JP2000309002A - 竹材の平板加工法 - Google Patents

竹材の平板加工法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】竹材は、短期間に成長を完了するものである。
本発明は、竹材を板材として有効に利用するため、簡単
かつ確実に平板化する方法を提供する。 【解決手段】節を除去した竹材1'の外周表面に、竹材の
厚みよりも浅い複数の台形溝2を竹材の縦方向に刻設す
る。この状態で竹材を展開させると、内周の薄い連続部
分3の圧縮変形が容易となり平板化され易くなる。竹材
を展開させるときに加熱乾燥をさせると、竹材の塑性変
形が容易となり、かつ形状的に安定したものとなる。竹
材の外周表面に刻設した台形溝に接着剤を塗布し、接着
させると完全な平板として完成し、単板で、あるいはさ
らに積層して板材や柱材として利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】竹は、地下茎で繁殖し外観的
には約3カ月、細胞レベルでも3年といった短期間に成
長を完了する植物で、成竿となった後は、これを伐採す
るのが竹林の更新にとって好ましいものである。また、
竹は強度や外観上独自の優れた性質を備えている。本発
明は、このような竹材を有効に利用するために、板材と
して成形する効果的な方法に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】竹材の利用方法として工芸品のように竹
材の形状を生かした利用の他、これを板材に成形して利
用することが提案されている。例えば、特開昭59−4
8103号には、中空筒状の竹材内部の節を取り除き、
その内径を一定に加工したのち内周面に沿って一定深さ
の切り込みを設け、長手方向に切開して展開させ、切り
込みの中に接着剤を充填して平板とする方法が開示され
ている。また、竹材を加熱した状態で平板状に変形させ
る思想が特開昭62−90202号や特公平7−115
325号などに開示されている。さらに、竹材の外表面
にV形溝を設けて展開する方法が特許第165249号
明細書に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】竹材の内周面に多数の
溝を設け平板に展開する方法では、展開変形時に溝の先
端部分に引張応力が集中的に作用するため、そこから引
張破壊を生じ易くなる。また、展開された平板の内面に
大きな溝が多数できるため美観を損ない、ここに接着剤
を充填するとはいうものの強度の低下を避けることがで
きない。
【0004】特許第165249号明細書に開示されて
いるように、竹材の外表面にV形溝を設けて展開する方
法では、平板の内表面に大きな溝が多数できるという、
竹材の内周面に溝を設ける場合の欠点は解消される。し
かしながら、竹材の外表面にV形溝を設ける場合には、
V形溝の先端から内周の肉厚部分に大きな引っ張り応力
が作用し、作業中に該部分が破断する可能性があること
が判明した。
【0005】このような従来技術の欠点に鑑み、本発明
は竹材の外表面に溝を刻設して平板化する方法であっ
て、溝の先端から内周の肉厚部分にできるだけ引っ張り
応力が作用せず容易に加工を行うことができる方法を工
夫したものである。また、竹材の変形加工を加熱条件下
で行うことは常套手段であるが、従来は湿った状態で加
熱し変形加工を行っていた。そのため、平板化の加工後
に無負荷状態で乾燥させると、圧縮変形していた竹の組
織が復元しようとする。そのため、改めて平板状態を維
持させた加圧状態での乾燥工程を必要とする。本発明は
この平板化と乾燥の工程を簡略化することができる方法
を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前加工として、板材にし
ようとする竹材1は、節を除去するともに一定の長さL
に揃え、半割りあるいは少なくとも一部を縦方向に切断
し、好ましくは全長にわたって内径rと外径Rを一定に
しておく。この前加工を施した竹材1'の外周表面に、竹
材1'の厚みtよりも浅く、内周部分に薄い厚みの連続部
分3を残すように複数の台形溝2,2を平行に刻設し、
これを平板状に展開させる。このとき、主として薄い肉
厚である内周の連続部分3が曲げられて平板状に変形す
る。平板状に展開する過程において、竹材1'を高温状態
で乾燥させようとすると、まず加熱される過程で竹の組
織内部の水分が出て、薄い肉厚の連続部分3に柔軟性を
生じるとともに、乾燥されることによって形状が安定す
る。そこで、本発明では高温乾燥のうち加熱過程で柔軟
性を生じている間に平板化の加工を行い、その状態で乾
燥させる。これによって製造された平板は形状が安定す
る。
【0007】上記、平板状に展開する過程において、竹
材1'の外周表面に刻設する溝が、本発明では台形溝2と
しているため、厚みt2の薄い板状である連続部分3に曲
げモーメントが作用する。そして、連続部分3に曲げモ
ーメントが作用すると、連続部分3の内側、すなわち台
形溝2の底部分が圧縮変形をして加工が完了する。この
とき、竹材1'の外周表面にV溝を施した場合のように連
続部分に大き引っ張り力が作用せず、破損する可能性が
少なくなる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明竹材の平板加工法の
好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて説明す
る。図1は、竹材が平板に加工される状態を示す一部分
のみの端面図、図2は加工しようとする竹材の前加工の
状態を示す斜視図である。図11は、本発明の方法を実施
する工程の一例を示す流れ図である。
【0009】平板に加工しようとする竹材1には、例え
ば孟宗竹のように、太くて肉厚があるものを利用するの
が好ましい。竹材1は前加工としてその長さLを、図2
(a) に示すように一定の寸法にそろえておき、内部の節
及び節部分表面の膨らみを除去しておく。好ましくは、
その内径rと外径Rが、全長にわたって同一となるよう
に、内外表面を切削加工し、内外皮を取り除いて表面を
平滑に仕上げておく。平板に展開する前の竹材1'は、図
8に示すように略円筒状で一部を縦方向に切断したもの
であってもよいが、図2(b) に示すように半円筒状とし
ておくのが取扱に都合がよい。
【00010】図2(b) に示す前加工を施した竹材1'に
は、図3に示すように、竹材1'の外周表面に縦方向に平
行させて、竹材1'の厚みよりも浅く、内周部分に薄い厚
みの連続部分3を残すように複数の台形溝2,2を刻設
する。複数の台形溝2,2は、竹材1'の外周表面に任意
間隔で設けることもできるが、例えば中心角αのように
一定間隔ごとに一定形状の台形溝2,2を設ける。
【0011】竹材1'の外周表面に刻設する台形溝2,2
の具体的形状は、特に限定されるものではないが、図4
に示すように竹材1'の肉厚Tが10ミリメートルで、台形
溝2の深さt1を6ミリメートルとする場合、連続部分3
の厚みt2は4ミリメートルとなる。深さt1が7ミリメー
トルでは連続部分の厚みt2は3ミリメートルとなる。竹
材1'の外周表面に刻設する台形溝2の谷幅W2は大きなも
のである必要はない。例えば0.2 〜1.0 ミリメートル程
度とする。溝幅W1は、竹材1'を展開したときに密閉され
る幅、すなわち台形溝2が竹材1'の角度αごとに設けら
れる場合、Ttanαもしくはこれに近い寸法であること
が好ましい。
【0012】図5において、外周表面に台形溝2を刻設
した竹材1'は、圧力をかけて徐々に展開させて平板とす
る。展開させる方法は任意であるが、図5(a) に示す実
施形態では、半円筒状の複数の竹材1',1'を積み重ね、
その上から圧力をかけることによって、図5(b) に示す
ように全ての竹材1'が徐々に展開され平板化される。竹
材1'の展開方法として、ローラー間隔が徐々に狭くなる
ローラープレスを利用して連続的に加工することもでき
る。このとき、竹材1'を平板化させる加工を加熱乾燥炉
内で行わせると、加熱と乾燥を同時に進行させることが
できる。すなわち、竹材が加熱されることによって可塑
性を生じ、内周の薄い厚みの連続部分3が破断されない
ように加工できると同時に、乾燥によって安定した平板
形状の加工を実現することができる。
【0013】すなわち、竹材1'の変形は主として溝の連
続部分3で行われるが、本発明では溝を台形溝2として
いるため、連続部分3の厚みt2の上半部に圧縮力が、下
半分に引っ張り力が作用する状態で変形する。ところ
で、竹の組織は圧縮力によって圧縮変形をするが引っ張
り力に対してほとんど延びることはなく破壊される。圧
縮変形した組織は、乾燥されることによって形態が安定
する。したがて、溝を台形溝とした本発明では連続部分
3の上辺、すなわち台形溝の谷幅W2部分が圧縮変形して
平板化される。したがって、本発明では全体として必要
な圧縮変形量が少なく、比較的水分の少ない竹材であっ
ても破損させることなく平板化することができるため加
熱乾燥の条件下において平板化する変形加工が可能とな
る。従来のように、竹の外表面に単なるV溝を設けたも
のでは、対向するV溝側面を厚みの全体にわたって圧縮
変形させる必要がある。さもないと、連続部分が破断し
てしまう。
【0014】一つの竹材1'を展開させた平板の厚みは、
竹材の厚みtによって決定され、数ミリメートル〜1セ
ンチメートル程度といった比較的薄いものである。当
然、この単板を板材として利用することもできるが、二
枚重ねあるいはそれ以上の厚みに積層加工して、厚みの
ある板材や柱材として利用することも考えられる。単板
を一枚の平板として完成させるには、台形溝2内に接着
剤を塗布して対向側面を接合し、全体を一体化する。台
形溝2の対向側面を効率的に接着させる加工方法として
は、展開加工の前又は展開加工の後に平板を湾曲させて
台形溝2を開け、台形溝2内に熱硬化型接着剤を塗布
し、展開させた状態で高周波誘電加熱によって接着させ
るとよい。すなわち、図6に示すように高周波誘電加熱
装置の下部電極4上に竹材1'を載置し、台形溝2に沿わ
せて上部電極5を配置し、上部電極5と下部電極4の間
に高周波電流を印加することによって台形溝2部分だけ
を効率的に短時間に加熱することができる。このとき、
複数の上部電極5,5の間を押圧する上下方向のプレス
6と、竹材1'の左右方向に押圧するプレス7を配置し、
平板が正確な状態に接着されるようにしておくのが好ま
しい。
【0015】上記、台形溝2を加熱接着するための高周
波誘電加熱装置は、連続式あるいはバッチ式のいずれで
あってもよいが、バッチ式とする場合は固定的な下部電
極と一定長さの上部電極の組み合わせとなる。連続式と
する場合は、下部電極4は通電性を有するコンベア、上
部電極は高周波電源に接続されるローラー電極、プレス
6,7はローラープレスの組み合わせとして実施するこ
とができる。
【0016】一つの竹材1'を展開させて得た平板は、プ
レスによって平板化されるとはいうものの、厳密にいえ
ば円弧片の連続であって、その表面は必ずしも平面では
ない。したがって、単板を完全な平板とするには、上下
表面もしくは側面を含めた外周面を4面プレーナーによ
って表面加工を行う。
【0017】一つの竹材1'を展開させて得た平板は、厚
みが薄いため、これを便宜上二枚重ねとして平板を完成
させることも考えられる。この場合、図7(a) に示すよ
うに単に平たく展開しただけの平板もしくは台形溝2を
接着した平板を、外表面どうしもしくは内表面どうしで
重ね合わせ、その間に接着剤9を塗布して図7(b) に示
すように高周波誘電加熱によるローラープレス8によっ
て連続的に加熱接着すると、二枚重ねの平板を効率よく
連続的に製造することができる。二枚重ねの平板を作る
のに際し、図示例では単板を外表面どうしもしくは内表
面どうしで重ね合わせている。このようにすると、表裏
面が外表面どうし又は内表面どうしとなるため、表裏面
での収縮率の差がなくなり、水分の吸放湿による反りが
防止されるほか、たとえ台形溝2を接着しない二枚の単
板を重ね合わせるものであっても、台形溝部分において
折曲しやすい方向が二枚の単板で打ち消し合うため、比
較的安定した状態の二枚重ね平板を得ることができる。
【0018】図2,図3には、二つ割りとした竹材1'を
展開させる実施形態を図示しているが、図8に示すよう
に、内外周面の節除去加工を施した一本の竹材1を利用
し、少なくとも一か所に縦方向の切断部10を設け、これ
を展開させるようにすることもできる。このようにする
と、より幅の広い単板を得ることができる。また逆に竹
材が大きい場合や小さな加工設備で加工しようとする場
合は、一本の竹材を三つ割りや四つ割りとした竹材を利
用することもできる。
【0019】竹材1'を展開させる過程において、内周部
の連続部分3には曲げモーメントが作用することにな
る。連続部分は、肉厚が薄いとはいうものの内表面に引
張応力が作用することにかわりはない。そこで、図9に
示すように竹材の内周面に、紙などの補強シート11を貼
着しておくことも内表面に引張破壊を生じさせることな
く円滑に作業を進める上で効果的である。内周面に貼着
する補強シート11は、平板完成後も竹材と融合して一体
化もしくは補強材として機能するものであってもよい
が、展開加工後に4面プーナーで削り取ってしまっても
よい。プーナーで補強材を切除するものでは、完成した
平板あるいはその積層材は、竹材のみで形成されること
になる。なお、加工工程において補強シート11を利用す
ると、竹材1'の内周部の連続部分3をできるだけ薄くす
ることが可能である。
【0020】以上述べた方法によって得られた、単板も
しくは二枚重ねの竹材平板は、それ自体を建築用材その
他の各種用途に利用することも可能であるが、さらにこ
れを積層加工し、太い柱材や厚みのある板材として利用
することもできる。その加工方法は、従来から広く行わ
れている、集成材の加工と同じように加工することがで
きる。
【0021】本発明方法において、竹材の外周表面に刻
設する台形溝2の幅は、台形溝2が竹材1'の角度αごと
に設けられる場合、Ttan αもしくはこれに近い寸法で
あると展開したときに台形溝が竹材の表面側で密接する
ことは先に述べた。この場合、台形溝の谷幅W2が圧縮さ
れ、台形溝の側面どうしが密接する。したがって、台形
溝の側面に接着剤を塗布しておくと台形溝の深さt1全体
が完全に接着されることになる。
【0022】図10(a) は、台形溝2の変形実施例を示す
ものである。この台形溝2は、左右両側壁を台形溝の谷
の中心から開き角度αで形成し、溝底部分のみを谷幅W2
に切除している。このようにすると、図10(b) に示すよ
うに角度αの開き角度の傾斜面とした厚みt3の範囲にお
いて台形溝2の左右両側壁を完全に密接させることがで
きると同時に隙間12を生じ、通気性を向上させることが
できる。
【0023】
【発明の効果】請求項1記載の本発明竹材の平板加工法
によれば、竹材の外表面に台形溝を縦方向刻設しておく
ことによって、丸い竹材を効率的に平板化することがで
きる。竹材の外表面に設ける溝がV溝であると、平板に
展開する際竹材の内周部分に形成される連続部分には、
大きな引っ張り力が作用し加工中に破断する可能性があ
る。本発明では外表面に刻設する溝を台形溝としたこと
によって、連続部分の厚みの上部が圧縮変形するだけで
平板化され、全体とし比較的小さな力で加工することが
できるとともに、加工中に破断したりすることがない。
【0024】請求項2記載の発明によれば、平板化の変
形加工と同時に変形状態での乾燥を行うことができるた
め工程を簡略化することができる。すなわち、台形溝の
連続部分が加熱乾燥の加熱によって可塑化されて容易に
圧縮変形し、乾燥によって平板形状が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施したときの竹材の変形状態
を示す端面図、
【図2】加工に供する竹材及び前加工をした状態を示す
斜視図、
【図3】前加工をした竹材の外周表面に溝を刻設した斜
視図及び端面図、
【図4】竹材の外表面に刻設する台形溝の形状を示す拡
大端面図、
【図5】外周表面に溝加工を施した竹材を平板に展開す
る工程の一例を示す正面図、
【図6】展開させた竹材の溝を接着加工する高周波加熱
接着機の一例を示す、流れ方向から見た正面図、
【図7】展開させた竹材を二枚重に加工する状態の端面
図及び接着加工機の一例を示す概要図、
【図8】円筒状の竹材を一枚の平板に展開する場合の一
例を示す端面図、
【図9】竹材の内周面に補強シートを貼着する状態を示
す、竹材の端面図、
【図10】竹材に刻設する台形溝の変形形状の一例を示
す拡大端面図、
【図11】本発明の方法を実施する工程の一例を示す流
れ図。
【符号の説明】
1,1'…竹材、 2…台形溝、 3…連続部分、 4…
下部電極、 5…上部電極、 6,7…プレス、 8…
ローラープレス、 9接着剤、 10…切断部、11…補強
シート、 12…隙間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B230 AA30 BA10 BA17 EB03 EB05 EB12 EB13 EB23 EB26 EB28 EB29 EC24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】節を除去し、少なくとも一部を縦方向に切
    断した竹材の外周表面に、竹材の厚みよりも浅く内周部
    分に薄い厚みの連続部分を残すように、竹材の縦方向に
    複数の台形溝を刻設し、該台形溝を刻設した竹材を平板
    状に展開することを特徴とする竹材の平板加工法。
  2. 【請求項2】平板状に展開する過程において、竹材を高
    温状態で乾燥させてなる請求項1記載の竹材の平板加工
    法。
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