮できないでいる。
ポリアミドとして、特公昭56−45421号公報、特
公昭55−34494号公報等には芳香核に塩素原子や
ニトロ基を導入した芳香族ポリアミドが提案されてい
る。しかしながら、かかる芳香族ポリアミドは使用され
るモノマが高価な上に、高熱がかかると分解して塩素化
合物あるいは窒素化合物を生じ、実用上あるいは地球環
境上注意して使用される必要がある。また、溶液の粘度
が高いため溶液の濃度や製膜速度が上げられなかったり
して生産性の面でも改良すべき課題があった。
スターバーストポリマーの検討が進められており、例え
ばWO92/08749号公報が挙げられる。しかしな
がら、成形体、特にフィルムとしての活用を考えたと
き、分子間力が弱いためか特に強度ヤング率などの機械
特性の面で必ずしも十分な特性を有するものを得ること
はできない。
意検討したところ、その原因の多くは従来知られた芳香
族ポリアミドは2価の芳香核によってのみ構成されたも
のであることが判った。それは、剛直性と言う概念を分
子鎖の直線性に読み代えて設計がなされてきたからであ
った。また、単純に3価以上の芳香核を導入した場合は
それが架橋点になり、系はゲル化して成形性を喪失する
からでもあった。また、超分岐構造とするとしても重合
度の割に分子としての長さはなく、フィルムとしての実
用に耐えうるものとするには分子設計上、製膜技術上一
段のブレークスルーが必要であった。
高分子設計という観点、更に製膜技術における検討を通
じて、かかる問題点を解決し、芳香族ポリアミド本来の
優れた耐熱性、機械特性等を損なうことなく、簡便にか
つ有利に高いヤング率を有する芳香族ポリアミドフィル
ム、およびそれを用いた磁気記録媒体および感熱転写記
録媒体を提供することにある。
に、本発明に係る芳香族ポリアミドフイルムは、化4、
化5および化6で示される構造を有した芳香族ポリアミ
ド重合体からなり、少なくとも一方向の引っ張りヤング
率が7.3GPa以上であることを特徴とするものから
なる。
あって、Ar2 はパラ配向性の芳香核、Ar3 はパラ配
向性でない芳香核であり、Ar1 、Ar2 、Ar3 のい
ずれも芳香核上の水素原子が一価の置換基で置換されて
いてもよい。nは3以上の正数である。X、YおよびZ
は−NH−基または−CO−基のいずれかであり、Ar
1 、Ar2 、Ar3 はアミド結合により結合される。ま
た、化4において、全てのXが同一の基であるときは、
j≦0.05である。(但し、j+k+l=1であり、か
つ、j≠0である。
媒体は、このような芳香族ポリアミドフイルムを用いた
ものからなる。
い実施の形態とともに詳細に説明する。本発明に係る芳
香族ポリアミドフィルムは、硫酸、発煙硫酸、トリフル
オロメタンスルホン酸等の強酸に溶解させた製膜原液か
ら得ることもできるが、好ましく有機溶媒に可溶であ
り、光学等方性溶液を与えるものからの製造が好まし
い。従って、本発明に係る芳香族ポリアミドフィルムは
有機溶媒系溶液から好ましく製膜されるべきである。特
に有機溶媒系溶液から得られるフィルムは優れた表面性
を有するので、ますます高密度な記録が求められる磁気
記録媒体や光記録媒体用に有利に使用され、あるいはサ
ーマルヘッドや被記録体との密着性が優れ良好な印刷特
性を有するので、感熱転写記録媒体用としても有利に使
用できる。また、複雑な製法によることもなくプロセス
上極めて好ましい。ここで用いられる有機溶媒は、該芳
香族ポリアミドが溶解し、かつ安定な溶液を形成できれ
ば特に制限はないが、N−メチルピロリドン、ジメチル
アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホ
スホルアミド等の非プロトン性有機極性溶媒が好ましく
用いられる。もちろんこれら有機溶媒は混合溶媒であっ
てもよく、後述する溶解助剤は本発明の目的を阻害しな
い範囲で含まれていても構わないが、含まれていない方
がフィルム中の不純物を低減する上で好ましい。
記化7、化8、化9で示される構造を有している。
あって、Ar2 はパラ配向性の芳香核、Ar3 はパラ配
向性でない芳香核であり、Ar1 、Ar2 、Ar3 のい
ずれも芳香核上の水素原子が一価の置換基で置換されて
いてもよい。nは3以上の正数である。X、YおよびZ
は−NH−基または−CO−基のいずれかであり、Ar
1 、Ar2 、Ar3 はアミド結合により結合される。ま
た、化7において、全てのXが同一の基であるときは、
j≦0.05である。但し、j+k+l=1であり、かつ、
j≠0である。
ン基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル
基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アリール基、トリア
ルキルシリル基、オキシアリール基、チオアリール基か
ら選ばれる置換基で置換されていると芳香族ポリアミド
の有機溶媒への溶解性、溶液の安定性に優れたものが得
られ、かつ好ましく吸湿率の低減が果たせるので好まし
く用いられるものの、ハロゲン基及びニトロ基の置換割
合は15%未満であることが好ましい。ここで言う置換
割合は、パラ配向性芳香族ポリアミドの主鎖を構成する
芳香核に対するモル分率であって、好ましくは5%未
満、更に好ましくは0%、つまり置換されていないこと
が好ましい。なお、念のために言及しておくと、ハロゲ
ン基またはニトロ基でない置換基の置換割合を制限する
ものではない。また、好ましい官能基としては炭素数1
〜4のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、トリ
アルキルシリル基である。芳香族ポリアミドフィルムは
耐熱性も要求されることが多く、ハロゲン基及びニトロ
基の置換割合が15%以上であれば加熱時の分解挙動に
より有害な物質が発生する懸念があるからである。
は本発明においては必須の成分である。該芳香核上には
アミド結合を形成可能な−NH−基または−CO−基を
有している。これらの基は同一であっても異なっていて
もよい。中でも好ましい態様としては分子構造として広
がりと大きさの両面を満足させ易いため、フェニル基に
あっては1,3,5位または1,2,4位または1,
2,4,5位に結合手Xを有し、または、ナフチル基に
あっては1〜4位および5〜8位のそれぞれに少なくと
も1つの結合手Xを有し、または、ビフェニル基にあっ
ては1〜5位および6〜10位のそれぞれに少なくとも
1つの結合手Xを有したものから選択されることが好ま
しい。しかしながら、これらの基が全て同一である場合
とそうでない場合とでは、分子設計上の指針が異なる。
香族ポリアミド全体からの含有率として5モル%以下、
好ましくは2モル%以下、特に好ましくは1モル%以下
であることが必要である。この範囲を越える場合は有機
溶媒溶液としたときの操作性が悪く生産性に劣り、ある
いは分子量として小さいものしか調製しえずフィルムと
して十分な伸度が得難いからである。一方で、かかる範
囲とすることで高いヤング率と良好な生産性の両立が可
能である。
割合には特に制限はないが、好ましくは50モル%未
満、より好ましくは40モル%未満、さらに好ましくは
30モル%未満であるとフィルムの物性と生産性のバラ
ンスが良い。
分に受けるために厳密に決めることはできないが、0.
1モル%以上、より好ましく0.2モル%以上とするこ
とが本発明の効果を十分に得る上で有効である。
本発明で言うパラ配向性芳香核とは2価の結合鎖が互い
に同軸あるいは平行にある芳香核で定義され、例えば、
化10が挙げられるがこれに限定されるわけではない。
香核である。このような芳香核には例えばm−フェニレ
ン基やのように2価の結合鎖が同軸あるいは並行でない
ものの他、化11のごときフレキシブルなブリッジ原子
団で連結された芳香核が含まれる。
香核上の水素原子が一価の置換基で置換されていても良
い。Z1 、Z2 は互いに同じか異なっていても良い−C
O−または−NH−基である。Mはブリッジ原子団であ
る。
−,−CH2 −,−CO−,−SO2−,−S−,−C
(CH3 )2 −,−C(CF3 )2 −,−O−Ar−O
−(ここで、Arはアリール基)等の2価のフレキシブ
ルな原子団を挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。
は、例えば有機溶媒への溶解性及び溶液の安定性に非常
に優れ、製膜性が改良されたものとなる。また、適度な
柔軟性を付与することが可能であり、伸度特性を大きく
改善できる。
ィルムとしたときの機械特性を損ねることもあるので注
意が必要である。前述のパラ配向性芳香核Ar2 は、A
r1と相まってヤング率に対する改善効果がある。すな
わち、パラ配向性でない芳香核Ar3 との比を考慮する
とき、j+kとして、0.6以上であることが好まし
く、より好ましくは0.7以上、特に好ましくは0.8
以上である。かかる比が0.6未満であれば、成形物と
したときに強度、伸度、剛性、耐熱性等のフィルムとし
ての十分な機能を全うできない。また、特にkとして好
ましくは0.5以上、より好ましくは0.6を越え、特
に好ましくは0.7を越えると良い。
を硫酸中で100mlの溶液として30℃で測定した
値)は、0.5以上であることが好ましい。
に合わせ例えばエステルあるいはイミドの構造を有する
構造単位が共重合、またはブレンドされていても差し支
えない。もちろんこれら構造単位に含まれる芳香核にお
いても、芳香核上の水素原子が一価の置換基で置換され
ていても構わない。特に、化12および/または化13
で示される芳香族ポリイミドは、機械特性の改善に効果
があり好ましく用いられる。
芳香環を含み、イミド環を形成する2つのカルボニル基
は芳香環上の隣接する炭素原子に結合している。このA
r6は、芳香族テトラカルボン酸あるいはこの無水物に
由来する。代表例としては次の化14に示す様なものが
挙げられる。
O−,−SO2 −,−S−,−C(CH3 )2 −等から
選ばれるが、これらに限定されるものではない。
のハライドに由来する。Ar7 、Ar9 としては例えば
化15に示すものなどが挙げられる。
2 −,−CO−,−SO2 −,−S−,−C(CH3 )
2 −等から選ばれるが、これらに限定されるものではな
い。更にこれらの芳香環上の水素原子の一部が、ハロゲ
ン基(特に塩素)、ニトロ基、炭素数1〜4のアルキル
基(特にメチル基)、炭素数1〜3のアルコキシ基など
の置換基で置換されているものも含み、また、重合体を
構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置換
されているものも含む。
は、フィルムの物性を損なわない程度に粒子、滑剤、酸
化防止剤その他の添加剤等がブレンドされていてもよ
い。
方向の引張りヤング率(20℃、相対湿度60%)E20
は7.3GPa以上である。、好ましくは8.8GPa
以上、更に好ましくは9.8GPa以上である。ヤング
率が7.3GPa未満では張力下に変形を生じ易くなる
ことを意味し、高密度な磁気記録あるいは光記録には向
かないし、しわや折れなどを生じるため感熱転写記録用
にしても印刷特性を大きく害することとなる。また、E
20≧7.3GPaであれば該フィルムを薄膜化できる
為、体積記録密度の向上や伝熱効率が良好となって鮮明
な印刷を可能ならしめる。
においては、伸度が好ましくは10%以上、更に好まし
くは20%以上、特に好ましくは30%以上であれば、
柔軟で取り扱いの容易なフィルムとして得ることができ
る。
吸湿率は好ましくは2.5%以下、より好ましくは2.
0%以下、更に好ましくは1.7%以下である。2.5
%を越えると湿度下に寸法変化して録再特性に影響した
り、水分の放出により金属蒸着工程に悪影響を与えた
り、熱時下に発泡したりして印刷特性を害する可能性が
ある。この吸湿率は前述の構造的特徴や後述する製膜上
の工夫等によって達成できる。また、本発明の芳香族ポ
リアミドはその末端をアニリン、フタル酸無水物、ベン
ゾイルクロリド等で処理すると更に吸湿率の低減がはか
れるので好ましい。特にj≧0.4であるときは末端基の
影響が製膜性に反映されて著しく悪化し、機械特性の点
で本発明の目的を達成するものは得難く、かかる点で末
端の不活性化は行うべきである。
0℃、2時間処理における熱収縮率は好ましくは2%以
下、更に好ましくは1%以下である。2%を越えるフィ
ルムは熱時下に寸法変動を生じ、録再特性に影響した
り、シワや傷を生じ印刷特性を悪化させる。熱収縮率は
所定の長さのフィルムを無張力下熱処理を行い、処理前
後の寸法変動率で求められる。熱収縮率は製膜、延伸後
にガラス転移点温度から数十℃の範囲で熱処理を行った
り、リラックス処理を行うこと等での手段により好まし
い範囲内とすることができる。
製造法の例について説明するが、これに限定されるもの
ではない。
温溶液重合法、界面重合法、溶融重合法、固相重合法な
どが挙げられ、適宜選択されてよい。
について詳述すると、溶媒としてはN−メチルピロリド
ン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジ
メチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機
極性溶媒が好ましく採用され、単量体として酸クロリド
およびアミンあるいはアミンの塩酸塩が準備される。
好ましい態様である。すなわち、予めモノマーからオリ
ゴマーを得て単離し、さらに加工して本重合に供するの
である。例えば、パラフェニレンジアミン等の芳香族ジ
アミンとテレフタル酸クロリドなどの芳香族ジ酸クロリ
ドをいずれかの成分を過剰にして仕込み、有機溶媒に可
溶な範囲のオリゴマーとして調製後パラアミノアリール
クロリド塩酸塩を化合させて単離する方法が挙げられ
る。
して各成分として見た場合に、二価の結合手は互いに異
なる、つまり一方は−NH−基でありもう一方は−CO
−基であるようにすることが好ましい。
リドに、アミノ基は好ましく塩酸塩やシリル化されて調
製され溶媒に溶解される。
添加し重縮合する。脱塩化水素剤には例えばトリエチル
アミンやピリジンなどの3級アミンなどが好ましく用い
られる。この重縮合については予め全ての重合性成分を
混合して後脱塩化水素剤を添加する方法や化7に相当す
る成分に化8や化9を構成する成分と脱塩化水素剤を逐
次添加し重合を行う方法が挙げられる。
応じてpHを調整するために水酸化カルシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、エチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリ
エチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールア
ミンなどの有機の中和剤が使用される。
ボン酸とアミンを直接にあるいは例えばピリジン−リン
酸系などで脱水縮合したり、対応するイソシアネートと
カルボン酸とを反応させて得てもよい。しかし、分子量
の調整や後工程の煩雑さを考えると必ずしも有利な方法
とは言えない。
形体を得るための原液として使用してもよいが、純粋な
ポリマー溶液から製膜することが機械特性の向上には好
ましいので、ポリマを一旦水等で再沈して単離し上記の
有機溶媒や硫酸等の無機溶媒に再溶解して原液を調製す
ることが好ましい。また、溶解助剤として無機塩例えば
塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、硝
酸リチウムなどの添加を本発明の目的を損なわない限り
行ってもよい。
重量%、更に好ましくは5〜40重量%である。かかる
範囲を下回れば吐出を大きく取る必要があり経済的に不
利であり、越えれば吐出量あるいは溶液粘度の関係で薄
もののフィルムを得ようとするときの困難性が高い。
2 、TiN、Al2 O3 、ZrO2、ゼオライト、その
他の金属微粉末などの無機粒子や有機粒子等の粒子を含
有量としてポリマ重量あたり0.01〜40重量%、好
ましくは1〜20重量%添加する。
の分散度、凝集度の調整が必要なら撹拌分散器、ボール
ミル、超音波分散器等を用い、好ましく調整する。
合するが、混合にあたっては重合前の溶媒に添加あるい
は重合後に添加あるいはポリマ溶液調整時に添加しても
よく、さらには吐出直前でも構わない。
ように調製された製膜原液は、いわゆる溶液製膜法によ
りフィルム化が行なわれる。溶液製膜法には乾湿式法、
乾式法、湿式法などがありいづれの方法で製膜されても
差し支えないが、乾式法では金属塩等の不揮発性不純物
を除去し得ず、再沈等事前に不純物が除かれている場合
等を除き通常用いない。ここでは乾湿式法を例にとって
説明する。
らドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して
薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜
が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥条件は例えば、
室温〜220℃、60分以内の範囲で行うことができ
る。またこの乾燥工程で用いられるドラム、エンドレス
ベルトの表面はなるだけ平滑であれば表面の平滑なフィ
ルムが得られる。乾燥後のフィルムは自己支持性を有す
るが過度の乾燥は高次構造の劣化を誘起し、機械特性や
吸湿率などの諸物性の劣化、また、フィルム表面形態を
粗し、またフィルム中の金属塩等の不純物の除去に不利
であり、磁気記録媒体用、光記録媒体用あるいは感熱転
写記録媒体用としては好ましくないため、乾燥後のフィ
ルム中の溶媒残留量は30〜70%、好ましくは40〜
60%とするべきである。この乾式工程を終えたフィル
ムは支持体から剥離されて湿式工程に導入され、脱塩、
脱溶媒などが行なわれ、さらに延伸、乾燥、熱処理が行
なわれてフィルムとなる。この工程において湿式工程、
延伸、熱処理工程は重要な役割を持つ。
が、水と有機溶媒との混合媒を好ましく用いる。有機溶
媒は水溶性であり、好ましくは重合溶媒同様、N−メチ
ルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DM
Ac)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロト
ン性有機極性溶媒が好ましく、組成比を変化させた複数
の浴を用いることが実用的であり、フィルム中の金属塩
等を効率的に除去できる。また、温度は任意に選びうる
が、40℃以上であればより容易に目的を達することが
できる。
8.0(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフ
ィルムの面積で除した値で定義する。1以下はリラック
スを意味する。)の範囲が通常用いられるが、本発明の
吸湿率とするには結晶性を高めることが効果的であるの
で好ましくは1.3〜8.0、更に好ましくは1.4〜
最大延伸倍率の80%程度で実施する。また、熱処理と
しては150℃〜500℃、が通常用いられるが、本発
明の吸湿率を達成するために、好ましくポリマのガラス
転移点温度(Tg)〜Tg+50℃の温度で数秒から数
分間定長あるいは若干リラックスさせて熱処理を実施す
る。さらに、延伸あるいは熱処理後のフィルムを徐冷す
る事は極めて有効であり、50℃/秒以下の速度で冷却
する事が有効である。
は優れた機械特性を有しているので特に薄もののフィル
ムとしたときに他素材には見られない優れた効果を発揮
する。好ましい厚みは0.5〜50μm、より好ましく
は1〜20μm、更に好ましくは2〜10μmである。
はもちろん単層フィルムでも、積層フィルムであっても
よい。積層フィルムとする時のそれぞれの成分は同じ種
類でも異なるものでもよい。例えば2層の場合には、重
合した芳香族ポリアミド溶液を二分し、それぞれ異なる
粒子を添加した後、積層する。さらに3層以上の場合も
同様である。これら積層の方法としては、周知の方法例
えば、口金内での積層、複合管での積層や、一旦1層を
形成しておいてその上に他の層を形成する方法などがあ
る。
曲げ剛性などの機械特性や熱特性の改善効果を簡便に得
るために例えばポリエステルフィルム、脂肪族ポリアミ
ドフィルム、ポリオレフィンフィルム等の汎用な基材の
少なくとも一面に本発明の芳香族ポリアミドフィルムを
積層することは好ましく行われてよい。このような態様
には、例えば、これら汎用基材上にポリマー溶液をキャ
ストしフィルム化する方法が挙げられ、当該汎用基材は
その接着性を改善するためコロナ処理やコーティングな
どを好ましく施すことができる。
子量1000以下のオリゴマの含有量は好ましくは1重
量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下であること
が好ましい。ここで言うオリゴマは本発明の芳香族ポリ
アミドの構造単位を部分的にでも含有するものであり、
例えば溶媒との反応物等も含む。このオリゴマの含有量
が1重量%を越えるとフィルムの機械的、熱的特性を損
ねたり、あるいは使用時の滲み出し等でローラなどに巻
き付いたり、感熱転写記録層等が剥離したりすることが
ある。
ィルム中の金属イオン(特に周期率表のIA族、IIA族
のイオン)は好ましくは3000ppm以下、更に好ま
しくは100ppm以下、特に好ましくは30ppm以
下であればサーマルヘッドの腐蝕等の影響を及ぼさない
優れた感熱転写記録媒体とできる。ここで言う金属イオ
ンはイオン化された金属成分であって、外部粒子等の、
溶液から濾別あるいは遠心分離可能な固形体を構成する
金属成分は除かれる。
くすることはもちろんであるが、フィルム化の際製膜用
溶媒及び無機塩を抽出する工程において表面に急激に緻
密な層が形成されないようすることが好ましく、前述の
ように製膜用溶媒と同種の溶媒が凝固溶媒に対しある傾
斜比をもって配合されてなる抽出槽を用いたり、抽出温
度の調整例えば複数の抽出層で温度勾配を設けたりする
こと等を好適な方法として達成できる。
や熱特性に極めて優れるために磁気録媒体や感熱転写記
録媒体とするに適している。該記録層の形成に先立って
基材フィルムの表面にグロー処理やコロナ処理を行って
も構わない。
ムの少なくとも一面上に磁気記録層を形成する。磁気記
録層としては磁性粉をバインダーとともに溶媒中に分散
した塗液を塗布、乾燥、硬化して磁性層を形成する方法
や真空蒸着槽中で磁性金属を薄膜蒸着して形成する方法
が挙げられるが、本発明のフィルムは高温下の機械特性
の劣化が著しく小さく寸法安定性にも優れるため、ま
た、高密度記録が可能な媒体が得られるために金属蒸着
型磁性層が形成された磁気記録媒体とすることが好まし
い。該記録層には更に保護や ダイアモンドライクカー
ボン層や潤滑剤層を設けて良い。また、磁気記録層の反
対面には公知のバックコート層が設けられてもよい。
芳香族ポリアミドフィルムに感熱転写記録層を形成す
る。感熱転写記録層を形成する方法は、フィルムの表面
にホットメルト塗工したり、溶剤に溶解せしめてグラビ
ア、リバース、スリットダイコーター等の汎用的塗工を
行う等の公知の方法で行うことができ、また、該層は染
料あるいは顔料とワックス等溶融型バインダーの混合物
からなる溶融転写型、昇華性染料とバインダー樹脂との
混合物からなる昇華型、モノクロ、カラーいずれの方式
でもよく、公知のマルチユース化処理がなされていても
構わない。
録に特に好適であるが、感熱ヘッド以外の手段、例えば
熱印版、レーザー光、基材フィルム中での発熱等の手段
を用いての記録にも用いることができる。
方法は次の方法による。 (1)ヤング率、伸度 オリエンテック社製テンシロンを用い、試長50mm、
引張速度300mm/分で実施した。
ルを20検体準備し長手方向の両端から2.5cmのと
ころに印をつける。ついで、クリップで吊して無加重下
で200℃のオーブンにて2時間処理を行う。熱収縮率
は各試料について下式で計算し、平均値として求めた。 〔処理後の印間距離(cm)−25)/25〕×100
(単位:%)
下、180℃の条件下、恒量になるまで乾燥し、その重
量をW1とする。次いで、該フィルムを25℃、75%
RHの環境下に48時間置き、その後測定した重量をW
2とする。吸湿率は、 〔(W2−W1)/W1〕×100(単位:%) として求めた。
心分離器や濾過により粒子等を除去する。ついで、残っ
た溶液を回収、定量し、燃焼、灰化させ、硝酸、フッ化
水素酸に溶解し、ついで希硝酸で定溶化した。次に、原
子吸光分析装置を用い、予め作成した検量線に基づいて
定量した。ここで、単位ppmは(μg/g)である。
中でコバルトを蒸着しその後ダイアモンドライクカーボ
ン膜を形成し潤滑剤を塗布した。また、反対面には二酸
化珪素粒子、カーボンブラックを含有したウレタン塗工
液を塗布乾燥硬化してバックコート層を形成し、8mm
にスリット後パッケージに充填して磁気記録媒体とし
た。磁気記録媒体の特性は市販の8mmデータレコーダ
ーを用いて記録・再生し市販のテープ(6μmポリエス
テルフィルムベース)と比較して評価した。
華性染料−バインダー混合物からなる塗料を塗布乾燥
し、4色の感熱転写記録層を形成した。乾燥後の転写層
厚みは3μmである。 染料 :10重量部 ポリビニルブチラール樹脂 :20重量部 トルエン :90重量部 メチルエチルケトン :90重量部 このシートを用い市販の印刷機でフルカラー印刷を行っ
て、印刷特性を判定した。
ルクロリド1モル%と4−アミノ安息香酸クロリド塩酸
塩99モル%を加えて40℃まで加温し、次いでトリエ
チルアミンのNMP溶液をゆっくりと滴下しながら重合
反応を行い、滴下終了後さらに2時間攪拌して反応を終
了させた。
し沈殿は粉砕を行った。その後該沈殿を温水及びアルコ
ールで洗浄・乾燥し、ポリマー粉末を得た。
重量%の50nmのコロイダルシリカを含有する塩化リ
チウム−NMP溶液に溶解させ、ポリマー濃度10重量
%の光学的等方性を有するポリマー溶液を得た(A成
分)。
して1.5重量%の200nmのコロイダルシリカを含
有する塩化リチウム−NMP溶液に溶解させ、ポリマー
濃度10重量%の光学的等方性を有するポリマー溶液を
得た(B成分)。
状に磨き上げたステンレスベルト上に共押し出しして、
最終的なフィルムとして1.0μm(A成分)/3.5
μm(B成分)となるようキャストし、120℃から1
80℃に温度勾配を有する乾燥機中で乾燥を行い、その
まま40℃のNMP/水=20/80(重量比)の割合
の浴中に導入して剥離し、その後、40℃のNMP/水
=10/90および0/100(いずれも重量比)の浴
中に導入して残った溶媒等の抽出を行った。その際第1
浴中で縦方向に1.2倍延伸を行った。次いでこのフィ
ルムを280℃、290℃、285℃のテンター中で乾
燥延伸(1.3倍)を行い、厚み4.5μmのフィルム
を得た。該フィルムの特性を表1に示した。
ロリド塩酸塩96モル%、4−(4−アミノフェノキ
シ)安息香酸クロリド塩酸塩3モル%を用い、また、製
膜に際しNMPを溶媒として用いた以外は実施例1と同
様の方法で厚み4.5μmのフィルムを得た。該フィル
ムの特性を表1に示した。
ミン10モル%を溶解させ、次いで4,4’−ビフェニ
ルジカルボン酸クロリド10モル%を添加して攪拌し、
反応液が粘調になったときに4−アミノ安息香酸メチル
1モル%を添加し反応を行って、水中で沈殿させた後水
及びアルコールで洗浄、乾燥してこれら成分からなるオ
リゴマーを得、これをハロホルム化した。
安息香酸クロリド・2塩酸塩10モル%と該オリゴマー
90モル%反応させて重合物を得た。
を含有させたポリマー溶液を調製し、ポリマー溶液は光
学的等方性を有していることを確認した。次いで、実施
例1と同様に製膜を実施して厚み4.5μmのフィルム
を得た。該フィルムの特性を表1に示した。
処理されたポリエステルフィルムの両面にキャストし、
60℃の雰囲気下にしばらくおいて、NMP/水=30
/70の水浴中に導入し、次いで同10/90、0/1
00の水浴中に逐次導き溶媒を抽出した。その際第一浴
中で縦方向に1.3倍延伸し、その後テンター内に導き
乾燥を行いながら横方向に1.4倍に延伸し、その後リ
ラックス処理を行った。最終的なフィルムの厚みは1μ
m(芳香族ポリアミド)/4μm(ポリエステル)/1
μm(芳香族ポリアミド)であった。該フィルムの特性
を表1に示した。
加えて40℃まで加温し、次いでトリエチルアミンのN
MP溶液をゆっくりと滴下しながら重合反応を行ったと
ころ、反応の進行に伴い溶液中には沈殿が生成した。該
沈殿を粉砕しながらさらに反応・攪拌を行い反応を終了
させた。
およびアルコールで洗浄しポリマー粉末を得たが、塩化
リチウム−NMP溶液への再溶解は不可能であった。
ころ溶液化は可能であったが、ガラス板にキャストして
フィルム化したところ得られたフィルムは裂けやすく実
用的なものではなかった。
る優れた機械特性、耐熱性等の種々の性能を維持しつ
つ、フィルム化を可能ならしめ、また寸法安定性などの
諸特性も改善できたもので、高密度な磁気記録媒体や過
酷な使用環境下における使用にも耐え、また、有害な物
質を含有あるいは発生する懸念の少ない感熱転写記録媒
体として採用できる極めて価値の高いものである。ま
た、本発明に用いられる芳香族ポリアミドフィルムは好
ましく有機溶媒系から得ることができるので、生産性に
も優れ、また再利用も可能な環境に優しいものである。
みれば上記した用途の他にもフレキシブルプリント配線
板、フィルムコンデンサーや太陽電池の基盤などの電気
要素が構成された基材や不導性や化学的・熱的安定性を
利用したインシュレーター、包装材料、複合材料の強化
要素等に対しても好適に使用できる。
Claims (11)
- 【請求項1】 化1、化2および化3で示される構造を
有した芳香族ポリアミド重合体からなり、少なくとも一
方向の引っ張りヤング率が7.3GPa以上であること
を特徴とする芳香族ポリアミドフィルム。 【化1】 【化2】 【化3】 (ここでAr1 、Ar2 、Ar3 は芳香核であって、A
r2 はパラ配向性の芳香核、Ar3 はパラ配向性でない
芳香核であり、Ar1 、Ar2 、Ar3 のいずれも芳香
核上の水素原子が一価の置換基で置換されていてもよ
い。nは3以上の正数である。X、YおよびZは−NH
−基または−CO−基のいずれかであり、Ar1 、Ar
2 、Ar3 はアミド結合により結合される。また、化1
において、全てのXが同一の基であるときは、j≦0.05
である。(但し、j+k+l=1であり、かつ、j≠
0)) - 【請求項2】 j+k≧0.6であることを特徴とする
請求項1に記載の芳香族ポリアミドフィルム。 - 【請求項3】 k>0.6であることを特徴とする請求
項1に記載の芳香族ポリアミドフィルム。 - 【請求項4】 Ar1 が、フェニル基であって1,3,
5位または1,2,4位または1,2,4,5位に結合
手Xを有し、または、ナフチル基であって1〜4位およ
び5〜8位のそれぞれに少なくとも1つの結合手Xを有
し、または、ビフェニル基であって1〜5位および6〜
10位のそれぞれに少なくとも1つの結合手Xを有し
た、芳香核であることを特徴とする請求項1〜3のいず
れかに記載の芳香族ポリアミドフィルム。 - 【請求項5】 該芳香族ポリアミドフィルム中に含有さ
れる金属イオンが3000ppm以下であることを特徴
とする請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリアミ
ドフィルム。 - 【請求項6】 該芳香族ポリアミドフィルムが光学等方
性を与える有機溶媒溶液から製膜されることを特徴とす
る請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族ポリアミドフ
イルム。 - 【請求項7】 200℃、2時間処理時における熱収縮
率が2%以下であることを特徴とする請求項1〜6のい
ずれかに記載の芳香族ポリアミドフィルム。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族
ポリアミドフィルムが芳香族ポリアミド以外の成分から
なるフィルム基材の少なくとも一面に積層されているこ
とを特徴とするフィルム。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のフィル
ムを用いた磁気記録媒体。 - 【請求項10】 磁気記録層が金属蒸着膜で構成された
請求項9に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項11】 請求項1〜8のいずれかに記載のフィ
ルムを用いた感熱転写記録媒体。
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|---|---|---|---|
| JP10930999A JP3862129B2 (ja) | 1999-04-16 | 1999-04-16 | 芳香族ポリアミドフィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体および感熱転写記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10930999A JP3862129B2 (ja) | 1999-04-16 | 1999-04-16 | 芳香族ポリアミドフィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体および感熱転写記録媒体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000302896A true JP2000302896A (ja) | 2000-10-31 |
| JP3862129B2 JP3862129B2 (ja) | 2006-12-27 |
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ID=14506945
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10930999A Expired - Lifetime JP3862129B2 (ja) | 1999-04-16 | 1999-04-16 | 芳香族ポリアミドフィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体および感熱転写記録媒体 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3862129B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US6726988B2 (en) | 2001-04-05 | 2004-04-27 | Tdk Corporation | Magnetic recording medium |
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-
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- 1999-04-16 JP JP10930999A patent/JP3862129B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3862129B2 (ja) | 2006-12-27 |
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