JP2000309607A - ビニルアルコール系重合体および組成物 - Google Patents
ビニルアルコール系重合体および組成物Info
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Abstract
ア性、水溶液の低温放置安定性および生分解性が良好な
ビニルアルコール系重合体と組成物を提供する。 【解決手段】 エチレン単位の含有量2〜19モル%、
重合度200〜2000、けん化度80〜99.99モ
ル%およびカルボキシル基とラクトン環の合計含有量
0.02〜0.4モル%であるビニルアルコール系重合
体。
Description
重合体とその組成物に関する。さらに詳しくは、熱安定
性、耐水性、ガスバリア性、水蒸気バリア性、水溶液の
低温放置安定性および生分解性が良好なビニルアルコー
ル系重合体とその組成物に関する。
VAと略記することがある)は数少ない結晶性の水溶性
高分子として、優れた造膜性、透明性、強度特性および
界面活性を有することから、紙用コーティング剤および
紙用内添剤などの紙用改質剤、紙、木材および無機物等
の接着剤、経糸糊剤、乳化重合や懸濁重合用の安定剤、
各種バインダー等に幅広く利用されているほか、ポリビ
ニルアルコール系フィルムやポリビニルアルコール系繊
維およびポリビニルアルコール系シート等の原料として
重要な地位を占めている。従来のPVAとしては、けん
化度が98モル%程度の「完全けん化PVA」とけん化
度が88モル%程度の「部分けん化PVA」が知られて
いる。また一方では、官能基を導入して特定の性能を向
上させた高機能化の追求も行われており、いわゆる変性
ポリビニルアルコールも種々開発されている。
めに、水溶液の形態で使用されていた。すなわち、「完
全けん化PVA」の場合には、融点と熱分解温度が非常
に近く、熱溶融成形が不可能であった。一方、「完全け
ん化PVA」よりも融点の低い「部分けん化PVA」の
場合には、熱安定性が悪いために、熱溶融成形時に酢酸
臭が発生するという問題があった。次に、可塑剤や他の
重合体をPVAにブレンドすることにより、PVAの溶
融粘度を低下させて、PVAを熱溶融成形する方法が提
案されている。しかしながら、可塑剤を添加する方法
は、成形物を長期間に渡って使用すると、成形物中の可
塑剤含有量が経時的に減少し、冬場のような低温低湿度
下では、成形物の柔軟性が不足して、成形物に割れやひ
びが発生するという問題があった。一方、PVAに他の
重合体をブレンドする方法は、両者の相溶性が不良のた
めに、成形物の機械的特性が著しく低下したり、透明性
が大きく低下するという問題があった。
Aの融点を低下させる方法が提案されている。しかしな
がら、ω−ヒドロキシアルキルビニルエーテル単位とア
ルキルビニルエーテル単位を有するPVA(特公平4−
10885号)およびポリオキシエチレンモノアリルエ
ーテル単位を有するPVA(特公平5−49683号
報)は、エーテル結合を有するために、熱安定性が低い
という問題があった。また、アリルアルコール単位を有
するPVA(特開昭62−229135号)は、熱安定
性は幾分向上しているが、実用的には依然として不十分
であり、かつPVA中に残存するアリルアルコールの安
全性に問題があった。α−オレフィン単位を有するPV
A(特開昭63−289581号)は、疎水基の会合に
より溶融粘度が著しく上昇したり、水に不溶性であると
いう問題を有している。また、特定炭素数のヒドロキシ
アルキル基を側鎖に有するPVA(特開平7−2286
25号)は、熱安定性は幾分向上しているが、実用的に
は依然として不十分であるのが実情である。
れ、廃棄面でも問題が少ないという利点があるため、
「完全けん化PVA」を用いたフィルムはガスバリア層
として用いられることもある。ところがPVAフィルム
は吸湿量が少ない場合、すなわち乾燥した雰囲気では高
いガスバリア性を有するものの、相対湿度が70%程度
以上になると吸湿性が激しくガスバリア性は低下する傾
向にあることが知られている。PVAの吸湿性を低下さ
せる方法として、エチレンを20モル%以上共重合させ
たエチレン・ビニルアルコール共重合体(以下EVOHと略
記する)を用いる方法が採用されているが、EVOHは水に
不溶性であり溶液で取り扱う場合には有機溶剤を用いる
ため作業環境が著しく悪化するという問題点を有してい
る。また架橋性を有する変性PVAを用いたり、PVA
をカップリング剤と反応させたり、他の重合体と反応さ
せることにより架橋構造を導入する方法が提案されてい
るが、架橋によって空隙が形成されるためか高湿度下で
のガスバリア性は依然として不十分である。
のPVAの課題であった熱安定性、耐水性、ガスバリア
性、水蒸気バリア性および水溶液の低温放置安定性を同
時に解決するビニルアルコール系重合体を提供すること
にある。さらに、本発明の目的は、熱安定性、耐水性、
ガスや水蒸気のバリア性、水溶液の低温放置安定性およ
び生分解性に優れるビニルアルコール系重合体組成物を
提供することにある。
ましい性質を有するビニルアルコール系重合体を開発す
べく鋭意研究を重ねた結果、エチレン単位の含有量2〜
19モル%、重合度200〜2000、けん化度80〜
99.99モル%およびカルボキシル基とラクトン環の
合計含有量0.02〜0.4モル%であるビニルアルコ
ール系重合体を見出し、本発明を完成するに至った。
体は、エチレン単位を有していることが必須である。エ
チレン単位の含有量としては、2〜19モル%であるこ
とが必須であり、2.5〜17モル%が好ましく、3〜
15モル%がさらに好ましく、3.5〜13モル%が特
に好ましい。エチレン単位の含有量が2モル%未満の場
合には、上述の熱安定性、耐水性、ガスバリア性、水蒸
気バリア性、水溶液の低温放置安定性および生分解性の
向上の程度が小さい。エチレン単位の含有量が19モル
%より大の場合には、PVAの最大の特徴である水溶性
が低下する。
レン単位の含有量は、該ビニルアルコール系重合体の前
駆体であるエチレン単位を含有するポリビニルエステル
のプロトンNMRから求めた。すなわち、得られたポリ
ビニルエステルをn−ヘキサン/アセトンで再沈精製を
3回以上十分に行った後、80℃での減圧乾燥を3日間
して分析用のポリビニルエステルを作成した。該ポリマ
ーをDMSO−D6に溶解し、500MHzのプロトン
NMR(JEOL GX−500)を用いて80℃で測
定した。ビニルエステルの主鎖メチンに由来するピーク
(4.7〜5.2ppm)とエチレン、ビニルエステル
および第3成分の主鎖メチレンに由来するピーク(0.
8〜1.6ppm)を用いてエチレン単位の含有量を算
出した。
平均重合度(以下、重合度と略記する)は200〜20
00であり、220〜1800が好ましく、240〜1
600がさらに好ましく、250〜1500が特に好ま
しい。重合度が200未満の場合には得られる成形物、
繊維、フィルムなどを製造する場合の作業性が低下し満
足なものが得られないのみならず、得られるものの機械
的強度が小さくPVAの特徴が損なわれる。重合度が2
000を越えると、溶融成型時の溶融粘度や水溶液加工
時の水溶液粘度が高くなり、作業性や加工性が悪くなる
と同時に満足なものを得ることができない。PVA系重
合体の重合度(P)は、JIS−K6726に準じて測
定される。すなわち、PVA系重合体を再けん化し、精
製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](d
l/g)から次式により求められるものである。 P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
化度は80〜99.99モル%であり、84〜99.9
モル%が好ましく、87〜99.7モル%がより好まし
く、90〜99.5モル%が特に好ましい。けん化度が
80モル%未満の場合には、ビニルアルコール系重合体
の結晶性が極度に低下し本発明の意図する高いガスバリ
ア性、水蒸気バリア性、耐水性が得られないばかりか、
熱安定性が悪く熱分解やゲル化によって満足な溶融成形
や溶融紡糸を行うことができない。一方、けん化度が9
9.99モル%よりも大きいビニルアルコール系重合体
は安定に製造することができず、成形化、製膜化および
繊維化も安定にできない。
ボキシル基とラクトン環の合計含有量は0.02〜0.
4モル%であり、0.022〜0.37モル%が好まし
く、0.024〜0.33モル%がより好ましく、0.
025〜0.3モル%が特に好ましい。本発明における
カルボキシル基はそのアルカリ金属塩を包含し、アルカ
リ金属としてはカリウム、ナトリウムなどがあげられ
る。カルボキシル基とラクトン環の合計含有量が0.0
2モル%未満の場合には、熱安定性が悪くゲル化によっ
て溶融成形性や溶融紡糸性が低下したり、水溶液の低温
での粘度安定性や高濃度水溶液の粘度安定性が低下し本
発明の意図するビニルアルコール系重合体とならない。
一方、カルボキシル基とラクトン環の合計含有量が0.
40モル%を超える場合には、PVAの溶融時の熱安定
性が悪く熱分解とゲル化によって溶融紡糸や溶融成形す
ることができない、また水との親和性が高くなるためと
推定されるがガスや水蒸気のバリア性および耐水性が低
下する、さらには生分解性が低下する場合がある。
含有量が下記の数3を満足する場合には、本発明の効果
は著しく高くなることを見出した。
ボキシル基とラクトン環の合計含有量を表し、Pはビニ
ルアルコール系重合体の粘度平均重合度を表す。}
ル基およびラクトン環を有するビニルアルコール系重合
体の製法としては、酢酸ビニルなどのビニルエステル
系単量体とカルボキシル基およびラクトン環を生成する
能力を有する単量体とを共重合して得られたビニルエス
テル系重合体を、アルコールあるいはジメチルスルホキ
シド溶液中でけん化する方法、メルカプト酢酸、3−
メルカプトプロピオン酸などのカルボキシル基を含有す
るチオール化合物の存在下で、ビニルエステル系単量体
を重合した後それをけん化する方法、酢酸ビニルなど
のビニルエステル系単量体を重合する際に、ビニルエス
テル系単量体およびビニルエステル系重合体のアルキル
基への連鎖移動反応を起こし、高分岐ビニルエステル系
重合体を得た後にけん化する方法、エポキシ基を有す
る単量体とビニルエステル系単量体との共重合体をカル
ボキシル基を有するチオール化合物と反応させた後けん
化する方法、PVAとカルボキシル基を有するアルデ
ヒド類とのアセタール化反応による方法などが挙げられ
る。
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビ
ニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよび
バーサティック酸ビニル等が挙げられ、これらの中でも
PVAを得る点からは酢酸ビニルが好ましい。本発明の
カルボキシル基およびラクトン環を生成する能力を有す
る単量体としては、フマール酸、マレイン酸、イタコン
酸、無水マレイン酸または無水イタコン酸等に由来する
カルボキシル基を有する単量体、アクリル酸およびその
塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−プロピル、アクリル酸i−プロピル等のアクリル酸
エステル類、メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸i−プロピル等のメタクリル酸エステ
ル類、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N
−エチルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体、メ
タクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エ
チルメタクリルアミド等のメタクリルアミド誘導体が挙
げられる。
基とラクトン環の合計含有量はプロトンNMRのピーク
から求めることができる。ビニルアルコール系重合体を
けん化度99.95モル%以上に完全にけん化後、十分
にメタノール洗浄を行い、次いで90℃減圧乾燥を2日
間して分析用のビニルアルコール系重合体を作成した。
上記の場合、作成した分析用のビニルアルコール系重
合体をDMSO−D6に溶解し、500MHzのプロト
ンNMR(JEOL GX−500)を用いて60℃で
測定した。アクリル酸、アクリル酸エステル類、アクリ
ルアミドおよびアクリルアミド誘導体の単量体は、主鎖
メチンに由来するピーク(2.0ppm)を用いて、メ
タクリル酸、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミ
ドおよびメタクリルアミド誘導体の単量体は、主鎖に直
結するメチル基に由来するピーク(0.6〜1.1pp
m)を用いて、常法により含有量を算出した。フマール
酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸または無
水イタコン酸等に由来するカルボキシル基を有する単量
体は、作成した分析用PVAをDMSO−D6に溶解後
トリフルオロ酢酸を数滴加え、500MHzのプロトン
NMR(JEOLGX−500)を用いて60℃で測定
した。定量は4.6〜5.2ppmに帰属されるラクト
ン環のメチンピークを用いて常法により含有量を算出し
た。およびの場合、硫黄原子に結合するメチレンに
由来するピーク(2.8ppm)を用いて含有量を算出
した。の場合、作成した分析用PVAをメタノール−
D4/D2O=2/8に溶解し、500MHzのプロトン
NMR(JEOL GX−500)を用いて80℃で測
定した。末端のカルボキシル基もしくはそのアルカリ金
属塩のメチレン由来ピーク(下記の化1および化2)は
2.2ppm(積分値A)および2.3ppm(積分値
B)に帰属し、末端のラクトン環のメチレン由来ピーク
は(下記の化3)は2.6ppm(積分値C)、ビニル
アルコール単位のメチン由来ピークは3.5〜4.15
ppm(積分値D)に帰属し、下記の化3でカルボキシ
ル基およびラクトン環の含有量を算出する。ここで△は
変性量(モル%)を表す。 カルボキシル基およびラクトン環の含有量(モル%)=
50×(A+B+C)×(100−△)/(100×
D)
O−D6に溶解し、500MHzのプロトンNMR(J
EOL GX−500)を用いて60℃で測定した。ア
セタール部分のメチンに由来するピーク4.8〜5.2
ppm(下記の化4)を用いて、定法により含有量を算
出した。
ビニルアルコール単位、エチレン、ビニルエステル単位
および前述のカルボキシル基およびラクトン環を生成す
る能力を有する単量体以外の単量体単位を含有していて
もよい。このような単位としては、プロピレン、1−ブ
テン、イソブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン
類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテ
ル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
エチレングリコールビニルエーテル、1,3−プロパン
ジオールビニルエーテル、1,4−ブタンジオールビニ
ルエーテル等のヒドロキシ基含有のビニルエーテル類、
アリルアセテート、プロピルアリルエーテル、ブチルア
リルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等のアリルエー
テル類、オキシアルキレン基を有する単量体、ビニルト
リメトキシシラン等のビニルシラン類、酢酸イソプロペ
ニル、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オ
ール、5−ヘキセン−1−オール、7−オクテン−1−
オール、9−デセン−1−オール、3−メチル−3−ブ
テン−1−オール等のヒドロキシ基含有のα−オレフィ
ン類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタア
リルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸等に由来するスルホン酸基を有する単量
体;ビニロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ビニロキシブチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ビニロキシエチルジメチルアミン、ビニロキシメチ
ルジエチルアミン、N−アクリルアミドメチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、3−(N−メタクリルアミ
ド)プロピルトリメチルアンモニウムクロライド、N−
アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、N−アクリルアミドジメチルアミン、アリルトリメ
チルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルア
ンモニウムクロライド、ジメチルアリルアミン、アリル
エチルアミン等に由来するカチオン基を有する単量体が
挙げられる。これらの単量体の含有量は、使用される目
的や用途等によって異なるが通常20モル%以下、好ま
しくは10モル%以下である。
述のカルボキシル基を有するメルカプタンを除く2−メ
ルカプトエタノール、n−ドデシルメルカプタンなどの
チオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエ
ステル系単量体を、エチレンと共重合し、それをけん化
することによって得られる末端変性物でもよい。
重合の方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重
合法、乳化重合法などの公知の方法が挙げられる。その
中でも、無溶媒あるいはアルコールなどの溶媒中で重合
する塊状重合法や溶液重合法が通常採用される。溶液重
合時に溶媒として使用されるアルコールとしては、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール
などの低級アルコールが挙げられる。共重合に使用され
る開始剤としては、2,2'-アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニ
トリル)、過酸化ベンゾイル、n−プロピルパーオキシ
ジカーボネートなどのアゾ系開始剤または過酸化物系開
始剤などの公知の開始剤が挙げられる。重合温度につい
ては特に制限はないが、0℃〜150℃の範囲が適当で
ある。しかしながら、重合条件を選定するにあたって
は、後述する実施例からも明らかなように、本発明の目
的とするビニルアルコール系重合体が得られるように種
々の条件を適切に設定することが必要である。
は160〜230℃であることが好ましく、さらには、
170〜227℃が好ましく、175〜224℃がより
好ましく、180〜220℃が特に好ましい。融点が1
60℃未満の場合にはビニルアルコール系重合体の結晶
性が低下し耐水性およびガスや水蒸気のバリア性が低下
したり、十分な強度を有する満足な成形物や繊維が得ら
れない。融点が230℃を越えると溶融温度が高くな
り、成形物や繊維を安定に製造することができなくな
る。
Cを用いて、窒素中、昇温速度10℃/分で250℃ま
で昇温後室温まで冷却し、再度昇温速度10℃/分で2
50℃まで昇温した場合のビニルアルコール系重合体の
融点を示す吸熱ピークのピークトップの温度を意味す
る。
解性を有しており、活性汚泥処理あるいは土壌に埋めて
おくと分解されて水と二酸化炭素になる。該PVAを活
性汚泥で連続処理すると2日間で完全に分解される。生
分解性の点からも該ビニルアルコール系重合体は水溶性
もしくは水分散性であることが必要であり、該ビニルア
ルコール系重合体の1,2−グリコール結合含有量は
1.2〜2モル%であることが好ましく、さらには1.
25〜1.95モル%が好ましく、1.3〜1.9モル
%がより好ましい。該ビニルアルコール系重合体の1,
2−グリコール結合含有量が1.2モル%未満の場合に
は、前述の該ビニルアルコール系重合体の生分解性が悪
くなるばかりでなく、溶融粘度が高すぎて成形性や紡糸
性が低下する場合がある。該PVAの1,2−グリコー
ル結合含有量が2モル%を越える場合にはPVAの結晶
性が低下するためかガスや水蒸気のバリア性および耐水
性が低下する。
コール結合含有量は、たとえば、エチレンカーボネート
を代表とする共重合および重合温度によってコントロー
ルすることができる。PVAの1,2−グリコール結合
含有量はNMRのピークから求めることができる。けん
化度99.9モル%以上にけん化後、十分にメタノール
洗浄を行い、次いで90℃減圧乾燥を2日間したPVA
をDMSO−D6に溶解し、トリフルオロ酢酸を数滴加
えた試料を500MHzのプロトンNMR(JEOL
GX−500)を用いて80℃で測定する。ビニルアル
コール単位のメチン由来ピークは3.2〜4.0ppm
(積分値A')、1,2−グリコール結合の1つのメチ
ン由来のピークは3.25ppm(積分値B')に帰属
され、次式で1,2−グリコール結合含有量を算出でき
る。ここで△はエチレン変性量(モル%)を表す。 1,2−グリコール結合含有量(モル%)=B'(10
0−△)/A'
トに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心
水酸基とは、PVAのDMSO−D6溶液での500 M
HzプロトンNMR(JEOL GX-500)装置、
65℃測定による水酸基プロトンのトライアッドのタク
ティシティを反映するピーク(I)を意味する。また、
水酸基3連鎖の中心水酸基とは、ビニルアルコールユニ
ット3連鎖の中心ビニルアルコールユニットの水酸基を
意味する。ピーク(I)はPVAの水酸基のトライアッ
ド表示のアイソタクティシティ連鎖(4.54ppm)、
ヘテロタクティシティ連鎖(4.36ppm)およびシン
ジオタクティシティ連鎖(4.13ppm)の和で表わさ
れ、全てのビニルアルコールユニットにおける水酸基に
由来するピーク(II)はケミカルシフト4.05ppm
から4.70ppmの領域に現れることから、本発明の
ビニルアルコールユニットに対するトライアッド表示に
よる水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率は、100×
(I)/(II)で表されるものである。
酸基の量を制御することで、ビニルアルコール系重合体
の水溶性、吸湿性、耐水性、バリア性など水に関わる諸
物性、強度、伸度、弾性率など繊維に関わる諸物性、融
点、溶融粘度、溶融粘性など溶融成形に関わる諸物性を
コントロールできることを見出した。これはトライアッ
ド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基は結晶性に富
み、ビニルアルコール系重合体の特長を発現させるため
と思われる。
イアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量
は65〜98モル%であることが好ましく、さらには7
0〜97.5モル%が好ましく、72〜97モル%がよ
り好ましく、74〜96モル%がさらに好ましく、75
〜95モル%が特に好ましい。PVAのトライアッド表
示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量が65モル
%未満の場合には、該ビニルアルコール系重合体の結晶
性が極度に低下し、本発明の意図する高いガスや水蒸気
のバリア性、耐水性が得られないばかりか、熱安定性が
悪く熱分解やゲル化によって満足な溶融成形や溶融紡糸
を行うことができない。また得られたフィルム、成形物
および繊維などにおいて、ビニルアルコール系重合体の
特長である機械的物性などが損なわれる。一方、該PV
Aのトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基
の含有量が98モル%より大の場合には、ポリマーの結
晶性が極めて高くPVAの水溶液を調整するのに大変な
労力を要したり、融点が高いため溶融成形温度を高くす
る必要があり、その結果、ポリマー溶融成形時の熱安定
性が悪く、分解およびゲル化が大きくポリマー着色およ
びゲル化が大きい。
が、下記の数4を満足するビニルアルコールユニットに
対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸
基のモル分率を有する場合に、本発明の効果は著しく高
くなることを見出した。
ニルアルコールユニットに対するトライアッド表示によ
る水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率を表し、Etはビ
ニルアルコール系重合体が含有するエチレン含量(単
位:モル%)を表す。}
ール系重合体組成物では、アルカリ金属を有することに
特長を持つ。ビニルアルコール系重合体(A)100重
量部に対するアルカリ金属(B)の含有割合は、アルカ
リ金属(B)がナトリウム換算で0.0003〜1重量
部であり、0.0003〜0.8重量部が好ましく、
0.0005〜0.6重量部がより好ましく、0.00
05〜0.5重量部が特に好ましい。アルカリ金属とし
ては、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、それらは主
として酢酸やプロピオン酸などの低級脂肪酸の塩、本発
明のカルボキシル基を特定量含有するPVAのカルボキ
シル基の塩および共重合単量体中に含まれるスルホン酸
の塩として存在し、さらには添加剤中に存在する場合も
一向に差し支えない。アルカリ金属の含有割合が0.0
003重量部未満の場合には、ビニルアルコール系重合
体を水溶液として使用する際に該PVAの水溶性が低下
し満足な特長を発現しない。またビニルアルコール系重
合体を溶融で使用する際には、PVA溶融時のゲル化が
大きく溶融成形性や溶融紡糸性が低下して生産性が低下
するばかりでなく、得られた成形物や繊維には十分な水
溶性が得られない。一方、アルカリ金属の含有量が1重
量部より多い場合には、溶融時の熱安定性が悪く、分
解、ゲル化およびポリマー着色が著しく成形化および繊
維化することができない。またビニルアルコール系重合
体の結晶性が低下するためかガスや水蒸気のバリア性が
低下する。
(B)をビニルアルコール系重合体中に含有させる方法
は特に制限されず、いったんビニルアルコール系重合体
を得た後にアルカリ金属含有の化合物を添加する方法、
ビニルエステルの重合体を溶媒中においてけん化するに
際し、けん化触媒としてアルカリ金属を含有するアルカ
リ性物質を使用することによりビニルアルコール系重合
体中にアルカリ金属を配合し、けん化して得られたビニ
ルアルコール系重合体を洗浄液で洗浄することにより、
ビニルアルコール系重合体中に含まれるアルカリ金属を
制御する方法などが挙げられるが後者のほうが好まし
い。アルカリ金属の含有量は、原子吸光法で求めること
ができる。
ルコール系重合体の製法としては、エチレンと前述のビ
ニルエステル系単量体とを共重合して得られたビニルエ
ステル系重合体を、アルコールあるいはジメチルスルホ
キシド溶液中でけん化する方法などの公知の方法が挙げ
られる。
としては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムがあ
げられる。けん化触媒に使用するアルカリ性物質のモル
比は、酢酸ビニル単位に対して0.004〜0.5が好
ましく、0.005〜0.05が特に好ましい。けん化
触媒は、けん化反応の初期に一括添加しても良いし、け
ん化反応の途中で追加添加しても良い。けん化反応の溶
媒としては、メタノール、酢酸メチル、ジメチルスルホ
キシド、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。これ
らの溶媒の中でもメタノールが好ましく、含水率を0.
001〜1重量%に制御したメタノールがより好まし
く、含水率を0.003〜0.9重量%に制御したメタ
ノールがより好ましく、含水率を0.005〜0.8重
量%に制御したメタノールが特に好ましい。けん化反応
の温度としては、5〜80℃が好ましく、20〜70℃
がより好ましい。けん化時間としては5分間〜10時間
が好ましく、10分間〜5時間がより好ましい。けん化
方法としてはバッチ法や連続法など公知の方法が適用可
能である
酢酸メチル、酢酸エチル、ヘキサン、水などがあげら
れ、これらの中でもメタノール、酢酸メチル、水の単独
もしくは混合液がより好ましい。洗浄液の量としてはア
ルカリ金属(B)の含有割合を満足するように設定され
るが、通常、PVA100重量部に対して、30〜10
000重量部が好ましく、50〜3000重量部がより
好ましい。洗浄温度としては、5〜80℃が好ましく、
20〜70℃がより好ましい。洗浄時間としては20分
間〜10時間が好ましく、1時間〜6時間がより好まし
い。洗浄方法としてはバッチ法や向流洗浄法など公知の
方法が適用可能である。本発明のビニルアルコール系共
重合体および組成物は、後述する実施例1〜29からも
明らかなように、重合条件(重合温度、酢酸ビニル、溶
媒、エチレンの添加量、エチレン、開始剤の逐次添加条
件、重合エチレン圧、重合時間、重合率、無水マレイン
酸などのディレー添加条件)、けん化条件(ポリ酢酸ビ
ニル濃度、アルカリ量、温度、時間、中和処理、洗浄処
理)を選択することによって得られる。適切な条件を選
択しないと、比較例1〜25からも明らかなように目的
とするビニルアルコール系重合体および組成物を得るこ
とができない。
けん化度、カルボキシル基およびラクトン環量、1,2
−グリコール結合量、水酸基連鎖を有するビニルアルコ
ール系重合体および特定のアルカリ金属を含有するその
組成物は、従来のPVAに比較して、熱安定性が顕著に
優れており、溶融成形や溶融紡糸用の樹脂として有用で
ある。すなわち、本発明のビニルアルコール系重合体お
よびその組成物は、熱安定性の指標である一定の温度、
時間で熱処理した時のゲル分発生量が、従来のPVAに
比較して少ない。これはPVAの工業的な熱溶融成形お
よび熱溶融紡糸においての長期運転性(ロングラン性)
を考慮すると、本発明のビニルアルコール系重合体およ
びその組成物は、工業的な熱溶融成形性および熱溶融紡
糸性が顕著に優れているといえる。本発明のエチレン変
性PVAおよびその組成物が高い熱安定性を示す理由に
ついては、明らかでないが、エチレン変性PVAが特定
の重合度、けん化度、カルボキシル基およびラクトン環
量、1,2−グリコール結合量、水酸基連鎖を有するこ
とおよび特定のアルカリ金属を含有すること、特に特定
のエチレン変性量と特定のカルボキシル基およびラクト
ン環量を含有することに起因するものと推定される。
組成物には、本発明の目的や効果を損なわない範囲で、
必要に応じて充填材、銅化合物等の等の加工安定剤、耐
候安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、他の可塑剤樹脂、潤
滑剤、香料、発泡剤、消臭剤、増量剤、剥離剤、離型
剤、補強材、防かび剤、防腐剤、結晶化速度遅延剤など
の通常の添加剤を適宜配合することができる。特に熱安
定剤としてヒンダードフェノール等の有機系安定剤、ヨ
ウ化銅等のハロゲン化銅化合物、ヨウ化カリウム等のハ
ロゲン化アルカリ金属化合物を添加すると、成形化およ
び繊維化の際の溶融滞留安定性が向上するので好まし
い。
融成形性および熱溶融紡糸性をさらに向上させるととも
に、繊維化するときの延伸性を付与する、さらには得ら
れた成形物や繊維に柔軟性および靱性を付与する効果を
有する。可塑剤としては、PVAのガラス転移点や溶融
粘度を低下させうる化合物であれば特に制限はないが、
例えば、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2,3
−ブタンジオールなどのジオール類;エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、
テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、プロピレングリコール
などのグリコール類;ソルビトール、グリセリンおよび
ジグリセリンなどの多価アルコールにエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイドなどが付加したグリセリン誘
導体、ソルビトール、ペンタエリスリトール、糖類、ポ
リエーテル類、ビスフェノールAおよびビスフェノール
Sなどのフェノール誘導体、N−メチルピロリドンなど
のアミド化合物、トリメチロールプロパン、ジグリセリ
ン、3−メチル−1,3,5ペンタントリオール、少量
(20%以下)の水などの公知のものを使用することが
できるが、これらに限定されない。可塑剤の添加量とし
ては、ビニルアルコール系重合体100重量部に対して
30重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ま
しく、10重量部以下がさらにより好ましい。さらに前
記他の熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポ
リスチレン、ABS樹脂などの汎用樹脂が挙げられる。
感を与えるとともに、ブロッキング防止性を発現させた
り、さらには得られた成形物や繊維に水崩壊性や生分解
性の速度を制御する効果を有する。充填剤としては、カ
オリン、クレー、タルク、酸性白土、シリカ、アルミ
ナ、珪草土、ベントナイト、モンモリロナイト、木節粘
土、蛙目粘土、ロウ石、ミョウバン石、陶土、長石、石
綿、パーライト、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、カーボンブラック、酸化チタン、マイカ、酸化ジル
コニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、シラス、ガ
ラス、ガラス繊維などの公知の無機充填剤、尿素−ホル
マリン系樹脂、メラミン−ホルマリン系樹脂などの有機
充填剤が挙げられる。本発明で使用できる無機材料の平
均粒子径としては特に制限はないが、0.1〜100μ
mが好ましい。充填剤の添加量としては特に制限はない
が、ビニルアルコール系重合体100重量部に対して4
00重量部以下が好ましく、200重量部以下がより好
ましい。
の添加物が配合される場合の添加方法については特に制
限はなく、ビニルアルコール系重合体に安定剤、可塑
剤、充填剤および添加剤を配合しただけでもよく、これ
らを溶融混練してペレット化してもよい。溶融混練機に
ビニルアルコール系重合体と安定剤、可塑剤、充填剤お
よび添加剤を別々に一定割合で仕込みながら混練、ペレ
ット化しても一向に差し支えない。
成形方法としては、例えば、押出成形法、射出成形法、
Tダイからの押出製膜法、インフレーション製膜法、圧
縮成形法、トランスファー成形法、強化プラスチック成
形法、中空成形法、プレス成形法、ブロー成形法、カレ
ンダー成形法、発泡成形法、真空成形法、圧空成形法な
どが挙げられる。また、所望により他の熱可塑性樹脂を
積層することもできる。さらに、本発明のビニルアルコ
ール系重合体は水あるいはジメチルスルホキシドなどの
溶媒を用いて溶液の形態から成形することも当然可能で
ある。これらの方法により、フィルム、シート、チュー
ブ、ボトルなどの任意形状の成形品が得られる。
る繊維の製造は、公知の水系湿式紡糸装置、水系乾式紡
糸装置、溶媒湿式紡糸装置および溶融紡糸装置を用いる
ことができるが、本発明のビニルアルコール系重合体は
熱安定性に優れる特長を有することから、溶融紡糸装置
を用いる製法が好ましい。溶融紡糸法は溶融押出機でP
VAのペレットを溶融混練し、溶融したポリマー流を紡
糸頭に導き、ギヤポンプで計量し、ノズルから吐出させ
た糸条を巻き取ることで得られる。紡糸ノズルから吐出
された繊維は延伸処理や熱処理および収縮加工される場
合がある。延伸方法は通常熱延伸されるが、熱風、熱
板、熱ローラー、水浴等のいずれを用いて行ってもよ
い。熱処理は延伸と同時に行っても、延伸後に行っても
よい。また熱処理は延伸後の繊維に収縮を加えて行って
もよい。紡糸口金温度、せん断速度、ドラフト、延伸倍
率、延伸条件、熱処理温度、熱処理条件、収縮などの繊
維化条件は、使用するビニルアルコール系重合体および
目的により異なるので、適宜調整される。
らなる溶融紡糸繊維は90℃以下の水で完全に溶解され
るという特色を有する。溶解された該PVAはそまま自
然界に放出してもいずれは分解されて水と炭酸ガスにな
るが、活性汚泥で処理する方が早期に分解されるために
環境的に好ましい。
合体からなるPVA繊維からは、製紙用バインダー繊
維、不織布用バインダー繊維、乾式不織布用ステープ
ル、紡績用ステープル、織物用マルチフィラメント、編
み物用マルチフィラメント、セメント補強材、ゴム補強
材、ケミカルレース基布、空羽織物、水溶性ロープ、釣
り糸、縫い糸、水溶性包装材、衛生材料、メディカル用
ディスポ製品、農業用被履材、フィルター類、ワイパー
類、等の用途に用いることができる。
重合度、けん化度、カルボキシル基およびラクトン環
量、1,2−グリコール結合量、水酸基連鎖を有するビ
ニルアルコール系重合体および特定量のアルカリ金属を
含有するその組成物は、従来のPVAに比較して、酸素
バリア性が顕著に優れており、酸素バリアフィルム用の
樹脂として有用である。すなわち、本発明のビニルアル
コール系重合体およびその組成物は、酸素バリアの指標
である下記に示す特定の方法で測定した酸素透過量が、
従来のPVAに比較して少ない。本発明のエチレン変性
PVAおよびその組成物が高い酸素バリア性を示す理由
については、明らかでないが、エチレン変性PVAが特
定の重合度、けん化度、カルボキシル基およびラクトン
環量、1,2−グリコール結合量、水酸基連鎖を有する
ことおよび特定のアルカリ金属を含有すること、特に特
定のエチレン変性量と特定のカルボキシル基およびラク
トン環量を含有することおよび特定のアルカリ金属を含
有することに起因するものと推定される。
コール系重合体を製膜して得られたフィルムを空気中で
熱処理(好ましくは100〜240℃、より好ましくは
120〜200℃;好ましくは10〜300秒間、より
好ましくは30〜180秒間)し、20℃、80%RH
で調湿した後、フィルムの酸素透過量を測定し、それを
ビニルアルコール系重合体の厚みを20μmに換算した
酸素透過量である。また、既に積層体の形態になってい
る場合には、該積層体の酸素透過量を測定し、ビニルア
ルコール系重合体の厚みを20μmに換算した酸素透過
量である。なお、積層体の場合には何らかの熱処理が施
されたことによりガスバリア性が発現していることか
ら、酸素透過量の測定に際して、さらに熱処理をする必
要はない。ビニルアルコール系重合体からなるフィルム
の酸素ガスバリア性に比較して、基材フィルムの酸素ガ
スバリア性は非常に低いことから、積層体の酸素ガスバ
リア性はビニルアルコール系重合体からなるフィルムの
酸素ガスバリア性により実質的に決まる。したがって、
積層体の場合であっても、ビニルアルコール系重合体の
厚みを20μmに換算した酸素透過量を算出することが
可能である。以下、特に断りのない限り、酸素透過量と
は、ビニルアルコール系重合体の厚みを20μmに換算
した酸素透過量を意味する。上記の方法で測定された酸
素透過量は15cc/m2・day・atm以下である
ような酸素ガスバリア性を有するものが好ましく、好ま
しくは10cc/m 2・day・atm以下であり、さ
らに好ましくは5cc/m2・day・atm以下であ
る。
フィルムとしては、ポリオレフィンフィルム、ポリエス
テルフィルム、ポリアミドフィルムなどが挙げられる。
基材フィルムの厚み(延伸する場合には最終的な厚み)
としては、5〜100μmが好ましい。
フィルムに塗布して積層体を得るには、ビニルアルコー
ル系重合体を単独で用いても良いが、耐水性を付与する
目的で架橋剤を併用するのが好ましい。架橋剤として
は、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アルデヒ
ド化合物、シリカ化合物、アルミ化合物、ジルコニウム
化合物、硼素化合物などが挙げられる。これらの中で
も、コロイダルシリカ、アルキルシリケートなどのシリ
カ化合物が好ましい。架橋剤の添加量は、ビニルアルコ
ール系重合体100重量部に対して通常5〜60重量部
であり、好ましくは10〜40重量部、さらに好ましく
は15〜30重量部である。架橋剤の添加量が60重量
部を越える場合は、酸素バリア性に悪影響を与えること
がある。
に塗布して積層体を得る際には、通常ビニルアルコール
系重合体の水溶液の形態で塗布される。水溶液の濃度は
特に制限はないが、5〜50重量%が好ましい。濃度が
5重量%未満では乾燥負荷が大きくなり、50重量%を
越える場合は水溶液粘度が高くなり塗工性が低下する。
する際には、界面活性剤、レベリング剤等を添加しても
良い。また、メタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコールなどの低級脂肪族アルコールを30重量%程度
まで添加しても良い。低級脂肪族アルコールを添加する
ことにより、塗工性が向上する。また、ビニルアルコー
ル系重合体の水溶液には、防黴剤、防腐剤などを添加す
ることができる。ビニルアルコール系重合体の水溶液の
塗工時の温度は、20〜80℃が好ましい。塗工方法
は、グラビアロールコーティング法、リバースグラビア
コーティング法、リバースロールコーティング法、マイ
ヤーバーコーティング法が好適に用いられる。ビニルア
ルコール系重合体の水溶液の塗工方法としては、基材フ
ィルムの延伸や熱処理をした後に塗工する方法、塗工し
た後に延伸や熱処理する方法が挙げられる。これらの方
法の中でも、作業性を考慮すると、基材フィルムを一段
延伸した後、フィルム塗布用樹脂の水溶液を塗布した
後、さらに二段延伸を行い、その二段延伸中または二段
延伸後に熱処理をする方法が好ましい。ビニルアルコー
ル系重合体の厚み(延伸する場合には最終的な厚み)
は、0.1〜20μmが好ましい。
ム層と基材フィルム層との間には、接着性を向上させる
目的で、接着性成分層を形成せしめてもよい。接着成分
は、ビニルアルコール系重合体の水溶液を塗工する前
に、基材フィルムの表面に塗布したり、ビニルアルコー
ル系重合体の水溶液中に混合して使用することができ
る。
ルアルコール系重合体フィルム層の上に、さらにヒート
シール樹脂層が形成される。ヒートシール樹脂層の形成
は、通常押し出しラミネート法あるいはドライラミネー
ト法によりなされる。ヒートシール樹脂としては、HD
PE,LDPE、LLDPEなどのポリエチレン樹脂
類、PP樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン・α−オレフィンランダム共重合体、アイオノマー樹
脂などが使用できる。
制限はないが、通常、延伸されたポリオレフィンフィル
ム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムなどの
それぞれの樹脂に適した温度で、ビニルアルコール系重
合体を塗工した後、空気中などで熱処理される。熱処理
温度は、ポリオレフィンフィルムの場合には140℃〜
170℃であり、ポリエステルフィルムおよびポリアミ
ドフィルムの場合には140℃〜240℃である。ビニ
ルアルコール系重合体からなるフィルム層の熱処理は、
通常、基材フィルムと同時に熱処理される。
重合度、けん化度、カルボキシル基およびラクトン環
量、1,2−グリコール結合量、水酸基連鎖を有するビ
ニルアルコール系重合体とその組成物は、繊維糊剤、繊
維処理剤、繊維加工剤、繊維製品用サイズ剤、紙のクリ
アーコーテイング、紙の顔料コーティング剤、紙の内添
サイズ剤、感熱紙のオーバーコート用バインダー等の紙
加工剤、感圧接着剤、防曇剤、塗料、有機および無機顔
料用の分散剤、エマルジョン用重合分散安定剤、塩ビ用
重合分散安定剤、紙や木材およびプラスチックなどの接
着剤、不織布用バインダー、繊維用バインダー、セラミ
ックス用バインダー、石膏ボードや繊維板などの各種建
材用バインダー、セメントやモルタル用添加剤、ホット
メルト接着剤、画像形成材料、感光性樹脂、ホルマール
樹脂やブチラール樹脂等のポリビニルアセタール用原
料、ゲル用基材、フィルム、繊維、シート、成形物(フ
ィルム、繊維、シート、チューブ、不織布など)、土壌
改良剤などに用いることができる。また、本発明のビニ
ルアルコール系重合体の特長を利用して、単独あるいは
無変性PVAや他の変性PVAとの併用、でんぷん(お
よびその変性物)、セルロース誘導体、ガム類、ゼラチ
ン、カゼイン等の他種ポリマーとの併用、可塑剤との併
用で利用される。
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」は、特に断らない限り重量
基準を意味する。また、得られたエチレン変性PVAの
分析、水溶性、耐水性、低温放置安定性を下記の要領で
評価した。
の分析方法は特に記載のない限りはJIS−K6726
に従った。本発明のエチレン変性量は変性ポリビニルエ
ステルを用いて、カルボキシル基とラクトン環の合計含
有量、1,2−グリコール結合量および水酸基3連鎖の
水酸基の含有量は、変性PVAを用いて500 MHz
プロトンNMR(JEOLGX-500)装置による測
定から前述のとおり求めた。本発明の変性PVAの融点
は、DSC(メトラー社、TA3000)を用いて、窒
素中、昇温速度10℃/分で250℃まで昇温後室温ま
で冷却し、再度昇温速度10℃/分で250℃まで昇温
した場合のPVAの融点を示す吸熱ピークのピークトッ
プの温度を調べた。アルカリ金属の含有量は原子吸光法
で求めた。
が10%になるように、所定量のPVAを蒸留水中に分
散させた後、温度95℃で3時間加熱攪拌を行ってPV
A水溶液を調製した。次いで20℃に冷却し、目視によ
り評価した。その結果を下記の記号で示す。 5:水に完全に溶解し、水溶液は無色透明。 4:水に完全に溶解するが、水溶液は白濁。 3:水にほとんど溶解するが、一部不溶物がある。 2:かなり不溶物がある。 1:まったく溶解しない。
PVA水溶液を50℃でキャスト製膜して50ミクロン
の膜を作成した。得られた膜の一部を120℃で10分
間熱処理を行った。該試験体膜を20℃の水中に24時
間浸漬後に取り出し、手で膜をこすった感触を5段階で
評価した。 5:膜は乾燥時と同一の感触で、しっかりしている。 4:膜は比較的しっかりしているが、ややヌメリ感があ
る。 3:膜は残っているが、ヌルヌルした感触がある。 2:膜は一部残っているが、取り出すことができない。 1:膜は完全に溶解している。
定性]10重量%に調製したPVA水溶液を300ml
のガラス製ビーカーにいれ、5℃で1日間放置し、5℃
放置後粘度(η1日)と5℃の初期粘度(η初期)との
比(低温増粘倍率=η1日/η初期)を求めた。測定
は、B型粘度計(回転数12rpm)を用い5℃で行っ
た。
チレン導入口、開始剤添加口およびディレー溶液添加口
を備えた250L加圧反応槽に酢酸ビニル107.2k
g、メタノール42.8kgおよび無水マレイン酸1
5.6gを仕込み、60℃に昇温した後30分間窒素バ
ブリングにより系中を窒素置換した。次いで反応槽圧力
が5.9Kg/cm2となるようにエチレンを導入仕込
みした。開始剤として2,2’−アゾビス(4−メトキ
シ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMV)をメ
タノールに溶解した濃度2.8g/L溶液を調整し、窒
素ガスによるバブリングを行って窒素置換した。またデ
ィレー溶液として無水マレイン酸をメタノールに溶解し
た濃度5%溶液を調整し、窒素ガスによるバブリングを
行って窒素置換した。上記の重合槽内温を60℃に調整
した後、上記の開始剤溶液204mlを注入し重合を開
始した。重合中はエチレンを導入して反応槽圧力を5.
9Kg/cm2に、重合温度を60℃に維持し、上記の
開始剤溶液を用いて640ml/hrでAMVを、また
上記ディレー溶液を用いて無水マレイン酸を重合系中の
酢酸ビニルと無水マレイン酸の比率が一定となるように
しながら連続添加して重合を実施した。4時間後に重合
率が30%となったところで冷却して重合を停止した。
この時点でディレーにより添加した無水マレイン酸ディ
レー溶液の総量は1400mlであった。反応槽を開放
して脱エチレンした後、窒素ガスをバブリングして脱エ
チレンを完全に行った。次いで減圧下に未反応酢酸ビニ
ルモノマーを除去しポリ酢酸ビニルのメタノール溶液と
した。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液にメタノールを加
えて濃度が30%となるように調整したポリ酢酸ビニル
のメタノール溶液333g(溶液中のポリ酢酸ビニル1
00g)に、46.5g(ポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニ
ルユニットに対してモル比[MR]0.10)のアルカ
リ溶液(NaOHの10%メタノール溶液)を添加して
けん化を行った。アルカリ添加後約1分で系がゲル化し
たものを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけ
ん化を進行させた後、酢酸メチル1000gを加えて残
存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示
薬を用いて中和の終了を確認後、濾別して得られた白色
固体のPVAにメタノール1000gを加えて室温で3
時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3回繰り返した後、
遠心脱液して得られたPVAを乾燥機中70℃で2日間
放置して乾燥PVA(PVA−1)を得た。
ルボキシル基およびラクトン環を有するエチレン変性P
VAのけん化度は98.5モル%であった。また該変性
PVAを灰化させた後、酸に溶解したものを用いて原子
吸光光度計により測定したナトリウムの含有量は、変性
PVA100重量部に対して0.36重量部であった。
また、重合後未反応酢酸ビニルモノマーを除去して得ら
れたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液をn−ヘキサンに
沈殿、アセトンで溶解する再沈精製を3回行った後、8
0℃で3日間減圧乾燥を行って精製ポリ酢酸ビニルを得
た。該ポリ酢酸ビニルをDMSO−D6に溶解し、50
0MHzのプロトンNMR(JEOLGX−500)を
用いて80℃で測定したところ、エチレン単位の含有量
は7モル%であった。上記のポリ酢酸ビニルのメタノー
ル溶液をアルカリモル比0.5でけん化した後、粉砕し
たものを60℃で5時間放置してけん化を進行させた
後、メタノールソックスレーを3日間実施し、次いで8
0℃で3日間減圧乾燥を行って精製されたカルボキシル
基およびラクトン環を有すエチレン変性PVAを得た。
該PVAの平均重合度を常法のJIS K6726に準
じて測定したところ1000であった。該精製PVAの
カルボキシル基およびラクトン環の含有量、1,2−グ
リコール結合量および水酸基3連鎖の水酸基の含有量を
500 MHz プロトンNMR(JEOL GX-50
0)装置による測定から前述のとおり求めたところ、そ
れぞれ0.246モル%、1.61モル%および87%
であった。さらに該精製された変性PVAの5%水溶液
を調整し厚み10ミクロンのキャスト製フィルムを作成
した。該フィルムを80℃で1日間減圧乾燥を行った後
に、DSC(メトラー社、TA3000)を用いて、前
述の方法によりPVAの融点を測定したところ210℃
であった。
よび低温粘度安定性]上記で得られたエチレン変性PV
A(PVA−1)を用いて、前述の方法により水溶性を
評価したところ、蒸留水に完全に溶解しており水溶液は
無色透明であった。また前述の方法により耐水性を評価
したところ、50℃キャスト製膜から得たフィルムおよ
びそれを120℃で10分間熱処理を行ったフィルム
は、両者とも水浸漬前の乾燥時のフィルムと同一のしっ
かりした感触であった。さらに前述の方法により水溶液
濃度10%のPVA水溶液の5℃での粘度安定性を評価
したところ、5℃に浸漬した直後のPVA水溶液粘度は
450mPa・s、5℃に1日放置した後のPVA水溶
液粘度は500mPa・sであり、低温増粘倍率は1.
1倍であった。
よび27〜29 表1および表2に示す条件に変更した以外は実施例1と
全く同様にしてビニルエステル系重合体を合成した。引
き続き該ビニルエステル系重合体を表3および表4に示
す条件に変更した以外は実施例1と全く同様にしてPV
A系重合体を合成した。得られたPVA系重合体のエチ
レン含有量、重合度、けん化度、カルボキシル基および
ラクトン環含有量、1,2−グリコール結合量、ビニル
アルコールユニットに対するトライアッド表示による水
酸基3連鎖の中心水酸基の量およびPVA系重合体10
0重量部に対するナトリウム換算したアルカリ金属の含
有量を表5および表6に示す。得られたPVA系重合体
の水溶性、耐水性および低温粘度安定性を表13および
表14に示す。
よび24〜25 重合時の圧力を変更する(エチレンを含有しないPVA
系重合体を合成する際には窒素シールの状態で重合し
た。)など、表7および表8に示す条件に変更した以外
は実施例1と全く同様にしてビニルエステル系重合体を
合成した。引き続き該ビニルエステル系重合体を、表9
および表10に示す条件に変更した以外は実施例1と全
く同様にしてPVA系重合体を合成した。得られたPV
A系重合体のエチレン含有量、重合度、けん化度、カル
ボキシル基およびラクトン環含有量、1,2−グリコー
ル結合量、ビニルアルコールユニットに対するトライア
ッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の量およびP
VA系重合体100重量部に対するナトリウム換算した
アルカリ金属の含有量を表11および表12に示す。得
られたPVA系重合体の水溶性、耐水性および低温粘度
安定性を表15および表16に示す。
水溶性、耐水性および低温での放置粘度安定性の評価に
おいて、いずれも良好な結果を示すのは本発明の所定の
範囲の物性を有するもののみであり、比較例として挙げ
たものはいずれも水溶性、耐水性あるいは低温での放置
粘度安定性のいずれかあるいは全てにおいて悪い結果で
あった。たとえばエチレン変性を有さない比較例26か
ら比較例34では耐水性あるいは粘度安定性が悪く、エ
チレン以外の変性を有する比較例35および比較例36
では全く水に溶解しないなどである。比較例48では水
溶性や耐水性は問題ないが、低温での放置粘度安定性が
悪く水溶液が1日後にはゲル化してしまうため、作業上
の取り扱いが難しい。実施例40では、低温での放置粘
度安定性(η1日/η初期)が24.6と他と比べて安
定性が良くないように思われるが、実施例40と同等の
重合度、けん化度を有しエチレン変性を持たないもので
は、同じ評価を行った場合1日後には溶液がゲル化する
のに対して、実施例40の1日後の水溶液粘度は270
mPa・sと溶液状態を保っており、エチレン変性を有
することによる安定性の向上が認められる。
び開始剤添加口を備えた250L加圧反応槽に、酢酸ビ
ニル76.6kg、メタノール73.3kgおよびアリ
ルグリシジルエーテル217gを仕込み、実施例1と全
く同様にして系中を窒素置換した。次いで反応槽圧力、
AMV量、コモノマーであるアリルグリシジルエーテル
を連続添加しないなど表1に示す条件に変更した以外は
実施例1と全く同様にしてアリルグリシジルエーテルを
含有するビニルエステル系重合体を重合した。3時間後
に重合率が20%となったところで冷却して重合を停止
し、反応槽を開放して脱エチレンした後、窒素ガスをバ
ブリングして脱エチレンを完全に行った。次いで減圧下
に未反応酢酸ビニルモノマーを除去しポリ酢酸ビニルの
メタノール溶液とした。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液
にメタノールを加えて濃度が35%となるように調整し
たポリ酢酸ビニルのメタノール溶液286g(溶液中の
ポリ酢酸ビニル100g)に、0.54gの3−メルカ
プトプロピオン酸と0.1gの酢酸ナトリウムを加えて
50℃で2時間攪拌を行った後、46gのアルカリ溶液
(NaOHの10%メタノール溶液)を添加してけん化
を行った。アルカリ添加後約1分で系がゲル化したもの
を粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を
進行させた後、酢酸の1%メタノール溶液1000gを
加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレ
イン指示薬を用いて中和の終了を確認後、濾別して得ら
れた白色固体のPVAにメタノール1000gを加えて
室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3回繰り返
した後、遠心脱液して得られたPVAを乾燥機中70℃
で2日間放置して乾燥したカルボキシル基を有するエチ
レン変性PVA(PVA−9)を得た。該エチレン変性
PVAの分析結果および評価結果を表5および表13に
示す。比較例8は、エチレン加圧での重合を窒素シール
の状態で重合するなど、表7および表9に示す条件に変
更した以外は実施例9と全く同様にしてカルボキシル基
変性PVA(PVA−37)を得た。該PVAの分析結
果および評価結果を表11および表15に示す。
−31のそれぞれ100gを蒸留水に溶解した10%水
溶液に濃塩酸を加えて水溶液のpHが1となるように調
整したものに、4−オキソ−ブタン酸0.52gを加え
て50℃で2時間攪拌した後反応溶液をNaOH溶液で
中和して溶液のpHを7とし、該水溶液をMeOHに投
じて析出したPVAを濾別し、3日間ソックスレー抽出
(MeOH)を行ったものを乾燥機中70℃で2日間放
置して乾燥したカルボキシル基を有するエチレン変性P
VA(PVA−10)およびカルボキシル基変性PVA
(PVA−37)を得た。それぞれのPVAの分析結果
を表5および表11に、評価結果を表13および表15
にそれぞれ示す。
キシ基を有するポリ酢酸ビニルとカルボキシル基を有す
るチオールとの反応物をけん化した場合や、実施例10
のようにPVAにカルボキシル基を有するアルデヒド化
合物をアセタール化により付加反応させた場合において
も、全く問題なくカルボキシル基およびラクトン環をP
VAに導入することができることがわかる。また表13
の実施例38および実施例39に示すとおり、このよう
な手法を用いて導入されたカルボキシル基およびラクト
ン環は、共重合などの手法により導入された場合と全く
相違ない機能を有することがわかる。
トリメトキシシランを重合仕込み操作時に添加するのみ
で、重合中に連続添加しないことおよび表2、表4、表
8、表10に示す条件に変更した以外は実施例1と全く
同様にして三元共重合変性PVA(PVA−19、PV
A−25、PVA−26、PVA−47)を得た。それ
ぞれのPVAの分析結果を表6および表12に、評価結
果を表14および表16にそれぞれ示す。
重合することおよび表7、表9に示す条件に変更した以
外は実施例19と全く同様にしてイソブテン変性PVA
(PVA−39)および1−オクテン変性PVA(PV
A−40)を得た。それぞれのPVAの分析結果および
評価結果を表11および表15にそれぞれ示す。これら
の変性PVAは蒸留水に不溶であった。よって、20℃
における濃度4%のDMSO溶液粘度を測定した値から
重合度を推定して表11に示した。またけん化度は、該
変性PVAを水/メタノール=6/4溶液に溶解する以
外はJIS−K6726に従って求めた。
を合成する際に重合して得られたPVAcペーストを用
いて、表4に示すPVAの洗浄方法の変更以外は実施例
2と全く同様にして、アルカリ金属含有量の異なるPV
A(PVA−23、PVA−24)を得た。比較例22
および23は、比較例2においてPVA−31を合成す
る際に重合して得られたPVAcペーストを用いて、表
10に示すPVAの洗浄方法の変更以外は比較例2と全
く同様にしてPVA−51およびPVA−52を得た。
それぞれのPVAの分析結果を表6および表12に、評
価結果を表14および表16にそれぞれ示す。
PVAペレットを製造し、下記の5段階評価で成形中の
熱成形性を評価した。表17〜表19にその結果を示
す。 ・ペレット化条件 押出機:東洋製罐(株)製ラボプラストミル スクリュー:2軸同方向、25mmφ、L/D=26 吐出量:3.0kg/hr (ペレット化温度条件A) 設定温度(シリンダー部):230℃ 設定温度(ダイ部):130℃ (ペレット化温度条件B) 設定温度(シリンダー部):210℃ 設定温度(ダイ部):120℃ (ペレット化温度条件C) 設定温度(シリンダー部):200℃ 設定温度(ダイ部):110℃ ・熱成形性の評価 5:成形中に全く発煙を生じず、分解臭なし。 4:成形にさしつかえない程度の発煙を生じるが、分解
臭なし。 3:成形中に発煙を生じ、やや分解臭がする。 2:成形中にかなり発煙を生じ、分解臭が発生する。 1:成形中に激しく発煙を生じ、分解臭が激しく成形で
きない。または、融点が高い為に未溶解物が多量に含ま
れ、成形に使用できない。
いずれかの成形温度条件で溶融押出成形によりフィルム
を成形し、下記の5段階評価で重合体の熱安定性を評価
した。表17〜表19にその結果を示す。 ・溶融押出成形条件 押出機:東洋製罐(株)製ラボプラストミル スクリュー型:フルフライトスクリュー スクリュー回転数:200rpm モーター負荷電流:3.3アンペア 吐出量:2.2kg/hr フィルム厚:40μm (押出成形温度条件A) シリンダー1:180℃ シリンダー2:210℃ シリンダー3:230℃ シリンダー4:230℃ シリンダー5:230℃ ダイ温度 :225℃ (押出成形温度条件B) シリンダー1:160℃ シリンダー2:190℃ シリンダー3:210℃ シリンダー4:210℃ シリンダー5:210℃ ダイ温度 :205℃ (押出成形温度条件C) シリンダー1:150℃ シリンダー2:180℃ シリンダー3:200℃ シリンダー4:200℃ シリンダー5:200℃ ダイ温度 :195℃ ・重合体の熱安定性の評価 上記条件により得られたフィルムから幅200mm、長
さ200mmの大きさに20枚無作為に切り取り、ゲル
に由来するブツ(フィッシュアイ)の1枚当たりの平均
個数を以下の5段階評価で判定した。 5:ブツ数が0.2個未満 4:ブツ数が0.2個以上0.6個未満 3:ブツ数が0.6個以上1.5個未満 2:ブツ数が1.5個以上4.0個未満 1:4.0個以上
物物性] 実施例59〜78および比較例51〜67 上記の方法で得られたペレットを原料に用いて、下記の
いずれかの成形温度条件で射出成形し、幅50mm、長
さ100mm、厚さ3mmのテストピースを作成し、曲
げ弾性率を測定した。その結果を表17〜表19に示
す。 ・射出成形条件 成形機:日精樹脂工業製FS80S12ASEE 射出容量:127cm3/ショット 型締力:80トン 金型温度:60℃ 射出圧力:(1次)950kgf/cm2 (2次)560kgf/cm2 (3次)400kgf/cm2 スクリュー背圧:10kgf/cm2 射出時間:10sec. 冷却時間:40sec. (射出成形温度条件A) シリンダー後:220℃ シリンダー中:235℃ シリンダー前:235℃ ノズル温度: 230℃ (射出成形温度条件B) シリンダー後:200℃ シリンダー中:215℃ シリンダー前:215℃ ノズル温度: 210℃ (射出成形温度条件C) シリンダー後:190℃ シリンダー中:205℃ シリンダー前:205℃ ノズル温度: 200℃ ・曲げ弾性率測定 JIS K7203に準じて測定した。
形物物性] 実施例59〜78および比較例51〜67 上記の方法で得られたペレットを原料に用いて、下記の
いずれかの成形温度条件でブロー成形によりボトルを作
成し、下記の5段階評価で成形物の耐衝撃性を評価し
た。その結果を表17〜表19に示す。 ・ブロー成形条件 成形機:鈴木鉄工所製中空成形機 スクリュー:40φ、L/D=19 スクリュー回転数:500rpm 金型ノズル:13φ/16φ ボトル容量:50ml(肉厚0.85mm) (成形温度条件A) シリンダー1:210℃ シリンダー2:225℃ シリンダー3:230℃ シリンダー4:230℃ シリンダー5:230℃ ダイ温度 :225℃ (成形温度条件B) シリンダー1:190℃ シリンダー2:205℃ シリンダー3:210℃ シリンダー4:210℃ シリンダー5:210℃ ダイ温度 :205℃ (成形温度条件C) シリンダー1:180℃ シリンダー2:195℃ シリンダー3:200℃ シリンダー4:200℃ シリンダー5:200℃ ダイ温度 :195℃ ・衝撃性評価 得られたボトル中に不凍液の機械用潤滑オイル(凝固
点:−20℃)を完全に満たし、密封した後、1週間後
(20℃、65%RHまたは−5℃)もしくは1ヶ月
(−5℃)放置し、オイルを満たした状態で、ボトル
(各サンプル20個)を2.5メートルの高さから木製
の床に自然落下させて、ボトルに生じた亀裂の個数の平
均値により以下の5段階に評価した。 5:亀裂の個数 1個以下 4:亀裂の個数 2〜4個 3:亀裂の個数 5〜7個 2:亀裂の個数 8〜10個 1:亀裂の個数 11個以上
PVAの溶融成形性は、可塑剤無添加ではポリマーの融
点が高いため、230℃では未溶融PVAがペレット中
に多量に残存し、溶融成形に使用するには適さないペレ
ットしか得られなかった。
PVAおよび部分けん化PVAは、総じて熱成形性、熱
安定性がともに悪く、得られるペレットおよび溶融成形
フィルムともに着色も激しく、フィルムの場合にはブツ
の数が極めて多く実用性に乏しい。また、所定量のエチ
レンを変性したPVAでも、所定量以下のけん化度のP
VAも同様に熱成形性、熱安定性ともに悪く、実用性に
乏しい。
所定量以下の重合度のPVAは、熱成形性および熱安定
性は優れるものの、成形物の耐衝撃性が著しく低いため
実用的には不十分である。
VAは、総じて熱成形性および熱安定性が悪く、特に溶
融成形フィルム中のブツの数が非常に多いため実用性に
乏しい。
射出成形などの際に金型からの離型性が悪く、成形物の
生産性の観点から好ましくない。また、得られた成形物
の形態安定性に乏しく、例えばボトルなどの成形物にお
いては実用性に問題がある。さらに、溶融フィルムでは
ブロッキングしやすいために実用性に乏しい。
は、熱安定性が悪く、特に溶融成形フィルム中のブツの
数が非常に多いため実用性に乏しい。また、所定量以上
の1,2−グリコール結合を有するPVAは、熱成形
性、熱安定性ともに悪く、同様にブツの数が非常に多い
ため実用性に乏しい。
ル化しやすく溶融成形フィルム中のブツの数が非常に多
いため実用性に乏しい。また、所定量以上のアルカリ金
属を含有するPVAは、分解臭が激しいうえ、ゲル化し
やすく熱成形性および熱安定性ともに著しく悪化するた
め実用的に好ましくない。
のPVAは、熱成形性および熱安定性に乏しく、これら
のPVAから得られたボトルなどの成型品は、総じて耐
衝撃性が低下する傾向にあり、成形物の色や透明性など
も低下することから、溶融成形用途には適さない。
に示すPVA系重合体を攪拌しながら徐々に投入し、均
一に分散させた後、95℃に加熱し2時間以上攪拌して
完全に溶解させた。約50℃に冷却した後に濾過をし
て、さらに室温まで冷却して、表20および表21に示
す濃度のPVA水溶液を調製した。塗布バーを用いて、
表20および表21に示す厚み15μmの基材フィルム
の表面に、上記で得られたPVA溶液を50℃でコーテ
ィングし、120℃で乾燥した後、表20および表21
に示す温度で120秒間の熱処理を空気中で行った。P
VAコーティング層の厚みは4.0μmであった。PV
Aコーティングフィルム(基材とPVAとの積層体)の
酸素透過量(OTR)(単位:cc/m2・day・a
tm)を表20および表21に示す。なお、PVAコー
ティングフィルム(基材とPVAとの積層体)の酸素透
過量(OTR)(単位:cc/m2・day・atm)
は、該積層体を温度20℃,相対湿度80%の状態で5
日間調湿した後に測定した。以下の表に示す酸素透過量
とは、フィルム塗布用樹脂の厚みを20μmに換算した
値である。
7 実施例79と全く同様の方法で表20および表21に示
す濃度のPVA水溶液を調製した。次に、基材フィルム
として厚み15μmのOPETを用い、塗布バーにて上
記PVA溶液を50℃でコーティングし、130℃で乾
燥した後、表20および表21に示す温度で120秒間
の熱処理を空気中で行った。PVAコーティング層の厚
みは3μmであった。積層体の酸素透過量を表20およ
び表21に示す。
有しない、あるいは少量しか有さないカルボキシル基お
よびラクトン環を有すPVAは、得られた積層体の酸素
バリア性が低下した。比較例75の高い重合度のエチレ
ン変性PVAを用いたもの、および比較例76の低い重
合度のエチレン変性PVAを用いたものは、いずれもP
VAコーティング層の膜面が僅かに面あれしていた。比
較例77の水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率が低い
エチレン変性PVAを用いたもの、比較例78〜79の
カルボキシル基およびラクトン環の含有量が所定の範囲
から外れたエチレン変性PVAを用いたもの、比較例7
7および比較例80〜84の融点、1,2−グリコール
結合量およびアルカリ金属の含有量が所定の範囲から外
れたエチレン変性PVAを用いたものは、何れも得られ
た積層体の酸素バリア性が低下した。
に、水/メタノール=7/3の混合溶媒を用いてPVA
水溶液を調製する以外は、実施例79と全く同様にして
積層体を得た。積層体の酸素透過量を表21に示す。実
施例に用いたPVA系重合体のコモノマーをエチレンか
ら1−オクテンに変更したPVAを用いた積層体は、酸
素バリア性が劣る。
ムを、イソシアネート系接着剤を用いて、表に示す厚み
15μmの基材フィルムに、ドライラミネート法で積層
したこと以外は、実施例79と同様の方法で積層体を得
た。PVAコーティング層の厚みは2.0μmであっ
た。積層体の酸素透過量を表21に示す。ドライラミネ
ート法で積層した積層体は、水溶液コーティング法で得
た積層体に比べて、酸素バリア性が劣る。
験機を用いて、カルボキシル基およびラクトン環を有す
エチレン変性PVAの生分解性を評価した。表5に示し
たPVA−1を水に溶解させた後に、PVA−1、グル
コース、L−グルタミン酸、塩化アンモニウム、塩化カ
リウム、りん酸二すい素カリウム、りん酸すい素二カリ
ウム、塩化カルシウム、硫酸鉄および硫酸マグネシウム
を700、360、180、120、8.4、300、
300、6.7、1.5、0.7の各濃度(mg/l)
で水に溶解し苛性ソーダでpH7に調整した後、殺菌し
て培地に使用した。汚泥は下水処理場のものを使用し、
初期の汚泥濃度を4400ppmとした。曝気槽への培
地供給速度は5L/日、曝気量は2L/日、曝気槽から
オーバーフローした液は沈殿槽へ移動した後に沈殿物を
分離させてから曝気槽へ返送汚泥として供給した。処理
温度30℃で連続3日間の処理試験した後に、曝気槽中
央部より懸濁した汚泥をピペットで採取した。次いで遠
心分離を行った後に、上澄液中のPVA濃度をよう素法
で求めたところ、PVA濃度は4.1ppmであった。
これは3日間の活性汚泥処理により99.4%のPVA
が生分解されたことを表す。
94 実施例101で用いたPVA系重合体の代わりに表22
に示すPVA系重合体を用いたこと以外は実施例101
と全く同様にしてカルボキシル基およびラクトン環を有
するエチレン変性PVAの生分解性を評価した。3日間
処理した後の汚泥液中のPVA濃度の測定結果およびP
VAの生分解性を表22に示す。表22から明らかなよ
うに、本発明のカルボキシル基およびラクトン環を有す
エチレン変性PVAは、わずか3日間の短期間で97%
以上の生分解性を示した。一方、本発明の範囲外である
PVA系重合体の生分解性は94%以下、エチレンを含
有しないものでは80%以下の生分解性であった。
成物は、熱安定性、耐水性、ガスバリア性、水蒸気バリ
ア性、水溶液の低温放置安定性および生分解性に優れ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 エチレン単位の含有量2〜19モル%、
重合度200〜2000、けん化度80〜99.99モ
ル%およびカルボキシル基とラクトン環の合計含有量
0.02〜0.4モル%であるビニルアルコール系重合
体。 - 【請求項2】 カルボキシル基とラクトン環の合計含有
量が下記の数1を満足する請求項1記載のビニルアルコ
ール系重合体。 【数1】 {ここで、含有量(単位:モル%)はカルボキシル基と
ラクトン環の合計含有量を表し、Pはビニルアルコール
系重合体の粘度平均重合度を表す。} - 【請求項3】 1,2−グリコール結合の含有量1.2
〜2モル%、ビニルアルコールユニットに対するトライ
アッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率
65〜98モル%および融点160℃〜230℃である
請求項1または2記載のビニルアルコール系重合体。 - 【請求項4】 トライアッド表示による水酸基3連鎖の
中心水酸基のモル分率が下記の数2を満足する請求項3
記載のビニルアルコール系重合体。 【数2】 {ここで、モル分率(単位:モル%)はビニルアルコー
ルユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連
鎖の中心水酸基のモル分率を表し、Etはビニルアルコー
ル系重合体が含有するエチレン含量(単位:モル%)を
表す。} - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のビ
ニルアルコール系重合体(A)100重量部に対して、
ナトリウム換算で0.0003〜1重量部のアルカリ金
属(B)を含有するビニルアルコール系重合体組成物。
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