JP2000307179A - 半導体レーザー励起固体レーザー - Google Patents

半導体レーザー励起固体レーザー

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JP2000307179A
JP2000307179A JP11356999A JP11356999A JP2000307179A JP 2000307179 A JP2000307179 A JP 2000307179A JP 11356999 A JP11356999 A JP 11356999A JP 11356999 A JP11356999 A JP 11356999A JP 2000307179 A JP2000307179 A JP 2000307179A
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Yoji Okazaki
洋二 岡崎
Hiroaki Hiuga
浩彰 日向
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザー媒質としてNd:YVO4 結晶を用
いた半導体レーザー励起固体レーザーにおいて、発振光
のビーム断面形状が楕円状等に変形することを防止す
る。 【解決手段】 半導体レーザー11から発せられたレーザ
ー光(励起光)10によりNd:YVO4 結晶14を励起す
る半導体レーザー励起固体レーザーにおいて、Nd:Y
VO4 結晶14を、そのa軸が励起光10の直線偏光方向と
平行になる向きに配置するとともに、共振器内に、固体
レーザー発振光20の直線偏光方向をNd:YVO4 結晶
14のc軸と平行な向きに設定する偏光素子17を挿入し、
a軸吸収、c軸発振とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体レーザー媒質
としてNd:YVO4 結晶を用いた半導体レーザー励起
固体レーザーに関し、特に詳細には、高出力化した際に
熱レンズ効果によって発振光のビーム断面形状が変形し
てしまうことを防止した半導体レーザー励起固体レーザ
ーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば特開平7−302946号に示さ
れるように、ネオジウム等の希土類が添加された固体レ
ーザー結晶を半導体レーザーによって励起する固体レー
ザーが公知となっている。
【0003】この半導体レーザー励起固体レーザーにお
いては、固体レーザー結晶としてNd:YVO4 結晶が
用いられることも多く、その場合従来は、Nd:YVO
4 結晶を、そのc軸が励起光の直線偏光方向と平行にな
る向きに配置して(いわゆるc軸吸収)、固体レーザー
発振光の直線偏光方向をこのc軸と平行な向きに設定
(いわゆるc軸発振)していた。
【0004】すなわち、下の(表1)に示すようにN
d:YVO4 結晶では、a軸吸収とするよりもc軸吸収
とした場合の方が励起光の吸収係数が大きいことから、
必然的にこのような方式が採用されて来た。
【0005】
【表1】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このNd:
YVO4 結晶を用いたc軸吸収、c軸発振の従来の半導
体レーザー励起固体レーザーにおいては、固体レーザー
の高出力化の要望に応えるために1W〜3W程度の高出
力の半導体レーザーを用いて励起パワーを高めると、固
体レーザー発振光のビーム断面形状が楕円状等に変形し
やすいという問題が認められる。
【0007】本発明は上記の事情に鑑み、Nd:YVO
4 結晶を用いた半導体レーザー励起固体レーザーにおい
て、発振光のビーム断面形状が変形することを防止する
ことを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体レー
ザー励起固体レーザーは、前述したように半導体レーザ
ーから発せられたレーザー光によりNd:YVO4 結晶
を励起する半導体レーザー励起固体レーザーにおいて、
a軸吸収、c軸発振する構成としたものであり、具体的
には、Nd:YVO4 結晶が、そのa軸が励起光である
上記レーザー光の直線偏光方向と平行になる向きに配置
されるとともに、共振器内に、固体レーザー発振光の直
線偏光方向をNd:YVO4 結晶のc軸と平行な向きに
設定する偏光素子が挿入されたことを特徴とするもので
ある。
【0009】なお上記の偏光素子としては、例えばブリ
ュースター板を好適に用いることができる。
【0010】他方、本発明の半導体レーザー励起固体レ
ーザーにおいて、共振器内に固体レーザーの発振モード
を単一縦モード化する波長選択素子が挿入される場合
は、Nd:YVO4 結晶として、Ndの添加量が1.5
〜2.5at%であるもの、好ましくはほぼ2at%の
ものを用いるのが望ましい。
【0011】また本発明は、前述したように半導体レー
ザーの出力が1W以上であって、熱レンズ効果が生じや
すい場合に適用されると特に効果的である。
【0012】
【発明の効果】本発明者は、固体レーザー発振光のビー
ム断面形状が変形してしまうという従来装置の問題は、
Nd:YVO4 結晶のように熱伝導係数が小さいレーザ
ー結晶において、c軸吸収、c軸発振としておくと、励
起パワーが高い場合に熱レンズ効果が生じることに起因
していることを見出した。
【0013】そこで、c軸吸収に比べて比較的吸収の低
いa軸吸収としておくと、熱レンズ効果が抑制され、固
体レーザー発振光のビーム断面形状が変形してしまうこ
とを防止できる。
【0014】しかし、a軸吸収としてそのままa軸発振
させると、別の問題が生じることも分かった。すなわ
ち、a軸発振ではc軸発振の場合よりも比較的ゲインが
小さいので、固体レーザーを高出力化する上で不利とな
る。またa軸発振の場合は、発振可能な準位がいくつも
有るので、多重縦モード発振しやすくなる。そこで、共
振器内に偏光素子を挿入してc軸発振とすると、ゲイン
が比較的高くなり、また単一縦モードで発振しやすくな
る。
【0015】以上により本発明の半導体レーザー励起固
体レーザーは、発振光のビーム断面形状が変形してしま
うことを防止でき、その一方で、安定した縦モード発振
と高出力化を実現できるものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0017】<第1実施形態>図1は、本発明の第1の
実施形態による半導体レーザー励起固体レーザーを示す
ものである。この半導体レーザー励起固体レーザーは、
励起光としてのレーザービーム10を発する半導体レーザ
ー11と、発散光である上記レーザービーム10を平行光化
するコリメーターレンズ12と、平行光となったレーザー
ビーム10を集光する集光レンズ13と、ネオジウム(N
d)がドープされた固体レーザー媒質であるYVO4
晶(Nd:YVO4 結晶)14と、このNd:YVO4
晶14の前方側(図中右方側)に配された共振器ミラー15
と、Nd:YVO4 結晶14と共振器ミラー15との間に配
されたブリュースター板17と、同じくNd:YVO4
晶14と共振器ミラー15との間に配されたエタロン18とを
有している。
【0018】半導体レーザー11は発光幅が200μm
で、出力2Wのものであり、そこから発せられた波長80
9 nmのレーザービーム10は集光レンズ13により集光さ
れて、収束ビーム径が130μmの状態でNd:YVO
4 結晶14を励起する。
【0019】一方Nd:YVO4 結晶14はNdが2at
%ドープされたもので、縦3mm×横3mm×厚さ1m
mに形成されている。このNd:YVO4 結晶14は、レ
ーザービーム10によってネオジウムイオンが励起される
ことにより、波長1064nmの光を発する。そして、N
d:YVO4 結晶14の後方端面14aと共振器ミラー15の
ミラー面15aとで構成される共振器によりレーザー発振
が引き起こされて、波長1064nmの固体レーザービーム
20が得られる。なおこの固体レーザービーム20は、エタ
ロン18の作用で単一縦モード化される。
【0020】ここでNd:YVO4 結晶14は、そのa軸
がレーザービーム10の直線偏光方向(紙面に垂直な方
向)と平行になる向きに配置されている。また偏光素子
であるブリュースター板17は、Nd:YVO4 結晶14の
c軸方向に直線偏光した光がp偏光として入射する向き
に配置されている。
【0021】この第1実施形態の半導体レーザー励起固
体レーザーでは、以上の構成によりa軸吸収、c軸発振
となる。このようにa軸吸収としたことにより熱レンズ
効果が抑制されるので、上述の通り半導体レーザー11の
出力を2Wと比較的高くしても、固体レーザービーム20
のビーム断面形状が楕円状等に変形してしまうことを防
止できる。なお固体レーザービーム20のビーム径は、約
200μmであった。
【0022】他方、ブリュースター板17aの作用でc軸
発振としたことにより、a軸発振の場合よりもゲインが
高くなり、2W励起の従来装置と比べて固体レーザー出
力が特に低下することもなく、600mWの出力が得ら
れた。また、c軸発振としたことにより単一縦モード性
も高くなり、完全な単一縦モード化が実現された。
【0023】なお、このようにエタロン18を用いて発振
モードを単一縦モード化する場合は、Nd:YVO4
晶14として、Ndの添加量が1.5〜2.5at%であ
るもの、より好ましくは本例のようにほぼ2at%のも
のを用いるのが望ましい。
【0024】<第2実施形態>図2は、本発明の第2の
実施形態による半導体レーザー励起固体レーザーを示す
ものである。なおこの図2において、図1中のものと同
等の要素には同番号を付してあり、それらについての重
複した説明は省略する(以下、同様)。
【0025】この半導体レーザー励起固体レーザーは、
図1に示したものと比べると、Nd:YVO4 結晶14の
後方端面14aと共振器ミラー15のミラー面15aとで構成
される共振器内に、さらに光波長変換素子16が設けられ
ている点が基本的に異なるものである。本例における光
波長変換素子16は、一例として、MgOがドープされた
LiNbO3 結晶に周期ドメイン反転構造が設けられて
なるものである。
【0026】この場合、波長1064nmの固体レーザービ
ーム20は光波長変換素子16に入射して、波長が1/2つ
まり 532nmの第2高調波21に変換される。そして共振
器ミラー15のミラー面15aに施されるコートは、レーザ
ービーム10および固体レーザービーム20は良好に反射
し、波長 532nmの第2高調波21は一部透過させるもの
とされているので、共振器ミラー15からは、ほぼ第2高
調波21のみが出射する。
【0027】この第2実施形態でも、Nd:YVO4
晶14およびブリュースター板17は、第1実施形態におけ
るのと同様に配置され、それにより本例でもa軸吸収、
c軸発振となる。そして、a軸吸収としたことにより熱
レンズ効果が抑制されて、固体レーザービーム20のビー
ム断面形状、つまりは第2高調波21のビーム断面形状が
変形することを防止できる。またc軸発振としたことに
より、550mWと高い第2高調波出力が得られ、かつ
完全な単一縦モード化が実現された。
【0028】すなわち、熱レンズ効果を抑制するために
a軸吸収とすると、前述の(表1)から明らかな通りc
軸吸収の場合よりも吸収係数が低くなるが、例えばNd
の添加量を2at%とすれば吸収係数は、従来一般的で
あったNd添加量が1at%でc軸発振の場合の半分で
ある20cm-1 を確保できる。吸収係数がこの程度あ
れば、エタロン18による単一縦モード化の効果が良好に
得られる。
【0029】それに対して、Ndの添加量を1at%と
する場合は、吸収係数が低過ぎることから、単一縦モー
ド性は悪化する。反対にNdの添加量を3at%と多く
する場合、単一縦モード性は良好となるが、熱レンズ効
果の影響が出て、固体レーザービーム20のビーム断面形
状が変形することがある。
【0030】次に、本発明の効果を確認するために作成
した比較例の半導体レーザー励起固体レーザーについて
説明する。
【0031】<第1比較例>図3は、第1の比較例とし
ての半導体レーザー励起固体レーザーを示すものであ
る。この第1比較例の半導体レーザー励起固体レーザー
は、図1に示したものと比べると、半導体レーザー11と
Nd:YVO4 結晶14との配置関係が異なる。すなわ
ち、本例においてNd:YVO4 結晶14は、そのc軸が
レーザービーム10の直線偏光方向(紙面に平行な方向)
と平行になる向きに配置されている。またここではN
d:YVO4 結晶14として、Ndが1at%ドープされ
たものが用いられている。
【0032】このNd:YVO4 結晶14の形状は、第1
および2実施形態におけるものと同じである。また半導
体レーザー11も第1および2実施形態におけるのと同じ
もので、出力は2Wである。一方、第1および2実施形
態で用いられたブリュースター板17は省かれている。
【0033】以上の構成により本例では、従来装置と同
様のc軸吸収、c軸発振となる。この場合はc軸吸収と
したことにより熱レンズ効果が生じ、それにより固体レ
ーザーの発振ビームの波面が収差を持ち、エタロン18の
波面収差ロスが増大して、固体レーザー出力は500m
Wと低下した。またこの熱レンズ効果のために、ビーム
径が約200μmである固体レーザービーム20のビーム
断面形状は楕円化してしまう。この楕円の短径と長径と
の比は、1:1.1であった。
【0034】<第2比較例>第2比較例として、基本的
構成は上記第1比較例と同様にしたまま、Nd:YVO
4 結晶14として、Ndが2at%ドープされたものを用
いた半導体レーザー励起固体レーザーを作成した。
【0035】この第2比較例の半導体レーザー励起固体
レーザーもc軸吸収、c軸発振となる。そしてc軸吸収
としたことにより熱レンズ効果が生じ、ビーム径が約2
00μmである固体レーザービーム20のビーム断面形状
が楕円化した。この場合の楕円の短径と長径との比は、
1:1.3であった。また固体レーザー出力は、250m
Wにまで低下した。
【0036】<第3比較例>図4は、第3の比較例とし
ての半導体レーザー励起固体レーザーを示すものであ
る。この第3比較例の半導体レーザー励起固体レーザー
は、図2に示した本発明の第2実施形態と比べると、半
導体レーザー11とNd:YVO4 結晶14との配置関係が
異なる。すなわち、本例においてNd:YVO4 結晶14
は上記第1および2比較例におけるのと同様に配置され
ている。また、ブリュースター板17は省かれている。
【0037】上記の構成により、この場合もc軸吸収、
c軸発振となる。そしてc軸吸収としたことにより熱レ
ンズ効果が生じ、基本波である固体レーザービーム20の
ビーム断面形状が楕円化した。
【0038】また、第2高調波21はNd:YVO4 結晶
14の内部において両端面間で反射するが、生じた熱歪み
により波面が変形した反射第2高調波21と、Nd:YV
4結晶14から前方に出射した第2高調波21との間で不
均一干渉が生じ、それと上記基本波のビーム形状変形と
の相乗効果により、第2高調波21のビーム断面形状が大
きく変形した。
【0039】その結果、第2高調波21を完全に単一横モ
ード化することはできず、そのため、完全な単一縦モー
ド化も不可能であった。そこで、縦モード競合によるノ
イズが発生した。また、第2高調波出力も2W励起の場
合で250mWに留まった。
【0040】<第4比較例>第4比較例として、第2実
施形態の装置からブリュースター板17を省いた半導体レ
ーザー励起固体レーザーを作成した。この第4比較例で
は、a軸吸収、a軸発振となる。本例では、a軸吸収と
したことにより熱レンズ効果は抑制できたが、a軸発振
としたために発振スペクトルがいくつも存在するように
なり、また第2高調波出力は、第2実施形態では550
mWであったのに対し、250mWにまで低下した。
【0041】以上説明した第1〜4比較例の結果と比べ
れば、本発明による効果が明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による半導体レーザー励
起固体レーザーを示す側面図
【図2】本発明の第2実施形態による半導体レーザー励
起固体レーザーを示す側面図
【図3】従来の半導体レーザー励起固体レーザーの一例
を示す側面図
【図4】従来の半導体レーザー励起固体レーザーの別の
例を示す側面図
【符号の説明】
10 レーザービーム(励起光) 11 半導体レーザー 12 コリメーターレンズ 13 集光レンズ 14 Nd:YVO4 結晶 15 共振器ミラー 16 光波長変換素子 17 ブリュースター板 18 エタロン 20 レーザービーム(固体レーザービーム) 21 第2高調波

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザーから発せられたレーザー
    光によりNd:YVO4 結晶を励起する半導体レーザー
    励起固体レーザーにおいて、 前記Nd:YVO4 結晶が、そのa軸が前記レーザー光
    の直線偏光方向と平行になる向きに配置されるととも
    に、 共振器内に、固体レーザー発振光の直線偏光方向を前記
    Nd:YVO4 結晶のc軸と平行な向きに設定する偏光
    素子が挿入されていることを特徴とする半導体レーザー
    励起固体レーザー。
  2. 【請求項2】 前記偏光素子としてブリュースター板が
    用いられたことを特徴とする請求項1記載の半導体レー
    ザー励起固体レーザー。
  3. 【請求項3】 前記共振器内に、固体レーザーの発振モ
    ードを単一縦モード化する波長選択素子が挿入され、 前記Nd:YVO4 結晶として、Ndの添加量が1.5
    〜2.5at%であるものが用いられたことを特徴とす
    る請求項1または2記載の半導体レーザー励起固体レー
    ザー。
  4. 【請求項4】 前記Ndの添加量がほぼ2at%である
    ことを特徴とする請求項3記載の半導体レーザー励起固
    体レーザー。
  5. 【請求項5】 前記半導体レーザーの出力が1W以上で
    あることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載
    の半導体レーザー励起固体レーザー。
  6. 【請求項6】 前記固体レーザー発振光を短波長化する
    光波長変換素子が設けられたことを特徴とする請求項1
    から5いずれか1項記載の半導体レーザー励起固体レー
    ザー。
  7. 【請求項7】 前記光波長変換素子が、周期ドメイン反
    転構造を有する非線形光学材料のバルク結晶からなるも
    のであることを特徴とする請求項6記載の半導体レーザ
    ー励起固体レーザー。
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